JP2009158239A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高容量化および高出力化を図ることができるリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池は、有底円筒状の電池缶を有している。電池缶には、正極板および負極板が捲回された捲回群が収容されている。負極板は、銅箔の両面に非晶質炭素粉末を含む負極合剤層が形成されている。正極板は、アルミニウム箔の両面に正極合剤層が形成されている。正極合剤層には、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末とがメカノケミカル処理された複合粉末が配合されている。複合粉末では、リチウム遷移金属複合酸化物粉末の表面に黒鉛粉末が付着して一体化されている。黒鉛粉末がリチウム遷移金属複合酸化物粉末の表面に緊密に高分散状態で固定化される。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウム二次電池に係り、特に、正極活物質にリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極板と、負極活物質に充放電によりリチウムがドープ・脱ドープ可能な炭素材を用いた負極板とを備えたリチウム二次電池に関する。
従来、再充電可能な二次電池の分野では、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等の水溶液系電池が主流であった。しかしながら、地球温暖化や燃料枯渇の問題から電気自動車(EV)や駆動の一部を電気モータで補助するハイブリッド自動車(HEV)が着目され、これらの電源に用いられる電池には一層高容量で高出力な性能が求められている。このような要求に合致する電池として、高電圧を有するリチウム二次電池が注目されている。
一般に、リチウム二次電池では、正極活物質にリチウム遷移金属複合酸化物が用いられており、中でも容量やサイクル特性等のバランスからコバルト酸リチウムが用いられている。ところが、コバルトの資源量が少なくコスト高となることから、EVやHEV用電池の正極活物質としてはマンガン酸リチウムに代表されるマンガンを含むリチウム遷移金属複合酸化物が有望視されている。このリチウム遷移金属複合酸化物の場合、スピネル結晶構造ではリチウムイオンの拡散経路が三次元的であるのに対し、層状結晶構造では二次元的である。このため、層状結晶構造のリチウム遷移金属複合酸化物は、常温環境下ではリチウムイオンの拡散性が高く出力性能に優れるものの、低温環境下では結晶が収縮してリチウムイオンの拡散性が低下するため、出力低下を招く。
一方、負極活物質には、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛系炭素材やフラン樹脂等を焼成した非晶質炭素材等の炭素材が用いられることが一般的である。非晶質炭素材では、理論容量値が黒鉛系炭素材より高いため、容量、サイクル特性に優れると共に、充放電時の電圧特性に傾きを有するため、電圧測定により電池状態を容易かつ正確に推定可能なリチウム二次電池を得ることができる。ところが、不可逆容量が黒鉛系炭素材より大きいため、電池での高容量化が難しく、また、黒鉛系炭素材と比べて電子伝導性が劣っている。これに対し、黒鉛系炭素材では、不可逆容量が非晶質炭素材より小さく電圧特性が平坦なため、高容量、高出力のリチウム二次電池を得ることができる。ところが、充放電に伴う結晶の体積変化が非晶質炭素材と比べて大きいため、早期に寿命に至り、また、大電流密度での充電受け入れ性が非晶質炭素材と比べて劣っている。
上述したEVやHEV用電池では、充放電における電流密度が大きくなり、長寿命、高出力性能が要求されるため、通常、複数のリチウム二次電池(単電池)が接続されて用いられる。この場合、単電池の特性のバラツキが寿命特性や安全性を左右することから、単電池の電圧等を監視・制御する制御システムを併用して単電池間のバラツキの制御が図られている。ところが、上述したように、黒鉛系炭素材では電圧特性が平坦なため、電圧から電池状態を正確に監視・制御することが難しく、これを解決するためには高精度な制御システムが必要となる。従って、EVやHEV用電池では、負極活物質として非晶質炭素材を主体とすることが望ましく、正極活物質として層状結晶構造のリチウム遷移金属複合酸化物を用いて、高出力化を図ることが有望である。
リチウム二次電池の高出力化を図るためには、正負極板に用いる材料の粒子径を小さくしたり正負極板の厚さを薄くしたりして電極反応面積を増大させつつ、正負極合剤層内の電子伝導性およびリチウムイオン拡散性を向上させる必要がある。この電子伝導性の向上では導電性物質を添加したり正負極合剤密度を大きくしたりして電子伝導ネットワークを確保する等の低抵抗化が必要であり、リチウムイオン拡散性の向上では正負極合剤層内に非水電解液が浸透する空間を確保することが必要である。リチウム二次電池の高出力化を図る技術として、例えば、正極活物質の平均粒子径と正極合剤層内の空孔体積を設定することで電子伝導ネットワークを確保する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2005−158623号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、電子伝導ネットワークが確保されるものの、正極活物質の平均粒子径と正極合剤層内の空孔体積が設定されるため、正極板の厚さが大きくなり体積エネルギ密度を低下させるおそれがある。上述したEVやHEV用の電池では車載スペースが限られるため、体積エネルギ密度の向上が望まれる。また、正極板の電子伝導性向上のために導電性物質の割合を増やしすぎると正極活物質の割合が減少するため、出力低下を招く。反対に、導電性物質の割合を減らしすぎると正極板での電気抵抗が増大するため、これも出力低下の原因となる。このため、電極組成比には自ずと最適値が定められ、同一組成での出力向上には限界がある。
本発明は上記事案に鑑み、高容量化および高出力化を図ることができるリチウム二次電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、正極活物質にリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極板と、負極活物質に充放電によりリチウムがドープ・脱ドープ可能な炭素材を用いた負極板とを備えたリチウム二次電池において、前記正極活物質は、表面に導電性物質がメカノケミカル処理により固定化されていることを特徴とする。
本発明では、正極活物質の表面に導電性物質がメカノケミカル処理により緊密に高分散状態で固定化されることから、正極活物質全体の導電性物質の割合が低減し正極活物質の割合が増大するので、高容量化および高出力化を図ることができる。
この場合において、導電性物質を等方性黒鉛、異方性黒鉛およびアセチレンブラックから選択される1つ以上の炭素物質とすることができる。また、正極活物質および導電性物質を重量比で正極活物質:導電性物質=1:0.01〜1:0.15の範囲としてもよい。このとき、正極活物質:導電性物質の比を1:0.01〜1:0.11の範囲とすることができる。また、正極活物質:導電性物質の比を1:0.03〜1:0.07の範囲とすることが好ましい。
本発明によれば、正極活物質の表面に導電性物質がメカノケミカル処理により緊密に高分散状態で固定化されることから、正極活物質全体の導電性物質の割合が低減し正極活物質の割合が増大するので、高容量化および高出力化を図ることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した円筒型リチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
(構成)
本実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池20は、図1に示すように、電池容器となるニッケルメッキを施された鉄製で有底円筒状の電池缶17を有している。電池缶17には、帯状の正極板1および負極板3が捲回された捲回群15が収容されている。
捲回群15には、正極板1および負極板3がポリエチレン製微多孔膜のセパレータ5を介して断面渦巻状に捲回されている。セパレータ5は、本例では、厚さが25μm、幅が58mmに設定されている。捲回群15の上端面には、一端を正極板1に固定されたアルミニウム製でリボン状の正極タブ端子12が導出されている。正極タブ端子12の他端は、捲回群15の上側に配置され正極外部端子となる円盤状の上蓋16の下面に超音波溶接で接合されている。上蓋16には、電池内圧の上昇に応じて作動する電流遮断スイッチおよび電流遮断スイッチが作動する圧力より高い圧力で作動する安全弁機構が組み込まれている。一方、捲回群15の下端面には、一端を負極板3に固定された銅製でリボン状の負極タブ端子13が導出されている。負極タブ端子13の他端は、電池缶17の内底面に抵抗溶接で接合されている。従って、正極タブ端子12および負極タブ端子13は、それぞれ捲回群15の両端面から互いに反対側に導出されている。捲回群15の外周面全周には、図示を省略した絶縁被覆が施されている。
上蓋16は、絶縁性のガスケット18を介して電池缶17の上部にカシメ固定されている。このため、リチウムイオン二次電池20の内部は密封されている。また、電池缶17内には、非水電解液が注液されている。非水電解液には、例えば、炭酸エチレン、炭酸ジメチルおよび炭酸ジエチルを体積比で30:50:20の割合で混合した混合溶媒中に6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットルの濃度で溶解させて使用することができる。非水電解液の量は、本例では、5mlに設定されている。
捲回群15を構成する正極板1は、正極集電体としてアルミニウム箔を有している。アルミニウム箔の厚さは本例では20μmに設定されており、15〜25μmの範囲で設定されることが好ましい。アルミニウム箔の長手方向略中央部には、正極タブ端子12の一端が超音波溶接で接合されている。アルミニウム箔の両面には、正極合剤が略均等に塗着されて正極合剤層2が形成されている。正極合剤層2には、正極活物質のリチウム遷移金属複合酸化物粉末と導電性物質の黒鉛粉末とがメカノケミカル処理された複合粉末が配合されている。
ここで、メカノケミカル処理について説明する。メカノケミカル処理では、微粒子に衝撃、剪断、摩砕、摩擦、圧縮等の機械的エネルギが加えられる。加えられた機械的エネルギの一部が微粒子内に蓄積され、微粒子表面の活性・反応性が高められることで、周囲の物質との反応(メカノケミカル反応)を起こさせることができる。この反応を利用して、複合粒子を形成することができる。本例では、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末との複合粉末が次のようにして調製される。
リチウム遷移金属複合酸化物粉末として平均粒子径が1〜2μmのリチウム−マンガン−コバルト−ニッケル複合酸化物(LiMn0.34Co0.33Ni0.33)が用いられており、黒鉛粉末の平均粒子径が0.5μmに設定されている。リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末とがプラネタリミキサを用いて乾式混合される。このとき、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末との比率(リチウム遷移金属複合酸化物粉末:黒鉛粉末)が、重量比で、1:0.01〜1:0.15の範囲に設定される。得られた混合粉末を圧縮摩砕して、リチウム遷移金属複合酸化物粉末の表面に黒鉛粉末を付着させ、メカノケミカル反応を起こさせて一体化することにより複合粉末を形成させる。
混合粉末を圧縮摩砕する方法として、本例では、圧縮摩砕式粉砕機(浅田鉄工株式会社製ミラクルKCK)が用いられる。圧縮摩砕式粉砕機は、一定の内部空間が形成され回転速度によりリチウム遷移金属複合酸化物粉末および黒鉛粉末を一定量供給し続けるスクリューフィーダと、このスクリューフィーダの固定軸に固定された固定ブレードと、回転ブレードとを備えている。固定ブレードおよび回転ブレードの形状、回転数、並びに、各粉末の供給量により圧縮剪断応力を調整することでメカノケミカル反応を起こさせる。この反応により、リチウム遷移金属複合酸化物粉末の表面に黒鉛粉末が付着して一体化された複合粉末が形成される。
正極合剤には、メカノケミカル処理された複合粉末と、バインダ(結着材)のポリフッ化ビニリデン(呉羽化学工業株式会社製、商品名:KF#120、以下、PVDFと略記する。)とが配合されている。正極合剤がアルミニウム箔に塗着されるときは、粘度調整溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンが用いられ、略均一に混練されてスラリ状の溶液が調製される。調製された溶液がアルミニウム箔の両面にロール・ツー・ロール転写法により塗布され、乾燥させることで正極合剤層2が形成される。正極板1は、厚さが例えば160〜165μmの範囲、正極合剤層2の密度が例えば2.8g/cmとなるように、ロールプレス機でプレス加工されて一体化されている。また、正極板1は、幅が54mm、長さが450mmの短冊状に裁断されている。なお、これ以上プレスすると、正極合剤層2の密度はほとんど変わらないものの、アルミニウム箔が伸びて寸法変化が生じる。
一方、負極板3は、負極集電体として銅箔を有している。銅箔の厚さは本例では10μmに設定されており、5〜20μmの範囲で設定されることが好ましい。銅箔の両面には、負極活物質として非晶質炭素粉末を含む負極合剤が塗着されて負極合剤層4が形成されている。負極合剤には、例えば、非晶質炭素粉末とバインダのPVDFとが重量比率で90:10の割合で配合されている。正極合剤層2と同様にして、銅箔の両面に負極合剤層4が形成されている。負極板3は、厚さが例えば160〜165μmの範囲、負極合剤層4の密度が例えば1.05g/cmとなるように、ロールプレス機でプレス加工されて一体化されている。また、負極板3は、幅が56mm、長さが500mmの短冊状に裁断されている。負極板3の長手方向一端には、負極タブ端子13が超音波溶接で接合されている。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20の作用等について説明する。
本実施形態では、リチウム遷移金属複合酸化物粉末(正極活物質)の表面に黒鉛粉末(導電性物質)がメカノケミカル処理により固定化されている。このメカノケミカル処理では、黒鉛粉末がリチウム遷移金属複合酸化物粉末の表面に緊密に高分散状態(略均等に分散した状態)で固定化されて複合粉末が形成されるため、正極合剤における複合粉末以外の導電性物質の割合を低減する、または、不要とすることができる。これにより、正極合剤層2中のリチウム遷移金属複合酸化物粉末の割合が増大するので、得られるリチウムイオン二次電池20の高出力化および高容量化を図ることができる。
また、従来正極合剤層内での電子伝導性を向上させるために導電性物質の割合を増大させた場合には、出力を確保するために正極活物質を増加させる必要がある。このため、正極合剤層の厚みが大きくなりリチウムイオン二次電池の体積エネルギ密度を低下させることとなる。これに対して、本実施形態では、メカノケミカル処理することで加えられた機械的エネルギによりリチウム遷移金属複合酸化物粉末の表面の活性・反応性が高められるため、黒鉛粉末が緊密に高分散状態でリチウム遷移金属複合酸化物粉末の表面に固定化される。このため、黒鉛粉末の導電性能が最大限発揮されるので、複合粉末以外に導電性物質を配合しなくても正極合剤層2内の電子伝導性を向上させることができる。これにより、リチウム遷移金属複合酸化物粉末の割合のみを設定することで体積エネルギ密度を低下させることなくリチウムイオン二次電池20の高出力化、高容量化を図ることができる。また、メカノケミカル処理では、機械的操作で複合粉末を形成することができるため、複合化の作業を容易にすることができる。
更に、本実施形態では、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末とが複合化されているため、正極合剤の調製時にリチウム遷移金属複合酸化物粉末および黒鉛粉末の分散状態を均等化することができる。このため、正極合剤層2では正極活物質のリチウム遷移金属複合酸化物粉末および導電性物質の黒鉛粉末が略均等に分散しているので、電子伝導ネットワークを確保して電子伝導性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、メカノケミカル処理に圧縮摩砕式粉砕機を用いる例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末との混合粉末にメカノケミカル反応を起こさせるのに十分な機械的エネルギを加えることができれば、いかなる方法、装置を用いてもよい。このような装置としては、例えば、回転力や振動力等を利用し多数の球体で粉末を粉砕処理する遊星ボールミル等のボールミルを挙げることができる。
また、本実施形態では、正極活物質のリチウム遷移金属複合酸化物として、リチウム−マンガン−コバルト−ニッケル複合酸化物を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。リチウム遷移金属複合酸化物としては、リチウムイオンの吸蔵放出が可能で予め十分な量のリチウムが挿入されていればよい。また、結晶構造についても制限はなく、スピネル構造、層状岩塩型構造を含む層状構造、オリビン構造であってもよい。更に、結晶中のリチウムや遷移金属の一部が他の1種以上の金属元素、例えば、Al、Co、Cr、Fe、Ni等で置換されたものでもよく、結晶中の酸素の一部がS、P等で置換された材料を使用するようにしてもよい。
更に、本実施形態では、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と複合化する導電性物質として黒鉛粉末を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導電性を有していればよい。リチウムイオン二次電池の高出力化、高容量化を考慮すれば、等方性黒鉛、異方性黒鉛およびアセチレンブラックから選択される1種以上の炭素物質を用いることが好ましい。
また更に、本実施形態では、負極活物質として非晶質炭素を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。負極活物質としては、充放電によりリチウムがドープ(吸蔵)・脱ドープ(放出)可能な炭素材であればよい。非晶質炭素以外の炭素材としては、例えば、黒鉛、易黒鉛性炭素材、難黒鉛性炭素材等を挙げることができる。また、これらの炭素材を混合して使用してもよく、例えば、メカノケミカル処理等により複合化して使用することもできる。
更にまた、本実施形態では、円筒型のリチウムイオン二次電池20を例示したが、本発明は電池の形状に制限されるものではない。例えば、角形、その他の多角形の電池にも適用可能である。更に、本発明の適用可能な電池の構造としては、上述した電池缶に上蓋がカシメ固定されて封口されている構造の電池以外であっても構わない。このような構造の一例として正負極外部端子が電池蓋を貫通し電池容器内で軸芯を介して正負極外部端子が押し合っている状態の電池を挙げることができる。
次に、本実施形態に従い作製したリチウムイオン二次電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例についても説明する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、リチウム遷移金属複合酸化物粉末(正極活物質)と黒鉛粉末(導電性物質)との比率(正極活物質:導電性物質)を重量比で1:0.01に設定し、メカノケミカル処理して複合粉末を調製した。この複合粉末を用いてアルミニウム箔に正極合剤層2を形成し、実施例1のリチウムイオン二次電池20を作製した。
Figure 2009158239
(実施例2〜実施例8)
表1に示すように、実施例2〜実施例8では、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末との比率を変える以外は実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池20を作製した。リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末との比率は、実施例2では1:0.03、実施例3では1:0.05、実施例4では1:0.07、実施例5では1:0.09、実施例6では1:0.11、実施例7では1:0.13、実施例8では1:0.15に設定した。
(比較例1)
表1に示すように、比較例1では、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末とを重量比1:0.13で混合した混合粉末を、メカノケミカル処理をせずに用いてアルミニウム箔に正極合剤層を形成した以外は実施例1と同様にして、比較例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
(評価)
各実施例および比較例のリチウムイオン二次電池について、充放電サイクル試験後の放電容量、電池抵抗および出力を測定した。充放電サイクル試験では、リチウムイオン二次電池を周囲温度25℃、4.15Vの定電圧(ただし、制限電流1A)で3時間充電した後、1Aの定電流で終止電圧2.8Vまで放電する充放電パターンを300回繰り返し、300サイクル目の放電容量を測定した。電池抵抗Rは、放電電流を1A、3A、5Aと変化させたときの電池電圧を測定し、電流−電圧直線の傾きから求めた。出力Wは、電池の開回路電位Eを測定し、式W=E/Rにより算出した。300サイクル目の放電容量、電池抵抗Rおよび出力Wの測定結果を下表2に示す。
Figure 2009158239
表2に示すように、比較例1のリチウムイオン二次電池では、サイクル試験後の放電容量が620mAh、電池抵抗Rが43mΩを示しており、出力Wが40Wであった。これに対して、正極活物質のリチウム遷移金属複合酸化物粉末と導電性物質の黒鉛粉末とをメカノケミカル処理して用いた実施例1〜実施例9のリチウムイオン二次電池20では、明らかな出力の向上が認められた。中でも、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末との比率を1:0.01〜1:0.11に設定した実施例1〜実施例6のリチウムイオン二次電池20では、出力Wが44W以上を示している上、サイクル試験後の放電容量が640mAh以上の結果を示した。更に、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末との比率を1:0.03〜1:0.07に設定した実施例2〜実施例4のリチウムイオン二次電池20では、出力Wが46W以上、サイクル試験後の放電容量が665mAh以上となり、出力、放電容量共に優れた結果を示した。
以上の評価結果から、リチウム遷移金属複合酸化物粉末と黒鉛粉末とをメカノケミカル処理して得られた複合粉末を用いることで、それぞれを単に混合した混合粉末を用いた場合と比較して、リチウムイオン二次電池の大幅な高出力化を実現することができることが判明した。これは、メカノケミカル処理により黒鉛粉末がリチウム遷移金属複合酸化物粉末の表面に高分散状態で固定化されることで、黒鉛粉末の導電性機能が最大限に発揮され、正極合剤層内での正極活物質の割合を増加させることができたためと考えられる。
本発明は高容量化および高出力化を図ることができるリチウム二次電池を提供するため、リチウム二次電池の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池を示す断面図である。
符号の説明
1 正極板
2 正極合剤層
3 負極板
4 負極合剤層
15 捲回群
20 円筒型リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)

Claims (5)

  1. 正極活物質にリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極板と、負極活物質に充放電によりリチウムがドープ・脱ドープ可能な炭素材を用いた負極板とを備えたリチウム二次電池において、前記正極活物質は、表面に導電性物質がメカノケミカル処理により固定化されていることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記導電性物質は、等方性黒鉛、異方性黒鉛およびアセチレンブラックから選択される1つ以上の炭素物質であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記正極活物質および前記導電性物質は、重量比で正極活物質:導電性物質=1:0.01〜1:0.15の範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記正極活物質:導電性物質の比が1:0.01〜1:0.11の範囲であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記正極活物質:導電性物質の比が1:0.03〜1:0.07の範囲であることを特徴とする請求項4に記載のリチウム二次電池。
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