JP5547828B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び押出成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び押出成形体 Download PDF

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Description

本発明は、伸び性、耐候性及び引張強度だけでなく、成形加工性に優れた押出成形用の熱可塑性樹脂組成物に関する。
ABS樹脂は、耐衝撃性及び加工性のバランスに優れた樹脂であり、自動車等の車両用内外装品、各種家電製品やOA機器のハウジング、その他雑貨分野等、幅広い分野に使用されている。すなわち射出成形用途に限らず、シート押出に代表されるような押出成形用途にも使用されている。しかしながら、ABS樹脂は、そのゴム成分として使用するジエン系ゴム重合体が紫外線等により分解され易いことから、耐候性に劣るという欠点を有している。特許文献1のように、アクリル系材料を用いることで耐候性を改良した樹脂組成物が知られている。しかし、そのような組成物は耐候性に優れているものの、伸び性、引張強度については十分ではないという問題がある。
押出成形の中でもシート成形、フィルム成形においては肉厚が薄くなればなるほど、製品の引き裂けにくさ、強度、すなわち押出成形品の伸び性、引張強度が必要となる。特許文献2には、耐候性、外観に優れたシート押出用の複合ゴム組成物が提案されている。しかし、伸び性、引張強度については十分ではないという問題がある。
特開2000−212377
特開2002−338777
本発明の目的は伸び性、耐候性及び引張強度だけでなく、成形加工性に優れた押出成形用熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定のポリマー構成を持つ複合ゴムに、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体等の単量体混合物を重合して得られるグラフト共重合体を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、グラフト共重合体(A)20〜70重量部、共重合体(B)30〜80重量部を含む熱可塑性樹脂組成物(グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計は100重量部)であって、グラフト共重合体(A)は共役ジエン系ゴム状重合体5〜50重量%と架橋アクリル酸エステル系重合体50〜95重量%から構成される複合ゴム10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であり、複合ゴム1.0gをテトラヒドロフラン20mlに24時間浸漬したときのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量が50000〜100000、かつ複合ゴム0.25gをトルエン100mlに48時間浸漬したときのトルエンに対する膨潤度が7.0〜13.0であることを特徴とするグラフト共重合体であり、共重合体(B)は芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体とを共重合することで得られる共重合体、または、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体とその他の共重合可能な他のビニル系単量体とを共重合することで得られる共重合体(B)であることを特徴とする押出成形用熱可塑性樹脂組成物に関する。

本発明により伸び性、耐候性及び引張強度だけでなく、成形加工性に優れた押出成形用熱可塑性樹脂組成物及び該熱可塑性樹脂組成物から得られる押出成形体を提供することが出来る。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明はグラフト共重合体(A)20〜70重量部、共重合体(B)30〜80重量部を含む押出成形用熱可塑性樹脂組成物(グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計は100重量部)である。
本発明で用いられるグラフト共重合体(A)は、共役ジエン系ゴム状重合体と架橋アクリル酸エステル系重合体から構成される複合ゴムの存在下に芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体をグラフト重合して得られた、グラフト共重合体である。
本発明で使用される複合ゴムを構成する共役ジエン系ゴム状重合体としては、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン−(エチレン−ブタジエン)−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、メチルメタクリレート−ブタジエンゴムが挙げられる。特に、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
共役ジエン系ゴム状重合体の重量平均粒子径に特に制限は無いが、物性バランスの観点から、0.1〜1.0μmであることが好ましく、0.2〜0.5μmであることがより好ましい。また、共役ジエン系ゴム状重合体の重量平均粒子径の調節は公知の方法が使用できるが、比較的小粒子径の共役ジエン系ゴム状重合体を予め製造し、凝集肥大化させることで目的とする重量平均粒子径とした、凝集肥大化共役ジエン系ゴム状重合体を用いることも可能である。
本発明で使用される複合ゴムを構成する架橋アクリル酸エステル系重合体は、架橋剤の存在下にアルキル基の炭素数が1〜16のアクリル酸エステル系単量体、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を一種又は二種以上、さらには必要に応じて他の共重合可能な単量体、例えばスチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等を一種又は二種以上を重合して得られる重合体である。
架橋アクリル酸エステル系重合体に用いられる架橋剤としては、例えばジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
本発明で使用される複合ゴムは、共役ジエン系ゴム状重合体の存在下で、架橋アクリル酸エステル系重合体を構成する単量体(混合物)を乳化重合させる、いわゆるシード重合によって得ることができる。すなわち、本発明の複合ゴムは共役ジエン系ゴム状重合体がコアであり、架橋アクリル酸エステル系重合体がシェルであるコアシェル構造を有している。
本発明で使用される複合ゴムを構成する、共役ジエン系ゴム状重合体と架橋アクリル酸エステル系重合体の比率は、共役ジエン系ゴム状重合体5〜50重量%、架橋アクリル酸エステル系重合体50〜95重量%であることが必要であるが、物性バランスの観点から共役ジエン系ゴム状重合体が7〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましい。
本発明で使用される複合ゴムは、該複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量が50000以上、かつ複合ゴムのトルエンに対する膨潤度が7.0以上であることが必要である。重量平均分子量が50000未満では得られる熱可塑性樹脂組成物の引張強度、伸び性及び耐候性に劣る。重量平均分子量が55000〜100000であることが好ましく、63000〜80000であることがより好ましい。また、膨潤度が7.0未満でも得られる熱可塑性樹脂組成物の引張強度、伸び性及び耐候性が劣る。膨潤度が7.5〜13.0であることが好ましく、8.5〜11.0であることがより好ましい。
本発明で使用される複合ゴムのトルエン溶媒でのゲル含有量に特に制限はないが、物性バランスの観点から、複合ゴムのゲル含有量が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。
複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量及び複合ゴムのトルエンに対する膨潤度を調節する方法としては、いかなる方法であっても構わないが、例えば重合開始剤の種類及び量、重合温度、連鎖移動剤の種類及び量等を変更する方法が挙げられる。
複合ゴムを重合する際、使用する重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性重合開始剤を適宜用いることができる。さらに、好ましく用いられる還元剤の具体例としては、硫酸第一鉄7水塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、亜ニチオン酸塩、ニチオン酸塩、チオ硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩、ベンズアルデヒドスルホン酸塩、また、L−アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸などのカルボン酸類、更にはラクトース、デキストロース、サッカロースなどの還元糖類、更にはジメチルアニリン、トリエタノールアミンなどのアミン類が挙げられる。また、キレート剤としては、ピロリン酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
複合ゴムを重合する際、使用する乳化剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩等を適宜用いることができる。さらに、好ましく用いられる乳化剤の具体例としては、オレイン酸カリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明で用いられるグラフト共重合体(A)は、上述の複合ゴムの存在下に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体である。
グラフト共重合体(A)は該グラフト共重合体100重量部中に複合ゴムが10〜80重量部含まれている必要がある。複合ゴム量が10重量部より少ないと伸び性に劣る。80重量部を超えると引張強度に劣る。複合ゴムの含有量は30〜70重量部であることが好ましく、40〜60重量部であることがより好ましい。
グラフト共重合体(A)を構成する芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ブロムスチレン等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
グラフト共重合体(A)を構成するシアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フマロニトリル等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にアクリロニトリルが好ましい。
グラフト共重合体(A)を構成する共重合可能な他のビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、マレイミド系単量体、アミド系単量体等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルフェニル、(メタ)アクリル酸(ジ)ブロモフェニル、(メタ)アクリル酸クロルフェニル等を例示でき、マレイミド系単量体としてはN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を例示でき、アミド系単量体としてはアクリルアミド、メタクリルアミド等を例示できる。
複合ゴムとグラフト重合する、上述の単量体の組成比率に特に制限はないが、芳香族ビニル系単量体60〜90重量%、シアン化ビニル系単量体10〜40重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜30重量%の組成比率、芳香族ビニル系単量体30〜80重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体20〜70重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜50重量%の組成比率、芳香族ビニル系単量体20〜70重量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体20〜70重量%、シアン化ビニル系単量体10〜60重量%及び共重合可能な他のビニル系単量体0〜30重量%の組成比率等であることが好ましい。
本発明のグラフト共重合体(A)を重合するための手法に特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等を用いることが出来る。乳化重合法を用いた場合、上述の複合ゴムに上述の単量体をグラフト重合することによって、グラフト共重合体(A)のラテックスを得ることが出来る。グラフト共重合体(A)のラテックスは、公知の方法により凝固され、洗浄、脱水、乾燥工程を経ることでグラフト共重合体(A)のパウダーを得ることができる。
本発明のグラフト共重合体(A)のグラフト率(グラフト共重合体のアセトン可溶分量と不溶分量及びグラフト共重合体中の複合ゴムの重量から求める。)、及びアセトン可溶分の還元粘度(0.4g/100cc、N,Nジメチルホルムアミド溶液として30℃で測定)に特に制限はなく、要求性能によって任意の構造のものを使用することができるが、物性バランスの観点から、グラフト率は5〜150%であることが好ましく、還元粘度は0.2〜2.0dl/gであることが好ましい。
本発明で用いられる共重合体(B)は芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体、必要に応じてその他の共重合可能な他のビニル系単量体を共重合することで得られる共重合体である。
共重合体(B)を構成する芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及び共重合可能な他の単量体としては、グラフト共重合体(A)で用いられる単量体と同様のものを用いることができる。
本発明で用いられる共重合体(B)は従来公知の重合技術、例えば乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法などの重合法により重合することができる。それぞれの重合方法で得られた重合体を組み合わせても良く、重合方法や組成比率の異なる一種又は二種以上の共重合体を組み合わせても良い。
共重合体(B)を構成する各単量体の比率に特に制限はないが、共重合体(B)を構成する単量体の合計量を100重量部とした場合に、物性バランスの観点から芳香族ビニル系単量体は50〜85重量部、シアン化ビニル系単量体は15〜50重量部、共重合可能な他の単量体は0〜35重量部であることが好ましい。
本発明で用いられる共重合体(B)は熱可塑性樹脂組成物を押出成形する際の成形加工性に関連しており、熱可塑性樹脂組成物中の複合ゴムの含有量や押出成形した際の加熱収縮率を調節する役割を有する。
共重合体(B)の分子構造は直鎖構造又は分岐構造のいずれでも良いが、200℃、せん断速度100(1/sec)で測定したダイスウェル比が1.3〜1.7であることが好ましい。共重合体(B)のダイスウェル比が上記範囲である場合は、得られた押出成形品の加熱収縮率が小さくなり、成形加工性が向上する。ダイスウェル比が1.4〜1.6であることがより好ましい。
本発明で用いられる共重合体(B)のダイスウェル比の調節方法としては、いかなる方法であっても構わないが、重量平均分子量の異なる共重合体を二種以上用いる方法が挙げられる。
本発明の押出成形用熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じてヒンダードアミン系の光安定剤、ヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系等の酸化防止剤、フェノール系、アクリレート系等の熱安定剤、ベンゾエート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系の紫外線吸収剤、有機ニッケル系、高級脂肪酸アミド類等の滑剤、リン酸エステル類等の可塑剤、ポリブロモフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化等の含ハロゲン系化合物、リン系化合物、三酸化アンチモン等の難燃剤・難燃助剤、臭気マスキング剤、カーボンブラック、酸化チタン、顔料、及び染料等を添加することもできる。更に、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、金属繊維等の補強剤や充填剤を添加することもできる。
本発明の押出成形用熱可塑性樹脂組成物に関して、成形性、物性の観点から、グラフト重合体(A)と共重合体(B)の合計を100重量部とした時に、グラフト重合体(A)が20〜70重量部、共重合体(B)が30〜80重量部の比率であることが必要である。グラフト重合体(A)が30重量部未満では伸び性が劣る。80重量部を超えると引張強度が劣る。グラフト重合体(A)が30〜60重量部、共重合体(B)が40〜70重量部であることがより好ましい。
本発明の押出成形用熱可塑性樹脂組成物は、上述の成分を混合することで得ることができる。混合するために、例えば、押出し機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の公知の混練装置を用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。なお、実施例中にて示す「部」及び「%」は重量に基づくものである。
小粒子径スチレン−ブタジエンゴムラテックスの製造
10リットルの耐圧容器の内部を窒素で置換後、1,3−ブタジエン95重量部、スチレン5重量部、n−ドデシルメルカプタン0.5重量部、過硫酸カリウム0.3重量部、不均化ロジン酸ナトリウム1.8重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部、脱イオン水145重量部を仕込み、攪拌しつつ70℃で8時間反応させた。その後、不均化ロジン酸ナトリウム0.2重量部、水酸化ナトリウム0.1重量部及び脱イオン水5重量部を添加した。さらに温度を70℃に維持しながら6時間攪拌を継続して反応を終了した。その後、減圧して残存している1,3−ブタジエンを除去し、スチレン−ブタジエンゴムラテックスを得た。得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスを、四酸化オスミウム(OsO)で染色し、乾燥後に透過型電子顕微鏡で写真撮影した。画像解析処理装置(装置名:旭化成(株)製 IP−1000PC)を用いて1000個のゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、スチレン−ブタジエンゴムの重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は120nmであった
凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックスの製造
10リットルの耐圧容器に、上記で得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックス270重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部を添加して10分間攪拌混合した後、5%リン酸水溶液20重量部を10分間にわたり添加した。次いで10%水酸化カリウム水溶液10重量部を添加し、凝集肥大化したスチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を得た。
上述の方法で、凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムの重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は330nmであった。
10リットルの耐圧容器に、上記で得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックス270重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3重量部を添加して10分間攪拌混合した後、5%リン酸水溶液20重量部を10分間にわたり添加した。次いで10%水酸化カリウム水溶液10重量部を添加し、凝集肥大化したスチレン−ブタジエンゴムラテックス(2)を得た。
上述の方法で、凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムの重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は250nmであった。
架橋アクリル酸ブチルゴムラテックスの製造
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水180重量部、アクリル酸ブチル15重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.16重量部(固形分換算)、過硫酸カリウム0.15重量部を仕込み、65℃で1時間反応させた。その後、アクリル酸ブチル85重量部、メタクリル酸アリル0.53重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.64重量部(固形分換算)を溶解した乳化剤水溶液を3時間かけて連続的に添加した。滴下後、3時間保持して、架橋アクリル酸ブチルゴムラテックスを得た。
得られた架橋アクリル酸ブチルゴムラテックスの重量平均粒子径を下記に記載する方法で算出した。得られた架橋アクリル酸ブチルゴムラテックスを15部(固形分)、スチレンを64部、アクリロニトリルを21部用いてグラフト共重合を行い、グラフト共重合体を得た。グラフト共重合体のパウダーを溶融混練してペレットを得た。得られたペレットを、クライオミクロトームを用いて−85℃の雰囲気下で超薄切片を切り出し、四酸化ルテニウム(RuO)で染色し、透過型電子顕微鏡(JEM−1400:日本電子製)で写真撮影した。画像解析装置(旭化成 IP−1000PC)を用いて、1000個の複合ゴム粒子の面積を計測し、その円相当径(直径)を求め、架橋アクリル酸ブチルゴムラテックスの重量平均粒子径を算出した結果、重量平均粒子径は200nmであった。
複合ゴムラテックス(a−1)の製造
10Lのガラスリアクターに、上記の凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を20重量部(固形分)、脱イオン水を140重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し35℃に到達したところで脱イオン水20重量部にナトリウムホルムアルデヒド・スルホキシレート0.05重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01重量部及び硫酸第1鉄0.001重量部を溶解した水溶液を添加した。さらに、アクリル酸ブチル16重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部を添加した。槽内の温度が40℃に到達した後、1時間保持し、脱イオン水25重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.9重量部、過硫酸カリウム0.09重量部を溶解した水溶液とアクリル酸ブチル64重量部、メタクリル酸アリル0.4重量部を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持して、肥大化スチレン−ブタジエンゴムと架橋アクリル酸ブチル重合体から構成される複合ゴムラテックス(a−1)を得た。
得られた複合ゴムラテックスを乾燥後、1.0gをテトラヒドロフラン20mlに24時間浸漬した後に、300メッシュの金網で不溶部を除去し、さらに孔径0.45μmのディスポーサブルフィルターでろ過したものをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することで、テトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量を求めた。この方法より得られた複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量は65000であった。
複合ゴムのトルエンに対する膨潤度は、上述の複合ゴムラテックスを乾燥後、0.25gをトルエン100mlに48時間浸漬させた後に、300メッシュの金網で濾過することで、不溶部の重量(W)、不溶部を乾燥した後の重量(W)を測定し、下記の式より求めた。
膨潤度=W/W
この方法より得られた複合ゴムの膨潤度は、9.5であった。
複合ゴムラテックス(a−2)の製造
10Lのガラスリアクターに、上記の凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を10重量部(固形分)、脱イオン水を140重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し35℃に到達したところで脱イオン水20重量部にナトリウムホルムアルデヒド・スルホキシレート0.05重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01重量部及び硫酸第1鉄0.001重量部を溶解した水溶液を添加した。さらに、アクリル酸ブチル16重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部を添加した。槽内の温度が40℃に到達した後、1時間保持し、脱イオン水25重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.9重量部、過硫酸カリウム0.09重量部を溶解した水溶液とアクリル酸ブチル74重量部、メタクリル酸アリル0.46重量部を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持して、肥大化スチレン−ブタジエンゴムと架橋アクリル酸ブチル重合体から構成される複合ゴムラテックス(a−2)を得た。
上記方法により得られた、テトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量は68000、トルエンに対する膨潤度は10.3であった。
複合ゴムラテックス(a−3)の製造
10Lのガラスリアクターに、上記の凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を30重量部(固形分)、脱イオン水を140重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し35℃に到達したところで脱イオン水20重量部にナトリウムホルムアルデヒド・スルホキシレート0.05重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01重量部及び硫酸第1鉄0.001重量部を溶解した水溶液を添加した。さらに、アクリル酸ブチル16重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部を添加した。槽内の温度が40℃に到達した後、1時間保持し、脱イオン水25重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.9重量部、過硫酸カリウム0.07重量部を溶解した水溶液とアクリル酸ブチル54重量部、メタクリル酸アリル0.34重量部を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持して、肥大化スチレン−ブタジエンゴムと架橋アクリル酸ブチル重合体から構成される複合ゴムラテックス(a−3)を得た。
上記方法により得られたテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量は61000、トルエンに対する膨潤度は7.5であった。
複合ゴムラテックス(a−4)の製造
10Lのガラスリアクターに、上記の凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(2)を20重量部(固形分)、脱イオン水を140重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し35℃に到達したところで脱イオン水20重量部にナトリウムホルムアルデヒド・スルホキシレート0.05重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.01重量部及び硫酸第1鉄0.001重量部を溶解した水溶液を添加した。さらに、アクリル酸ブチル16重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部を添加した。槽内の温度が40℃に到達した後、1時間保持し、脱イオン水25重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.9重量部、過硫酸カリウム0.09重量部を溶解した水溶液とアクリル酸ブチル64重量部、メタクリル酸アリル0.4重量部を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持して、肥大化スチレン−ブタジエンゴムと架橋アクリル酸ブチル重合体から構成される複合ゴムラテックス(a−4)を得た。
上記方法により得られたテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量は64000、トルエンに対する膨潤度は9.7であった。
複合ゴムラテックス(a−5)の製造
10Lのガラスリアクターに、上記の凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を20重量部(固形分)、脱イオン水を140重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところでアクリル酸ブチル16重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部を添加し、槽内の温度が70℃に到達した後、1時間保持し、脱イオン水25重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.9重量部、過硫酸カリウム0.09重量部を溶解した水溶液とアクリル酸ブチル64重量部、メタクリル酸アリル0.4重量部を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持して、肥大化スチレン−ブタジエンゴムと架橋アクリル酸ブチル重合体から構成される複合ゴムラテックス(a−5)を得た。
上記方法により得られたテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量は62000、トルエンに対する膨潤度は6.1であった。
複合ゴムラテックス(a−6)の製造
10Lのガラスリアクターに、上記の凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を20重量部(固形分)、脱イオン水を140重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところでアクリル酸ブチル16重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部を添加し、槽内の温度が70℃に到達した後、1時間保持し、脱イオン水25重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.9重量部、過硫酸カリウム0.2重量部を溶解した水溶液とアクリル酸ブチル64重量部、メタクリル酸アリル0.4重量部を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持して、肥大化スチレン−ブタジエンゴムと架橋アクリル酸ブチル重合体から構成される複合ゴムラテックス(a−6)を得た。
上記方法により得られたテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量は43000、トルエンに対する膨潤度は5.2であった。
複合ゴムラテックス(a−7)の製造
10Lのガラスリアクターに、上記の凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を10重量部(固形分)、脱イオン水を140重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところでアクリル酸ブチル16重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部を添加し、槽内の温度が70℃に到達した後、1時間保持し、脱イオン水25重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.9重量部、過硫酸カリウム0.2重量部を溶解した水溶液とアクリル酸ブチル74重量部、メタクリル酸アリル0.46重量部を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持して、肥大化スチレン−ブタジエンゴムと架橋アクリル酸ブチル重合体から構成される複合ゴムラテックス(a−7)を得た。
上記方法により得られたテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量は45000、トルエンに対する膨潤度は5.5であった。
グラフト共重合体(A−1)の製造
ガラスリアクターに、複合ゴムラテックス(a−1)50重量部(固形分)を仕込み窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、ラクトース0.2重量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1重量部及び硫酸第1鉄0.005重量部を脱イオン水10重量部に溶解した水溶液を添加した。70℃に到達後、アクリロニトリル15重量部、スチレン35重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.05部、クメンハイドロパーオキサイド0.3重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1.0重量部を溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト重合体(A−1)のパウダーを得た。
グラフト共重合体(A−2)〜(A−7)の製造
複合ゴムラテックス(a−1)から複合ゴムラテックス(a−2)〜(a−7)に変更した以外はグラフト共重合体(A−1)と同様に製造し、各グラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト重合体(A−2)〜(A−7)のパウダーを得た。
グラフト共重合体(A−8)の製造
ガラスリアクターに、凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を固形分換算で50重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、ラクトース0.2重量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1重量部及び硫酸第1鉄0.005重量部を脱イオン水10重量部に溶解した水溶液を添加した後に、70℃に昇温した。その後、アクリロニトリル15重量部、スチレン35重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.05部、クメンハイドロパーオキサイド0.3重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1.0重量部を溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックス(A−8)を得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト重合体(A−8)のパウダーを得た。
グラフト共重合体(A−9)の製造
ガラスリアクターに、凝集肥大化スチレン−ブタジエンゴムラテックス(1)を固形分換算で10重量部、架橋アクリル酸ブチルゴムラテックスを固形分換算で40重量部仕込み、窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し65℃に到達したところで、ラクトース0.2重量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1重量部及び硫酸第1鉄0.005重量部を脱イオン水10重量部に溶解した水溶液を添加した後に、70℃に昇温した。その後、アクリロニトリル15重量部、スチレン35重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.05部、クメンハイドロパーオキサイド0.3重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1.0重量部を溶解した乳化剤水溶液を4時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト重合体(A−9)のパウダーを得た。
共重合体(B−1)の製造
公知の乳化重合法により、スチレン75%、アクリロニトリル25%であり、重量平均分子量が10万である共重合体(B−1)を得た。
共重合体(B−2)の製造
公知の乳化重合法により、スチレン75%、アクリロニトリル25%であり、重量平均分子量が20万である共重合体(B−2)を得た。
共重合体(B−3)の製造
公知の乳化重合法により、スチレン75%、アクリロニトリル25%であり、重量平均分子量が40万である共重合体(B−3)を得た。
添加剤
光安定剤:ADEKA(株)製 アデカスタブ LA77Y
紫外線吸収剤:住友化学(株)製 スミソーブ200
<実施例1〜8及び比較例1〜5>
表1に示すグラフト共重合体(A)、共重合体(B)及び添加剤を混合した後、40mm二軸押出機を用いて240℃にて溶融混練してペレットを得た。得られたペレットより、240℃に設定した押出成形機にて種々の押出成形品を成形し、物性評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、それぞれの評価方法を以下に示す。
引張強度、伸び性
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、240℃に設定した押出機にて厚み100μmのシートを成形し、JIS Z 1702規格のダンベル形に打ち抜いた試験片で引張強度及び伸び性を評価した。島津製作所社製AG−500Cを使用し、23℃、引張速度50mm/min、つかみ間距離80mmで測定し、下記の式より引張強度及び伸び性を求めた。
引張強度(MPa)=最大引張応力(N)/試験片断面積(mm
伸び性(%)=(破断時のつかみ間距離(mm)−初期つかみ間距離(mm))/初期つかみ間距離(mm)×100
耐候性
耐候性の評価には、各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、射出成形機(山城精機製作所製 SAV−30−30 シリンダー温度:210℃ 金型温度:50℃)にて成形された成形品(90mm×55mm×2.5mm)を用いた。スガ試験機(株)製サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター、WEL−SUN−HCH−Bを使用し、63℃、雨ありの条件下で500時間の加速曝露試験を行った。その後測色計を用い、曝露前と曝露後の色差(ΔE)を測定した。
◎:ごくわずかな色相変化 ΔE=3未満
○:軽微な色相変化 ΔE=3以上 5未満
△:許容できる色相変化 ΔE=5以上 10未満
×:許容できない色相変化 ΔE=10以上
ダイスウェル比
MALNVERN社製 キャピラリーレオメータを用い、200℃、せん断速度100(1/sec)、オリフィス直径2.0mmで押し出されたストランド径をノギスで測定し、ストランド直径をオリフィス直径で除した数値を共重合体(B)のダイスウェル比とした。
共重合体(B)を二種以上用いた場合は、それぞれの重量比率で配合し、(株)東洋精機製作所製 ラボプラストミルにて200℃、30rpm、2分混練して得られた組成物を同様に測定した。
加熱収縮率
加熱収縮率の評価には、各実施例及び比較例で得られたペレットを、押出成形にて成形したシート(厚み100μm)を用いた。100mm四方に切り出したシートをバットに並べ100℃のオーブンに1時間放置し、流れ方向の収縮率を以下の式で算出した。
加熱収縮率(%)=(加熱前寸法(mm)−加熱後寸法(mm))/加熱前寸法(mm)
◎:加熱収縮率0.30未満
○:加熱収縮率0.30以上 0.40未満
△:加熱収縮率0.40以上 0.50未満
×:加熱収縮率0.50以上
表1に示すように、実施例1〜8は本発明に関わる熱可塑性樹脂組成物の例であり、引張強度、伸び性及び耐候性に優れていた。特にダイスウェル比が1.5である共重合体(B)を用いた実施例3では押出成形品の加熱収縮率に優れるため、成形加工性が優れていた。
表1に示すように、比較例1〜3は複合ゴムのテトラヒドロフラン可溶部の重量平均分子量及び/又は膨潤度が特許請求の範囲外であるため、引張強度、伸び性、耐候性のバランスに劣っていた。また、比較例4はグラフト共重合体としてABS樹脂を用いたため耐候性に劣っていた。比較例5では共役ジエン系ゴム状重合体とアクリル酸エステル系重合体が複合ゴムとして存在していなかったため、耐候性に劣っていた。
本発明のグラフト共重合体を用いた押出成形用熱可塑性樹脂組成物は、伸び性、耐候性及び引張強度だけでなく成形加工性に優れるため、車両用外装部品、屋外で使用される製品等への利用価値が高い。

Claims (3)

  1. グラフト共重合体(A)20〜70重量部、共重合体(B)30〜80重量部を含む熱可塑性樹脂組成物(グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計は100重量部)であって、グラフト共重合体(A)は共役ジエン系ゴム状重合体5〜50重量%と架橋アクリル酸エステル系重合体50〜95重量%から構成される複合ゴム10〜80重量部に、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であり、複合ゴム1.0gをテトラヒドロフラン20mlに24時間浸漬したときのテトラヒドロフラン可溶部のポリスチレン換算重量平均分子量が50000〜100000、かつ複合ゴム0.25gをトルエン100mlに48時間浸漬したときのトルエンに対する膨潤度が7.0〜13.0であることを特徴とするグラフト共重合体であり、共重合体(B)は芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体とを共重合することで得られる共重合体、または、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体とその他の共重合可能な他のビニル系単量体とを共重合することで得られる共重合体(B)であることを特徴とする押出成形用熱可塑性樹脂組成物。
  2. 200℃、せん断速度100(1/sec)で測定したダイスウェル比が1.3〜1.7である共重合体(B)を用いる事を特徴とする、請求項1に記載の押出成形用熱可塑性組成物。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の押出成形用熱可塑性樹脂組成物を押出成形して得られた押出成形品
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