JP2013019410A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率が高く、性能の安定した信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】電動要素111と、圧縮要素109と、密閉容器101と、吸入管107と、を備え、圧縮要素109は、圧縮室135と、圧縮室135内に設けられているピストン121と、密閉容器101内と圧縮室135内とを連通する吸入マフラー151と、を備え、吸入マフラー151は、密閉容器101側の開口部159が吸入管107における密閉容器101側の開口107Aと対向するように配置され、開口部159近傍に設けられ、密閉容器101側へ延出するように形成され、吸入管107から吐出された冷媒ガスを捕集するように構成されているフード部160と、フード部160に固定され、該フード部160の捕集面積を大きくするように形成されている補助フード163と、を備えている、密閉型圧縮機。
【選択図】図3

Description

本発明は、家庭用電気冷凍冷蔵庫やショーケースなどに使用される密閉型圧縮機に関し、特に密閉型圧縮機の吸入マフラーに関するものである。
近年、地球環境保護に対する要求はますます強まっており、冷蔵庫又はその他の冷凍サイクル装置等においても、特に高効率化が強く要望されている。
従来、この種の密閉型圧縮機としては、密閉容器内外を連通する吸入管と圧縮機の吸入マフラーの吸入口とを、可撓性材料でできた補助フードで連通した構成(例えば、特許文献1参照)、あるいは対向させる構成(例えば、特許文献2参照)が知られている。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図18は、特許文献1に開示されている従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図19は、図18に示す密閉型圧縮機の横断面図、図20は、図18に示す密閉型圧縮機の要部拡大図である。
図18から図20に示すように、特許文献1に開示されている密閉型圧縮機は、密閉容器1の底部に冷凍機油3を貯留するとともに冷媒ガス5が充填され、圧縮機本体7がサスペンションスプリング9によって、密閉容器1に対して弾性的に支持されている。
圧縮機本体7は、電動要素11と、電動要素11の上方に配設される圧縮要素13を備え、電動要素11は、ステータ15及びロータ17を有している。
圧縮要素13は、ロータ17に固定される主軸21と偏心軸19を備えたクランクシャフト23と、圧縮室25を形成するシリンダ27を一体に形成したブロック29と、シリンダ27内を摺動可能なピストン31と、シリンダ27の端面を封止するバルブプレート33と、バルブプレート33に備えられた吸入孔(図示せず)を開閉する吸入バルブ(図示せず)と、偏心軸19とピストン31を連結する連結手段35を備えている。
また、シリンダ27の端面に取り付けられたバルブプレート33と、バルブプレート33を閉塞するシリンダヘッド37により、吸入マフラー39が狭持されて固定されている。
吸入マフラー39は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)等の樹脂で成型されて、消音空間を形成するマフラー本体41と、マフラー本体41に設けられた開口部43と、可撓性材料でできたフード45で構成されている。
フード45は、一端が開口部43に自身の弾性でのみで固定され、他端が密閉容器1に設けられた容器内外を連通する吸入管47における容器内の開口部を包囲するように密閉容器1の内壁面に弾性接触するように押圧されている。
図21は、特許文献2に開示されている密閉型圧縮機の要部拡大図である。
図21に示すように、吸入マフラー50は、PBT、PPS、又はLCP(液晶ポリマー)等の樹脂で成型されるとともに、消音空間を形成するマフラー本体55と、マフラー本体55に設けられた開口部51と、可撓性材料でできた吸入フード52を具備した構成となっている。
吸入フード52の一端は、開口部51に自身の弾性のみで固定され、他端は、密閉容器54に設けられた容器内外を連通する吸入管53における容器内の開口部と対向するように、密閉容器54の内壁面に空隙を設けて配置されている。
以上のように構成された従来の密閉型圧縮機について、その動作を以下に説明する。
まず、密閉型圧縮機は、ステータ15に電流を流して磁界を発生させ、主軸21に固定されたロータ17を回転させることで、クランクシャフト23が回転し、偏心軸19に回転自在に取り付けられた連結手段35を介して、ピストン31がシリンダ27内を往復運動する。
そして、このピストン31の往復運動により、冷媒ガス5の圧縮室25への吸入と圧縮および冷凍サイクル(図示せず)への吐出が繰り返される。
吸入工程において冷凍サイクル(図示せず)から供給された冷媒ガス5は、吸入管47からフード45を通り、吸入マフラー39を経て、吸入バルブ(図示せず)の開閉により圧縮室25と連通する吸入孔(図示せず)を介して、圧縮室25内へ導かれる。
ここで、吸入マフラー39は、間欠的な冷媒ガス5の吸入により発生する騒音を低減するとともに、熱伝導率の小さい樹脂で形成されることで、吸入マフラー39内を通過する冷媒ガス5の加熱を抑制する。
特表昭63−500878号公報 特開2010−084677号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された密閉型圧縮機の構成では、フード45と開口部43の嵌合部の線膨張係数が異なる材料で構成されているので、フード45の取り付け部(図示せず)と嵌合部に厳密な寸法精度が要求される。しかも、一般的には、フード45を構成する可撓性材料として、ゴムを使用するため、高温の環境下で冷媒ガス5及び冷凍機油3に常に曝されることで、ゴムが膨潤、又は変形し、初期形状を維持できず、嵌合が不安定となる課題を有していた。
また、別の固定構造として、フード45を、弾性をもつばね材などで開口部43に締付けるなどして固定することも容易に想到するが、部品点数が多くなり、また、作業性も大きく悪化するという課題を有していた。
さらに、図21に示す特許文献2に記載された密閉型圧縮機のフード52と開口部51との接続の構造は、吸入管53とフード52が、一定の距離を介しているため、吸入管53より液冷媒等が吐出された場合、直接吸入マフラー50内に吸入されることが防止される反面、フード52の面積が小さいため、吸入管53から吐出した冷媒ガスを効率よく吸入マフラー50へ吸入することができず、冷媒ガスの一部が、接続箇所において密閉容器54内に漏れ出るという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、効率が高く、性能の安定した信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、吸入マフラーの内部に連通する開口部に、吸入管から密閉容器内へ吐出される冷媒ガスを捕集するフード部を設け、前記フード部に、柔軟性を有する材料からなり、かつ前記フード部の捕集面積を拡大する補助フードを設けたものである。
かかることにより、吸入マフラーは、密閉容器内へ吐出される冷媒ガスを補助フードによって効果的に捕集し、吸入することができる。また、補助フードは、柔軟性を有する材料から形成されているため、密閉容器との衝突に伴い、破損することが抑制される。その結果、吸入マフラーのフード部と密閉容器の間隔を狭く維持することが可能となり、上述の密閉容器内へ吐出される冷媒ガスの捕集効果をより大きくして、圧縮機の効率を向上することができる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の密閉型圧縮機は、密閉容器内へ吐出される冷媒ガスを補助フードによって効果的に捕集し、吸入マフラーへ吸入することができるため、密閉型圧縮機の効率を高め、また性能を安定化させることができる。また、補助フードは、吸入マフラーのフード部の形状に沿って取り付けられるため、肉厚を比較的薄くでき、コンパクト化を損なうことがない。さらに、補助フードを、柔軟性を有する材料とすることにより、密閉容器との衝突に伴う補助フードの破損が抑制されるため、密閉容器と補助フードの間隔を小さく確保してより多くの冷媒ガスを吸入マフラー内へ吸入することができ、密閉型圧縮機の信頼性と性能を確保することができる。
また、本発明の密閉型圧縮機は、吸入マフラーの入口管の水平方向の最大長さ、及び鉛直方向の最大長さを設定することにより、入口管内を流れる冷媒の抵抗を低減しつつ、消音空間の大きさを確保することができる。また、本発明の密閉型圧縮機では、圧縮機の振動により、入口管の密閉容器側の開口端が鉛直方向に変化しても(移動しても)、入口管の密閉容器側の開口端は、吸入管の密閉型容器側の開口と近接し、かつ、対向した位置にあるので、比較的温度の低い冷媒ガスを効率よく圧縮室に供給することができる。さらに、本発明の密閉型圧縮機では、騒音の増大抑制と、圧縮室へのオイル流入量の低減が可能となり、高効率、かつ低騒音で安価な密閉型圧縮機を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図である。 図2は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の横断面図である。 図3は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の吸入マフラーの外側面(密閉容器側)から見た斜視図である。 図4は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の吸入マフラーの内側面(電動要素側)から見た分解斜視図である。 図5は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の横断面図である。 図6は、同実施の形態2における吸入マフラーの外側面(密閉容器側)からの斜視図である。 図7は、同実施の形態2における密閉型圧縮機の吸入マフラーの内側面(電動要素側)からの斜視図である。 図8は、同実施の形態2における密閉型圧縮機の吸入マフラーの内側面からの分解斜視図である。 図9は、本発明の実施の形態3における密閉型圧縮機の横断面図である。 図10は、同実施の形態3における吸入マフラーの外側面(密閉容器側)から見た斜視図である。 図11は、同実施の形態3における密閉型圧縮機の吸入マフラーの内側面(電動要素側)から見た斜視図である。 図12は、同実施の形態3における密閉型圧縮機の吸入マフラーの要部を分解した内側面からの斜視図である。 図13は、本発明の実施の形態4における密閉型圧縮機の横断面図である。 図14は、同実施の形態4における密閉型圧縮機の吸入マフラーの斜視図である。 図15は、本発明の実施の形態5における密閉型圧縮機の要部拡大断面図である。 図16は、同実施の形態5における吸入マフラーの要部拡大図である。 図17は、同実施の形態5における吸入マフラーの分解斜視図である。 図18は、特許文献1に開示されている従来の密閉型圧縮機の縦断面図である。 図19は、図18に示す密閉型圧縮機の横断面図である。 図20は、図18に示す密閉型圧縮機の要部拡大図である。 図21は、特許文献2に開示されている密閉型圧縮機の要部拡大図である。
本発明に係る密閉型圧縮機は、電動要素と、電動要素によって駆動される圧縮要素と、電動要素と圧縮要素が収容されている密閉容器と、密閉容器内外を連通するように設けられている吸入管と、を備え、圧縮要素は、圧縮室と、圧縮室内に設けられているピストンと、溶融可能な樹脂材料で形成され、密閉容器内と圧縮室のそれぞれに連通する吸入マフラーと、を備え、吸入マフラーは、密閉容器側の開口部が吸入管における密閉容器側の開口と対向するように配置され、開口部近傍に設けられ、密閉容器側へ延出するように形成され、吸入管から吐出された冷媒ガスを捕集するように構成されているフード部と、フード部に固定され、密閉容器側へさらに延出して、フード部の捕集面積を大きくするように形成され、柔軟性を有する材料で構成されている補助フードと、を備えている。
かかる構成とすることにより、吸入マフラーは、密閉容器内へ吐出される冷媒ガスを、補助フードによって効果的に捕集し、吸入することができる。また、補助フードは、柔軟性を有する材料から形成されているため、密閉容器との衝突に伴い、破損することが抑制される。その結果、吸入マフラーのフード部と密閉容器の間隔を狭く維持することが可能となり、上述の密閉容器内へ吐出される冷媒ガスの捕集効果をより大きくして、圧縮機の効率を向上することができる。
さらに、吸入マフラーは、開口部によって密閉容器内に開口しているため、吸入マフラー内で十分に減衰されなかった低周波数域の冷媒ガスの脈動成分を、開口部から密閉容器内へ逃がし、減衰することができる。その結果、冷却システムの配管振動を抑え、システム側の耐久性を高め、かつ騒音を低減することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、フード部にはピン状の第1突起部が設けられ、補助フードには、第1貫通孔が設けられ、フード部と補助フードは、第1突起部が第1貫通孔に貫通し、かつ、第1突起部の先端部が変形した状態で、互いに固定されていてもよい。
かかる構成とすることにより、補助フードの固定に際し、第1突起部の溶融で行うことができるため、部品点数が増加することもなく、安価に実施することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、吸入マフラーは、長辺と短辺からなる矩形の側壁を有し、該側壁には開口部が設けられ、フード部は、側壁に設けられ、延出方向から見て、円弧状に形成されていてもよい。
かかる構成とすることにより、補助フードも円弧状の形で密閉容器側へ延出するため、吸入管から吐出された冷媒ガスを円滑にフード部の開口部へ導くことができる。その結果、吸入管から開放された冷媒ガスのほとんどを密閉容器内に拡散させることなく圧縮室内に供給することができるため、吸入マフラーによる密閉容器内を流動する高温の冷媒ガスの吸入量を最小限に抑えることができる。したがって、密閉型圧縮機の効率の向上をはかることができ、また、性能を安定させることができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、貫通孔が設けられているバインダーをさらに備え、フード部、補助フード、及びバインダーは、フード部、補助フード、及びバインダーの順で積層され、第1突起部が第1貫通孔及びバインダーの貫通孔に貫通し、かつ、第1突起部の先端部が変形した状態で、互いに固定されていてもよい。
かかる構成とすることにより、補助フードとフード部の密着をより良好とし、かつ柔軟性を有する材料からなる補助フードの変形を抑制することができる。その結果、吸入管から吐出される冷媒ガスの圧力により、補助フードが変形して冷媒ガスの捕集効果が低下することもなく、捕集作用を安定させて密閉型圧縮機の性能を安定化させることができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、バインダーは、フード部の第1突起部と同一材料で構成されていてもよい。
かかることにより、補助フードとバインダーの固定を、第1突起部の溶融で行うことができる。しかも、バインダーと第1突起部を同一材料とすることにより、バインダーと第1突起部の固定をより確実なものとすることができ、密閉型圧縮機の性能維持のための信頼性を高めることができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、補助フードには、吸入管から吐出される冷媒ガスの圧力を受けるための押さえ部が設けられていてもよい。
かかる構成とすることにより、フード部と補助フード部の当接状態が悪化した場合であっても、冷媒ガスの圧力によって補助フード部の吸入マフラーからの浮き上がりを抑制することができる。したがって、補助フードの脱落を防止することができ、長期に亘って圧縮機の信頼性を維持することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、補助フードは、円弧状に形成されている円弧部を有し、押さえ部は、円弧部の両端を接続し、少なくともその一部が吸入マフラーの側壁と当接する接続部と、該接続部に設けられ、吸入マフラーの側壁と隣接する前側壁と当接する覆い部と、を有していてもよい。
かかる構成とすることにより、覆い部が吸入マフラーの前側壁に当接し、接続部と該接続部が当接する吸入マフラーの側壁との隙間の形成を抑制する。その結果、補助フードの接続部そのものの浮き上がりをさらに抑制することができる。したがって、補助フードの脱落防止と、浮き上がりに伴う密閉容器内の冷媒ガスの吸入の抑制をより確実に行うことができ、圧縮機の信頼性をさらに高めることができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、吸入マフラーにおける補助フードの覆い部と当接する前側壁に設けられているピン状の第2突起部をさらに備え、補助フードの覆い部には、第2突起部が嵌入する第2貫通孔が設けられていてもよい。
かかる構成とすることにより、補助フードにおける覆い部の吸入マフラーの前壁面からの離れ動作を抑制することができる。したがって、高温の冷媒ガス及び冷凍機油に常にさらされた環境下の補助フードが膨潤、又は変形しても、補助フードの吸入マフラーにおける壁面との隙間の発生をより確実に抑制し、また、補助フードのフード部からの脱落をより確実に防止する。その結果、圧縮機の効率を安定して維持することができる。
本発明に係る密閉型圧縮機では、吸入マフラーにおける補助フードの覆い部と当接する前側壁には、覆い部を収容するように構成された凹部が設けられていてもよい。
かかる構成とすることにより、凹部内に、覆い部を固定するピン状の突起部を設けることができる。したがって、突起部による補助フードの覆い部の固定を可能にすると共に、補助フードにおける吸入マフラーの壁面から突出する部位の面積を少なくすることができる。その結果、圧縮機の輸送時又は起動停止時に圧縮要素が揺動し、吸入マフラーの前壁部にあるピン状の突起が、密閉容器に接触するといった弊害を回避し、吸入マフラーの破損を防止することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、吸入管における密閉容器側の開口が、吸入マフラーのフード部の基端部と補助フード部の先端部との間に位置していてもよい。
かかる構成とすることにより、吸入管から開放された冷媒ガスのほとんどを密閉容器内により拡散させることなく、高温圧縮室内に供給することができるため、吸入マフラーによる密閉容器内を流動する高温の冷媒ガスの吸入量を最小限に抑えつつ、吸入管の開口部がより密閉容器内で最低温部に近接することで、冷媒ガスの昇温を最小限に抑えることができる。したがって、さらに密閉型圧縮機の効率の向上をはかることができ、また、性能を安定させることができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、フード部と補助フードは、延出方向に対して垂直な方向の断面形状が、互いに幾何学的に相似形であってもよい。
かかる構成により、フード部と補助フードとの接続部分において、密着性がより確保され補助フードの脱落抑制と、浮き上がりに伴う冷媒ガスの吸入抑制をより確実におこなうことができ、圧縮機の信頼性をさらに高めることができる。また、断面形状が相似形であることから、補助フードからフード部への冷媒ガスの流れが、急激な形状変化などに妨げられず、より効率よく冷媒ガスを吸入マフラー内へ導くことができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、吸入マフラーは、消音空間を形成する本体と、上流端が吸入マフラーにおける密閉容器側の開口部を形成し、下流端が消音空間に開口する入口管と、上流端が消音空間に開口し、下流端が圧縮室に連通し、その途中に消音空間内において屈曲部を有し、該屈曲部よりも上流側の部分が下方に傾斜する出口管と、消音空間の底部に設けられ、密閉容器内の空間に開口するオイル排出孔を備え、入口管は、上流端の開口における水平方向の長さが、吸入管の前記開口における水平方向の長さよりも短く、入口管の上流端の開口における鉛直方向の長さが、吸入管の開口における鉛直方向の長さよりも長くなるように、形成されていてもよい。
かかる構成とすることにより、出口管を消音空間内において開口端が下方に向くように傾斜させることができる。これにより、出口管の全長を確保しつつ、吸入マフラーの鉛直方向の寸法を小さくすることができるため、吸入マフラーの大きさを必要以上に大きくすることを抑制することができる。また、出口管における屈曲部よりも上流側部分が下方に傾斜していることにより、多量のオイル又は液冷媒等の比重の大きい液体が消音空間内に流入しても、自重によって下方へと落とすことができる。その結果、比重の大きい液体の圧縮室内への導入を抑制し、その導入に起因する密閉型圧縮機の冷凍能力の低下、あるいは騒音、振動の増大、さらには熱交換器の性能低下を抑制することができる。
また、入口管における密閉容器側の開口の鉛直方向の長さを、吸入管における開口の鉛直方向の長さよりも大きくなるようにして、入口管における密閉容器側の開口の断面積を確保しつつ、該入口管における密閉容器側の開口の水平方向の長さを、吸入管における開口の水平方向の長さよりも小さくすることで、吸入マフラーの大きさを必要以上に大きくすることを抑制しながら、入口管内を流れる冷媒ガスの流路抵抗を低減することができる。さらに、必要とされる圧縮機の効率によって、ステータの鋼板の積層枚数を変えても入口管の密閉容器側開口の鉛直方向に十分な長さがあるため、吸入管の位置を調整しなくても入口管と吸入管それぞれの開口端が近接し、かつ、対向する位置関係を維持することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、入口管は、該入口管の鉛直方向の長さが、消音空間における鉛直方向の長さの25〜50%の長さになるように形成されていてもよい。
かかる構成とすることにより、消音空間の大きさを確保することができ、入口管の断面積を大きくすることによって生じる入口管での圧力脈動や騒音の減衰力低下を、消音空間で十分カバーすることができる。その結果、安価に構成でき、また、高信頼性で高効率、かつ低騒音の密閉型圧縮機を提供することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、入口管は、本体と一体成型され、該入口管の流路が、屈曲部のない直線的な形状に形成されていてもよい。
かかる構成とすることにより、吸入マフラーの部品点数を減らせるため、組立性が向上し、また、入口管の流路が直線的に形成されているため、冷媒の入口管での流路抵抗を低減することができる。その結果、組立性が良く高効率な密閉型圧縮機を提供することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、入口管は、冷媒ガスの通流方向に対して垂直な方向の断面形状が、概ね長方形となるように形成されていてもよい。
かかる構成とすることにより、長方形の断面形状は、円形の断面形状に比べて、限られた消音空間の容積において断面積を大きく確保することができ、吸入マフラーの大型化を抑制することができる。
また、吸入管は、一般に銅や鉄等の金属で形成され、かつ円形となっている。このため、入口管の密閉容器側の開口部が鉛直方向にずれた状態で吸入管と入口管を対向させた場合、互いの開口部の対向する面積は急激に小さくなるが、概ね長方形にすることで、入口管の密閉容器側の開口部が鉛直方向にずれても、円形に比べ開口部が対向する面積は急激に変化しない。その結果、高効率で低騒音の密閉型圧縮機を提供することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、吸入マフラーのフード部は、延出方向から見て、吸入マフラーにおける密閉容器側の開口部の下側を含む、少なくとも三方に設けられ、かつ、開口部を囲むように設けられた壁部で形成されていて、下側の壁部が、吸入管における密閉容器側の開口の下端よりも下方に位置していてもよい。
吸入管から密閉容器内に開放された冷媒ガスは、密閉容器内に滞留している冷媒よりも温度が低いため、比重が大きく、下方へと流れやすい。また、圧縮要素の運転中は、ステータによってクランクシャフトが回転しているため、密閉容器内の冷媒ガスには、クランクシャフトの回転方向に流れが作用している。
したがって、吸入管から密閉容器内へ開放される低温の冷媒ガスは、密閉容器内でクランクシャフトの回転方向である水平方向又は下方に向かって流れていく。しかしながら、本発明に係る密閉型圧縮器では、吸入マフラーにおける密閉容器側の開口部の下側(すなわち、入口管の上流端の下側)を含む、少なくとも三方に壁部を設けて、かつ、下側の壁部を、吸入管における密閉容器側の開口の下端よりも下方に位置させている。このため、下方へ流れる比較的低温の冷媒ガスを、下側の壁部の上面(内面)で受け止め、より多くの冷媒ガスを入口管へと導くことができる。
また、他の壁部(上下方向に延びる壁部)は、吸入マフラーにおける密閉容器側の開口部周囲の水平方向の冷媒流れを阻害し、吸入マフラーにおける密閉容器側の開口部周辺からの拡散を抑制するため、比較的低温の冷媒ガスを効率よく入口管へと導くことができ、高効率な密閉型圧縮機を提供することができる。
また、本発明に係る密閉型圧縮機では、出口管は、該出口管における他端の開口方向が、入口管における他端の開口方向と同方向になるように形成されていてもよい。
かかる構成とすることにより、入口管から流入してきたオイルが、直接出口管の消音空間側の開口端から出口管内に入ることを抑制することができる。また、入口管から流入してきたオイルは、冷媒ガスとともに出口管の外壁面に衝突するが、出口管が下方に傾斜しているため、出口管の壁面に付着したオイルを出口管の壁面を伝わせて下端から滴下させ、出口管から流入することを抑制することができる。
さらに、出口管の消音空間内における開口端の周辺は、比較的低温の冷媒ガスが入口管から断続的に供給されるため、吸入マフラー内でも比較的低温のまま維持される。そのため、出口管からは吸入マフラー内の比較的冷たい冷媒ガスを選択的に吸入し、圧縮室へと導くことができる。また、出口管における消音空間側の開口端を、入口管における消音空間側の開口端の開口方向と同方向に開口させたことにより、出口管における消音空間側の開口端と入口管における消音空間側の開口端が対向しないため、圧縮動作をする際に発生する圧力脈動や、ピストンの往復運動に起因した摺動音等が冷媒ガスの流れと逆向きに伝播しても、消音空間を介して脈動や騒音を減衰させてから入口管へ伝播されることになり、直接的に入口管へ伝わることがない。したがって、密閉容器から放射される騒音を低減することができ、低騒音の密閉型圧縮機を提供することができる。
さらに、本発明に係る密閉型圧縮機では、フード部は、その内周面が、吸入マフラーにおける密閉容器側の開口部を介して、入口管となめらかに接続されていてもよい。
かかる構成により、吸入マフラー内に構成される入口管の形状はフード部の形状に制約を受けず、冷媒ガスの吸入効率及び消音効果を最大限にする最適形状を選択することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の横断面図、図3は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の吸入マフラーの外側面(密閉容器側)から見た斜視図、図4は、同実施の形態1における密閉型圧縮機の吸入マフラーの内側面(電動要素側)から見た分解斜視図である。
図1から図4に示すように、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機は、密閉容器101の内部に、冷凍機油103を貯留するとともに、冷媒ガス105が封入されている。冷媒ガスとしては、例えば地球温暖化係数の低い炭化水素系のR600a等が挙げられる。
また、密閉容器101は、鉄板の絞り成型によって形成されていて、該密閉容器101には、一端が密閉容器101内に連通し、他端が冷凍サイクル(図示せず)の低圧側に接続される吸入管107が設けられている。
さらに、密閉容器101内には、電動要素111と、この電動要素111によって駆動される圧縮要素109と、を備えた圧縮機本体113が、収納されている。圧縮機本体113は、サスペンションスプリング115によって、密閉容器101に対して弾性的に支持されている。
圧縮要素109は、クランクシャフト117、ブロック119、ピストン121、連結手段123等で構成されている。クランクシャフト117は、偏心軸125と、主軸127と、冷凍機油103に浸漬される主軸127の下端から偏心軸125の上端までを連通する給油機構(図示せず)と、を備えている。
電動要素111は、ブロック119の下方にボルト129によって固定されたステータ131と、ステータ131の内側においてステータ131と同軸上に配置され、かつ主軸127に焼き嵌めて、固定されたロータ133と、で構成されている。また、電動要素111は、インバータ駆動により複数の運転周波数で駆動される。
ブロック119には、圧縮室135を形成するシリンダ137が一体に形成されるとともに、主軸127を回転自在に軸支する軸受部139が設けられている。
また、シリンダ137の端面には、吸入孔141と吐出孔(図示せず)を備えたバルブプレート143と、吸入孔141を開閉する吸入バルブ145と、バルブプレート143を閉塞するシリンダヘッド147と、が、ともにヘッドボルト149によって押圧され、シリンダ137の端面を封止するように固定されている。この固定に伴い、バルブプレート143とシリンダヘッド147により、吸入マフラー151が把持されて固定されている。
ピストン121は、シリンダ137内に往復自在に挿入され、バルブプレート143とともに圧縮室135を形成し、連結手段123によって偏心軸125と連結されている。
吸入マフラー151は、主にガラス繊維を添加したPBT等の溶融可能な合成樹脂で成型されている。また、吸入マフラー151は、略矩形の側面に入口管153が設けられていて、上面に出口管155が設けられている。さらに、吸入マフラー151は、内部に消音空間157が形成されている。入口管153は、下流端が消音空間157に連通するとともに、上流端に密閉容器101内へ開口する開口部159を備えている。開口部159は、密閉容器101に設けられた吸入管107の開口端と対向して位置し、開口部159の近くには、密閉容器101の内壁側へ延出して吸入管107から吐出された冷媒ガスを捕集するフード部160が設けられている。
このフード部160は、小径と大径で形成される楕円の大径部を基調とした円弧状に形成されている。
より詳細には、フード部160は、開口部159が形成されている側壁158に設けられている。フード部160は、密閉容器101側へ延出するように(側壁158から冷媒ガスの通流方向に突出するように)形成されている。また、フード部160は、延出方向から見て、円弧状に形成されていて、開口部159を囲むように配置されている。また、フード部160には、円弧部(外周面)に二本のピン状の第1突起部165が一体に設けられている。
開口部159の断面の形状は矩形状で、上下方向が長手となるような長方形で形成されている。また、圧縮室135よりも下方側に開口部159が位置している。さらに、吸入マフラー151は、開口部159が、吐出マフラー122が配置されている圧縮室135と同等もしくは下方側に位置するように、設けられている。なお、圧縮室135で圧縮された高圧の冷媒は、図示されない吐出経路に吐出され、圧縮室135に対して高さ方向において、同程度もしくはより上方に位置する吐出マフラー122を介して圧縮機の外部へと吐出される。
なお、本実施の形態においては、開口部159は矩形状に形成されているが、フード部160の延出方向から見て、円形状(楕円形状を含む)であってもよい。同様に、入口管153における冷媒ガスの通流方向に対して垂直な断面の形状は、円形であってもよく、矩形状に形成されていてもよい。ここで、矩形状は、長方形又は正方形だけでなく、長方形又は正方形の角が丸められた形状を含む。
さらに、フード部160には、例えば、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、H−NBR(水素化ニトリルブタジエンゴム)、FKM(フッ化ビニリデン系ゴム)等のゴム材である可撓性材料で形成された板状の補助フード163が固定されている。この補助フード163は、フード部160の円弧形状と相似形の円弧部163aと、一定の面積を持って開口部159の周縁の一縁に密着し、円弧部163aの両端をつなぐ接続面163bを有している。また、円弧部163aには、フード部160に設けられた第1突起部165が貫通する第1貫通孔167を設けている。
補助フード163は、フード部160の第1突起部165が第1貫通孔167を貫通した状態で、第1突起部165の先端を溶融することにより、固定される。すなわち、第1突起部165の先端を溶融することにより、先端部は第1貫通孔167の開口面積よりも広い面積を持つフランジ状となり、補助フード163の移動とフード部160からの脱落を防止する。
また、補助フード163は、特に幅H方向において、フード部160に固定された状態において、フード部160より吸入管107に向かってはみだして突出するように幅寸法が設定されている(図4参照)。すなわち、補助フード163は、フード部160から密閉容器101側へさらに延出するように、円弧部163aの幅寸法が設計されている。これにより、冷媒ガスの捕集範囲は、フード部160の内周面だけでなく、円弧部163aの内周面にまで拡大される。このため、フード部160を単体で設ける形態に比して、冷媒ガスを捕集する面積を大きくすることができる。
この補助フード163は、吸入管107に向かって延設され、密閉容器101の内壁または吸入管107との間に、運転時において接触しない程度の僅かな空隙X(図2参照)を確保して配置されている。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
密閉型圧縮機は、ステータ131に電流を流して磁界を発生させ、主軸127に固定されたロータ133を回転させることで、クランクシャフト117が回転し、偏心軸125に回転自在に取り付けられた連結手段123を介して、ピストン121がシリンダ137内を往復運動する。そして、このピストン121の往復運動に伴い、冷媒ガス105は、吸入マフラー151を介して圧縮室135内へ吸入され、圧縮された後、吐出経路(図示せず)に吐出され、吐出マフラー122を介して冷凍サイクルへ吐出される。
吸入マフラー151は、入口管153と出口管155と消音空間157とで膨張型マフラーを構成しており、間欠的な冷媒ガス105の吸入により発生する騒音を低減する。
また、吸入マフラー151は、熱伝導率の小さい樹脂で形成されることで、吸入マフラー151内を通過する冷媒ガス105の温度が、電動要素111の発熱などの影響を受けて上昇することを低減し、密度の大きい冷媒ガス105を圧縮室135内に吸入させる。これにより、冷媒ガス105の質量流量が増加し、体積効率を向上させている。
次に、密閉型圧縮機の吸入工程について、より詳細に説明する。
ピストン121が、シリンダ137の容積を増加する方向に動作すると、圧縮室135内の冷媒ガス105が膨張し、圧縮室135内の圧力が吸入圧力を下回ると、圧縮室135内の圧力と吸入マフラー151内の圧力との差により、吸入バルブ145が開き始める。
そして、冷凍サイクルから戻った温度の低い冷媒ガス105は、吸入管107から密閉容器101内に一旦開放され、その直後に、補助フード163とフード部160で捕集され、側壁に設けられた開口部159から吸入マフラー151内に吸入される。そして、入口管153を経て、消音空間157に開放され、開放された冷媒ガス105は、出口管155を経て、圧縮室135内に流入する。
その後、ピストン121の動作が、下死点から圧縮室135内の容積が減少する方向に転じると、圧縮室135内の圧力は上昇し、圧縮室135内の圧力と吸入マフラー151内の圧力との差によって、吸入バルブ145は閉じる。
ここで、本実施の形態1の吸入マフラー151は、開口部159の周縁にフード部160を設け、このフード部160に、別体の可撓性材料で形成された補助フード163を備えている。その補助フード163は、フード部160に形成されたピン状の第1突起部165に、補助フード163の第1貫通孔167を通し、第1突起部165の頭部を熱溶融などの手段で変形させることにより、固定されている。かかる固定手段は、フード部160と補助フード163の取り付け部の寸法精度の要求を緩めることができる。
また、補助フード163は、図2に示すように、吸入管107に向かってフード部160よりも延出し、密閉容器101の内壁又は吸入管107との間に、運転時において接触しない程度の僅かな空隙Xを確保して配置されている。
したがって、かかる空隙Xを設けることにより、吸入マフラー151内で十分に減衰されずに開口部159から放射された低周波数域の冷媒ガス105の脈動成分を、その空隙Xから密閉容器101内へ逃がし、減衰することができる。その結果、冷却システムの配管振動を抑え、騒音を低減することができるとともに、開口部159と吸入管107とをより近接させることが可能となり、補助フード163とフード部160の捕集作用を併せて、吸入管107から開放された冷媒ガス105のほとんどを密閉容器101内に拡散させることなく、ほぼ直接的に圧縮室135内に供給することができる。さらに、空隙Xの確保により、密閉容器101内で流動する高温の冷媒ガス105の吸入マフラー151への混入を最小限に抑えることができ、効率の向上が図れるとともに、性能を安定させることができる。
また、補助フード163と密閉容器101との衝突が発生したとしても、補助フード163が可撓性材料から形成されているため、フード部160の破損に至る可能性が低く、密閉型圧縮機の信頼性を確保することができる。
このように入口管153の断面形状が、矩形状で、かつ、長方形の場合、長方形の長手方を垂直方向とすることで、本発明のような吸入管107が密閉容器の側面側に位置する構造においては、密閉容器101における垂直方向の空間を有効に活用することができる。
また、圧縮室135よりも下方側に、上下方向が長手方向となるように開口159が位置していることで、高温である圧縮室からの空気は上方側に放熱されるため、入口管153の付近が高温となることが避けられ、吸入冷媒の温度上昇を抑制することができる。
さらに、吸入マフラー151の開口部159は、吐出マフラー122が配置されている圧縮室135と同等もしくは上方側とは逆側の密閉容器の下方側に設けられているので、上記と同様に高温の吐出マフラー122からの空気は上方側に放熱されるため、入口管153の付近が高温になることが避けられ、吸入冷媒の温度上昇を抑制することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における密閉型圧縮機の横断面図、図6は、同実施の形態2における吸入マフラーの外側面(密閉容器側)からの斜視図、図7は、同実施の形態2における密閉型圧縮機の吸入マフラーの内側面(電動要素側)からの斜視図、図8は、同実施の形態2における密閉型圧縮機の吸入マフラーの内側面からの分解斜視図である。なお、吸入マフラーを除く密閉型圧縮機の構成については、実施の形態1と同じであるため、縦断面図については図1を援用し、先の実施の形態1と同様の構成要件についても、同一の符号を付し、また、説明についても実施の形態1の説明を援用する。
したがって、ここでは、実施の形態1と相違する構成を主体に説明する。
実施の形態2において、先の実施の形態1とは、吸入マフラー151における補助フード163の固定構造が相違する。
すなわち、本実施の形態2における吸入マフラー151の構成は、図5乃至図7に示すように、補助フード163のフード部160への固定に際し、フード部160とで補助フード163を挟持するバインダー200を付加した構成となっている。
バインダー200は、略矩形状に形成されていて、その幅寸法が、補助フード163の幅寸法よりも小さく、フード部160と同程度の幅寸法となるように構成されている。なお、補助フード163は、バインダー200により固定された状態で、その上流側部分に、バインダー200で覆われないフリーな部分を有するように、形成されている。
また、バインダー200は、フード部160と略同曲率で屈曲していて、バインダー200の主面には、フード部160に設けた第1突起部165が貫通する貫通孔201が設けられている。また、バインダー200は、吸入マフラー151(より正確には、フード部160及び第1突起部165)と同一(同類)の合成樹脂材で形成されているが、金属で形成してもよい。
補助フード163のフード部160への固定は、補助フード163を、第1貫通孔167に第1突起部165を貫通させ、同様に、バインダー200も貫通孔201に第1突起部165を貫通させる。そして、バインダー200で補助フード163を軽く押し付けた状態で、実施の形態1と同様に、第1突起部165の先端を貫通孔201よりも広い面積となるように溶融することによって完了する。
かかることにより、補助フード163は、バインダー200によって一定の面積が押え付けられた状態であるため、フード部160からの浮き上がりが抑制されている。
したがって、このように構成された吸入マフラー151を実施の形態1と同様にブロック119に組み込まれた密閉型圧縮機では、該密閉型圧縮機が運転されるときに、吸入管107から密閉容器101内に開放された冷媒ガスを、補助フード163とフード部160にて捕集する際に、特に補助フード163における第1突起部165の周辺部分が、冷媒ガスの吐出流によってフード部160から浮き上がり、捕集効果が損なわれるといった不具合を防止することができる。
その結果、実施の形態2における密閉型圧縮器は、実施の形態1と同様に、圧縮機の効率向上と、性能の安定化を図ることができる。
特に、バインダー200を、吸入マフラー151(フード部160)と同一(同類)の合成樹脂材で形成することにより、第1突起部165の先端部の溶融時に、バインダー200も溶融し、第1突起部165とのさらなる一体化が図れ、長期使用における補助フード163の脱落などの不具合を抑制し、信頼性の向上が期待できる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3における密閉型圧縮機の横断面図、図10は、同実施の形態3における吸入マフラーの外側面(密閉容器側)から見た斜視図である。図11は、同実施の形態3における密閉型圧縮機の吸入マフラーの内側面(電動要素側)から見た斜視図である。図12は、同実施の形態3における密閉型圧縮機の吸入マフラーの要部を分解した内側面からの斜視図である。
図9乃至図12に示すように、本発明の実施の形態3に係る密閉型圧縮機は、実施の形態1に係る密閉型圧縮機と基本的構成は同じであるが、吸入マフラー151の構成が異なる。以下、本実施の形態3に係る密閉型圧縮機の吸入マフラー151の構成について、図9乃至図12を参照しながら、説明する。
吸入マフラー151は、略直方体状に形成されていて、長辺と短辺からなる略矩形の側壁158を有している。また、吸入マフラー151は、主にガラス繊維を添加したPBT等の合成樹脂で成型されている。そして、吸入マフラー151は、入口管153と出口管155(図4参照)を有し、内部に消音空間157が形成されている。
入口管153は、下流端が消音空間157に連通するとともに、上流端に密閉容器101内へ開口する開口部159を備えている。この開口部159は、吸入マフラー151の側壁に設けられ、吸入管107と対向して位置している。
開口部159の周囲には、密閉容器101側へ延出し、吸入管107から吐出された冷媒ガス105を捕集するフード部160が一体に設けられている。このフード部160は、小径と大径で形成される楕円の大径部を形成する円弧状に形成され、吸入マフラー151の側壁158に設けられている。
さらに、フード部160には、例えば、NBR、H−NBR、FKM等のゴム材である可撓性材料で形成された補助フード163が取付けられ、固定されている。
補助フード163は、円弧部162、接続部166、及び覆い部168で構成されている。円弧部162は、フード部160と略相似形に形成されていて、該フード部160の円弧面に当接する部分である。接続部166は、略矩形状に形成されていて、円弧部162の両端をつなぎ、かつ吸入マフラー151の側壁158に当接する部分である。また、覆い部168は、略矩形状に形成されていて、接続部166の円弧部162が接続している主面と反対側の主面から突出するように配置されている。また、覆い部168は、吸入マフラー151の側壁158と隣接する前側壁156に当接するように構成されている。なお、接続部166と覆い部168は、補助フード163の押さえ部164を構成する。
そして、吸入マフラー151における覆い部168が当接する前側壁156には、覆い部168を収容する適宜深さの凹部169が形成されている。また、フード部160には、ピン状の第1突起部165が設けられている。同様に、凹部169には、ピン状の第2突起部170が設けられている。なお、第1突起部165と第2突起部170は、その突出方向が、互いに反対になるように形成されている。
また、補助フード163の円弧部162には、吸入マフラー151の第1突起部165が貫通する第1貫通孔167が設けられている。同様に、補助フード163の覆い部168には、吸入マフラー151の第2突起部170が貫通する第2貫通孔171が設けられている。
そして、補助フード163は、補助フード163の開口部161とフード部160の開口部とが連通するように、第1貫通孔167に第1突起部165を貫通させて、円弧部162の内周面をフード部160の外周面に沿わせることにより、円弧部162側をフード部160に当接させることができる。なお、この状態で、接続部166も吸入マフラー151の側壁158と当接しているが、これは、補助フード163の形状を設計する段階で、当接するように設計しているためである。このため、仮に接続部166を側壁158に当接させておくだけに留めた場合、冷媒ガスの風圧の影響で、補助フード163の接続部166は、吸入マフラー151の側壁158から離れるおそれがある。
そこで、本実施の形態3においては、補助フード163の覆い部168に第2貫通孔171を設け、吸入マフラー151に第2突起部170を設けている。そして、覆い部168を軽く引っ張りながら変形させ、吸入マフラー151の凹部169に設けた第2突起部170を、覆い部168の第2貫通孔171に貫通させることにより、接続部166と吸入マフラー151の側壁158との当接が維持される。
さらに、補助フード163のフード部160への固定をより確実とするために、第1突起部165の先端を適宜手段にて溶融し、第1貫通孔167より大きな径に変形する。必要に応じて、上記実施の形態2に記載した板状のバインダー200を設け、補助フード163を、このバインダー200とフード部160とで挟持する構成としてもよい。この場合、バインダー200を、フード部160の延出面の形状に沿った形状(楕円の円弧状)に形成し、さらに、バインダー200に、フード部160の第1突起部165が貫通する貫通孔201を設けた構成とし、第1突起部165の貫通状態で第1突起部165の先端を溶融することによって補助フード163を固定することができる。
また、覆い部168の第2貫通孔171を貫通した第2突起部170についても、必要に応じてその先端部を溶融し、覆い部168が第2突起部170から外れ難くすることもできる。
さらに、補助フード163は、フード部160に固定された状態において、フード部160より吸入管107に向かってはみだして突出するように幅H寸法が設定されている。
この補助フード163は、吸入管107に向かって延設され、密閉容器101の内壁または吸入管107との間に、運転時において接触しない程度の僅かな空隙X(図9参照)を確保して配置されている。
このように構成された本実施の形態3に係る密閉型圧縮機であっても、実施の形態1に係る密閉型圧縮機と同様の作用効果を奏する。
ところで、補助フード163は、接続部166が吸入マフラー151の側壁185に当接し、かつ吸入管107から吐出される冷媒ガス105の圧力を受ける位置に配置されている。そのため、長期使用に亘る補助フード163の膨潤、変形等に起因して補助フード163とフード部160の当接状態が悪化し、冷媒ガス105の圧力によって接続部166が吸入マフラー151から浮き上がるおそれがある。
しかしながら、本実施の形態3に係る密閉型圧縮機では、吸入マフラー151に設けられた第2突起部170が、覆い部168の第2貫通孔171へ貫通するように構成されている。このため、覆い部168と吸入マフラー151の外れが防止され、これに伴い、補助フード163の接続部166の吸入マフラー151からの浮き上がりも抑制される。
したがって、フード部160の第1突起部165による円弧部162の固定と、凹部169の第2突起部170による覆い部168の外れ抑止作用により、長期使用に亘って補助フード163の吸入マフラー151からの脱落を防止することができる。その結果、補助フード163による冷媒ガス105の捕集作用が安定して得られ、密閉型圧縮機の効率の低下を抑制し、信頼性を確保することができる。
さらに、本実施の形態3に係る密閉型圧縮機は、吸入マフラー151に補助フード163の覆い部168を収容する凹部169を設け、この凹部169にピン状の第2突起部170を設けた構成であるため、吸入マフラー151から突出する第2突起部170の寸法を短くし、輸送時や起動停止時の揺動に伴う第2突起部170と密閉容器101の接触を回避することができ、また、吸入マフラー151の破損を防止することができる。
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4における密閉型圧縮機の横断面図である。図14は、同実施の形態4における密閉型圧縮機の吸入マフラーの斜視図である。
本発明の実施の形態4に係る密閉型圧縮機は、実施の形態3に係る密閉型圧縮機と基本的構成は同じであるが、吸入管107及び吸入マフラー151の構成が異なる。以下、図13及び図14を参照しながら、本実施の形態4に係る密閉型圧縮機の吸入マフラー151の構成について、説明する。
図13に示すように、本実施の形態4に係る密閉型圧縮機では、吸入管107が、実施の形態3に係る密閉型圧縮機の吸入管107(図9参照)に比して、密閉容器101内にさらに延出している。具体的には、吸入管107は、該吸入管107の密閉容器101側の開口107Aが、吸入マフラー151のフード部160の基端部と、補助フード部163の先端部との間に位置するように構成されている。なお、吸入管107は、該吸入管107の密閉容器101側の開口107Aが、吸入マフラー151のフード部160の基端部と、補助フード部163の基端部との間に位置するように構成されていることが好ましい。
また、図14に示すように、フード部160と補助フード163は、補助フード163及びフード部160の延出方向に対して垂直な方向の断面形状が、円弧状に形成されていて、互いに幾何学的に相似形となるように構成されている。さらに、フード部160は、その内周面が、開口部159を介して、入口管153となめらかに接続されている。
このなめらかに接続されているという状態は、フード部160の内周面の断面積が、補助フード163側が大きく、入口管153と接続される側が小さくなっており、大きな段差等を有さず、徐々に断面積が小さくなるような形状でフード部が形成されている状態をいう。
また、フード部160の入口管153と接続される部分近傍は、その断面が連続した曲面で形成されている。換言すると、該部分近傍における断面は、なめらかに接続されるように、直線部を有さずに連続した曲線で形成されている。
さらに、フード部160の入口管153と接続される部分の断面積は、入口管153の入口側の断面積とほぼ同じ、もしくは、フード部160の方がやや大きい程度(例えば、入口管153の入口側の断面積に対するフード部160の入口管153と接続される部分の断面積比は100%〜120%程度をやや大きい程度とする。)で形成されていることが好ましい。
このように構成された本実施の形態4に係る密閉型圧縮機であっても、実施の形態3に係る密閉型圧縮機と同様の作用効果を奏する。
また、本実施の形態4に係る密閉型圧縮機では、吸入管107の密閉容器101側の開口107Aが、吸入マフラー151のフード部160の基端部と、補助フード部163の先端部との間に位置するように構成されている。このため、吸入管107から開放された冷媒ガスのほとんどを密閉容器101内に拡散させることなく、吸入マフラー151の開口部159内、ひいては、圧縮室135内に供給することができる。これにより、吸入マフラー151による密閉容器101内を流動する高温の冷媒ガスの吸入量を最小限に抑えることができる。さらに、吸入管107の密閉容器101側の開口107Aが、密閉容器101内で最低温部である吸入管107の開口107Aに近接することで、冷媒ガスの昇温を最小限に抑えることができる。
また、本実施の形態4に係る密閉型圧縮機では、補助フード163とフード部160は、その断面形状が、幾何学的に相似形となるように構成されている。このため、フード部160と補助フード163は、より密着して互いに当接することができる。これにより、補助フード163がフード部160から脱落すること、及び補助フード163が浮き上がること、をより抑制することができる。そして、補助フード163が浮き上がると、冷媒ガスの開口部159内への吸入が阻害されるが、このような冷媒ガスの吸入の阻害をより抑制することができ、圧縮機の信頼性をさらに高めることができる。また、補助フード163からフード部160への冷媒ガスの流れが、急激な形状変化等に妨げられず、より効率よく冷媒ガスを吸入マフラー151内へ導くことができる。
さらに、本実施の形態4に係る密閉型圧縮機では、フード部160は、断面積が徐々に(なめらかに)小さくなるように形成されている。このため、フード部160内の冷媒ガスの通流が妨げられないので、より効率よく冷媒ガスを吸入マフラー151内へ導くことができる。
これにより、吸入マフラー151内に構成される入口管153の形状は、フード部160及び補助フード163の形状に制約を受けず、冷媒ガスの吸入効率及び消音効果を最大限にする最適な形状を選択することができる。したがって、さらに密閉型圧縮機の効率の向上をはかることができ、また、性能を安定させることができる。
(実施の形態5)
図15は、本発明の実施の形態5における密閉型圧縮機の要部拡大断面図、図16は、同実施の形態5における吸入マフラーの要部拡大図、図17は、同実施の形態5における吸入マフラーの分解斜視図である。なお、図16及び図17においては、補助フードの記載を省略している。
図15乃至図17に示すように、本発明の実施の形態5に係る密閉型圧縮機は、実施の形態1に係る密閉型圧縮機と基本的構成は同じであるが、吸入マフラー151の構成が異なる。以下、本実施の形態5に係る密閉型圧縮機の吸入マフラー151の構成について、図15乃至図17を参照しながら、説明する。
吸入マフラー151は、消音空間183を形成する本体182、入口管153、出口管155、及び消音空間183の下部に設けられたオイル排出孔189を備えている。また、吸入マフラー151は、PBT(ポリブチレンテレフタレート)で成型されており、入口管153は、本体182と一体成型されている。
出口管155は、消音空間183とバルブプレート143(図1及び図2参照)を介して圧縮室135とを連通するように構成されている。また、出口管155は、消音空間183への開口部とバルブプレート143の開口部との中間部において、下方に傾斜するように屈曲された屈曲部191を有している。具体的には、出口管155は、本体182の上壁部を貫通して設けられていて、上壁部の直下に屈曲部191が設けられている。そして、出口管155における屈曲部191よりも上流側の部分は、水平方向よりも下方に傾斜するように延設されている。
また、出口管155の開口端187aは、図15及び図17に示すように、入口管153の消音空間側の開口端185aの開口方向と同方向に開口している。また、出口管155の開口端187aは、入口管153の延伸方向から見て、入口管153の開口端185aと重なる部分を有している。なお、開口端187aにおける開口端185aと重なる部分の面積は、任意に設定することができる。
入口管153は、消音空間183と密閉容器101内空間とを連通し、冷媒ガスの流れ方向において、屈曲部のない直線的な形状、すなわち直管状に形成されている。また、入口管153は、密閉容器101側における開口端が、吸入マフラー151における密閉容器101側の開口部159を形成し、吸入管107における密閉容器101側の開口端と対向するように形成されている。
入口管153の冷媒流路の断面(冷媒ガスの通流方向に対して垂直な断面)は、角部が円弧状ではあるものの略長方形に形成されている。また、入口管153の密閉容器101側における開口端の鉛直方向の(最大)長さHは、吸入管107の密閉容器101側における開口107Aの鉛直方向の(最大)長さ(吸入管107の内径)Dよりも長く設定されている(図15参照)。さらに、入口管153の密閉容器101側における開口端の水平方向の(最大)長さWは、吸入管107の密閉容器101側における開口107Aの鉛直方向の(最大)長さDよりも小さく設定されている(図15及び図16参照)。
本実施の形態5では、入口管153における密閉容器101側の開口端の鉛直方向の長さHを12mm、入口管153における密閉容器101側の開口端の水平方向の長さWを6mm、吸入管107における密閉容器101側の開口107Aの径Dを9mmとしている。
また、入口管153の鉛直方向の(最大)長さAは、消音空間183の鉛直方向の(最大)長さBの25〜50%の長さとしている。
本実施の形態5では、入口管153の鉛直方向の長さAを14mm、消音空間183の鉛直方向の最大長さBを50mmとしており、その比率は約28%となっている。
また、図16に示すように、入口管153における密閉容器101側の開口端の周囲には、3方向から入口管153の密閉容器101側の開口端を囲むようにU字形の壁部193が形成されおり、下側に形成された壁部の内壁は、吸入管107における密閉容器101側の開口107Aの下端よりも下方に配置している。なお、壁部193がフード部160を構成する。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
ステータ131に外部電源より通電がされると磁界が発生し、クランクシャフト117が回転する。これに伴ってピストン121が圧縮室135内で往復運動を行い、圧縮要素109は所定の圧縮動作を行う(図1及び図2参照)。
この動作により、冷却システム(図示せず)から流れてきた冷媒ガスは、吸入管107を介して一旦密閉容器101内に開放され、その後入口管153を通って吸入マフラー151内に吸入され、消音空間183に開放される。そして、出口管155、バルブプレート143を通って圧縮室135内に吸入される。
圧縮室135に導かれた冷媒ガスは、ピストン121の往復運動により、圧縮室135内で圧縮された後、再び冷却システム(図示せず)へと吐出される。
圧縮機が十分長い時間停止している状態では、密閉容器101内に滞留している冷媒ガスは密閉容器101外の温度とほぼ同じ温度になっている。そして、圧縮要素109が所定の圧縮動作を開始すると、密閉容器101内に滞留する冷媒ガスは、圧縮要素109からの発熱を受熱し、温度が上昇する。
一方、冷却システム(図示せず)から流れてきた冷媒ガスは、比較的温度が低い。そのため、吸入管107より密閉容器101内へ流入する冷媒ガスは、密閉容器101内に滞留する冷媒ガスよりも温度が低く、比重が重い。また、密閉容器101内に滞留している冷媒ガスは、クランクシャフト117の回転の影響を受けるため、クランクシャフト117の回転方向と同方向に流れている。
これらの影響により、吸入管107より密閉容器101内へ流入した冷媒は、クランクシャフト117の回転方向下方に流れやすい。
そこで、本実施の形態5では、入口管153の密閉容器101側の開口端周囲に、三方向から入口管153における密閉容器101側の開口端を囲うU字型の壁部193を設けることで、吸入管107における密閉容器101側の開口107A近傍の冷媒ガスの流れを阻害し、クランクシャフト117の回転方向と同方向の流れを軽減させている。
また、壁部193における下側に形成された壁の内壁は、吸入管107の密閉容器101側の開口107Aの下端よりも下方に配置しており、比重の違いにより下方へと流れる比較的温度の低い冷媒ガスを、受け止めている。そのため、壁部193の効果により、比較的低温の冷媒ガスを入口管153における密閉容器101側の開口端近傍に効率よく滞留させることができ、選択的に低温の冷媒ガスを吸入マフラー151内に供給することができる。その結果、冷媒ガスの単位時間当たりの吸入質量(冷媒循環量)が大きくなり、密閉型圧縮機の効率を向上させることができる。
さらに、入口管153を流れる冷媒ガスは、入口管153内の内壁による摩擦を受けながら消音空間183へと流れていく。入口管153での流路抵抗は、冷媒ガスの流路面積を大きくすることで低減できる。
しかし、吸入マフラー151内では、冷媒ガスが入口管153を流れることに伴い、入口管153での圧力脈動や音が発生し、また、圧縮室135内においても、冷媒の吸入・圧縮動作に伴う圧力脈動や、ピストン121の往復運動に伴う摺動音等が発生している。これらの音や振動は、冷媒ガスの流れとは逆向きに伝播し、出口管155を介して消音空間183から入口管153を通り、密閉容器101内に開放され、騒音として密閉容器101から放射される。
そのため、入口管153の流路面積を拡大することは、密閉型圧縮機の騒音を増大させてしまう可能性がある。
このことから、入口管153の流路面積を拡大することに起因して減衰できなくなった圧力脈動や音を低減するためは、出口管155や消音空間183での減衰量を増やす必要がある。
その対策の一つに、消音空間183の大きさを大きくすることが考えられるが、吸入マフラー151の本体182の大きさを変えないで入口管153の流路断面積を大きくすることは、消音空間183に開口する入口管153の一部が吸入マフラー151内部に構成されていることから、必然的に消音空間183を小さくしてしまうこととなり、好ましくない。
また、消音空間183の容積を大きくするためには、吸入マフラー151の本体182を大きくする必要がある。ところが、一般的に、吸入マフラー151は、ステータ131等から発せられる熱を、吸入マフラー151内に貯留する冷媒ガスが受熱しないように、熱伝達率の低い樹脂材料等が用いられるため、輸送時等に密閉容器101と衝突してしまうと折れや割れ等が発生してしまう。また、仮に金属等の剛性のある材料で吸入マフラー151を構成しても、密閉容器101に衝突した際に大きな音を発生させてしまう。
このように、吸入マフラー151は、密閉容器101への接触から回避するための必要十分な距離を確保して配置をしなければならず、限られた空間内で吸入マフラー151本体を大きくすることには限界がある。
本実施の形態5においては、吸入マフラー151の材料に樹脂材料であるPBTを用いており、吸入マフラー151の大きさも密閉容器101との距離が必要十分に確保できる大きさとしている。それに加えて、入口管153の鉛直方向の長さAを、消音空間183の鉛直方向の長さBの25〜50%の長さとなるように設定している。
これは、吸入マフラー151の大きさの大半を占める消音空間183における鉛直方向の長さBに対して、入口管153の鉛直方向の長さAを25〜50%の範囲にすることで、入口管153の冷媒ガス流路での抵抗を抑え、かつ消音空間183内での圧力脈動や音を十分減衰できる空間容積を確保した構成である。
また、本実施の形態5では、入口管153の冷媒ガス流路が直線的に構成されており、屈曲させないことで、入口管153での冷媒ガスの流路抵抗を低減させることができる。それに加え、樹脂材料で吸入マフラー151を構成した場合、金型を用いて射出成型にて生産されるのが一般的であるが、入口管153が屈曲していると、金型の構成が複雑となってしまい、好ましくない。
しかし、入口管153を直線的に構成することで、吸入マフラー151の本体182と一体成型しやすく、金型の製作も容易にできかつ、さらに、一体成型することで入口管153の少なくとも一つの壁面が吸入マフラー151の壁面と共通になるため、その分、消音空間183の容積の減少を抑制することができる。
また、密閉型圧縮機の効率を調整する場合、ステータ131の鋼板の積層枚数を変えることがあるが、入口管153と吸入管107の密閉容器101側の開口107Aを近接させて、互いに対向するように配置し、入口管153における密閉容器101側の開口の鉛直方向長さHを、吸入管107における密閉容器101側の開口107Aの鉛直方向の長さDよりも長くなるように、入口管153の冷媒ガス流路断面積を大きくすることで、ステータ131の鋼板枚数が異なる密閉型圧縮機に用いても、入口管153と吸入管107が対向する開口端の関係を変えないようにすることができる。
本実施の形態5では、入口管153における密閉容器101側の開口端の鉛直方向の長さHを、12mm、吸入管107の密閉容器101側における開口107Aの鉛直方向の長さDを、9mmと設定し、互いの鉛直方向の中心が合うように配置している。
本実施の形態5において、ステータ131の鋼板の積層枚数を変更した場合、その積層寸法の増減が1.5mm以内であれば、入口管153と吸入管107は互いに対向し、流路断面の対面(吸入管107の開口107Aが入口管153の開口投影面内に位置する)関係は変化しない。
そのため、ステータ131の鋼板の積層枚数が異なっても、吸入マフラー151や密閉容器101を共用部品として使用することができ、効率を維持しながら部品管理の煩雑さを解消し、生産性の悪化やコストの上昇を抑制することができる。
また、密閉容器101内において、吸入マフラー151を配置する空間として、鉛直方向に比べて水平方向が狭い場合が多い。そのため、入口管153の冷媒流路断面を水平方向に大きくすることは、消音空間183の大きさを小さくしてしまうことに加え、消音空間183を鉛直方向に分割してしまう可能性がある。
通常、出口管155から伝播してきた圧力脈動や音は、消音空間183に開放される際に膨張させることで減衰させるが、消音空間183を分割した構成は、減衰効果が低減してしまう。そのため、本実施の形態5では、入口管153における密閉容器101側の開口端の水平方向長さWを、吸入管107における密閉容器101側の開口107Aの鉛直方向の最大長さDよりも短くし、入口管153における密閉容器101側の開口端の鉛直方向の長さを、吸入管107における密閉容器101側の開口107Aの鉛直方向の最大長さDよりも長くすることで、流路面積を確保しながら消音空間183を分割しないように構成している。そのため、効率を維持しながら低騒音化を実現している。
さらに、入口管153の断面を、概ね長方形にすることで、入口管153の断面を正方形、あるいは円形や楕円形等の断面形状に比べて鉛直方向の寸法が確保しやすく、断面積を大きく確保することができる。また、ステータ131の鋼板枚数が異なる圧縮機に用いた場合等のように、入口管153における密閉容器101側の開口端の位置が鉛直方向に変化した場合、入口管153と吸入管107の対向する開口端の位置関係が確保できる長さ(範囲)を、大きくとることができる。
また、出口管155の全長をある程度確保することによって、密閉型圧縮機の騒音を低減できるが、吸入マフラー151の消音空間183に開口する出口管155の全長を直線的に長くすることは、吸入マフラー151の本体182の大型化が伴う。さらに、出口管155の全長を短くすることで生じてしまう分の、減衰できない圧力脈動や音を低減するために、消音空間183の容積を大きくすると、吸入マフラー151の本体182が大型化する。
本実施の形態5では、出口管155に下方へ傾斜する屈曲部191を設けているため、出口管155の全長を短くせずに十分な長さを確保することができる。そのため、出口管155で圧力脈動や音を減衰することができる。
また、給油機構121は、クランクシャフト117の回転によって生じた遠心力等を利用して、密閉容器101の底部から上方の圧縮要素109へ冷凍機油103を搬送する。搬送された冷凍機油103は、クランクシャフト117と軸受部139等の摺動部を潤滑した後、クランクシャフト117の上端より密閉容器101内に飛散し、ピストン121等を潤滑する。飛散した冷凍機油103は、密閉容器101の内壁面に付着し、密閉容器101の内壁面を伝って底部に流れ落ちる。その際に、冷凍機油103から密閉容器101へ熱が伝わり、密閉容器101から外部へ放熱することで、密閉型圧縮機の冷却を行っている。
密閉容器101の内壁面に付着しないで飛散した冷凍機油103は、冷媒ガスとともに入口管153から吸入マフラー151内へ吸入されるが、冷媒が入口管153から消音空間183内に開放されて、冷媒ガスの速度が低下した際に、冷凍機油103の大部分は、冷媒と分離される。分離された冷凍機油103は、吸入マフラー151本体の底部に滞留し、オイル排出孔189により吸入マフラー151外に排出される。
しかし、落下せずに消音空間183内に飛散した冷凍機油103は、消音空間183の内壁面や出口管155の外表面に付着し、入口管153から流入した冷媒ガスの流れによって、出口管155の開口端187aに移動するとともに、その一部は、移動の過程で油滴となり、出口管155から吸込まれることになるが、本実施の形態1では、出口管155が下方へ傾斜されているため、多量の冷凍機油103や液冷媒等の比重の大きい液体の圧縮室135への流入を抑制することができる。
また、出口管155における消音空間側の開口端187aを、入口管153における開口端185aの開口方向と同方向に開口させ、その開口端187aの一部を、入口管153の開口端185aにおける投影面の延長上に位置したことにより、冷媒ガスとともに冷凍機油103も出口管155に衝突する。ところが、出口管155が下方に傾斜しているため、出口管155の壁面に付着した冷凍機油103は、出口管155の壁面を伝って流下し、下端から滴下する。したがって、冷凍機油103が出口管155から流入することを抑制することができる。
さらに、消音空間183内における出口管155の開口端187aの周辺は、比較的低温の冷媒ガスが入口管153から断続的に供給されているため、比較的低温状態となっている。また、出口管155における消音空間側の開口端187aの一部を、入口管153の開口端185aにおける投影面の延長上に位置させたことにより、入口管153の開口端185aから吐出された比較的冷たい冷媒ガスを吸入しやすくしている。その結果、比較的低温の冷媒ガスを圧縮室135へ導くことができ、圧縮効率を高めることができる。
また、出口管155の消音空間側の開口端187aと入口管153の消音空間側の開口端135aが対向しないように配置することにより、圧縮動作をする際に発生する圧力脈動や、ピストン121の往復運動に起因した摺動音等が、冷媒ガスの流れと逆向きに伝播してきても、消音空間183を介して脈動や騒音が減衰された状態で入口管153へと伝播されるため、密閉容器101から放射される騒音を低減することができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の形態を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、冷却システムの性能を安定させ、効率を向上できるので、家庭用電気冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機又はその他の冷凍装置などに広く適用できる。
1 密閉容器
3 冷凍機油
5 冷媒ガス
7 圧縮機本体
9 サスペンションスプリング
11 電動要素
13 圧縮要素
15 ステータ
17 ロータ
19 偏心軸
21 主軸
23 クランクシャフト
25 圧縮室
27 シリンダ
29 ブロック
31 ピストン
33 バルブプレート
35 連結手段
37 シリンダヘッド
39 吸入マフラー
41 マフラー本体
43 開口部
45 フード
47 吸入管
50 吸入マフラー
51 開口部
52 フード
53 吸入管
54 密閉容器
55 マフラー本体
101 密閉容器
103 冷凍機油
105 冷媒ガス
107 吸入管
107A 開口
109 圧縮要素
111 電動要素
113 圧縮機本体
115 サスペンションスプリング
117 クランクシャフト
119 ブロック
121 ピストン
123 連結手段
125 偏心軸
127 主軸
129 ボルト
131 ステータ
133 ロータ
135 圧縮室
137 シリンダ
139 軸受部
141 吸入孔
143 バルブプレート
145 吸入バルブ
147 シリンダヘッド
149 ヘッドボルト
151 吸入マフラー
153 入口管
155 出口管
156 前側壁
157 消音空間
158 側壁
159 開口部
160 フード部
161 開口部
162 円弧部
163 補助フード
163a 円弧部
163b 接続面
164 押さえ部
165 第1突起部
166 接続部
167 第1貫通孔
168 覆い部
169 凹部
170 第2突起部
171 第2貫通孔
182 本体
183 消音空間
185a 開口端
187a 開口端
189 オイル排出孔
191 屈曲部
193 壁部
200 バインダー
201 貫通孔

Claims (18)

  1. 電動要素と、
    前記電動要素によって駆動される圧縮要素と、
    前記電動要素と前記圧縮要素が収容されている密閉容器と、
    前記密閉容器内外を連通するように設けられている吸入管と、を備え、
    前記圧縮要素は、圧縮室と、前記圧縮室内に設けられているピストンと、溶融可能な樹脂材料で形成され、前記密閉容器内と前記圧縮室のそれぞれに連通する吸入マフラーと、を備え、
    前記吸入マフラーは、
    前記密閉容器側の開口部が前記吸入管における前記密閉容器側の開口と対向するように配置され、
    前記開口部近傍に設けられ、前記密閉容器側へ延出するように形成され、前記吸入管から吐出された冷媒ガスを捕集するように構成されているフード部と、
    前記フード部に固定され、前記密閉容器側へさらに延出して、前記フード部の捕集面積を大きくするように形成され、柔軟性を有する材料で構成されている補助フードと、を備えている、密閉型圧縮機。
  2. 前記フード部にはピン状の第1突起部が設けられ、
    前記補助フードには、第1貫通孔が設けられ、
    前記フード部と前記補助フードは、前記第1突起部が前記第1貫通孔に貫通し、かつ、前記第1突起部の先端部が変形した状態で、互いに固定されている、請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 前記吸入マフラーは、長辺と短辺からなる矩形の側壁を有し、該側壁には前記開口部が設けられ、
    前記フード部は、前記側壁に設けられ、前記延出方向から見て、円弧状に形成されている、請求項1又は2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 貫通孔が設けられているバインダーをさらに備え、
    前記フード部、前記補助フード、及び前記バインダーは、前記フード部、前記補助フード、及び前記バインダーの順で積層され、前記第1突起部が前記第1貫通孔及び前記バインダーの貫通孔に貫通し、かつ、前記第1突起部の先端部が変形した状態で、互いに固定されている、請求項2又は3に記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記バインダーは、前記フード部の第1突起部と同一材料で構成されている、請求項4に記載の密閉型圧縮機。
  6. 前記補助フードには、前記吸入管から吐出される冷媒ガスの圧力を受けるための押さえ部が設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  7. 前記補助フードは、円弧状に形成されている円弧部を有し、
    前記押さえ部は、前記円弧部の両端を接続し、少なくともその一部が前記吸入マフラーの側壁と当接する接続部と、該接続部に設けられ、前記吸入マフラーの側壁と隣接する前側壁と当接する覆い部と、を有する、請求項6に記載の密閉型圧縮機。
  8. 前記吸入マフラーにおける前記補助フードの覆い部と当接する前側壁に設けられているピン状の第2突起部をさらに備え、
    前記補助フードの覆い部には、前記第2突起部が嵌入する第2貫通孔が設けられている、請求項7に記載の密閉型圧縮機。
  9. 前記吸入マフラーにおける前記補助フードの覆い部と当接する前側壁には、前記覆い部を収容するように構成された凹部が設けられている、請求項8に記載の密閉型圧縮機。
  10. 前記吸入管における前記密閉容器側の開口が、前記吸入マフラーのフード部の基端部と補助フード部の先端部との間に位置する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  11. 前記フード部と前記補助フードは、前記延出方向に対して垂直な方向の断面形状が、互いに幾何学的に相似形である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  12. 前記吸入マフラーは、
    消音空間を形成する本体と、
    上流端が前記吸入マフラーにおける前記密閉容器側の開口部を形成し、下流端が前記消音空間に開口する入口管と、
    下流端が前記圧縮室に連通し、上流端が前記消音空間に開口し、その途中に前記消音空間内において屈曲部を有し、該屈曲部よりも上流側の部分が下方に傾斜する出口管と、
    前記消音空間の底部に設けられ、前記密閉容器内の空間に開口するオイル排出孔を備え、
    前記入口管は、前記上流端の開口における水平方向の長さが、前記吸入管の前記開口における水平方向の長さよりも短く、前記入口管の前記上流端の開口における鉛直方向の長さが、前記吸入管の前記開口における鉛直方向の長さよりも長くなるように、形成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  13. 前記入口管は、該入口管の鉛直方向の長さが、前記消音空間における鉛直方向の長さの25〜50%の長さになるように形成されている、請求項12に記載の密閉型圧縮機。
  14. 前記入口管は、前記本体と一体成型され、該入口管の流路が、屈曲部のない直線的な形状に形成されている、請求項12又は13に記載の密閉型圧縮機。
  15. 前記入口管は、前記冷媒ガスの通流方向に対して垂直な方向の断面形状が、概ね長方形となるように形成されている、請求項12〜14のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  16. 前記吸入マフラーのフード部は、前記延出方向から見て、前記吸入マフラーにおける前記密閉容器側の開口部の下側を含む、少なくとも三方に設けられ、かつ、前記開口部を囲むように設けられた壁部で形成されていて、下側の前記壁部が、前記吸入管における前記密閉容器側の開口の下端よりも下方に位置している、請求項1〜15のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  17. 前記出口管は、該出口管における他端の開口方向が、前記入口管における他端の開口方向と同方向になるように形成されている、請求項12〜16のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
  18. 前記フード部は、前記フード部は、その内周面が、前記吸入マフラーにおける前記密閉容器側の前記開口部を介して、前記入口管となめらかに接続されている、請求項13〜17のいずれか1項に記載の密閉型圧縮機。
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