JP2011236263A - めっき用樹脂組成物、及び樹脂めっき製品 - Google Patents

めっき用樹脂組成物、及び樹脂めっき製品 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒吸着性、めっき密着強度、成形性、耐衝撃性、耐熱性のいずれもが優れためっき用樹脂組成物、及び樹脂めっき製品を提供する。
【解決手段】本発明のめっき用樹脂組成物は、質量平均粒子径が0.20〜0.50μmのゴム状重合体(d1)に、特定の単量体成分(a)をグラフト重合したグラフト共重合体(A-1)10〜30質量%と、質量平均粒子径が0.06〜0.15μmのゴム状重合体(d2)に単量体成分(a)をグラフト重合したグラフト共重合体(A-2)5〜20質量%と、特定の共重合体(B)5〜50質量%と、ポリカーボネート樹脂(C)20〜70質量%とを含有し、グラフト共重合体(A-1),(A-2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計100質量%に対する、ゴム状重合体(d1),(d2)の合計の割合が10〜20質量%であり、グラフト共重合体(A-1),(A-2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計100質量部に対して、特定の酸化防止剤(D)を1〜8質量部配合している。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解めっきを施すことなく樹脂の表面にめっき処理する工法に適しためっき用樹脂組成物、及び樹脂めっき製品に関する。
熱可塑性樹脂を成形した成形品には、めっき処理が施される場合が多い。従来、成形性、基本物性、めっき特性に優れる等の点から、熱可塑性樹脂としてはABS樹脂が主流であり、プラスチックめっき用途で幅広く使用されている。
ABS樹脂等を成形した成形品(プラスチック)をめっきする方法としては、プラスチックの表面にPd−Sn触媒核を付着させた後、希薄酸性液で処理を行い、その後に無電解銅めっき又は無電解ニッケルめっきを施し、プラスチック表面に導電性皮膜を形成させた後に、電気めっきをする方法(キャタリスト・アクセレーター法)が一般的である。
しかし、無電解銅めっきに使用されるめっき液には、還元剤として発癌性物質とされるホルマリンが含まれていることから、作業者への問題が指摘されている。また、めっき液の製造の際には、銅イオンをアルカリ溶液中で可溶化させるため、通常、EDTA等の強力な錯化剤が使用される。そのため、廃水処理において銅イオンを除去するには、例えばろ過工程、活性炭処理工程、イオン交換工程などの処理工程が必要であり、相当な労力を要する等、種々の問題があった。
また、無電解ニッケルめっきの場合は、めっき液に含まれる次亜リン酸塩(還元剤)が酸化を受けて亜リン酸塩となり、これがリン規制の対象となる。また、高COD廃液として新たな環境汚染問題の原因にもなっている。
従って、プラスチックのめっき工法について、労働安全衛生上の問題や地球環境問題を重視する傾向が強く、無電解めっき工程を含まないダイレクトめっき法(ダイレクトプレーティング法)が提案され、実用化されている。ダイレクトめっき法の具体例として、Pd―Snコロイド触媒法が提案されている(例えば特許文献1、2参照。)。
ところで、プラスチック表面に導電性皮膜を形成させた後に電気めっきを行うキャタリスト・アクセレーター法や、ダイレクトプレーティング法等のめっき加工は、エッチング処理が必要である。
エッチング処理に用いるエッチング処理液としては、三酸化クロムと硫酸の混合液からなるクロム酸−硫酸混合液が広く用いられている。しかしながら、このエッチング処理液は、6価クロムを含むため作業環境に悪影響を与えやすかった。さらに、廃水を安全に処理するには、6価クロムを3価クロムイオンに還元した後、中和沈殿させる処理を行う必要があり、非常に煩雑な処理が要求される。また、高温で処理する為にクロム酸ミストが発生するといった問題もある。
このような理由から、クロム酸−硫酸混合液に代わるエッチング液の開発が要望され、種々検討されている。
近年、クロム酸−硫酸混合液に代わるプラスチック用のエッチング液として、過マンガン酸塩溶液が提案されている(例えば特許文献3〜6参照。)。過マンガン酸塩溶液でエッチング処理を行った後、ダイレクトプレーティング法を実施するめっき工法は、環境負荷を低減できるめっき工法(環境負荷低減めっき工法)である。
さらに、電気製品や車両関連の用途においては耐衝撃性や耐熱性の要求が高まっており、成形品の樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂が使用されている。
また、ポリカーボネート樹脂を主成分とする成形品とめっき膜との密着性を向上させる技術として、ポリカーボネート樹脂に酸化防止剤を配合したポリカーネート樹脂組成物が開示されている(例えば特許文献7参照。)。
特開平7−11487号公報 特開平11−61425号公報 特開2005−336614号公報 特開2007−100174号公報 特開2007−327131号公報 特開2008−31513号公報 特開平5−117515号公報
しかしながら、特許文献7に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形した成形品は、環境負荷低減めっき工法を利用してめっきするには不向きであった。
また、環境負荷低減めっき工法は、例えばポリカーボネート樹脂を含む材料を成形した成形品に適用した場合、めっき未着が発生し易く、密着強度の発現性に劣るという傾向があった。特に製品形状の複雑な自動車用ラジエターグリル等では、めっき未着が顕著に発生し易かった。めっき未着は、ダイレクトプレーティング性の一つである触媒吸着性が悪いため、硫酸銅めっき等の電気めっきの伸び性が低下することに因るものと考えられる。
そこで、密着強度の発現性を改善する目的で、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂を併用し、かつABS樹脂のゴム成分を多くする等の手法が提案されている。しかし、ゴム成分を多くすると、サーマルサイクル性(めっき後の成形品を低温と高温の環境で使用した場合に、めっき膜の膨れやクラックが発生しにくい性質)が低下しやすかった。
従って、環境負荷低減めっき工法を採用するに当たっては、めっき密着強度、触媒吸着性(ダイレクトめっき性)に優れる樹脂材料が求められる。
また、近年、ラジエターグリル等は製品が大型化し、形状がより複雑になる傾向にあるため、樹脂材料には、上述した性能のみならず、成形性(流動性)、耐衝撃性、耐熱性なども求められる。しかし、これらの性能をバランスよく兼ね備えた樹脂材料は得られていない。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、触媒吸着性、めっき密着強度、成形性、耐衝撃性、耐熱性のいずれもが優れためっき用樹脂組成物、及び該めっき用樹脂組成物を成形した成形品をめっき処理した樹脂めっき製品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、鋭意検討した結果、ABS樹脂のゴム成分となるゴム状重合体の粒子径(中粒子と小粒子の配合割合)と、共重合体を構成するシアン化ビニル化合物のアクリロニトリル量、さらに酸化防止剤の配合量に着目した。そして、これらの含有量や配合量が成形品を環境負荷低減めっき工法にてめっき加工した場合、触媒吸着性、めっき密着強度、成形性、耐衝撃性に大きく影響することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のめっき用樹脂組成物は、質量平均粒子径が0.20〜0.50μmであるゴム状重合体(d1)40〜70質量部に、芳香族ビニル化合物(a1)60〜80質量%と、シアン化ビニル化合物(a2)20〜40質量%と、該芳香族ビニル化合物(a1)及びシアン化ビニル化合物(a2)と共重合可能な他のモノビニル化合物(a3)0〜20質量%とからなる単量体成分(a)30〜60質量部をグラフト重合したグラフト共重合体(A−1)(ただし、ゴム状重合体(d1)と単量体成分(a)の合計100質量部)10〜30質量%と、質量平均粒子径が0.06〜0.15μmであるゴム状重合体(d2)40〜70質量部に、前記単量体成分(a)30〜60質量部をグラフト重合したグラフト共重合体(A−2)(ただし、ゴム状重合体(d2)と単量体成分(a)の合計100質量部)5〜20質量%と、芳香族ビニル化合物(b1)50〜80質量%と、シアン化ビニル化合物(b2)20〜50質量%と、該芳香族ビニル化合物(b1)及びシアン化ビニル化合物(b2)と共重合可能な他のモノビニル化合物(b3)0〜20質量%とを共重合した共重合体(B)5〜50質量%と、ポリカーボネート樹脂(C)20〜70質量%とを含有し、前記グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計100質量%に対する、前記ゴム状重合体(d1)とゴム状重合体(d2)の合計の割合が10〜20質量%であり、かつ、前記グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計100質量部に対して、融点が25〜100℃である酸化防止剤(D)が1〜8質量部配合されたことを特徴とする。
前記酸化防止剤(D)が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤からなる群より選ばれる1種以上の酸化防止剤であることが好ましい。
また、本発明の樹脂めっき製品は、本発明のめっき用樹脂組成物を成形して得られた成形品に、過マンガン酸塩溶液でエッチング処理し、さらにPd−Snコロイド触媒処理した後、アクセレーター処理及び無電解メッキ処理を行うことなく、導体化処理及び電気めっきを施してなることを特徴とする。
本発明のめっき用樹脂組成物は、触媒吸着性、めっき密着強度、成形性、耐衝撃性、耐熱性に優れる。また、本発明のめっき用樹脂組成物は、過マンガン酸塩溶液でエッチング処理を行い、ダイレクトプレーティング法によりめっきを行う環境負荷低減めっき工法に適した成形品が得られる。
また、本発明の樹脂めっき製品は、めっき密着強度、耐衝撃性、耐熱性、サーマルサイクル性に優れる。
実施例で製造したゴム状重合体(d1)〜(d3)の粒子径分布を示す分布図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[めっき用樹脂組成物]
本発明のめっき用樹脂組成物は、グラフト共重合体(A−1)と、グラフト共重合体(A−2)と、共重合体(B)と、ポリカーボネート樹脂(C)と、酸化防止剤(D)とを必須成分として含有する。
<グラフト共重合体(A−1)>
グラフト共重合体(A−1)は、質量平均粒子径が0.20〜0.50μmであるゴム状重合体(d1)に、単量体成分(a)をグラフト重合してなるものである。
なお、本発明において、「ゴム状重合体」とは、ブタジエン50〜100質量%と、該ブタジエンと共重合可能な反応基を有する化合物50〜0質量%(ただし、これらの合計を100質量%とする。)とから構成されるものである。
ゴム状重合体としては、例えばポリブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンゴム状共重合体、ブタジエン−ビニルトルエンゴム状共重合体等のブタジエン−芳香族ビニル化合物ゴム状共重合体;ブタジエン−アクリロニトリルゴム状共重合体、ブタジエン−メタクリロニトリルゴム状共重合体等のブタジエン−シアン化ビニル化合物ゴム状共重合体;ブタジエン−アクリル酸メチルゴム状共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチルゴム状共重合体、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴム状共重合体、ブタジエン−アクリル酸2−エチルへキシルゴム状共重合体等のブタジエン−アクリル酸アルキルエステルゴム状共重合体;ブタジエン−メタクリル酸メチルゴム状共重合体、ブタジエン−メタクリル酸エチルゴム状共重合体等のブタジエン−メタクリル酸アルキルエステルゴム状共重合体などの共役ジエン系ゴムが挙げられる。また、ブタジエン単位50質量%以上から構成される三元のゴム状共重合体を用いることもできる。これらゴム状重合体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム状重合体(d1)は、質量平均粒子径が0.20〜0.50μmであり、好ましくは0.25〜0.40μmである。質量平均粒子径が0.20μm以上であれば、得られるめっき用樹脂組成物の硫酸銅めっきの伸び性が優れたものとなる。また、めっき用樹脂組成物を成形して得られる成形品をめっき処理した樹脂めっき製品のサーマルサイクル性が向上すると共に、導体抵抗値が上昇するのを抑制できる。一方、質量平均粒子径が0.50μm以下であれば、良好な密着強度を発現できる。
ゴム状重合体(d1)の質量平均粒子径は、粒度分布測定器を用いて質量基準の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布より算出される値である。
ゴム状重合体(d1)の質量平均粒子径は、ゴム状重合体(d1)の製造時の重合条件(温度、時間など)や、モノマーの種類とその配合割合を調整することで制御できる。
ゴム状重合体(d1)の製造方法としては特に制限されないが、粒子径の制御が容易であることから乳化重合で製造するのが好ましい。乳化重合は公知の方法が適用でき、使用する触媒、乳化剤等は特に制限なく、各種のものが使用できる。
グラフト共重合体(A−1)は、ゴム状重合体(d1)にグラフト成分を構成する単量体成分(a)をグラフト重合させることにより得られる。
グラフト重合法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合、公知の方法が使用でき、これらを2種以上組み合わせて重合してもよいが、ゴム状重合体(d1)が乳化重合で容易に製造できる点で、乳化重合が最適である。すなわち、乳化重合で得られたゴム状重合体(d1)に、単量体成分(a)を添加しグラフト重合することで、グラフト共重合体(A−1)を得る。
単量体成分(a)は、芳香族ビニル化合物(a1)と、シアン化ビニル化合物(a2)と、他のモノビニル化合物(a3)とからなる。
芳香族ビニル化合物(a1)としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等が挙げられる。これら芳香族ビニル化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でもスチレンが好ましい。
シアン化ビニル化合物(a2)としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらシアン化ビニル化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でもアクリロニトリが好ましい。
他のモノビニル化合物(a3)は、芳香族ビニル化合物(a1)及びシアン化ビニル化合物(a2)と共重合可能なモノビニル化合物である。このようなモノビニル化合物としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらモノビニル化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
単量体成分(a)中の各化合物の割合は、単量体成分(a)100質量%中、芳香族ビニル化合物(a1)が60〜80質量%、シアン化ビニル化合物(a2)が20〜40質量%、他のモノビニル化合物(a3)が0〜20質量%である。各化合物の割合が上記範囲内であれば、得られるめっき用樹脂組成物の成形性、硫酸銅めっきの伸び性、めっき密着強度の性能バランスが向上する。
ゴム状重合体(d1)と単量体成分(a)の割合は、ゴム状重合体(d1)が40〜70質量部であり、単量体成分(a)が30〜60質量部である(ただし、ゴム状重合体(d1)と単量体成分(a)の合計を100質量部とする。)。ゴム状重合体(d1)と単量体成分(a)の割合が上記範囲内であれば、得られるめっき用樹脂組成物の硫酸銅めっきの伸び性及び耐衝撃性が優れたものとなる。
ゴム状重合体(d1)に単量体成分(a)をグラフト重合させる場合、単量体成分(a)を一度に加えてもよく、分割添加や連続的に滴下してもよく、添加方法は特に制限されない。
グラフト重合に際しては、通常公知の乳化剤、触媒及び開始剤が使用され、その種類や添加量、添加方法について特に限定されない。
グラフト重合により得られるグラフト共重合体(A−1)は、通常のラテックスからポリマー回収方法である酸又は塩による凝固、乾燥工程により粉末状の固体として回収される。
グラフト共重合体(A−1)は、グラフト率が20〜100質量%、好ましくは25〜80質量%になるように調整してグラフト重合するのが好ましい。グラフト率が20質量%以上であれば、得られるめっき用樹脂組成物の耐衝撃性、成形外観が向上する。一方、グラフト率が100質量%以下であれば、めっき用樹脂組成物の流動性が低下するのを抑制できる。
なお、グラフト率とは、ゴム状重合体にグラフト重合した単量体成分の質量(Wa)を、ゴム状重合体の質量(Wd)に対する百分率((Wa/Wd)×100)で示した値のことであるが、一般的には、グラフト重合後に得られたグラフト共重合体のアセンン不溶分から以下のようにして算出できる。
グラフト共重合体にアセトンを加えて55℃で3時間加温し、アセトン溶解分を抽出する。ついで、アセトン不溶分を濾過、乾燥させて質量を測定し、下記式(1)によりグラフト率を求める。なお、下記式(1)において、「m」は抽出前のグラフト共重合体の質量(g)であり、「n」はアセトン不溶分の質量(g)であり、「L」はグラフト共重合体のゴム含有率(質量%)である。
グラフト率(%)={(n−m×L)/(m×L)}×100 ・・・(1)
<グラフト共重合体(A−2)>
グラフト共重合体(A−2)は、質量平均粒子径が0.06〜0.15μmであるゴム状重合体(d2)に、単量体成分(a)をグラフト重合してなるものである。
ゴム状重合体としては、グラフト共重合体(A−1)の説明において先に例示したゴム状重合体が挙げられる。
ゴム状重合体(d2)は、質量平均粒子径が0.06〜0.15μmであり、好ましくは0.06〜0.10μmである。質量平均粒子径が0.06μm以上であれば、得られるめっき用樹脂組成物の硫酸銅めっきの伸び性が優れたものとなる。また、樹脂めっき製品の導体抵抗値が低くなる。一方、質量平均粒子径が0.15μm以下であれば、めっき用樹脂組成物の硫酸銅めっきの伸び性が優れたものとなる。また、樹脂めっき製品のサーマルサイクル性が向上すると共に、導体抵抗値が上昇するのを抑制できる。
なお、ゴム状重合体(d2)の質量平均粒子径は、ゴム状重合体(d1)の質量平均粒子径と同様にして測定される値である。
ゴム状重合体(d2)の製造方法は、ゴム状重合体(d1)の製造方法と同様である。
また、グラフト共重合体(A−2)は、ゴム状重合体(d2)にグラフト成分を構成する単量体成分(a)をグラフト重合させることにより得られる。グラフト重合法や、単量体成分(a)の添加方法などの製造条件は、グラフト共重合体(A−1)と同様である。
グラフト共重合体(A−2)に用いられる単量体成分(a)は、芳香族ビニル化合物(a1)と、シアン化ビニル化合物(a2)と、他のモノビニル化合物(a3)とからなる。これら芳香族ビニル化合物(a1)、シアン化ビニル化合物(a2)、他のモノビニル化合物(a3)としては、グラフト共重合体(A−1)の説明において先に例示した芳香族ビニル化合物(a1)、シアン化ビニル化合物(a2)、他のモノビニル化合物(a3)が挙げられる。
また、単量体成分(a)中の各化合物の割合も、グラフト共重合体(A−1)に用いられる単量体成分(a)と同様である。
なお、グラフト共重合体(A−1)に用いられる単量体成分(a)と、グラフト共重合体(A−2)に用いられる単量体成分(a)は、同じ種類(配合組成)であってもよいし、異なる種類であってもよい。
ゴム状重合体(d2)と単量体成分(a)の割合は、ゴム状重合体(d2)が40〜70質量部であり、単量体成分(a)が30〜60質量部である(ただし、ゴム状重合体(d2)と単量体成分(a)の合計を100質量部とする。)。ゴム状重合体(d1)と単量体成分(a)の割合が上記範囲内であれば、得られるめっき用樹脂組成物の硫酸銅めっきの伸び性及び耐衝撃性が優れたものとなる。
グラフト共重合体(A−2)は、グラフト率が20〜100質量%、好ましくは20〜50質量%になるように調整してグラフト重合するのが好ましい。グラフト共重合体(A−2)のグラフト率が上記範囲内であれば、樹脂めっき製品の密着強度やサーマルサイクル性がより向上する。
グラフト共重合体(A−2)のグラフト率は、グラフト共重合体(A−1)と同様にして測定できる。
<共重合体(B)>
共重合体(B)は、芳香族ビニル化合物(b1)と、シアン化ビニル化合物(b2)と、他のモノビニル化合物(b3)とを共重合してなるものである。
芳香族ビニル化合物(b1)としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ρ−メチルスチレンなどのビニルトルエン類;ρ−クロルスチレンなどのハロゲン化スチレン類;ρ−t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレン類等が挙げられる。これら芳香族ビニル化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でもスチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。
共重合体(B)100質量%中の芳香族ビニル化合物(b1)単位の含有量は、50〜80質量%である。芳香族ビニル化合物(b1)単位の含有量が上記範囲内であれば、得られるめっき用樹脂組成物の成形性、触媒吸着性(ダイレクトプレーティング性)、めっき密着強度が優れたものとなる。
シアン化ビニル化合物(b2)としては、例えばアクリロニトリル、メタクリルニトリル等が挙げられる。中でもアクリロニトリルが好ましい。
共重合体(B)100質量%中のシアン化ビニル化合物(b2)単位の含有量は、20〜50質量%である。シアン化ビニル化合物(b2)単位の含有量が上記範囲内であれば、得られるめっき用樹脂組成物の成形性、触媒吸着性(ダイレクトプレーティング性)が優れたものとなる。
他のモノビニル化合物(b3)は、芳香族ビニル化合物(b1)及びシアン化ビニル化合物(b2)と共重合可能なモノビニル化合物である。このようなモノビニル化合物としては、例えばアクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル化合物、不飽和ジカルボン酸無水物、ビニルカルボン酸系化合物、マレイミド化合物が挙げられる。
ここで、アクリル酸エステル系化合物としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロへキシル等が挙げられる。
メタクリル酸エステル化合物としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリクロロエチル等が挙げられる。中でもメタクリル酸メチルが好ましい。
不飽和ジカルボン無水物としては、例えばマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸の無水物等が挙げられる。中でもマレイン酸無水物が好ましい。
ビニルカルボン酸系化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。中でもメタクリル酸が好ましい。
マレイミド系化合物としては、例えばマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。中でもN−フェニルマレイミドが好ましい。
これらモノビニル化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合体(B)100質量%中の他のモノビニル化合物(b3)単位の含有量は、0〜20質量%である。他のモノビニル化合物(b3)単位の含有量が20質量%を超えると、得られるめっき用樹脂組成物の目的とする特性が損なわれるおそれがある。
共重合体(B)は芳香族ビニル化合物(b1)単位、シアン化ビニル系化合物(b2)単位、及び他のモノビニル系化合物(b3)単位の含有量の合計が100質量%になるように調整して製造される。
共重合体(B)の製造方法としては特に制限されず、公知の方法、例えば、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等の方法を用いて製造できる。
<ポリカーボネート樹脂(C)>
ポリカーボネート樹脂(C)は、ジヒドロキシジアリールアルカンと、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートとを反応させることで得られる。
ジヒドロキシジアリールアルカンは、ヒドロキシ基に関しオルトの位置にアルキル基を有するものである。ジヒドロキシジアリールアルカンの好ましい具体例としては、4,4−ジヒドロキシ2,2−ジフェニルプロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビスー(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。
また、分岐したポリカーボネート樹脂を用いてもよく、例えばジヒドロキシ化合物の一部、例えば0.2〜2モル%をポリヒドロキシで置換することにより製造される。
ポリヒドロキシ化合物の具体例としては、フロログリシノール、4,6−ジメチルー2,4,6−トリー(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、4,6−ジメチル2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシ)−ベンゼンなどが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(C)の分子量は特に制限されないが、粘度平均分子量(Mv)で15000〜30000が好ましい。粘度平均分子量が15000以上であれば、得られるめっき用樹脂組成物の耐衝撃性が向上する。一方、粘度平均分子量が30000以下であれば、めっき用樹脂組成物の流動性が向上する。
ポリカーボネート樹脂(C)の粘度平均分子量は、溶液粘度法により測定される値である。具体的には、塩化メチレン100mLに芳香族ポリカーボネート樹脂(C)0.7gを20℃で溶解して調製した溶液(試料)から比粘度[ηsp]を測定し、下記式(2)、(3)より粘度平均分子量を求める。なお、下記式(2)、(3)において、[η]は極限粘度であり、cは試料の濃度である。
[ηsp]/c=[η]+0.45×[ηsp]×2c ・・・(2)
[η]=1.23×10×M0.83 ・・・(3)
<配合割合>
本発明のめっき用樹脂組成物は、グラフト共重合体(A−1)10〜30質量%と、グラフト共重合体(A−2)5〜20質量%と、共重合体(B)5〜50質量%と、ポリカーボネート樹脂(C)20〜70質量%とを含有する(ただし、グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計を100質量%とする。)。
グラフト共重合体(A−1)の含有量が10質量%以上であれば、めっき用樹脂組成物の耐衝撃性および流動性が優れたものとなる。一方、含有量が30質量%以下であれば、めっき用樹脂組成物の硫酸銅めっきの伸び性が優れると共に、樹脂めっき製品の導体抵抗値が上昇するのを抑制できる。
グラフト共重合体(A−1)の含有量は、16〜27質量%が好ましい。
グラフト共重合体(A−2)の含有量が5質量%以上であれば、めっき用樹脂組成物の硫酸銅めっきの伸び性が優れると共に、樹脂めっき製品の導体抵抗値が上昇するのを抑制できる。一方、含有量が20質量%以下であれば、めっき用樹脂組成物の耐衝撃性および流動性が優れたものとなる。
グラフト共重合体(A−2)の含有量は、5〜16質量%が好ましい。
共重合体(B)の含有量が5質量%以上であれば、めっき用樹脂組成物の流動性が優れたものとなる。一方、含有量が50質量%以下であれば、めっき用樹脂組成物の耐衝撃性が優れたものとなる。
共重合体(B)の含有量は、10〜30質量%が好ましい。
ポリカーボネート樹脂(C)の含有量が20質量%以上であれば、めっき用樹脂組成物の耐熱性および耐衝撃性が優れたものとなる。一方、含有量が70質量%以下であれば、めっき用樹脂組成物の成形性、硫酸銅めっきの伸び性が優れると共に、樹脂めっき製品の導体抵抗値が上昇するのを抑制できる。
ポリカーボネート樹脂(C)の含有量は、35〜65質量%が好ましい。
本発明においては、グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計を100質量%としたときに、ゴム状重合体(d1)とゴム状重合体(d2)の合計の割合が10〜20質量%となるように、各成分を配合する。ゴム状重合体(d1)とゴム状重合体(d2)の合計の割合が10質量%以上であれば、めっき用樹脂組成物を成形して得られる成形品のめっき密着強度が優れたものとなると共に、めっき膨れの発生を防止できる。一方、ゴム状重合体(d)の割合が20質量%以下であれば、硫酸銅めっきの伸び性の低下やめっき膨れの発生を防止できる。
<酸化防止剤(D)>
本発明に用いる酸化防止剤(D)は、融点が25〜100℃である。酸化防止剤(D)の融点が上記範囲内であれば、めっき用樹脂組成物を成形して得られる成形品をめっき処理する際に、過マンガン酸塩溶液でのエッチング処理を効果的に促進でき、密着強度が向上すると共に、めっき用樹脂組成物の触媒吸着量を向上できる。酸化防止剤(D)の融点は、40〜70℃が好ましい。
なお、酸化防止剤(D)の融点は、JIS K7121に準拠して測定される値である。具体的には、示差走査熱量測定装置(株式会社リガク製、「DSC−8230(熱流束DSC)」)を用い、加熱速度20℃/分、窒素ガス流量50mL/分の条件で融解温度を測定し、得られた融解ピーク温度を融点とする。
このような酸化防止剤(D)としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤からなる群より選ばれる1種以上の酸化防止剤を用いるのが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えばトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1.6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、例えばジステアリルチオジプロピオネート、ジパルミチルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトールーテトラキスー[β−ドデシルメチル−チオプロピオネート]、ジドデシルチオエーテル、ジトリデシルチオエーテル、ジテトラデシルチオエーテル、ジオクタデシルチオエーテル等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、フォスファイト系とフォスフォナイト系が挙げられ、具体的には、トリス[ノニルフェニル]フォスファイト、トリデシルフォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス[オクタデシルフォスファイト]、4,4’−ブチリデンビス[3−メチル−6−第三ブチルフェニル−ジトリデシルフォスファイト]、トリス[2,4−第三ブチルフェニル]フォスファイト、テトラキス[2,4−第三ブチルフェニル]4、4’−ビフェニレンジフォスフォナイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナンスレン−10−オキシド等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えばジラウリル−、ジミリスチル−、ジステアリル−などのジアルキルチオジプロピオネート;ブチル−、オクチル−、ラウリル−、ステアリル−などのアルキルチオプロピオン酸の多価アルコール(例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート)のエステル(例えばペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート)が挙げられる。これらイオウ系酸化防止剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上述した酸化防止剤のうち、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が特に好ましい。これら酸化防止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤(D)の配合量は、前記グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計100質量部に対して、1〜8質量部であり、2〜5質量部が好ましい。酸化防止剤(D)の配合量が上記範囲内であれば、めっき用樹脂組成物を成形して得られる成形品をめっき処理する際に、過マンガン酸塩溶液でのエッチング処理時間を通常の時間より短縮することが可能となり、生産性を向上したりコストを削減したりできる。また、エッチング処理温度を例えば55℃程度まで下げることも可能となる。その結果、エッチング液である過マンガン酸塩溶液の分解を抑制でき、長期間の使用が可能となる。
酸化防止剤(D)の配合量が1質量部未満となると、エッチング時間の短縮、めっき密着強度、成形性、耐衝撃性の改良効果が得られにくくなる。一方、酸化防止剤(D)の配合量が8質量部を超えると、生産性、耐熱性が低下しやすくなる。
なお、本発明のめっき用樹脂組成物は、融点が25〜100℃の酸化防止剤(D)を上記範囲内において含有すれば、融点が25℃未満、または100℃を超える他の酸化防止剤を含有してもよい。
<その他>
本発明のめっき用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂や添加剤を含有してもよい。
他の熱可塑性樹脂としては、例えばAS樹脂、質量平均分子量100万〜500万のアクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリスチレン樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−スチレン−マレイミド系化合物三元共重合体、HIPS樹脂、ABS樹脂(グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)を除く)、ASA樹脂、AES樹脂などのゴム強化スチレン系樹脂、ナイロン樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。これら他の熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上をブレンドしたものでもよい。また、相溶化剤や官能基などにより変性された上記樹脂を配合してもよい。
他の熱可塑性樹脂の含有量は、グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計を100質量部としたときに、0〜60質量部が好ましい。
添加剤としては、通常使用される各種安定剤、滑剤、金属石鹸、紫外線吸収剤、可塑剤、離型剤、有機ケイ素化合物、帯電防止剤、着色剤(顔料、染料など)、炭素繊維やガラス繊維、タルクやウォラストナイト、炭酸カルシウム、シリカ、木粉などの充填剤、難燃剤(ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン化合物など)、ドリップ防止剤、抗菌剤、防カビ剤、カップリング剤等が挙げられる。これら添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<めっき用樹脂組成物の製造方法>
本発明のめっき用樹脂組成物は、公知の混合混練方法で製造される。混合混練方法としては、例えば粉末、ビーズ、ペレット状態のグラフト共重合体(A−1)と、グラフト共重合体(A−2)と、共重合体(B)と、ポリカーボネート樹脂(C)と、酸化防止剤(D)と、必要に応じて他の熱可塑性樹脂や添加剤を混合し、得られた混合物を溶融混練する方法が挙げられる。混合や溶融混練する際には、ヘンシェルミキサーやバンバリーミキサー、押出機、加熱ロール等の装置を用いることができる。
<成形方法>
本発明のめっき用樹脂組成物は、例えば射出成形法、押出成形法、圧縮成形法、真空成形法、ブロー成形法等の各種成形方法の原料に使用することができる。そして、上記成形方法によって、各種成形品を得ることができる。
このようにして得られる成形品は、過マンガン酸塩溶液でエッチング処理を行い、ダイレクトプレーティング法によりめっきを行う環境負荷低減めっき工法に最適である。
以上説明した本発明のめっき用樹脂組成物にあっては、グラフト共重合体(A−1)と、グラフト共重合体(A−1)と、共重合体(B)と、ポリカーボネート樹脂(C)と、酸化防止剤(D)とが特定の割合で含まれているので、優れた触媒吸着性、めっき密着強度、成形性、耐衝撃性、サーマルサイクル性を有する。
また、本発明によれば、質量平均粒子径の異なるゴム状重合体を用いてグラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)をそれぞれ製造し、これらを配合するので、ゴム状重合体の含有量を調整でき、物性バランスの良好なめっき用樹脂組成物が得られる。
[樹脂めっき製品]
本発明の樹脂めっき製品は、本発明のめっき用樹脂組成物を成形して得られた成形品を環境負荷低減めっき工法によりめっき処理してなるものである。
具体的には、成形品に過マンガン酸塩溶液でエッチング処理し、さらにPd−Snコロイド触媒で処理した後、アクセレーター処理及び無電解メッキ処理を行うことなく、導体化処理し、さらに電気めっきを施すことで、樹脂めっき製品が得られる。
本発明の樹脂めっき製品は、無電解めっき工程を含まないダイレクトプレーティング法により成形品をめっき処理し、かつエッチング処理の際に過マンガン酸塩溶液を用いるので、環境に対する負荷を軽減できる。
このようにして得られる樹脂めっき製品は、本発明のめっき用樹脂組成物を成形した成形品をめっき処理しているので、めっき密着強度、耐衝撃性、サーマルサイクル性に優れる。また、めっき処理を施すことにより、耐薬品性、耐摩耗性にも優れる。
このような樹脂めっき製品は、例えば自動車、電気・電子・機械部品、水洗部品等の工業用品、スポーツ・レジャー用品等多くの用途に好適である。
具体的には、自動車用途としては、ラジエターグリル、ドアハンドル、エンブレム、ランプハウジング、各種モール及びガーニッシュ、ホイールキャップなどが挙げられる。
電気(器)用途としては、各種スイッチ用ボタン、アームハンドル、冷蔵庫用ドアハンドル、携帯電話部品、各種ハウジングなどが挙げられる。
水洗部品用途としては各種水洗ハンドルシャワーヘッド、吐水口などが挙げられる。
スポーツ・レジャー用品用途としては、パチンコ台、パチスロ台、時計枠、装飾ボタン、化粧品用キャップなどが挙げられる。
これらの中でも、自動車の外装・内装品や水洗部品等に好ましく用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、説明中「%」及び「部」数は特に明記しない限りは質量基準である。
また、実施例の説明中における各種物性の測定は以下の方法により測定した。
(ゴム状重合体の質量平均粒子径及び粒子径分布の測定)
ゴム状重合体(d1)〜(d3)の質量平均粒子径及び粒子径分布は、サブミクロン粒度分布測定器(MATEC APPLIED SCIENCES社製、「CHDF−2000」)を用いて測定した。
(グラフト共重合体のグラフト率の測定)
乾燥した粉末状のグラフト共重合体約2.5gを秤量し、これにアセトン60mLを加え、55℃で3時間加温し、アセトン溶解分を抽出した。ついで、このアセトン溶液を8000rpm(10,000G)×30分の条件で遠心分離し、アセトン不溶分を濾過した。このアセトン不溶分を70℃で5時間減圧乾燥し、乾燥質量を測定し、下記計(1)により算式により算出した。なお、下記式(1)において、「m」は抽出前の(すなわち、秤量した)グラフト共重合体の質量(g)であり、「n」はアセトン不溶分の乾燥質量(g)であり、「L」はグラフト共重合体のゴム含有率(質量%)である。
グラフト率(%)={(n−m×L)/(m×L)}×100 ・・・(1)
(メルトボリュームレイト(MVR)の測定 )
めっき用樹脂組成物のMVRは、ISO1133に準拠して、測定温度220℃、荷重98Nの条件で測定した。なお、MVRは、めっき用樹脂組成物の流動性の目安となる。
(荷重たわみ温度(HDT)の測定)
めっき用樹脂組成物のHDTは、ISO75に準拠して、荷重1.83MPa、フラットワイズ(4mm厚み)の条件で測定した。なお、HDTは、めっき用樹脂組成物の耐熱性の目安となる。
(シャルピー衝撃強度の測定)
成形品(試験片)のシャルピー衝撃強度は、ISO179に準拠して、23℃雰囲気下で12時間以上放置したノッチ付きの試験片(厚さ4mm)について測定した。
(導体抵抗値の測定)
下記に示すめっき処理工法(環境負荷低減めっき工法1)で、めっき用平板(50mm×90mm×3mm[厚さ])に導体化処理を行い、試験片を作製した。得られた試験片について、抵抗計(三和電気計器株式会社製、「N−401F」)で導体抵抗値を測定した。
・環境負荷低減めっき工法1
(1)脱脂→(2)水洗→(3)エッチング→(4)水洗→(5)中和→(6)水洗→(7)コンディショナー→(8)水洗→(9)プリディップ→(10)触媒化→(11)水洗→(12)導体化→(13)水洗
・各工程での条件
(1)脱脂:CRPクリーナー(奥野製薬工業株式会社製)により、50℃で5分間処理した。
(2)水洗:20℃で水洗を行った。なお、(4)以降の水洗についても(2)と同様の条件で行った。
(3)エッチング:エッチング液として過マンガン酸塩溶液を用いてエッチング処理した。具体的には、CRP−MARSエッチャントA液(奥野製薬工業株式会社製)10mL/Lと、CRP−MARSエッチャントB液(奥野製薬工業株式会社製)250mL/Lと、硫酸270mL/Lの混合液に浸漬した。浸漬条件は、65℃×15分。
(5)中和:CRP−MARSニュートライザー(奥野製薬工業株式会社製)10g/Lと、35%塩酸15mL/Lの混合液に、45℃で1分間浸漬した。
(7)コンディショナー:CRP−MARSコンディショナー(奥野製薬工業株式会社製)に、25℃で1分間浸漬した。
(9)プリディップ:35%塩酸100mL/Lに、25℃で1分間浸漬した。
(10)触媒化:CRPキャタリスト40mL/Lと、35%塩酸250mL/Lの混合液(Pd−Snコロイド触媒)に、35℃で6分間浸漬した。
(12)導体化:CRPセレクターA−K(奥野製薬工業株式会社製)150mL/Lと、CRPセレクターB(奥野製薬工業株式会社製)200mL/Lの混合液に、45℃で3分間浸漬した。
(めっき密着強度の測定)
下記に示すめっき処理工法(環境負荷低減めっき工法2)で、めっき用平板(50mm×90mm×3mm[厚さ])にめっき処理を行い、試験片を作製した。得られた試験片について、荷重測定器上でめっき膜を垂直方向に引き剥がしてその強度を測定した。なお、めっき未着の場合は「未析出」とした。
・環境負荷低減めっき工法2
(1)脱脂→(2)水洗→(3)エッチング→(4)水洗→(5)中和→(6)水洗→(7)コンディショナー→(8)水洗→(9)プリディップ→(10)触媒化→(11)水洗→(12)導体化→(13)水洗→(14)硫酸銅めっき→(15)水洗→(16)乾燥
・各工程での条件
(1)脱脂、(3)エッチング、(5)中和、(7)コンディショナー、(9)プリディップ、(10)触媒化、(12)導体化、及び各水洗工程は、環境負荷低減めっき工法1と同様の条件で行った。
(14)硫酸銅めっき:硫酸銅に、20℃、電流密度3A/dmで60分間浸漬し、35μmの膜厚の銅めっき膜を形成した。
(16)乾燥:80℃で2時間乾燥した。
(硫酸銅めっきの伸び性の評価)
前記めっき密着強度の測定と同様にして、環境負荷低減めっき工法2でめっき用平板(100mm×100mm×3mm[厚さ])にめっき処理を行い、試験片を作製した。ただし、(3)エッチングにおいて浸漬条件を65℃×3分に変更し、さらに(14)硫酸銅めっきにおいて硫酸銅への浸漬条件を20℃×10分に変更した。
得られた試験片について、表面に析出した硫酸銅めっきの析出面積割合を100%〜0%(例えば100%の場合は試験片の全面積に硫酸銅めっきが析出していることを意味し、0%の場合は硫酸銅めっきが全く析出していないことを意味し、50%の場合は試験片の半分の面積に硫酸銅めっきが析出していることを意味する。)で評価した。なお、硫酸銅めっきの伸び性は、めっき用樹脂組成物の触媒吸着性の目安となる。
(サーマルサイクル性及びサーマルショック性の評価)
下記に示すめっき処理工法(環境負荷低減めっき工法3)で、めっき用平板(100mm×100mm×3mm[厚さ])にめっき処理を行い、試験片を作製した。得られた試験片について、下記に示すサーマルサイクル条件及びサーマルショック条件で試験を行い、めっき膜の膨れ及びめっきクラックの有無を確認した。
・サーマルサイクル条件
試験片を−30℃×1時間→23℃×15分→80℃×1時間→23℃×1時間の条件下で順に保管することを1サイクルとして、3サイクル実施し、実施後の試験片の表面外観を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
5:めっき膜の膨れ、及びめっきクラックが認められない。
4:めっき膜の膨れは認められないが、接点部にめっきクラックが認められる。
3:接点部にめっき膜の膨れ、及びめっきのクラックが認められる。
2:ゲート近傍のみに、めっき膜の膨れが認められる。
1:ゲート近傍以外の部分にも、めっき膜の膨れが認められる。
0:全面にめっき膜の膨れが認められる。
・サーマルショック条件
試験片を−30℃×1時間→80℃×1時間の条件下で順に保管することを1サイクルとして、3サイクル実施し、実施後の試験片の表面外観を目視で観察し、サーマルサイクル条件と同じ評価基準で評価した。
・環境負荷低減めっき工法3
(1)脱脂→(2)水洗→(3)エッチング→(4)水洗→(5)中和→(6)水洗→(7)コンディショナー→(8)水洗→(9)プリディップ→(10)触媒化→(11)水洗→(12)導体化→(13)水洗→(14)硫酸銅めっき→(15)水洗→(16)電気ニッケルめっき→(17)水洗→(18)電気クロムめっき→(19)水洗
・各工程での条件
(1)脱脂、(3)エッチング、(5)中和、(7)コンディショナー、(9)プリディップ、(10)触媒化、(12)導体化、及び各水洗工程は、環境負荷低減めっき工法1と同様の条件で行った。
(14)硫酸銅めっき:硫酸銅に、20℃、電流密度3A/dmで20分間浸漬し、20μmの膜厚の銅めっき膜を形成した。
(16)電気ニッケルめっき:硫酸ニッケル200g/Lと、塩化ニッケル45g/Lと、硼酸45g/Lと、光沢剤の混合液に、55℃、電流密度3A/dmで15分間浸漬し、10μmの膜厚のニッケルめっき膜を形成した。
(18)電気クロムめっき:無水クロム酸200g/Lと、硫酸1.5g/Lの混合液に、45℃、電流密度15A/dmで2分間浸漬し、0.3μmの膜厚のクロムめっき膜を形成した。
<合成例1:グラフト共重合体(A−1)の製造>
(ゴム状重合体(d1)の製造)
表1に示す組成に従って各成分を100Lオートクレーブに投入し、50℃で9時間重合し、転化率97%、質量平均粒子径0.08μm、pH9.0の共役ジエン系ゴムラテックスを得た。
別途、表2に示す組成に従って、各成分を100Lオートクレーブに投入し、70℃で4時間重合し、転化率97%、質量平均粒子径0.14μm、pH9.0のゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックスを得た。
先に得られた共役ジエン系ゴムラテックス100部(固形分)に、水酸化ナトリウム0.06部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス4部(固形分)を撹拌下に添加し、さらに30分間撹拌し、質量平均粒子径0.33μmの共役ジエン系ゴムからなるゴム状重合体(d1)のラテックスを得た。
得られたゴム状重合体(d1)の粒子径分布を図1に示す。
(グラフト共重合体(A−1)の製造)
表3に示す組成(I)に従って、各成分を反応容器に投入し、重合開始温度を40℃に設定し、表3に示す組成(II)の混合物を120分かけて滴下し、その後1時間保持してグラフト重合を行い、重合体ラテックスを得た。なお、表3に示すゴム状重合体(d1)のラテックスの量は、固形分とする。
得られた重合体ラテックスに抗酸化剤としてブチル化ヒドロキシトルエン2部と、ジラウリルチオプロピオネート0.5部を加え、5%硫酸水溶液で凝固し、洗浄した後、乾燥してグラフト共重合体(A−1)の白色粉末を得た。
得られたグラフト共重合体(A−1)のグラフト率は44%であった。
<合成例2:グラフト共重合体(A−2)の製造>
(ゴム状重合体(d2)の製造)
表1に示す組成に従って各成分を100Lオートクレーブに投入し、50℃で9時間重合し、転化率97%、質量平均粒子径0.08μm、pH9.0の共役ジエン系ゴムラテックスを得た。これを共役ジエン系ゴムからなるゴム状重合体(d2)として用いた。
ゴム状重合体(d2)の粒子径分布を図1に示す。
(グラフト共重合体(A−2)の製造)
ゴム状重合体(d1)の代わりに、ゴム状重合体(d2)を用いた以外は、合成例1と同様にしてグラフト共重合体(A−2)の白色粉末を得た。なお、表3に示すゴム状重合体(d2)のラテックスの量は、固形分とする。
得られたグラフト共重合体(A−2)のグラフト率は26%であった。
<合成例3:グラフト共重合体(A−3)の製造>
(ゴム状重合体(d3)の製造)
表1に示す組成に従って各成分を100Lオートクレーブに投入し、50℃で9時間重合し、転化率97%、質量平均粒子径0.08μm、pH9.0の共役ジエン系ゴムラテックスを得た。
別途、表2に示す組成に従って、各成分を100Lオートクレーブに投入し、70℃で4時間重合し、転化率97%、質量平均粒子径0.05μm、pH9.0のゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックスを得た。
先に得られた共役ジエン系ゴムラテックス100部(固形分)に、水酸化ナトリウム0.06部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス4部(固形分)を撹拌下に添加し、さらに30分間撹拌し、質量平均粒子径0.17μmの共役ジエン系ゴムからなるゴム状重合体(d3)のラテックスを得た。
得られたゴム状重合体(d3)の粒子径分布を図1に示す。
(グラフト共重合体(A−3)の製造)
ゴム状重合体(d1)の代わりに、ゴム状重合体(d3)を用いた以外は、合成例1と同様にしてグラフト共重合体(A−3)の白色粉末を得た。なお、表3に示すゴム状重合体(d3)のラテックスの量は、固形分とする。
得られたグラフト共重合体(A−3)のグラフト率は36%であった。
Figure 2011236263
Figure 2011236263
Figure 2011236263
<合成例4:共重合体(B−1)の製造>
100Lのオートクレーブに、表4に示す量のスチレン65部と、アクリロニトリル35部と、アゾビスイソブチロニトリル0.15部と、t−ドデシルメルカプタン0.60部と、リン酸カルシウム0.50部と、蒸留水150部とを仕込み、激しく攪拌した。系内分散を確認した後、75℃に昇温し、3時間かけて重合を行った。その後、110℃まで昇温し30分間熟成させた。冷却後に脱水、洗浄、乾燥することにより粉末状の共重合体(B−1)を得た。
<合成例5:共重合体(B−2)の製造>
スチレンの量を75部、アクリロニトリルの量を25部、t−ドデシルメルカプタンの量を0.35部に変更した以外は、合成例4と同様にして、共重合体(B−2)を得た。
<合成例6:共重合体(B−3)の製造>
スチレンの量を50部、アクリロニトリルの量を50部、t−ドデシルメルカプタンの量を1.00部、リン酸カルシウムの量を1.00部に変更した以外は、合成例4と同様にして、共重合体(B−3)を得た。
<合成例7:共重合体(B−4)の製造>
スチレンの量を40部、アクリロニトリルの量を60部、t−ドデシルメルカプタンの量を1.20部に変更した以外は、合成例4と同様にして、共重合体(B−4)を得た。
<合成例8:共重合体(B−5)の製造>
スチレンの量を85部、アクリロニトリルの量を15部、t−ドデシルメルカプタンの量を1.20部に変更した以外は、合成例4と同様にして、共重合体(B−5)を得た。
Figure 2011236263
<ポリカーボネート樹脂(PC)>
PCとして以下のものを使用した。
・C−1:三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製の「ユーピロンS−2000F」(粘度平均分子量(Mv):22000)。
<酸化防止剤>
酸化防止剤として、以下のものを使用した。
・D−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、「アデカスタブAO−50」、融点:52℃)。
・D−2:チオエーテル系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、「アデカスタブAO−412S」、融点:49℃)。
・D−3:リン系酸化防止剤(株式会社ADEKA製、「アデカスタブPEP−24G」、融点:170℃)。
[実施例1〜15、比較例1〜14]
グラフト共重合体(A−1)〜(A−3)、共重合体(B−1)〜(B−5)、ポリカーボネート樹脂(C−1)、酸化防止剤(D−1)〜(D−3)を表5に示す割合でそれぞれ混合し、さらに、抗酸化剤(株式会社ADEKA製、「アデカスタブPEP−8」)0.2部と、シリコーンオイル(粘度:100cs/25℃)0.04部を添加した後、ヘンシェルミキサーを用い、回転数3000rpmで5分間混合し、めっき用樹脂組成物を得た。
得られためっき用樹脂組成物について、MVR及びHDTを測定した。結果を表6に示す。
ついで、シリンダー温度230℃に設定した二軸押出機にめっき用樹脂組成物を投入し、二軸押出機から押し出してペレット化し、スクリュー式射出成形機(シリンダー温度250℃、金型温度60℃)を用いて、物性測定用の成形品(試験片)、及びめっき用平板を成形した。
得られた成形品について、シャルピー衝撃強度を測定した。結果を表6に示す。
また、得られためっき用平板に、上述した条件にてめっき処理を行い、導体抵抗値、めっき密着強度、硫酸銅めっきの伸び性、サーマルサイクル性及びサーマルショック性を評価した。結果を表6に示す。
Figure 2011236263
Figure 2011236263
表6から明らかなように、実施例1〜15で得られためっき用樹脂組成物は、MVR及びHDTが良好な値を示し、成形性及び耐熱性に優れていた。
また、実施例1〜15で得られためっき用樹脂組成物を成形して得られた成形品は、シャルピー衝撃強度の値が良好であり、耐衝撃性に優れていた。
さらに、得られた成形品をめっき処理したところ、導体抵抗値、めっき密着強度、硫酸銅めっきの伸び性、サーマルサイクル性及びサーマルショック性のいずれもが優れている結果であった。
一方、比較例1、2で得られためっき用樹脂組成物は、グラフト共重合体(A−1)、(A−2)のいずれか一方しか含有していないため、成形品をめっき処理したところ、導体抵抗値が大きく、サーマルサイクル性及びサーマルショック性が各実施例に比べて劣っていた。特に、比較例1はめっき密着強度が未析出で劣っていた。さらに、この成形品の硫酸銅めっきの伸び性が各実施例に比べて低かった。また、比較例2で得られためっき用樹脂組成物はMVR値が低く、成形性に劣っていた。さらに、この成形品のシャルピー衝撃強度が各実施例に比べて低く、耐衝撃性に劣っていた。
比較例3、4で得られためっき用樹脂組成物は、共重合体(B)を構成するスチレン(芳香族ビニル化合物(b1)の含有量が少なすぎ、または多すぎたため、過マンガン酸塩溶液でのエッチング処理効果が得られにくく、触媒吸着量が低下しやすかった。そのため、成形品をめっき処理したところ、導体抵抗値、めっき密着強度、硫酸銅めっきの伸び性、サーマルサイクル性及びサーマルショック性が各実施例に比べて全体的に劣っていた。
比較例5で得られためっき用樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(C)の含有量が少ないため、成形品のシャルピー衝撃強度が低く、耐衝撃性に劣っていた。
比較例6で得られためっき用樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(C)の含有量が多く、かつゴム状重合体(d1)、(d2)の割合が少ないため、MVR値が低く、成形性に劣っていた。また、成形品をめっき処理したところ、導体抵抗値、硫酸銅めっきの伸び性、サーマルサイクル性及びサーマルショック性が各実施例に比べて劣っていた。さらに、めっき密着強度が未析出で劣っていた。
比較例7で得られためっき用樹脂組成物は、ゴム状重合体(d1)、(d2)の割合が多いため、成形品をめっき処理したところ、導体抵抗値、硫酸銅めっきの伸び性、サーマルサイクル性及びサーマルショック性が劣っていた。
比較例8、9で得られためっき用樹脂組成物は、酸化防止剤として融点が170℃の酸化防止剤(D−3)のみを含有しているため、成形品をめっき処理したところ、めっき密着強度、サーマルサイクル性及びサーマルショック性が各実施例に比べて劣っていた。
比較例10で得られためっき用樹脂組成物は、グラフト共重合体(A−2)の代わりに質量平均粒子径が0.17μmのゴム状重合体(d3)により得られたグラフト共重合体(A−3)を含有しているため、成形品をめっき処理したところ、導体抵抗値、硫酸銅めっきの伸び性、サーマルサイクル性及びサーマルショック性が各実施例に比べて劣っていた。
比較例11で得られためっき用樹脂組成物は、グラフト共重合体(A−1)、(A−2)を含有せず、その代わりにグラフト共重合体(A−3)のみを含有しているため、成形品をめっき処理したところ、導体抵抗値、硫酸銅めっきの伸び性、サーマルサイクル性及びサーマルショック性が各実施例に比べて劣っていた。また、めっき密着強度が未析出で劣っていた。
比較例12で得られためっき用樹脂組成物は、グラフト共重合体(A−1)の代わりにグラフト共重合体(A−3)を含有しているため、成形品をめっき処理したところ、導体抵抗値、硫酸銅めっきの伸び性、サーマルサイクル性及びサーマルショック性が各実施例に比べて劣っていた。
比較例13で得られためっき用樹脂組成物は、酸化防止剤(D)の含有量が多いため、実施例1に比べてHDT値が低く、耐熱性に劣っていた。また、成形品をめっき処理したところ、サーマルショック性が劣っていた。
比較例14のめっき用樹脂組成物は、酸化防止剤(D)の含有量が少ないため、実施例1に比べてMVR値が低く、成形性に劣っていた。また、成形品をめっき処理したところ、めっき密着強度やサーマルサイクル性及びサーマルショック性が劣っていた。

Claims (3)

  1. 質量平均粒子径が0.20〜0.50μmであるゴム状重合体(d1)40〜70質量部に、芳香族ビニル化合物(a1)60〜80質量%と、シアン化ビニル化合物(a2)20〜40質量%と、該芳香族ビニル化合物(a1)及びシアン化ビニル化合物(a2)と共重合可能な他のモノビニル化合物(a3)0〜20質量%とからなる単量体成分(a)30〜60質量部をグラフト重合したグラフト共重合体(A−1)(ただし、ゴム状重合体(d1)と単量体成分(a)の合計100質量部)10〜30質量%と、
    質量平均粒子径が0.06〜0.15μmであるゴム状重合体(d2)40〜70質量部に、前記単量体成分(a)30〜60質量部をグラフト重合したグラフト共重合体(A−2)(ただし、ゴム状重合体(d2)と単量体成分(a)の合計100質量部)5〜20質量%と、
    芳香族ビニル化合物(b1)50〜80質量%と、シアン化ビニル化合物(b2)20〜50質量%と、該芳香族ビニル化合物(b1)及びシアン化ビニル化合物(b2)と共重合可能な他のモノビニル化合物(b3)0〜20質量%とを共重合した共重合体(B)5〜50質量%と、
    ポリカーボネート樹脂(C)20〜70質量%とを含有し、
    前記グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計100質量%に対する、前記ゴム状重合体(d1)とゴム状重合体(d2)の合計の割合が10〜20質量%であり、
    かつ、前記グラフト共重合体(A−1)とグラフト共重合体(A−2)と共重合体(B)とポリカーボネート樹脂(C)の合計100質量部に対して、融点が25〜100℃である酸化防止剤(D)が1〜8質量部配合されたことを特徴とするめっき用樹脂組成物。
  2. 前記酸化防止剤(D)が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤からなる群より選ばれる1種以上の酸化防止剤であることを特徴とする請求項1に記載のめっき用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載のめっき用樹脂組成物を成形して得られた成形品に、過マンガン酸塩溶液でエッチング処理し、さらにPd−Snコロイド触媒処理した後、アクセレーター処理及び無電解メッキ処理を行うことなく、導体化処理及び電気めっきを施してなることを特徴とする樹脂めっき製品。
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