JP6090178B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に、関する。
近年、電動モータの利用によりバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置は、その制御性に優れる点で注目を集めてきている。例えば特許文献1の開示装置では、クランク軸及びカム軸とそれぞれ連動回転する駆動回転体及び従動回転体間を、電動モータの回転状態に応じて遊星運動する遊星歯車回転体により、歯車連繋させている。かかる歯車連繋下、駆動回転体に対する従動回転体の回転位相を遊星歯車体の遊星運動により変化させることで、迅速なバルブタイミング調整が可能となっている。
こうした特許文献1の開示装置において駆動回転体は、遊星歯車体が遊星運動可能に噛合する歯車部材と、従動回転体との当接により回転位相の変化を位相端にて規制するストッパ部材とを、軸方向に重ね合わせて螺子留めしてなる。かかる螺子留め状態下、特許文献1の開示装置では、回転位相を位相端まで変化させるように電動モータへの通電を制御することで、当該位相端での回転位相変化の規制が正確なものとなる。
特開2012−237203号公報
さて、特許文献1の開示装置では、回転位相変化の規制時にストッパ部材と従動回転体とが当接して衝撃力が発生すると、遊星歯車体を介して当該従動回転体と連繋の歯車部材にも、衝撃力が作用する。このとき、螺子部材が歯車部材及びストッパ部材を緊縛している緊縛力よりも、衝撃力が大きいと、歯車部材に弾性歪みが発生し易くなる。ここで本発明者らの鋭意研究の結果、螺子部材による螺子留め状態下にて歯車部材の弾性歪みは、衝撃力の発生時以降にあっても維持されてしまうことから、その蓄積が進むと、遊星歯車体及び歯車部材の噛合状態をロックさせるおそれのあることが判明した。そこで、このような作動ロックを回避すべく、回転位相を位相端まで変化させる際に、ストッパ部材に対する従動回転体の当接速度を制限して衝撃力を小さくしようとすると、バルブタイミング調整の応答性を低下させてしまうため、別の改善策が望まれていた。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミング調整の応答性向上と作動ロックの回避とを両立させるバルブタイミング調整装置を、提供することにある。
上述した課題を解決するために開示された発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸(2)が開閉する動弁のバルブタイミングを、電動モータ(4)の利用により調整するバルブタイミング調整装置であって、クランク軸と連動回転する駆動回転体(10)と、カム軸と連動回転する従動回転体(20)と、駆動回転体及び従動回転体間を歯車連繋し、電動モータの回転状態に応じて遊星運動することにより、駆動回転体に対する従動回転体の回転位相を変化させる遊星歯車体(50)と、電動モータへの通電を制御する制御系(6)と、を備え、駆動回転体は、遊星歯車体が遊星運動可能に噛合する歯車部材(11)と、従動回転体との当接により回転位相の変化を位相端にて規制するストッパ部材(13)と、歯車部材とストッパ部材とを軸方向に重ね合わせて螺子留めする螺子部材(81)と、を有し、制御系は、回転位相を位相端(Pe)まで変化させる第一通電(E1)を、電動モータに対して与えるストッパ制御手段(S103)と、第一通電の結果、歯車部材の弾性歪みが予測される場合に、回転位相を位相端からずらす第二通電(E2)と、回転位相を位相端まで戻す第三通電(E3)とを、電動モータに対して交互に繰り返すリピート制御手段(S102,S104,S201,S300,S400)であって、螺子部材が歯車部材及びストッパ部材を緊縛している緊縛力(Fb)以下の衝撃力(Fi)を、第三通電によるストッパ部材と従動回転体との当接時に歯車部材に作用させるリピート制御手段と、を有することを特徴とする。
かかる発明によると、回転位相を位相端まで変化させる第一通電の結果、歯車部材の弾性歪みが予測される場合には、回転位相を位相端からずらす第二通電と、回転位相を位相端まで戻す第三通電とが交互に繰り返される。このとき、第三通電によりストッパ部材と従動回転体とが当接して歯車部材に作用する衝撃力は、螺子部材が歯車部材及びストッパ部材を緊縛している緊縛力以下となるので、当該衝撃力に起因した新たな弾性歪みが抑制され得る。しかも歯車部材では、第一通電時の衝撃力により発生する弾性歪みが大きくなるほど、大きな復原力が発生するので、かかる大復原力と第三通電による衝撃力との総和が緊縛力を超えることで、当該弾性歪みは解放され得る。これらの抑制作用並びに解放作用によれば、ストッパ部材に対する従動回転体の当接速度を第一通電時に増大させても、第二通電と第三通電との繰り返しにより歯車部材には、弾性歪みが蓄積され難くなる。したがって、回転位相を位相端まで素早く変化させてバルブタイミング調整の応答性を向上させることと、遊星歯車体及び歯車部材の噛合状態がロックする作動ロックを回避することとを、両立させることが可能となる。
また、開示された別の発明によるリピート制御手段は、第三通電により緊縛力以下の衝撃力を発生させる速度に、駆動回転体に対する従動回転体の当接速度を制限する。
かかる発明では、ストッパ部材に対する従動回転体の当接速度は、第三通電により緊縛力以下の衝撃力の発生速度に制限されるので、当該衝撃力に起因した新たな弾性歪みは、確実に抑制され得る。したがって、ストッパ部材に対する従動回転体の当接速度を第一通電時に増大させてバルブタイミング調整の応答性を可及的に向上させつつも、作動ロックの回避効果を確固たる効果として発揮可能となる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の基本構成を示す図であって、図3のI−I線縦断面図である。 図1のII−II線横断面図である。 図1のIII−III線横断面図である。 図1の制御系の詳細構成を示すブロック図である。 図4のモータドライバの詳細構成を示すブロック図である。 図4,5の制御ユニットによる歪み解放制御の制御フローを示すフローチャートである。 図6の制御フローのS103,S104について説明するためのタイムチャートである。 図1〜3の調整機構系における特性を示す特性図である。 本発明の第二実施形態による歪み解放制御の制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態による歪み解放制御の制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第四実施形態による歪み解放制御の制御フローを示すフローチャートである。 図6の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
図1に示すように、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1は、車両において内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へクランクトルクを伝達する伝達系に、設置されている。ここでカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)をクランクトルクの伝達により開閉する。そこで、装置1は、電動モータ4の利用により吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
以下、装置1の基本構成を説明する。図1〜4に示すように装置1は、電動モータ4、制御系6及び調整機構系8等から構成されている。
図1に示すように電動モータ4は、ブラシレスの永久磁石型同期モータである。電動モータ4は、モータケース40、軸受41、モータ軸42、磁性ロータ43及びモータステータ45を備えている。モータケース40は、内燃機関において例えばチェーンケース等の固定節に、取付けられる。全体として中空状のモータケース40は、電動モータ4の他の要素41,42,43,45を内部に収容している。一対の軸受41は、それぞれモータ軸42を正逆回転可能に支持している。磁性ロータ43は、モータ軸42から径方向外側へと突出する円環板状に形成され、周方向に正逆回転可能となっている。磁性ロータ43のうち正逆回転方向に等間隔をあけた箇所には、複数の永久磁石44が一体回転可能に設けられている。全体として円環板状のモータステータ45は、径方向外側から磁性ロータ43を同軸上に囲んでいる。モータステータ45は、ステータコア46及びモータコイル47をそれぞれ複数ずつ有している。各ステータコア46は、金属片を積層して形成され、モータ軸42及び磁性ロータ43の正逆回転方向に沿って等間隔に配置されている。各モータコイル47は、それぞれ対応するステータコア46に個別に巻装されて、互いにスター結線されている(図5を参照)。
図1に示すように制御系6は、各モータコイル47への通電を、内燃機関の運転状況に合わせて制御する。この通電制御を受けて電動モータ4は、各永久磁石44に作用する磁界を各モータコイル47の励磁により発生することで、モータ軸42を図2の反時計方向又は時計方向へ回転駆動する。尚、図2では、反時計方向がモータ軸42の正回転方向であり、時計方向がモータ軸42の逆回転方向である。
調整機構系8は、駆動回転体10、従動回転体20、遊星キャリア30及び遊星歯車体50を備えている。
図1〜3に示すように全体として中空状の駆動回転体10は、調整機構系8の他の構成要素20,30,50を内部に収容している。駆動回転体10は、歯車部材11を伝達部材13及びカバー部材14間に介装した状態で、それらの部材11,13,14を同軸上に螺子留めしてなる。円環板状の歯車部材11は、歯底円の内周側に歯先円を有した駆動側内歯車部12を、周壁部の内周面に形成している。
図1,3に示すように円筒状の伝達部材13は、周方向に等間隔をあけた箇所から径方向外側へと突出する複数のスプロケット歯18を、周壁部の外周面に形成している。伝達部材13は、それらスプロケット歯18とクランク軸の複数の歯との間にてタイミングチェーンが掛け渡されることで、クランク軸と連繋する。かかる連繋形態により、クランク軸から出力されるクランクトルクがタイミングチェーンを通じて伝達部材13に伝達されるときには、駆動回転体10が連動して一定の周方向(図3の時計方向)へ回転する。
図1,2に示すように有底円筒状の従動回転体20は、伝達部材13の径方向内側に同軸上に嵌合している。従動回転体20は、カム軸2に同軸上に連結される連結部22を、底壁部により形成している。かかる連結形態の従動回転体20は、カム軸2と連動して一定の周方向(図3の時計方向)へ回転しつつ、駆動回転体10に対しては遅角方向及び進角方向のいずれかに相対回転可能となっている。ここで、互いに一致する回転体10,20及びカム軸2の回転方向は、上述したモータ軸42の正回転方向と一致している。
従動回転体20は、歯底円の内周側に歯先円を有した従動側内歯車部24を、周壁部の内周面に形成している。従動側内歯車部24の歯数は、駆動側内歯車部12の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部24は、駆動側内歯車部12に対して軸方向のカム軸2側へとずれている。
図1〜3に示すように部分偏心円筒状の遊星キャリア30は、伝達部材13及び従動回転体20の径方向内側からカバー部材14の径方向内側に跨って、配置されている。遊星キャリア30は、周壁部のうち回転体10,20及びモータ軸42とは同軸上の内周面により、円筒面状の入力部31を形成している。入力部31には、継手33と嵌合する嵌合溝32が設けられ、当該継手33を介してモータ軸42が遊星キャリア30と連結されている。かかる連結形態の遊星キャリア30は、モータ軸42と一体となって周方向に正逆回転しつつ、駆動側内歯車部12に対しては遅角方向及び進角方向のいずれかに相対回転可能となっている。
遊星キャリア30はさらに、周壁部のうち回転体10,20及びモータ軸42とは偏心する外周面により、円筒面状の支持部34を形成している。支持部34は、後に詳述する遊星歯車体50の径方向内側に、遊星ベアリング35を介して同軸上に嵌合している。かかる嵌合形態の遊星歯車体50は、支持部34により支持されることで、駆動側内歯車部12に対する遊星キャリア30の相対回転に従って遊星運動可能となっている。ここで遊星運動とは、遊星歯車体50自身の周方向へ自転しつつ、モータ軸42及び遊星キャリア30の正逆回転方向へ公転する、同歯車体50の運動である。
段付円筒状の遊星歯車体50は、歯底円の外周側に歯先円を有した駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54を、周壁部の外周面に形成している。駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54の歯数は、それぞれ駆動側内歯車部12及び従動側内歯車部24の歯数よりも同数ずつ少なくなるように、設定されている。駆動側外歯車部52は、歯車部材11の径方向内側に偏心して配置され、駆動側内歯車部12と遊星運動可能に噛合している。これにより歯車部材11に対しては、遊星運動する単一の遊星歯車体50が偏心して噛合している。従動側外歯車部54は、駆動側外歯車部52に対して軸方向のカム軸2側へとずれている。従動側外歯車部54は、従動回転体20のうち周壁部の径方向内側に偏心して配置され、従動側内歯車部24と遊星運動可能に噛合している。
以上の構成により回転体10,20間を歯車連繋してなる調整機構系8は、制御系6により制御されたモータ軸42の回転状態に応じて、駆動回転体10に対する従動回転体20の回転位相(以下、単に「回転位相」という)を調整する。かかる回転位相の調整により、内燃機関の運転状況に適合するバルブタイミング調整が実現される。
具体的には、モータ軸42と共に遊星キャリア30が駆動回転体10と同速に正回転するときには、当該キャリア30が駆動側内歯車部12に対して相対回転しない。その結果、遊星歯車体50が遊星運動せずに回転体10,20と連れ回りするので、回転位相が実質的に不変となって、バルブタイミングが保持調整される。一方、モータ軸42と共に遊星キャリア30が駆動回転体10よりも低速に正回転する又は逆回転するときには、遊星キャリア30が駆動側内歯車部12に対する遅角方向へ相対回転する。その結果、遊星歯車体50が遊星運動して従動回転体20が駆動回転体10に対する遅角方向へ相対回転するので、回転位相が遅角変化して、バルブタイミングが遅角調整される。また一方、モータ軸42と共に遊星キャリア30が駆動回転体10よりも高速に正回転するときには、当該キャリア30が駆動側内歯車部12に対する進角方向へ相対回転する。その結果、遊星歯車体50が遊星運動して従動回転体20が駆動回転体10に対する進角方向へ相対回転するので、回転位相が進角変化して、バルブタイミングが進角調整される。
(螺子留め構造)
次に、調整機構系8に設けられている螺子留め構造80につき、説明する。
図1〜3に示すように螺子留め構造80は、周方向に等間隔をあける複数箇所にて金属製駆動回転体10の構成部材11,13,14が金属製螺子部材81により螺子留めされた、所謂、共締め構造である。螺子留め構造80の各箇所において、駆動回転体10の構成部材11,13,14を軸方向に重ねて螺子留めしている螺子部材81は、それぞれ円筒部82、雄螺子部83及び頭部84を一体に有してなる。
ここで、螺子部材81の円筒部82は、互いに重なった歯車部材11及びカバー部材14を貫通する通し孔85に、挿通されている。螺子部材81の雄螺子部83は、カバー部材14とは反対側において歯車部材11と重なった伝達部材13を貫通する雌螺子孔86に、螺合している。螺子部材81の頭部84は、同部材81の雄螺子部83と螺合した伝達部材13との間に、歯車部材11及びカバー部材14が挟持している。
こうした構成下、下記数式に示されるように、各螺子部材81が歯車部材11及び伝達部材13を緊縛している緊縛力Fb(図8参照)は、各螺子部材81の軸力Faと、歯車部材11及び伝達部材13間の摩擦係数μとの乗算値により、定義される。
Fb=Fa×μ …(数式)
(ストッパ構造)
次に、調整機構系8に設けられているストッパ構造90につき、説明する。
図1,3に示すようにストッパ構造90は、「ストッパ部材」としての伝達部材13に形成されるストッパ溝92と、従動回転体20に形成されるストッパ突起94とを、組み合わせて構成されている。ストッパ溝92は、伝達部材13の内周面に開口し、周方向に沿って円弧溝状に延伸している。図3に示すように、ストッパ溝92のうち遅角方向の内端面は、最遅角ストッパ面92rを形成している一方、同溝92のうち進角方向の内端面は、最進角ストッパ面92aを形成している。ストッパ突起94は、従動回転体20の周壁部から径方向外側へ略扇状に突出している。ストッパ突起94は、ストッパ溝92内に突入した状態で、回転体10,20の周方向に揺動可能となっている。
図3に示すように最遅角ストッパ面92rは、ストッパ溝92内にて遅角方向に揺動したストッパ突起94と当接することで、駆動回転体10に対する従動回転体20の遅角方向への相対回転を規制する。即ち、回転位相の変化が遅角方向の位相端(即ち、図3の最遅角位相)Peにて規制される。一方で図示はしないが、最進角ストッパ面92aは、ストッパ溝92内にて進角方向に揺動したストッパ突起94と当接することで、駆動回転体10に対する従動回転体20の進角方向への相対回転を規制する。即ち、回転位相の変化が進角方向の位相端(即ち、最進角位相)にて規制される。
こうした構成下、例えば最遅角ストッパ面92rとストッパ突起94との当接により、図3に示す如く発生する衝撃力Fiは、遊星歯車体50を介して従動回転体20と連繋する歯車部材11に、衝撃トルクとして伝達される。このとき、最遅角ストッパ面92rに対してストッパ突起94が当接するときの相対的な当接速度が増大することで、歯車部12,52の噛合箇所に最も近い螺子部材81の周囲では、歯車部材11に作用する衝撃力Fiも増大する。その結果、螺子部材81の周囲にて歯車部材11に作用する衝撃力Fiの大きさが、上記緊縛力Fbの大きさを超えると、当該歯車部材11に弾性歪みが発生し易くなる。しかし、こうして発生する弾性歪みは、装置1では、後に詳述する特徴的な歪み解放制御により、解放されることとなる。尚、螺子部材81の周囲にて歯車部材11に作用する衝撃力Fiの大きさは、歯車部材11伝達される衝撃トルクと、歯車部材11にの回転中心から螺子部材81までの半径とから、求められる。
(制御系)
次に、制御系6の詳細構成につき、説明する。
図1,4に示すように制御系6は、制御ユニット60及びモータドライバ70を備えている。尚、本実施形態では、制御ユニット60が電動モータ4の外部に、またモータドライバ70が電動モータ4の内部に、それぞれ配置されているが、例えば要素60,70の双方が電動モータ4の外部又は内部に纏めて配置されていてもよい。
制御ユニット60は、例えばマイクロコンピュータ等の電子回路を主体に、構成されている。制御ユニット60は、カムセンサSca及びクランクセンサScrと電気接続されていると共に、モータドライバ70を介して複数のモータセンサSmと電気接続されている。ここでカムセンサScaは、例えば電磁ピックアップ式センサ等であり、カム角θcaとしてのカム軸2の回転角度を検出する。クランクセンサScrは、例えば電磁ピックアップ式センサ等であり、クランク角θcrとしてのクランク軸の回転角度を検出する。各モータセンサSmは、モータ軸42に装着されたセンサ磁石48の発生磁界をそれぞれ受けることで、モータ角θmとしてのモータ軸42の回転角度を互いに共同して検出する。
図4に示すように制御ユニット60は、カムセンサSca及びクランクセンサScrから与えられるカム角θca及びクランク角θcrと、各モータセンサSmから与えられるモータ角θmとに基づいて、回転位相の実位相を算定する。それと共に制御ユニット60は、内燃機関の運転状況に適合するバルブタイミングとなるように、回転位相の目標位相を算定する。そして制御ユニット60は、算定した実位相及び目標位相間の位相差に基づいて、モータドライバ70へ与えるモータ軸42の目標回転方向Dt及び目標回転速度Stを設定する。
尚、本実施形態の制御ユニット60は、センサSca,Scr,Sm以外にも、車両において内燃機関又はその他の箇所に搭載された各種センサ及び各種制御回路等の電装品に対して、通信可能に接続されている。これにより制御ユニット60は、内燃機関の運転を制御しつつ、当該運転の状況に適合させる目標回転方向Dt及び目標回転速度Stを設定可能となっている。
モータドライバ70には、通電ブロック74が設けられている。図5に示すように通電ブロック74のインバータ回路76は、三つのアームAU,AV,AWを有した三相ブリッジ回路である。各アームAU,AV,AWは、上段スイッチング素子FU,FV,FWと下段スイッチング素子GU,GV,GWとを、符号の末尾が同じもの同士で電気接続してなる。各アームAU,AV,AWにおいて上段スイッチング素子FU,FV,FW側の端部は、高圧側電源ラインLHを介して車両のバッテリ79と電気接続されている。各アームAU,AV,AWにおいて下段スイッチング素子GU,GV,GW側の端部は、シャント抵抗RS及び低圧側電源ラインLLを介して接地されている。
各アームAU,AV,AWを構成するスイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWは、本実施形態ではいずれも電界効果トランジスタ(FET)であり、電圧レベルがハイの駆動信号によりオン且つ電圧レベルがローの駆動信号によりオフされる。各アームAU,AV,AWにおいて、高圧側の上段スイッチング素子FU,FV,FW及び低圧側の下段スイッチング素子GU,GV,GWの間となる中点MU,MV,MWには、複数のモータコイル47のうちそれぞれ対応するものが電気接続されている。
通電ブロック74の駆動回路78は、例えばFET用のゲート駆動IC等から構成されている。駆動回路78は、モータドライバ70外部のモータセンサSm及び制御ユニット60と電気接続されていると共に、同ドライバ70内部の各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWと電気接続されている。駆動回路78は、モータセンサSmから与えられるモータ角θmと、制御ユニット60から与えられる目標回転方向Dt及び目標回転速度Stとに基づいて、各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWを個別にオンオフ制御する。その結果、オンされるスイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWに応じて、通電されるモータコイル47が切替えられることで、目標回転方向Dtへの回転速度が目標回転速度Stと一致するように、モータ軸42が回転駆動される。ここで本実施形態では、目標回転速度Stに従うパルス幅変調により下段スイッチング素子GU,GV,GWのオンオフが例えば図7の如くデューティ比制御されることで、モータ軸42の回転速度を高低させることが可能となっている。尚、各スイッチング素子FU,FV,FW,GU,GV,GWのオンオフ制御を、以下では単に、オンオフ制御という。
(歪み解放制御)
次に、制御ユニット60がコンピュータプログラムに従って実施する歪み解放制御につき、図6の制御フローに従って説明する。尚、本歪み解放制御は、内燃機関の始動(アイドルストップシステム搭載車両における再始動も含む)に伴って開始され、内燃機関の停止(同システム搭載車両におけるアイドル回転時の一時停止も含む)に伴って終了する。
制御フローのS101では、内燃機関がクランキングによる始動完了後の通常運転中であるか否かを、判定する。その結果、否定判定が下される間は、S101が繰り返し実行される一方、肯定判定が下されると、S102に移行する。
S102では、回転位相の目標位相が遅角方向の位相端Peに設定されたか否かを、判定する。その結果、否定判定が下される間は、S101へと戻る一方、肯定判定が下されると、S103に移行する。
S103では、オンオフ制御による第一通電E1をモータドライバ70から電動モータ4に対して与えるように、目標回転方向Dt及び目標回転速度Stを設定する。具体的に第一通電E1は、図7に示すように、実位相を遅角方向の位相端Peまで変化させる高速用通電E1h及び低速用通電E1lを、含んでいる。ここで高速用通電E1hは、モータ軸42の実回転速度と目標回転速度Stとの速度差が所定の閾値よりも増大するのに応じて、実行される。この高速用通電E1hの結果、最遅角ストッパ面92rに対してストッパ突起94が当接するときの相対的な当接速度は、図8に示すように、当該当接時に緊縛力Fbよりも大きな衝撃力Fiを発生させる速度となる。一方で低速用通電E1lは、図7に示すように、モータ軸42の実回転速度と目標回転速度Stとの速度差が閾値以下に減少するのに応じて、実行される。この低速用通電E1lの結果、最遅角ストッパ面92rに対してストッパ突起94が当接するときの相対的な当接速度は、図8に示すように、当該当接時に緊縛力Fb以下の衝撃力Fiを発生させる速度となる。そして、これらいずれの通電E1h,E1lも、回転位相が位相端Peに到達した後、所定時間が経過するまで継続される。
このようなS103に後続する図6のS104では、オンオフ制御による第二通電E2と第三通電E3とをモータドライバ70から電動モータ4に対して交互に繰り返すように、目標回転方向Dt及び目標回転速度Stを設定する。具体的に第二通電E2は、図7に示すように実位相を遅角方向の位相端Peよりも進角変化させることで、同位相端Peからの回転位相ずれを生じさせる通電である。一方で第三通電E3は、先の第二通電E2により位相端Peからずれた実位相を遅角変化させて、同位相端Peにまで戻す通電である。この第三通電E3の結果、最遅角ストッパ面92rに対してストッパ突起94が当接するときの相対的な当接速度は、図8に示すように、当該当接時に緊縛力Fb以下の衝撃力Fiを発生させる速度に制限される。そして、これら通電E2,E3の繰り返しは、S103の終了時から必要時間だけ継続される。尚、通電E2,E3の繰り返しを継続する時間は、例えば3秒等の一定時間に設定してもよいし、直前のS103により発生する衝撃力Fiを推定して、当該衝撃力Fiに応じた時間に可変設定してもよい。
以上の如き第一実施形態の制御フローでは、歯車部材11の弾性歪みが予測される場合として、S103の第一通電E1により回転位相が位相端Peまで変化する毎に、S104による通電E2,E3の繰り返しが実行される。そして、S104による通電E2,E3の繰り返しが完了した後には、S101へと戻る。尚、ここまで説明したように第一実施形態では、制御ユニット60によるS103の実行時の制御系6が「ストッパ制御手段」に相当し、制御ユニット60によるS102,S104の実行時の制御系6が「リピート制御手段」に相当する。
(作用効果)
以下、第一実施形態の作用効果を説明する。
第一実施形態によると、回転位相を位相端Peまで変化させる第一通電E1の結果、歯車部材11の弾性歪みが予測される場合には、回転位相を位相端Peからずらす第二通電E2と、回転位相を位相端Peまで戻す第三通電E3とが交互に繰り返される。このとき、第三通電E3により伝達部材13と従動回転体20とが当接して歯車部材11に作用する衝撃力Fiは、螺子部材81が歯車部材11及び伝達部材13を緊縛している緊縛力Fb以下となるので、当該衝撃力Fiに起因した新たな弾性歪みは抑制され得る。しかも歯車部材11では、第一通電E1時の衝撃力Fiにより発生する弾性歪みが大きくなるほど、大きな復原力が発生するので、かかる大復原力と第三通電E3による衝撃力Fiとの総和が緊縛力Fbを超えることで、当該弾性歪みは解放され得る。これらの抑制作用並びに解放作用によれば、伝達部材13に対する従動回転体20の当接速度を第一通電E1のうち高速用通電E1h時に増大させても、第二通電E2と第三通電E3との繰り返しにより歯車部材11には、弾性歪みが蓄積され難くなる。したがって、回転位相を位相端Peまで素早く変化させてバルブタイミング調整の応答性を向上させることと、遊星歯車体50及び歯車部材11の噛合状態がロックする作動ロックを回避することとを、両立させることが可能となる。
ここで、特に第一実施形態では、伝達部材13に対する従動回転体20の当接速度は、第三通電E3により緊縛力Fb以下の衝撃力Fiの発生速度に制限されるので、当該衝撃力Fiに起因した新たな弾性歪みは、確実に抑制され得る。したがって、伝達部材13に対する従動回転体20の当接速度を第一通電E1時に増大させてバルブタイミング調整の応答性を可及的に向上させつつも、作動ロックの回避効果を確固たる効果として発揮可能となる。
また、第一実施形態では、伝達部材13に対する従動回転体20の当接速度が第三通電E3により制限されることで、当該第三通電E3時に発生する衝撃力Fiを、歯車部材11及び伝達部材13間の摩擦係数μと、螺子部材81の軸力Faとの乗算値である緊縛力Fb以下まで、正確に小さくできる。これによれば、作動ロックの回避効果に対する信頼性を高めることが可能となる。
さらに第一実施形態では、歯車部材11の弾性歪みが予測される場合として、第一通電E1により回転位相が位相端Peまで変化することで、弾性歪みの発生する可能性が想定され得る毎に、第二通電E2と第三通電E3との繰り返しが実行される。これによれば、第一通電E1時のうち弾性歪みの発生時には必ず第二通電E2と第三通電E3とが繰り返されることになるので、弾性歪みの蓄積を確実に抑制できる。したがって、伝達部材13に対する従動回転体20の当接速度を第一通電E1時に増大させてバルブタイミング調整の応答性を可及的に向上させつつも、作動ロックの回避効果を確固たる効果として発揮可能となる。
またさらに、第一実施形態では、歯車部材11に対して単一の遊星歯車体50が偏心して噛合する噛合箇所には、伝達部材13と従動回転体20との当接により発生する衝撃力Fiが集中して伝達されることで、歯車部材11には弾性歪みが発生し易くなる。しかし、第一通電E1時の衝撃力が増大して弾性歪みが発生しても、第三通電E3時の小衝撃力Fiを繰り返し利用して当該弾性歪みを解放し得るので、作動ロックの回避も可能となる。
(第二実施形態)
図9に示すように本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第二実施形態による歪み解放制御の制御フローでは、S101に代えて、S201が実行される。このS201では、内燃機関がクランキングによる始動中であるか否かを、判定する。その結果、否定判定が下される間は、S201が繰り返し実行される一方、肯定判定が下されると、第一実施形態と同様なS102へ移行する。但し、第二実施形態のS102では、その実行開始直前に、回転位相の目標位相が遅角方向の位相端Peに設定されることで、S103,S104が順次実行されるようになっている。このような第二実施形態の制御フローでは、歯車部材11の弾性歪みが予測される場合として、内燃機関の始動に伴うS103の第一通電E1により回転位相が位相端Peまで変化すると、S104により第二通電E2と第三通電E3とが繰り返される。
さて、回転位相を位相端Peまで変化させて内燃機関を始動する際には、伝達部材13に対する従動回転体20の当接速度を上昇させることで、バルブタイミング調整の応答性を向上させて始動性を確保することが、好ましい。そこで第二実施形態では、歯車部材11の弾性歪みが予測される場合として、内燃機関の始動に伴う第一通電E1により回転位相が位相端Peまで変化すると、第二通電E2と第三通電E3との繰り返しが実行される。これによれば、当接速度の上昇によりバルブタイミング調整の応答性を向上させることで、第一通電E1時の衝撃力が増大して弾性歪みが発生しても、第三通電E3時の小衝撃力Fiを繰り返し利用して当該弾性歪みを解放し得るので、作動ロックも回避可能となる。
尚、ここまで説明したように第二実施形態では、制御ユニット60によるS201,S102,S104の実行時の制御系6が「リピート制御手段」に相当する。
(第三実施形態)
図10に示すように本発明の第三実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第三実施形態による歪み解放制御の制御フローでは、S101により肯定判定が下されると、S300が実行される。このS300では、先回のS104による第二通電E2と第三通電E3との繰り返しから設定時間Tが経過したか否かを判定する。ここで設定時間Tは、内燃機関の通常運転により発生する弾性歪みが仮に蓄積されたとしても、遊星歯車体50及び歯車部材11の噛合状態がロックする作動ロックを惹起させない時間に、設定される。
こうしたS300の結果、否定判定が下される間は、S101へと戻る一方、肯定判定が下されると、S102へ移行することで、その後にS103,S104が順次実行される。このような第三実施形態の制御フローでは、歯車部材11の弾性歪みが予測される場合として、先回の104による第二通電E2と第三通電E3との繰り返しから設定時間Tの経過後に、S103の第一通電E1による回転位相が位相端Peまで変化すると、今回のS104により第二通電E2と第三通電E3とが繰り返される。
これによれば、歯車部材11において設定時間T内に弾性歪みが蓄積されたとしても、当該蓄積歪みが設定時間Tの経過後には解放され得るので、作動ロックの回避効果の発揮が可能となる。しかも、回転位相を位相端Peまで変化させる第一通電E1のうち、第二通電E2と第三通電E3との今回の繰り返しを実行するトリガとしての第一通電E1は、設定時間Tが経過した後の第一通電E1に限られる。これによれば、トリガとならならないときの第一通電E1により回転位相変化が位相端Peにて規制された後にあっては、当該位相端Peからの回転位相の変化要求に速やかに対応し得るので、バルブタイミング調整の応答性向上に貢献可能となる。
尚、ここまで説明したように第三実施形態では、制御ユニット60によるS300,S102,S104の実行時の制御系6が「リピート制御手段」に相当する。
(第四実施形態)
図11に示すように本発明の第四実施形態は、第一実施形態の変形例である。
第四実施形態による歪み解放制御の制御フローでは、S103に後続してS400が実行される。このS400では、直前のS103による第一通電E1は高速用通電E1hであったか否かを、判定する。その結果、否定判定が下された場合、即ち第一通電E1が低速用通電E1lであったことにより、最遅角ストッパ面92rに対するストッパ突起94の当接速度が緊縛力Fb以下の衝撃力Fiの発生速度に抑えられたと判断される場合には、S101へと戻る。一方、肯定判定が下された場合、即ち第一通電E1が高速用通電E1hであったことにより、最遅角ストッパ面92rに対するストッパ突起94の当接速度が緊縛力Fbより大衝撃力Fiの発生速度まで上昇したと判断される場合には、S104へと移行する。このような第四実施形態の制御フローでは、歯車部材11の弾性歪みが予測される場合として、大衝撃力Fiを発生させる高速用通電E1hにより、回転位相を位相端Peまで変化させたときには、第二通電と第三通電とが繰り返されることとなる。
以上説明した第四実施形態では、第一通電E1のうち高速用通電E1hにより、伝達部材13に対する従動回転体20の当接速度が緊縛力Fbよりも大衝撃力Fiの発生速度まで上昇させられるので、バルブタイミング調整の応答性向上が可能となる。しかも、歯車部材11の弾性歪みが予測される場合として、第一通電E1のうち大衝撃力Fiを発生させる高速用通電E1hにより、回転位相を位相端Peまで変化させたときに限って、第二通電と第三通電との繰り返しが実行される。故に、大衝撃力Fiにより発生した弾性歪みであっても、第三通電E3時の小衝撃力Fiを繰り返し利用して解放し得るので、作動ロックの回避も可能となる。
尚、ここまで説明したように第四実施形態では、制御ユニット60によるS102,S400,S104の実行時の制御系6が「リピート制御手段」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に、第一〜第四実施形態に関する変形例1では、「遅角方向の位相端Pe」を「進角方向の位相端」に読み替えて、歪み解放制御の制御フローを実施してもよい。また、第一〜第四実施形態に関する変形例2では、「遅角方向の位相端Pe」に関するS102,S103,S104に加えて、「進角方向の位相端」に関するS102,S103,S104も実行するように、歪み解放制御の制御フローを実施してもよい。
第一、第三及び第四実施形態に関する変形例3では、図12に示すように、第二実施形態によるS201〜S104を、その変形対象の実施形態によるS101に先立って実行する順序にて、歪み解放制御の制御フローを実施してもよい。尚、図12は、第一実施形態に関する変形例3である。
第一〜第四実施形態に関する変形例4では、S103又はS400と、S104との間において、S104とは異なる通電方法により回転位相を変化させる順序にて、歪み解放制御の制御フローを実施してもよい。また、第一〜第四実施形態に関する変形例5では、「動弁」として排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、「動弁」として吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に、本発明を適用してもよい。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 電動モータ、6 制御系、8 調整機構系、10 駆動回転体、11 歯車部材、13 伝達部材、20 従動回転体、50 遊星歯車体、60 制御ユニット、70 モータドライバ、80 螺子留め構造、81 螺子部材、90 ストッパ構造、92 ストッパ溝、92r 最遅角ストッパ面、94 ストッパ突起、E1 第一通電、E1h 高速用通電、Fa 軸力、Fb 緊縛力、Fi 衝撃力、Pe 位相端、T 設定時間、μ 摩擦係数

Claims (8)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸(2)が開閉する動弁のバルブタイミングを、電動モータ(4)の利用により調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランク軸と連動回転する駆動回転体(10)と、
    前記カム軸と連動回転する従動回転体(20)と、
    前記駆動回転体及び前記従動回転体間を歯車連繋し、前記電動モータの回転状態に応じて遊星運動することにより、前記駆動回転体に対する前記従動回転体の回転位相を変化させる遊星歯車体(50)と、
    前記電動モータへの通電を制御する制御系(6)と、を備え、
    前記駆動回転体は、
    前記遊星歯車体が遊星運動可能に噛合する歯車部材(11)と、
    前記従動回転体との当接により前記回転位相の変化を位相端にて規制するストッパ部材(13)と、
    前記歯車部材と前記ストッパ部材とを軸方向に重ね合わせて螺子留めする螺子部材(81)と、を有し、
    前記制御系は、
    前記回転位相を前記位相端(Pe)まで変化させる第一通電(E1)を、前記電動モータに対して与えるストッパ制御手段(S103)と、
    前記第一通電の結果、前記歯車部材の弾性歪みが予測される場合に、前記回転位相を前記位相端からずらす第二通電(E2)と、前記回転位相を前記位相端まで戻す第三通電(E3)とを、前記電動モータに対して交互に繰り返すリピート制御手段(S102,S104,S201,S300,S400)であって、前記螺子部材が前記歯車部材及び前記ストッパ部材を緊縛している緊縛力(Fb)以下の衝撃力(Fi)を、前記第三通電による前記ストッパ部材と前記従動回転体との当接時に前記歯車部材に作用させるリピート制御手段と、を有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記リピート制御手段は、前記第三通電により前記緊縛力以下の前記衝撃力を発生させる速度に、前記駆動回転体に対する前記従動回転体の当接速度を制限することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記リピート制御手段により制限される前記当接速度は、前記歯車部材及び前記ストッパ部材間の摩擦係数(μ)と、前記螺子部材の軸力(Fa)との乗算値である前記緊縛力以下の前記衝撃力を、発生させる速度であることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記リピート制御手段(S102,S104)は、前記第一通電により前記回転位相が前記位相端まで変化する毎に、前記第二通電と前記第三通電との繰り返しを実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記リピート制御手段(S300,S102,S104)は、前記第二通電と前記第三通電との先回の繰り返しから設定時間(T)が経過した後の前記第一通電により前記回転位相が前記位相端まで変化すると、前記第二通電と前記第三通電との今回の繰り返しを実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記ストッパ制御手段による前記第一通電は、前記緊縛力よりも大きな前記衝撃力を発生させる速度まで、前記駆動回転体に対する前記従動回転体の当接速度を上昇させる高速用通電(E1h)を、含み、
    前記リピート制御手段(S102,S400,S104)は、前記高速用通電により前記回転位相が前記位相端まで変化すると、前記第二通電と前記第三通電との繰り返しを実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記リピート制御手段(S201,S102,S104)は、前記内燃機関の始動に伴う前記第一通電により前記回転位相が前記位相端まで変化すると、前記第二通電と前記第三通電との繰り返しを実行することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記歯車部材に対して、単一の前記遊星歯車体が偏心して噛合することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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