JP6214939B2 - 押出成形用熱可塑性樹脂組成物及び押出成形体 - Google Patents
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Description
本発明はグラフト共重合体(A)20〜90重量部と共重合体(B)10〜80重量部を含む押出成形用熱可塑性樹脂組成物(グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計は100重量部)である。
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水180重量部、アクリル酸ブチル15重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.36重量部(固形分換算)、過硫酸カリウム0.15重量部を仕込み、65℃で1時間反応させた。その後、アクリル酸ブチル85重量部、メタクリル酸アリル0.53重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.64重量部(固形分換算)を溶解した乳化剤水溶液を3時間かけて連続的に添加した。滴下後、3時間保持して、アクリル酸ブチルゴムラテックス(a−1)を得た。ここで、アルケニルコハク酸ジカリウムとしては、花王株式会社製のラテムルASKを用いた。
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水180重量部、アクリル酸ブチル15重量部、メタクリル酸アリル0.1重量部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.12重量部(固形分換算)、過硫酸カリウム0.15重量部を仕込み、65℃で1時間反応させた。その後、アクリル酸ブチル85重量部、メタクリル酸アリル0.53重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にアルケニルコハク酸ジカリウム0.88重量部(固形分換算)を溶解した乳化剤水溶液を3時間かけて連続的に添加した。滴下後、3時間保持して、アクリル酸ブチルゴムラテックス(a−2)を得た。
窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水270重量部、スチレン2重量部、アクリル酸ブチル1重量部、アルケニルコハク酸ジカリウム1重量部(固形分換算)及び過硫酸カリウム0.2重量部を仕込み、65℃で1時間重合した。その後、スチレン78重量部、アクリル酸ブチル19重量部、メタクリル酸アリル0.5重量部からなる混合モノマー溶液およびアルケニルコハク酸ジカリウム2重量部(固形分換算)を含む乳化剤水溶液30重量部を各々4時間に亘って連続添加し、その後2時間重合を継続し、重合を終了し、芳香族ビニル系重合体を得た。次に、窒素置換したガラスリアクターに、脱イオン水150重量部、得られた芳香族ビニル系重合体ラテックスを固形分換算で10重量部、アクリル酸ブチル5重量部、メタクリル酸アリル0.05重量部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.05重量部(固形分換算)、過硫酸カリウム0.3重量部を仕込み、65℃で1時間反応させた。その後、アクリル酸ブチル85重量部、メタクリル酸アリル0.45重量部の混合液および脱イオン水20重量にアルケニルコハク酸ジカリウム0.45重量部(固形分換算)を溶解した乳化剤水溶液を4時間に亘り連続添加した。その後、重合を65℃で3時間継続し、重合を終了し、アクリル系複合ゴム重合体ラテックス(a−3)を得た。
ガラスリアクターに、アクリル酸ブチルゴムラテックス(a−1)40重量部(固形分換算)を仕込み窒素置換を行った。窒素置換後、槽内を昇温し60℃に到達したところで、ブドウ糖0.2重量部、無水ピロリン酸ナトリウム0.1重量部及び硫酸第1鉄0.005重量部を脱イオン水10重量部に溶解した水溶液を添加した。65℃に到達後、アクリロニトリル12重量部、スチレン28重量部、ターシャリードデシルメルカプタン0.1部、クメンハイドロパーオキサイド0.3重量部の混合液及び脱イオン水20重量部にオレイン酸カリウム1.0重量部を溶解した乳化剤水溶液を5時間かけて連続的に滴下した。滴下後、3時間保持してグラフト共重合体ラテックスを得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト共重合体(A−1)のパウダーを得た。
表1に従いアクリル酸ブチルゴムラテックス(a−1)を40重量部から60重量部へ、アクリル酸ブチルゴムラテックス(a−1)からアクリル酸ブチルゴムラテックス(a−2)又はアクリル系複合ゴムラテックス(a−3)へ変更した以外はグラフト共重合体(A−1)と同様に製造し、グラフト共重合体ラテックス(A−2)〜(A−5)を得た。その後、塩析・脱水・乾燥し、グラフト重合体(A−2)〜(A−5)のパウダーを得た。
公知の乳化重合法により、スチレン75重量%、アクリロニトリル25重量%であり、重量平均分子量が10万である共重合体(B−1)を得た。
公知の乳化重合法により、スチレン75重量%、アクリロニトリル25重量%であり、重量平均分子量が40万である共重合体(B−2)を得た。
公知の乳化重合法により、スチレン75重量%、アクリロニトリル25重量%であり、重量平均分子量が450万である共重合体(B−3)を得た。
C−1(紫外線吸収剤):商品名「スミソーブ200」(住友化学(株)製)
C−2(光安定剤):商品名「アデカスタブ LA77Y」(ADEKA(株)製)
表2に示すグラフト共重合体(A)、共重合体(B)及び添加剤(C)を混合した後、40mm単軸押出機(田辺プラスチックス機械(株)製)を用いて220℃にて溶融混練してペレットを得た。得られたペレットより、種々の成形品を成形し、物性評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、それぞれの評価方法を以下に示す。
各実施例及び比較例で得られたペレットのダイスウェル比を下記の方法で測定した。
MALNVERN社製 キャピラリーレオメータを用い、200℃、せん断速度100(1/sec)、オリフィス直径2.0mmで押し出されたストランド径をノギスで測定し、ストランド直径をオリフィス直径で除した数値をダイスウェル比とした。
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、40mmシート押出機(田辺プラスチックス機械(株)製)を使用して成形温度200℃の条件で厚さ1mmのシートを作成し、シートを90°折り曲げた際の白化の有無を目視により判定した。
◎:白化なし
○:わずかに白化
×:著しく白化
各実施例及び比較例で得られたペレットを用い、射出成形機(山城精機製作所製 SAV−30−30 シリンダー温度:220℃ 金型温度:60℃)にて成形された成形品(90mm×55mm×2.5mm)を用いて、スガ試験機(株)製サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(WEL−SUN−HCH−B)を使用し、63℃、雨ありの条件下で1500時間の加速曝露試験を行った。その後測色計を用い、曝露前と曝露後の色差(ΔE)を測定した。
◎:ごくわずかな色相変化 ΔE=3未満
○:軽微な色相変化 ΔE=3以上 5未満
×:許容できない色相変化 ΔE=5以上
上記の厚さ1mmのシートの両端部がダイス形状どおりに形成されているのかを目視により判定した。
◎:ダイス形状のとおり正確に形成されている
○:僅かに丸みを帯びているがダイス形状どおりに形成されている
×:丸みを帯び、ダイス形状どおりに形成されていない
Claims (2)
- グラフト共重合体(A)20〜90重量部と共重合体(B)10〜80重量部を含む熱可塑性樹脂組成物(グラフト共重合体(A)と共重合体(B)の合計は100重量部)であって、グラフト共重合体(A)はゴム状重合体として、トルエン溶媒でのゲル含有量が75%以上であるアクリル系ゴム状重合体のみを含み、アクリル系ゴム状重合体10〜80重量部の存在下で、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体及びこれらと共重合可能な他のビニル系単量体から選ばれた少なくとも一種の単量体20〜90重量部をグラフト重合して得られるグラフト共重合体であり、共重合体(B)は芳香族ビニル系単量体及びシアン化ビニル系単量体、必要に応じてその他の共重合可能な他のビニル系単量体を重合することで得られる共重合体(B)であり、熱可塑性樹脂組成物中に存在するアクリル系ゴム状重合体に関して、円相当粒子径が250nm以上である粒子がアクリル系ゴム状重合体に対して10重量%以下であり、熱可塑性樹脂組成物の200℃、せん断速度100(1/sec)で測定したダイスウェル比が1.10以上であることを特徴とする押出成形用熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の押出成形用熱可塑性樹脂組成物を押出成形して得られた押出成形品。
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