JP6350460B2 - 電動バルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸に対するカム軸の回転位相に応じたバルブタイミングを制御する電動バルブタイミング制御装置に、関する。
近年、電動モータの回転を利用してバルブタイミングを制御する電動バルブタイミング制御装置は、例えば応答性や低温駆動性の高さ等から、内燃機関に搭載されるようになってきている。
例えば、特許文献1に開示される電動バルブタイミング制御装置は、クランク軸の回転を検出するクランク回転センサ及びカム軸の回転を検出するカム回転センサの設けられた内燃機関に、搭載されている。この特許文献1の開示装置において制御ユニットは、クランク回転センサ及びカム回転センサからの検出信号に基づき回転位相を算出し、当該算出の結果に応じて電動モータへの通電制御を実行する。その結果、位相調整ユニットが電動モータの回転に応じて回転位相を調整することで、バルブタイミングを正確に制御可能となっている。
特許第4123127号公報
さて、特許文献1の開示装置において内燃機関の停止期間には、制御ユニットが回転位相を算出する。これにより、内燃機関において停止期間後のクランキング期間には、内燃機関を始動させるための始動制御を、停止期間に算出の回転位相に基づいて開始することが可能となっている。
このように内燃機関の停止期間に回転位相を算出するには、当該停止期間においても制御ユニットが停止していないことが必要となる。しかし、例えば省電力の観点等から停止期間に制御ユニットが停止する構成では、回転位相を算出することができない。この場合、停止期間に位相調整ユニットが外乱によって作動して回転位相がずれてしまうと、停止期間後に制御ユニットが起動されるクランキング期間には、当該ずれを把握できていない制御ユニットによって始動制御が開始されてしまう。その結果、例えばプレイグニッション及びノッキング等の不具合や、始動性の悪化が懸念されるのである。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関を適正に始動させる電動バルブタイミング制御装置を、提供することにある。
以下、課題を達成するための発明の技術的手段について、説明する。尚、発明の技術的手段を開示する特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上述の課題を解決するために開示された第一発明は、
クランク軸(2)の回転を検出するクランク回転センサ(5)及びカム軸(3)の回転を検出するカム回転センサ(6)の設けられた内燃機関(1)において、クランク軸に対するカム軸の回転位相(Pr)に応じたバルブタイミングを、電動モータ(20)の回転を利用して制御する電動バルブタイミング制御装置(10)において、
クランク回転センサ及びカム回転センサからの検出信号に基づき回転位相を算出することにより、当該算出の結果に応じて電動モータへの通電制御を実行する通電制御ユニット(40)であって、自身が起動される内燃機関のクランキング期間(Tcr)から、内燃機関を始動させるための始動制御(Sc)を実行する通電制御ユニットと、
電動モータの回転に応じて回転位相を調整する位相調整ユニット(30)と、
通電制御ユニットが停止する内燃機関の停止期間(Ts)に、電動モータの回転を検出する回転検出ユニット(50)とを、備え、
回転検出ユニットは、停止期間に電動モータの回転を検出することにより、回転検出データ(Fd)を記憶する回転記憶部(52)を、有し、
通電制御ユニットは、回転検出ユニットにより電動モータの回転が停止期間に検出されたか否かを、回転記憶部での回転検出データの記憶状況に基づき判定し、回転検出ユニットにより電動モータの回転が検出された停止期間後のクランキング期間にフェイルセーフモード(Mfs)へ移行することにより、回転位相を算出してから、当該算出の回転位相に基づき始動制御を開始することを特徴とする。
上述の課題を解決するために開示された第二発明は、
クランク軸(2)の回転を検出するクランク回転センサ(5)及びカム軸(3)の回転を検出するカム回転センサ(6)の設けられた内燃機関(1)において、クランク軸に対するカム軸の回転位相(Pr)に応じたバルブタイミングを、電動モータ(20)の回転を利用して制御する電動バルブタイミング制御装置(10)において、
クランク回転センサ及びカム回転センサからの検出信号に基づき回転位相を算出することにより、当該算出の結果に応じて電動モータへの通電制御を実行する通電制御ユニット(40)であって、自身が起動される内燃機関のクランキング期間(Tcr)から、内燃機関を始動させるための始動制御(Sc)を実行する通電制御ユニットと、
電動モータの回転に応じて回転位相を調整する位相調整ユニット(30)と、
通電制御ユニットが停止する内燃機関の停止期間(Ts)に、電動モータの回転を検出する回転検出ユニット(50)とを、備え、
回転検出ユニットにより電動モータの回転が検出された停止期間後のクランキング期間にフェイルセーフモード(Mfs)へ移行することにより、回転位相を算出してから、当該算出の回転位相に基づき始動制御を開始する通電制御ユニットは、停止期間における回転検出の結果(Fd)を回転検出ユニットとの間の通信により取得し、当該通信に異常が発生した場合のクランキング期間にフェイルセーフモードへ移行することを特徴とする。
上述の課題を解決するために開示された第三発明は、
クランク軸(2)の回転を検出するクランク回転センサ(5)及びカム軸(3)の回転を検出するカム回転センサ(6)の設けられた内燃機関(1)において、クランク軸に対するカム軸の回転位相(Pr)に応じたバルブタイミングを、電動モータ(20)の回転を利用して制御する電動バルブタイミング制御装置(10)において、
クランク回転センサ及びカム回転センサからの検出信号に基づき回転位相を算出することにより、当該算出の結果に応じて電動モータへの通電制御を実行する通電制御ユニット(40)であって、自身が起動される内燃機関のクランキング期間(Tcr)から、内燃機関を始動させるための始動制御(Sc)を実行する通電制御ユニットと、
電動モータの回転に応じて回転位相を調整する位相調整ユニット(30)と、
通電制御ユニットが停止する内燃機関の停止期間(Ts)に、電動モータの回転を検出する回転検出ユニット(50)とを、備え、
回転検出ユニットは、停止期間に電動モータに発生する逆起電力(Vs)に基づき電動モータの回転を検出し、
通電制御ユニットは、回転検出ユニットにより電動モータの回転が検出された停止期間後のクランキング期間にフェイルセーフモード(Mfs)へ移行することにより、回転位相を算出してから、当該算出の回転位相に基づき始動制御を開始することを特徴とする。
こうした第一〜第三発明によると、通電制御ユニットが停止する内燃機関の停止期間には、位相調整ユニットが外乱により作動して回転位相がずれると、当該ずれにより惹起される電動モータの回転が回転検出ユニットにより検出される。そこで、回転検出ユニットにより電動モータの回転が停止期間に検出された後に、通電制御ユニットが起動される内燃機関のクランキング期間には、通電制御ユニットがフェイルセーフモードへと移行する。このフェイルセーフモードにおいて通電制御ユニットは、回転位相を算出してから、当該算出の回転位相に基づき始動制御を開始する。これによれば、停止期間に回転位相がずれたとしても、通電制御ユニットにより開始される始動制御は、当該ずれの発生後に算出された正確な回転位相に基づくこととなる。したがって、例えばプレイグニッション及びノッキング等の不具合や、始動性の悪化を、そうした正確な回転位相に基づく始動制御により抑制して、内燃機関を適正に始動させることが可能となる。
また、開示された第発明は、
通電制御ユニットは、
内燃機関が停止するのに伴って回転位相を記憶する位相記憶部(47)を、有し、
回転検出ユニットにより電動モータの回転が検出されていない停止期間後のクランキング期間にノーマルモード(Mn)へ移行することにより、位相記憶部に記憶された回転位相に基づき始動制御を開始する一方、
回転検出ユニットにより電動モータの回転が検出された停止期間後のクランキング期間にフェイルセーフモードへ移行することにより、回転位相を算出してから、当該算出の回転位相に基づき始動制御を開始することを特徴とする。
こうした第発明によると、回転検出ユニットにより電動モータの回転が検出されていない停止期間後のクランキング期間には、通電制御ユニットがノーマルモードへ移行する。このノーマルモードの通電制御ユニットによって開始される始動制御は、内燃機関の停止に伴って位相記憶部に記憶された回転位相に、基づくこととなる。これにより始動制御は、停止期間において電動モータの回転するずれなど発生していない場合の正確な回転位相に基づくことで、クランキング期間の初期から迅速に開始され得る。また一方、回転検出ユニットにより電動モータの回転が検出された停止期間後のクランキング期間には、通電制御ユニットがフェイルセーフモードへ移行する。このフェイルセーフモードの通電制御ユニットによって開始される始動制御は、電動モータを回転させるずれの発生前に位相記憶部に記憶された回転位相ではなく、当該ずれの発生後となるクランキング期間に算出される正確な回転位相に基づくこととなる。こうしたことから、ノーマルモード及びフェイルセーフモードのいずれにおいても、正確な回転位相に基づき実行される始動制御により、内燃機関を適正に始動させることが可能となる。
一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の機械的構成を示す模式図である。 一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の電気的構成を示す模式図である。 一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の作動例を示すタイムチャートである。 一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の作動例を示すタイムチャートである。 一実施形態による回転検出ユニットの回路構成例を示す模式図である。 一実施形態による電動バルブタイミング制御装置の始動フローを示すフローチャートである。 図3の変形例を示すタイムチャートである。 図4の変形例を示すタイムチャートである。 図6の変形例を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。本発明の一実施形態による電動バルブタイミング制御装置10は、図1に示すように、車両の内燃機関1に適用される。
装置10は、内燃機関1においてクランク軸2からカム軸3へとクランクトルクを伝達する伝達系に、設置されている。ここで、本実施形態においてカム軸3は、内燃機関1の動弁のうち吸気弁(図示しない)を開閉駆動する。そこで、電動バルブタイミング制御装置10は、電動モータ20の回転を利用することで、吸気弁のバルブタイミングを可変制御する。具体的に装置10は、図1,2に示すように、電動モータ20、位相調整ユニット30及び通電制御ユニット40を備えている。
電動モータ20は、例えば永久磁石型同期モータ等のブラシレスモータである。図2に示すように電動モータ20は、モータケース22、モータ軸24、モータコイル26及びモータセンサ28を有している。モータケース22は、内燃機関1における例えばチェーンケース等の固定節に、固定されている。モータ軸24は、モータケース22により正逆回転可能に支持されている。モータコイル26は、スター結線される三相コイルのいずれかを構成するように、モータ軸24の周囲に複数配置されている。各モータコイル26は、通電により磁界を発生させることで、モータ磁石の埋設されたモータ軸24を正逆回転させる。モータセンサ28は、例えば複数の磁電変換素子等から構成され、モータ軸24の周囲に配置されている。モータセンサ28は、モータ軸24に埋設されたセンサ磁石の発生磁界を感知する。これによりモータセンサ28は、感知した磁界に基づきモータ軸24の回転を検出して、当該モータ軸24の実回転速度Nrを表したモータ検出信号を出力する。
図1に示す位相調整ユニット30は、例えば遊星歯車減速機等の三軸減速機32を介して、駆動回転体34及び従動回転体36の間を接続してなる。減速機32は、回転体34,36と同軸上のモータ軸24に対して、連繋している。駆動回転体34は、自身とは偏心するクランク軸2に対して、例えばタイミングチェーン又はタイミングベルト等の伝達部材4を介して、連繋している。駆動回転体34は、クランク軸2から出力されるクランクトルクを伝達部材4により伝達されることで、当該クランク軸2と連動して正回転する。従動回転体36は、自身と同軸上のカム軸3に対して、螺子留めにより連繋している。従動回転体36は、カム軸3と連動して正回転しつつ、駆動回転体34に対しては進角及び遅角の両方向へ相対回転可能となっている。
こうした構成の位相調整ユニット30は、減速機32での減速作用により、モータ軸24の回転に応じてクランク軸2に対するカム軸3の回転位相(以下、単に「回転位相」という)を調整する。具体的に、モータ軸24がカム軸3と同速に正回転するときに位相調整ユニット30は、それら要素24,3と共に回転体34,36を連れ回りさせることで、回転位相を保持調整する。一方、モータ軸24がカム軸3に対して高速に正回転するときに位相調整ユニット30は、駆動回転体34に対する進角方向へ従動回転体36を相対回転させることで、回転位相を進角調整する。また一方、モータ軸24がカム軸3に対して低速に正回転する又は逆回転するときに位相調整ユニット30は、駆動回転体34に対する遅角方向へ従動回転体36を相対回転させることで、回転位相を遅角調整する。以上より内燃機関1では、位相調整ユニット30にて調整の回転位相に応じたタイミングに、バルブタイミングが制御されることとなる。
図2に示すように通電制御ユニット40は、駆動回路41及び制御回路45を含んで構成されている。本実施形態において駆動回路41は、電動モータ20のうちモータケース22に内蔵されている。一方で制御回路45は、本実施形態では電動モータ20の外部に配置されている。
駆動回路41は、インバータ回路部42及びスイッチング駆動部43を有している。インバータ回路部42は、例えばFET等のスイッチング素子を複数組み合わせたブリッジ回路を主体に構成され、各モータコイル26と電気接続されている。スイッチング駆動部43は、例えばFET用の駆動IC等から構成され、制御回路45とインバータ回路部42とモータセンサ28とに電気接続されている。
こうした構成の駆動回路41は、電動モータ20に関して制御回路45及びモータセンサ28の各々から出力される目標回転速度Nt及び実回転速度Nrの差分を、随時算出する。さらに、算出した差分に従って駆動回路41は、スイッチング駆動部43によりインバータ回路部42での各スイッチング素子のオンオフをフィードバック制御することで、電動モータ20にて通電対象のモータコイル26を切り替える。その結果、通電対象のモータコイル26により磁界が発生して、モータ軸24が回転駆動される。
このように電動モータ20への通電駆動を実現する駆動回路41に対して、制御回路45は、当該通電駆動を制御する。そこで以下では、制御回路45により電動モータ20の通電駆動を制御することを、位相調整ユニット30に回転位相を調整させるための通電制御を電動モータ20に実行することとして、説明する。制御回路45は、プロセッサ46及びメモリ47を有したマイクロコンピュータを主体に、構成されている。制御回路45は、車両の電装品としてセンサ5,6及びスイッチ7を含む複数の電装品と、スイッチング駆動部43とに対して、電気接続されている。
ここで、図1,2に示すクランク回転センサ5及びカム回転センサ6は、内燃機関1に設けられた、例えば電磁ピックアップ式回転角センサ等である。クランク回転センサ5は、クランク軸2の回転を検出して、当該クランク軸2の回転角θcrを表したクランク角検出信号を制御回路45へ出力する。カム回転センサ6は、カム軸3の回転を検出して、当該カム軸3の回転角θcaを表したカム角検出信号を制御回路45へ出力する。図2に示すパワースイッチ7は、車両に設けられた、例えば回転式スイッチ又はプッシュ式スイッチ等である。パワースイッチ7は、車両の乗員が内燃機関1を始動させるためにオン操作される一方、同乗員が内燃機関1を停止させるためにオフ操作される。パワースイッチ7は、それらのオンオフ操作に応じたパワー信号を制御回路45へ出力する。スイッチング駆動部43は、実回転速度Nrを表したモータ検出信号を、モータセンサ28から受信して制御回路45へと出力する。
このような各種出力に基づき制御回路45は、電動モータ20への通電制御に加え、内燃機関1の燃料噴射を制御する噴射制御と、内燃機関1の点火を制御する点火制御とを、少なくとも実行する。そこで制御回路45には、エンジンECU(Electronic Control Unit)が採用され、通電制御と噴射制御と点火制御とを含むエンジン制御(以下、単に「エンジン制御」という)が当該制御回路45によって実現される。
具体的に、図3,4に例示するように制御回路45は、パワースイッチ7のオン操作(図3,4のt1)に応じて自身を起動させると共に、駆動回路41も起動させる。こうして起動した制御回路45は、パワースイッチ7のオン操作に応じて内燃機関1がクランキングされるクランキング期間Tcr(図3,4のt2〜t3)にて、特定のタイミング(図3,4のtp)から始動制御Scを実行する。ここで始動制御Scとは、クランキングにより内燃機関1を完爆させて始動するためのエンジン制御を、意味する。さらに制御回路45は、内燃機関1が始動してからパワースイッチ7がオフ操作されるまでの間には、自身及び駆動回路41の起動状態を維持してエンジン制御を継続する。
制御回路45は、パワースイッチ7のオフ操作(図3,4のt4)に応じて内燃機関1が完全停止し(図3,4のt5)、さらに設定時間が経過するまでの間は、自身及び駆動回路41の起動状態を維持することで、エンジン制御のうち電動モータ20への通電制御を継続する。一方で制御回路45は、内燃機関1が完全停止した後に設定時間が経過すると(図3,4のt6)、次にパワースイッチ7がオン操作されるまでを停止期間Tsとして、自身及び駆動回路41の作動を停止させることで、スリープ状態となる。ここで、内燃機関1が完全停止するのに伴って制御回路45は、完全停止直前に回転センサ5,6から受けた検出信号の表す回転角θcr,θcaに基づき、現在の回転位相である実位相Prを算出する。このとき制御回路45は、「位相記憶部」として例えば不揮発性メモリ等から構成される図2のメモリ47に、算出した実位相Prを記憶する。また、本実施形態の制御回路45は、クランク回転センサ5から完全停止の直前に受けた検出信号の表す回転角θcrも、実位相Prと併せて記憶しておく。
以上の作動において制御回路45は、エンジン制御のうち少なくとも電動モータ20への通電制御に伴って、特定の算出処理を実行する。この算出処理では、回転センサ5,6から受けた検出信号の表す回転角θcr,θcaに基づき、実位相Prを算出する。それと共に算出処理では、車両の電装品のうち噴射制御及び点火制御に必要なセンサ等からの検出信号に基づき、実位相Prに対する目標位相Ptを算出する。さらに算出処理では、算出した実位相Pr及び目標位相Ptと、モータセンサ28からのモータ検出信号とに基づき、電動モータ20の目標回転速度Ntを算出する。したがって、こうして算出された目標回転速度Ntが制御回路45から与えられることになるスイッチング駆動部43によれば、実位相Pr及び目標位相Ptの算出結果に応じた通電制御が電動モータ20に対して実行される。尚、このような通電制御と共に実行される噴射制御及び点火制御については、算出処理により割り出された回転角θcrと、同処理により算出された位相Pr,Ptとに基づき、実行される。
さて、制御回路45及び駆動回路41がスリープ状態となって各モータコイル26への通電が停止する停止期間Tsには、モータセンサ28によるモータ軸24の回転検出も停止する。そこで、停止期間Tsにおいてモータ軸24の回転を検出するために電動バルブタイミング制御装置10は、同期間Tsにあっても起動する回転検出ユニット50を、さらに備えている。回転検出ユニット50は、本実施形態では電動モータ20のモータケース22に内蔵される電気回路である。この内蔵形態により回転検出ユニット50は、電動モータ20と一体に設けられて駆動回路41に組み込まれ、各モータコイル26の可及的に近くにてモータ軸24の回転を検出可能となっている。
回転検出ユニット50は、モータ軸24の回転によりモータコイル26に発生した逆起電力Vsを受けることで、又は専用の電源を持つことで、パワースイッチ7のオフされた停止期間Tsにあっても起動する。こうして停止期間Tsに起動した回転検出ユニット50は、モータコイル26に発生した逆起電力Vsを感知することで、モータ軸24の回転を検出する。例えば回転検出ユニット50は、図5に示すように、U,V,Wの三相モータコイル26にそれぞれ電気接続され且つ互いにスター結線された三相抵抗51の両端電圧Vu,Vv,Vwに基づき、逆起電力Vs(図2参照)を感知する。回転検出ユニット50は勿論、逆起電力Vsを感知可能な限りにおいて、図5とは異なる回路構成であってもよい。尚、専用の電源を持つ回転検出ユニット50の場合には、制御回路45及び駆動回路41の各々に比べて、十分に消費電力が小さく抑えられている。
図2に示すように回転検出ユニット50は、例えば不揮発性メモリ等から構成される回転記憶部52を、有している。停止期間Tsにおいて回転検出ユニット50は、感知した逆起電力Vsに基づきモータ軸24の回転を検出すると、「回転検出データ」である検出フラグFdを回転記憶部52に記憶する。このときにも回転検出ユニット50では、逆起電力Vsを受けることで、又は専用の電源を持つことで、パワースイッチ7のオフされた停止期間Tsにあっても、検出フラグFdを回転記憶部52に記憶可能となっている。
こうして回転記憶部52に検出フラグFdが記憶された場合、パワースイッチ7のオン操作に応じて停止期間Ts後に移行するクランキング期間Tcrには、駆動回路41を通じたフェイル伝達通信Cfが回転検出ユニット50と制御回路45との間で実現される。このフェイル伝達通信Cfでは、停止期間Tsでの回転検出結果として検出フラグFdが回転記憶部52に記憶されている状態を表すように、フェイル伝達信号が制御回路45へと与えられる。これにより、モータ軸24の回転が検出された停止期間Ts後のクランキング期間Tcrには、制御回路45がフェイルセーフモードMfs(図4も参照)へ移行する。ここでフェイルセーフモードMfsの制御回路45では、回転センサ5,6からの検出信号を受けることで実位相Prを算出してから、当該算出結果に基づき始動制御Scを開始する。
一方、回転記憶部52に検出フラグFdが記憶されていない場合、停止期間Ts後に移行するクランキング期間Tcrには、駆動回路41を通じたノーマル通信Cnが回転検出ユニット50と制御回路45との間で実現される。このノーマル通信Cnでは、停止期間Tsでの回転検出結果として検出フラグFdが回転記憶部52には記憶されていない状態を表すように、ノーマル信号が制御回路45へと与えられる。これにより、モータ軸24の回転が検出されていない停止期間Ts後のクランキング期間Tcrには、制御回路45がノーマルモードMn(図3も参照)へ移行する。ここで制御回路45のノーマルモードMnでは、内燃機関1の停止に伴ってメモリ47に記憶された実位相Prに基づき、始動制御Scを開始する。
さらに、回転検出ユニット50及び制御回路45間での駆動回路41を通じた通信がフェイル伝達通信Cf及びノーマル通信Cnのいずれでも、信号線の断線又は短絡による異常が当該通信に発生すると、制御回路45はフェイルセーフモードMfsへ強制移行する。これにより、通信異常時の制御回路45も、回転センサ5,6からの検出信号を受けることで実位相Prを算出してから、当該算出結果に基づき始動制御Scを開始する。尚、制御回路45へ与えられるフェイル伝達信号及びノーマル信号については、互いの信号状態と、信号線の断線及び短絡の一方によるプルアップと、信号線の断線及び短絡の他方によるプルダウンとを、例えばデューティ比等の違いにより判別可能となっている。
(始動フロー)
次に、図2に示すメモリ47に記憶の始動フロープログラムをプロセッサ46により実行することで、制御回路45が実現する始動フローにつき、図6のフローチャートに基づき説明する。この始動フローは、パワースイッチ7のオン操作に応じて、クランキング期間Tcrと共に開始される。尚、始動フロー中の「S」は、各ステップを表している。
始動フローのS101では、回転検出ユニット50及び制御回路45間での駆動回路41を通じた通信に、異常が発生しているか否かを判定する。その結果、否定判定が下された場合には、S102へ移行する。
S102では、回転検出ユニット50によりモータ軸24の回転が直前の停止期間Tsに検出されたか否かを、判定する。このとき制御回路45は、回転記憶部52での検出フラグFdの記憶状態を表したフェイル伝達信号、又は回転記憶部52での検出フラグFdの非記憶状態を表したノーマル信号を、駆動回路41を通じた通信により回転検出ユニット50から取得する。そこで、S102による検出有無の判定は、回転記憶部52での検出フラグFdの記憶状況に基づき実行される。その結果、否定判定が下された場合には、S103へと移行する。
S103では、モータ軸24の回転が検出されていない停止期間Ts後にて、要素50,45間に通信異常が発生していない状況下でのクランキング期間Tcrから、ノーマルモードMnを実行することになる。ここで、S103のうちS103aでは、メモリ47に記憶された実位相Pr及び回転角θcrを読み出す。また、S103のうち続くS103bでは、現在の始動に適した目標位相Ptを算出する。さらに、S103のうち続くS103cでは、S103aにより読み出した実位相Pr及び回転角θcrと、S103bにより算出した目標位相Ptとに基づくことで、パワースイッチ7のオン操作から迅速に始動制御Scを開始することとなる。
こうして開始された後の始動制御Scは、クランキング期間Tcrが終了して(図3のt3)、エンジン回転速度がクランキング速度Vcrよりも高い始動判定値Vth以上に上昇するまで(図3のte)の間、継続される。そこで開始後の始動制御Scは、S103aにより読み出した実位相Pr及び回転角θcrに基づき継続されてもよいし、回転センサ5,6からの検出信号を受けて順次取得可能となる場合の実位相Pr及び回転角θcrに基づき継続されてもよい。尚、エンジン回転速度が始動判定値Vth以上に上昇すると、始動制御Scは終了して、通常のエンジン制御が実行される。
このようなS103に対して、S102により肯定判定が下された場合には、S104へと移行する。これにより、S102から移行するS104では、モータ軸24の回転が検出された停止期間Ts後にて、要素50,45間に通信異常が発生していない状況下でのクランキング期間Tcrから、フェイルセーフモードMfsを実行することになる。
また本実施形態では、S101により肯定判定が下された場合にも、S104へと移行する。これにより、S101から移行するS104では、回転の検出有無に拘らず、停止期間Ts後にて要素50,45間の通信異常が発生している状況下でのクランキング期間Tcrから、フェイルセーフモードMfsを実行することになる。
ここで、S104のうちS104aでは、回転センサ5,6からの検出信号を受けることで、回転角θcr,θcaを割り出す。また、S104のうち続くS104bでは、S104aにより割り出した回転角θcr,θcaに基づき、実位相Prを算出する。さらに、S104のうち続くS104cでは、現在の始動に適した目標位相Ptを算出する。またさらに、S104のうち続くS104dでは、S104aにより割り出した回転角θcrと、S104bにより算出した実位相Prと、S104cにより算出した目標位相Ptとに基づき、始動制御Scを開始することとなる。
こうして実位相Prの算出まで待機してから開始された後の始動制御Scは、クランキング期間Tcrが終了して(図4のt3)、エンジン回転速度がクランキング速度Vcrよりも高い始動判定値Vth以上に上昇するまで(図4のte)の間、継続される。そこで開始後の始動制御Scは、S104a,S104bにより最初に取得した実位相Pr及び回転角θcrに基づき継続されてもよいし、回転センサ5,6からの検出信号を受けて順次取得可能となる場合の実位相Pr及び回転角θcrに基づき継続されてもよい。尚、エンジン回転速度が始動判定値Vth以上に上昇すると、始動制御Scは終了して、通常のエンジン制御が実行される。
以上、S103,S104のいずれが実行される場合にも、クランキング期間Tcrが終了すると、本始動フローも終了することとなる。
(作動例)
次に、始動フローに従って実現される作動例を、図3,4のタイムチャートに基づき説明する。
まず、図3に示すように停止期間Tsにはモータ軸24の回転が検出されなかった場合の作動例を、説明する。この場合、パワースイッチ7のオン操作に応じて起動される制御回路45は、クランキング期間Tcrを開始すると共に、ノーマルモードMnへ移行する(t1)。すると、内燃機関1がクランキングされてエンジン回転速度がクランキング速度Vcrに調整されつつ、メモリ47から読み出した実位相Pr及び回転角θcrに基づき、始動制御Scが開始される(t2=tp)。
一方、図4に示すように停止期間Tsにはモータ軸24の回転が検出されて回転記憶部52に検出フラグFdが記憶された場合の作動例を、説明する。この場合、パワースイッチ7のオン操作に応じて起動される制御回路45は、クランキング期間Tcrを開始すると共に、フェイルセーフモードMfsへ移行する(t1)。すると、内燃機関1がクランキングされてエンジン回転速度がクランキング速度Vcrに調整されつつ、回転センサ5,6からの検出信号が表している回転角θcr,θcaに基づき、実位相Prが算出される(t2〜tp)。その結果、実位相Prが算出されると、当該算出の実位相Pr及び当該算出に利用した回転角θcrに基づき、始動制御Scが開始される(tp)。尚、回転検出ユニット50及び制御回路45間での通信異常に応じてフェイルセーフモードMfsが実行される場合にも、図4に準じた作動となる。
(作用効果)
以上説明した装置10の作用効果を、以下に説明する。
装置10によると、通電制御ユニット40の回路41,45が停止する内燃機関1の停止期間Tsには、位相調整ユニット30が外乱により作動して回転位相としての実位相Prがずれると、当該ずれにより惹起される電動モータ20の回転が回転検出ユニット50により検出される。そこで、回転検出ユニット50により電動モータ20の回転が停止期間Tsに検出された後に、通電制御ユニット40が起動される内燃機関1のクランキング期間Tcrには、通電制御ユニット40がフェイルセーフモードMfsへと移行する。このフェイルセーフモードMfsにおいて通電制御ユニット40は、実位相Prを算出してから、当該算出の実位相Prに基づき始動制御Scを開始する。これによれば、停止期間Tsに実位相Prがずれたとしても、通電制御ユニット40により開始される始動制御Scは、当該ずれの発生後に算出された正確な実位相Prに基づくこととなる。したがって、例えばプレイグニッション及びノッキング等の不具合や、始動性の悪化を、そうした正確な実位相Prに基づく始動制御Scにより抑制して、内燃機関1を適正に始動させることが可能となる。
また、装置10によると、回転検出ユニット50により電動モータ20の回転が検出されていない停止期間Ts後のクランキング期間Tcrには、通電制御ユニット40がノーマルモードMnへ移行する。このモードMnの通電制御ユニット40によって開始される始動制御Scは、内燃機関1の停止に伴って「位相記憶部」としてのメモリ47に記憶の実位相Prに、基づくこととなる。これにより始動制御Scは、停止期間Tsにおいて電動モータ20の回転するずれなど発生していない場合の正確な実位相Prに基づくことで、クランキング期間Tcrの初期から迅速に開始され得る。また一方、回転検出ユニット50により電動モータ20の回転が検出された停止期間Ts後のクランキング期間Tcrには、通電制御ユニット40がフェイルセーフモードMfsへ移行する。このモードMfsの通電制御ユニット40によって開始される始動制御Scは、電動モータ20を回転させるずれの発生前にメモリ47に記憶された回転位相ではなく、当該ずれの発生後となるクランキング期間Tcrに算出される正確な実位相Prに基づくこととなる。こうしたことからモードMn,Mfsのいずれにおいても、正確な実位相Prに基づき実行される始動制御Scにより、内燃機関1を適正に始動させることが可能となる。
さらに装置10によると、停止期間Tsにおいて回転検出ユニット50が回転記憶部52に記憶する検出フラグFdは、電動モータ20の回転が停止期間Tsに検出されたことを正確に示す「回転検出データ」となる。故に、電動モータ20の回転が停止期間Tsに検出されたか否を、回転記憶部52での検出フラグFdの記憶状況に基づき判定する通電制御ユニット40によれば、各モードMn,Mfsへの移行を正しく切り替えることができる。これによりモードMn,Mfsのいずれにおいても、正確な実位相Prに基づき適時に実行される始動制御Scにより、内燃機関1を適正に始動させる効果の信頼性を高めることが可能となる。
またさらに装置10によると、通電制御ユニット40は、電動モータ20の回転に関する検出結果としての検出フラグFdを、回転検出ユニット50との間の通信によって取得する。ここで通電制御ユニット40は、回転検出ユニット50との間の通信に異常が発生した場合のクランキング期間Tcrにおいても、フェイルセーフモードMfsへ移行する。これにより、実位相Prが停止期間Tsにずれて電動モータ20の回転が検出されたことを、通電制御ユニット40が通信異常により判断できなくなったとしても、当該検出の結果が安全側に判断されて始動制御Scが開始される。したがって、内燃機関1を適正に始動させる効果の信頼性につき、高めることが可能となる。
加えて装置10によると、停止期間Tsにおける電動モータ20の回転は、当該電動モータ20に発生する逆起電力Vsに基づくことで、回転検出ユニット50により正確に検出され得る。故に通電制御ユニット40では、電動モータ20の回転したフェイル時を狙って、フェイルセーフモードMfsへと移行することができる。これによれば、正確な実位相Prに基づくフェイルセーフモードMfsでの始動制御Scを適時に実行して、内燃機関1を適正に始動させることが可能となる。
また加えて装置10によると、電動モータ20と一体に設けられて近接する回転検出ユニット50は、電動モータ20の回転により発生する逆起電力Vsが微弱であっても、ノイズの重畳を抑制して当該逆起電力Vsを高精度に感知することができる。これによれば、電動モータ20の回転が逆起電力Vsに基づき正確に検出され得る。故に通電制御ユニット40は、電動モータ20の回転したフェイル時を正しく狙って、フェイルセーフモードMfsへと移行することができる。したがって、正確な実位相Prに基づくフェイルセーフモードMfsでの始動制御Scを実行して、内燃機関1を適正に始動させることが可能となる。
さらに加えて装置10によると、実位相Prを位相調整ユニット30に調整するために電動モータ20に対して実行される通電制御と、内燃機関1の噴射制御及び点火制御とが、エンジン制御としての始動制御Scに含まれる。故に、実位相Prが停止期間Tsにずれたとしても、通電制御ユニット40が移行するフェイルセーフモードMfsによれば、電動モータ20への通電制御だけでなく、内燃機関1の噴射制御及び点火制御も、実位相Prが算出されるまで待たれることとなる。これによれば、ずれた実位相Prに基づく噴射及び点火に起因して、例えばプレイグニッション及びノッキング等の不具合や、始動性の悪化を招来してしまう事態を、確実に回避することができる。したがって、内燃機関1を適正に始動させることの信頼性につき、高めることが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、当該説明の実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に変形例1では、ノーマルモードMnにおいても、フェイルセーフモードMfsと同様に実位相Prの算出を待ってから、始動制御Scを開始してもよい。変形例2では、噴射制御及び点火制御のうち少なくとも一方がエンジン制御としての始動制御Scに含まれていなくてもよい。変形例3では、図7,8に示すように、クランキング期間Tcrが終了する(図7,8のtp)まで始動制御Scを継続させて、当該終了タイミングから通常のエンジン制御を実行させてもよい。
変形例4では、図9に示すように、始動フローのS101を実行しなくてもよい。変形例5では、回転検出ユニット50がモータ軸24の回転を検出すると、それに応じて一時的に起動される制御回路45のメモリ47に検出フラグFdが記憶されてもよい。ここで変形例5の場合に制御回路45は、検出フラグFdの記憶後には再度の停止によりスリープ状態となり、パワースイッチ7のオン操作に応じて起動されることで、検出フラグFdを自身のメモリ47から読み出すことになる。
変形例6では、回転検出ユニット50を電動モータ20の外部に設けてもよい。この場合、例えば電動モータ20の外部に配置される制御回路45に、回転検出ユニット50を内蔵させてもよい。変形例7では、駆動回路41及び制御回路45を一体に又は一纏まりの電気回路として、電動モータ20の内部又は外部に配置してもよい。ここで変形例7の場合には、駆動回路41及び制御回路45と一体に又は別体に、回転検出ユニット50を設けてもよい。
変形例8では、回転検出ユニット50により逆起電力以外の物理量を感知することで、モータ軸24の回転を検出してもよい。ここで変形例8の場合には、例えば停止期間Tsにおいても起動されて磁界の感知によりモータ軸24の回転を検出するモータセンサ28等を、回転検出ユニット50として活用してもよい。
変形例9では、内燃機関1と、それに組み合わされるモータジェネレータとを、パワースイッチ7のオンオフ操作により始動及び停止させるハイブリッド車両において、本発明を適用してもよい。変形例10では、ワースイッチ7のオンオフ操作だけでなく、制御回路45の指令により、少なくとも内燃機関1を始動及び停止させるアイドルストップ車両において、本発明を適用してもよい。ここで変形例10の場合には、クランキング期間Tcの特定タイミングから始動制御Scを開始することで本発明を適用可能なモードの他に、クランキングと同時に始動制御Scを開始するモードが、アイドルストップ車両の内燃機関1に設定されていてもよい。
以上の他に変形例11では、内燃機関1の動弁のうち排気弁のバルブタイミングを調整する電動バルブタイミング制御装置に、本発明を適用してもよい。
1 内燃機関、2 クランク軸、3 カム軸、5 クランク回転センサ、6 カム回転センサ、7 パワースイッチ、10 電動バルブタイミング制御装置、20 電動モータ、22 モータケース、24 モータ軸、30 位相調整ユニット、40 通電制御ユニット、41 駆動回路、45 制御回路、46 プロセッサ、47 メモリ、50 回転検出ユニット、52 回転記憶部、Fd 検出フラグ、Mfs フェイルセーフモード、Mn ノーマルモード、Pr 実位相、Pt 目標位相、Sc 始動制御、Tcr クランキング期間、Ts 停止期間、Vs 逆起電力、θca,θcr回転角

Claims (6)

  1. クランク軸(2)の回転を検出するクランク回転センサ(5)及びカム軸(3)の回転を検出するカム回転センサ(6)の設けられた内燃機関(1)において、前記クランク軸に対する前記カム軸の回転位相(Pr)に応じたバルブタイミングを、電動モータ(20)の回転を利用して制御する電動バルブタイミング制御装置(10)において、
    前記クランク回転センサ及び前記カム回転センサからの検出信号に基づき前記回転位相を算出することにより、当該算出の結果に応じて前記電動モータへの通電制御を実行する通電制御ユニット(40)であって、自身が起動される前記内燃機関のクランキング期間(Tcr)から、前記内燃機関を始動させるための始動制御(Sc)を実行する通電制御ユニットと、
    前記電動モータの回転に応じて前記回転位相を調整する位相調整ユニット(30)と、
    前記通電制御ユニットが停止する前記内燃機関の停止期間(Ts)に、前記電動モータの回転を検出する回転検出ユニット(50)とを、備え、
    前記回転検出ユニットは、前記停止期間に前記電動モータの回転を検出することにより、回転検出データ(Fd)を記憶する回転記憶部(52)を、有し、
    前記通電制御ユニットは、前記回転検出ユニットにより前記電動モータの回転が前記停止期間に検出されたか否かを、前記回転記憶部での前記回転検出データの記憶状況に基づき判定し、前記回転検出ユニットにより前記電動モータの回転が検出された前記停止期間後の前記クランキング期間にフェイルセーフモード(Mfs)へ移行することにより、前記回転位相を算出してから、当該算出の前記回転位相に基づき前記始動制御を開始することを特徴とする電動バルブタイミング制御装置。
  2. クランク軸(2)の回転を検出するクランク回転センサ(5)及びカム軸(3)の回転を検出するカム回転センサ(6)の設けられた内燃機関(1)において、前記クランク軸に対する前記カム軸の回転位相(Pr)に応じたバルブタイミングを、電動モータ(20)の回転を利用して制御する電動バルブタイミング制御装置(10)において、
    前記クランク回転センサ及び前記カム回転センサからの検出信号に基づき前記回転位相を算出することにより、当該算出の結果に応じて前記電動モータへの通電制御を実行する通電制御ユニット(40)であって、自身が起動される前記内燃機関のクランキング期間(Tcr)から、前記内燃機関を始動させるための始動制御(Sc)を実行する通電制御ユニットと、
    前記電動モータの回転に応じて前記回転位相を調整する位相調整ユニット(30)と、
    前記通電制御ユニットが停止する前記内燃機関の停止期間(Ts)に、前記電動モータの回転を検出する回転検出ユニット(50)とを、備え、
    前記回転検出ユニットにより前記電動モータの回転が検出された前記停止期間後の前記クランキング期間にフェイルセーフモード(Mfs)へ移行することにより、前記回転位相を算出してから、当該算出の前記回転位相に基づき前記始動制御を開始する前記通電制御ユニットは、前記停止期間における回転検出の結果(Fd)を前記回転検出ユニットとの間の通信により取得し、当該通信に異常が発生した場合の前記クランキング期間に前記フェイルセーフモードへ移行することを特徴とする電動バルブタイミング制御装置。
  3. クランク軸(2)の回転を検出するクランク回転センサ(5)及びカム軸(3)の回転を検出するカム回転センサ(6)の設けられた内燃機関(1)において、前記クランク軸に対する前記カム軸の回転位相(Pr)に応じたバルブタイミングを、電動モータ(20)の回転を利用して制御する電動バルブタイミング制御装置(10)において、
    前記クランク回転センサ及び前記カム回転センサからの検出信号に基づき前記回転位相を算出することにより、当該算出の結果に応じて前記電動モータへの通電制御を実行する通電制御ユニット(40)であって、自身が起動される前記内燃機関のクランキング期間(Tcr)から、前記内燃機関を始動させるための始動制御(Sc)を実行する通電制御ユニットと、
    前記電動モータの回転に応じて前記回転位相を調整する位相調整ユニット(30)と、
    前記通電制御ユニットが停止する前記内燃機関の停止期間(Ts)に、前記電動モータの回転を検出する回転検出ユニット(50)とを、備え、
    前記回転検出ユニットは、前記停止期間に前記電動モータに発生する逆起電力(Vs)に基づき前記電動モータの回転を検出し、
    前記通電制御ユニットは、前記回転検出ユニットにより前記電動モータの回転が検出された前記停止期間後の前記クランキング期間にフェイルセーフモード(Mfs)へ移行することにより、前記回転位相を算出してから、当該算出の前記回転位相に基づき前記始動制御を開始することを特徴とする電動バルブタイミング制御装置。
  4. 前記回転検出ユニットは、前記電動モータと一体に設けられることを特徴とする請求項に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  5. 前記通電制御ユニットは、
    前記内燃機関が停止するのに伴って前記回転位相を記憶する位相記憶部(47)を、有し、
    前記回転検出ユニットにより前記電動モータの回転が検出されていない前記停止期間後の前記クランキング期間にノーマルモード(Mn)へ移行することにより、前記位相記憶部に記憶された前記回転位相に基づき前記始動制御を開始する一方、
    前記回転検出ユニットにより前記電動モータの回転が検出された前記停止期間後の前記クランキング期間に前記フェイルセーフモードへ移行することにより、前記回転位相を算出してから、当該算出の前記回転位相に基づき前記始動制御を開始することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動バルブタイミング制御装置。
  6. 前記始動制御は、前記回転位相を前記位相調整ユニットに調整させるために前記電動モータに対して実行される前記通電制御と、前記内燃機関の噴射制御及び点火制御とを、含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の電動バルブタイミング制御装置。
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