JP2010084677A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却システムの配管振動を抑え、騒音を低減できるとともに、効率が高く、性能の安定した密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】吸入マフラー151内で十分に減衰されずに開口部159から放射された低周波数域の冷媒ガス105の脈動成分を密閉容器101内へ逃がすことで減衰できるので、冷却システムの配管振動を抑え、騒音を低減することができるとともに、吸入マフラー151の開口部159と吸入管107とを近接させることで、密閉容器101内で流動する高温の冷媒ガス105の吸入マフラー151への混入を最小限に抑えることができるので、効率の向上が図れるとともに、性能を安定させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、家庭用電気冷凍冷蔵庫やショーケースなどに使用される密閉型圧縮機に関し、特に密閉型圧縮機の吸入マフラーに関するものである。
近年、地球環境保護に対する要求はますます強まってきており、冷蔵庫やその他の冷凍サイクル装置などにおいても、特に高効率化が強く要望されている。
従来、この種の密閉型圧縮機としては、密閉容器内外を連通する吸入管と圧縮機の吸入マフラーの吸入口とを可撓性材料でできた吸入フードで連通したものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図5は、特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図、図6は、同特許文献に記載された従来の密閉型圧縮機の横断面図、図7は、同特許文献に記載された従来の密閉型圧縮機の要部拡大図である。
図5から図7に示すように、従来の密閉型圧縮機は、密閉容器1の底部にオイル3を貯留するとともに冷媒ガス5が充填され、圧縮機本体7がサスペンションスプリング9によって、密閉容器1に対して弾性的に支持されている。
圧縮機本体7は、電動要素11と、電動要素11の上方に配設される圧縮要素13とを備え、電動要素11は、ステータ15およびロータ17を有している。
圧縮要素13は、偏心軸19と主軸21とを備えたクランクシャフト23と、圧縮室25を形成するシリンダ27を一体に形成したブロック29と、ピストン31と、シリンダ27の端面を封止するバルブプレート33に備えられた吸入孔(図示せず)を開閉する吸入バルブ(図示せず)と偏心軸19とピストン31とを連結する連結手段35を備えている。
さらに、シリンダ27の端面に取り付けられたバルブプレート33と、バルブプレート33を蓋するシリンダヘッド37により、吸入マフラー39は狭持されて固定されている。
吸入マフラー39は、PBTなどの樹脂で成型されるとともに、消音空間を形成するマフラー本体41と、マフラー本体41に設けられた吸入口43と、可撓性材料でできた吸入フード45とで構成されている。
吸入フード45は、一端が吸入口43に連通し、他端が密閉容器1に設けられた容器内外を連通する吸入管47を包囲するように密閉容器1の内壁面に弾性接触するように押圧されている。
以上のように構成された特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
まず、密閉型圧縮機は、ステータ15に電流を流して磁界を発生させ、主軸21に固定されたロータ17を回転させることで、クランクシャフト23が回転し、偏心軸19に回転自在に取り付けられた連結手段35を介して、ピストン31がシリンダ27内を往復運動する。
そして、このピストン31の往復運動により、冷媒ガス5の圧縮室25への吸入と圧縮および冷凍サイクル(図示せず)への吐出が繰り返される。
吸入工程において冷凍サイクル(図示せず)から供給された冷媒ガス5は、吸入管47から吸入フード45を通り、吸入マフラー39を経て、吸入バルブ(図示せず)の開閉により圧縮室25と連通する吸入孔(図示せず)を介して、圧縮室25内へ導かれる。
ここで、吸入マフラー39は、間欠的な冷媒ガス5の吸入により発生する騒音を低減するとともに、熱伝導率の小さい樹脂で形成されることで吸入マフラー39内を通過する冷媒ガス5の加熱を防止する。
さらに、吸入フード45によって吸入口43と吸入管47とが接続されているため、冷凍サイクル(図示せず)から供給された冷媒ガス5は密閉容器1内に放出されることがなく、直接圧縮室25内に供給されるため、圧縮機本体7の発熱によって冷媒ガス5が加熱されることを防ぎ、最終的に圧縮室25に吸い込まれる冷媒ガス5の質量流量を増加させることができる。
ここで、ピストン31の往復運動により冷媒ガス5がシリンダ27の圧縮室25内に吸入される際に、吸入バルブ(図示せず)の開閉により発生する脈動成分が吸入マフラー39内へと伝わる。これらの脈動成分のうち、高周波数域の脈動成分は吸入マフラー39内で十分に減衰させることができるが、エネルギーの大きい低周波数域の脈動成分は、吸入マフラー39の容積では十分に減衰しきれない。
そして、この低周波数域の脈動成分は、吸入フード45によって吸入口43と吸入管47とが接続されているため、直接冷凍サイクル(図示せず)に伝わり、冷凍サイクル(図示せず)の配管振動を増加させ、騒音が大きくなる。
また、特許文献1に記載の密閉型圧縮機は、吸入フード45によって吸入口43と吸入管47とが接続されているため、冷凍サイクル(図示せず)から液冷媒やオイルが大量に密閉型圧縮機に戻ってきた場合に、直接圧縮室25内へ液冷媒やオイルが流入し、液圧縮を起こす可能性があることから、吸入フード45を備えない密閉型圧縮機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の密閉型圧縮機を説明する。
図8は、特許文献2に記載された従来の密閉型圧縮機の横断面図、図9は、同特許文献に記載された従来の密閉型圧縮機の要部拡大図である。
図8および図9に示すように、従来の密閉型圧縮機は、密閉容器61の内部に冷媒ガス63が充填され、圧縮機本体65がサスペンションスプリング67によって、密閉容器61に対して弾性的に支持されている。
密閉容器61は、容器内外を連通する吸入管68を備えている。
圧縮機本体65は、電動要素69と、電動要素69の上方に配設される圧縮要素71とを備えている。
圧縮要素71は、クランクシャフト73と、圧縮室(図示せず)を形成するシリンダ75を一体に形成したブロック77と、ピストン(図示せず)と、シリンダ75の端面を封止するバルブプレート79に備えられた吸入孔(図示せず)を開閉する吸入バルブ(図示せず)とクランクシャフト73とピストン(図示せず)とを連結する連結手段81を備えている。
さらに、シリンダ75の端面に取り付けられたバルブプレート79と、バルブプレート79を蓋するシリンダヘッド83により、吸入マフラー85は狭持されて固定されている。
吸入マフラー85は、PBTなどの樹脂で成型されるとともに、消音空間を形成するマフラー本体87と、密閉容器61内の空間に開口する吸入口89と、バルブプレート79の吸入孔(図示せず)を介して圧縮室(図示せず)と連通する吐出口91とを備えている。
以上のように構成された特許文献2に記載された密閉型圧縮機は、特許文献1に記載された密閉型圧縮機と同様の動作を行うが、吸入マフラー85の吸入口89が密閉容器61内の空間に開口しているため、吸入マフラー85内で十分に減衰されずに吸入口89から放射された冷媒ガス63の低周波数域の脈動成分を密閉容器61内へ逃がすことで減衰させることができるので、冷凍サイクル(図示せず)の配管振動を抑え、騒音を低減することができる。
また、冷凍サイクル(図示せず)から液冷媒やオイルが大量に密閉型圧縮機に戻ってきた場合でも、密閉容器61内に放出することで分離できるため、直接圧縮室(図示せず)内に液冷媒やオイルが流入し、液圧縮を起こすことを防止することができる。
特表昭63−500878号公報 特許第3225090号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の構成では、冷媒ガス5の低周波数域の脈動成分が、直接冷凍サイクル(図示せず)に伝わり、冷凍サイクルの配管振動を増加させ、騒音が大きくなるとともに、冷凍サイクル(図示せず)から液冷媒やオイルが大量に密閉型圧縮機に戻ってきた場合に、直接圧縮室25内へ液冷媒やオイルが流入し、液圧縮を起こす可能性があるという課題を有していた。
また、上記特許文献2に記載された従来の密閉型圧縮機の構成では、上記課題を解決できるものの、吸入マフラー85の吸入口89と密閉容器61に設けられた吸入管68の開口端とが対向する状態にあったとしても、密閉容器61内で流動する高温の冷媒ガス63が、吸入管68から放出され吸入口89からマフラー本体87に吸い込まれる冷媒ガス63に混入してしまい、最終的に圧縮室(図示せず)に吸い込まれる冷媒ガス63の質量流量が減少し、効率が低下するという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、冷却システムの配管振動を抑え、騒音を低減できるとともに、効率が高く、性能の安定した密閉型圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型圧縮機は、吸入マフラーの密閉容器内に開口する開口部が、密閉容器内外を連通する吸入管に向かって延設され、かつ、吸入マフラーの開口部と密閉容器の内壁または吸入管との間に、運転時において接触しない僅かな空隙を確保して配置されているもので、吸入マフラー内で十分に減衰されずに開口部から放射された低周波数域の冷媒ガス脈動成分を密閉容器内へ逃がすことで減衰できるので、冷却システムの配管振動を抑えるという作用を有するとともに、吸入マフラーの開口部と吸入管とが近接させることで、密閉容器内で流動する高温の冷媒ガスの吸入マフラーに対する混入を最小限に抑えることができるという作用を有する。
本発明の密閉型圧縮機は、冷却システムの配管振動を抑えることで、騒音を低減することができるとともに、密閉容器内で流動する高温の冷媒ガスの吸入マフラーに対する混入を最小限に抑えることで、効率が高く、性能の安定した密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記密閉容器内外を連通する吸入管を有し、前記圧縮要素は圧縮室を形成するブロックと、前記圧縮室内を往復運動するピストンと、前記圧縮室に連通する吸入マフラーとを備え、前記吸入マフラーの前記密閉容器内に開口する開口部は、前記吸入管に向かって延設され、前記開口部は、前記密閉容器の内壁または前記吸入管との間に、運転時において接触しない僅かな空隙を確保して配置されているもので、吸入マフラー内で十分に減衰されずに開口部から放射された低周波数域の冷媒ガスの脈動成分を密閉容器内へ逃がすことで減衰できるので、冷却システムの配管振動を抑え、騒音を低減することができるとともに、吸入マフラーの開口部と吸入管とを近接させることで、吸入管から開放された冷媒ガスのほとんどを密閉容器内に拡散させることなく、ほぼ直接的に圧縮室内に供給することができるとともに、密閉容器内で流動する高温の冷媒ガスの吸入マフラーに対する混入を最小限に抑えることができるので、効率の向上が図れるとともに、性能を安定させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、吸入マフラーの前記開口部は、吸入管よりも大きい断面積を有するとともに、密閉容器の内壁との空隙が1〜4mmの範囲となるように配置されているもので、圧縮機本体が揺動したとしても、開口部が吸入管から外れることを抑制し、効果的に冷媒ガスを吸入マフラー内に導くことができるとともに、冷凍能力の変動を最小限に抑えることができるので、請求項1に記載の発明の効果に加えて、さらに高い効率を得ることができるとともに、性能を安定させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、開口部は少なくとも一部が可撓性材料で形成されているもので、圧縮機の起動・停止時など圧縮機本体が密閉容器内で大きく変位した場合においても、開口部の破損を防ぐことができるので、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、開口部は一端が吸入マフラーに固定された吸入フードを備えているもので、吸入マフラー本体を変更することなく、吸入フードのみを変更することによって、多機種に使用することができるので、請求項3に記載の発明の効果に加えて、低コスト化が図れる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、電動要素は複数の運転周波数でインバータ駆動されるもので、インバータによる高周波数運転時において増大する低周波数域の冷媒ガスの脈動成分を開口部から密閉容器内へ逃がすことができるとともに、インバータによる低周波数運転時において増大する圧縮機本体の密閉容器内での揺動による冷凍能力の変動を最小限に抑えることができるので、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明の効果が特に顕著に得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、同実施の形態における密閉型圧縮機の横断面図、図3は、同実施の形態における密閉型圧縮機の要部拡大図である。
図1から図3において、本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機は、密閉容器101内底部にオイル103を貯留するとともに、冷媒ガス105として例えば地球温暖化係数の低い炭化水素系のR600aなどが封入してある。
また、密閉容器101は、鉄板の絞り成型によって形成されるとともに、一端が密閉容器101内に連通し、他端が冷凍サイクル(図示せず)の低圧側に接続される吸入管107を備えている。
密閉容器101内には、圧縮要素109と電動要素111とを備えた圧縮機本体113がサスペンションスプリング115によって、密閉容器101に対して弾性的に支持されて収納されている。
圧縮要素109は、クランクシャフト117、ブロック119、ピストン121、連結手段123などで構成されており、クランクシャフト117は、偏心軸125と主軸127とを備えるとともに、オイル103に浸漬される主軸127下端から偏心軸125上端までを連通する給油機構(図示せず)を備えている。
電動要素111は、ブロック119の下方にボルト129によって固定されたステータ131と、ステータ131の内側の同軸上に配置され主軸127に焼き嵌め固定されたロータ133とで構成されるとともに、インバータ駆動により複数の運転周波数で駆動される。
ブロック119には、圧縮室135を形成するシリンダ137が一体に形成されるとともに、主軸127を回転自在に軸支する軸受部139を備える。
また、シリンダ137の端面には、吸入孔141と吐出孔(図示せず)とを備えたバルブプレート143と、吸入孔141を開閉する吸入バルブ145と、バルブプレート143を蓋するシリンダヘッド147とが、ともにヘッドボルト149によって、シリンダ137の端面を封止するように押圧固定されるとともに、バルブプレート143とシリンダヘッド147とにより、吸入マフラー151が把持されて固定されている。
ピストン121は、シリンダ137内に往復自在に挿入され、バルブプレート143とともに圧縮室135を形成するとともに、連結手段123によって偏心軸125と連結されている。
吸入マフラー151は、主にガラス繊維を添加したPBTなどの合成樹脂で成型されるとともに、入口管153と出口管155を有し、消音空間157を形成している。
入口管153は、一端が消音空間157に連通するとともに、他端に密閉容器101内へ開口する開口部159を備えている。
開口部159は、例えばゴム材などの可撓性材料で形成されるとともに、一端が入口管153に固定され、他端が密閉容器101内へ開口し、吸入管107に向かって延設された開口端161を有する吸入フード163を備えている。
開口端161と密閉容器101の吸入管107が固定されている周辺の内壁との間には、運転時において接触しない僅かな空隙距離dが確保して配置されている。
なお、本実施の形態において、空隙距離dは1〜4mmの範囲にある。
また、開口端161は、吸入管107よりも大きい断面積を有する。
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
密閉型圧縮機は、ステータ131に電流を流して磁界を発生させ、主軸127に固定されたロータ133を回転させることで、クランクシャフト117が回転し、偏心軸125に回転自在に取り付けられた連結手段123を介して、ピストン121がシリンダ137内を往復運動する。そして、このピストン121の往復運動に伴い、冷媒ガス105は吸入マフラー151を介して圧縮室135内へ吸入され、圧縮された後、冷凍サイクル(図示せず)へ吐出される。
吸入マフラー151は、入口管153と出口管155と消音空間157とで膨張型マフラーを構成しており、間欠的な冷媒ガス105の吸入により発生する騒音を低減する。
また、吸入マフラー151は、熱伝導率の小さい樹脂で形成されることで、吸入マフラー151内を通過する冷媒ガス105の温度が、電動要素111の発熱などの影響を受け、上昇することを低減し、密度の大きい冷媒ガス105を圧縮室135内に吸入させることができるので、冷媒ガス105の質量流量が増加し、体積効率を向上させることができる。
次に、密閉型圧縮機の吸入工程について説明する。
ピストン121がシリンダ137の容積が増加する方向に動作し、圧縮室135内の冷媒ガス105が膨張し、圧縮室135内の圧力が吸入圧力を下回ると、圧縮室135内の圧力と吸入マフラー151内の圧力との差により、吸入バルブ145は開き始める。
そして、冷凍サイクルから戻った温度の低い冷媒ガス105は、吸入管107から密閉容器101内に一旦開放され、その後、吸入フード163の開口端161から吸入され入口管153を経て、消音空間157に開放される。そして、開放された冷媒ガス105は、出口管155を経て、圧縮室135内に流入する。
その後、ピストン121の動作が下死点から圧縮室135内の容積が減少する方向に転じると、圧縮室135内の圧力は上昇し、圧縮室135内の圧力と吸入マフラー151内の圧力との差によって、吸入バルブ145は閉じる。
ここで、本実施の形態の吸入マフラー151の吸入フード163は、開口端161と密閉容器101の吸入管107が固定されている周辺の内壁との間の空隙距離dが僅かであるので、吸入管107から開放された冷媒ガス105のほとんどが、密閉容器101内に拡散することなく、ほぼ直接的に圧縮室135内に供給されるとともに、密閉容器101内で流動する電動要素111の発熱などの影響を受けた高温の冷媒ガス105の吸入マフラー151への混入を最小限に抑えることができるので、冷媒ガス105の質量流量を増加させ、体積効率を向上させることができる。
一方、ピストン121の往復運動により冷媒ガス105がシリンダ137の圧縮室135内に吸入される際に、吸入バルブ145の開閉により発生する脈動成分が吸入マフラー151内へと伝わる。
これらの脈動成分のうち、高周波数域の脈動成分は吸入マフラー151の消音空間157内で十分に減衰させることができるが、エネルギーの大きい低周波数域の脈動成分は吸入マフラー151の消音空間157内の容積では十分に減衰しきれない。
そして、この低周波数域の脈動成分は、入口管153から吸入フード163へと伝わるが、開口端161が密閉容器101内の空間に開口しているため、これらの低周波数域の脈動成分を容積の大きい密閉容器101内へ逃がすことで減衰させることができるので、冷凍サイクル(図示せず)の配管振動を抑え、騒音を低減することができる。
なお、開口端161は高周波数域の脈動成分が消音空間157内で十分に減衰された下流側に位置しているため、開口端161から漏出する高周波数域の脈動成分は僅かである。
次に、空隙距離dと冷凍能力Qとの関係について説明する。
図4は、本実施の形態における空隙距離と冷凍能力との関係を示した特性図である。
図4において、縦軸は冷凍能力Q、横軸は空隙距離dを示している。
図4に示したとおり、空隙距離dが小さくなるにしたがって、冷凍能力Qは増加していくが、ある距離以下になると急激に冷凍能力Qが低下する。
ここで、本実施の形態の密閉型圧縮機は、圧縮機本体113がサスペンションスプリング115によって密閉容器101に対して弾性的に支持されているため、運転時にピストン121が往復運動することにより、圧縮機本体113が揺動し、空隙距離dが変化する。この空隙距離dの変化により、冷凍能力Qが変動し、性能が不安定になる。
しかし、空隙距離dを1〜4mmの範囲となるように配置することで、圧縮機本体113が揺動して空隙距離dが変化しても冷凍能力Qの変動を0.5%以内に抑えることができ、性能を安定させることができる。
また、空隙距離dが1〜4mmの範囲であれば、運転時に圧縮機本体113が通常の揺動をしても、開口端161と密閉容器101の吸入管107とは接触しない配置となっているが、圧縮機の起動や停止時などで、圧縮機本体113が密閉容器101内で大きく変位した場合においても、吸入フード163がゴム材などの可撓性材料で形成されることで、圧縮機の起動や停止時などで、圧縮機本体113が密閉容器101内で大きく変位した場合においても、開口部159の破損を防ぐことができるので、信頼性の高い密閉型圧縮機を提供することができる。
さらに、吸入フード163の開口端161が、吸入管107よりも大きい断面積を有しているので、圧縮機本体113が揺動したとしても、開口端161が吸入管107から外れることがなく、効果的に冷媒ガス105を吸入マフラー151内に導くことができる。
ここで、本実施の形態のようにインバータ駆動される密閉型圧縮機は、高周波数運転時には、低周波数域の脈動成分が大きくなるが、本実施の形態によれば、低周波数域の脈動成分を密閉容器101内へ拡散し減衰させることができるので、静かなインバータ駆動式の冷凍システムを得ることができる。
一方、低周波数運転時には、圧縮機本体113の揺動が増大するが、本実施の形態によれば、冷凍能力Qの変動を0.5%以内に抑えることができるので、性能の安定したインバータ駆動式の冷凍システムを得ることができる。
また、開口部159が吸入フード163を備えることで、多様な密閉容器101に対して、吸入フード163の形状を変更するだけで対応することができるので、低コスト化が図れるとともに、高性能な吸入マフラー151を多機種に適用することができる。
以上のように、本発明にかかる密閉型圧縮機は、冷却システムの配管振動を抑え、騒音を低減することができるとともに、性能を安定させ、効率を向上できるので、家庭用電気冷蔵庫に限らず、エアーコンディショナー、自動販売機やその他の冷凍装置などに広く適用できる。
本発明の実施の形態1における密閉型圧縮機の縦断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の横断面図 同実施の形態における密閉型圧縮機の要部拡大図 同実施の形態における空隙距離と冷凍能力との関係を示した特性図 特許文献1に記載された従来の密閉型圧縮機の縦断面図 同特許文献に記載された従来の密閉型圧縮機の横断面図 同特許文献に記載された従来の密閉型圧縮機の要部拡大図 特許文献2に記載された従来の密閉型圧縮機の横断面図 同特許文献に記載された従来の密閉型圧縮機の要部拡大図
符号の説明
101 密閉容器
107 吸入管
109 圧縮要素
111 電動要素
119 ブロック
121 ピストン
135 圧縮室
151 吸入マフラー
159 開口部
163 吸入フード

Claims (5)

  1. 密閉容器内に電動要素によって駆動される圧縮要素を収容し、前記密閉容器内外を連通する吸入管を有し、前記圧縮要素は圧縮室を形成するブロックと、前記圧縮室内を往復運動するピストンと、前記圧縮室に連通する吸入マフラーとを備え、前記吸入マフラーの前記密閉容器内に開口する開口部は、前記吸入管に向かって延設され、前記開口部は、前記密閉容器の内壁または前記吸入管との間に、運転時において接触しない僅かな空隙を確保して配置されている密閉型圧縮機。
  2. 吸入マフラーの開口部は、吸入管よりも大きい断面積を有するとともに、密閉容器の内壁との空隙が1〜4mmの範囲となるように配置されている請求項1に記載の密閉型圧縮機。
  3. 開口部は少なくとも一部が可撓性材料で形成されている請求項1または2に記載の密閉型圧縮機。
  4. 開口部は一端が吸入マフラーに固定された吸入フードを備えている請求項3に記載の密閉型圧縮機。
  5. 電動要素は複数の運転周波数でインバータ駆動される請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型圧縮機。
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