JP5708474B2 - 電動バルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータを利用して内燃機関のバルブタイミングを可変制御する電動バルブタイミング制御装置に関する。
従来、内燃機関のクランク軸及びカム軸と其々連繋する駆動回転体及び従動回転体の間の回転位相を、電動モータの回転状態に従って位相調整機構により調整することで、バルブタイミングを可変制御する電動バルブタイミング制御装置が、知られている。
このような装置の一種として特許文献1には、駆動回転体及び従動回転体に其々設けられたストッパ同士を、電動モータの回転が内燃機関の回転よりも遅れるのに応じて当接させることにより、回転位相を最端位相に規制するものが、開示されている。こうして最端位相に規制することで、故障が万が一生じて電動モータの回転が内燃機関の回転よりも遅れたとしても、クランク軸にカム軸を同期させて内燃機関の回転を維持することができるのである。ここで故障としては、電動モータの他、電動モータを通電により回転駆動する駆動回路や、当該駆動回路に電動モータの目標回転速度を出力する制御回路等の故障が、挙げられる。
特開2010−127192号公報
さて、特許文献1の装置では、内燃機関のエンジンをオンオフするエンジンスイッチがオンされるのに応じて、制御回路を初期化するリセット処理が実行される。一般に内燃機関用の制御回路では、内燃機関の燃焼運転開始前にマイクロコンピュータ等の処理部がリセット処理を実行するリセット期間中、通信インタフェース等の出力部から出力する制御対象の目標値を変更できず、当該リセット期間前の設定目標値が継続して出力される。故に特許文献1の装置では、オフされたエンジンスイッチが内燃機関の慣性回転中にオンされるような場合、リセット期間前の目標回転速度が零速度となっていると、リセット期間中の目標回転速度も零速度となってしまう。その結果、燃焼運転開始前のリセット期間中には慣性回転状態にある内燃機関に対して、慣性力の小さな電動モータの回転遅れが短時間に生じることで、ストッパ同士が高速に衝突して大きな衝撃力が発生する。こうした大きな衝撃力の発生は、位相調整機構や電動モータの故障を招くことが懸念されることから、より有効な手立てが望まれている。
本発明は、以上の如き問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、故障を回避する電動バルブタイミング制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、通電により回転する電動モータと、処理部により設定した目標回転速度を出力部から出力する制御回路であって、内燃機関をオンオフするエンジンスイッチのオンに応じて内燃機関の燃焼運転開始前に処理部のリセット処理が実行されるリセット期間中、当該リセット期間前に処理部が設定した目標回転速度の出力を、出力部が継続する制御回路と、出力部から出力された目標回転速度に従う通電により、電動モータを回転駆動する駆動回路と、内燃機関のクランク軸及びカム軸と其々連繋する駆動回転体及び従動回転体の間の回転位相を、電動モータの回転状態に従って調整することにより、内燃機関のバルブタイミングを可変制御する位相調整機構であって、駆動回転体及び従動回転体に其々設けられたストッパ同士を、電動モータの回転が内燃機関の回転よりも遅れるのに応じて当接させることにより、回転位相を最端位相に規制する位相調整機構とを、備える電動バルブタイミング制御装置であって、処理部は、オフされたエンジンスイッチが内燃機関の慣性回転中にオンされるのに応じて、リセット処理を遅延させる遅延期間を開始し、遅延期間の終了時における回転位相を最端位相に調整する目標回転速度として、遅延期間におけるリセット前回転速度を設定する。
この発明において、通電により電動モータを回転駆動する駆動回路へ出力部から目標回転速度を出力する制御回路の処理部は、リセット期間における自身のリセット処理を遅延させるように、オフされたエンジンスイッチが内燃機関の慣性回転中にオンされるのに応じて遅延期間を開始する。ここで、期間終了時の回転位相を最端位相に調整する目標回転速度としてリセット前回転速度が設定される遅延期間においては、当該調整により到達する最端位相にて駆動回転体及び従動回転体のストッパ同士が衝突する際の衝撃力を和らげるように、リセット前回転速度を設定できる。しかも、こうした遅延期間後のリセット期間中は、当該リセット期間前に回転位相を最端位相に調整するように設定されたリセット前回転速度のまま、目標回転速度の出力が継続されることになるので、ストッパ同士を当接状態に維持できる。これらのことから、オフされたエンジンスイッチが内燃機関の慣性回転中にオンされても、内燃機関の燃焼運転開始前においてストッパ同士の衝突に起因する故障を回避することが、可能となるのである。
請求項2に記載の発明によると、処理部は、遅延期間におけるリセット前回転速度の設定を、内燃機関のエンジン回転速度に基づき実行する。
この発明の遅延期間においては、電動モータの目標回転速度であるリセット前回転速度を内燃機関のエンジン回転速度に基づき設定することで、それら回転速度の差に応じたストッパ同士の衝突速度を制限するような当該設定を、適正に実現できる。これによれば、ストッパ同士の衝突による衝撃力を確実に和らげて、当該衝突に起因する故障の回避効果の信頼性を高めることが可能となるのである。
請求項3に記載の発明によると、処理部は、リセット前回転速度の設定と共に遅延期間の長さの設定を、エンジン回転速度に基づき実行する。
この発明の遅延期間の長さについては、内燃機関のエンジン回転速度に基づき、電動モータの目標回転速度であるリセット前回転速度と共に設定することで、それら回転速度の差に応じたストッパ同士の衝突速度を制限する限りにて、可及的に短く設定できる。これによれば、ストッパ同士の衝突に起因する故障の回避効果を確保しながらも、エンジンスイッチのオンから遅延期間後のリセット期間終了時までに要する時間を短縮して、リセット期間後における目標回転速度の設定を迅速に再開することが可能となるのである。
請求項4に記載の発明によると、処理部は、遅延期間において、回転位相を最端位相へ変化させるリセット前回転速度を零速度よりも高く設定した後、当該設定速度を零速度に変更した状態下、遅延期間からリセット期間へ移行する。
この発明では、内燃機関の慣性回転中においてエンジンスイッチのオンに応じた遅延期間には、回転位相を最端位相へ変化させるリセット前回転速度が零速度よりも高く設定されることで、内燃機関に対する電動モータの回転遅れを緩やかに生じさせることができる。こうした緩やかな回転遅れにより回転位相が最端位相に到達するときには、ストッパ同士の衝突による衝撃力が和らげられ得る。しかも、零速度よりも高く設定されたリセット前回転速度が零速度に変更された状態で遅延期間から移行されるリセット期間においては、当該遅延期間の零速度のまま目標回転速度の出力が継続されることになるので、内燃機関の慣性回転中であってもストッパ同士の当接状態が維持され得る。これらのことから、ストッパ同士の衝突に起因する故障の回避効果の信頼性を高めることが、可能となるのである。
請求項5に記載の発明は、通電により回転する電動モータと、処理部により設定した目標回転速度を出力部から出力する制御回路であって、内燃機関をオンオフするエンジンスイッチのオンに応じて内燃機関の燃焼運転開始前に処理部のリセット処理が実行されるリセット期間中、当該リセット期間前に処理部が設定した目標回転速度の出力を、出力部が継続する制御回路と、出力部から出力された目標回転速度に従う通電により、電動モータを回転駆動する駆動回路と、内燃機関のクランク軸及びカム軸と其々連繋する駆動回転体及び従動回転体の間の回転位相を、電動モータの回転状態に従って調整することにより、内燃機関のバルブタイミングを可変制御する位相調整機構であって、駆動回転体及び従動回転体に其々設けられたストッパ同士を、電動モータの回転が内燃機関の回転よりも遅れるのに応じて当接させることにより、回転位相を最端位相に規制する位相調整機構とを、備える電動バルブタイミング制御装置であって、処理部は、オフされたエンジンスイッチが内燃機関の慣性回転中にオンされるのに応じて、リセット処理を遅延させる遅延期間を開始し、リセット期間の終了時における回転位相を最端位相よりも手前の中間位相に調整する目標回転速度として、遅延期間におけるリセット前回転速度を設定する。
この発明において、通電により電動モータを回転駆動する駆動回路へ出力部から目標回転速度を出力する制御回路の処理部は、リセット期間における自身のリセット処理を遅延させるように、オフされたエンジンスイッチが内燃機関の慣性回転中にオンされるのに応じて遅延期間を開始する。ここで、リセット期間終了時の回転位相を最端位相よりも手前の中間位相に調整する目標回転速度としてリセット前回転速度がリセット期間前の遅延期間に設定されることで、遅延期間中だけでなく、当該リセット前回転速度が継続出力されるリセット期間中も、回転位相が最端位相に到達しなくなる。これによれば、オフされたエンジンスイッチが内燃機関の慣性回転中にオンされても、内燃機関の燃焼運転開始前において駆動回転体及び従動回転体のストッパ同士の衝突が防がれることになるので、当該衝突に起因する故障の回避が可能となるのである。
請求項6に記載の発明によると、処理部は、リセット期間の終了時における内燃機関のエンジン回転速度を予測し、遅延期間におけるリセット前回転速度の設定を、当該予測回転速度に基づき実行する。
この発明の遅延期間においては、電動モータの目標回転速度としてのリセット前回転速度をリセット期間終了時のエンジン回転速度の予測回転速度に基づき設定することで、それら回転速度の差によっても最端位相へ到達させない当該設定を、適正に実現できる。これによれば、エンジンスイッチのオンから遅延期間後のリセット期間終了時に至るまでストッパ同士の衝突を確実に防いで、当該衝突に起因する故障の回避効果の信頼性を高めることが可能となるのである。
請求項7に記載の発明によると、処理部は、処理部は、エンジンスイッチのオフからオンまでの停止期間においてエンジン回転速度の時間減少率を算出し、エンジン回転速度の予測を当該算出率に基づき実行する。
この発明において、リセット前回転速度の設定に必要なリセット期間終了時のエンジン回転速度の予測回転速度は、エンジンスイッチのオフからオンまでの停止期間に算出されたエンジン回転速度の時間減少率に基づき、エンジンスイッチのオンに応じた遅延期間に取得される。即ち、エンジン回転速度の予測回転速度を正確に取得するための時間減少率の算出が遅延期間よりも前に実行されるので、当該遅延期間を可及的に短く設定できる。これによれば、ストッパ同士の衝突に起因する故障の回避効果を確保しながらも、エンジンスイッチのオンから遅延期間後のリセット期間終了時までに要する時間を短縮して、リセット期間後における目標回転速度の設定を迅速に再開することが可能となるのである。
請求項8に記載の発明によると、処理部は、遅延期間において、回転位相を最端位相よりも手前の中間位相へ変化させるリセット前回転速度を、零速度よりも高く設定した状態下、遅延期間からリセット期間へ移行する。
この発明では、内燃機関の慣性回転中においてエンジンスイッチのオンに応じた遅延期間には、回転位相を最端位相よりも手前の中間位相へ変化させるリセット前回転速度が零速度よりも高く設定されることで、内燃機関に対する電動モータの回転遅れを緩やかに生じさせることができる。こうした緩やかな回転遅れによれば、ストッパ同士の衝突を招く最端位相への到達自体が確実に回避され得る。しかも、リセット前回転速度が零速度よりも高く設定された状態で遅延期間から移行されるリセット期間においては、当該遅延期間の零速度オーバーのまま目標回転速度の出力が継続されるので、内燃機関の慣性回転中であっても、期間終了時に回転位相が最端位相に到達することがない。これらのことから、ストッパ同士の衝突に起因する故障の回避効果の信頼性を高めることが、可能となるのである。
請求項9に記載の発明によると、処理部は、遅延期間において内燃機関のエンジン回転速度が零速度よりも高くなる場合に、リセット期間の終了時における回転位相を最端位相よりも手前の中間位相に調整する目標回転速度として、リセット前回転速度を設定する一方、遅延期間において内燃機関のエンジン回転速度が零速度となる場合に、遅延期間の終了時における回転位相を最端位相に調整する目標回転速度として、リセット前回転速度を設定する。
この発明では、遅延期間においてエンジン回転速度が零速度よりも高くなる場合、リセット期間終了時にもエンジン回転速度が零速度よりも高くなることで、遅延及びリセットの両期間にて内燃機関に対する電動モータの回転遅れが生じることが、想定される。そこで、遅延期間におけるエンジン回転速度が零速度よりも高くなる場合、リセット期間終了時に最端位相よりも手前の中間位相に調整するように、遅延期間のリセット前回転速度を設定することで、ストッパ同士を衝突させる最端位相への到達自体を両期間にて回避し得る。一方、遅延期間においてエンジン回転速度が零速度となる場合、リセット期間終了時までエンジン回転速度が零速度に維持されることで、遅延期間のみにおいて内燃機関に対する電動モータの回転遅れが生じることが、想定される。そこで、遅延期間におけるエンジン回転速度が零速度となる場合、遅延期間終了時の回転位相を最端位相に調整するように、遅延期間のリセット前回転速度を設定することで、当該調整による最端位相到達時の衝撃力をストッパ同士の衝突に拘らず和らげ得る。以上によれば、ストッパ同士の衝突に起因する故障の回避効果を、エンジン回転速度に応じた適切な処理により発揮することが可能となるのである。
請求項10に記載の発明によると、処理部は、エンジンスイッチのオンに応じて内燃機関のエンジン回転速度を閾値と比較し、内燃機関のエンジン回転速度が当該閾値よりも高い場合に開始される遅延期間において、リセット期間の終了時における回転位相を最端位相よりも手前の中間位相に調整する目標回転速度として、リセット前回転速度を設定する一方、内燃機関のエンジン回転速度が当該閾値よりも低い場合に開始される遅延期間において、遅延期間の終了時における回転位相を最端位相に調整する目標回転速度として、リセット前回転速度を設定する。
この発明では、エンジンスイッチがオンされたときのエンジン回転速度が高い場合、最端位相に到達させる時間を短くすると、内燃機関に対する電動モータの回転遅れは相対的に急なものとなるので、ストッパ同士の衝突による衝撃力が大きくなる。そこで、エンジンスイッチのオンに応じた比較によりエンジン回転速度が閾値よりも高い場合に開始される遅延期間では、リセット期間終了時に最端位相よりも手前の中間位相に調整するリセット前回転速度の設定により、ストッパ同士を衝突させる最端位相への到達自体を回避し得る。一方、エンジンスイッチがオンされたときのエンジン回転速度が低い場合、最端位相に到達させる時間を短くしても、内燃機関に対する電動モータの回転遅れは相対的に緩やかなものとなるので、ストッパ同士の衝突による衝撃力が抑えられる。そこで、エンジンスイッチのオンに応じた比較によりエンジン回転速度が閾値よりも低い場合に開始される遅延期間では、期間終了時に最端位相に調整するリセット前回転速度の設定により、当該調整による最端位相到達時の衝撃力をストッパ同士の衝突に拘らず和らげ得る。以上によれば、ストッパ同士の衝突に起因する故障の回避効果を、エンジン回転速度に応じた適切な処理により発揮することが可能となるのである。
本発明の第一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の機械的構成を示す模式図である。 本発明の第一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の電気的構成を示す模式図である。 本発明の第一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の停止制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の作動例を示すタイムチャートである。 本発明の第一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の再開制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の作動例を示すタイムチャートである。 本発明の第二実施形態による電動バルブタイミング制御装置の再開制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態による電動バルブタイミング制御装置の作動例を示すタイムチャートである。 本発明の第三実施形態による電動バルブタイミング制御装置の再開制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態による電動バルブタイミング制御装置の再開制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第四実施形態による電動バルブタイミング制御装置の再開制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第四実施形態による電動バルブタイミング制御装置の再開制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、前記構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1に示すように電動バルブタイミング制御装置10は、車両の内燃機関1においてクランク軸2からカム軸3へ機関トルクを伝達する伝達系に、設置されている。尚、本実施形態においてカム軸3は、内燃機関1の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を開閉するものであり、電動バルブタイミング制御装置10は当該吸気弁のバルブタイミングを可変制御する。
図1,2に示すように電動バルブタイミング制御装置10は、電動モータ20、位相調整機構30、駆動回路40及び制御回路50を備えている。
図1,2に示す電動モータ20は、例えば永久磁石型同期モータ等のブラシレスモータであり、モータケース22、モータ軸24、モータコイル26及びモータセンサ28を有している。モータケース22は、内燃機関1のうち例えばチェーンケース等の固定節に固定されている。モータ軸24は、モータケース22により正逆回転可能に支持されている。モータコイル26は、複数設けられて其々通電により磁界を発生させることで、モータ軸24を回転させる。モータセンサ28は、例えばモータ軸24の周囲に配置される複数の磁電変換素子等からなり、モータ軸24の実回転速度Nrmを信号により出力する。
図1に示す位相調整機構30は、例えば遊星歯車減速機等の三軸減速機32を介して駆動回転体34及び従動回転体36の間を接続してなる。減速機32は、回転体34,36と同軸配置されたモータ軸24に対して、連繋している。駆動回転体34は、偏心配置されたクランク軸2に対して、タイミングチェーン4を介して連繋している。駆動回転体34は、クランク軸2から出力される機関トルクをタイミングチェーン4から伝達されることで、当該軸2の半回転と同期して正回転する。従動回転体36は、同軸配置されたカム軸3に対して、螺子留めにより連繋している。従動回転体36は、カム軸3と一体に正回転しつつ、駆動回転体34に対しては進角及び遅角の両方向へ相対回転可能となっている。
こうした構成の位相調整機構30では、減速機32の減速作用により、モータ軸24の回転状態に従って回転体34,36間の回転位相が調整される。具体的には、モータ軸24がカム軸3と同速に正回転するときに減速機32は、それら要素24,3と共に回転体34,36を連れ回りさせることで、回転位相を保持する。一方、モータ軸24がカム軸3に対して高速に正回転するときに減速機32は、駆動回転体34に対する進角方向へ従動回転体36を相対回転させることで、回転位相を進角させる。また一方、モータ軸24がカム軸3に対して低速に正回転する又は逆回転するときに減速機32は、駆動回転体34に対する遅角方向へ従動回転体36を相対回転させることで、回転位相を遅角させる。以上の回転位相調整の結果、本実施形態では、内燃機関1においてバルブタイミングが可変制御されることになるのである。
このような位相調整作動を実現する位相調整機構30のうち本実施形態では、駆動回転体34に一対の駆動側ストッパ340,341が設けられ、また従動回転体36に従動側ストッパ361が設けられている。ここで、従動側ストッパ361よりも進角方向に配置される駆動側ストッパ340は、モータ軸24の正回転がカム軸3の正回転よりも高速となるのに応じて当該従動側ストッパ361と当接することで、回転位相を進角方向の最端位相Paにて規制する。これに対し、従動側ストッパ361よりも遅角方向に配置される駆動側ストッパ341は、モータ軸24の正回転がカム軸3の正回転よりも遅れる又は逆回転となるのに応じて当該従動側ストッパ361と当接することで、回転位相を遅角方向の最端位相Prにて規制する。尚、以下の説明では特に、遅角方向の最端位相Prを「最遅角位相Pr」というものとする。
図2に示すように駆動回路40は、インバータ回路部42及びスイッチング駆動部44を有している。インバータ回路部42は、例えばFET等のスイッチング素子を複数組み合わせたブリッジ回路からなり、電動モータ20の各モータコイル26に電気接続されている。スイッチング駆動部44は、例えばFET用の駆動IC等からなり、制御回路50と電動モータ20のモータセンサ28とに電気接続されている。
こうした構成の駆動回路40では、電動モータ20に関して制御回路50及びモータセンサ28から其々出力される目標回転速度Ntm及び実回転速度Nrmの差分を、随時算出する。そして、算出した差分に従って駆動回路40では、スイッチング駆動部44がインバータ回路部42の各スイッチング素子のオンオフをフィードバック制御することで、電流Iを流す通電対象のモータコイル26が切り替えられる。その結果、通電対象のモータコイル26により磁界が発生して、モータ軸24が回転駆動される。尚、本実施形態において電動モータ20は正逆回転することから、目標回転速度Ntm及び実回転速度Nrmについては、電動モータ20の正回転方向と逆回転方向とを区別可能に与えられることとなる。
このような通電作動を実現する駆動回路40に対して、当該通電作動を制御する制御回路50は、処理部52及び出力部54を有している。処理部52は、例えばマイクロコンピュータ等の電子回路からなり、センサ5,6及びスイッチ7を含む内燃機関1の関連電装品と駆動回路40のスイッチング駆動部44とに電気接続されている。ここでクランクセンサ5は、例えば電磁ピックアップ式回転角センサ等であり、クランク軸2の実回転速度Nrcrに応じたクランク角信号を出力する。カムセンサ6は、例えば電磁ピックアップ式回転角センサ等であり、カム軸3の実回転速度Nrcaに応じたカム角信号を出力する。エンジンスイッチ7は、内燃機関1をオンオフするために車両内の乗員により操作可能な例えば回転式乃至はプッシュ式等のイグニッションスイッチであり、当該操作の状態に応じた信号を出力する。スイッチング駆動部44は、電動モータ20のモータセンサ28から受けた実回転速度Nrmを信号により出力する。
こうした出力を受ける処理部52は、エンジンスイッチ7のオン状態及びオフ状態の双方において、実回転速度Nrcr,Nrca,Nrm及び内燃機関1の運転状況に基づく定常処理(図4,6参照)により、電動モータ20の目標回転速度Ntmを随時可変設定する。但し、エンジンスイッチ7のオンに応じたリセット処理の実行により自身を初期化する本実施形態の処理部52は、当該リセット処理の実行期間となるリセット期間Tr(図6参照)中は、目標回転速度Ntmの設定を停止することとなる。
出力部54は、例えば通信インタフェース等の電子回路からなり、駆動回路40のスイッチング駆動部44に電気接続されている。出力部54は、処理部52により設定された目標回転速度Ntmを一旦レジスタに記憶し、当該レジスタに記憶された目標回転速度Ntmを信号により出力する。したがって、このような出力形態の本実施形態では、処理部52が目標回転速度Ntmの設定を停止するリセット期間Tr中は、当該期間Tr直前にレジスタに記憶された目標回転速度Ntmが、出力部54から継続して出力されることになる。
(制御処理)
次に、制御回路50が処理部52により実行する制御処理について、詳細に説明する。
(1) まず、内燃機関1を停止させる際の停止制御処理を、図3のフローチャートに基づき説明する。尚、本停止制御処理は、内燃機関1の燃焼運転中に開始される。
停止制御処理のS101では、エンジンスイッチ7がオフされたか否かを判定する。その結果、エンジンスイッチ7のオフにより肯定判定が下されると、S102へ移行して、内燃機関1のエンジン回転速度Neを取得する。このときエンジン回転速度Neについては、クランクセンサ5により与えられるクランク軸2の実回転速度Nrcrと、カムセンサ6により与えられるカム軸3の実回転速度Nrcaの倍値とのうち、一方により又は双方の平均値により取得可能である。但し、より好ましくは、位相調整機構30の回転位相調整によっては変化しないクランク軸2の実回転速度Nrcrが、エンジン回転速度Neとして取得される。
続くS103では、回転位相が内燃機関1の始動を許容する始動位相となるように、電動モータ20の正方向の目標回転速度Ntmを、直近のS102にて取得のエンジン回転速度Neに基づき設定する。このとき目標回転速度Ntmについては、例えばNtm=f1(Ne)等にて表される相関式により設定してもよいし、Ntm,Neの相関関係を定義したテーブル乃至はマップにより設定してもよい。また、本実施形態の始動位相については、内燃機関1に固有の最遅角位相Pr(図4参照)に予設定されている。
また続くS104では、各センサ5,6より与えられる実回転速度Nrcr,Nrcaに基づき、回転位相が始動位相に到達したか否かを判定する。その結果、始動位相への未到達により否定判定が下される間は、S102へ戻ることにより、S102〜S104が繰り返される。一方、始動位相への到達により肯定判定が下されると、S105へ移行して、S102と同様に取得されるエンジン回転速度Neが零速度となるのを待って、停止制御処理を終了する。尚、始動位相が最遅角位相Prの本実施形態では、ストッパ341,361の働きにより始動位相が内燃機関1の完全停止時まで保持され得るが、始動位相が最遅角位相Pr以外の場合、内燃機関1が完全停止するまでの間に始動位相を保持するように、零速度のエンジン回転速度Neが確認されるまでS102〜S104を繰り返した後、停止制御処理を終了させることが好ましい。
このような停止制御処理が実行されることによって現出する一作動例を、図4のタイムチャートに基づき説明する。図4の作動例では、エンジンスイッチ7がオフされる(t1)と、内燃機関1の慣性回転により漸次低下するエンジン回転速度Neに従って、電動モータ20の目標回転速度Ntmが定常処理により可変設定される(t1〜t2)。その結果、内燃機関1の慣性回転が完全停止することでエンジン回転速度Neが零速度となる(t3)までに、回転位相が始動位相へと到達(t2)して、そのまま保持されることになる。
(2) 次に、停止制御処理により慣性回転中にある内燃機関1の燃焼運転を再び開始させる際の再開制御処理を、図5のフローチャートに基づき説明する。尚、本再開制御処理は、停止制御処理中に開始され、当該開始時に停止制御処理の終了を伴うことになる。
再開制御処理のS111では、エンジンスイッチ7がオンされたか否かを判定する。その結果、エンジンスイッチ7のオンにより肯定判定が下されると、S112へ移行して、処理部52のリセット処理を禁止することにより、当該リセット処理を遅延させる遅延期間Tdを開始する。
続くS113では、内燃機関1のエンジン回転速度Neを取得する。このときエンジン回転速度Neは、停止制御処理のS102と同様に取得され、故に好ましくは、クランク軸2の実回転速度Nrcrがエンジン回転速度Neとして取得される。
また続くS114では、直近のS113にて取得のエンジン回転速度Neに基づき、電動モータ20の正方向の目標回転速度Ntmである第一リセット前回転速度Ntm1と、遅延期間Tdの長さとを可変設定する。具体的には、零速度よりも高く且つエンジン回転速度Neの半値よりも低い適正範囲ΔN内の第一リセット前回転速度Ntm1により、遅延期間Tdのうち終了時(図6のt4参照)の直前までに回転位相を最遅角位相Prへ変化させるように、各値Ntm1,Tdが設定される。このとき、第一リセット前回転速度Ntm1の適正範囲ΔNは、最遅角位相Prへの到達時にストッパ341,361同士の衝突による衝撃力が耐久限界を超えない大きさに、回転速度Ntm1,Neの差を制限する範囲とされる。したがって、こうした適正範囲ΔN内の第一リセット前回転速度Ntm1については、例えばNtm1=f2(Ne)等にて表される相関式により設定してもよいし、Ntm1,Neの相関関係を定義したテーブル乃至はマップにより設定してもよい。
さらに続くS115では、各センサ5,6より与えられる実回転速度Nrcr,Nrcaに基づき、回転位相が最遅角位相Prに到達したか否かを判定する。その結果、最遅角位相Prへの未到達により否定判定が下される間は、S113へ戻ることにより、S113〜S115を繰り返す。したがって、S113〜S115が繰り返される場合には、内燃機関1の慣性回転により漸次低下するエンジン回転速度Neに従って、第一リセット前回転速度Ntm1が可変設定されることになる。一方、最遅角位相Prへの到達により肯定判定が下されると、S116へ移行して、電動モータ20の正方向の目標回転速度Ntmを、直前の第一リセット前回転速度Ntm1から零速度としての第二リセット前回転速度Ntm2へ変更する。
この後のS117では、遅延期間Tdを終了させて処理部52のリセット処理を許可することにより、当該リセット処理を実行するリセット期間Trを開始する。これにより本実施形態では、S117直前のS116により目標回転速度Ntmを第二リセット前回転速度Ntm2としての零速度へ変更させた状態下、遅延期間Tdからリセット期間Trへ移行することになる。尚、リセット期間Trについては、処理部52の初期化に必要な最低限の一定長さに予設定されている。
またこの後のS118では、リセット期間Trが終了したか否かを確認し、当該期間Trの終了により肯定判断が下されると、S119へ移行して、内燃機関1の燃焼運転と共に、当該燃焼運転の状態に応じた目標回転速度Ntmの可変設定を再開する。以上により、再開制御処理を終了する。
このような再開制御処理が停止制御処理中に割り込み実行されることによって現出する一作動例を、図6のタイムチャートに基づき説明する。図6の作動例では、エンジンスイッチ7がオフされる(t1)と、内燃機関1の慣性回転により漸次低下するエンジン回転速度Neに従って、電動モータ20の目標回転速度Ntmが定常処理により設定される(t1〜t2)。その後、内燃機関1の慣性回転が完全停止するよりも前にエンジンスイッチ7がオンされる(t2)と、それに応じて遅延期間Td(t2〜t4)が開始される。開始された遅延期間Tdにおいては、まず、目標回転速度Ntmが零速度よりも高い第一リセット前回転速度Ntm1に設定されることで、回転位相が最遅角位相Prに到達する(t3)。またこの後、遅延期間Tdにおいては、目標回転速度Ntmが第二リセット前回転速度Ntm2としての零速度に変更されることで、回転位相が最遅角位相Prに調整されたまま保持される(t3〜t4)。さらに遅延期間Tdが終了する(t4)と、リセット期間Tr(t4〜t5)への移行により、処理部52のリセット処理が実行される。ここでリセット期間Tr中は、第二リセット前回転速度Ntm2である零速度が出力部54からの目標回転速度Ntmとして出力されることで、当該期間Trの終了時(t5)まで最遅角位相Prが維持される。以上によりリセット期間Trが終了すると、目標回転速度Ntmの可変設定を伴う内燃機関1の燃焼運転が再開されて、エンジン回転速度Neが増大するのである。
(作用効果)
ここまで説明した第一実施形態の作用効果を説明する。第一実施形態において制御回路50の処理部52は、リセット期間Trにおける自身のリセット処理を遅延させるように、エンジンスイッチ7のオンに応じて遅延期間Tdを開始する。ここで、期間終了時(t4)の回転位相を最遅角位相Prに調整する目標回転速度Ntmとして第一及び第二リセット前回転速度Ntm1,Ntm2が設定される遅延期間Tdでは、上述のS114,S116の如くリセット前回転速度Ntm1,Ntm2が設定される。特に、第一リセット前回転速度Ntm1については、最遅角位相Prへの到達時にストッパ341,361同士が衝突する際の衝撃力を和らげることで耐久限界を超えることがないように、設定される。しかも、遅延期間Td後のリセット期間Tr中は、当該期間Tr前に回転位相を最遅角位相Prに調整するように設定された第二リセット前回転速度Ntm2のまま、目標回転速度Ntmの出力が継続されることになるので、ストッパ341,361同士を当接状態に維持できる。これらのことから、オフされたエンジンスイッチ7が内燃機関1の慣性回転中にオンされても、内燃機関1の燃焼運転開始前においてストッパ341,361同士の衝突に起因する故障を回避することが、可能となるのである。
また、第一実施形態では、内燃機関1の慣性回転中においてエンジンスイッチ7のオンに応じた遅延期間Tdには、回転位相を最遅角位相Prへ変化させる第一リセット前回転速度Ntm1が、零速度よりも高く設定される。これにより、内燃機関1に対する電動モータ20の回転遅れを緩やかに生じさせることができるので、そうした緩やかな回転遅れにより回転位相が最遅角位相Prに到達するときには、ストッパ341,361同士の衝突による衝撃力が和らげられ得る。しかも、零速度よりも高く設定された第一リセット前回転速度Ntm1が第二リセット前回転速度Ntm2としての零速度に変更された状態で遅延期間Tdから移行されるリセット期間Trにおいては、当該遅延期間Tdの零速度のまま目標回転速度Ntmの出力が継続される。故に、内燃機関1の慣性回転中であってもストッパ341,361同士の当接状態が維持され得る。これらのことから、ストッパ341,361同士の衝突に起因する故障の回避効果の信頼性を高めることが、可能となるのである。
さらに遅延期間Tdには、第一リセット前回転速度Ntm1をエンジン回転速度Neに基づき設定することで、それら回転速度Ntm1,Neの差に応じたストッパ341,361同士の衝突速度を制限する範囲ΔN内となる当該設定を、適正に実現できる。これによれば、ストッパ341,361同士の衝突による衝撃を確実に和らげて、当該衝突に起因する故障の回避効果の信頼性を高めることが可能となるのである。
またさらに、遅延期間Tdの長さについては、エンジン回転速度Neに基づき第一リセット前回転速度Ntm1と共に設定することで、それら回転速度Ne,Ntm1の差に応じたストッパ341,361同士の衝突速度を制限する限りにて、可及的に短く設定できる。これによれば、故障の回避効果を確保しながらも、エンジンスイッチ7のオンから遅延期間Td後のリセット期間Tr終了時(t5)までに要する時間を短縮して、リセット期間Tr後における目標回転速度Ntmの設定を迅速に再開することが、可能となるのである。
(第二実施形態)
図7に示すように本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。
(制御処理)
第二実施形態の再開制御処理は、内燃機関1の燃焼運転中において、第一実施形態と実質同一の停止制御処理と共に開始される。
再開制御処理のS211では、エンジンスイッチ7がオフされたか否かを判定する。その結果、エンジンスイッチ7のオフにより肯定判定が下されると、S212へ移行して、内燃機関1のエンジン回転速度Neの時間減少率Rnを算出する。このとき時間減少率Rnについては、時間軸上の二点において停止制御処理のS102と同様に取得されるエンジン回転速度Neの減少分と当該二点間の時間差とから算出してもよいし、そうした算出を複数回繰り返した結果の平均値乃至は回帰分析値として取得してもよい。
続くS213では、エンジンスイッチ7がオンされたか否かを判定する。その結果、エンジンスイッチ7のオフが継続されていることにより否定判定が下される内燃機関1の停止期間Ts(図8参照)には、S212へ戻ることにより、S212〜S213が繰り返される。一方、エンジンスイッチ7のオンにより肯定判断が下されて停止期間Tsが終了すると、S214へ移行して、当該オン時点での内燃機関1のエンジン回転速度Neである初期回転速度Neiを取得する。このとき初期回転速度Neiは、停止制御処理のS102のエンジン回転速度Neと同様に取得され、故に好ましくは、クランク軸2の実回転速度Nrcrが初期回転速度Neiとして取得される。
また続くS215では、直近のS214にて取得の初期回転速度Neiが零速度であるか否かを判定する。その結果、初期回転速度Neiが零速度であることにより肯定判定が下される場合には、本再開制御処理を終了する。一方、初期回転速度Neiが零速度よりも高いことにより否定判定が下される場合には、停止制御処理を終了すると共に、第一実施形態のS112と実質同一内容のS216へと移行して、遅延期間Tdを開始する。ここで、第二実施形態の遅延期間Tdについては、後述のS217〜S220を実行するのに必要な最低限の一定長さに、予設定されている。
さらに続くS217では、直近のS214にて取得の初期回転速度Neiに基づき、電動モータ20の正方向の目標回転速度Ntmである第一リセット前回転速度Ntm1を、設定する。具体的には、遅延期間Tdの終了時(図8のt4参照)の直前までに、最遅角位相Prよりも手前の第一中間位相Pm1へ回転位相を変化させるように、第一リセット前回転速度Ntm1が設定される。このとき第一リセット前回転速度Ntm1については、例えばNtm1=f3(Nei)等の相関式により設定してもよいし、Ntm1,Neiの相関関係を定義したテーブル乃至はマップにより設定してもよい。
またさらに続くS218では、直近のS212,214にてそれぞれ取得の時間減少率Rnと初期回転速度Neiとに基づき、リセット期間Tr終了時(図8のt5参照)のエンジン回転速度Neを予測することにより、予測回転速度Nepを取得する。ここで、S215により否定判定が下された場合において、S214による初期回転速度Neiの取得から、後述のS221によるリセット期間Trの終了までに要する時間ΔT(図8参照)については、S214〜S221を実行するのに必要な最低限の一定長さに、予設定されている。そこで、予測回転速度Nepの取得は、Nep=Nei−Rn×ΔTにて表される演算式を用いて、実行されることとなる。
この後のS219では、直近のS218にて取得の予測回転速度Nepに基づき、電動モータ20の正方向の目標回転速度Ntmである第二リセット前回転速度Ntm2を、設定する。具体的には、リセット期間Trの終了時(図8のt5参照)に第一中間位相Pm1よりも遅角側且つ最遅角位相Prよりも手前の第二中間位相Pm2へ回転位相を変化させるように、零速度よりも高く且つ第一リセット前回転速度Ntm1よりも低い第二リセット前回転速度Ntm2が、設定される。このとき第二リセット前回転速度Ntm2については、例えばNtm2=f4(Nep)等の相関式により設定してもよいし、Ntm2,Nepの相関関係を定義したテーブル乃至はマップにより設定してもよい。
またこの後には、第一実施形態のS117と実質同一内容のS220へと移行して、リセット期間Trを開始する。これにより第二実施形態では、S220直前のS219により目標回転速度Ntmを零速度よりも高い第二リセット前回転速度Ntm2へ変更させた状態下、遅延期間Tdからリセット期間Trへ移行することになる。
さらにこの後のS221では、リセット期間Trが終了したか否かを確認し、当該期間Tdの終了により肯定判断が下されると、第一実施形態のS119と実質同一内容のS222へと移行して、内燃機関1の燃焼運転と共に可変設定を再開する。以上により、再開制御処理を終了する。
このような第二実施形態の再開制御処理が停止制御処理と共に開始された後、当該停止制御処理は終了することによって現出する一作動例を、図8のタイムチャートに基づき説明する。
図8の作動例では、エンジンスイッチ7がオフされる(t1)と、内燃機関1の慣性回転により漸次低下するエンジン回転速度Neに従って、電動モータ20の目標回転速度Ntmが設定される(t1〜t2)。その後、内燃機関1の慣性回転が完全停止するよりも前にエンジンスイッチ7がオンされる(t2)と、それに応じて遅延期間Td(t2〜t4)が開始される。開始された遅延期間Tdにおいては、まず、目標回転速度Ntmが零速度よりも高い第一リセット前回転速度Ntm1に設定されることで、回転位相が最遅角位相Prよりも手前の第一中間位相Pm1に到達する(t3)。またこの後、遅延期間Tdにおいては、零速度よりも高く且つ第一リセット前回転速度Ntm1よりも低い第二リセット前回転速度Ntm2が、目標回転速度Ntmとして設定される。これにより、回転位相が最遅角位相Prよりも手前ではあるが、第一中間位相Pm1よりも遅角した状態にて、遅延期間Tdが終了する(t4)と、リセット期間Tr(t4〜t5)への移行により、処理部52のリセット処理が実行される。ここでリセット期間Tr中は、第二リセット前回転速度Ntm2が出力部54からの目標回転速度Ntmとして出力されることになるので、当該期間Tdの終了時(t5)には、最遅角位相Prよりも手前の第二中間位相Pm2に到達する。以上によりリセット期間Trが終了すると、目標回転速度Ntmの可変設定を伴う内燃機関1の燃焼運転が再開されるのである。
(作用効果)
ここまで説明した第二実施形態の作用効果を説明する。第二実施形態においても制御回路50の処理部52は、リセット期間Trにおける自身のリセット処理を遅延させるように、エンジンスイッチ7のオンに応じて遅延期間Tdを開始する。ここで遅延期間Tdにおいては、その期間終了時(t4)直前の回転位相を最遅角位相Prよりも手前の第一中間位相Pm1に調整する目標回転速度Ntmとして、第一リセット前回転速度Ntm1が設定される。それと共に遅延期間Tdにおいては、リセット期間Tr終了時(t5)の回転位相を最遅角位相Prよりも手前の第二中間位相Pm2に調整する目標回転速度Ntmとして、第二リセット前回転速度Ntm2がリセット期間Trの直前に設定される。こうしたリセット前回転速度Ntm1,Ntm2の設定によると、遅延期間Td中だけでなく、第二リセット前回転速度Ntm2が継続出力されるリセット期間Tr中にも、回転位相が最遅角位相Prに到達しなくなる。これによれば、オフされたエンジンスイッチ7が内燃機関1の慣性回転中にオンされても、内燃機関1の燃焼運転開始前においてストッパ341,361同士の衝突が防がれることになるので、当該衝突に起因する故障の回避が可能となるのである。
また、第一実施形態では、内燃機関1の慣性回転中においてエンジンスイッチ7のオンに応じた遅延期間Tdには、回転位相を最遅角位相Prよりも手前の中間位相Pm1,Pm2へ変化させるリセット前回転速度Ntm1,Ntm2が、零速度よりも高く設定される。これにより、内燃機関1に対する電動モータ20の回転遅れを緩やかに生じさせることができるので、そうした緩やかな回転遅れによれば、ストッパ341,361同士の衝突を招く最遅角位相Prへの到達自体が確実に回避され得る。しかも、零速度よりも高い第二リセット前回転速度Ntm2の設定状態にて遅延期間Tdから移行されるリセット期間Trにおいては、当該遅延期間Tdの零速度オーバーのまま目標回転速度Ntmの出力が継続される。故に、内燃機関1の慣性回転中であっても、リセット期間Tr終了時(t5)に回転位相が最遅角位相Prに到達することはない。これらのことから、ストッパ341,361同士の衝突に起因する故障の回避効果の信頼性を高めることが、可能となるのである。
さらに遅延期間Tdには、第二リセット前回転速度Ntm2をリセット期間Tr終了時のエンジン回転速度Neの予測回転速度Nepに基づき設定することで、それら回転速度Ntm2,Nepの差によっても最遅角位相Prへ到達させない当該設定を、適正に実現できる。これによれば、エンジンスイッチ7のオンから遅延期間Td後のリセット期間Tr終了時(t5)に至るまでストッパ341,361同士の衝突を確実に防いで、当該衝突に起因する故障の回避効果の信頼性を高めることが可能となるのである。
またさらに、第二リセット前回転速度Ntm2の設定に必要な予測回転速度Nepは、エンジンスイッチ7のオフからオンまでの停止期間Tsに算出されたエンジン回転速度Neの時間減少率Rnに基づき、エンジンスイッチ7のオンに応じた遅延期間Tdに取得される。即ち、予測回転速度Nepを正確に取得するための時間減少率Rnの算出が遅延期間Tdよりも前に実行されることになるので、当該期間Tdを可及的に短く設定できる。これによれば、故障の回避効果を確保しながらも、エンジンスイッチ7のオンから遅延期間Td後のリセット期間Tr終了時(t5)までに要する時間を短縮して、リセット期間Tr後における目標回転速度Ntmの設定を迅速に再開することが可能となるのである。
(第三実施形態)
図9,10に示すように本発明の第三実施形態は、第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせた変形例である。
(制御処理)
第三実施形態の再開制御処理も、内燃機関1の燃焼運転中において、第一実施形態と実質同一の停止制御処理と共に開始される。
図9に示すように、再開制御処理において第二実施形態のS211〜S216と実質同一内容のS311〜S316後に実行されるS317では、直近のS314で取得の初期回転速度Neiに基づき、遅延期間Td内にエンジン回転速度Neが零速度となるか否かを予測判定する。その結果、遅延期間Td内ではエンジン回転速度Neが零速度よりも高いと予測されて否定判定が下される場合には、第二実施形態のS217〜S222と実質同一内容のS318〜S323を実行する。一方、遅延期間Td内にエンジン回転速度Neが零速度に到達すると予測されて肯定判定が下される場合には、図10の如く第一実施形態のS113と実質同一内容のS324を実行した後、S325へ移行する。尚、遅延期間Tdについては、S317からS318へ移行する場合も、S317からS324へ移行する場合も、一定の長さに予設定されている。
上述のようにして移行することになるS325では、電動モータ20の正方向の目標回転速度Ntmである第一リセット前回転速度Ntm1を、第二実施形態のS217に対応したS318と異なる形式にて、可変設定する。即ち、零速度よりも高く且つエンジン回転速度Neの半値よりも低い適正範囲ΔN内の第一リセット前回転速度Ntm1により、遅延期間Tdのうち終了時直前までに回転位相を最遅角位相Prへ変化させるように、当該回転速度Ntm1のみが設定される。但し、適正範囲ΔN及び当該範囲ΔN内の第一リセット前回転速度Ntm1の設定については、第一実施形態のS114と同様とされる。
またこの後に第三実形態では、第一実施形態のS115〜S118と実質同一内容のS326〜S329を実行した後、図9のS323へ移行する。尚、以上の再開制御処理によって現出する作動例については、S317から分岐したS318〜S323の実行によっては第二実施形態、またS317から分岐したS324〜S329,S323の実行によっては第一実施形態に準じたものとなるので、説明を割愛する。
(作用効果)
ここまで説明した第三実施形態の作用効果を説明する。第三実施形態によると、遅延期間Tdにおいてエンジン回転速度Neが零速度よりも高くなる場合、リセット期間Tr終了時にもエンジン回転速度Neが零速度よりも高くなることで、両期間Td,Trにおいて内燃機関1に対する電動モータ20の回転遅れが生じることが、想定される。そこで、遅延期間Tdにエンジン回転速度Neが零速度よりも高くなる場合には、遅延期間Td終了直前及びリセット期間Tr終了時に最遅角位相Prよりも手前の中間位相Pm1,Pm2に調整するように、遅延期間Tdのリセット前回転速度Ntm1,Ntm2が設定される。故に第二実施形態と同様にして、ストッパ341,361同士を衝突させる最遅角位相Prへの到達自体を両期間Td,Trにて回避し得るのである。
一方、遅延期間Tdにおいてエンジン回転速度Neが零速度となる場合には、リセット期間Tr終了時までエンジン回転速度Neが零速度に維持されることで、遅延期間Tdのみにて内燃機関1に対する電動モータ20の回転遅れが生じることが、想定される。そこで、遅延期間Tdにおけるエンジン回転速度Neが零速度となる場合には、遅延期間Td終了時に最遅角位相Prに調整するように、遅延期間Tdのリセット前回転速度Ntm1,Ntm2が設定される。故に第一実施形態と同様にして、最遅角位相Prへの到達時の衝撃力を、ストッパ341,361同士の衝突に拘らず和らげ得るのである。
以上のことから第三実施形態によれば、ストッパ341,361同士の衝突に起因する故障の回避効果を、エンジン回転速度Neに応じた適切な処理により発揮することが可能となる。
(第四実施形態)
図11,12に示すように本発明の第四実施形態は、第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせた、第三実施形態とは異なる変形例である。
(制御処理)
第四実施形態の再開制御処理も、内燃機関1の燃焼運転中において、第一実施形態と実質同一な停止制御処理と共に開始される。
図11に示すように、再開制御処理において第二実施形態のS211〜S216と実質同一内容のS411〜S416後に実行されるS417では、直近のS414で取得の初期回転速度Neiを閾値Nthと比較して、それら値Nei,Nthの高低関係を判定する。その結果、初期回転速度Neiが閾値Nthよりも高いと判定された場合には、第二実施形態のS217〜S222と実質同一内容のS418〜S423を実行する。一方、初期回転速度Neiが閾値Nthよりも低い又は閾値Nthに等しいと判定された場合には、図12の如く第一実施形態のS113〜S118と実質同一内容のS424〜S429を実行した後、S423へと移行する。
尚、S417の判定基準である閾値Nthについては、S417からS418へ移行する場合に一定且つS417からS424へ移行する場合に可変とする長さの遅延期間Tdと、当該期間Tdに現出すると想定される要素1,20の回転状況とを考慮して、予設定されている。また、以上の再開制御処理によって現出する作動例については、S417から分岐したS418〜S423の実行によっては第二実施形態、またS417から分岐したS424〜S429,S423の実行によっては第一実施形態に準じたものとなるので、説明を割愛する。
(作用効果)
ここまで説明した第四実施形態の作用効果を説明する。第四実施形態によると、エンジンスイッチ7のオン時の初期回転速度Neiが高い場合、最遅角位相Prに到達させる時間を短くすると、内燃機関1に対する電動モータ20の回転遅れは相対的に急なものとなるので、ストッパ341,361同士の衝突による衝撃力が大きくなる。そこで、エンジンスイッチ7のオンに応じた比較により初期回転速度Neiが閾値Nthよりも高い場合の遅延期間Tdでは、その終了直前及びリセット期間Tr終了時に最遅角位相Prよりも手前の中間位相Pm1,Pm2に調整するリセット前回転速度Ntm1,Ntm2が、設定される。故に第二実施形態と同様にして、ストッパ341,361同士を衝突させる最遅角位相Prへの到達自体を両期間Td,Trにて回避し得るのである。
一方、エンジンスイッチのオン時の初期回転速度Neiが低い場合、最遅角位相Prに到達させる時間を短くしても、内燃機関1に対する電動モータ20の回転遅れは相対的に緩やかなものとなるので、ストッパ341,361同士の衝突による衝撃力は抑えられる。そこで、エンジンスイッチ7のオンに応じた比較により初期回転速度Neiが閾値Nth以下である場合の遅延期間Tdでは、遅延期間Td終了時に最遅角位相Prに調整するリセット前回転速度Ntm1,Ntm2が、設定される。故に第一実施形態と同様にして、最遅角位相Prへの到達時の衝撃力を、ストッパ341,361同士の衝突に拘らず和らげ得るのである。
以上のことから第四実施形態によれば、ストッパ341,361同士の衝突に起因する故障の回避効果を、エンジン回転速度Neに応じた適切な処理により発揮することが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的には、第一実施形態のS114及び第四実施形態のS425では、第三実施形態のS325に準じて、予設定された一定長さの遅延期間Tdを採用してもよい。また、第一実施形態のS114、第二実施形態のS217、第三実施形態のS318,S325及び第四実施形態のS418,S426では、零速度よりも高くなるように予設定された一定の第一リセット前回転速度Ntm1を採用してもよいし、設定基準となるエンジン回転速度Neが低くなった場合に限り、第一リセット前回転速度Ntm1としての零速度を採用してもよい。
さらに、第二実施形態のS218、第三実施形態のS319及び第四実施形態のS419においてリセット期間Tr終了時のエンジン回転速度Neは、予設定されたエンジン回転速度Neの時間減少率Rnに基づき実行してもよいし、遅延期間Td中にエンジン回転速度Neの時間減少率Rnを算出してなる算出率Rnに基づき実行してもよい。またさらに、第二実施形態のS219、第三実施形態のS320及び第四実施形態のS420では、設定基準となるエンジン回転速度Neが十分に場合に限り、第二リセット前回転速度Ntm2としての零速度を採用してもよい。加えて、第四実施形態においてS417,S424間において第三実施形態のS317を実行し、否定判定が下された場合にのみS424へ移行させる一方、肯定判定が下された場合にはS418へ移行させてもよい。
そして、本発明は、「動弁」として排気弁のバルブタイミングを調整する電動バルブタイミング制御装置にも適用してもよい。尚、その場合、第一〜第四実施形態において「進角」及び「遅角」の関係を、説明のものとは逆にして実施することが望ましい。
1 内燃機関、2 クランク軸、3 カム軸、5 クランクセンサ、6 カムセンサ、7 エンジンスイッチ、10 電動バルブタイミング制御装置、20 電動モータ、30 位相調整機構、34 駆動回転体、36 従動回転体、40 駆動回路、50 制御回路、52 処理部、54 出力部、340,341 駆動側ストッパ、361 従動側ストッパ、Nrcr,Nrca,Nrm 実回転速度、Ne エンジン回転速度、Nei 初期回転速度、Nep 予測回転速度、Nth 閾値、Ntm 目標回転速度、Ntm1 第一リセット前回転速度、Ntm2 第二リセット前回転速度、Td 遅延期間、Tr リセット期間、Ts 停止期間、Pa 最端位相、Pm1 第一中間位相、Pm2 第二中間位相、Pr 最端位相・最遅角位相、Rn 時間減少率、ΔN 適正範囲、ΔT 時間

Claims (10)

  1. 通電により回転する電動モータと、
    処理部により設定した目標回転速度を出力部から出力する制御回路であって、内燃機関をオンオフするエンジンスイッチのオンに応じて前記内燃機関の燃焼運転開始前に前記処理部のリセット処理が実行されるリセット期間中、当該リセット期間前に前記処理部が設定した前記目標回転速度の出力を、前記出力部が継続する制御回路と、
    前記出力部から出力された前記目標回転速度に従う通電により、前記電動モータを回転駆動する駆動回路と、
    前記内燃機関のクランク軸及びカム軸と其々連繋する駆動回転体及び従動回転体の間の回転位相を、前記電動モータの回転状態に従って調整することにより、前記内燃機関のバルブタイミングを可変制御する位相調整機構であって、前記駆動回転体及び前記従動回転体に其々設けられたストッパ同士を、前記電動モータの回転が前記内燃機関の回転よりも遅れるのに応じて当接させることにより、前記回転位相を最端位相に規制する位相調整機構とを、備える電動バルブタイミング制御装置であって、
    前記処理部は、オフされた前記エンジンスイッチが前記内燃機関の慣性回転中にオンされるのに応じて、前記リセット処理を遅延させる遅延期間を開始し、前記遅延期間の終了時における前記回転位相を最端位相に調整する前記目標回転速度として、前記遅延期間におけるリセット前回転速度を設定することを特徴とする電動バルブタイミング制御装置。
  2. 前記処理部は、前記遅延期間における前記リセット前回転速度の設定を、前記内燃機関のエンジン回転速度に基づき実行することを特徴とする請求項1に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  3. 前記処理部は、前記リセット前回転速度の設定と共に前記遅延期間の長さの設定を、前記エンジン回転速度に基づき実行することを特徴とする請求項2に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  4. 前記処理部は、前記遅延期間において、前記回転位相を前記最端位相へ変化させる前記リセット前回転速度を零速度よりも高く設定した後、当該設定速度を零速度に変更した状態下、前記遅延期間から前記リセット期間へ移行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  5. 通電により回転する電動モータと、
    処理部により設定した目標回転速度を出力部から出力する制御回路であって、内燃機関をオンオフするエンジンスイッチのオンに応じて前記内燃機関の燃焼運転開始前に前記処理部のリセット処理が実行されるリセット期間中、当該リセット期間前に前記処理部が設定した前記目標回転速度の出力を、前記出力部が継続する制御回路と、
    前記出力部から出力された前記目標回転速度に従う通電により、前記電動モータを回転駆動する駆動回路と、
    前記内燃機関のクランク軸及びカム軸と其々連繋する駆動回転体及び従動回転体の間の回転位相を、前記電動モータの回転状態に従って調整することにより、前記内燃機関のバルブタイミングを可変制御する位相調整機構であって、前記駆動回転体及び前記従動回転体に其々設けられたストッパ同士を、前記電動モータの回転が前記内燃機関の回転よりも遅れるのに応じて当接させることにより、前記回転位相を最端位相に規制する位相調整機構とを、備える電動バルブタイミング制御装置であって、
    前記処理部は、オフされた前記エンジンスイッチが前記内燃機関の慣性回転中にオンされるのに応じて、前記リセット処理を遅延させる遅延期間を開始し、前記リセット期間の終了時における前記回転位相を最端位相よりも手前の中間位相に調整する前記目標回転速度として、前記遅延期間におけるリセット前回転速度を設定することを特徴とする電動バルブタイミング制御装置。
  6. 前記処理部は、前記リセット期間の終了時における前記内燃機関のエンジン回転速度を予測し、前記遅延期間における前記リセット前回転速度の設定を、当該予測回転速度に基づき実行することを特徴とする請求項5に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  7. 前記処理部は、前記エンジンスイッチのオフからオンまでの停止期間において前記エンジン回転速度の時間減少率を算出し、前記エンジン回転速度の予測を当該算出率に基づき実行することを特徴とする請求項6に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  8. 前記処理部は、前記遅延期間において、前記回転位相を前記最端位相よりも手前の中間位相へ変化させる前記リセット前回転速度を、零速度よりも高く設定した状態下、前記遅延期間から前記リセット期間へ移行することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  9. 前記処理部は、前記遅延期間において前記内燃機関のエンジン回転速度が零速度よりも高くなる場合に、前記リセット期間の終了時における前記回転位相を前記最端位相よりも手前の中間位相に調整する前記目標回転速度として、前記リセット前回転速度を設定する一方、前記遅延期間において前記内燃機関のエンジン回転速度が零速度となる場合に、前記遅延期間の終了時における前記回転位相を前記最端位相に調整する前記目標回転速度として、前記リセット前回転速度を設定することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  10. 前記処理部は、前記エンジンスイッチのオンに応じて前記内燃機関のエンジン回転速度を閾値と比較し、前記内燃機関のエンジン回転速度が当該閾値よりも高い場合に開始される前記遅延期間において、前記リセット期間の終了時における前記回転位相を前記最端位相よりも手前の中間位相に調整する前記目標回転速度として、前記リセット前回転速度を設定する一方、前記内燃機関のエンジン回転速度が当該閾値よりも低い場合に開始される前記遅延期間において、前記遅延期間の終了時における前記回転位相を前記最端位相に調整する前記目標回転速度として、前記リセット前回転速度を設定することを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の電動バルブタイミング制御装置。
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