JP2013049823A - ウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物は、ラジカル硬化性化合物として下記ラジカル硬化性化合物(A)を含有することを特徴とする。
ラジカル硬化性化合物(A):下記式(1)で表される化合物。式中、R1は、単結合、水素原子の1個又は2個が炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいメチレン基、スルホニル基、硫黄原子、又は酸素原子を示し、R2、R3は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示す。X、X’は、同一又は異なって、硫黄原子又は酸素原子を示す。R、R’は、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示し、n、n’は、同一又は異なって、0又は1を示す。
【化1】
【選択図】なし
Description
工程1:硬化性組成物を金型に流し込む
工程2:加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程3:金型から外してアニール処理を行う
ラジカル硬化性化合物(A):下記式(1)で表される化合物
ラジカル硬化性化合物(B):下記式(2)で表される化合物
工程1:ウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物を複数個のレンズ型が一定方向に整列した形状を有するウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、ウェハレベルレンズが複数個結合した形状を有する硬化物を得る
工程3:得られた硬化物を切断してウェハレベルレンズを得る
工程1:ウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物を1個のレンズ型を有するウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、ウェハレベルレンズを得る
工程1:ウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物を射出成型用ウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、バリを切除して、ウェハレベルレンズを得る
本発明のウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物は、ラジカル硬化性化合物として下記ラジカル硬化性化合物(A)を含有することを特徴とする。
本発明のラジカル硬化性化合物(A)は前記式(1)で表される。式(1)中、R1は、単結合、水素原子の1個又は2個が炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよいメチレン基、スルホニル基、硫黄原子、又は酸素原子を示し、R2、R3は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示す。X、X’は、同一又は異なって、硫黄原子又は酸素原子を示す。R、R’は、同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示し、n、n’は、同一又は異なって、0又は1を示す。
本発明のラジカル硬化性化合物(B)は前記式(2)で表される。式(2)で表される化合物は1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。前記式(2)中、環Z1、環Z2は、同一又は異なって、芳香族炭素環を示し、R4、R6は、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、R5、R7は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を示す。n1、n2は、同一又は異なって、0以上の整数を示す。式(2)において、フルオレン環、環Z1、環Z2は、置換基を有していてもよい。
本発明のラジカル硬化性組成物には、ラジカル硬化性化合物として上記ラジカル硬化性化合物(A)とラジカル硬化性化合物(B)以外にも他のラジカル硬化性化合物を含有してもよい。
本発明のラジカル硬化性組成物は、上記ラジカル硬化性化合物の他に黄変抑制剤を含有することが好ましい。前記黄変抑制剤としては、例えば、チオール化合物、ジチオール化合物、スルフィド化合物、ジスルフィド化合物等の有機硫黄化合物等が挙げられる。これらの黄変抑制剤を配合することにより、本発明のラジカル硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の高温下における黄変を抑制することができる。
本発明のラジカル硬化性組成物は、また、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、公知慣用の熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤等のラジカル重合を起こし得るものを特に限定することなく使用することができる。
本発明のラジカル硬化性組成物は、上記のラジカル硬化性化合物、黄変抑制剤、ラジカル重合開始剤のほか、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、カチオン硬化性化合物、カチオン重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、各種添加剤が挙げられる。
本発明のウェハレベルレンズの製造方法としては、上記ラジカル硬化性組成物をキャスティング成型法又は射出成型法に付すことを特徴とする。
工程1:上記ラジカル硬化性組成物を複数個のレンズ型が一定方向に整列した形状を有するウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、ウェハレベルレンズが複数個結合した形状を有する硬化物を得る
工程3:得られた硬化物を切断してウェハレベルレンズを得る
工程1:上記ラジカル硬化性組成物を1個のレンズ型を有するウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、ウェハレベルレンズを得る
工程1:上記ラジカル硬化性組成物を射出成型用ウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、バリを切除して、ウェハレベルレンズを得る
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドを10重量%濃度に希釈して得られたトルエン溶液に、トリエチルアミン(1.3当量)を加え、0〜5℃に冷却した後に、メタクリル酸クロライド(1.1当量)を0〜5℃の範囲で滴下して反応させた。
メタクリル酸クロライドの滴下終了後、更に1時間程度常温にて撹拌した後に、副生した塩を除去する目的で塩酸水溶液を使用して抽出し、得られたトルエン層を分取して、更に副生したメタクリル酸を除去する目的で炭酸水素ナトリウム水溶液を使用して抽出した。
その後、トルエン層から減圧下でトルエンを留去し、得られた濃縮液をカラム精製に付して、下記式(1l)で表されるビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)スルフィドを得た(一貫収率:58%)。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドに代えて、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィドを使用した以外は調製例1と同様にして、ビス(4−メタクリロイルオキシ−3−メチルフェニル)スルフィドを得た(一貫収率:55%)。
下記表1に記載の各成分を配合組成(数値は重量部)に従って配合し、室温で自転公転型ミキサーで撹拌・混合することにより均一で透明なラジカル硬化性組成物を得た。得られたラジカル硬化性組成物の粘度は、レオメーター(商品名「PHYSICA UDS200」、Paar Physica社製)を使用し、25℃、回転速度D=20/s時点の粘度(mPa・s)を測定した。
[ラジカル硬化性化合物]
B1662:下記式(1b)で表されるビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、製品コード「B1662」、東京化成工業(株)製
Bis−Aジメタクリレート:下記式(1d)で表されるビスフェノールAジメタクリレート
OSOM:調製例1で得られたビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)スルフィド
M−OSOM:調製例2で得られた下記式(1p)で表されるビス(4−メタクリロイルオキシ−3−メチルフェニル)スルフィド
EA−F5503:ベンジルアクリレートで希釈された下記式(2a)で表される化合物(下記式(2a)で表される化合物を73重量%、ベンジルアクリレートを27重量%含有)、商品名「オグソール EA−F5503」、大阪ガスケミカル(株)製
EA−0200:(下記式(2b)で表される化合物を95重量%含有)、商品名「オグソール EA−0200」、大阪ガスケミカル(株)製
A−LEN−10:下記式(3a)で表される化合物、商品名「A−LEN−10」、新中村化学(株)製
DPHA:下記式(3b)で表されるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、商品名「DPHA」、ダイセル・サイテック(株)製
IRR−214K:下記式(3c)で表されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールジアクリレート、商品名「IRR−214K」、ダイセル・サイテック(株)製
[熱ラジカル重合開始剤]
パーヘキサC−80:1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを80重量%含有する、商品名「パーヘキサC−80」、日本油脂(株)製
[光ラジカル重合開始剤]
Irgacure 184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、商品名「Irgacure 184」、BASF社製
Darocur TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、商品名「Darocur TPO」、BASF社製
[黄変抑制剤]
ドデカンチオール
IRGANOX 1010:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、商品名「IRGANOX 1010」、BASF社製
Sumilizer GP:フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤の混合物、商品名「Sumilizer GP」、住友化学(株)製
<加熱処理方法>
インプリント成型機(商品名「NANOIMPRINTER NM−0501」、明昌機工(株)製)を用い下記の成型プロファイルにて、厚み0.5mmで硬化・成型し、80℃まで冷却した後に離型し、更に予め160℃に熱したオーブンで30分間加熱してアニール処理を行って硬化物を得た(それぞれ5個ずつ)。
成型プロファイル:25℃で硬化性組成物を金型に塗布し、その後、所定の厚みまでプレス軸位置を調整して金型をプレスし、150℃まで20℃/分で昇温した後、更に150℃にて5分間保持する
<UV照射方法>
インプリント成型機(商品名「NANOIMPRINTER NM−0501」、明昌機工(株)製)を用い下記の成型プロファイルにて、厚み0.5mmで硬化・成型、次いで離型し、更に予め160℃に熱したオーブンで30分間加熱してアニール処理を行って硬化物を得た(それぞれ5個ずつ)。
成型プロファイル:25℃で硬化性組成物を金型に塗布し、その後、所定の厚みまでプレス軸位置を調整して金型をプレスし、UV照射(照射強度=10〜50mW/cm、積算照射量=2500〜5000mJ/cm2)を行う
得られた硬化物(成型品)上に形成されたレンズ7個の中心位置を、それぞれ、画像寸法測定器(商品名「IM-6020」、(株)キーエンス製)にて測定し、金型設計値からのレンズの中心位置ずれを測定し、その平均値を算出した。
硬化物のガラス転移温度は、示差走査熱量測定装置(商品名「Q2000」、TA Instruments社製)を用い、事前処理(−50℃から250℃まで20℃/分で昇温し、続いて250℃から−50℃まで−20℃/分で降温)を行った後に、昇温速度20℃/分、測定温度範囲−50℃〜250℃で測定した。
硬化物の線膨張係数は、TMA測定装置(商品名「TMA/SS100」、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用い、昇温速度5℃/min、測定温度範囲30℃〜250℃で熱膨張率を測定し、低温側の直線の勾配を線膨張係数として表した。また、α1はガラス転移温度以下での線膨張係数(ppm/℃)、α2はガラス転移温度以上での線膨張係数(ppm/℃)である。
硬化物の25℃、及び160℃における貯蔵弾性率(GPa)を、JIS724−1〜JIS724−7に準拠した動的粘弾性測定法(下記測定条件による)により求めた。
<測定条件>
測定装置:固体粘弾性測定装置(RSA−III/TA Instruments社製)
雰囲気:窒素
温度範囲:−30℃〜270℃
昇温速度:5℃/min
硬化物の内部透過率は、下記式によって算出した。
400nmにおける内部透過率=400nmにおける光線透過率/(1−r)2
r={(n−1)/(n+1)}2
400nmにおける光線透過率は分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製、商品名「U−3900」)を用いて測定した。nは400nmにおける屈折率であり、下記方法で測定した400nmにおける屈折率の値を用いた。450nmにおける内部透過率も、上記に準じて算出した。
硬化物の屈折率は、JIS K7142に準拠した方法で、屈折率計(商品名「Model 2010」、メトリコン社製)を用いて、25℃における589nmの屈折率を測定した。
硬化物のアッベ数は下の式によって算出した。
アッベ数=(nd−1)/(nf−nc)
式中、ndは589.2nmにおける屈折率、nfは486.1nmにおける屈折率、ncは656.3nmにおける屈折率を示す。なお、屈折率は、上記方法で測定した各波長における屈折率の値を用いた。
硬化物を、シンアペック社製卓上リフロー炉を使用して、JEDEC規格記載のリフロー温度プロファイル(最高温度:270℃)に基づく耐熱性試験を連続して3回行った後、上記方法により400nm、及び450nmにおける内部透過率及び屈折率を測定し、耐熱性試験後における内部透過率を求め、耐熱性試験前後の内部透過率の変化から、黄変率(%)を下記式により求めた。
黄変率(%)={(耐熱性試験前の内部透過率)−(耐熱性試験後の内部透過率)}/(耐熱性試験前の内部透過率)×100
Claims (12)
- ラジカル硬化性化合物(A)とラジカル硬化性化合物(B)の配合比(前者/後者(重量比))が1/0.2〜1/4である請求項2に記載のウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物。
- 150℃で30分間加熱して得られる硬化物の160℃における貯蔵弾性率が0.1×109Pa以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物。
- さらに、黄変抑制剤として有機硫黄化合物を、ラジカル硬化性化合物の総量100重量部に対して0.05〜10重量部含有する請求項1〜5の何れか1項に記載のウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物をキャスティング成型法又は射出成型法に付すことを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法。
- キャスティング成型法が下記工程を含む同時成型法であることを特徴とする請求項7に記載のウェハレベルレンズの製造方法。
工程1:ウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物を複数個のレンズ型が一定方向に整列した形状を有するウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、ウェハレベルレンズが複数個結合した形状を有する硬化物を得る
工程3:得られた硬化物を切断してウェハレベルレンズを得る - キャスティング成型法が下記工程を含む個片成型法であることを特徴とする請求項7に記載のウェハレベルレンズの製造方法。
工程1:ウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物を1個のレンズ型を有するウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、ウェハレベルレンズを得る - 射出成型法が下記工程を含むことを特徴とする請求項7に記載のウェハレベルレンズの製造方法。
工程1:ウェハレベルレンズ用ラジカル硬化性組成物を射出成型用ウェハレベルレンズ金型に流し込み、加熱及び/又は光照射して硬化させる
工程2:ウェハレベルレンズ金型を外してアニール処理を行い、バリを切除して、ウェハレベルレンズを得る - 請求項7〜10の何れか1項に記載のウェハレベルレンズの製造方法により得られるウェハレベルレンズ。
- リフロー方式による実装向けレンズであることを特徴とする請求項11に記載のウェハレベルレンズ。
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