JP2013018950A - ゴム強化熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ゴム状重合体(a)の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A)が分散相を、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)を共重合させた共重合体(B)が連続相を構成するゴム強化熱可塑性樹脂組成物であって、ゴム状重合体(a)は粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%である重量分率を有し、グラフト共重合体(A)のグラフト率が70〜150%であり、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物100重量部中にゴム状重合体(a)が5〜24重量部含まれることを特徴とするゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明のゴム強化熱可塑性樹脂組成物は、粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%であるゴム状重合体(a)の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)をグラフト共重合することで得られ、グラフト率が70〜150%であるグラフト共重合体(A)が分散相を、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)を(共)重合させた(共)重合体(B)が連続相を構成し、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物100重量部中にゴム状重合体(a)が5〜24重量部含まれることを特徴とする。
グラフト率(%)=(単量体(b)に関する成分(重量%)/ゴム状重合体(a)に関する成分(重量%))×100
ただし、単量体(b)に関する成分とゴム状重合体(a)に関する成分の合計を100重量%とする。
表3に示す組成割合のグラフト共重合体(A)及び共重合体(B)に対して、着色剤としてSumiplast Black HB(住友化学株式会社製)を1.0部混合した。ベント付50mm単軸押出機(オーエヌ機械製)を用い、シリンダー温度210℃にて溶融混合し、ペレット化することによって、黒色に着色されたペレットを得た。なお、表1及び表2で示す各成分は以下の通りである。
ゴム状重合体(a−1):耐圧容器に、1,3−ブタジエン93部、スチレン7部、n−ドデシルメルカプタン0.5部、過硫酸カリウム0.24部、ロジン酸ナトリウム1.5部、水酸化ナトリウム0.1部及び脱イオン水150部を仕込み、70℃で15時間反応させた後、冷却して反応を終了させることで、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−1)を得た。得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−1)を、四酸化オスミウム(OsO4)で染色し、乾燥後に透過型電子顕微鏡で写真撮影をした。画像解析処理装置(装置名:旭化成(株)製 IP−1000PC)を用いて1000個のゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、スチレン−ブタジエンゴムの重量平均粒子径及び重量分率を算出した。重量平均粒子径及び重量分率を表1に示す。
グラフト共重合体(A−1):窒素置換した反応器にスチレン−ブタジエンゴムラテックス(a−5)30部(固形分)、水160部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.1部、硫酸第1鉄0.001部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を入れ、60℃に加熱後、スチレン49部、アクリロニトリル21部、t−ドデシルメルカプタン0.3部及びキュメンハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物とオレイン酸カリウム1.5部及び水15部からなる混合物を4時間に亘り連続的に添加した。添加終了後さらに60℃で2時間重合した。その後、塩析・脱水・乾燥することでグラフト共重合体(A−1)を得た。
また、上記で得られたアセトン可溶分を乾燥後、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、0.4g/100ccの濃度の溶液としたのち、キャノンフェンスケ型粘度管を用い30℃の流下時間を測定することにより還元粘度を求めた。
得られたグラフト共重合体(A−1)のグラフト率及びアセトン可溶分の還元粘度はそれぞれ91%及び0.40dl/gであった。
共重合体(B−1):公知の塊状重合法により、スチレン70重量部、アクリロニトリル30重量部からなる共重合体(B−1)を得た。上述の方法により、得られた共重合体(B−1)の還元粘度を測定した結果、還元粘度は0.60dl/gであった。
共重合体(B−2):公知の塊状重合法により、スチレン30重量部、メタクリル酸メチル70重量部からなる共重合体(B−2)を得た。上述の方法により、得られた共重合体(B−2)の還元粘度を測定した結果、還元粘度は0.58dl/gであった。
JIS−Z8729に準拠した色相測定により成形品の明度(L*)を測定し発色性の尺度とした。(成形品の明度(L*)が小さい方が成形品の漆黒性が優れているため、結果として同一着色剤を同量添加した際の発色性に優れる)上記成形品としては、各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用い、射出成形機(日本製鋼所製 J−150EP シリンダー温度:200℃ 金型温度:80℃)にて成形された成形品(150mm×120mm×3mm)を用いた。分光光度計は、(株)村上色彩研究所社製 CMS−35SPを用いた。
往復磨耗試験機(新東科学株式会社製、製品名 トライボギア TYPE:30S)を用い、先端部が直径27mmの圧子にかなきん3号の綿布をセットし、500gの一定荷重下で、成形品表面を20往復(速度600mm/分)摩擦した。上記成形品としては、前記(1)で用いた成形品と同じものを使用した。試験後、目視にて成形品の表面の傷を確認し、下記の判定により耐傷付き性の評価を行った。
傷が全く見られない:◎
傷がほとんど見られない:○
傷がかすかに見られる:△
傷が明確に見られる:×
各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用いISO試験方法294に準拠して各種試験片を成形し、耐衝撃性を測定した。
耐衝撃性はISO179に準拠し、4mm厚みで、ノッチ付きシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m2
各実施例及び比較例で得られた着色ペレットを用い、ISO1133に準拠して、220℃、10kg荷重の条件でメルトボリュームフローレイトを測定した。単位;cm3/10分
Claims (1)
- ゴム状重合体(a)の存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)をグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(A)が分散相を、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体及びその他の共重合可能な単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種の単量体(b)を共重合させた共重合体(B)が連続相を構成するゴム強化熱可塑性樹脂組成物であって、ゴム状重合体(a)は粒子径0.05μm以上0.2μm未満の粒子が50〜90重量%、粒子径0.2μm以上の粒子が10〜50重量%である重量分率を有し、グラフト共重合体(A)のグラフト率が70〜150%であり、ゴム強化熱可塑性樹脂組成物100重量部中にゴム状重合体(a)が5〜24重量部含まれることを特徴とするゴム強化熱可塑性樹脂組成物。
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