JP2014227983A - 可変バルブタイミング機構の制御装置 - Google Patents
可変バルブタイミング機構の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014227983A JP2014227983A JP2013110908A JP2013110908A JP2014227983A JP 2014227983 A JP2014227983 A JP 2014227983A JP 2013110908 A JP2013110908 A JP 2013110908A JP 2013110908 A JP2013110908 A JP 2013110908A JP 2014227983 A JP2014227983 A JP 2014227983A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phase angle
- stopper
- range
- valve timing
- tab
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
Abstract
【解決手段】可変バルブタイミング機構の制御装置は、相対回転位相角が可変範囲に内包される所定位相角範囲から外れたときに、機関運転状態に応じた目標位相角TAに対して遅れて追従変化するソフトランディング用目標値SLTAを設定し(S502→S504)、この目標値SLTAに向けて実際の回転位相角RAを近づけるように、可変バルブタイミング機構を制御する。これにより、実際の回転位相角RAが目標位相角TAを超えて変化するオーバーシュートを小さくし、ストッパ衝突を抑制できるので、相対的に制御範囲を広く設定できる。
【選択図】図6
Description
ここで、オーバーシュート分を見込んで相対回転位相角の制御範囲を狭め、係る制御範囲内で指令値(目標値)を変化させればストッパ衝突を抑制できるものの、可動範囲に対する制御範囲が過剰に狭くなってしまい、バルブタイミングの変更による内燃機関の性能向上を十分に得られなくなってしまうという問題が生じる。
図1は、本発明に係る可変バルブタイミング機構の制御装置を適用する車両用内燃機関の一例を示す図である。
内燃機関101の吸気ダクト102には、内燃機関101の吸入空気流量QAを検出する吸入空気量センサ103を設けてある。
尚、内燃機関101を、燃料噴射弁106が燃焼室104内に直接燃料を噴射する筒内直接噴射式内燃機関とすることができる。
また、排気バルブ110は、燃焼室104の排気口を開閉し、排気バルブ110が開くことで排ガスが排気管111に排出される。
吸気バルブ105は、クランクシャフト109によって回転駆動される吸気カムシャフト115aの回転に伴って開動作し、排気バルブ110は、クランクシャフト109によって回転駆動される排気カムシャフト115bの回転に伴って開動作する。
また、点火プラグ107それぞれには、点火プラグ107に対して点火エネルギを供給する点火モジュール116が直付けされている。点火モジュール116は、点火コイル及び点火コイルへの通電を制御するパワートランジスタを備えている。
なお、可変バルブタイミング機構114の構造は、図2〜図4に例示したものに限定されるものではなく、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相角を変化させる公知の可変バルブタイミング機構を適宜採用することができ、また、排気バルブ110のバルブタイミングを可変とする可変バルブタイミング機構とすることができる。
また、タイミングスプロケット1は、スプロケット本体1aの内周側に形成された円形溝1cと吸気カムシャフト115aの前端部に一体に設けられたフランジ部2aの外周との間に介装された第3ボールベアリング43によって吸気カムシャフト115aに回転自在に支持されている。
スプロケット本体1aの前端部には、環状突起1eの内周側に同軸に位置決めされ、内周に波形状の噛み合い部である内歯19aが形成された環状部材19と、円環状のプレート6がボルト7によって軸方向から共締め固定されている。
また、スプロケット本体1aの内周面の一部には、図4に示すように、円弧状の係合部であるストッパ凸部1dが周方向に沿って所定長さ範囲まで形成されている。
ハウジング5は、鉄系金属によって一体に形成されてヨークとして機能し、前端側に円環プレート状の保持部5aを一体に有していると共に、保持部5aを含めた外周側全体がカバー部材3によって所定の隙間をもって覆われた形で配置されている。
また、吸気カムシャフト115aのフランジ部2aには、図4に示すように、スプロケット本体1aのストッパ凸部1dが係入する係止部であるストッパ凹溝2bが円周方向に沿って形成されている。
従動部材9は、鉄系金属材によって一体に形成され、図3に示すように、前端側に形成された円板部9aと、後端側に一体に形成された円筒状の円筒部9bとから構成されている。
また、円板部9aの外周部には、複数のローラ34を保持する保持器41が一体に設けられている。
円筒部9bは、中央にカムボルト10の軸部10bが挿通される挿通孔9dが貫通形成されていると共に、外周側に第1ニードルベアリング30が設けられている。
カバー本体3aは、位相変更機構4の前端側を覆う、つまりハウジング5の軸方向の保持部5bから後端部側のほぼ全体を、所定隙間をもって覆うように配置されている。一方、ブラケット3bには、ほぼ円環状に形成されて6つのボス部にそれぞれボルト挿通孔3fが貫通形成されている。
さらに、カバー部材3の上端部には、内部にスリップリング48a、48bと導電部材を介して接続されたコネクタ端子49aが固定されたコネクタ部49が設けられている。なお、前記コネクタ端子49aには、電子制御装置201を介して図外のバッテリー電源から通電あるいは通電が遮断されるようになっている。
この第1オイルシール50は、横断面ほぼコ字形状に形成されて、合成ゴムの基材の内部に芯金が埋設されていると共に、外周側の円環状基部50aがカバー部材3a後端部の内周面に形成された円形溝3d内に嵌着固定されている。
また、円環状基部50aの内周側には、ハウジング5の外周面に当接するシール面50bが一体に形成されている。
電動モータ12は、例えば、ブラシ付きのDCモータであって、タイミングスプロケット1と一体に回転するヨークであるハウジング5と、ハウジング5の内部に回転自在に設けられた出力軸であるモータ軸13と、ハウジング5の内周面に固定された半円弧状の一対の永久磁石14,15と、ハウジング保持部5aの内底面側に固定された固定子16と、を備えている。
また、モータ軸13の前端部外周には、コミュテータ20が圧入固定されており、このコミュテータ20には、鉄心ロータ17の極数と同数に分割された各セグメントに電磁コイル18が接続されている。
また、モータ軸13の吸気カムシャフト115a側の後端部には、減速機8の一部を構成する円筒状の偏心軸部30が一体に設けられている。
減速機8は、偏心回転運動を行う偏心軸部30と、偏心軸部30の外周に設けられた第2軸受である第2ボールベアリング33と、第2ボールベアリング33の外周に設けられたローラ34と、ローラ34を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する保持器41と、保持器41と一体の従動部材9と、から主として構成されている。
第2ボールベアリング33は、大径状に形成されて、第1ニードルベアリング28の径方向位置で全体がほぼオーバラップする状態に配置され、内輪33aが偏心軸部30の外周面に圧入固定されていると共に、外輪33bの外周面にはローラ34が常時当接している。
各ローラ34は、第2ボールベアリング33の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ環状部材19の内歯19aに嵌入すると共に、保持器41の突起部41aによって周方向にガイドされつつ径方向に揺動運動させるようになっている。
潤滑油供給手段は、シリンダヘッドの軸受44の内部に形成されて、図外のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される油供給通路44aと、吸気カムシャフト115aの内部軸方向に形成されて、油供給通路44aにグルーブ溝を介して連通した油供給孔48と、従動部材9の内部軸方向に貫通形成されて、一端が油供給孔48に開口し、他端が第1ニードルベアリング28と第2ボールベアリング33の付近に開口した小径なオイル供給孔45と、同じく従動部材9に貫通形成された大径な3つの図外のオイル排出孔と、から構成されている。
一方、環状部材19の回転力が、ローラ34から保持器41及び従動部材9を経由して吸気カムシャフト115aに伝達される。これによって、吸気カムシャフト115aのカムが吸気バルブ105を開閉作動させる。
すなわち、モータ軸13の回転に伴い偏心軸部30が偏心回転すると、各ローラ34がモータ軸13の1回転毎に保持器41の突起部41aに径方向へガイドされながら環状部材19の1つの内歯19aを乗り越えて隣接する他の内歯19aに転動しながら移動し、これを順次繰り返しながら円周方向へ転接する。
これにより、吸気カムシャフト115aがタイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相角が変換されて、吸気バルブ105の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御するのである。
すなわち、従動部材9が、偏心軸部30の偏心回動に伴ってタイミングスプロケット1の回転方向と同方向に回転することによって、ストッパ凸部1dの一側面がストッパ凹溝2bの一方側の対向面1cに当接してそれ以上の同方向の回転が規制される。これにより、吸気カムシャフト115aは、タイミングスプロケット1に対する相対回転位相角が進角側へ最大に変更される。
前述のように、電子制御装置201は、可変バルブタイミング機構114の電動モータ(電動アクチュエータ)12の通電制御を介してクランクシャフト109に対する吸気カムシャフト115aの相対回転位相角を制御する。
そして、電子制御装置201は、目標位相角TAに実際の相対回転位相角RAが近づくように、例えば、目標位相角TAと実際の相対回転位相角RAとの偏差に基づく比例積分制御などによって電動モータ12の通電をフィードバック制御する。
そこで、電子制御装置201は、相対回転位相角の制御において、ストッパ凸部1dとストッパ凹溝2bとで構成される機械的ストッパによる可変範囲VAAに内包される制御範囲CAA内の位相角となるように目標位相角TAを制限し、ストッパを当接させることになる目標位相角TAが設定されないようにする。
そして、電子制御装置201は、内燃機関101の運転状態に応じて設定した目標位相角TAが進角側制御リミッタACLよりも進角側である場合に進角側制御リミッタACLの位相角を目標位相角TAとし、内燃機関101の運転状態に応じて設定した目標位相角TAが遅角側制御リミッタRCLよりも遅角側である場合に遅角側制御リミッタRCLの位相角を目標位相角TAとして、目標位相角TAを制御範囲CAA内に制限する。
更に、電子制御装置201は、制御範囲CAAに内包される高応答制御範囲HRAを外れる領域では、高応答制御範囲HRA内である場合に比べて、目標位相角TAに向けての実位相角RAの変化の応答速度を低下させる制御(以下、ソフトランディング制御という)を行う。
ここで、ストッパによる最大進角位置ALとストッパによる最大遅角位置RLとで挟まれる範囲が相対回転位相角の可変範囲VAAであり、ストッパによる最大進角位置ALよりも所定位相角ΔPAL1だけ遅角側の角度位置を進角側制御リミッタACLとし、ストッパによる最大遅角位置RLよりも所定位相角ΔPRL1だけ進角側の角度位置を遅角側制御リミッタRCLとする。
所定位相角ΔPAL1、ΔPRL1は、可変バルブタイミング機構114のばらつきや実位相角RAの検出ばらつき、更に、カムトルクによる実位相角RAの周期的な変動などがあっても、ストッパ当接の発生を抑制できる値として予め適合される。つまり、制御範囲CAA内の目標位相角TAに実位相角RAを収束させたときに、種々のばらつきやカムトルクによる実位相角RAの周期的な変動があってもストッパ当接が発生しないようにストッパ位置と制御リミッタACL、RCLとの間に設ける余裕代が所定位相角ΔPAL1、ΔPRL1である。
そこで、電子制御装置201は、制御範囲CAAを規定する進角側制御リミッタACLよりも所定位相角ΔPAL2だけ遅角側の角度位置を高応答進角限界位置HRALと定め、また、制御範囲CAAを規定する遅角側制御リミッタRCLよりも所定位相角ΔPRL2だけ進角側の角度位置を高応答遅角限界位置HRRLと定める。
つまり、可変範囲VAAの中央領域である機械的ストッパから離れた位相角では、実位相角RAを十分に速い応答速度で目標位相角TAに近づけ、機械的ストッパに近い位相角になると、実位相角RAが目標位相角TAに近づく応答速度をより遅くすることで、実位相角RAが目標位相角TAを超えて変化するオーバーシュートを抑制し、実位相角RAが進角側制御リミッタACLより進角側に変化し、また、実位相角RAが遅角側制御リミッタRCLよりも遅角側に変化することを抑制し、もって、ストッパ衝突によるストッパの損傷を抑制する。
ここで、制御範囲CAAをより狭くすれば、ソフトランディング制御を実施せずにオーバーシュートによるストッパ衝突の発生を抑制できるものの、実位相角RAが変化する範囲(目標位相角TAの設定範囲)が狭められることで、バルブタイミングの変更による内燃機関101の性能向上を十分に得られなくなってしまう。
例えば、制御範囲CAAを進角側に拡大することで、吸気バルブ105の早開きによって吸気応答の向上を図ることができ、発進加速時における進角制御によって発進加速性能を向上させることができる。また、制御範囲CAAを遅角側に拡大することで、低速一定走行時や減速時に吸気バルブ105の遅閉じにより燃費性能を向上させることができる。
図6のフローチャートは、電子制御装置201による目標位相角TAの設定処理を示し、図6のフローチャートに示すルーチンは、電子制御装置201によって所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。
電子制御装置201は、ステップS501にて、内燃機関101の運転状態に基づいて目標位相角TAの基本値TABを設定する。この基本値TABは、制御範囲CAA内の値である。つまり、位相角を最遅角位置(RL又はRCL)からの進角角度で表す場合、RCL<TAB<ACLである。
ここで、基本値TABが高応答制御範囲HRAの領域内の位相角である場合(HRRL<TAB<HRALが成立する場合)、電子制御装置201は、ステップS503にて、基本値TABをそのまま最終的な目標位相角TAに設定する。これにより、電子制御装置201は、基本値TABに実位相角RAを近づけるように可変バルブタイミング機構114(電動モータ12)を制御することになる。
ソフトランディング用目標値SLTAは、基本値TABが高応答制御範囲HRAの領域内である場合に比べて実位相角RAの基本値TABへの応答速度を低下させるための目標位相角であり、電子制御装置201は、ステップS505にて、ソフトランディング用目標値SLTAを最終的な目標位相角TAに設定する。
そして、電子制御装置201は、ステップS506にて、最終的な目標位相角TAの出力を行い、最終的な目標位相角TAと実位相角RAとに基づく可変バルブタイミング機構114(電動モータ12)の制御を実施する。
つまり、制御範囲CAAのうちストッパに近い両端の領域では、実位相角RAの応答速度が遅くなって制御範囲CAAを逸脱するオーバーシュートが抑制されるから、応答速度を遅くしない場合に比べて制御範囲CAAを広くしつつストッパ衝突を抑制することができる。
図7(A)は、ソフトランディング用目標値SLTAを、切り替え前の基本値TABと切り替え後の基本値TABとの中間値である初期値INA1から一定の速度ΔA1で切り替え後の基本値TAB(進角側制御リミッタACL又は遅角側制御リミッタRCL)にまで徐々に変化させる例である。
なお、速度ΔAは、単位時間当たりの位相角(進角角度)の変化量であり、応答速度の低下度合を示す指標値である。即ち、速度ΔAが速いほど応答速度の低下度合は小さく、速度ΔAが遅いほど応答速度の低下度合は大きいことになる。
更に、図7(D)は、ソフトランディング用目標値SLTAを、切り替え前の基本値TABから切り替え後の基本値TAB(進角側制御リミッタACL又は遅角側制御リミッタRCL)にまで徐々に変化させるときの変化速度を、ソフトランディング用目標値SLTAが切り替え後の基本値TABに近づくに従ってより遅くする例である。
しかし、図7(B)の特性では、切り替え後の基本値TABに向けて徐々に変化させ始めるときの位相角が切り替え後の基本値TABに近いため、切り替え後の基本値TABを超えて実位相角RAが変化するオーバーシュートを抑制するためには、ソフトランディング用目標値SLTAの変化速度ΔAを図7(A)の場合(初期値INAがストッパからより離れている場合)に比べてより遅くする必要が生じ、切り替え後の基本値TABに実位相角RAが到達する時間が長くなる。
従って、図7(A),(B)のように、初期値INAから一定速度でソフトランディング用目標値SLTAを基本値TABに近づける場合には、応答速度が低下する位相角領域を過剰に広くすることなく、しかも、基本値TAB(目標回転位相TA)に対する収束時間が過剰に長くならないように、初期値INA及び変化速度ΔAを設定する。
このため、図7(B)の特性に比べて、実位相角RAが基本値TABに到達する時間を短くしつつ、ストッパ衝突の発生を十分に抑制でき、また、図7(A)に比べて応答速度を低下させる領域を小さくできる。
また、図7(D)に示した、ソフトランディング用目標値SLTAの変化特性においては、基本値TABが切り替わった直後は、実位相角RAを応答良く変化させつつ、基本値TABに近づくほど応答速度を遅らせる特性を、高い自由度で設定することができ、基本値TABに対する応答性と、オーバーシュートの抑制とを高い次元で両立させることができる。
また、図7(C)に示した特性では、所定時間Δtが経過した時点から一定速度でソフトランディング用目標値SLTAを切り替え後の基本値TABに近づけるが、切り替え後の基本値TABに近づくほどより変化速度ΔAを遅くすることができる。
図8のフローチャートは、図7(A)〜(C)に例示したように、切り替え前の基本値TABと切り替え後の基本値TABとの中間値である初期値INAを設定し、この初期値INAまでソフトランディング用目標値SLTAをステップ的に変化させた後、ソフトランディング用目標値SLTAを切り替え後の基本値TABに向けて一定の変化速度ΔAで徐々に近づける処理において、初期値INA及び/又は変化速度ΔAを、基本値TABの変化量と実位相角RAの変化速度ΔRAとの少なくとも一方に応じて可変とする処理の一例を示す。
次いで、電子制御装置201は、ステップS602にて、基本値TABが高応答制御範囲HRAの領域内であるか領域外であるかを検出する。
一方、基本値TABが高応答制御範囲HRAの領域外の位相角である場合、電子制御装置201は、ステップS604にて、ソフトランディング制御の開始位相角(初期値INA)とソフトランディング用目標値SLTAの変化速度ΔAとの少なくとも一方を可変に設定する処理を行う。
基本値TABの変化量ΔTABとは、切り替え前の基本値TABと切り替え後の基本値TABとの偏差の絶対値である。この変化量ΔTABが大きい場合には、実位相角RAを大きく動かす必要があって制御偏差(エラー)の初期値が大きく、制御偏差に基づき可変バルブタイミング機構114(電動モータ12)を制御したときにオーバーシュートが発生し易くなる。
逆に、基本値TABの変化量ΔTABが小さい場合には、制御偏差(エラー)の初期値が小さく、制御偏差に基づき可変バルブタイミング機構114(電動モータ12)を制御したときにオーバーシュートが発生し難いので、図9に例示するように、電子制御装置201は、変化量ΔTABが大きい場合に比べてストッパ位置により近い位相角を初期値INAに設定し、ストッパ位置に近い位相角からソフトランディング制御を開始させる。
上記のように、基本値TABの変化量ΔTABに応じて初期値INAと変化速度ΔAとの少なくとも一方を変化させれば、オーバーシュートによるストッパ衝突の発生を抑制しつつ、可及的に速い応答でソフトランディング用目標値SLTA(実位相角RA)を基本値TABに追従変化させることができる。
この実位相角RAの変化速度(応答速度)ΔRAが速い場合には、基本値TABの変化量ΔTABが同じであっても、遅い場合に比べてオーバーシュートが発生し易くなる。
例えば、切り替え後の基本値TABが同じ進角側制御リミッタACLである場合であっても、基本値TABが進角側制御リミッタACLに切り替わったときの実位相角RAの変化速度ΔRAが速いほど、進角側制御リミッタACLからより遅角側の位置を初期値INAに設定し、ソフトランディング用目標値SLTAを初期値INAまでステップ的に変化させた後、ソフトランディング用目標値SLTAを初期値INAから徐々に基本値TABまで変化させる。
上記のように、実位相角RAの変化速度ΔRAに応じて初期値INAと変化速度ΔAとの少なくとも一方を変化させれば、オーバーシュートによるストッパ衝突の発生を抑制しつつ、可及的に速い応答でソフトランディング用目標値SLTA(実位相角RA)を基本値TABに追従変化させることができる。
また、基本値TABの変化量ΔTABと実位相角RAの変化速度ΔRAとの双方に基づき、ソフトランディング用目標値SLTAの変化速度ΔAを可変に設定する場合には、基本値TABの変化量ΔTABが小さくかつ実位相角RAの変化速度ΔRAが遅い場合に変化速度ΔAを最も速くし、基本値TABの変化量ΔTABが大きくかつ実位相角RAの変化速度ΔRAが速い場合に変化速度ΔAを最も遅くすることになる。
そして、電子制御装置201は、ステップS607にて、最終的な目標位相角TAの出力を行い、最終的な目標位相角TAと実位相角RAとに基づく可変バルブタイミング機構114(電動モータ12)の制御を実施する。
即ち、基本値TABの変化量ΔTABが大きい場合、及び、実位相角RAの変化速度ΔRAが速い場合には、所定時間Δtを長くして初期値INAへの収束を図り、基本値TABの変化量ΔTABが小さい場合、及び、実位相角RAの変化速度ΔRAが遅い場合には、所定時間Δtを短くして基本値TABへの収束応答性の低下を抑制する。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、応答速度を低下させる場合には、低下させない場合に比べて電動モータ12の駆動電圧をより低く制限することで、相対回転位相角の応答速度を低下させることができ、駆動電圧の増大を制限する手段としては、目標位相角TAと実位相角RAとの偏差に応じて可変バルブタイミング機構114(電動モータ12)の駆動電圧を制御するときの制御ゲインを低下させる手段や、電動モータ12の駆動電圧の指示値を低下させる手段などを採用できる。
また、初期値INA、変化速度ΔAの可変設定処理として、高応答制御範囲HRAを外れた領域に設定された基本値TABがストッパ位置に近いほど(換言すれば、基本値TABと最大進角位置AL或いは最大遅角位置RLとの偏差が小さいほど)、初期値INAとストッパ位置の間隔を広げ、及び/又は、変化速度ΔAを遅くすることで、応答性の低下を抑制しつつオーバーシュートによるストッパ衝突を抑制できる。
また、実位相角RAの加速度に基づきソフトランディング用目標値SLTAの変化特性を変更することができ、ストッパ位置に近づく速度の増大率が大きいほど、初期値INAをストッパ位置から離れた位置にし、また、変化速度ΔAを遅くすることができる。
(イ)
前記内燃機関の運転状態に応じた目標位相角に遅れて追従するソフトランディング用目標値を設定し、前記ソフトランディング用目標値に応じて可変バルブタイミング機構を制御して前記相対回転位相角の応答速度を低下させる、請求項1から3のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
上記発明によると、ソフトランディング用目標値は、内燃機関の運転状態に応じた目標位相角に遅れて変化するので、前記目標位相角に応じて可変バルブタイミング機構を制御する場合に比べて、相対回転位相角の応答速度が低下し、オーバーシュートが抑制されることになる。
前記目標位相角が前記所定位相角範囲から外れたときに、前記ソフトランディング用目標値を初期値から前記目標位相角に向けて徐々に近づける、請求項(イ)記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
上記発明によると、目標位相角が所定位相角範囲から外れ、ストッパ位置に近くなった場合には、ソフトランディング用目標値を初期値から目標位相角に向けて徐々に近づけ、係るソフトランディング用目標値に沿って実際の位相角を変化させることで、相対回転位相角の応答速度を低下させる。
前記初期値と前記ソフトランディング用目標値の変化速度との少なくとも一方を、前記目標位相角の変化量と実際の相対回転位相角の変化速度との少なくとも一方に応じて変更する、請求項(ロ)記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
そこで、目標位相角の変化量と実際の相対回転位相角の変化速度との少なくとも一方から、オーバーシュートの発生し易さを判定し、係るオーバーシュートの発生し易さに応じて初期値とソフトランディング用目標値の変化速度との少なくとも一方を変更することで、オーバーシュートによるストッパ衝突を抑制しつつ、目標位相角への到達(収束)が過剰に遅れることを抑制する。
前記可変バルブタイミング機構が、
クランクシャフトから回転力が伝達される駆動回転体と、
前記駆動回転体と一体的に回転し、ブラシを介して給電される電動モータと、
前記電動モータの出力軸が前記駆動回転体に対して相対的に回転することによって前記クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相角を変更する位相変更機構と、
前記カムシャフトの進角側及び遅角側の相対回転位置を規制するストッパと、
を含む、請求項1から3のいずれか1つに記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
上記発明によると、電動モータの出力軸の回転によって相対回転位相角を変更する、電動式の可変バルブタイミング機構において、ストッパ衝突を抑制しつつ相対回転位相角の制御範囲を拡大できる。
Claims (3)
- 内燃機関のクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相角をストッパで規制される可変範囲内で変更する可変バルブタイミング機構の制御装置であって、
前記相対回転位相角が前記可変範囲に内包される所定位相角範囲から外れたときに、前記所定位相角範囲内であるときに比べて前記相対回転位相角の応答速度を低下させる、可変バルブタイミング機構の制御装置。 - 前記所定位相角範囲から外れた範囲において前記ストッパで規制される位相角に近づく方向への前記相対回転位相角の応答速度を低下させる、請求項1記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
- 前記応答速度の低下を開始させる位相角と前記応答速度の低下度合との少なくとも一方を、前記相対回転位相角の変化状態に応じて変更する、請求項1又は2記載の可変バルブタイミング機構の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013110908A JP6027494B2 (ja) | 2013-05-27 | 2013-05-27 | 可変バルブタイミング機構の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013110908A JP6027494B2 (ja) | 2013-05-27 | 2013-05-27 | 可変バルブタイミング機構の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014227983A true JP2014227983A (ja) | 2014-12-08 |
JP6027494B2 JP6027494B2 (ja) | 2016-11-16 |
Family
ID=52128048
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013110908A Active JP6027494B2 (ja) | 2013-05-27 | 2013-05-27 | 可変バルブタイミング機構の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6027494B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107559094A (zh) * | 2017-08-25 | 2018-01-09 | 科力远混合动力技术有限公司 | 无离合器混合动力汽车发动机停机抖动控制方法 |
JP2019183765A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | アイシン精機株式会社 | 弁開閉時期制御機構の制御装置 |
JP2021110262A (ja) * | 2020-01-07 | 2021-08-02 | トヨタ自動車株式会社 | 電動可変動弁機構の制御装置 |
WO2022071023A1 (ja) * | 2020-10-01 | 2022-04-07 | 株式会社アイシン | 弁開閉時期制御装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002357135A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Nissan Motor Co Ltd | 可変バルブタイミング装置の制御装置 |
JP2004156461A (ja) * | 2002-11-05 | 2004-06-03 | Denso Corp | 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置 |
JP2013036391A (ja) * | 2011-08-08 | 2013-02-21 | Denso Corp | 電動バルブタイミング可変装置 |
-
2013
- 2013-05-27 JP JP2013110908A patent/JP6027494B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002357135A (ja) * | 2001-05-31 | 2002-12-13 | Nissan Motor Co Ltd | 可変バルブタイミング装置の制御装置 |
JP2004156461A (ja) * | 2002-11-05 | 2004-06-03 | Denso Corp | 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置 |
JP2013036391A (ja) * | 2011-08-08 | 2013-02-21 | Denso Corp | 電動バルブタイミング可変装置 |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107559094A (zh) * | 2017-08-25 | 2018-01-09 | 科力远混合动力技术有限公司 | 无离合器混合动力汽车发动机停机抖动控制方法 |
CN107559094B (zh) * | 2017-08-25 | 2019-10-01 | 科力远混合动力技术有限公司 | 无离合器混合动力汽车发动机停机抖动控制方法 |
JP2019183765A (ja) * | 2018-04-12 | 2019-10-24 | アイシン精機株式会社 | 弁開閉時期制御機構の制御装置 |
CN110374710A (zh) * | 2018-04-12 | 2019-10-25 | 爱信精机株式会社 | 阀正时控制机构的控制装置 |
JP7139667B2 (ja) | 2018-04-12 | 2022-09-21 | 株式会社アイシン | 弁開閉時期制御機構の制御装置 |
JP2021110262A (ja) * | 2020-01-07 | 2021-08-02 | トヨタ自動車株式会社 | 電動可変動弁機構の制御装置 |
JP7247900B2 (ja) | 2020-01-07 | 2023-03-29 | トヨタ自動車株式会社 | 電動可変動弁機構の制御装置 |
WO2022071023A1 (ja) * | 2020-10-01 | 2022-04-07 | 株式会社アイシン | 弁開閉時期制御装置 |
JP7375950B2 (ja) | 2020-10-01 | 2023-11-08 | 株式会社アイシン | 弁開閉時期制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6027494B2 (ja) | 2016-11-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5591204B2 (ja) | 可変バルブタイミング機構の制御装置 | |
JP5666922B2 (ja) | バルブタイミング制御装置のコントローラ及び内燃機関のバルブタイミング制御装置 | |
JP6266364B2 (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP5591202B2 (ja) | 可変バルブタイミング機構の制御装置 | |
JP6378112B2 (ja) | 回転検出異常診断装置及び方法とそれを用いた回転位置制御装置 | |
JP4267635B2 (ja) | 可変バルブタイミング装置 | |
JP6027494B2 (ja) | 可変バルブタイミング機構の制御装置 | |
JP4265608B2 (ja) | 可変動弁機構の制御装置 | |
JP7157634B2 (ja) | 可変バルブタイミング機構の制御装置及びその制御方法 | |
JP2007262950A (ja) | 可変バルブタイミング装置 | |
JP2007113440A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2018145874A (ja) | 内燃機関の制御装置及び制御方法 | |
JP5985319B2 (ja) | 可変動弁機構の制御装置 | |
JP6672393B2 (ja) | バルブタイミングの制御装置 | |
JP2018123806A (ja) | 内燃機関の制御装置及び内燃機関の可変機構の制御方法 | |
JP2007162479A (ja) | 内燃機関のバルブ特性制御装置 | |
WO2023058340A1 (ja) | モータの制御装置及びモータの制御方法 | |
CN112292513B (zh) | 可变阀正时机构的控制装置以及控制方法 | |
WO2020162308A1 (ja) | 可変バルブタイミング装置の制御装置及び制御方法 | |
JP6030625B2 (ja) | バルブタイミング制御装置の制御方法及び内燃機関のバルブタイミング制御装置 | |
JP2024054013A (ja) | 内燃機関の制御装置 | |
JP2022060759A (ja) | 可変バルブタイミング機構の制御装置及びその制御方法 | |
JP2004156511A (ja) | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160414 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160419 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160608 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160927 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161014 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6027494 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |