JP2001278799A - 抗う蝕剤 - Google Patents

抗う蝕剤

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JP2001278799A
JP2001278799A JP2000096738A JP2000096738A JP2001278799A JP 2001278799 A JP2001278799 A JP 2001278799A JP 2000096738 A JP2000096738 A JP 2000096738A JP 2000096738 A JP2000096738 A JP 2000096738A JP 2001278799 A JP2001278799 A JP 2001278799A
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JP2000096738A
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Makoto Tamesada
誠 爲定
Naomi Kawamura
直美 川村
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Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
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Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価に入手でき、人体に安全な物質を有効成分
とする抗う蝕剤の提供。洗口液などの口腔用組成物に安
全に配合できるだけでなく、食品添加物として飲食物に
も配合可能な物質を有効成分とする抗う蝕剤の提供。 【解決手段】Pala抽出物、Kayu Legi抽出物、Adas抽出
物、Widara Upas抽出物、Kunyit抽出物、Telasih抽出物
またはLempoyang wangi抽出物を有効成分として含有す
る抗う蝕剤、該抗う蝕剤を含有する口腔用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗う蝕剤に関す
る。より詳細には、特定の植物抽出物を有効成分とする
抗う蝕剤に関する。
【0002】
【従来の技術】う蝕とは一般に虫歯と呼ばれているもの
であり、その原因については次のように考えられてい
る。本来歯には、だ液中の成分である糖タンパク質と口
腔内常在細菌の菌体表層物質との相互作用によりある種
の細菌が吸着している。この細菌は、菌体外に分泌する
酵素であるグルコシルトランスフェラーゼ(以下、「G
Tase」とする。)の作用により、食物由来のショ糖
を粘着性多糖類に変性させ、さらに強固に歯面に付着す
る。これを一般に歯垢と呼ぶが、付着した細菌は、歯垢
中で糖類を代謝し、その代謝産物として酸を生成する。
そしてこの酸が歯のエナメル表面を脱灰しう蝕を進行さ
せる。また歯垢はう蝕の他、口臭の原因となったり、ま
たその進行によっては歯周病、歯肉炎、更には歯槽膿漏
にまで発展するといわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の1つ
は、安価に入手でき、人体に安全な物質を有効成分とす
る抗う蝕剤を提供することである。また本発明の第2の
目的は、洗口液や歯磨剤などの口腔用組成物に安全に配
合できるだけでなく、食品として飲食物にも配合可能な
物質を有効成分とする抗う蝕剤を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、歯垢の生成を抑制するこ
とによって、口臭や歯周病、歯肉炎並びに歯槽膿漏とい
った口腔疾患を予防するのに有用な抗う蝕剤を提供する
ことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記事情に
鑑みて、う蝕や歯周疾患の予防に好適であって人体に安
全な抗う蝕剤を求めて日夜鋭意研究を重ねていたとこ
ろ、すでに多年にわたって食用(薬用)に供され、人体
に対する安全性が確認されているインドネシア産の特定
の植物の抽出物に、S.mutans 菌及び S.sobrinus 菌が
歯に付着するのを有意に防止する作用があることを見い
だし、当該植物抽出物が抗う蝕剤として有効であること
を確認した。本発明は、かかる知見に基づいて完成され
たものである。
【0005】すなわち、本発明は、学名:Myristica fr
agrans Houtt. (インドネシア名:Pala)、インドネシ
ア名:Kayu Legi、学名:Foeniculum vulgara Mill.
(インドネシア名:Adas)、学名:Merremia mammosa(Lo
ur.) Hallier f. (インドネシア名:Widara Upas)、学
名:Curcuma domestica Val. (インドネシア名:Kunyi
t)、学名:Ocimum basilicum L. (インドネシア名:Te
lasih)及び学名:Zingiber aromaticum Val. (インド
ネシア名:Lempoyang wangi)からなる群から選択され
る少なくとも1種の植物の抽出物を有効成分とする抗う
蝕剤である。
【0006】また本発明は上記抗う蝕剤を含有する口腔
用組成物(飲食物を含む)である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、抗う蝕作用をも
たらす有効成分として、学名:Myristica fr agrans Hou
tt. (インドネシア名:Pala)、インドネシア名:Kayu
Legi、学名:Foeniculum vulgara Mill. (インドネシア
名:Adas)、学名:Merremia mammosa(Lour.) Hallier
f. (インドネシア名:Widara Upas)、学名:Curcuma d
omestica Val. (インドネシア名:Kunyit)、学名:Oci
mum basilicum L. (インドネシア名:Telasih)、また
は学名:Zingiber aromaticum Val. (インドネシア名:
Lempoyang wangi)の植物の全草またはその一部(例え
ば根、茎、葉、果実(種子)、花蕾、樹皮、虫えい、木
部、心材等)の溶媒抽出物が用いられる。抽出に用いら
れる植物部位は前記全草またはその一部であれば特に制
限されない。当該植物の全草又はその一部はそのまま若
しくは破砕物として抽出操作に付してもよいし、また乾
燥後、必要に応じて粉砕粉体状として抽出操作に付して
もよい。
【0008】なお、本発明で抽出物の原料植物として用
いられる学名:Myristica fragransHoutte.(インドネ
シア名:Pala)は、インドネシアを原産とする熱帯性常
緑高木植物であり、古来から芳香性健胃薬、矯味矯臭
剤、香味料などとして用いられている。また、学名:Fo
eniculum vulgara Mill. (インドネシア名:Adas);学
名:Merremia mammosa(Lour.) Hallier f. (インドネシ
ア名:Widara Upas);学名:Curcuma domestica Val.
(インドネシア名:Kunyit);学名:Ocimum basilicum
L. (インドネシア名:Telasih);また学名:Zingiber
aromaticum Val.(インドネシア名:Lempoyang wangi)
は、いずれもインドネシアを原産とする植物であり、そ
れぞれ不眠症、喘息、風邪等の治療薬として;扁桃炎や
百日咳の治療薬及び解熱剤として;扁桃炎や歯痛の治療
剤として;鎮咳・解熱剤として;また咳、風邪及び腹痛
の治療剤として古来より用いられているものである。
【0009】上記抽出に用いられる溶媒としては、特に
制限されず、低級アルコール、多価アルコール、非極性
溶媒および極性溶媒を広く用いることができる。より具
体的には低級アルコールとしては、メタノール、エタノ
ール、プロパノール及びイソプロピルアルコール、ブタ
ノール等の炭素数1〜4のアルコール;多価アルコール
としては、グリセリン、ポリエチレングリコール等;非
極性溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ノナン、デカン等の飽和炭化水素あるいはヘキ
セン、ヘプテン等の不飽和炭化水素等;極性溶媒として
は、水、アセトン、酢酸エチル、酢酸メチル等が使用さ
れる。これら溶媒は、単独で用いてもよく、二種以上を
組み合わせて使用することもできる。例えば脂肪分の多
い原料などの場合は、非極性溶媒で脱脂抽出処理した
後、各種任意の溶媒で抽出処理してもよいし、また含水
有機溶媒を用いて抽出処理することもできる。
【0010】抽出方法としては、一般に用いられる方法
を採用することができる。制限はされないが、例えば溶
媒中に全草若しくは部分(そのまま若しくは粗末、細切
物)、又はそれらの乾燥破砕物(粉末など)を冷浸、温
浸等によって浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出を
行い、濾過して抽出液を得る方法、またはパーコレーシ
ョン法等を挙げることができる。
【0011】得られた抽出液は、必要に応じてろ過また
は遠心分離によって固形物を除去した後、使用の態様に
応じて、そのまま用いるか、または溶媒を留去して一部
濃縮若しくは乾燥して用いてもよい。また濃縮乃至は乾
燥後、該濃縮乃至は乾燥物を非溶解性溶媒で洗浄して精
製して用いても、またこれを更に適当な溶剤に溶解もし
くは懸濁して用いることもできる。また、抽出液を、慣
用されている精製法、例えば向流分配法や液体クロマト
グラフィー等を用いて、抗酸化活性及び活性酸素消去活
性を有する画分を取得、精製して使用することも可能で
ある。更に、本発明においては、例えば、上記のように
して得られた溶媒抽出液を、減圧乾燥、凍結乾燥等の通
常の手段により植物エキス乾燥物として使用することも
できる。
【0012】本発明の抗う蝕剤は、上記の植物抽出物を
有効成分として含有するものであり、食品、医薬部外品
又は医薬品などの各種口腔用組成物の成分として配合さ
れることにより、口腔内の歯垢生成を防止して、抗う蝕
剤として有効に利用することができる。抗う蝕剤に含ま
れる植物抽出物の配合量はその用途や適用対象に応じて
適宜変更することができ、特に制限されるものではな
い。また、植物抽出物そのものをそのまま抗う蝕剤とし
て使用することもできる。
【0013】口腔用組成物とは、例えば飲食物のように
経口的に摂取されるもの並びに歯磨きやマウスウオッシ
ュのように口腔内で用いられるものの双方を含むもので
ある。
【0014】口腔用組成物として具体的には、例えばト
ローチ、チューインガム、キャンディ、グミキャンデ
ィ、チョコレート、ジュース等の各種食品;歯磨剤(練
り状、液体状、粉末固形状),マウススプレーなどの口
中清涼剤、咀嚼剤、トローチ剤、口腔用パスタ剤、うが
い剤、シロップ剤等の医薬品又は医薬部外品;歯磨剤、
マウスウォッシュ、マウスリンスなどの口腔内化粧品を
挙げることができる。好ましくは、トローチ、チューイ
ンガム及びキャンディ等の食品、並びに歯磨剤,マウス
ウォッシュ及びマウスリンスなどの洗口剤を挙げること
ができる。
【0015】これらの形態並びに剤形は、特に制限され
ず、種類に応じて任意に定めることができる。
【0016】本発明の抗う蝕剤の適用濃度は、口腔用組
成物の種類、植物抽出物中に含まれる有効成分の割合、
口中における希釈などの各種因子を考慮して適宜選択決
定することができる。特に制限はされないが、口腔用組
成物100重量%あたりに配合される抗う蝕剤の具体的
な配合割合としては、植物抽出物の原植物乾燥物の量に
換算して下記に掲げるものを例示することができる: Pala :通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、 Kayu Legi :通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上 Adas : 通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上 Widara Upas :通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上 Kunyit :通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上 Telasih :通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上 Lempoyang wangi:通常0.01重量%以上、好ましくは0.3重量%以上 なお、本発明の抗う蝕剤は、有効成分として上記植物抽
出物を1種含むものであってもよいし、2種以上を任意
に組み合わせて含有するものであってもよい。
【0017】本発明の抗う蝕剤は、本発明の効果を妨げ
ない限り、他の成分として、公知若しくは将来公知とな
り得る、S.mutans 菌ないしはS.sobrinus菌に対する抗
菌剤、これらの菌の歯面への付着防止剤または抗GTas
e剤等の抗う蝕剤、若しくは消炎剤などの成分と組み合
わせて配合することもできる。
【0018】また、本発明の抗う蝕剤は、適用する口腔
用組成物の種類に応じて、該口腔用組成物に通常配合さ
れる成分と併用することができる。
【0019】例えば練歯磨の場合、第2リン酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、非
晶質シリカ、酸化アルミニウム等の研磨剤;カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アル
ギン酸塩、カラゲナン、アラビアゴム、ポリビニルアル
コール等の粘結剤;ポリエチレングリコール、ソルビト
ール、グリセリン、プロピレングリコール等の粘稠剤;
ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグイセリド
モノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、
N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−アシルグ
ルタミン酸塩、ショ糖脂肪酸エステル等の発泡剤等を挙
げることができ、更にこれに通常用いられるメントール
等の香料並びに矯味剤又は甘味剤、防腐剤等を配合する
ことができる。マウスウオッシュ等の洗口剤並びにチュ
ーイングガム等の食品の場合についても、常法の成分を
併用することができる。なお、併用配合される甘味剤と
しては、う蝕性が低いか又はないものが好ましく、例え
ばD−キシロース、キシリトール、サッカリンナトリウ
ム、アスパルテーム、トレハロースなどを好適に挙げる
ことができる。
【0020】さらに、本発明の抗う蝕剤は、塩化リゾチ
ーム、溶菌酵素、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、クロ
ルヘキシジン、ソルビン酸、アレキシジン、ヒノキチオ
ール、セチルピリジニウム、アルキルグリシン、アルキ
ルジアミノエチルグリシン塩、モノフルオロリン酸ナト
リウム、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ、水溶性第
一若しくは第二リン酸塩、第四級アンモニウム化合物、
塩化ナトリウム等の成分と併用して用いることもでき
る。
【0021】
【実施例】以下、製造例、試験例及び実施例により本発
明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によ
って何ら制限されるものではない。 <製造例>製造例1 学名:Myristica fragrans Houtt. の種子(インドネシ
ア名:Pala)の粉砕物100gに対して、3倍量のヘキ
サンを加え、室温で24時間抽出し、ろ過した。ろ過残渣
に更に1倍量のヘキサン加え攪拌、ろ過を行ない試料の
脱脂を行なった。脱脂された試料は乾燥後、5倍量のメ
タノールにて、室温48時間抽出を行なった。これをろ過
し得られた抽出液をエバポレーターにて濃縮、凍結乾燥
を行ない植物抽出物(以下、Pala抽出物という)を4g
得た。
【0022】製造例2 インドネシア名:Kayu Legiの破砕物100gを用い
て、製造例1の方法に従って抽出及び凍結乾燥を行ない
植物抽出物(以下、Kayu Legi抽出物という)を4g得
た。
【0023】製造例3 学名:Foeniculum vulgara Mill. (インドネシア名:Ad
as)の種子乾燥物の破砕物100gを用いて、製造例1
の方法に従って抽出及び凍結乾燥を行ない植物抽出物
(以下、Adas抽出物という)を4g得た。
【0024】製造例4 学名:Merremia mammosa(Lour.) Hallier f. (インドネ
シア名:Widara Upas)の塊茎乾燥物の破砕物100g
を用いて、製造例1の方法に従って抽出及び凍結乾燥を
行ない植物抽出物(以下、Widara Upas抽出物という)
を4g得た。
【0025】製造例5 学名:Curcuma domestica Val. (インドネシア名:Kuny
it)の根茎乾燥物の破砕物100gを用いて、製造例1
の方法に従って抽出及び凍結乾燥を行ない植物抽出物
(以下、Kunyit抽出物という)を4g得た。
【0026】製造例6 学名:Ocimum basilicum L. (インドネシア名:Telasi
h)の葉乾燥物の破砕物100gを用いて、製造例1の
方法に従って抽出及び凍結乾燥を行ない植物抽出物(以
下、Telasih抽出物という)を4g得た。
【0027】製造例7 学名:Zingiber aromaticum Val. (インドネシア名:Le
mpoyang wangi)の根茎乾燥物の破砕物100gを用い
て、製造例1の方法に従って抽出及び凍結乾燥を行ない
植物抽出物(以下、Lempoyang wangi抽出物という)を
4g得た。 <試験例>試験例1 歯垢(菌)付着抑制試験 Pala抽出物、Kayu Legi抽出物、Adas抽出物、Widara Up
as抽出物、Kunyit抽出物、Telasih抽出物、及びLempoya
ng wangi抽出物の抗う蝕作用を、下記に記載する歯垢
(菌)付着抑制試験により評価した。なお、歯垢(菌)
付着試験は歯面の代わりにガラス試験管を用いて行っ
た。 (i) Streptococcus mutans 菌に対する歯垢(菌)付着
抑制作用 まず、Streptococcus mutans菌 MT8148株(血清
)を含有するブレインハートインフュージョン液体
培地(BHI培地)の一晩培養液30μlを1%ショ糖
を含むBHI培地3ml(滅菌済みの蓋付試験管)に添
加し、この中に製造例1〜7で調製した各種の植物抽出
物(60mgを1mlメタノールで調製したもの(60mg
/1ml))を各種の濃度割合(0〜200μl/3ml)で配合し
て、試験管を30度に傾けて37℃で18時間静置培養
した。
【0028】18時間培養後、試験管を30度の角度の
ままゆっくり3回転させ、培養液を空の試験管にゆっく
りデカンテーションした(サンプル1)。試験管内側表
面に歯垢(菌)が付着している空の試験管に上記1%シ
ョ糖含有BHI培地3mlを入れて、ボルテックスミキ
サーにより攪拌して試験管内側表面の歯垢(菌)付着物
の一部を洗浄溶出させ、歯垢(菌)溶出物を含む培養液
を空の試験管にデカンテーションした(サンプル2)。
次いで、得られた歯垢(菌)付着物試験管に再度1%シ
ョ糖含有BHI培地3mlを入れ、試験管内表面に強固
に付着した歯垢(菌)をスパーテルで擦り落としてその
溶液をサンプル3とした。なお、上記操作のうち、ボル
テックス攪拌操作は口をゆすぐことを想定したものであ
る。つまり、サンプル2は口をゆすぐ程度でとれる歯垢
(菌)量を反映するものであり、またサンプル3は口を
ゆすぐ程度ではとれない歯垢(菌)量を反映するもので
ある。
【0029】さらに、各サンプル溶液に含まれる歯垢
(菌)量を溶液の濁度(OD:吸光度550nm)を測
定することにより求めた。次いで、溶液の濁度から下式
により歯垢(菌)付着率を求め、かかる付着率(%)に
基づいて各種植物抽出物の歯垢(菌)付着抑制作用を評
価した。
【0030】
【数1】
【0031】(ii) Streptococcus sobrinus 菌に対する
歯垢(菌)付着抑制作用Streptococcus sobrinus 菌 6715株(血清型)に
ついても上記(i)と同様にして歯垢(菌)付着抑制試験
を行い、各種の植物抽出物の歯垢(菌)付着抑制作用を
評価した。
【0032】Pala抽出物、Kayu Legi抽出物、Adas抽出
物、Widara Upas抽出物、Kunyit抽出物、Telasih抽出物
及びLempoyang wangi抽出物について、Streptococcus m
utans菌(MT8148株)及びStreptococcus sobrinu
s 菌(6715株)に対する歯垢(菌)付着抑制作用を
調べた結果を、それぞれ表1〜7に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】以上の結果から、Pala抽出物、Kayu Legi
抽出物、Adas抽出物、Widara Upas抽出物、Kunyit抽出
物、Telasih抽出物及びLempoyang wangi抽出物はいずれ
も歯垢(菌)付着抑制作用を有しており、有効な抗う蝕
剤となることがわかった。
【0041】(b) 抗菌性試験 −MIC(最小発育阻
止濃度)試験−Streptococcus mutans 菌 MT8148株(血清型
)及び Streptococcussobrinus 菌6715株(血清
)を試験菌としてMIC試験(マイクロプレート
法)により、各種植物抽出物(Pala抽出物、Kayu Legi
抽出物、Adas抽出物、Widara Upas抽出物、Kunyit抽出
物、Telasih抽出物及びLempoyang wangi抽出物)の抗菌
性を調べた。
【0042】具体的には、まず上記(a)と同様にして
調製したBHI培地に植物抽出物(60mgを1mlメ
タノールに溶解して調製)を50μl/3mlの濃度に
なるように配合し、これを被験サンプル溶液とした。4
×6の24穴マイクロプレートを用意し、すべてのウエ
ルに1mlのBHI培地を入れ、左端の下3列の3ウエ
ルに上記被験サンプル溶液1mlを加えた(25μl/3m
l)。各ウエルをよく混合した後、各ウエル中の溶液か
ら1mlを右列ウエルに移し(12.5μl/3ml)、同様
の操作を繰り返して、25、12.5、6.3、3.1、1.6及び0.8
μl/3mlの各希釈系列を作成した。この希釈系列からな
る最下列以外の各ウエルに、前培養した各試験菌を加え
た。これを一晩、37℃で培養し、最上列と最下列を比
較しながら目視で菌の発育の有無を確認した。菌の発育
が観察されなかったウエル中の植物抽出物の濃度が最小
阻止濃度(MIC)である。結果を表8に示す。
【0043】
【表8】
【0044】上記結果からわかるように、上記植物抽出
物のいずれによっても、Streptococcus mutans 菌並び
Streptococcus sobrinus 菌は発育が抑制され、強弱
はあるもののPala抽出物、Kayu Legi抽出物、Adas抽出
物、Widara Upas抽出物、Kunyit抽出物、Telasih抽出物
及びLempoyang wangi抽出物はいずれも上記各菌に対し
て抗菌作用があることが判明した。
【0045】以上の結果から、上記各種の植物抽出物は
有意に優れた歯垢付着抑制作用を有しており、有効な抗
う蝕剤となることがわかった。
【0046】<実施例>以下、本発明の抗う蝕剤の適用
例を実施例として記載する。なお、各処方の単位は特に
言及しない限り、重量部を意味するものである。実施例1 チューインガム 炭酸カルシウム 5.0 Pala抽出物(濃度10%) 1.0 ガムベース 30.0 エリスリトール 10.0 キシリトール 40.0 マルチトール 13.5香料 0.5 計 100.0。
【0047】
【0048】実施例3 糖衣タブレット 錠剤部分200重量部を、糖衣部130重量部で糖衣した口中
清涼剤を作成した。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】 実施例10 口腔用パスタ 流動パラフィン 13.00 セタノール 10.00 グリセリン 25.00 ソルビタンモノパルミテート 0.60 ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 5.00 ラウリル硫酸ナトリウム 0.10 塩化ベンゾトニウム 0.10 サリチル酸メチル 0.10 サッカリン 0.20 香料 0.25 Pala抽出物(濃度10%) 1.00 水 残部 計 100.00。
【0057】上記実施例1〜10において、pala抽出物
(濃度10%)に代えて、Kayu Legi抽出物(濃度10%)、A
das抽出物(濃度10%)、Widara Upas抽出物(濃度10
%)、Kunyit抽出物(濃度10%)、Telasih抽出物(濃度1
0%)またはLempoyang wangi抽出物(濃度10%)を用いて
同様にして各処方を調製した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/30 A23L 1/30 B A61K 7/26 A61K 7/26 A61P 1/02 A61P 1/02 Fターム(参考) 4B014 GB01 GB06 GB13 GG09 GK12 4B018 LB01 MD53 MD61 ME09 MF01 4C083 AA072 AA111 AA112 AA122 AB222 AB282 AB292 AB322 AC022 AC072 AC102 AC122 AC132 AC302 AC312 AC432 AC442 AC472 AC482 AC582 AC642 AC692 AC782 AC862 AD222 AD242 AD272 AD302 AD352 AD412 CC41 DD15 DD22 DD23 DD27 EE32 4C088 AB12 AB38 AB40 AB81 AC01 AC03 AC04 AC05 AC06 AC11 AC13 BA08 BA10 CA06 CA09 CA11 CA14 MA52 NA14 ZA67

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】学名:Myristica fragrans Houtt. (イン
    ドネシア名:Pala)、インドネシア名:Kayu Legi、学
    名:Foeniculum vulgara Mill. (インドネシア名:Ada
    s)、学名:Merremia mammosa (Lour.) Hallier f. (イ
    ンドネシア名:Widara Upas)、学名:Curcuma domesti
    ca Val. (インドネシア名:Kunyit)、学名:Ocimum ba
    silicum L. (インドネシア名:Telasih)及び学名:Zin
    giberaromaticum Val. (インドネシア名:Lempoyang wa
    ngi)からなる群から選択される少なくとも1種の植物
    の抽出物を有効成分とする抗う蝕剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載の抗う蝕剤を含有する口腔用
    組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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