JP2013036391A - 電動バルブタイミング可変装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータコイルの熱破損の抑制とバルブタイミングの可変精度の向上との両立。
【解決手段】最遅角条件の成立の場合には、内燃機関の閾値Nth未満の回転速度Neにおいて、モータ軸102の目標回転方向Dtを内燃機関とは逆方向に設定し且つデューティ比Rdを回転下限値Rl未満に設定して、ストッパ突起94を最遅角ストッパ92rに押し当てた最遅角押当状態下での最遅角位相学習を実行する。また、最遅角条件の成立の場合で内燃機関の閾値Nth以上の回転速度Neにおいては、最遅角押当状態下での最遅角位相学習を禁止する。さらに最進角条件の成立の場合には、内燃機関の回転速度Neに拘らず、モータ軸102の目標回転方向Dtを内燃機関と同一の正方向に設定して、ストッパ突起94を最進角ストッパ92aに押し当てた最進角押当状態下での最進角位相学習を実行する。
【選択図】図12

Description

本発明は、内燃機関のバルブタイミングを可変とする電動バルブタイミング可変装置に関する。
従来、電動バルブタイミング可変装置としては、内蔵するモータコイルへの通電により内燃機関と同一の正方向又は反対の逆方向へ回転可能な電動モータを利用する装置が、知られている。この種の装置では、内燃機関のクランク軸及びカム軸と其々連繋する駆動回転体及び従動回転体を有した位相調整機構部が設けられ、電動モータへの回転状態に従って駆動回転体に対する従動回転体の回転位相を調整することにより、バルブタイミングを可変としている。
こうした電動バルブタイミング可変装置の一種である特許文献1の開示装置では、通電制御回路部がモータコイルへの通電をデューティ比により制御して、電動モータを目標回転方向へ回転駆動する構成が、採用されている。ここで特に、特許文献1の開示装置では、最遅角位相において回転位相を保持する際、正方向に回転する電動モータの目標回転方向を逆方向に設定して、駆動回転体のストッパに従動回転体を押し当てた状態下、最新の最遅角位相を学習している。このとき特許文献1の開示装置では、モータコイルへの通電により電動モータを逆方向へ回転させるための回転下限値未満にデューティ比が設定されるので、モータコイルにおける印加電圧は、その設定されたデューティ比に追従して低下することになる。以上によれば、電動モータの回生制動によって生じる逆起電力(誘起電圧)と、印加電圧との和に応じてモータコイルに流れる電流を低く抑えつつ、当該回生制動によって従動回転体をストッパに押し当てて高精度な位相学習を実現することが、可能となる。この学習により得られる最遅角位相は、例えば従動回転体とストッパとの衝突による衝撃が和らぐように回転位相を最遅角位相に調整する際等、後の回転位相調整に利用されるため、高精度であることが望まれる。
特開2009−121292号公報
さて、特許文献1の開示装置において回転位相を最遅角位相に保持する際には、内燃機関と共に電動モータが正方向に連れ回りする中、目標回転方向の逆方向への設定が継続されることにより、従動回転体のストッパへの押当状態が維持される。そのため、内燃機関の回転速度が上昇すると、それに比例して、モータコイルに生じる逆起電力が増大する。この場合、逆起電力に応じてモータコイルに流れる電流も増大するので、当該モータコイルの熱破損を招くおそれがある。尚、内燃機関の回転速度が上昇した場合に、従動回転体のストッパへの押当状態における位相学習を禁止することも考えられるが、その場合、内燃機関の高回転域では位相学習が実行されず、回転位相調整によるバルブタイミングの可変精度が悪化してしまう。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電動モータを利用した電動バルブタイミング可変装置において、モータコイルの熱破損の抑制とバルブタイミングの可変精度の向上とを両立させることにある。
請求項1に記載の発明は、内蔵するモータコイルへの通電により、内燃機関と同一の正方向又は反対の逆方向へ回転可能に設けられる電動モータと、内燃機関のクランク軸及びカム軸と其々連繋する駆動回転体及び従動回転体を有し、駆動回転体に設けられる最遅角ストッパに従動回転体が当接する最遅角位相と、駆動回転体に設けられる最進角ストッパに従動回転体が当接する最進角位相との間において、駆動回転体に対する従動回転体の回転位相を電動モータの回転状態に従って調整することにより、内燃機関のバルブタイミングを可変とする位相調整機構部と、モータコイルへの通電をデューティ比により制御して電動モータを目標回転方向へ回転駆動する通電制御回路部であって、回転位相を最遅角位相へ調整する最遅角条件が成立した場合に、正方向に回転する電動モータの目標回転方向を、正方向及び逆方向のうち一方に設定することにより、最遅角ストッパに従動回転体を押し当てた最遅角押当状態下、最新の最遅角位相を学習するのに対し、回転位相を最進角位相へ調整する最進角条件が成立した場合に、正方向に回転する電動モータの目標回転方向を、正方向及び逆方向のうち他方に設定することにより、最進角ストッパに従動回転体を押し当てた最進角押当状態下、最新の最進角位相を学習する通電制御回路部と、を備え、最遅角条件及び最進角条件のうち、その成立の場合に目標回転方向を逆方向に設定する一方が、逆方向目標条件と定義され、最遅角押当状態における最遅角位相の学習及び最進角押当状態における最進角位相の学習のうち、逆方向目標条件の成立の場合に実行される一方が、逆方向押当学習と定義され、モータコイルへの通電により電動モータを逆方向へ回転させるデューティ比の下限値が、逆方向回転下限値と定義されるとき、逆方向目標条件の成立の場合に通電制御回路部は、内燃機関の閾値未満の回転速度においてデューティ比を逆方向回転下限値未満に設定して、逆方向押当学習を実行するのに対し、内燃機関の閾値以上の回転速度において逆方向押当学習を禁止することを特徴とする。
この発明では、回転位相を最遅角位相へ調整する最遅角条件が成立した場合、内燃機関と同一の正方向に回転する電動モータの目標回転方向が、当該正方向及び反対の逆方向のうち一方に設定されることで、駆動回転体の最遅角ストッパに従動回転体が押し当てられる。かかる最遅角押当状態下、学習される最新の最遅角位相については、その精度が高いものとなる。また、回転位相を最進角位相へ調整する最進角条件が成立した場合、正方向に回転する電動モータの目標回転方向が、正方向及び逆方向のうち最遅角条件の成立の場合とは異なる他方に設定されることで、駆動回転体の最進角ストッパに従動回転体が押し当てられる。かかる最進角押当状態下、学習される最新の最進角位相についても、その精度は高いものとなる。
ここで、最遅角又は最進角条件である逆方向目標条件の成立の場合、内燃機関と共に電動モータが正方向に連れ回りする中、目標回転方向の逆方向設定が継続されることにより、最遅角又は最進角位相学習のための最遅角又は最進角押当状態が維持され得る。こうした逆方向目標条件の成立の場合に、内燃機関の回転速度が閾値未満であれば、モータコイルへの通電により電動モータを逆方向へ回転させる逆方向回転下限値未満に、デューティ比が設定されることになるので、モータコイルにおける印加電圧がデューティ比に追従して低下する。故に、電動モータの回生制動により生じる逆起電力と印加電圧との和に応じてモータコイルに流れる電流を、低く抑えることができる。
一方、逆方向目標条件の成立の場合でも、内燃機関の回転速度が閾値以上に上昇したときには、電動モータが正方向回転する中で目標回転方向の逆方向設定を継続する逆方向押当学習は、禁止される。これにより、逆起電力に応じて過電流がモータコイルに流れる事態を、回避できる。しかも、内燃機関の閾値以上の回転速度において逆方向押当学習が禁止された後であっても、逆方向目標条件と異なる最進角又は最遅角条件が成立して最進角又は最遅角位相学習が実行されることにより、回転位相調整によるバルブタイミングの可変精度は確保され得る。さらに、逆方向目標条件と異なる最進角又は最遅角条件の成立の場合、電動モータが正方向回転する中で目標回転方向が正方向に設定されるので、モータコイルに流れる電流は、当該コイルにおける印加電圧と逆起電力との差に応じて低く抑えられ得る。
以上の如き請求項1に記載の発明によれば、電動モータを利用した電動バルブタイミング可変装置において流通電流の増大によるモータコイルの熱破損を抑制することにつき、バルブタイミングの可変精度向上と両立して達成可能となるのである。
請求項2に記載の発明によると、逆方向目標条件の成立の場合に、内燃機関の閾値以上の回転速度において通電制御回路部は、モータコイルへの通電経路を遮断することにより、逆方向押当学習を禁止する。
この発明において逆方向目標条件が成立した場合には、内燃機関の閾値以上の回転速度にてモータコイルへの通電経路が遮断されるので、当該閾値以上の回転速度では、逆方向押当学習を確実に禁止して、過電流を招く逆起電力の発生自体を回避し得る。故に、流通電流の増大によるモータコイルの熱破損の抑制効果につき、信頼性を高めることができるのである。
請求項3に記載の発明によると、逆方向目標条件の成立の場合に、内燃機関の閾値未満の回転速度において通電制御回路部は、過去の逆方向押当学習により学習された位相に回転位相が到達するまでデューティ比を逆方向回転下限値以上に設定した後、過去の逆方向押当学習により学習された位相に回転位相が到達するのに応じてデューティ比を逆方向回転下限値未満に設定する。
この発明において逆方向目標条件が成立した場合のデューティ比は、内燃機関の閾値未満の回転速度では、逆方向回転下限値未満に設定されるのに先立ち、同下限値以上に設定される。このとき逆方向回転下限値以上のデューティ比設定は、過去の逆方向押当学習により学習された最遅角又は最進角位相に回転位相が到達するまで、即ち従動回転体が遅角又は進角ストッパに当接するまで、継続されることになる。これにより、逆方向回転下限値以上のデューティ比に応じて比較的大きな電圧がモータコイルに印加されて、回転位相が最遅角又は最進角位相まで素早く変化するので、逆方向目標条件の成立から逆方向押当学習を開始するまでの応答性を、高め得る。しかも、回転位相が最遅角又は最進角位相まで変化した後には、逆方向回転下限値未満のデューティ比設定によりモータコイルにおける印加電圧が低下するので、当該コイルにつき、流通電流を制限して熱破損の抑制効果を発揮できるのである。
請求項4に記載の発明によると、最遅角条件及び最進角条件のうち、逆方向目標条件とは異なる他方の成立の場合に通電制御回路部は、回転位相を保持するために必要な保持デューティ比を超えるデューティ比を、設定する。
この発明において逆方向目標条件とは異なる最進角又は最遅角条件が成立した場合のデューティ比は、回転位相を保持するために必要な保持デューティ比を超える値に、設定される。これによれば、デューティ比に応じて比較的大きな電圧がモータコイルに印加されて、回転位相が最進角又は最遅角位相まで素早く変化することになるので、条件の成立から最進角又は最遅角押当状態での最進角又は最遅角位相学習を開始するまでの応答性を、高め得る。しかもこのときには、電動モータが正方向回転する中で目標回転方向が正方向に設定されることになるので、モータコイルに流れる電流は、当該コイルにおける印加電圧と逆起電力との差に応じて低く抑えられ得るのである。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置の基本構成を示す図であって、図3のI−I線縦断面図である。 図1のII−II線横断面図である。 図1のIII−III線横断面図である。 図1のIV−IV線横断面図である。 図4と異なる作動状態を示す横断面図である。 図1の通電制御回路部の詳細構成を示すブロック図である。 図6の制御ユニットの特徴を説明するための特性図である。 図6のモータドライバの詳細構成を示すブロック図である。 図8の駆動回路の特徴を説明するための特性図である。 図8の駆動回路の特徴を説明するための特性図である。 図8の通電制御回路部の特徴を説明するための特性図である。 図1のバルブタイミング調整装置による位相学習制御の制御フローを示すフローチャートである。 図1のバルブタイミング調整装置による作用効果を説明するための特性図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング可変装置1を示している。バルブタイミング可変装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。尚、本実施形態においてカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を開閉するものであり、バルブタイミング可変装置1は当該吸気弁のバルブタイミングを可変にする。
(基本構成)
以下、バルブタイミング可変装置1の基本的構成を説明する。バルブタイミング可変装置1は、電動モータ4、通電制御回路部6及び位相調整機構部8等から構成されており、後に詳述する回転体10,20間の回転位相の調整により最適なバルブタイミングを実現する。
図1,2に示すように、電動モータ4はブラシレスの永久磁石型同期モータであり、モータケース100、一対の軸受101、モータ軸102及びモータステータ103を備えている。内燃機関においてチェーンケース等の固定節に取り付けられるモータケース100は、各軸受101及びモータステータ103を内部に収容する中空形状に形成されている。各軸受101は、モータ軸102の軸本体104を正逆回転可能に支持している。モータ軸102のロータ部105は、軸本体104から外周側へ突出する円環板状に磁性材によって形成されている。ロータ部105には、モータ軸102の回転方向に等間隔に並ぶ複数の永久磁石106が設けられており、それら各永久磁石106がモータ軸102と共に正逆回転可能となっている。回転方向において隣り合う永久磁石106同士は、相反極性の磁極をロータ部105の外周側に形成している。ステータコア108及びモータコイル109を其々複数ずつ有するモータステータ103は、ロータ部105の外周側に同軸上に配置されている。各ステータコア108は、金属片を積層して形成され、モータ軸102の回転方向に等間隔に設けられている。各モータコイル109は、其々対応するステータコア108に個別に巻装され、本実施形態ではスター結線されている(図8を参照)。
通電制御回路部6は、電動モータ4に内蔵の各モータコイル109に電気接続されており、それらモータコイル109への通電を内燃機関の運転状況に応じて制御する。この通電制御を受けて電動モータ4は、各永久磁石106に作用する磁界を各モータコイル109の励磁により発生することにより、モータ軸102を図2の時計方向又は反時計方向へ回転駆動する。ここで本実施形態では、図2の時計方向がモータ軸102の正方向に定義され、図2の反時計方向がモータ軸102の逆方向に定義されている。
図1に示すように位相調整機構部8は、駆動回転体10、従動回転体20、遊星キャリア40及び遊星歯車50を備えている。
図1に示すように駆動回転体10は、歯車部材12及びスプロケット13を同軸上に螺子止めしてなり、位相調整機構部8の他の構成要素20,40,50を内部に収容する中空形状に形成されている。円筒状の歯車部材12は、歯底円の内周側に歯先円を有する駆動側内歯車部14を、周壁に形成している。
円筒状のスプロケット13は、径方向外側へ突出する複数の歯19を、周壁において回転方向に等間隔に形成している。スプロケット13は、それらの歯19とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーンが掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。かかる連繋形態により、クランク軸から出力される機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット13へ入力されるときには、駆動回転体10がクランク軸と共に図3,4の時計方向へと回転する。
図1に示すように有底円筒状の従動回転体20は、駆動回転体10の内周側に同軸上に嵌合している。従動回転体20は、カム軸2に同軸上に連繋する連繋部21を底壁に形成している。かかる連繋形態により従動回転体20は、カム軸2と共に図3,4の時計方向へ回転しつつ、駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。以上より本実施形態では、モータ軸102の正方向が内燃機関の回転方向と同一方向に設定されている一方、モータ軸102の逆方向が内燃機関の回転方向とは反対方向に設定されているのである。
従動回転体20は、歯底円の内周側に歯先円を有する従動側内歯車部22を、周壁に形成している。従動側内歯車部22の内径は、駆動側内歯車部14の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部22の歯数は、駆動側内歯車部14の歯数よりも少なく設定されている。
図1,3,4に示すように部分偏心円筒状の遊星キャリア40は、周壁のうち回転体10,20及びモータ軸102と同軸上に配置される内周面部により、入力部41を形成している。入力部41には、継手43が嵌合する嵌合溝42が形成され、当該継手43を介してモータ軸102の軸本体104が遊星キャリア40と連繋している。かかる連繋形態により遊星キャリア40は、モータ軸102と共に正逆回転可能、且つ駆動回転体10の駆動側内歯車部14に対して相対回転可能となっている。
遊星キャリア40はさらに、周壁のうち回転体10,20及びモータ軸102に対して偏心する外周面部により、支持部44を形成している。支持部44は、遊星歯車50の中心孔51に転がり軸受45を介して嵌合している。かかる嵌合形態により遊星歯車50は、駆動側内歯車部14に対する遊星キャリア40の相対回転に応じて遊星運動可能に、支持部44に支持されている。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が要素10,20,102に対する支持部44の偏心中心線周りに自転しつつ、要素102,40の回転中心線周りに公転する運動をいう。
段付円筒状の遊星歯車50は、歯底円の外周側に歯先円を有する駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54を其々、周壁のうち大径部及び小径部により形成している。駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54の歯数は、其々駆動側内歯車部14及び従動側内歯車部22の歯数よりも同数ずつ少なくなるように、設定されている。駆動側外歯車部52は、駆動側内歯車部14の内周側に配置されて当該歯車部14と噛み合っている。従動側外歯車部54は、従動側内歯車部22の内周側に配置されて当該歯車部22と噛み合っている。
このように回転体10,20間を歯車連繋してなる位相調整機構部8は、モータ軸102及び遊星キャリア40の回転状態に従って、駆動回転体10に対する従動回転体20の回転位相(以下、単に「回転位相」という)を調整することになる。
具体的には、モータ軸102と共に遊星キャリア40が駆動回転体10と同速に正回転するときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部14に対して相対回転しない。その結果、遊星歯車50が遊星運動せずに回転体10,20と連れ回りするので、回転位相が保持されることになる。一方、モータ軸102と共に遊星キャリア40が駆動回転体10よりも高速に正回転するときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部14に対して進角側へ相対回転する。その結果、遊星歯車50が遊星運動して従動回転体20が駆動回転体10に対して進角側へ相対回転するので、回転位相が進角側へ変化することになる。また一方、モータ軸102と共に遊星キャリア40が駆動回転体10よりも低速に正回転する又は逆回転するときには、遊星キャリア40が駆動側内歯車部14に対して遅角側へ相対回転する。その結果、遊星歯車50が遊星運動して従動回転体20が駆動回転体10に対して遅角側へ相対回転するので、回転位相が遅角側へ変化することになる。
(ストッパ構造)
次に、位相調整機構部8に設けられるストッパ構造90につき、説明する。図1,4,5に示すようにストッパ構造90は、駆動回転体10に形成されるストッパ溝92と、従動回転体20に形成されるストッパ突起94と、を組み合わせてなる。ストッパ溝92は、駆動回転体10のうちスプロケット13の内周面に開口し、回転方向に円弧状に延伸している。ストッパ突起94は、従動回転体20のうち周壁から外周側へ扇状に突出している。ストッパ突起94は、駆動回転体10内においてストッパ溝92に突入しており、回転体10,20の回転方向に揺動可能となっている。
図4に示すようにストッパ突起94の一側面94rは、ストッパ溝92のうち回転方向に対向する内端面の最遅角ストッパ92rと当接することにより、駆動回転体10に対して従動回転体20を遅角側へと相対回転させるモータ軸102の逆回転を、規制する。その結果、回転位相が最遅角位相に留められることになる。一方、ストッパ突起94の他側面94aは、ストッパ溝92のうち回転方向に対向する内端面の最進角ストッパ92aと図5に示す如く当接することにより、従動回転体20を駆動回転体10に対して進角側へと相対回転させるモータ軸102の正回転を、規制する。その結果、回転位相が最進角位相に留められることになる。
(通電制御回路部)
次に、通電制御回路部6につき、その詳細を説明する。図6に示すように通電制御回路部6は、制御ユニット60及びモータドライバ70を備えている。尚、本実施形態では、制御ユニット60が電動モータ4の外部に、またモータドライバ70が電動モータ4の内部に配置されるが、例えば回路60,70の双方について電動モータ4の外部又は内部に纏めて配置されてもよい。
制御ユニット60は、メモリ62を有するマイクロコンピュータ等の電子回路を主体に構成され、回転位相としての最遅角位相及び最進角位相に関する最新情報を、当該メモリ62に適時に記憶する。制御ユニット60は、カムセンサSca及びクランクセンサScrに電気接続されていると共に、モータドライバ70を介してモータセンサSmに電気接続されている。ここでカムセンサScaは、例えば電磁ピックアップ式センサ等であり、カム軸2の回転角度であるカム角θcaを検出する。また、クランクセンサScrは電磁ピックアップ式センサ等であり、クランク軸の回転角度であるクランク角θcrを検出する。さらにまた、図1,6に示すように複数のモータセンサSmは、モータ軸102に装着のセンサ磁石107の発生磁界を受けることにより、モータ軸102の回転角度であるモータ角θmを共同して検出する。これらセンサSca,Scr,Smは、各々の検出結果を表す信号を出力する。
そこで制御ユニット60は、カムセンサSca及びクランクセンサScrから其々与えられる現在のカム角θca及びクランク角θcr(以下、単に「現在のカム角θca及びクランク角θcr」という)と、モータセンサSmから与えられる現在のモータ角θmとに基づいて、回転位相の実位相を算定する。それと共に制御ユニット60は、内燃機関の運転状況に基づいて、回転位相の目標位相を算定する。そして制御ユニット60は、算定した実位相及び目標位相の間の位相差に基づいて、例えば図7に示す如きモータ軸102の目標回転方向Dt及びデューティ比Rdを其々設定し、それら設定結果を表す信号をモータドライバ70へ出力する。ここで、目標回転方向Dt及びデューティ比Rdは、モータドライバ70を通じた各モータコイル109への通電につき、制御ユニット60がデューティ制御するための制御値である。
本実施形態の制御ユニット60は、特に実位相が最遅角位相以外である場合において、目標位相を最遅角位相とした回転位相調整が必要となる最遅角条件が成立すると、最遅角制御モードを実行する。ここで最遅角条件としては、例えば内燃機関の吸入空気量低減による燃料消費低減の機関出力制限要求が、制御ユニット60に与えられることや、後に詳述する位相学習制御により最遅角位相の学習が設定時間以上実行されていないこと等が採用される。
最遅角制御モードの制御ユニット60は、メモリ62に記憶の最遅角位相に対して実位相が異なる間は、正方向に回転するモータ軸102の目標回転方向Dtを逆方向に設定すると共に、遅角調整値Rrと連れ回り調整値Rcとの差となるデューティ比Rdを設定する(図7のグラフA参照)。ここで遅角調整値Rrは、回転位相を最遅角位相へ調整するためのデューティ比である。また、連れ回り調整値Rcは、モータ軸102を要素40,50,10,20,2と正方向に連れ回りさせることにより回転位相を保持するためのデューティ比である。
最遅角制御モードの制御ユニット60はさらに、メモリ62に記憶の最遅角位相に実位相が到達すると、ストッパ突起94と最遅角ストッパ92rとを当接させる正方向の回転状態となるモータ軸102につき、目標回転方向Dtを逆方向に継続設定する(図7のグラフB1,B2参照)。それと共に制御ユニット60は、現在のカム角θca及びクランク角θcrのうち少なくとも一方に基づいて内燃機関の回転速度Neを算定し、その算定結果に応じてデューティ比Rdを切替設定する。具体的に制御ユニット60は、内燃機関の回転速度Neが所定の閾値Nth未満である場合、デューティ比Rdを所定の回転下限値Rl未満に設定する(図7のグラフB1参照)。ここで回転下限値Rlとは、機関トルクの伝達により正方向に回転しようとするモータ軸102の逆方向への回転を、各モータコイル109への通電切替により可能にするデューティ比Rdのうち、最小のものを意味している。これに対し、内燃機関の回転速度Neが所定の閾値Nth以上である場合に制御ユニット60は、各モータコイル109への通電経路を遮断するための零値に、デューティ比Rdを設定する(図7のグラフB2参照)。ここで、デューティ比Rdの切替設定の基準となる閾値Nthについては、熱破損を招く過電流の最低値Io(図13を参照)がモータコイル109に流れると予測されるときの当該速度Ne以下に、設定される。尚、例えば閾値Nthとしては、クランク軸の回転速度Neとして2000rpm等の値に予設定されていてもよいし、クランク軸に対して一般に半分となるカム軸2の回転速度Neとして1000rpm等の値に予設定されていてもよい。
このような最遅角制御モードにより、閾値Nth未満の回転速度Neにてストッパ突起94が最遅角ストッパ92rに押し当てられた最遅角押当状態下、現在のカム角θca及びクランク角θcrに基づいて制御ユニット60は、最新の最遅角位相を学習する。ここで最遅角位相の学習では、例えば現在のカム角θca及びクランク角θcrから算定される最遅角位相をそのまま、最新情報として採用してもよいし、今回と過去とにおいて其々算定された最遅角位相の平均位相を、最新情報として採用してもよい。そして、こうして学習された最新の最遅角位相により、メモリ62に記憶の最遅角位相が更新されることになる。一方、閾値Nth以上の回転速度Neの最遅角制御モードでは、各モータコイル109への通電経路の遮断に応じて、最遅角位相の学習も更新も禁止されることとなる。
以上の最遅角制御モードに加えて本実施形態の制御ユニット60は、実位相が最進角位相以外である場合において、目標位相を最進角位相とした回転位相調整が必要となる最進角条件が成立すると、最進角制御モードを実行する。ここで最進角条件としては、例えば内燃機関の吸入空気量増加による機関出力向上要求が、制御ユニット60に与えられることや、後に詳述する位相学習制御により最進角位相の学習が設定時間以上実行されていないこと等が採用される。
最進角制御モードの制御ユニット60は、メモリ62に記憶の最進角位相に対して実位相が異なる間は、正方向に回転するモータ軸102の目標回転方向Dtを正方向に設定すると共に、進角調整値Raと連れ回り調整値Rcとの和となるデューティ比Rdを設定する(図7のグラフC参照)。ここで進角調整値Raは、回転位相を最進角位相へ調整するためのデューティ比であり、また連れ回り調整値Rcは、上記と同様である。
最遅角制御モードの制御ユニット60はさらに、メモリ62に記憶の最進角位相に実位相が到達すると、ストッパ突起94と最進角ストッパ92aとを当接させる正方向の回転状態を維持することとなるモータ軸102につき、目標回転方向Dtを正方向に継続設定する。それと共に制御ユニット60は、内燃機関の回転速度Neに拘らず、進角押当値Rpと連れ回り調整値Rcとの和となる一定のデューティ比Rdを設定する(図7のグラフD参照)。ここで進角押当値Rpは、ストッパ突起94を最進角ストッパ92aに押し当てて回転位相を最進角位相に保持するためのデューティ比であり、進角調整値Raよりも小さな値とされる。また、連れ回り調整値Rcについては、上記と同様である。
このような最進角制御モードにより、ストッパ突起94が最進角ストッパ92aに押し当てられた最進角押当状態下、現在のカム角θca及びクランク角θcrに基づくことで制御ユニット60は、最新の最進角位相を学習する。ここで最進角位相の学習では、例えば現在のカム角θca及びクランク角θcrから算定される最進角位相をそのまま、最新情報として採用してもよいし、今回と過去とにおいて其々算定された最進角位相の平均位相を、最新情報として採用してもよい。そして、こうして学習された最新の最進角位相により、メモリ62に記憶の最進角位相が更新されることになる。
尚、以上の最進角制御モード及び先述の最遅角制御モードを実行しない場合の制御ユニット60は、通常制御モードの実行により、最進角位相及び最遅角位相の各最新情報の双方に基づき実位相を算定して、目標回転方向Dt及びデューティ比Rdを設定する。
さて、図6に示すようにモータドライバ70には、通電ブロック74が設けられている。この通電ブロック74のうち図8に示すインバータ回路76は、三つのアームAU,AV,AWを有した三相ブリッジ回路である。各アームAU,AV,AWは、上段スイッチング素子FU,FV,FWと下段スイッチング素子GU,GV,GWとを、符号の末尾が同じもの同士で電気接続してなる。各アームAU,AV,AWにおいて上段スイッチング素子FU,FV,FW側の端部は、高圧側電源ラインLHを介して車両のバッテリ80と電気接続されている。各アームAU,AV,AWにおいて下段スイッチング素子GU,GV,GW側の端部は、シャント抵抗RS及び低圧側電源ラインLLを介して接地されている。
各アームAU,AV,AWを構成するスイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWは、本実施形態ではいずれも電界効果トランジスタ(FET)であり、電圧レベルがハイの駆動信号によりオン且つ電圧レベルがローの駆動信号によりオフされる。各アームAU,AV,AWにおいて、高圧側の上段スイッチング素子FU,FV,FW及び低圧側の下段スイッチング素子GU,GV,GWの間となる中点MU,MV,MWには、複数のモータコイル109のうち其々対応するものが電気接続されている。
また、通電ブロック74のうち駆動回路78は、例えばFET用のゲート駆動IC等から構成され、モータセンサSm及び制御ユニット60と、各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWとに電気接続されている。駆動回路78は、モータセンサSmから与えられる現在のモータ角θmと、制御ユニット60から与えられる目標回転方向Dt及びデューティ比Rdとに基づいて、各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWを個別にオンオフする。その結果、オンするスイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWと共に通電対象のモータコイル109が切替えられることになるので、その切替に応じてモータ軸102を回転駆動するためのトルクが発生する。
図9,10に示すように本実施形態の駆動回路78は、各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWへ与える駆動信号の電圧レベルの組み合わせパターン(以下、「通電パターン」という)i〜viを切替えることにより、モータトルクを調整する。ここで、図9,10の各通電パターンi〜viでは、駆動信号の電圧レベルを継続的にハイにする場合はH、駆動信号の電圧レベルを継続的にローにする場合はL、デューティ比Rdのパルス幅変調により駆動信号の電圧レベルを制御する場合はPと表されている。尚、かかる図9,10から明らかなように本実施形態のデューティ比Rdは、図11に示す駆動信号の一周期Tdrvのうち、電圧レベルがハイ(H)となることにより下段スイッチング素子GU,GV,GWが継続してオンする時間Tonの割合(%)である。
具体的に駆動回路78は、モータ角θmに基づき算定される実回転方向(以下、単に「実回転方向」という)と共に目標回転方向Dtが正方向である場合、図9に示す通電パターンを方向D+へ切替えることにより、正方向回転中のモータ軸102に対して、デューティ比Rdに従う正方向の回転トルクを発生させる。一方、実回転方向と共に目標回転方向Dtが逆方向である場合に駆動回路78は、図10に示す通電パターンを方向D−へ切替えることにより、逆方向回転中のモータ軸102に対して、デューティ比Rdに従う逆方向の回転トルクを発生させる。
また、目標回転方向Dtが実回転方向と反対の正方向である場合に駆動回路78は、図9に示す通電パターンを方向D−へ切替えることにより、逆方向回転中のモータ軸102に対して、デューティ比Rdに従う正方向の回生制動トルクを発生させる。一方、目標回転方向Dtが実回転方向と反対の逆方向である場合に駆動回路78は、図10に示す通電パターンを方向D+へ切替えることにより、正方向回転中のモータ軸102に対して、デューティ比Rdに従う逆方向の回生制動トルクを発生させる。ここで特に、図10の通電パターンの方向+への切替において、デューティ比Rdとしての零値が駆動回路78に与えられる場合、オンされる上段スイッチング素子FU,FV,FWが切替えられつつ、下段スイッチング素子GU,GV,GWが継続してオフされる。その結果、本実施形態では、各モータコイル109への通電経路が全て遮断されて、回生制動のみが実現される状態となる。
(位相学習制御)
次に、メモリ62に記憶のコンピュータプログラムを制御ユニット60が実行することにより実施される位相学習制御につき、図12の制御フローに従って説明する。尚、この位相学習制御は、内燃機関の始動(アイドルストップシステム搭載車両における再始動も含む)に応じて開始され、内燃機関の停止(同システム搭載車両におけるアイドル回転時の一時停止も含む)に応じて終了する。
制御フローのS101では、車両において回転位相の学習に適した学習適合条件が成立しているか否かを、判定する。ここで学習適合条件としては、例えば内燃機関の回転速度Neがカム角θca及びクランク角θcrの検出範囲内にあることや、バッテリ80の電圧が制御ユニット60の正常作動範囲内にあること等が、採用される。そして、このようなS101において学習適合条件が成立していない場合には、S102へ移行して、通常制御モードを実行する。これに対し、S101において学習適合条件が成立している場合には、S103へ移行して、最遅角条件及び最進角条件のうちいずれか一方が成立しているか否かを、判定する。
S103において最遅角条件及び最進角条件のいずれも成立していない場合には、S102へ移行して、通常制御モードを実行する。これに対し、S103において最遅角条件及び最進角条件のいずれかが成立している場合には、S104へ移行して、当該成立条件が最遅角条件であるか否かを、判定する。
S104により肯定判定が下された場合には、最遅角条件が成立しているとして、以下のS105〜S111を最遅角制御モードとして実行する。具体的にS105では、目標回転方向Dtを逆方向に設定すると共に、回転下限値Rl以上となる遅角調整値Rr及び連れ回り調整値Rcの差にデューティ比Rdを設定する。続くS106では、過去に学習されてメモリ62に記憶の最遅角位相に実位相が到達したか否かを、判定する。S106により否定判定が下されている間は、S105を継続して実行する一方、S106により肯定判定が下されると、S107へ移行する。
S107では、内燃機関の回転速度Neが閾値Nth未満であるか、閾値Nth以上であるかを判定する。その結果、回転速度Neが閾値Nth未満である場合には、S108へ移行して目標回転方向Dtを逆方向に設定すると共に、デューティ比Rdを回転下限値Rl未満に設定する。さらに続くS109では、S108による目標回転方向Dt及びデューティ比Rdの設定を維持したまま、最新の最遅角位相を学習してメモリ62に記憶の最遅角位相を更新する。これに対し、回転速度Neが閾値Nth以上である場合には、S107からS110へ移行して、目標回転方向Dtを逆方向に設定したまま、デューティ比Rdを零値に設定する。これにより、全モータコイル109への通電経路を遮断した状態下、さらに続くS111へ移行して、最遅角位相の学習及び更新を禁止する。
ここまで、S104により肯定判定が下された場合の制御フローを説明したが、同S104により否定判定が下された場合には、最進角条件が成立しているとして、以下のS112〜S115を最進角制御モードとして実行する。具体的にS112では、目標回転方向Dtを正方向に設定すると共に、デューティ比Rdを進角調整値Ra及び連れ回り調整値Rcの和に設定する。続くS113では、過去に学習されてメモリ62に記憶の最進角位相に実位相が到達したか否かを、判定する。S113により否定判定が下されている間は、S112を継続して実行する一方、S113により肯定判定が下されると、S114へ移行する。
S114では、目標回転方向Dtを正方向に設定すると共に、デューティ比Rdを進角押当値Rp及び連れ回り調整値Rcの和に設定する。さらに続くS115では、S114による目標回転方向Dt及びデューティ比Rdの設定を維持したまま、最新の最進角位相を学習してメモリ62に記憶の最進角位相を更新する。
尚、以上制御フローにおいてS102,S109,S111,S115の実行後には、S101へとリターンして、当該S101及び後続のS102〜S115のうち必要な処理を実行することになる。
(作用効果)
次に、装置1による作用効果を説明する。装置1において最遅角条件が成立した場合には、内燃機関と同一の正方向に回転するモータ軸102の目標回転方向Dtが、当該正方向と逆方向に設定されることにより、ストッパ突起94が最遅角ストッパ92rに押し当てられる。かかる最遅角押当状態下、学習された最新情報にて更新される最遅角位相については、その精度が高いものとなる。また、最進角条件が成立した場合には、正方向に回転するモータ軸102の目標回転方向Dtが、最遅角条件の成立の場合とは異なる正方向に設定されることにより、ストッパ突起94が最進角ストッパ92aに押し当てられる。かかる最進角押当状態下、学習された最新情報にて更新される最進角位相についても、その精度は高いものとなる。
ここで最遅角条件の成立の場合、内燃機関と共にモータ軸102が正方向に連れ回りする中、目標回転方向Dtの逆方向への設定が継続されることとなるので、最遅角位相学習のための最遅角押当状態が維持され得る。こうした最遅角条件の成立の場合に内燃機関の回転速度Neが閾値Nth未満であれば、図7のグラフB1の如く、モータ軸102を逆方向へ回転させる回転下限値Rl未満に、デューティ比Rdが設定される。これにより通電対象のモータコイル109では、印加電圧がデューティ比Rdに追従して低下するので、モータ軸102の回生制動により生じる逆起電力と、当該印加電圧との和に応じて流れる電流は、図13のグラフb1の如く、過電流最小値Ioよりも低く抑えられ得る。
一方、最遅角条件の成立の場合でも、内燃機関の回転速度Neが閾値Nth以上に上昇したときに装置1では、モータ軸102の正方向回転中に目標回転方向Dtの逆方向への設定を継続する最遅角位相学習は、禁止されることになる。このとき特に装置1では、図7のグラフB2の如くデューティ比Rdが零値に設定されて、全モータコイル109への通電経路が遮断されることにより、最遅角押当状態での最遅角位相学習が確実に禁止され得る。その結果、通電対象のモータコイル109に流れる電流を図13のグラフb2の如く実質零電流として、図13の二点鎖線の如き値Io以上の過電流を招く逆起電力の発生自体を、回避できるのである。
しかも、閾値Nth以上の速度にて内燃機関が回転する高回転域では、最遅角位相学習が禁止された後であっても、最進角条件が成立して最進角位相学習が実行されることにより、通常制御モードによるバルブタイミングの可変精度が確保され得る。さらに最進角位相学習中は、モータ軸102が正方向に回転しながら、目標回転方向Dtが正方向に設定されるので、通電対象のモータコイル109に印加電圧及び逆起電力の差に応じて流れる電流は、図13のグラフdの如く、過電流最小値Ioよりも低い電流となる。
したがって、このような装置1によれば、電動モータ4において流通電流の増大による各モータコイル109の熱破損を抑制することにつき、バルブタイミングの可変精度の向上と両立して達成可能となるのである。
さらに、装置1において最遅角条件が成立した場合のデューティ比Rdは、内燃機関の閾値Nth未満の回転速度Neでは、回転下限値Rl未満に設定されるのに先立ち、同下限値Rl以上に設定される。このとき回転下限値Rl以上のデューティ比Rdへの設定は、過去に学習された最遅角位相に回転位相が到達するまで、即ちストッパ突起94が最遅角ストッパ92rに当接するまで、継続されることになる。これによれば、回転下限値Rl以上のデューティ比Rdに応じて比較的大きな電圧が通電対象のモータコイル109に印加されて、回転位相が最遅角位相まで素早く変化することになるので、最遅角条件の成立から最遅角位相学習を開始するまでの応答性を、高め得るのである。
またさらに、装置1において最進角条件が成立した場合のデューティ比Rdは、回転位相を保持するために必要な連れ回り調整値Rcを、進角押当値Rpよりも大きな進角調整値Ra分だけ超える値に、設定される。これによれば、デューティ比Rdに応じて比較的大きな電圧が通電対象のモータコイル109に印加されて、回転位相が最進角位相まで素早く変化することになるので、最進角条件の成立から最進角押当状態での最進角位相学習を開始するまでの応答性も、高め得る。しかもこのときには、モータ軸102の正方向回転中に目標回転方向Dtが正方向に設定されるので、通電対象のモータコイル109に流れる電流は、上記最進角位相学習中の場合に準じて、印加電圧及び逆起電力の差に応じた低電流となる。
尚、以上説明の実施形態では、最遅角条件が「逆方向目標条件」に相当し、最遅角押当状態での最遅角位相の学習が「逆方向押当学習」に相当し、回転下限値Rlが「逆方向回転下限値」に相当し、連れ回り調整値Rcが「保持デューティ比」に相当する。
(他の実施形態)
ここまで、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、制御ユニット60の実行する通常制御モードについては、学習された最新の最遅角位相及び最進角位相のうち、例えば学習順や過去の学習結果の精度(ばらつき具合)等に応じて選択された一方に基づいて、実位相を算定する変形例としてもよい。また、制御ユニット60の実行する最遅角制御モードについては、目標回転方向Dt及びデューティ比Rdの代わりに通電経路遮断命令を駆動回路78に与えて、全スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWを継続してオフすることにより、各モータコイル109への通電経路を遮断する変形例としてもよい。
さらに装置1については、「遅角」と「進角」とを上述の実施形態又は変形例とは逆にして、実施してもよい。この場合、例えば「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを可変にする装置1に適用して、内歯車部14,22間及び外歯車部52,54間の歯数の関係を上述の実施形態とは逆にすることが望ましい。そして、この場合においては、最進角条件が「逆方向目標条件」に相当し、最進角押当状態での最進角位相の学習が「逆方向押当学習」に相当することになるのである。
1 バルブタイミング可変装置、2 カム軸、4 電動モータ、6 通電制御回路部、8 位相調整機構部、10 駆動回転体、20 従動回転体、40 遊星キャリア、50 遊星歯車、60 制御ユニット、62 メモリ、70 モータドライバ、74 通電ブロック、76 インバータ回路、78 駆動回路、80 バッテリ、90 ストッパ構造、92 ストッパ溝、92r 最遅角ストッパ、92a 最進角ストッパ、94 ストッパ突起、94r 一側面、94a 他側面、102 モータ軸、103 モータステータ、109 モータコイル、FU,FV,FW 上段スイッチング素子、GU,GV,GW 下段スイッチング素子、Sca カムセンサ、Scr クランクセンサ、Sm モータセンサ、Dt 目標回転方向、Ne 回転速度、Nth 閾値、Rd デューティ比、Rr 遅角調整値、Rc 連れ回り調整値(保持デューティ比)、Rl 回転下限値、Ra 進角調整値、Rp 進角押当値、θca カム角、θcr クランク角、θm モータ角

Claims (4)

  1. 内蔵するモータコイルへの通電により、内燃機関と同一の正方向又は反対の逆方向へ回転可能に設けられる電動モータと、
    前記内燃機関のクランク軸及びカム軸と其々連繋する駆動回転体及び従動回転体を有し、前記駆動回転体に設けられる最遅角ストッパに前記従動回転体が当接する最遅角位相と、前記駆動回転体に設けられる最進角ストッパに前記従動回転体が当接する最進角位相との間において、前記駆動回転体に対する前記従動回転体の回転位相を前記電動モータの回転状態に従って調整することにより、前記内燃機関のバルブタイミングを可変とする位相調整機構部と、
    前記モータコイルへの通電をデューティ比により制御して前記電動モータを目標回転方向へ回転駆動する通電制御回路部であって、前記回転位相を前記最遅角位相へ調整する最遅角条件が成立した場合に、前記正方向に回転する前記電動モータの前記目標回転方向を、前記正方向及び前記逆方向のうち一方に設定することにより、前記最遅角ストッパに前記従動回転体を押し当てた最遅角押当状態下、最新の前記最遅角位相を学習するのに対し、前記回転位相を前記最進角位相へ調整する最進角条件が成立した場合に、前記正方向に回転する前記電動モータの前記目標回転方向を、前記正方向及び前記逆方向のうち他方に設定することにより、前記最進角ストッパに前記従動回転体を押し当てた最進角押当状態下、最新の前記最進角位相を学習する通電制御回路部と、
    を備え、
    前記最遅角条件及び前記最進角条件のうち、その成立の場合に前記目標回転方向を前記逆方向に設定する一方が、逆方向目標条件と定義され、
    前記最遅角押当状態における前記最遅角位相の学習及び前記最進角押当状態における前記最進角位相の学習のうち、前記逆方向目標条件の成立の場合に実行される一方が、逆方向押当学習と定義され、
    前記モータコイルへの通電により前記電動モータを前記逆方向へ回転させる前記デューティ比の下限値が、逆方向回転下限値と定義されるとき、
    前記逆方向目標条件の成立の場合に前記通電制御回路部は、前記内燃機関の閾値未満の回転速度において前記デューティ比を前記逆方向回転下限値未満に設定することにより、前記逆方向押当学習を実行するのに対し、前記内燃機関の前記閾値以上の回転速度において前記逆方向押当学習を禁止することを特徴とする電動バルブタイミング可変装置。
  2. 前記逆方向目標条件の成立の場合に、前記内燃機関の前記閾値以上の回転速度において前記通電制御回路部は、前記モータコイルへの通電経路を遮断することにより、前記逆方向押当学習を禁止することを特徴とする請求項1に記載の電動バルブタイミング可変装置。
  3. 前記逆方向目標条件の成立の場合に、前記内燃機関の前記閾値未満の回転速度において前記通電制御回路部は、過去の前記逆方向押当学習により学習された位相に前記回転位相が到達するまで前記デューティ比を前記逆方向回転下限値以上に設定した後、過去の前記逆方向押当学習により学習された位相に前記回転位相が到達するのに応じて前記デューティ比を前記逆方向回転下限値未満に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動バルブタイミング可変装置。
  4. 前記最遅角条件及び前記最進角条件のうち、前記逆方向目標条件とは異なる他方の成立の場合に前記通電制御回路部は、前記回転位相を保持するために必要な保持デューティ比を超える前記デューティ比を、設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動バルブタイミング可変装置。
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