JP6111981B2 - 液体口腔用組成物 - Google Patents
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Description
本発明においては、このような(A)、(B)成分の併用系に特有の後味の違和感を(C)成分によって特異的に改善し、スッキリとした後味を与えることができる。この場合、(A)、(B)成分は苦味や刺激感があり、また、(C)成分は強い苦味があり収斂性を与えるものであることから、(A)、(B)成分による収斂感を伴う後味が(C)成分によって改善するとは到底考えられないにもかかわらず、意外にも、これら成分が相互に不快な味を打ち消しあい、(A)、(B)成分の併用系に特有の収斂感を伴う後味の違和感が(C)成分によって特異的に改善し、上記格別な作用効果を付与できる。
本発明において、「収斂感を伴う後味の違和感」とは、口腔内、歯面などに苦味や刺激を伴う成分が残存し不快な味、感じを与えているという感覚のことである。また、「スッキリとした使用感」とは、後味に上記のような不快な違和感が感じられないことである。
(A)塩化セチルピリジニウムと、
(B)塩化ベンゼトニウムと、
(C)ニガキ、ホップ、アルモアズ、ニガヨモギ、ゲンチアナ、オウバクから選ばれる植物の抽出物を1種以上と
を含有することを特徴とする液体口腔用組成物
を提供する。
(A)塩化セチルピリジニウムは市販のものを使用でき、その配合量は、組成物全体の0.01〜0.1%(質量%、以下同様。)が好ましく、より好ましくは0.02〜0.08%である。殺菌効果の付与には0.01%以上配合することが好ましいが、配合量が多すぎないほうが後味の違和感改善にはより好適であり、0.1%以下であることが好ましい。
これら植物についての詳細は下記の通りであり、いずれも苦味成分を含み、苦味、収斂感を有する。
学名 Picrasma quassioides、ニガキ科ニガキ属
苦味成分 クワッシン(quassin)
ホップ;
学名 Humulus lupulus、アサ科のつる性多年草
苦味成分 イソアルファ酸(α acids)
アルモアズ;
学名 Artemisia vulgaris、キク科ヨモギ属
苦味成分 ツヨン(Thujones)
ニガヨモギ;
学名 Artemisia absinthium、キク科ヨモギ属
苦味成分 ツヨン(Thujones)
ゲンチアナ;
学名 Gentiana lutea、リンドウ科リンドウ属
苦味成分 ゲンチオピクロシド(Gentiopicroside)
オウバク;
学名 Phellodendron amurense、ミカン科キハダ属
苦味成分 ベルベリン(berberine)
更に、(C)成分は用いる抽出物によって上記範囲内で配合量(組成物全体に対する配合量)を適宜調整できる。例えば、ニガキ抽出物は0.000000001〜0.005%が好ましく、より好ましくは0.00000001〜0.002%、さらに好ましくは0.0000001〜0.001%、とりわけ0.00003〜0.001%の範囲内が好ましい。ホップ抽出物は0.0001〜0.01%、アルモアズ抽出物は0.0001〜0.01%、ニガヨモギ抽出物は0.0001〜0.01%、ゲンチアナ抽出物は0.0001〜0.01%、オウバク抽出物は0.0001〜0.1%の範囲内で配合することが好ましい。
なお、(C)成分として苦味成分を用いる場合の組成物全体に対する配合量は、上記配合量の範囲内で使用成分に応じ適宜調整でき、任意添加の香料中に含まれる場合は合計が上記範囲内で使用し得る。
なお、このような液体口腔用組成物は、練歯磨剤、液状歯磨剤等の製剤に比べて味の悪さや違和感を強く与えるが、本発明においては、かかる液体口腔用組成物で後味の違和感が改善し、スッキリとした使用感を与えることができる。
これらの中で、エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキル基の炭素数が16(セチル)〜18(ステアリル)でエチレンオキサイドの平均付加モル数が20〜40モルのポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸の炭素数が12(ラウリン酸)〜18(ステアリン酸)、特に12〜14(ミリスチン酸)のデカグリセリンモノ脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好適であり、特に、外観安定性(オリのなさ)の点で、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、とりわけ、エチレンオキサイドの平均付加モル数が40〜100モルのものが好ましい。エチレンオキサイドの平均付加モル数が40モル以上であると、50℃保存でオリの発生が抑えられ、外観安定性(オリのなさ)が向上する。100モルを超えるものは一般には市販されていない。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアンモニウム、アルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型両性界面活性剤、N−脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤などが挙げられる。
これらの界面活性剤の配合量は、組成物全体の0.05〜8%が好ましい。
香料としては、例えばペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、クローブ油、タイム油、セージ油、カルダモン油、ローズマリー油、マジョラム油、レモン油、ラベンダー油、パラクレス油等の天然精油、及びl−メントール、l−カルボン、オレンジオイル、アネトール、1,8−シネオール、メチルサリシレート、オイゲノール、チモール、リナロール、リモネン、メントン、オイゲノール、メンチルアセテート、シトラール、カンファー、ボルネオール、ピネン、スピラントール等の上記天然精油中に含まれる香料成分、また、エチルアセテート、エチルブチレート、イソアミルアセテート、ヘキサナール、ヘキセナール、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、ベンツアルデヒド、フラネオール、マルトール、エチルマルトール、ガンマ/デルタデカラクトン、ガンマ/デルタウンデカラクトン、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、メンチルラクテート、エチレングリコール−l−メンチルカーボネート等の香料成分、更には、いくつかの香料成分や天然精油を組み合わせてなる、アップル、バナナ、ストロベリー、ブルーベリー、メロン、ピーチ、パイナップル、グレープ、マスカット、ワイン、チェリー、スカッシュ、コーヒー、ブランデー、ヨーグルト等の調合フレーバーの1種又は2種以上を、本発明の効果を妨げない範囲で添加することができる。香料の添加量は、通常、組成物中0.00001〜3%である。
表1、2に示す組成の液体口腔用組成物(洗口剤)を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表1、2に示す。
・塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製)
・塩化ベンゼトニウム(ハイアミン1622:ロンザジャパン社製)
・ニガキ(宮坂香料社製、ニガキ抽出物)
・ホップ(大洋香料社製、ホップ抽出物)
・アルモアズ(大洋香料社製、アルモアズオイル)
・ニガヨモギ(VMF社製、ARTEMISIA、ニガヨモギ抽出物)
・ゲンチアナ(VMF社製、GENTIANE SPRIT、ゲンチアナ抽出物)
・オウバク((株)マツモト交商製、オウバクエキス)
香料組成物Aは、後述の表4〜10に示した通りのミント系香料であり、組成中に本発明の(C)成分は含まれない。
サンプルの液体口腔用組成物約10mlを口に含み、30秒間すすいだ後、洗口後の後味の違和感について、下記4段階で評価し、10名の平均点を下記の判定基準に従い、◎、○、△、×で示した。
ここで、「後味の違和感」とは、収斂感を伴う後味の違和感のことであり、これは口腔内、歯面などに苦味や刺激を伴う成分が残存し不快な味、感じを与えている感覚である(以下、同様。)。
4点:後味の違和感を感じなかった。
3点:後味の違和感をほとんど感じなかった。
2点:後味の違和感を感じた。
1点:後味の違和感を強く感じた。
判定基準:
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
サンプルの液体口腔用組成物約10mlを口に含み、30秒間すすいだ時の香味の立ちの良さについて、下記4段階で評価し、10名の平均点を下記の判定基準に従い、◎、○、△、×で示した。なお、対照品(*)として各組成で(C)成分を含まない組成物を用い、この対照品と比較して評価した。
ここで、「香味の立ち」とは、基剤由来の独特の収斂感により香味発現が抑えられることなく香味が強く発現し使用感が良くなることである。
評価基準:
4点:対照品(*)と比較して香味の立ちが非常に優れていた。
3点:対照品(*)と比較して香味の立ちが優れていた。
2点:対照品(*)と比較してやや香味の立ちが優れていた。
1点:対照品(*)と比較して香味の立ちが同等以下であった。
判定基準:
◎:平均点3.5点以上4.0点以下
○:平均点3.0点以上3.5点未満
△:平均点2.0点以上3.0点未満
×:平均点2.0点未満
Claims (4)
- (A)塩化セチルピリジニウムと、
(B)塩化ベンゼトニウムと、
(C)ニガキ、ホップ、アルモアズ、ニガヨモギ、ゲンチアナ、オウバクから選ばれる植物の抽出物を1種以上と
を含有することを特徴とする液体口腔用組成物。 - (A)成分を0.01〜0.1質量%、(B)成分を0.005〜0.1質量%、(C)成分を0.000000001〜0.1質量%含有する請求項1記載の液体口腔用組成物。
- (C)成分としてニガキ抽出物を0.000000001〜0.005質量%含有する請求項1又は2記載の液体口腔用組成物。
- 洗口剤である請求項1、2又は3記載の液体口腔用組成物。
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