JP2013004403A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極中の導電補助剤の配合比率を少なくして電池抵抗の低減を図ることができる高出力なリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池は、リチウムを含む遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた正極と、炭素材料を負極活物質として用いた負極とを備えており、正極と負極を非水電解液に浸漬させた構成を有するものであり、正極活物質は二次粒子2を形成し、正極活物質の二次粒子2の表面に導電補助剤のカーボンブラック粒子3が分散して付着された構成を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば電気自動車やハイブリッド電気自動車などの車載用途など、高出力のリチウムイオン二次電池に関する。
環境問題に対する意識の高まりから、使用時のガソリン消費量や排出ガスの少ない電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の開発が加速している。
EVやHEVは、発動機として電気モーターを搭載し、エネルギー源として電池に蓄えた電気を使用する。電池には、鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池、リチウムイオン二次電池などが用いられているが、これらの電池の中でも作動電圧が高く、エネルギー密度が大きいといった特徴を持つ、リチウムイオン二次電池が注目されている。EVやHEVに用いられる電池は、パソコンや携帯電話等で用いられるものと比較して、大電流による充放電が行われるため、高い出力能力を維持・発揮する必要がある。電池の出力Wは、下記の計算式から求められる。
W=E/R
(E:電池の平均電圧、R:電池抵抗)
上記計算式に示されるように、電池の出力Wは、電池抵抗で除することで求められるので、電池抵抗の値が小さくなれば出力Wは大きくなる。
リチウムイオン二次電池の電池抵抗を下げる技術として、正負極板の正負極合剤層に用いる材料の粒子径を小さくしたり正負極板の厚さを薄くしたりして電極反応面積を増大させつつ、正負極合剤層内の電子伝導性およびリチウムイオン拡散性を向上させる必要がある。この電子伝導性の向上では、一般に正負極合剤に導電補助材を混合して導電ネットワークを確保する等の手法がとられる。
特に、正極合剤層には、黒鉛粉末や、アセチレンブラックやファーネスブラックに代表されるカーボンブラックの粉末が導電補助材として混合される。リチウムイオンの拡散性の向上では、正負極合剤層内に非水電解液が浸透する空間を確保することが必要である。このような導電ネットワークを確保する方法として、特許文献1では正極活物質の表面に導電性物質をメカノケミカル処理により緊密に高分散状態で固定化する方法が開示されている。
特開2009−158239号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、電池抵抗の低減効果が確認されるものの、カーボンブラック粒子のような凝集性の高い材料は、凝集体のまま正極活物質の表面に固定化される。また、活物質粒子も1次粒子まで分散されて比表面積が大きくなるため、活物質粒子表面全体に十分な量の導電補助材を配置するには、正極中の導電補助材の配合比率を多くする必要がある。正極中の導電補助材の配合比率を多くすると、活物質の配合比率が少なくなり、電池容量が減少する。EVやHEVに用いられるリチウムイオン二次電池としては、活物質の配合比率を低下させて電池容量を減少させることは好ましくない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、正極中の導電補助剤の配合比率を多くすることなく、電池抵抗の低減を図ることができ、高出力なリチウムイオン二次電池を提供することである。
上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムを含む遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた正極と、炭素材料を負極活物質として用いた負極とを備え、正極と負極を非水電解液に浸漬させたリチウムイオン二次電池であって、正極活物質は二次粒子を形成し、正極活物質の二次粒子の表面にカーボンブラック粒子が分散して付着された構成を有する。
本発明のリチウムイオン二次電池によれば、正極活物質の二次粒子の表面にカーボンブラック粒子が分散して付着されているので、導電補助剤の配合比率を多くすることなく、電池抵抗を低減することができ、電池出力を向上させることができる。
本実施の形態に係わるリチウムイオン二次電池の構成を説明する断面図。 正極活物質の二次粒子の表面に導電補助材であるカーボンブラック粒子を分散して付着させた状態の概念図。 正極合剤スラリーの作成方法を説明するフロー図。 負極合剤スラリーの作成方法を説明するフロー図。 カーボンブラックをNMPに分散させずに正極合剤スラリーを作製するフロー図。 スラリー作成時にカーボンブラックをNMPに分散させる工程を経ずに作成した比較例の正極表面のSEM画像。 正極合剤スラリー作成時にカーボンブラックをNMPに分散させる工程を経て作成した実施例の正極表面のSEM画像。
図1は、本実施の形態に係わるリチウムイオン二次電池の構成を説明する断面図、図2は、正極活物質の二次粒子の表面に導電補助材であるカーボンブラック粒子を分散して付着させた状態の概念図である。
リチウムイオン二次電池1は、円筒形のリチウムイオン二次電池であり、リチウムを含む遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた正極と、炭素材料を負極活物質として用いた負極とを備えており、正極と負極を非水電解液に浸漬させた構成を有している。
正極は、正極集電体(アルミニウム箔4)の両面に正極合剤層5が形成された正極板7を有している。正極板7の正極合剤層5は、正極活物質と導電補助剤と結着材(バインダ)の混合物からなり、図2に示すように、正極活物質二次粒子2の表面に、導電補助材であるカーボンブラック粒子3が分散して付着された構成を有している。したがって、導電補助剤の配合比率を多くすることなく、電池抵抗を低減させることができ、電池出力を向上させることができる。
正極活物質二次粒子2の表面には、図2に示すように、凝集性の高い第1の導電補助剤であるカーボンブラック粒子3に加えて、例えば黒鉛などの凝集性の低い第2の導電補助剤31と、結着剤(バインダ)32が付着されている。
正極活物質二次粒子2の表面に、凝集性の高い導電補助剤であるカーボンブラック粒子3を分散して付着させる方法として、図3に示すように、正極合剤スラリーを調製する手順において、カーボンブラック粒子3を極性有機溶媒に分散させた溶液を調製する段階と、そのカーボンブラック粒子3の分散溶液と正極活物質とを混練する段階の二段階に分けることが行われる。すなわち、凝集性の高い第1の導電補助剤を極性有機溶媒に分散させて分散溶液を作製する段階と、その分散溶液と、正極活物質と、凝集性の低い第2の導電補助剤と、結着剤とを混合して正極合剤スラリーを作製する段階の二段階に分けることが行われる。これにより、比較的容易に正極活物質二次粒子2の表面にカーボンブラック粒子3を凝集体の少ない状態で分散して付着させることが可能となる。
[1.正極板の作製]
正極板の作製では、まず、図3に示す工程によって、正極合剤スラリーを作製する。工程の初めに、第一の導電補助材として使用するカーボンブラックの一種であるアセチレンブラックを、極性有機溶媒(N−メチル−2−ピロリドン、以降NMP)に浸漬し、分散させて分散溶液を作製する。分散溶液中のアセチレンブラックの固形分重量比率は13.6%以上が必要であり、この値は高いほど望ましく、今回は20%とした。なお、この固形分比は粒子の比表面積や粒子径、分散媒との親和性などによって50%程度までは増やすこともできる。
このとき、作成した分散溶液中のアセチレンブラックの平均分散粒子径が200〜300nmとなるように調整した。
次に、この分散溶液と、正極活物質としてのマンガン酸リチウムと、第1の導電補助剤よりも凝集性の低い第二の導電補助材としての黒鉛粉末と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(以降PVDFと略記する)とを、5.0:90.0:2.0:3.0の固形分の重量比率で混合し、極性有機溶媒 (NMP)を添加して混練・分散させて、正極合剤スラリーを作製する。正極活物質の平均二次粒子径(D50)は、5μmから30μmの範囲であり、好ましくは、10μmのものが用いられている。
平均二次粒子径(D50)は、粉体の粒径分布において,ある粒子径より大きい個数又は体積が,全粉体のそれの50%をしめるときの粒子径で定義される。測定方法は種々あるが、実施例においてはSEMにより測定した。粒子の形状が一様でないため、粒径を粒子の輪郭線上の任意の2点間距離のうち、最大の長さとし、平均粒径は30個から求めた平均値とした。
この正極合剤スラリーを、正極集電体である厚みが例えば15μmのアルミニウム箔4の両面に、ロールtoロール法転写により塗布し、乾燥させて、正極板7を形成する。アルミニウム箔4の長寸方向一側の側縁には、例えば幅30mmの正極合剤の未塗着部が形成されており、正極タブ6が形成されている。正極タブ6は、互いに隣り合う正極タブ6の間隔が例えば50mmに設定され、また、正極タブ6の幅が例えば5mmに設定されている。正極板7は、乾燥後に、正極合剤層の空隙率が30体積%となるようにプレス加工され、その後、所定幅である例えば幅62mmに裁断される。
[2.負極板の作製]
負極板の作製では、まず、図4に示す工程によって負極合剤スラリーを作製する。負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な炭素粉末と、結着材としてのPVDFを、92.0:8.0の固形分重量比率で混合し、溶媒であるNMPを添加して混練・分散させて負極合剤スラリーを作製する。
この負極合剤スラリーを、負極集電体である厚みが例えば10μmの銅箔8の両面にロールtoロール法転写により塗布し、乾燥させて、負極板11を形成する。銅箔の長寸方向の片側外縁には、例えば幅30mmの負極合剤の未塗着部が形成されており、負極タブ10が形成されている。負極タブ10は、互いに隣り合う負極タブ10の間隔が例えば50mmに設定され、また、負極タブ10の幅が例えば5mmに設定されている。負極板11は、乾燥後に、負極合剤層の空隙率が35体積%となるようにプレス加工され、その後、所定幅である例えば幅66mmに裁断される。
[3.電池の組立て]
本実施の形態における円筒形のリチウムイオン二次電池1は、図1に示すように、ニッケルメッキが施されたスチール製で有底円筒状の電池容器12、及びポリプロピレン製で中空円筒状の軸芯13に帯状の正極板7と負極板11とがセパレータ14を介して断面渦巻状に捲回された極板群15を有している。
極板群15の上側には、軸芯13のほぼ延長線上に正極板7からの電位を集電するためのアルミニウム製の正極集電リング16が配置されている。正極集電リング16は、軸芯13の上端部に固定されている。正極集電リング16の周囲から一体に張り出している鍔状部分周縁には、正極板7から導出された正極タブ6の端部が超音波溶接されている。
正極集電リング16の上方には、正極外部端子となる円盤状の電池蓋17が配置されている。電池蓋17は、蓋ケース18と、蓋キャップ19と、気密を保つ弁押え20と、内圧上昇により開裂する開裂弁21とで構成されており、これらが積層されて蓋ケース18の周縁をカシメることで組立てられている。正極集電リング16の上部には複数枚のアルミニウム製リボンを重ね合わせて構成した正極リード22の一端が固定されており、蓋ケース18の下面には他端が溶接されている。
一方、極板群15の下側には負極板11からの電位を集電するための銅製の負極集電リング23が配置されている。負極集電リング23の内周面には軸芯13の下端部外周面が固定されている。
負極集電リング23の外周縁には、負極板11から導出された負極タブ10の端部が溶接されている。負極集電リング23の下部には電気的導通のための銅製の負極リード板24が溶接されており、負極リード板24は電池容器12の内底部に溶接されている。電池容器12の大きさは、本実施の形態では、外径40mm、内径39mmに設定されている。
電池蓋17は、絶縁性及び耐熱性のEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)樹脂製のガスケット25を介して、電池容器12の上部をカシメることで固定されている。これにより、リチウムイオン二次電池1の内部は密封される。
また、電池容器12内には、図示しない非水電解液が注入されている。非水電解液には、炭酸エステルのエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの体積比2:3の混合溶媒中にリチウム塩として6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものが用いられている。なお、リチウムイオン二次電池1には、電池内圧の上昇に応じて正極又は負極の電気的リードが切断される電流遮断機構や、電池温度の上昇に応じて電気的に作動するPTC(Positive Temperature Coefficient)素子は配置されていない。
極板群15は、正極板7と負極板11とがこれら両極板が直接接触しないように、例えば幅90mm、厚さ30μmの多孔質ポリエチレン製のセパレータ14を介して、軸芯13の周囲に捲回されている。正極タブ6と負極タブ10とは、それぞれ極板群15の互いに反対側の両端面に配置されている。
極板群15及び正極集電リング16の鍔状部分周面全周には、電池容器12との絶縁被覆が施されている。絶縁被覆には、ポリイミド製の基材の片面にヘキサメタアクリレートの粘着剤が塗布された粘着テープが用いられている。粘着テープは鍔状部分周面から極板群15外周面に亘って一巻き以上巻かれている。本実施の形態では、正極板7、負極板11、セパレータ14の長さを調整することで、極板群15の直径が38±0.1mmに設定されている。
[4.作製した電池の電池容量、電池抵抗測定]
上記構成を有するリチウムイオン二次電池1について、電池重量の測定を行った後、電池容量、電池抵抗を測定した。
電池容量の測定では、リチウムイオン二次電池1を25±2℃の室温環境下にて1時間率(1C)で定電流定電圧充電(上限電圧4.1V)を3時間行った後、1時間率(1C)の定電流で2.7Vまで放電したときの放電容量を測定した。
電池抵抗の測定では、電池を25±2℃の室温環境下にて1時間率(1C)で4.1V定電圧充電を3時間行い、満充電状態とした後、1C、2C、4Cの電流値でそれぞれ11秒間放電し、10秒目の電池電圧を測定した。
各電流値に対して電圧値をプロットしたとき、直線の傾きの絶対値を電池抵抗とした。また、同様の測定を−30℃±2℃の雰囲気においても行い、低温環境での放電容量、電池抵抗を測定した。
次に、本実施の形態に従い作製したリチウムイオン二次電池1の実施例について説明する。なお、比較例として作製した電池についても説明する。
[実施例1〜3]
下記の表1に示すカーボンブラックをNMPに分散させ、その後、図3に示す手順で正極活物質、導電補助材、結着材と混合し、それから、NMPを加えて混練・分散させて正極合剤スラリーを調製した。正極合剤スラリーを正極集電体であるアルミニウム箔4に塗布し、乾燥させて正極板7を形成し、本実施の形態に示したリチウムイオン二次電池を作製した。
Figure 2013004403
[比較例1]
表1に示すに比較例1では、アセチレンブラックAを予めNMPに分散させずに、図5の手順のように、正極活物質と導電補助剤と結着剤とをすべて一緒に混合し、分散させて、正極合剤スラリーを作製した。そして、その正極合剤スラリーをアルミニウム箔4に塗布し、乾燥させて正極板を形成し、比較例のリチウムイオン二次電池を作製した。
[評価1]
比較例および実施例で形成した正極表面のSEM観察を行った。
図6は、比較例の正極表面のSEM画像、図7は実施例の正極表面のSEM画像である。
図6、図7において、大きな粒子は正極活物質であり、複数の粒子が密集して二次粒子を形成している。その大きな粒子の表面や周囲に存在する微細な粒子がカーボンブラック粒子である。
比較例の場合、すなわち、正極合材スラリーの作成時にカーボンブラックをNMPに分散させる段階を経ずに作成した比較例の場合、図6に示すように、正極の表面観察からは、カーボンブラック粒子3が正極活物質二次粒子2の粒子間に大きく凝集して存在していることが確認される。また、正極活物質二次粒子2の粒子表面は滑らかであり、カーボンブラック粒子3があまり付着していないことが分かる。
これに対し、実施例の場合、すなわち、正極合材スラリーの作成時にカーボンブラックをNMPに分散させる段階と、その分散溶液と正極活物質とを混練する段階とを含む工程を経て作成した実施例の場合、図7に示すように、正極の表面観察からは、正極活物質二次粒子2の表面が、細かな粒子で覆われてざらついており、カーボンブラック粒子3が正極活物質二次粒子2の表面全体にまとわりつくように存在している。
このことから、正極合材スラリーの作成において、カーボンブラック粒子をNMPに分散させる段階と、その分散溶液と正極活物質を混練する段階とを含む工程を経ることによって、カーボンブラック粒子3を、凝集の少ない状態で正極活物質二次粒子2の表面に分散して付着させることができたと考えられる。
[評価2]
リチウムイオン二次電池1を、周囲温度25±2℃、1Cの電流値で4.1Vの定電圧で3時間充電した後、1Cの電流値で終止電圧2.7Vまで放電して初回放電容量を測定した。また、初充電容量に対する初回放電容量の比を充放電効率として算出した。
初回充放電後、一定期間電池を放置して熟成させた後に充放電試験を行い、1C、4Cの放電容量の測定と電池抵抗を算出した。電池抵抗Rは、放電電流を1C、2C、4Cと変化させたときの電池電圧を測定し、電流−電圧直線の傾きから求めた。
EVやHEVに搭載されるリチウムイオン二次電池では、低温環境下での出力特性が重要な特性のひとつとされているため、低温環境下でも充放電試験を行って1C、4Cの放電容量を測定と電池抵抗を算出した。
上記の[評価2]で取得した実施例の試験結果の値を、比較例1の値に対する比(例えば、比較例1に対する実施例1)を百分率で求めた結果として下記の表2に示す。
Figure 2013004403
表2に示すように、カーボンブラックをNMPに分散させる段階をとった各実施例1〜3は、初回充放電試験、熟成後試験、低温環境試験のすべてにおいて、放電容量が比較例1の値を上回り、電池容量が向上した。各実施例および比較例ともに電池内に仕込んだ正極活物質量を同量にしているので、充放電効率の値が示すように、充放電に関与する活物質量が増加したと考えられる。
また、表2に示すように、各実施例1〜3は、初回充放電試験、熟成後試験、低温環境試験のすべてにおいて、電池抵抗が比較例の値を下回っている。このことから、スラリー作成時にカーボンブラックをNMPに分散させる段階を経ることで、正極活物質二次粒子2の表面全体に、カーボンブラック粒子3が存在するようになり、正極活物質粒子間の導電ネットワークが増加しているものと考えられる。
電池の出力Wは、下記の式(1)から求められる
W=E/R ・・・(1)
(E:電池の平均電圧、R:電池抵抗)
上記の式(1)に示されるように、電池の出力Wは、電池抵抗Rで除することで求められる。したがって、電池抵抗Rの値が小さくなれば、電池の出力Wは大きくなる。すなわち本実施例の電池はいずれも出力が向上したことが判明した。
[評価3]
熟成後の実施例1〜3、および比較例1の電池を、周囲温度50℃の環境下で、電圧範囲2.7V〜4.1V、4Cの電流値で1000サイクル連続充放電を行い、その後、室温環境下および低温環境下での充放電試験を行い、1C、4Cの放電容量の測定と電池抵抗を算出した。
上記の[評価3]で取得した実施例1〜3の試験結果の値を、比較例1の値に対する比(例えば、比較例1に対する実施例1)を百分率で求めた結果として、下記の表3に示す。
Figure 2013004403
表3に示すように、1000サイクルの充放電後であっても、各実施例1〜3の放電容量は、比較例1の値を上回っており、高い放電容量が維持され、また各実施例1〜3の電池抵抗は、比較例1の値を下回っており、低い電池抵抗が維持されており、電池のサイクル寿命が向上していることが判明した。このことから、充放電を繰り返した後も正極活物質粒子間の導電ネットワークが維持されていると考えられる。
以上のように、正極合剤スラリーの作成工程において、カーボンブラック粒子3をNMPに分散させる段階と、その分散溶液と正極活物質を混練する段階を含む工程を経て作成した正極は、正極活物質二次粒子2の表面に、カーボンブラック粒子3が分散して付着されている。したがって、かかる正極を用いることによって、低電池抵抗すなわち高出力であって、高容量、かつサイクル寿命特性の優れたリチウムイオン二次電池を提供できる。
これは、正極活物質二次粒子2の表面全体に、導電補助材であるカーボンブラック粒子2が分散して付着されることで、正極活物質粒子間の導電ネットワークを増加させ、正極活物質が保持するリチウムイオンを効率よく利用することが可能になるためと考えられる。
また、本発明の正極合剤スラリーの製造工程は、背景技術で示した従来例のような特殊な装置を用いることなく、一般の混練分散装置(例えばプラネタリーミキサーなど)で実施可能であり、簡易であることから工業的利用価値は極めて大きいといえる。
上記したリチウムイオン二次電池の製造方法によれば、第1の導電補助剤であるカーボンブラック粒子3を極性有機溶媒に分散させた溶液を調製する段階と、カーボンブラック粒子3の分散溶液と正極活物質二次粒子2と第二の導電補助材とバインダを混合し、さらに極性有機溶媒を添加して混練する段階とを含むので、カーボンブラック粒子3の凝集体のみを効率よく解きほぐすことができ、正極活物質二次粒子2の表面にカーボンブラック粒子3を分散して配置させることができる。したがって、導電補助材の配合比率を多くすることなく、むしろ少なくしても電池抵抗の低減を発現可能であり、少なくした導電補助材の配合比分を活物質で補うことで、電池容量の増加も可能であると考えられる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 リチウムイオン二次電池
2 正極活物質二次粒子
3 カーボンブラック粒子
4 アルミニウム箔(正極集電体)
5 正極合剤層
7 正極板
8 銅箔(負極集電体)
9 負極合剤層
11 負極板
12 電池容器
13 軸芯
14 セパレータ
15 極板群
16 正極集電リング
17 電池蓋
18 蓋ケース
19 蓋キャップ
20 弁押さえ
21 開裂弁
22 正極リード板
23 負極集電リング
24 負極リード板
25 ガスケット

Claims (2)

  1. リチウムを含む遷移金属複合酸化物を正極活物質として用いた正極と、炭素材料を負極活物質として用いた負極とを備え、前記正極と負極を非水電解液に浸漬させたリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極活物質は二次粒子を形成し、該正極活物質の二次粒子の表面にカーボンブラック粒子が分散して付着された構成を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記カーボンブラック粒子は、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック、ランプブラックなどの中から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
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