JP4112893B2 - ダイレクトめっき用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイレクトめっき特性、特に電気銅めっきの伸び性(電気銅めっきの析出速度)および耐衝撃性等の物性に優れたダイレクトめっき用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
めっきに対応した熱可塑性樹脂としては、成形性、基本物性、めっき特性が優れている等の点からABS樹脂及びPC/ABS樹脂が主流であり、プラスチックめっき用途において確固たる地位を築いている。
特に自動車用ドアハンドルやラジエターグリル一体型バンパーなどでは疲労特性や面衝撃性が求められる為、それらのめっき製品としてはPC/ABS樹脂が使用されている。
PC/ABS樹脂を用いた樹脂めっき工法は、一般的に、エッチング処理後の成形品表面にPd−Sn触媒核を付着させ、希薄酸性液でその表面を処理し、その表面に無電解銅めっきまたは無電解ニッケルめっきを施して成形品表面に導電性皮膜を形成させ、その上に電気めっきをする方法が主流である(キャタリスト・アクセレーター法)。
【0003】
しかしながら、無電解銅めっきに使用されるめっき液には、毒性の高いホルマリンが還元剤として用いられていることから、作業者への健康問題が指摘されている。さらに、このめっき液には、銅イオンをアルカリ溶液中に可溶化させるためのEDTA等の強力な錯化剤が含まれているため、めっき液の廃水処理において金属イオンの除去に相当な労力(ろ過→活性炭処理→イオン交換などの工程処理が必要)を要する等、種々の問題がある。
【0004】
また、無電解ニッケルめっき液には、次亜リン酸塩が還元剤として含まれており、この次亜リン酸塩が酸化されて、リン規制の対象となる亜リン酸塩が生ずるという問題がある。また、このめっき廃液は、高COD廃液であり、環境汚染の原因ともなっている。
【0005】
労働安全衛生上および地球環境上の要望から、無電解めっき浴を使用しないめっき法、例えば、Pd−Snコロイド触媒法が、特開平7−11487号公報、特開平10−532697号公報、特開平11−61425号公報、「表面技術,52,No1」(2001)等で提案され、樹脂成形品へのめっき法として実用化の検討が行われている。このめっき法は、一般にダイレクトめっき法あるいはダイレクトプレーティング法(DPS法)と呼ばれているが、工法によっては他の呼称で呼ばれることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ダイレクトめっき法においても、従来の樹脂めっき工法に用いられていたPC/ABS樹脂からなる成形品が一般に用いられている。しかしながら、PC/ABS樹脂は成形品表面へのめっき未着が発生しやすいという傾向があり、特に製品形状の複雑な自動車用部品等においてはめっき未着の発生頻度が高くなるという問題がある。この原因は、ダイレクトめっき法における電気銅めっきの伸び性が悪いためと考えられている。
【0007】
また一方では、最近の自動車用部品等は、製品が大型傾向にあることから軽量化の為に製品肉厚を薄くする方向にある。また、形状がより複雑なデザインになる傾向にある。従って、これに答えるためには、めっき性のみならず、成形性(流動性)や耐衝撃性、耐熱性などにも優れている樹脂であることが要請される。しかし、これらの要請に十分満足する樹脂材料は現在のところ見出されていないといってよい。
【0008】
したがって、本発明の課題は、ダイレクトめっき性、特に電気銅めっきの伸び性に優れ、かつ、成形性、耐衝撃性、耐熱性等の物性に優れたダイレクトめっき用樹脂組成物を開発することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる状況を鑑み、めっき用樹脂の改良について鋭意検討を進めた結果、PC/ABS樹脂に用いられるジエン系ゴムの粒子径、および該ゴムとシアン化ビニル化合物の配合比が、樹脂のダイレクトめっき法における電気銅めっきの伸び性に大きく影響しているとの知見を得、かかる知見に基づいて、さらに樹脂組成について検討したところ、上記特性を備えたダイレクトめっき用樹脂組成物を見出したものである。
【0010】
すなわち、本発明は、平均粒子径が0.2〜0.5μmであり、かつ、粒子径0.8〜1.5μmの粒子が5〜20質量%含まれるゴム状重合体(a)に、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体(b)をグラフト重合させたグラフト共重合体(C)10〜50質量%と、芳香族ビニル化合物(e1)、シアン化ビニル化合物(e2)および他のモノビニル化合物(e3)から構成される共重合体(E)5〜40質量%とポリカーボネート樹脂(D)20〜70質量%とからなることを特徴とするダイレクトめっき用樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明により、上記ダイレクトめっき用樹脂組成物において、
1.ゴム状重合体(a)が、粒子径0.8〜1.5μmのゴム状重合体(a1)5〜20質量%および粒子径0.2〜0.35μmのゴム状重合体(a2)80〜95質量%からなるもの、または粒子径0.8〜1.5μmのゴム状重合体(a1)5〜20質量%と、粒子径0.2〜0.35μmのゴム状重合体(a2)80〜95質量%と、粒子径0.1μm以下のゴム状重合体(a3)0.1〜15質量%とからなる樹脂組成物、
2.前記共重合体(E)が芳香族ビニル化合物(e1)単位60〜80質量%、シアン化ビニル化合物(e2)単位20〜40質量%および他のモノビニル化合物(e3)単位0〜20質量%からなる樹脂組成物、および
【0012】
▲3▼前記グラフト共重合体(C)が共役ジエン系ゴム(d)からなるゴム状重合体(a)40〜70質量部に、芳香族ビニル化合物(b1)60〜80質量%、シアン化ビニル化合物(b2)20〜40質量%およびこれらと共重合可能な他のモノビニル化合物(b3)0〜20質量%からなる単量体(b)30〜60質量部をグラフト共重合させた重合体からなる樹脂組成物とすることによって、優れたダイレクトめっき用樹脂組成物が提供される。
【0013】
また、本発明は、上記ダイレクトめっき用樹脂組成物を成形して得られた成形品に、Pd−Snコロイド触媒処理を行った後、導体化処理、直接電気めっきを施すことを特徴とするダイレクトめっき法及び当該めっき法による樹脂めっき製品を提供するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明におけるグラフト共重合体(C)は、ゴム状重合体(a)にグラフト成分を構成する単量体(b)をグラフト重合させることにより得られるものである。ゴム状重合体(a)として好ましいものは、共役ジエン系ゴム(d)である。ここでいう共役ジエン系ゴム(d)とは、ブタジエン50〜100質量%およびこれと共重合可能な反応基を有する化合物50〜0質量%(合計100質量%)とから構成されるゴム状重合体である。
【0015】
該共役ジエン系ゴム(d)としては、ポリブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンゴム状共重合体、ブタジエン−ビニルトルエンゴム状共重合体等のブタジエン−芳香族ビニル化合物ゴム状共重合体、ブタジエン−アクリロニトリルゴム状共重合体、ブタジエン−メタクリロニトリルゴム状共重合体等のブタジエン−シアン化ビニル化合物ゴム状共重合体、ブタジエン−アクリル酸メチルゴム状共重合体、ブタジエン−アクリル酸エチルゴム状共重合体、ブタジエン−アクリル酸ブチルゴム状共重合体、ブタジエン−アクリル酸−2−エチルへキシルゴム状共重合体等のブタジエン−アクリル酸アルキルエステルゴム状共重合体、ブタジエン−メタクリル酸メチルゴム状共重合体、ブタジエン−メタクリル酸エチルゴム状共重合体等のブタジエン−メタクリル酸アルキルエステルゴム状共重合体等が挙げられる。
【0016】
また、共役ジエン系ゴム(d)には、ブタジエン単位50質量%以上から構成される三元のゴム状共重合体も含まれる。これら共役ジエン系ゴム(d)は、1種もしくは2種以上を併せて使用される。
ゴム状重合体(a)の製造方法には特に制限はないが、粒子径の制御が容易であることから乳化重合法が好ましい。乳化重合としては公知方法が適用でき、使用する触媒、乳化剤等は、特に制限なく各種のものが使用できる。
なお、本発明においては、共役ジエン系ゴム(d)等を、後述のゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体等のゴム肥大化剤によって肥大化させた肥大化ゴム状重合体もゴム状重合体(a)に含まれるものとする。
【0017】
ゴム状重合体(a)は、粒子径0.8〜1.5μmのゴム状重合体が5〜20重量%含まれるような粒子径分布を有していることが必須である。好ましくは後述の2分散の粒子径分布、より好ましくは3分散の粒子径分布を有するものである。粒子径0.8〜1.5μmのゴム状重合体の含量が5質量%未満では、めっき密着強度および電気銅めっきの伸び性が低下し、20質量%を超えると、電気銅めっきの伸び性および成形外観が低下する。
【0018】
また、ゴム状重合体(a)の平均粒子径は、0.2〜0.5μmである。平均粒子径が0.2μm未満では、耐衝撃性が低下すると同時に、めっき膨れが発生しやすくなり、0.5μmを超えると、めっき密着強度および電気銅めっきの伸び性が低下してくるので好ましくない。
【0019】
ゴム状重合体(a)は、好ましくは、粒子径0.8〜1.5μmの大粒子のゴム状重合体(a1)5〜20質量%および粒子径0.2〜0.35μmの中粒子のゴム状重合体(a2)80〜95質量%からなる粒子径分布を有するものであり、かつ、これらゴム状共重合体全体の平均粒子径が0.2〜0.5μmとなるものである。中粒子のゴム状重合体(a2)の割合が80質量%〜95質量%の範囲内にあると、めっき密着強度および電気銅めっきの伸び性が優れるため好ましい。
【0020】
ゴム状重合体(a)は、さらに好ましくは、粒子径0.8〜1.5μmの大粒子のゴム状重合体(a1)5〜20質量%と、粒子径0.2〜0.35μmの中粒子のゴム状重合体(a2)80〜95質量%と、粒子径0.1μm以下の小粒子のゴム状重合体(a3)0.1〜15質量%[(a1)+(b1)+(c1)=100質量%]とからなる粒子径分布を有するものであり、かつ、これらゴム状共重合体全体の平均粒子径が0.2〜0.5μmとなるものである。小粒子のゴム状重合体の割合が0.1質量%〜15質量%の範囲内にあると、めっき密着強度の発現性が優れるため好ましい。
【0021】
ゴム状重合体(a)に上述の粒子径分布を持たせる方法としては特に制限はなく、それぞれの粒子を個別に製造し、それらを所定の割合でブレンドする方法、肥大化能の異なるゴム肥大化剤(例えば酸基含有共重合体ラテックス)のブレンド系で、小粒子ゴムを一挙に粒径分布を持たせて肥大化する方法等が挙げられる。
【0022】
本発明における単量体(b)は、少なくとも芳香族ビニル化合物(b1)およびシアン化ビニル化合物(b2)を含むものである。
芳香族ビニル化合物(b1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、スチレンである。
また、シアン化ビニル化合物(b2)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、アクリロニトリルである。
【0023】
また、単量体(b)には、芳香族ビニル化合物(b1)およびシアン化ビニル化合物(b2)と共重合可能な他のモノビニル化合物(b3)が含まれていてもよい。このような他のモノビニル化合物(b3)としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらは、1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
グラフト共重合体(C)の製造は、ゴム状重合体(a)にグラフト成分を構成する単量体(b)をグラフト重合させることにより行われる。
グラフト重合法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、塊状重合、公知の方法が使用でき、これら2種以上の組み合わせも使用できる。中でも、ゴム状重合体(a)が乳化重合で容易に製造されることから、乳化重合が最適である。例えば、乳化重合で得られた前記ゴム状重合体(a)に単量体または単量体の混合物(以下、これらをまとめて単量体(b)と記す)を添加し、グラフト共重合させることにより行われる。
【0025】
グラフト重合に使用される単量体(b)は、芳香族ビニル化合物(b1)60〜80質量%、シアン化ビニル化合物(b2)20〜40質量%およびこれらと共重合可能な他のモノビニル化合物(b3)0〜20質量%からなる単量体混合物(合計100質量%)であることが好ましい。各単量体の割合をこれらの範囲内にすることで、得られる樹脂組成物の成形性、電気銅めっき伸び性、めっき密着強度の性能バランスがより優れる。
【0026】
ゴム状重合体(a)にグラフト重合させる単量体(b)の割合は、ゴム状共重合体(a)40〜70質量部に対して単量体(b)30〜60質量部の範囲が好ましい[ただし、ゴム状重合体(a)と単量体(b)との合計100質量部]。この範囲にすることで、得られる樹脂組成物の電気銅めっきの伸び性および耐衝撃性がより優れたものとなる。
【0027】
ゴム状重合体(a)に単量体の混合物である単量体(b)をグラフト重合させる場合、単量体(b)を一度に加えてもよく、また、分割添加や連続的に滴下してもよく、特に添加方法には制限はない。
この乳化重合に際しては、通常公知の乳化剤、触媒および開始剤が使用され、その種類や添加量、添加方法について特に限定されない。
このようにして得られたグラフト共重合体(C)は、通常のラテックスからのポリマー回収方法である、酸または塩による凝固、乾燥工程により粉末状の固体として回収される。
なお、グラフト重合の際には、グラフト共重合体(C)だけでなくゴム状重合体(a)と化学的結合を持たない単量体(b)のみから構成される共重合体が副生することが知られている。この共重合体の構造は後述の共重合体(E)の構成要件に含まれるものとなる。従って、本発明においてはグラフト重合時に副生するフリーな共重合体(ゴム状重合体(a)と化学的結合を持たない共重合体)も、共重合体(E)として取り扱うものとする。
【0028】
共重合体(E)は、芳香族ビニル化合物(e1)シアン化ビニル化合物(e2)および他のモノビニル化合物(e3)から構成されるものが好ましい。
芳香族ビニル化合物(e1)としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のビニルトルエン類、p−クロルスチレン等のハロゲン化スチレン類、p−t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレン類等が代表的なものとして挙げられる。これらは、1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、スチレンおよびα−メチルスチレンが好適に用いられる。
共重合体(E)における芳香族ビニル化合物(e1)単位の含有量は、60〜80質量%の範囲であることが好ましい。この範囲にすることにより、得られる最終樹脂組成物の成形加工性や電気銅めっきの伸び性をより優れたものにすることができる。
【0029】
シアン化ビニル化合物(e2)としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル等が挙げられ。中でも、アクリロニトリルが好ましい。
共重合体(E)におけるシアン化ビニル化合物(e2)単位の含有量は、20〜40質量%の範囲であることが好ましい。この範囲にすることにより、得られる最終樹脂組成物の電気銅めっきの伸び性や成形加工性をより優れたものとすることができる。
【0030】
他のモノビニル化合物(e3)としては、アクリル酸エステル系化合物、メタクリル酸エステル化合物、不飽和ジカルボン酸無水物およびビニルカルボン酸系化合物、マレイミド化合物が挙げられる。ここで、アクリル酸エステル系化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロへキシル等が挙げられる。メタクリル酸エステル化合物としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリクロロエチル等が挙げられ、メタクリル酸メチルが好ましい。
【0031】
不飽和ジカルボン無水物としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸の無水物等が挙げられ、マレイン酸無水物が好ましい。ビニルカルボン酸系化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、メタクリル酸が好ましい。マレイミド系化合物としては、マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。これらのうち、N−フェニルマレイミドが好ましい。これらモノビニル化合物(e3)は、1種であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0032】
共重合体(E)における他のモノビニル系化合物(e3)の含有量は、0〜20重量%の範囲であることが好ましい。20質量%を超える含有量では、得られる樹脂組成物の目的とする特性が損なわれるおそれがある。
共重合体(E)の製造方法については、特に限定されず、公知の方法、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等の公知方法を用いることができる。
ポリカーボネート樹脂(D)としては、ジヒドロキシジアリールアルカンから得られものであり、任意に枝分れしても良い。このポリカーボネート樹脂(D)は公知の方法により製造されるものであり、一般にジヒドロキシ又はポリヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることにより製造される。
【0033】
適当なジヒドロキシジアリールアルカンは、ヒドロキシ基に関しオルトの位置にアルキル基を有するものである。ジヒドロキシジアリールアルカンの好ましい具体例としては、4,4−ヒドロキシ2、2−ジフェニルプロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA及びビス−(4−ヒドロキシフェニル)−ρ−ジイソプロピルベンゼンなどが挙げられる。
また、分岐したポリカーボネートは、例えばジヒドロキシ化合物の一部、例えば0.2〜2モル%をポリヒドロキシで置換することにより製造される。ポリヒドロキシ化合物の具体例としては、フロログリシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、4,6−ジメチル2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼンなどが挙げられる。
また、分子量も特に限定されるものではないが、好ましくは粘度平均分子量でMv15000〜35000である。
【0034】
本発明の樹脂組成物は、該グラフト共重合体(C)10〜50質量%と該共重合体(E)5〜40質量%およびポリカーボネート樹脂(D)20〜70質量%[但し、(C)+(E)+(D)=100質量%]とから構成される。
グラフト共重合体(C)の配合量が10質量%未満では電気銅めっきの伸び性、密着強度の発現性が十分ではなく、50質量%を超えると耐熱性、耐衝撃性が不十分となって不都合となる。また、共重合体(E)の配合量が5質量%未満では電気銅めっきの伸び性の向上が十分ではない。より好ましくは10質量%以上である。一方、40質量%を超えると耐熱性、耐衝撃性が不十分となる。さらには、ポリカーボネート樹脂(D)の配合量が20質量%未満では樹脂組成物の耐熱性の向上が十分ではない。より好ましくは30質量%以上である。一方、ポリカーボネート樹脂が70質量%を超えると成形加工性、電気銅めっきの伸び性が不十分となって不都合である。より好ましくは65質量%以下である。
【0035】
上に記載したグラフト共重合体(C)と共重合体(E)とポリカーボネート樹脂(D)の好ましい配合割合とは、樹脂組成物(100質量%)に対するゴム状重合体(a)の割合が最適な範囲となることを意味する。すなわち樹脂組成部中に占めるゴム状重合体(a)の割合が10〜25質量%の範囲内であることが好ましい。10質量%未満では、樹脂組成物から得られる成形品のめっき密着強度が低くなるおそれがある。より好ましくは12質量%以上である。一方、ゴム状重合体(a)の割合が25質量%を超えると耐熱性が低下したり、密着強度の低下が生じやすくなるおそれがある。より好ましくは20質量%以下である。
【0036】
なお、本発明のダイレクトめっき用樹脂組成物には、必要に応じて他の熱可塑性樹脂を配合することも可能である。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−スチレン−マレイミド系化合物三元共重合体、ポリメチルメタクリレート、重量平均分子量100万〜500万のアクリロニトリル−スチレン共重合体等が挙げられる。
他の熱可塑性樹脂の配合割合は、特に限定されないが、0〜20質量%の範囲が目安であり、他の熱可塑性樹脂の配合によって本発明の目的とする性能が損なわれないことが基本となる。
【0037】
本発明のダイレクトめっき用樹脂組成物には、通常使用される各種安定剤、滑剤、金属石鹸、難燃剤、帯電防止剤等を添加することができる。さらに、特開平4−356514号公報に記載の有機ケイ素化合物等を添加することができる。これらの混合には、ヘンシェルミキサーやバンバリーミキサー、押出機、加熱ロール等の装置が用いられる。
【0038】
このようなダイレクトめっき用樹脂組成物は、グラフト共重合体(C)を構成するゴム状重合体(a)の平均粒子径が、0.2〜0.5μmの範囲であり、かつ、ゴム状重合体(a)が、粒子径0.8〜1.5μmの粒子が5〜20質量%含まれるような粒子径分布を有するものであるので、ダイレクトめっき性、特に電気銅めっきの伸び性に優れ、かつ、成形性、耐衝撃性にも優れる。
【0039】
本発明のダイレクトめっき方法は、本発明の樹脂組成物を成形して得られた成形品に、Pd−Snコロイド触媒処理を行った後、アクセレーター処理および無電解めっきを行うことなく、Pd−Snコロイド触媒処理、導体化処理後に直接電気めっきを施す方法である。Pd−Snコロイド触媒処理、導体化処理、については、公知の処理方法を採用することができる。
上記ダイレクトめっき法により得られる樹脂めっき製品は、均一なめっきが得られ、耐衝撃性にも優れる。
【0040】
このような樹脂めっき方法にあっては、アクセレーター処理および無電解めっきが不要であるので、労働衛生性や安全性に優れ、地球環境にやさしく、しかも本発明のダイレクトめっき用樹脂組成物を成形して得られた成形品を用いているので、アクセレーター処理および無電解めっきを行うことなく、ダイレクトめっき性、特に電気銅めっきの伸び性に優れ、かつ、耐衝撃性にも優れる樹脂めっき製品を製造することができる。
【0041】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の「%」および「部」は、特に明記しない限りは質量基準である。
【0042】
また、実施例中における各種物性の測定は以下の方法により測定した。
(1)ゴム状重合体の重量平均粒子径および粒子径分布
サブミクロン粒度分布測定器CHDF−2000(MATEC APPLIED SCIENCES社製)を用いて測定した。
(2)共重合体の還元粘度
ラテックスから回収した粉末状の共重合体0.2gをジメチルホルムアミド100ml中に溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて25℃で測定した。
【0043】
(3)衝撃強度
ASTM D−256に準拠して測定した。
(4)耐熱性(荷重たわみ温度 荷重1.82MPa)
ASTM D−648に準拠して測定した。
(5)密着強度
下記「めっき工程」でめっき用平板(50mm×90mm×3mm[厚さ])にダイレクトめっき加工を行い、荷重測定器上でめっき膜を垂直方向に引き剥がしてその強度を測定した。
【0044】
「めっき工程▲1▼」(奥野製薬工業(株)CRPプロセス)
めっき用平板を50℃のCRPクリーナーに5分間浸し、脱脂した。脱脂後の平板を20℃の水で水洗した後、65℃のエッチング液(クロム酸;400g/l、硫酸;200cc/l)に10分間浸し、エッチングを行った。エッチング後の平板を20℃の水で水洗した後、25℃のCRPレデューサーに1分間浸し、中和を行った。中和後の平板を20℃の水で水洗した後、25℃の塩酸に1分間プリディップし、次いで、40℃のCRPキャタリストに5分間浸し、Pd−Snコロイド触媒処理を行った。触媒化後の平板を20℃の水で水洗した後、50℃のCRPセレクターA,Bに7分間浸して導体化処理を行い、導体化処理後の平板を20℃の水で水洗した後、次いで、20℃で60分間、電気銅めっきを施して、膜厚35μmの電気銅めっきを平板に析出させた。電気銅めっき後の平板を20℃の水で水洗した後、電気銅めっきされた平板を80℃で2時間、乾燥させた。
【0045】
(6)電気銅めっきの伸び性
前記「めっき工程▲1▼」におけるエッチング条件を65℃×5分に変更し、さらに電気銅めっき条件を20℃×30分に変更して、平板(100mm×100mm×3mm[厚さ])表面に析出する電気銅めっきの析出面積割合を100%〜0%で評価した。
一般的に、当該評価方法で、電気銅めっき伸び性の析出面積割合が70%以上であれば、複雑形状である大型自動車部品(ラジエターグリル)を含む製品におけるダイレクトめっき性が可能な性能であると判断される。
(評価例)100%;全面積に析出、50%;半分の面積に析出、0%;全く析出せず
【0046】
(7)サーマルサイクル性
下記「めっき工程▲2▼」で、平板(100mm×100mm×3mm[厚さ])にダイレクトめっき加工を行い、その後、下記のサーマルサイクル条件で試験し、めっき膜の膨れの有無を確認した。
【0047】
「めっき工程▲2▼」(奥野製薬工業(株)CRPプロセス)
平板を50℃のCRPクリーナーに5分間浸し、脱脂した。脱脂後の平板を20℃の水で水洗した後、65℃のエッチング液(クロム酸;400g/l、硫酸;200cc/l)に10分間浸し、エッチングを行った。エッチング後の平板を20℃の水で水洗した後、25℃のCRPレデューサーに1分間浸し、中和を行った。中和後の平板を20℃の水で水洗した後、25℃の塩酸に1分間プリディップし、次いで、40℃のCRPキャタリストに5分間浸し、Pd−Snコロイド触媒処理を行った。触媒化後の平板を20℃の水で水洗した後、50℃のCRPセレクターA,Bに7分間浸して導体化処理を行い、導体化処理後の平板を20℃の水で水洗した後、次いで、20℃で20分間、電気銅めっきを施して、膜厚20μmの電気銅めっきを平板に析出させた。電気銅めっき後の平板を20℃の水で水洗した後、55℃で15分間、電気ニッケルめっきを施して、膜厚10μmの電気ニッケルめっきをさらに析出させた。電気ニッケルめっき後の平板を20℃の水で水洗した後、45℃で2分間、電気クロムめっきを施して、膜厚0.3μmの電気クロムめっきをさらに析出させた。
【0048】
「サーマルサイクル条件」
−30℃×1時間 → 23℃×15分 → 90℃×1時間 → 23℃×15分を1サイクルとして、3サイクル実施した。(判定基準は、○;膨れなし、×;ゲート近傍のみ膨れ、××;ゲート近傍部分以外にも膨れ、×××;全面に膨れ)
(8)スパイラル流動性
スパイラル流動長成形品(15mm幅×2mm厚 スパイラル型)をシリンダー温度260℃成形、金型温度60℃成形、射出圧力100MPaの条件下で成形し、スパイラル流動長を測定した。
【0049】
例1:[グラフト共重合体(C−1)の製造]
1)ゴム状重合体(A−1)ラテックスの合成
1,3−ブタジエン 95部、スチレン 5部、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド 0.2部、オレイン酸カリウム 1.0部、不均化ロジン酸カリウム 1.0部、ピロリン酸ソーダ 0.5部、硫酸第一鉄 0.005部、デキストローズ 0.3部、無水硫酸ナトリウム 0.3部および水 200部を100リットルオートクレーブに投入し、50℃で重合を行った。9時間でほぼ重合は完了し、転化率97%、平均粒子径0.08μm、pH9.0のジエン系ゴムラテックス(ゴム状重合体(A−1)ラテックス)が得られた。
【0050】
2)ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス(BS−1)の合成
アクリル酸n−ブチル 89部、メタクリル酸 11部、オレイン酸カリウム2部、ジオクチルスルホコハク酸ソーダ 1部、クメンヒドロパーオキサイド0.4部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート 0.3部およびイオン交換水 200部を別の重合装置に投入し、70℃で4時間、重合を行った。転化率は98%であり、平均粒子径0.06μmの酸基含有共重合体ラテックスが得られた。
【0051】
3)ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス(BS−2)の合成
上記ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス(BS−1)の合成において、アクリル酸n−ブチルの量を85部に、また、メタクリル酸の量を15部に変えた以外は、全く同様な方法を繰り返して重合を行った。転化率は97%であり、平均粒子径0.08μmの酸基含有共重合体ラテックスが得られた。
【0052】
4)ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス(BS−3)の合成
上記ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス(BS−1)の合成において、アクリル酸n−ブチルの量を82部に、また、メタクリル酸の量を18部に変えた以外は、全く同様な方法を繰り返して重合を行った。転化率は97%であり、平均粒子径0.14μmの酸基含有共重合体ラテックスが得られた。
【0053】
5)ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス(BS−4)の合成
上記ゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体ラテックス(BS−1)の合成において、アクリル酸n−ブチルの量を72部に、また、メタクリル酸の量を28部に変えた以外は、全く同様な方法を繰り返して重合を行った。転化率は97%であり、平均粒子径0.2μmの酸基含有共重合体ラテックスが得られた。
【0054】
6)広分散粒子径分布ゴムラテックス(G1)の製造
ゴム状重合体(A−1)ラテックス90部(固形分として)に、水酸化ナトリウム0.036部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体の混合ラテックス{(BS−1 固形分比)0.9部、(BS−2 固形分比)0.9部、(BS−3 固形分比)0.9部}を攪拌下に添加し、さらに30分間攪拌し、多分散粒子径分布を有するゴムラテックス(G1−1)を得た。
【0055】
別途、ゴム状重合体(A−1)ラテックス10部(固形分として)に、水酸化ナトリウム0.004部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体のラテックス(BS−4 固形分比)0.2部を攪拌下に添加し、さらに30分間攪拌し、多分散粒子径分布を有するゴムラテックス(G1−2)を得た。
ゴムラテックス(G1−1)および(G1−2)を、(G1−1)/(G1−2)=90/10(固形分の質量比)の割合で混合し、広分散粒子径分布ゴムラテックス(G1)を得た。このラテックスの粒子径分布の測定結果を表1に示す。
ここでは、幅広い粒子径分布を持ったゴム状重合体を広分散粒子径分布ゴムラテックスと表す。
【0056】
7)グラフト共重合体(C−1)の製造
上記広分散粒子径分布ラテックス(G1)(固形分として)50部、不均化ロジン酸カリウム 2.0部、ピロリン酸ソーダ 0.2部、硫酸第一鉄 0.01部、デキストローズ 0.35部および水(ラテックスからくるものも含む)200部を反応容器に投入し、重合開始温度40℃まで加熱した。これに、スチレン 35部、アクリロニトリル 15部およびクメンハイドロパーオキサド0.15部の単量体混合物を120分かけ滴下した後、その温度を1時間保持することでグラフト重合を行い、重合体ラテックスを得た。
【0057】
得られた重合体ラテックスに抗酸化剤としてブチル化ヒドロキシトルエン2部、ジラウリルチオプロピオネート0.5部を加えた。さらに、5%硫酸水溶液を加えて、重合体を凝固させて分離し、重合体を洗浄、乾燥してグラフト共重合体(C−1)の白色粉末を得た。
アセトン溶媒を用いて可溶成分すなわち、フリーな共重合体を抽出(68℃−3時間)した結果、11質量%であった。
【0058】
例2:グラフト共重合体(C−2)の製造
1)多分散粒子径分布ゴムラテックス(G2)の製造
ゴム状重合体(A−1)ラテックス100部(固形分として)に水酸化ナトリウム0.04部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体の混合ラテックス{(BS−2 固形分比)3.4部、(BS−4 固形分比)0.6部}を攪拌下に添加し、さらに30分間攪拌し、多分散粒子径分布を有するゴムラテックスを得た。このラテックスの粒子径分布の測定結果を表1に示す。
【0059】
2)グラフト共重合体(C−2)の製造
広分散粒子径分布ラテックス(G1)のかわりに、上記多分散粒子径分布ラテックス(G2)を使用した以外は、グラフト共重合体(C−1)の製造と同じ操作を行うことにより、グラフト共重合体(C−2)の白色粉末を得た。
フリーな共重合体は10質量%であった。
【0060】
例3:グラフト共重合体(C−3)の製造
1)多分散粒子径分布ゴムラテックス(G3)の製造
ゴム状重合体(A−1)ラテックス100部(固形分として)に水酸化ナトリウム0.02部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体の混合ラテックス{(BS−2 固形分比)1.7部、(BS−4 固形分比)0.3部}を攪拌下に添加し、さらに30分間攪拌し、多分散粒子径分布を有するゴムラテックスを得た。このラテックスの粒子径分布の測定結果を表1に示す。
【0061】
2)グラフト共重合体(C−3)の製造
広分散粒子径分布ラテックス(G1)のかわりに、上記多分散粒子径分布ラテックス(G3)を使用した以外は、グラフト共重合体(C−1)の製造と同じ操作を行うことにより、グラフト共重合体(C−3)の白色粉末を得た。
フリーな共重合体は10質量%であった。
【0062】
例4:グラフト共重合体(C−4)の製造
1)単分散粒子径分布ゴムラテックス(G4)の製造
ゴム状重合体(A−1)ラテックス100部(固形分として)に水酸化ナトリウム0.04部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体のラテックス(BS−3 固形分比)4部を攪拌下に添加し、さらに30分間攪拌し、単分散粒子径分布を有するゴムラテックスを得た。このラテックスの粒子径分布の測定結果を表1に示す。
【0063】
2)グラフト共重合体(C−4)の製造
広分散粒子径分布ラテックス(G1)のかわりに、上記単分散粒子径分布ラテックス(G4)を使用した以外は、グラフト共重合体(C−1)の製造と同じ操作を行うことにより、グラフト共重合体(C−4)の白色粉末を得た。
フリーな共重合体は9質量%であった。
【0064】
例5:グラフト共重合体(C−5)の製造
1)多分散粒子径分布ゴムラテックス(G5)の製造
ゴム状重合体(A−1)ラテックス15部(固形分として)に水酸化ナトリウム0.003部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体のラテックス(BS−4 固形分比)0.2部を攪拌下に添加し、さらに30分間攪拌し多分散粒子径分布を有するゴムラテックス(G5−1)を得た。別途、ゴム状重合体(A−1)ラテックス85部(固形分として)に、水酸化ナトリウム0.017部を加え、肥大化を行わずゴムラテックス(G5−2)を得た。これらゴムラテックス(G5−1)および(G5−2)を、(G5−1)/(G5−2)=15/85(固形分の質量比)で混合し、多分散粒子径分布ゴムラテックス(G5)を得た。このラテックスの粒子径分布の測定結果を表1に示す。
【0065】
2)グラフト共重合体(C−5)の製造
広分散粒子径分布ラテックス(G1)のかわりに、上記多分散粒子径分布ラテックス(G5)を使用した以外は、グラフト共重合体(C−1)の製造と同じ操作を行うことにより、グラフト共重合体(C−5)の白色粉末を得た。
フリーな共重合体は5質量%であった。
【0066】
例6:グラフト共重合体(C−6)の製造
1)多分散粒子径分布ゴムラテックス(G6)の製造
ゴム状重合体(A−1)ラテックス80部(固形分として)に水酸化ナトリウム0.032部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体のラテックス(BS−3 固形分比)3.2部を攪拌下に添加し、ざらに30分間攪拌し、多分散粒子径分布を有するゴムラテックス(G6−1)を得た。別途、ゴム状重合体(A−1)ラテックス20部(固形分として)に水酸化ナトリウム0.008部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体のラテックス(BS−4 固形分比)0.4部を攪拌下に添加し、さらに30分間攪拌し、多分散粒子径分布を有するゴムラテックス(G6−2)を得た。これらゴムラテックス(G6−1)および(G6−2)を、(G6−1)/(G6−2)=80/20(固形分の質量比)で混合し、多分散粒子径分布ゴムラテックス(G6)を得た。このラテックスの粒子径分布の測定結果を表1に示す。
【0067】
2)グラフト共重合体(C−6)の製造
広分散粒子径分布ラテックス(G1)のかわりに、上記多分散粒子径分布ラテックス(G6)を使用した以外は、グラフト共重合体(C−1)の製造と同じ操作を行うことにより、グラフト共重合体(C−6)の白色粉末を得た。
フリーな共重合体は14質量%であった。
【0068】
例7:グラフト共重合体(C−7)の製造
1)多分散粒子径分布ゴムラテックス(G7)の製造
ゴム状重合体(A−1)ラテック90部(固形分として)に水酸化ナトリウム0.036部を加えた後、これにゴム粒子肥大化用酸基含有共重合体の混合ラテックス{(BS−2 固形分比)2.6部、(BS−4 固形分比)1.0部}を攪拌下に添加し、さらに30分間攪拌し、多分散粒子径分布を有するゴムラテックス(G7−1)を得た。別途、ゴム状重合体(A−1)ラテックス10部(固形分として)に水酸化ナトリウム0.004部を加え、肥大化を行なわずゴムラテックス(G7−2)を得た。これらゴムラテックス(G7−1)および(G7−2)を、(G7−1)/(G7−2)=90/10(固形分の質量比)で混合し、多分散粒子径ゴムラテックス(G7)を得た。このラテックスの粒子径分布の測定結果を表1に示す。
【0069】
2)グラフト共重合体(C−7)の製造
広分散粒子径分布ラテックス(G1)のかわりに、上記多分散粒子径分布ラテックス(G7)を使用した以外は、グラフト共重合体(C−1)の製造と同じ操作を行うことにより、グラフト共重合体(C−7)の白色粉末を得た。
フリーな共重合体は13質量%であった。
【0070】
【表1】
【0071】
例8:硬質共重合体(E−1)の調製
アクリロニトリル 29部、スチレンモノマー 71部、アゾビスイソブチロニトリル 0.15部、t−ドデシルメルカプタン 0.40部、リン酸カルシウム 0.50部および蒸留水 150部を、100リットルのオートクレーブに仕込み、激しく攪拌した。系内分散を確認したあと、75℃に昇温し、3時間かけて重合を行った。その後、110℃まで昇温し、30分間熟成させた。冷却後に脱水して共重合体を分離し、これを洗浄、乾燥することにより、還元粘度0.55dl/gである粉末の硬質共重合体(E−1)を得た。
【0072】
例9:硬質共重合体(E−2)の調製
アクリロニトリル 15部、スチレンモノマー 85部、アゾビスイソブチロニトリル 0.15部、t−ドデシルメルカプタン 0.20部、リン酸カルシウム 0.50部および蒸留水 150部を、100リットルのオートクレーブに仕込み、激しく攪拌した。系内分散を確認したあと、75℃に昇温し、3時間かけて重合を行った。その後、110℃まで昇温し、30分間熟成させた。冷却後に脱水して共重合体を分離し、これを洗浄、乾燥することにより、還元粘度0.50dl/gである粉末の硬質共重合体(E−2)を得た。
【0073】
例10:硬質共重合体(E−3)の調製
アクリロニトリル 45部、スチレンモノマー 55部、アゾビスイソブチロニトリル 0.15部、t−ドデシルメルカプタン 0.90部、リン酸カルシウム 1.00部および蒸留水 150部を、100リットルのオートクレーブに仕込み、激しく攪拌した。系内分散を確認したあと、75℃に昇温し、3時間かけて重合を行った。その後、110℃まで昇温し、30分間熟成させた。冷却後に脱水して共重合体を分離し、これを洗浄、乾燥することにより、還元粘度0.65dl/gである粉末の硬質共重合体(E−3)を得た。
【0074】
例11:硬質共重合体(E−4)の調製
硬質共重合体(E−1)の調製において、アクリロニトリルを20部、スチレンを80部、t−ドデシルメルカプタンを0.25部に変更して硬質共重合体(E−1)の調製と同様な方法を繰り返すことにより、還元粘度0.56dl/gである粉末の硬質共重合体(E−4)を得た。
【0075】
例12:硬質共重合体(E−5)の調製
硬質共重合体(E−3)の調製において、アクリロニトリルを40部、スチレンを60部、t−ドデシルメルカプタンを0.8部に変更して硬質共重合体(E−3)の調製と同様な方法を繰り返すことにより、還元粘度0.63dl/gである粉末の硬質共重合体(E−5)を得た。
【0076】
例13:ポリカーボネート樹脂(D)
ポリカーボネート樹脂(D)には、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製の「ノバレックス7022A」(商品名)を使用した。
【0077】
実施例1〜11、比較例1〜10:
グラフト共重合体(C−1)〜(C−7)、硬質共重合体(E−1)〜(E−5)、ポリカーボネート樹脂(D)を表2に記載された割合で配合し、ヘンシェルミキサーで5分間(3000rpm)混合した。この混合物をシリンダー温度260℃で押し出してペレット化し、このペレットから、スクリュー式射出成形機(シリンダー温度270℃、金型温度60℃)を用いて物性測定用試験片およびめっき用平板を成形した。次いで、その試験片および平板を用いて物性ならびにめっきの密着強度、電気めっき伸び性、サーマルサイクル性、スパイラル流動長を測定した。結果を表3に示す。
【0078】
【表2】
【0079】
【表3】
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のダイレクトめっき用樹脂組成物は、めっき性、特に電気銅めっきの伸び性に優れ、かつ、成形性、耐熱性、耐衝撃性等の物性にも優れている。したがって、当該樹脂組成物は、自動車部品のみならず、電気製品、建築材料、パチンコ台、パチスロ台、時計枠、装飾ボタン、化粧品用容器あるいはキャップ等あらゆる分野における樹脂成形品用の材料として極めて利用価値が高いものである。
Claims (8)
- 平均粒子径が0.2〜0.5μmであり、かつ、粒子径0.8〜1.5μmの粒子が5〜20質量%含まれるゴム状重合体(a)に、芳香族ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物を含む単量体(b)をグラフト重合させたグラフト共重合体(C)10〜50質量%と、芳香族ビニル化合物(e1)、シアン化ビニル化合物(e2)および他のモノビニル化合物(e3)から構成される共重合体(E)5〜40質量%とポリカーボネート樹脂(D)20〜70質量%とからなることを特徴とするダイレクトめっき用樹脂組成物。
- 前記ゴム状重合体(a)が、粒子径0.8〜1.5μmのゴム状重合体(a1)5〜20質量%および粒子径0.2〜0.35μmのゴム状重合体(a2)80〜95質量%からなることを特徴とする請求項1記載のダイレクトめっき用樹脂組成物。
- 前記ゴム状重合体(a)が、粒子径0.8〜1.5μmのゴム状重合体(a1)5〜20質量%と、粒子径0.2〜0.35μmのゴム状重合体(a2)80〜95質量%と、粒子径0.1μm以下のゴム状重合体(a3)0.1〜15質量%とからなることを特徴とする請求項1記載のダイレクトめっき用樹脂組成物。
- 前記共重合体(E)が、芳香族ビニル化合物(e1)単位60〜80質量%、シアン化ビニル化合物(e2)単位20〜40質量%および他のモノビニル化合物(e3)単位0〜20質量%からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のダイレクトめっき用樹脂組成物。
- 前記グラフト共重合体(C)が、共役ジエン系ゴム(d)からなるゴム状重合体(a)40〜70質量部に、芳香族ビニル化合物(b1)60〜80質量%、シアン化ビニル化合物(b2)20〜40質量%およびこれらと共重合可能な他のモノビニル化合物(b3)0〜20質量%からなる単量体(b)30〜60質量部をグラフト共重合させたグラフト共重合体からなるものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のダイレクトめっき用樹脂組成物。
- 樹脂組成物に対するゴム状重合体(a)の割合が10〜25質量%であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のダイレクトめっき用樹脂組成物。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のダイレクトめっき用樹脂組成物を成形して得られた成形品に、Pd−Snコロイド触媒処理を行った後、導体化処理、直接電気めっきを施すことを特徴とするダイレクトめっき法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のダイレクトめっき用樹脂組成物を成形して得られた成形品に、Pd−Snコロイド触媒処理、導体化処理および直接電気めっきが施されていることを特徴とする樹脂めっき製品。
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