JP2009206092A - 非水電解質電池および正極ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高出入力かつサイクル特性に優れた非水電解質電池および正極を提供すること。
【解決手段】正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極、負極および非水電解質を備えた非水電解質電池であって、
前記正極活物質層は、ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤および一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子を含有し、
前記結着剤とナノセラミック粒子とが複合化していることを特徴とする非水電解質電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、正極の入出力特性を高めた非水電解質電池および正極ならびにこれらの製造方法に関するものである。
非水電解質電池のなかでもリチウムイオン二次電池は、携帯電話、携帯パソコン等の携帯電子機器の電源として急速に発達している。これら携帯機器用の電源において、最も必要とされる特性はエネルギー密度、即ち、単位体積当たりのエネルギー貯蔵量であり、いかに長時間携帯機器が使用できるかに関心が持たれている。リチウムイオン二次電池の負極材料としては、各種の炭素材料を用いた電極の高密度化が開発されてきたが、何れもエネルギー密度やサイクル特性の向上を目的としたものである。
リチウムイオン二次電池は、正極結着剤としてリチウムイオン移動性の優れるポリフッ化ビニリデンを用いると電池の高出入力特性を向上できる。
しかしながら、大電流で放電する際、ポリフッ化ビニリデン中のリチウムイオン移動性に限界があったため、正極活物質表面を覆うポリフッ化ビニリデンが界面反応を阻害し、抵抗成分の影響で電圧の低下を生じ、電池の出力が低下するという問題があった。このように正極において過電圧が大きくかかり、その結果、サイクル特性が著しく低下してしまうので、活物質層の厚みを厚くしたり、体積密度を高くすることは難しかった。よって、ポリフッ化ビニリデン中でのイオン抵抗を減少させることが、高出力の電池を得るために有効かつ重要である。
一方、リチウム・コバルト複合酸化物であるコバルト酸リチウムの粒子表面の一部に酸化アルミニウムが被覆された正極活物質が提案されている(特許文献1参照)。ここでは、コバルト酸リチウム粒子を分散させた水溶液中にアルミニウム塩を添加し、溶液のpHを調整して微細な水酸化アルミニウムコロイドをコバルト酸リチウム粒子の表面に吸着させた後、このコバルト酸リチウム粒子を600〜900℃の酸化雰囲気下で熱処理することにより、コバルト酸リチウム粒子粉末中のコバルトに対して1〜4mol%の酸化アルミニウムを被覆した正極活物質が得られる。このような正極活物質を用いた非水電解質二次電池では、高温時または4.8V以上の高い充電電圧下で予想される正極活物質粒子表面部の4価のコバルトと、電解液との酸化分解反応を抑制することができるとされている。
特開2002−151077号公報
ところが、正極活物質の表面に電子電導を阻害する酸化アルミニウムを被覆してしまうと、電子電導の寄与が大きい正極の充放電反応を大きく低下することになる。
また、電極内空隙に単にセラミックを分散させても、電子電導を阻害するため、電極中のポリフッ化ビニリデン内にセラミックを含んだ形態が重要である。ポリフッ化ビニリデン内にセラミックを含ませることで、ポリフッ化ビニリデン内でのリチウムイオン移動性が高まり、高出入出力可能な電極が得られる。
通常、リチウムイオン電池では、電極中のポリフッ化ビニリデンの存在形態は、活物質表面を覆い、かつ活物質間を糸形状で結着されており、その厚みは数nm〜数十nmである。そのため、粒径が大きいセラミックを混合した場合、電解液に対向するセラミック表面が大きくなってしまう。セラミック表面のイオン拡散性は電解液のイオン拡散性よりも低いため、セラミックの粒径が大きすぎるとイオンの拡散を阻害するおそれがある。また、ポリフッ化ビニリデン中においてイオン拡散に寄与するセラミック表面積が減少し、正極活物質表面でのイオン拡散性を向上させる効果が小さくなってしまい、結果入出力特性を低下させてしまう。
本発明は、上記事案に鑑み、高出入力かつサイクル特性に優れた非水電解質電池および正極を提供することにある。
すなわち本発明は下記の非水電解質電池および正極ならびにそれらの製造方法を提供する。
[1] 正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極、負極および非水電解質を備えた非水電解質電池であって、
前記正極活物質層は、ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤および一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子を含有し、
前記結着剤とナノセラミック粒子とが複合化していることを特徴とする非水電解質電池。
[2] 正極および負極ならびに非水電解質を備えた非水電解質電池の製造方法であって、
(1)ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤、一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子および溶剤を混合し、その後正極活物質を加えさらに混合して正極合剤塗液を調製する工程、
(2)正極集電体上に前記正極合剤塗液を塗布し、さらに乾燥することにより正極を製造する工程を含むことを特徴とする、非水電解質電池の製造方法。
[3] 正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極であって、
前記正極活物質層は、ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤および一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子を含有し、
前記結着剤とナノセラミック粒子とが複合化していることを特徴とする正極。
[4] (1)ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤、一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子および溶剤を混合し、その後正極活物質を加えさらに混合して正極合剤塗液を調製する工程、
(2)正極集電体上に前記正極合剤塗液を塗布し、さらに乾燥する工程を含むことを特徴とする正極の製造方法。
本発明によれば、正極活物質層中の結着剤とナノセラミック粒子とが複合化することで、結着剤中に分散されたセラミック粒子表面近傍におけるリチウムイオンの移動性が高くなり、大電流を流しても、正極内のリチウムの移動を低下させることなく維持できる。従って、高充填の負極であっても、高い入出力密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる。また、一次粒子径100nm以下のセラミック粒子を含むようにすることで、より高い効果が得られる。
本発明の実施の形態に係る第1の二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る二次電池の断面構造を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12,13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
(正極)
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、正極集電体21Aの片面のみに正極活物質層21Bを設けるようにしてもよい。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
正極活物質層21Bは、ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤および一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子を含有する。さらに、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含むことが好ましい。また、必要に応じて導電剤を含んでいてもよい。
ナノセラミック粒子は、一次粒子径が100nm以下であることが必須である。一次粒子径が100nmを超える場合には、高い入出力密度と優れたサイクル特性を有する非水電解質二次電池とならない。また、より高い入出力密度と優れたサイクル特性が得られるという観点からは、その一次粒子径が20nm以下であることが好ましい。なお、粒子が小さいほど高い効果が得られ、一次粒子径の下限値は特に限定はない。
結着剤としては、少なくともポリフッ化ビニリデンを含むことが必須であるが、ポリアクリロニトリル、ゴム系バインダー等をさらに含有してもよい。
本発明では、正極活物質層中の結着剤とセラミック粒子とが複合化している。ここで、「複合化」とは、結着剤とナノセラミック粒子とが接触している状態を意味する。この複合化により、結着剤中に分散されたセラミック粒子表面近傍におけるリチウムイオン移動性が高くなり、大電流を流しても、正極内のリチウムの移動を低下させることなく維持できる。従って、高充填の正極であっても、高い入出力密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができる。なお、複合化状態については、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察することが可能である。
このようなセラミックとしては、例えば無機酸化物が用いられ、具体的には酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ナトリウム(NaO)及び酸化チタン(TiO)など充放電反応に関与しない無機酸化物を好適に用いることができ、Al粒子表面のリチウムイオン拡散性が特に優れるため、Alをより好適に用いることができる。また、これらの任意の組み合わせに係る混合無機酸化物ないし複合無機酸化物などを用いることもできる。
また、ナノセラミック粒子の含有量は、結着剤100質量部に対し1〜50質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。ナノセラミック粒子の含有量がかかる範囲内であれば、高い入出力密度と優れたサイクル特性を有する非水電解質二次電池とすることができる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物、リチウム硫化物、リチウムを含む層間化合物、あるいはリチウムリン酸化合物などのリチウム含有化合物が挙げられる。中でも、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、またはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が好ましく、特に遷移金属元素としてコバルト(Co)、ニッケル、マンガン(Mn)、鉄、アルミニウム、バナジウム(V)およびチタン(Ti)のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。その化学式は、例えば、Lix M1OおよびLiy M2POで表される。式中、M1およびM2は1種類以上の遷移金属元素を含み、xおよびyの値は電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウム・コバルト複合酸化物(Lix CoO)、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni1-z Coz (z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(Lix Ni(1-v-w) Cov Mnw (v+w<1))、およびスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)などが挙げられる。リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)およびリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-u Mnu PO(u<1))が挙げられる。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、また、他の金属化合物および高分子材料も挙げられる。他の金属化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムおよび二酸化マンガンなどの酸化物、または硫化チタンおよび硫化モリブデンなどの二硫化物が挙げられる。高分子材料としては、例えば、ポリアニリンおよびポリチオフェンが挙げられる。
正極活物質層21Bは、必要に応じて導電材を含んでいてもよい。導電材としては、例えば、黒鉛,カーボンブラックおよびケッチェンブラックなどの炭素材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば金属材料および導電性高分子材料などを用いるようにしてもよい。
(負極)
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられた構成を有している。なお、図示はしないが、負極集電体22Aの片面のみに負極活物質層22Bを設けるようにしてもよい。負極集電体22Aは、例えば、銅箔、ニッケル箔またはステンレス箔などの金属箔により構成されている。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含むことが好ましい。また、必要に応じて導電材や結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、黒鉛、難黒鉛化性炭素および易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。これらの炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好な充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。黒鉛は、天然黒鉛でも人造黒鉛でもよい。
難黒鉛化性炭素としては、(002)面の面間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm未満であると共に、空気中での示差熱分析(differential thermal analysis;DTA)において、700℃以上に発熱ピークを示さないものが好ましい。
リチウムを吸蔵および離脱することが可能な負極材料としては、また、リチウムと合金を形成可能な金属元素または半金属元素の単体、合金または化合物が挙げられ、このような材料も含まれていても良い。これらは高いエネルギー密度を得ることができるので好ましく、特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れた充放電サイクル特性を得ることができるのでより好ましい。なお、本明細書において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなるものも含める。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
リチウムと合金を形成可能な金属元素または半金属元素としては、例えばスズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)またはハフニウム(Hf)が挙げられる。これらの合金または化合物としては、例えば化学式Mas Mbt で表されるものが挙げられる。この化学式において、Maはリチウムと合金を形成可能な金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を表し、MbはMa以外の元素のうちの少なくとも1種を表す。sおよびtの値はそれぞれs>0、t≧0である。
中でも、長周期型周期表における14族の金属元素または半金属元素の単体、合金または化合物が好ましく、特に好ましいのはケイ素もしくはスズ、またはこれらの合金あるいは化合物である。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
このような合金または化合物について具体的に例を挙げれば、LiAl、AlSb、CuMgSb、SiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi、SiC、Si、SiO、SiOv (0<v≦2)、SnOw (0<w≦2)、SnSiO、LiSiOおよびLiSnOなどがある。
結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム,フッ素系ゴムおよびエチレンプロピレンジエンゴムなどの合成ゴム、またはポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられ、1種または2種以上が混合して用いられる。
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、あるいはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は短絡防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下の範囲内においてシャットダウン効果を得ることができ、かつ電気化学的安定性にも優れているので、セパレータ23を構成する材料として好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも、化学的安定性を備えた樹脂であればポリエチレンもしくはポリプロピレンと共重合させたり、またはブレンド化することで用いることができる。
(非水電解質)
セパレータ23には、非水電解質として電解液が含浸されている。電解液は、例えば、溶媒と電解質塩とを含んでいる。
溶媒としては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、ジメチルスルフォキシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、エチレンスルフィト、およびビストリフルオロメチルスルホニルイミドトリメチルヘキシルアンモニウムなどの常温溶融塩が挙げられる。中でも、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルおよびエチレンスルフィトからなる群のうちの少なくとも1種を混合して用いるようにすれば、優れた充放電容量特性および充放電サイクル特性を得ることができるので好ましい。
電解質塩は、1種または2種以上の材料を混合して含んでいてもよい。電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム(Li(CSON)、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSOCF)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li(CFSON)、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチルリチウム(LiC(SOCF)、塩化リチウム(LiCl)および臭化リチウム(LiBr)が挙げられる。
(製造方法)
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、正極は、例えば、ポリフッ化ビニリデンとセラミック粒子とをN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させる。これにより、結着剤とナノセラミック粒子の複合体を形成させる。次にこの混合液に、正極活物質と導電剤とを混合し、ペースト状の正極合剤スラリーとした正極合剤塗液を調製する。続いて、この正極合剤塗液を正極集電体21Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。また、正極活物質層21Bは、正極合剤を正極集電体21Aに張り付けることにより形成してもよい。
また、例えば、負極活物質である炭素材料と、結着材とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーした負極合剤塗液を調製する。続いて、この負極合剤塗液を負極集電体22Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。また、負極活物質層22Bは、負極合剤を負極集電体22Aに張り付けることにより形成してもよい。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。そののち、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。また、放電を行うと、例えば、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。その際、本実施の形態では、正極結着剤中に100nm以下のセラミック粒子が含まれているので、結着剤中に分散されたセラミック粒子表面近傍におけるリチウムイオン移動性が高くなり、正極に大電流を流しても、リチウムの拡散および電気化学的入出力特性が向上する。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。正極の結着剤中にナノセラミック粒子が複合化された構造体であれば、すべて該当する。
また、上記実施の形態では、巻回構造を有する円筒型の二次電池について具体的に挙げて説明したが、本発明は、巻回構造を有する楕円型あるいは多角形型の二次電池、または、正極および負極を折り畳んだり、あるいは複数積層した他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。加えて、本発明は、コイン型、ボタン型、角形あるいはラミネートフィルム型などの他の形状を有する二次電池についても同様に適用することができる。
更にまた、上記実施の形態では、電解質として液状の電解液を用いる場合について説明したが、電解液を高分子化合物などの保持体に保持させたゲル状の電解質を用いるようにしてもよい。このような高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンおよびポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的安定性の点からはポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンおよびポリエチレンオキサイドが好ましい。電解液に対する高分子化合物の割合は、これらの相溶性によっても異なるが、通常、電解液中において5質量%以上50質量%以下に相当する高分子化合物を添加することが好ましい。
更に、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−12、比較例1−1)
図1、2に示した円筒型の二次電池を作製した。
正極活物質には、レーザー回折法で得られる累積50%粒径(メジアン粒径)が12μmのコバルト酸リチウム(LiCoO)を用いた。続いて、正極は、ポリフッ化ビニリデン3.0質量%と平均一次粒子径50nmのアルミナ粒子をN−メチル−2−ピロリドンによく分散させて、ポリフッ化ビニリデンとアルミナ粒子の複合体を形成させた混合液に、リチウム・マンガン複合酸化物粉末95質量%と、炭酸リチウム粉末(Li2 CO3 )粉末5質量%とを混合し、この混合物94質量%と、導電材としてケッチェンブラック3質量%を混合して正極合剤を調製し、正極合剤塗液とした。実施例1−1〜1−12、比較例1−1ではポリフッ化ビニリデンに対するアルミナ粒子混合重量比を変えた。
次いで、この正極合剤塗液を厚み30μmの帯状のアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し正極21を作製した。その際、正極活物質層21Bの片面における厚みは45μm、体積密度は2.45g/cm3 とした。そののち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、負極活物質としてX線回折におけるC軸方向の格子面間隔d002 が0.337nm、メジアン粒径15.6μmのメソフェーズ小球体からなる粒状黒鉛粉末95質量%と、結着材であるポリフッ化ビニリデン5.0質量%とを混合し、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤塗液とした。
次いで、この負極合剤塗液を厚み21μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布して乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し負極22を作製した。その際、負極活物質層22Bの片面における厚みは45μm、体積密度は1.55g/cm3 とした。続いて、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を3箇所に取り付けた。
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、正極21と負極22とを厚み18μmの微多孔性ポリエチレン延伸フィルムよりなるセパレータ23を介して、負極22、セパレータ23、正極21、セパレータ23の順に積層し、多数回巻回することによりジェリーロール型の巻回電極体20を作製した。次いで、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20を電池缶11の内部に収納した。続いて、電池缶11の内部に電解液を注入し、ガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより円筒型の二次電池を作製した。
その際、電解液には、炭酸エチレン(EC)と、炭酸ジメチル(DMC)と、炭酸プロピレン(PC)とを、20/70/10の割合で混合した溶媒に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウムを1.28mol/kgの割合で溶解させたものを用いた。
(容量維持率の測定)
作製した実施例1−1〜1−12、比較例1−1のそれぞれのリチウムイオン二次電池について充放電を行い、100サイクル後の容量維持率を調べた。まず、1Cの定電流で、電池電圧が4.2Vに達するまで充電を行なった後、4.2Vの定電圧充電に切り替え、充電の総時間が4時間になった時点で充電を終了した。次いで、1Cの定電流で放電を行い、電池電圧が3.0Vに達した時点で放電を終了し、1サイクル目の放電容量を測定した。
続いて、各実施例および比較例において電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、電池電圧が3.0Vに達するまで放電する充放電サイクルを100サイクル繰り返した後、100サイクル目の電池容量を測定し、{(100サイクル目の電池容量)/(1サイクル目の電池容量)}×100から、100サイクル後の容量維持率を求めた。
(実施例1−13)
正極合剤調製の際に、ポリフッ化ビニリデンとアルミナ粒子と粒状黒鉛粉末を同時にN−メチル−2−ピロリドンに混合し、分散させて正極合剤塗液とした以外は実施例1−5と同様として二次電池を作製した。
(実施例1−14〜1−25)
正極に含ませるアルミナ粒子を平均一次粒径15nmとした以外は、実施例1−1〜1−12と同様として、二次電池を作製した。
(実施例1−26)
正極合剤調製の際に、ポリフッ化ビニリデンとアルミナ粒子と粒状黒鉛粉末を同時にN−メチル−2−ピロリドンに混合し、分散させて正極合剤塗液とし、正極に含ませるアルミナ粒子を平均一次粒径15nmとした以外は、実施例1−18と同様として、二次電池を作製した。
以下の表1に、各実施例および比較例における100サイクル後の容量維持率を示す。
Figure 2009206092
表1に示したように、実施例1−1〜1−26では、ナノセラミック粒子としてアルミナを添加していない比較例1−1よりも、サイクル特性を顕著に向上させることができた。また、効果を発現できるナノセラミック粒子の最適添加量は、結着剤100質量部に対して0.1〜50質量部であることが分かった。
また、正極合剤塗液調製の際に、ポリフッ化ビニリデンとアルミナ粒子をN−メチル−2−ピロリドンに混合し、その後黒鉛粉末を混合した実施例1−5及び1−18は、ポリフッ化ビニリデンとアルミナ粒子と粒状黒鉛粉末を同時にN−メチル−2−ピロリドンに混合した実施例1−13、1−26に対し、それぞれ100サイクル後の容量維持率が向上した。これは、先に結着剤とナノセラミック粒子を溶剤に混合することで結着剤とナノセラミック粒子の複合体が形成されやすくなったためと考えられる。
実施例1−13、及び1−26では、ポリフッ化ビニリデンとの複合体が効果的に形成されていないために、特性向上効果が小さいと考えられる。これらの電池では、SEM等によって、複合化されていない粒子が多く残っている状態が観察される。
(実施例2−1〜2−5、比較例2−1〜2−3)
実施例2−1〜2−5、比較例2−1〜2−3では、アルミナ粒子の一次粒子径を変化させた以外は実施例1−6、1−19と同様に円筒型二次電池を作製した。
以下の表2に、各実施例および比較例における100サイクル後の容量維持率を示す。
Figure 2009206092
実施例2−1〜2−5では、アルミナ添加によって良好なサイクル特性の向上が確認できた。これに対して、比較例2−1〜2−3では、アルミナ粒子の一次粒子径が大きく、ポリフッ化ビニリデンの厚さを大きく超えるため、良好なポリフッ化ビニリデン/ナノセラミック粒子の複合体が形成されなかったと考えられる。また、活物質粒子間に絶縁体の大きなアルミナ粒子が存在することになるため電気電導の低下を招き、負荷特性に劇的な向上が得られなかったと考えられる。これより、ナノセラミック粒子の最適な一次粒子径は100nm以下であることが分かった。
(実施例3−1〜3−5)
ナノセラミック粒子の種類を変えた以外は実施例1−6と同様に円筒型二次電池を作製した。
以下の表3に、各実施例および比較例における100サイクル後の容量維持率を示す。
Figure 2009206092
表3の結果より、SiO、ZrO、MgO、NaOおよびTiOいずれにおいてもサイクル特性の劇的な向上が見られた。
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード。

Claims (10)

  1. 正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極、負極および非水電解質を備えた非水電解質電池であって、
    前記正極活物質層は、ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤および一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子を含有し、
    前記結着剤とナノセラミック粒子とが複合化していることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記ナノセラミック粒子が、Al、SiO、ZrO、MgO、TiOおよびNaOからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. 前記ナノセラミック粒子の含有量が、結着剤100質量部に対し1〜50質量部であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  4. 前記ナノセラミック粒子の一次粒子径が20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
  5. 正極および負極ならびに非水電解質を備えた非水電解質電池の製造方法であって、
    (1)ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤、一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子および溶剤を混合し、その後正極活物質を加えさらに混合して正極合剤塗液を調製する工程、
    (2)正極集電体上に前記正極合剤塗液を塗布し、さらに乾燥することにより正極を製造する工程を含むことを特徴とする、非水電解質電池の製造方法。
  6. 正極活物質層が正極集電体上に設けられた正極であって、
    前記正極活物質層は、ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤および一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子を含有し、
    前記結着剤とナノセラミック粒子とが複合化していることを特徴とする正極。
  7. 前記ナノセラミック粒子が、Al、SiO、ZrO、MgO、TiOおよびNaOからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項6に記載の正極。
  8. 前記ナノセラミック粒子の含有量が、結着剤100質量部に対し1〜50質量部であることを特徴とする請求項6に記載の正極。
  9. 前記ナノセラミック粒子の一次粒子径が20nm以下であることを特徴とする請求項6に記載の正極。
  10. (1)ポリフッ化ビニリデンを含む結着剤、一次粒子径100nm以下のナノセラミック粒子および溶剤を混合し、その後正極活物質を加えさらに混合して正極合剤塗液を調製する工程、
    (2)正極集電体上に前記正極合剤塗液を塗布し、さらに乾燥する工程を含むことを特徴とする正極の製造方法。
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