JP2004265874A - 充填材とフルオロポリマーとをベースにしたミクロ複合粉末から作られるリチウムイオン電池の要素 - Google Patents

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Abstract

【課題】充填材とフルオロポリマーとをベースにしたミクロ複合粉末から作られるセパレータ、電気活性層等のリチウムイオン電池の要素、この電気活性層と金属層と組み合わせたリチウムイオン電池の電極およびこの電極、電気活性層またはセパレータの少なくとも一つの要素を含むリチウムイオン電池の改良。
【解決手段】上記要素は粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマーと充填材とからなるミクロ複合粉末を成形加工して得られる。このミクロ複合粉末は粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマー粒子を含む水溶液と充填材の水溶液とを共噴霧するか、粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマー粒子を含む水溶液と充填材の水溶液のフロキュレーションまたは凝結で製造できる。
【選択図】 なし

Description

充填材とフルオロポリマー(フッ素化ポリマー)とからなるミクロ複合粉末で作られたリチウムイオン電池用の要素に関するものである。
リチウムイオン電池の電極は電気活性層と、それと組合された金属層(コレクター、集電体)とを含んでいる。電気活性層は炭素および/または酸化物が多量に充填されたフッ素化ポリマー(フルオロポリマー)であり、このフッ素化ポリマーはバインダ(結合剤)の役目もし、電気活性層の凝集力を確実なものにしている。
電気活性層はリチウム金属酸化物、炭素および/またはグラファイトの充填材を電気的性能を調整するためのその他の成分と一緒に含む。リチウムイオン電池の製造時には一般にフルオロポリマーバインダーの存在下で充填材を溶媒中に分散させて電気活性層が作られる。例えば、得られる分散物を「注型」法によって金属コレクター上に塗布し、溶媒を蒸発させて負極または正極(使用する充填材に依存する)にする。
使用する金属コレクタは一般にフォイルまたはグリッドであり、負極の場合は銅、正極の場合はアルミニウムのフォイルまたはグリッドである。高分子バインダは電気活性層の凝集(cohesion)を確実にし且つその金属コレクタへの付着(adhesion)を確実にする。この凝集と接着は正しい電池の生産に必須のことである。すなわち、電気活性層の凝集が悪いと電池を多層構造にする際に電極を巻き取ったり、積層することができなくなり、電気活性材料の性能の低下が避けられない。この欠点はコレクタに対する接着が不十分な場合にも起る。すなわち、電池性能はバインダの特性に依存する。優れたバインダを用いることによって、必要なバインダの量に対して十分な量の電気活性成分が充填された電気活性層を作ることができ、従って、その比容量を高くすることができる。
さらに、バインダは充電・放出サイクル時の酸化還元反応に対して安定でなければならず、さらに、電池中に存在する電解液に対して影響を与えないものでなければならない。この電解液は一般にカーボネート型、例えば炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチルエチルおよびリチウム塩、例えばLiPF6またはLiBF4の溶媒を含んでいる。PVDFまたはVF2コポリマーはリチウム電池のバインダとして使用するのに適した特徴を有する材料である。
本発明はこうした電気活性層と、この電気活性層を有する電極と、電池で用いられるセパレータとに関するものである。リチウムイオン電池のセパレータはポリオレフィンの微孔質膜か、粉末シリカが充填されたフルオロポリマーのフィルムでできている。本発明のセパレータは後者のタイプである。
下記文献に記載の電極はペーストを塗布して作られる。
ドイツ特許第DE 3538732号公報
このペーストは、粒径が30〜300μmの細かな炭素粉末70〜80重量%と、DMF(ジメチルホルムアミド)中に4〜8重量%のPTFE粉末を含むPVDF溶液10〜20重量%と、粒径が10〜100μmのPVDFの少なくとも5重量%とからなる。このペーストをアルミニウム基板上に塗布した後、1/2〜4時間赤外線ランプを用いて乾燥させる。PVDFと炭素とをベースにしたこの電極はガスおよび液体に対して透過性がある。
下記文献には多孔質織物上に加熱処理した異方性炭素を塗布し、その上をテフロン(TEFLON(登録商標、PTFE)の水性分散液で被覆し、全体を乾燥して電極にする電極の製造方法が記載されている。
特開平5−2122276号公報
下記文献にはセパレータの製造方法が記載されている。
米国特許第 5,268,239号明細書
このセパレータはグラファイトをベースにしており、25〜75重量%のフェノール樹脂と、25〜75重量%のグラファイトとを含む混合物を800〜1000℃に加熱分解した後、2300〜3000℃の温度でグラファイト化する。この特許にはこのフルオロポリマーフィルムを電解液の移行防止に用いることも記載されている。
下記文献には繊維がシリカとフルオロポリマーとに結合した点を特徴とする多孔質繊維マトリックスから成るメンブランを作るために使われる板の製造方法が記載されている。
国際特許第WO 200024075号公報
ここに記載の方法では最初に水に繊維を分散し、次に得られた分散物を塗布して網状組織し、この網状繊維組織を乾燥し、圧縮する。この圧縮前または後にフルオロポリマーの水分散物を導入する。
下記文献には最大寸法が約5μmの粒子から成る点を特徴とする乾燥した細かく粉砕された粉末の製造方法が記載されている。
フランス特許第2430100号公報
この粉末は予め触媒化された炭素と疎水性フッ素樹脂(例えばPTFE)とから成り、触媒化された炭素粒子とポリマー粒子とを共懸濁物をフロック化することで得られる。
下記文献には燃料電池用電極の製造方法と、触媒金属を支持した細かな炭素粉末とポリマーのコロイドとを混合し、得られた懸濁液を乾燥して作られる触媒作用を有する粉末とが記載されている。
欧州特許第0948071号公報
下記文献には電気化学電池用のガス拡散電極の製造方法が記載されている。
欧州特許第0557259号公報
この電極は可溶性ポリエチレンの存在下でカーボンブラック粉末を有機溶剤に分散させて作られる。分散物を乾燥することでポリエチレンがカーボンブラックの表面を被覆する。このポリエチレンを次いでフッ素化し、得られた疎水性カーボンブラック粉末を触媒金属およびPTFEを支持したアセチレンカーボンブラックと混合して凝集体にする。次に、この凝集体を20kg/cm2で圧縮し、340℃で20分間焼結する。
下記文献には、ガス透過性を有する電極を製造方法が記載されている。
欧州特許第0928036号公報
この方法ではマイクロフルイダイザー(microfluidizer)のような均質化するための高剪断マシン用いてカーボンブラック粒子または触媒金属を支持したカーボンブラック粒子の分散物を作り、得られた分散物へバインダを加え、さらに安定化剤を加える。得られた混合物を導電性織物上に塗布し、乾燥し、300〜400℃で焼結する。
下記文献には、集電板を圧縮成形または射出成形で製造する際に使われる成形可能な組成物が記載されている。
国際特許第WO 200030202号公報
この組成物は非フッ素化高分子バインダから成り、そこで使用可能なポリマーにはポリフェニレンサルファイド、変成ポリフェニレンエーテル、液晶ポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシド樹脂およびビニルエステルが含まれる。導電性粒子としては特に炭素粒子が挙げられ、これらの炭素粒子は少なくとも45重量%の量だけ存在する。
フィッシャーは下記文献にMEA(メンブラン電極組立体)の製造方法を記載している。
Journal of applied electrochemistry 28 (1998) pp277-282
すなわち、触媒金属のスラリー(懸濁液)と、Nafion(登録商標)(フッ素化アクリレート)の水溶液と、グリセリンとの混合物を加熱したナフィオン117(登録商標)をベースにしたメンブラン上へスプレーする。次いで、150℃まで加熱して溶媒を蒸発させる。
下記文献には、グラファイトとフルオロポリマーを2.5:1〜16:1の比率で含む燃料電池用の双極板が記載されている。
米国特許第 4214969号明細書
この双極板は4×10-3Ω.inの容積伝導度を有する。グラファイト/フルオロポリマー混合物はブレンダで、25分間乾式混合された後、加熱加圧成形される。
下記文献には、合成ゴムラテックス粒子で極めて均質に被覆されたカーボンブラック粒子を製造するための共噴霧方法が記載されている。
英国特許第GB 2220666号公報
しかし、フルオロポリマーに関する説明はなく、実施例もない。
下記文献には、基本的に下記3段階から成る電極またはセパレータの製造方法が記載されている:
米国特許第 5720780号明細書
ステップ1
PVDF粉末(ホモポリマー)と電池の活性素(principes actifs)の一つ(同じく粉末)とを溶媒の不存在下で混合する。得られた粉末混合物(複合粉)は均一である。この特許では、得られる電気化学的性質に影響を及ぼす条件下で混合することが記載されている。この均質化は室温またはそれより高い温度で実行されるが、全ての場合、ポリマーの融点以下の温度で行う。
ステップ2
得られた粉末に再混合段階で可塑剤(好ましくはジメチルアジペート)を「再導入」する。
ステップ3
可塑化された粉末を所定温度で圧縮処理する:Tー(軟化点)<Tー(加工温度)<Tー(ポリマーの融点)。この粉末加圧成形は集電器(銅またはアルミニウム)上で直接実行される。
この特許で第一段階で複合粉を得るのに用いている出発原料粉末のカイナ(Kynai、登録商標)(PVDF)の平均粒径は約5〜20μmであることは知られている。リチウム処理されたオキサイドまたは黒鉛粉末の平均粒径も同じオーダーである。これに対して、シリカまたはカーボンブラックははるかに小さい(<1μm)充填材である。従って、これらを混合したものは寸法が約10μmのもの(カイナKynarとグラファイト)か、寸法が約10μmのもの(カイナKynar、登録商標)と細かな粉末(シリカまたはカーボンブラック)との混合である。この特許では複合粉末の粒径には指定がない。混合はほぼ室温で実行されることから、PVDFの融点以下で行われる点に注目されたい。
下記文献に記載の電極の製造方法は下記の3段階から成る:
特開平JP09−219190A号公報
ステップ1
PVDF(好ましくはホモポリマー)を溶媒(好ましくはDMF:ジメチルホルムアミド)に溶し、次に、電池の活性素をこの溶液に添加する。得られた混合物はスラリーとよばれる。
ステップ2
このスラリーをポリマーの融点以下の温度で噴霧する。噴霧温度と融点との間の差は50℃のみである。得られた複合粉末(球)の平均粒径は100〜200μmである。
ステップ3
粉末を処理、例えば圧縮して電極にする(しかし、圧縮温度は記載がない)。
この特許では噴霧技術を用いて複合粉を得た後、それを処理する。しかし、電池の活性素を含むスラリーを噴霧するが、PVDFは溶液である。得られた複合粉の粒径は100〜200μmで、非常に粗い粉末である。一方、電極に要求されている寸法は150〜300μmであるということは知られている。この複合粉の正確なモルホロジは分からないが、溶液を噴霧して得られるPVDFは充填材の周りに固まってフィルムの形になるとが多い。
従来法ではフルオロポリマーと充填材との混合方法が十分に限定されていなかった。
本発明者は、粒径が0.1〜0.5μmの粒子からなるフルオロポリマーと充填材とから成るミクロ複合粉末(poudre microcomposite)から出発することによって、品質に優れたリチウムイオン電池の要素、例えば電気活性層、電極、セパレータを製造することができるということを見い出した。
このミクロ複合粉末は、粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマー粒子を含む水溶液と充填材の水溶液とを共噴霧(coatomisation)することによって製造することができる。また、粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマー粒子を含む水溶液と充填材の水溶液とをフロキュレーション(floculation)または凝結(coagulation)することによって製造することもできる。
本発明の対象は、寸法が0.1〜0.5μmである粒子の形をしたフルオロポリマーと充填材とから成るミクロ複合粉末を加工して得られる電気活性層およびセパレータから選択されるリチウムイオン電池の要素にある。
本発明の他の対象は、上記電気活性層と金属層とを組み合わせて得られるリチウムイオン電池の電極にある。
本発明のさらに他の対象は、セパレータ、上記定義の電気活性層または電極等の少なくとも一つの要素を有するリチウムイオン電池にある。
本発明のミクロ複合粉末を用いることによって、活性物質(電池負極の場合にはグラファイト、「ベルコア、Bellcore」型セパレータの場合にはシリカ、電池正極の場合にはリチウム金属酸化物)の充填材の周りにPVDFを予め分布させることができる。
このミクロ複合粉末は極めて簡単な方法(電気鍍金、加圧成形、可塑剤を用いた押出成形、水溶性ペースト塗布)で使用できる。本発明のミクロ複合粉末を溶媒に分散させることもできる。溶媒は水(環境にやさしいという利点がある)でも、アセトンのような潜在的溶剤(加工が容易という利点がある)でも、NMP(従来の電極の加工で使用されている)でもよい。
潜在的溶剤は高温度でフルオロポリマーを膨潤させ、溶解させる。PVDFを溶かす段階は必ずしも必要ではなく(すなわち、電気鍍金、加圧成形、可塑剤を用いた押出成形、水溶性ペースト塗布または水分散によってミクロ複合粉末を処理することが可能である)、VF2のホモポリマーまたはコポリマーをいずれも使用することができる。ホモポリマーはコポリマーよりも溶解が困難であるが、ホモポリマーは電池に熱機械的耐久性を与える(使用温度範囲が高い)。従って、これはPVDFのホモポリマーを使用する本発明の追加の利点である。
本発明と上記特許文献13(特開平JP09−219190A号公報)との間の主たる違いは、この従来方法では電池の活性素を含むスラリーを噴霧し、PVDFは溶液である点にある。
本発明ではミクロ複合粉末の製造時に、フルオロポリマーは常に寸法が0.1〜0.5μmである粒子の形をしており、溶液ではない。得られる粉末が全く異なる理由はそのためである。
本発明のミクロ複合粉末は、寸法が0.1〜0.5μmのフルオロポリマー粒子を含む水溶液と充填材との水溶液を共噴霧することによって製造でき、また、寸法が0.1〜0.5μmのフルオロポリマー粒子を含む水溶液および充填材の水溶液のフロキュレーションまたは凝結によって製造することもできる。
このミクロ複合粉末は好ましくはフィルムの形に加工してフィルム電極またはフィルムセパレータにし、このフィルムを用いて電池を作る。これらの段階(組立、電解液の充填、パッケージング、その他)自体は既に公知である。
「フルオロポリマー」とは鎖中に少なくとも一つの重合時に開環可能なビニル基を有する化合物の中から選択されるモノマーと、このビニル基に直接結合した少なくとも一つのフッ素原子、フルオロアルキル基またはフルオロアルコキシ基とを有する任意のポリマーを意味する。
モノマーの例としては、フッ化ビニル、ビニリデンフルオリド(VF2)、三フッ化エチレン(VF3)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、1, 2-ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル、例えばペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(MMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)およびペルフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)、ペルフルオロ(1, 3-ジオキソール(dioxole)、ペルフルオロ(2, 2-ジメチル-1, 3-ジオキソール)(PDD)、下記の式の化合物: CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2X (ここで、XはSO2F、CO2H、CH2OH、CH2OCNまたはCH2OPO3Hである)、下記式の化合物: CF2=CFOCF2CF2SO2F、下記式の化合物: F(CF2)nCH2OCF=CF2 (ここで、nは1、2、3、4または5に等しい)、下記式の化合物: R1CH2OCF=CF2 R1 (ここで、R1は水素か、F(CF2)zであり、zは1、2、3または4である)、下記式の化合物: R3OCF=CH2 (ここで、R3はF(CF2)zであり、zは1、2、3または4である)、ペルフルオロブチルエチレン(PFBE)、3,3,3-トリフルオロプロピレンおよび2-トリフルオロメチル-3,3,3−トリフルオロ-1-プロピレンを挙げることができる。
フルオロポリマーはホモポリマーまたはコポリマーでよく、エチレンのような非フッ素化モノマーを含んでいてもよい。フルオロポリマーはPVDFのホモポリマーまたはコポリマーであるのが好ましい。
本発明の好しいポリマーは乳化重合で得られ、ラテックスの形で得られる。乳化重合法の一般的な説明は例えば下記文献を参照されたい。
G. Odin, Chapter 4, pp319-339、「Principles of Polymerization」、Wiley lnterscience, 第2版、1981
本発明で好しいポリマーはフルオロポリマーであり、その中でもポリフッ化ビニール(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ‐トリフルオロ‐エチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロエーテルコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレン/エチレンコポリマー(ETFE)およびクロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー(ECTFE)を挙げることができる。これらのフルオロポリマーの中でもPVDFが好ましく、特に下記文献に記載の水性乳化重合で製造されるPVDFが好ましい。
米国特許第4025709号明細書 米国特許第 4569978号明細書 米国特許第4360652号明細書 米国特許第 626396号明細書 欧州特許第EP 0655468号公報
本発明で有用なポリマーラテックスは合成後の乾燥固体重量が15〜70重量%、好ましくは25〜60重量%である点に特徴がある。このラテックスの粒径は50〜600ナノメートル、好ましくは100〜350ナノメートルである。
本発明で用いるPVDFはビニリデンフルオリド(VF2)のホモポリマーであるが、さらに、VF2を少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも85重量%含み、VF2以外の少なくとも一種の他のフッ素化または非フッ素化共重合モノマーを含むコポリマーでもよい。これらの共重合モノマーは後でPVDFと架橋することができる。共重合可能なフルオロモノマーとしてはクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、三フッ化エチレン(VF3)およびテトラフルオロエチレン(TFE)を挙げることができる。共重合可能なフルオロモノマーの中ではHFPとCTFEが好ましい。共重合可能な非フッ素化モノマーとしてはビニルまたはアリルのエーテルまたはエステルを挙げることができる。共重合可能な非フッ素化モノマーとしては、金属、特に銅およびアルミニウムに対するPVDFの接着性を良くするモノマーが好ましい。
フルオロポリマーはAMF(アクリル変性フルオロポリマー)でもよい。このAMFはラテックスであるのが好ましい。このAMFラテックスは、先ずフッ素化部分(VF2のホモポリマーまたはコポリマー)を重合し、次いで、それにアクリルモノマー、例えばMAM(メタクリル酸メチル)、アクリル酸ブチルまたは官能性モノマー、例えばGMA(メタクリル酸グリシジル)を導入して重合させることによって得られる。アクリルのモノマー、特にMAMはPVDFとの相溶性が極めて良く、これらのモノマーは初期のフッ素化粒子(「種、シード」とよばれる)中に分散することができる。従って、AMFの基本粒子は非常に均一な構造を有し、重合でほぼ互いに可溶な(miscible)アロイができる。しかし、これに限定されるものではなく、種々変更でき、例えばモノマー導入時間および導入速度を変えること(または、最初の反応器でPVDFラテックスを作り、所定貯蔵時間後に別の反応器に移してアクリル部分を作ること)もできるが、一般原理は同じである。AMFの中では以下のものが好ましい:
1) PVDFまたはVF2/HFPをベースにしたAMF、
2) フルオロモノマーを少なくとも70重量%、好ましくは85重量%含むAMF、
3) 金属、特に銅およびアルミニウムに対するPVDFの接着性を良くするモノマーを含むアクリル部分を含むAMF。
PVDFラテックスはラテックス混合物でもよく、ラテックスの少なくとも一つがPVDFラテックスで、他の一種以上のラテックスがフルオロポリマーラテックスであることもできる。例えば、VF2のホモポリマーラテックスとVF2/HFPコポリマーラテックスとの混合物を使用でき、また、VF2のホモポリマーラテックスと、金属に対するPVDFの接着性を促進するモノマーとVF2とのコポリマーとの混合物、あるいはVF2のホモポリマーのラテックスとPTFEラテックスとの混合物を用いることができる。VF2を少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%含むVF2のラテックス混合物が好ましい。
ラテックス混合物の中で、少なくとも一つがPVDFラテックスであるラテックスは一種以上の非フッ素化重合体ラテックスを含むこともできる。非フッ素化重合体としてはアクリルエマルション、酢酸ビニールベースのエマルション、塩ビベースのエマルションおよびブタジエンベースのエラストマーエマルションを挙げることができる。非フッ素化重合体としては40℃以上、好ましくは60℃以上のガラス遷移温度を有するアクリル重合体、特にメタクリル酸メチルとアクリル酸エチルとをベースにしたアクリル重合体およびコポリマーを挙げることができる。さらに好ましいアクリル重合体およびコポリマーは金属に対する本発明組成物の接着性を良くする共重合可能なモノマーをさらに含むものである。これらのモノマーとしては酸基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミン基および対応する塩、シランおよびその加水分解物、エポキシド基、ウレイド基、ホスフェート基、スルホナート基、その他の一つ以上の官能基を有するモノマーを挙げることができる。ラテックスの少なくとも一つがPVDFラテックスである場合には、ラテックス混合物はVF2を少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%含む混合物が好ましい。
PVDFをベースにしたラテックスまたはラテックス混合物の場合には、その水相に一種以上の水溶性高分子を含むことができる。水溶性高分子の中では金属に対する本発明組成物の接着性を良くするものが好ましい。PVDFをベースにしたラテックスと一種以上の水溶性高分子との混合物では、VF2が少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%含む混合物が好ましい。
ラテックスまたはラテックス混合物にはさらに、金属に対する本発明組成物の接着性を良くする小さな有機分子(モル重量<1000グラム/モル)を導入することができる。これらの小さな有機分子としては5-スルホイソフタル酸およびその金属塩を挙げることができる。これらの接着促進分子の好ましい添加量はフルオロポリマーに対して5重量%以下である。
「充填材」はセパレータ用として使われるシリカおよび電気活性層用に使われるものと区別しければならない。
正極の電気活性層を作るために使われるリチウム金属酸化物はLiMxOyタイプ(ここで、Mは金属)である。Mは遷移金属、例えばMn、NiまたはCoであるのが好ましい。
負極の電気活性層を作るために使われる充填材は炭素ベースのものである。炭素ベースの充填材としてはグラファイト、カーボンブラック凝集体、炭素繊維および活性炭を挙げることができる。炭素ベースの複数の充填材、例えば (i)グラファイトとカーボンブラック凝集体、(ii)グラファイト、カーボンブラック凝集体および炭素繊維、(iii)カーボンブラック凝集体および炭素繊維、(iv)グラファイトおよび炭素繊維を使用しても本発明の範囲を逸脱するものではない。
使用可能な炭素ベース充填材は下記文献に記載されている。
Chem Tec Publishing発行の「Handbook of Fillers」、第2版、1999、第62頁、2.1.22、第92頁、2.1.33および第184頁、2.2.2
好ましくは20〜50μmの寸法を有するグラファイトを使う。使用可能なカーボンブラックとしては比表面積が1250m2/gのケタジン(Ketjen、登録商標) EC 600JDと、比表面積が800m2/gのケタジン(Ketjen、登録商標) EC 300Jおよび比表面積が約57〜67m2/g(BET窒素吸着方法で測定)である点を特徴とする3M社からSuper Pの名称で市販のものを挙げることができる。長さ150μmの炭素繊維を使用するのが有利である。
「ミクロ複合粉末」は、電気活性層で使う場合には98〜60重量%の充填材に対して2〜40重量%のフルオロポリマーから成ることができる。この粉末は98〜70重量%の充填材に対して2〜30重量%のフルオロポリマーから成るのが好ましい。セパレータで使われる粉末の場合の比率は80〜20重量%の充填材に対して20〜80重量%のフルオロポリマーである。この比率でフルオロポリマーは可塑剤または添加剤を含むことができる。
ミクロ複合粉末はフルオロポリマー粒子で一様に被覆された充填材粒子の形をしているのが好ましい。0.1〜0.5μmの寸法を有するフルオロポリマー粒子は充填材粒子を部分的または完全に被覆することができる。
シリカは1〜50μmの寸法を有し、LiMXOYタイプのリチウム金属酸化物は1〜50μmの寸法を有し、グラファイトは1〜50μmの寸法を有し、カーボンブラックは40ナノメートルの寸法を有し、炭素繊維は1〜300μmの寸法を有することができる。
ミクロ複合粉末は、フルオロポリマーで被覆され且つフルオロポリマー粒子によって結合された少なくとも二つの充填材粒子の凝集塊の形をしていてもよい。
これらの凝集塊はキイチゴ形をしていてもよい。これらの凝集塊は一般に2〜5つの充填材粒子を含む。
本発明はさらに、好ましくはフルオロポリマー粒子で一様に被覆されたシリカ粒子の形のミクロ複合粉末にも関するものである。0.1〜0.5μmの寸法を有するフルオロポリマー粒子はシリカ粒子を部分的または完全に被覆することができる。
このミクロ複合粉末は、寸法が0.1〜0.5μmのフルオロポリマー粒子を含む水溶液と充填材の水溶液とを共噴霧することによって作ることができる。また、寸法が0.1〜0.5μmのフルオロポリマー粒子を含む水溶液と充填材の水溶液とのフロキュレーションまたは凝結によって作ることもできる。
「フロキュレーション」または「凝結」によるミクロ複合粉末の製造方法は水性分散液の仕上げ方法として公知である。「凝結」は下記文献に記載されている。
P.Y. McCormick、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」、Vol. 5, pp. 187-203, Wiley lntersciences, 1990、「Drying」
ここには高分子ラテックスまたはラテックスと充填材との混合物を含む水性分散液の凝結が記載されており、例として回転乾燥機について記載されている。フロキュレーションは下記文献に記載される。
G.R. Rose の「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」、Vol. 7, pp. 211-233, Wiley lntersciences, 1990の「Flocculation」
ポリマーと充填材とをベースにした水性分散液を例えば急冷してフロック化する方法、部分加熱して分散物の乾燥固体分を減す方法、または、分散物へ界面活性剤またはそれを不安定にする塩を加える方法等が記載されている。分散物がフロック化した後、水相を除去し、乾燥または濾過等によって複合粉末を回復する。
「噴霧、atomisation(または共噴霧、coatomisation)」によるミクロ複合粉末の製造方法自体も公知である。この技術の全体的説明は、例えば下記文献に記載されている。
P.Y. McCormickの「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」、Vol. 5, pp. 187-203, Wiley Intersciences, 1990のDrying」
電池の活性素 (principes actifs)(本明細書では充填材とよばれる)を含むミクロ複合粉末は一般に、電池の活性素と一緒にポリマーのラテックスまたはラテックス混合物を含む水性分散液を噴霧することによって得られる。
活性素の水性分散液は「スラリー」ともよばれる。その正確な製造条件は活性素の種類、特にその表面疎水性または親水性、系中に存在する表面積(これは分散物の乾燥固体残量と活性素の比表面積とに依存する)、乾燥固体残量および所望粘度に依存する。一般に、スラリーは以下の工程で製造できる。すなわち、撹拌器(羽根)を備えた分散機中で水(好ましくは脱塩水および/または脱イオン水)に分散剤、界面活性剤、殺菌剤、発泡防止剤、pH調節剤、その他を加える。次いで、必要量の活性素をゆっくりと撹拌しながらゆっくりと加える。次いで、一般には分散物をより高い撹拌速度で均質にする。分散剤の種類は活性素に応じて変え、例えば可溶性塩にした水溶性アクリルコポリマーを使用することができる。以下、本発明に適した3つ方法を示す:
本発明の最初の実施例では、フルオロポリマーのラテックスまたはラテックス混合物と電池の活性素の水性分散液または分散物(スラリーともよばれる)とを撹拌下に混合して水性分散液を作る。次に、この水性分散液を噴霧して複合粉末にする。この複合粉末を種々の方法で加工して用いる。この実施例の重要な変形例は、フルオロポリマーラテックスまたはラテックス混合物と電池の活性素のスラリーまたはスラリーとを同一のアトマイザーから共噴霧する方法である。この場合には、ラテックスまたはラテックスとスラリーとを別々の専用ノズルを介してアトマイザーに導入する。この変形例を用いることよって上記分散物の製造段階を無くすことができる。
本発明の第二実施例では、フルオロポリマーのラテックスまたはラテックス混合物中へ撹拌下に電池の活性素を乾式で直接加え、得られた水性分散液を噴霧しては多孔質ミクロ複合粉末にする。
本発明の第三実施例では、VF2をベースにしたポリマーに対する親和性が公知である少なくとも一種のカルボニル基またはカルボネート基の存在下であることを特徴とする有機化合物を、ポリマーおよび上記活性素の他に加える。この有機化合物は電池を活性化するための液体電解質組成物中に含まれる溶媒および可塑剤の中から選択される。その例としてはカルボネート類、特にエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカルボネート(DMC)、フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)および米国特許第5456000号、第572078g号に記載のものを挙げることができる。可塑剤の例としてはセバケート類、フタレート類、スクシナート類、オキザラート類、アジペート類およびスベリン酸エステルが挙げられ、これらは置換されていてもよい。特に好ましいものはフタル酸ジオクチル(DOP)、セバシン酸ジブチル(DBS)およびジブチルフタレート(DBP)である。
上記実施例1、2、3で噴霧される水性分散液は分散機で撹拌下に製造するのが好ましい。この分散物は噴霧段階まで撹拌状態に維持するのが好ましい。分散物の製造段階で少量の添加剤、例えば接着促進剤、分散剤、他の界面活性剤、消泡剤、殺菌剤およびpH調節剤を加えられることができる。ポリマーラテックスと活性素(スラリーまたは乾式充填材の形をしている)との比は噴霧後に乾燥した所望の組成物が得られるように選択する。噴霧工程がうまく行くように分散物の乾燥固体残量(extrait sec)を調整することができる。この乾燥固体残量は系中に存在する表面積に依存する。一般には噴霧前に最大乾燥固体残量を維持するのが好ましい。共噴霧を行う場合には、噴霧後に乾燥した所望の組成物が得られるようにラテックスまたはスラリーの各吐出量を選択する。電極(負極および正極)の組成物で使われる活性素の場合には、活性素を最大量、好ましくは少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも85重量%入れるのが望ましい。セパレータ組成物で使われる活性素の場合に添加する活性素の量は電極の場合より少なく、20〜60重量%にするのが好ましい。
水性分散液の噴霧条件、特にアトマイザに送る加熱空気の温度は使用するポリマーに依存する。VF2のホモポリマーの場合には例えば噴霧温度を175℃にする。得られる複合粉末の粒径は噴霧条件に依存するほか、噴霧される分散物の種類や電池の活性素の粒径にも依存する。一般に、炭素繊維を含まない粉末の場合、レーザ回折で測定した容積50%分布平均径(diameter median a 50% de la distribution en volume) は2〜150μm、好ましくは2〜40μmである。使用する加工方法に望ましい複合粉末の粒径分布に変えるために、噴霧条件を調整することができる。
本発明が有機化合物、例えば液体電解質用の溶媒および可塑剤を含む場合には、以下の二つの型式でそれを添加することができる。これらの有機化合物は噴霧段階前にポリマーおよび電池の活性素の分散物中に入れておくことができる。この場合には、噴霧された粉末中に有機化合物が完全または部分的に残るように、十分に高い沸点を有する有機化合物にする。有機化合物が室温での固形物である場合(炭酸エチレンの場合)には、噴霧後に、適当なミクサー(必要に応じて加熱できる)中で粉末を添加または混合することができる。これらの有機化合物は活性化された電池中に存在しなければならないので、有機化合物としてはPVDFの可塑剤であると同時に液体電解質の溶媒であるものが好ましい(炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸ビニルおよび繃−ブチロラクトン、米国特許第5 720 780号に記載のその他の化合物)。
複合粉末中に可塑剤が存在することによって、後の工程の粉末加工が容易になる。すなわち、ポリマーの融点以上で加工を行う場合には可塑剤が溶融粘度を低下させて成形を容易にし、また、ポリマーの融点以下で加工を行う場合には可塑剤は粉末の凝結を助ける。
水性分散液の(共)噴霧、フロキュレーションまたは凝結で得られた粉末を「加工」する前に、この粉末を後処理することができる。PVDFとの親和性を良くするための有機分子の添加については既に説明したが、以下の操作をすることもできる:
1) 複合粉末の洗浄(特に、電池の電気化学的機能にマイナスの影響を及ぼす
ことが明らかな場合、ある種の分散剤または界面活性剤を除去するため)、
2) 複合粉末への添加剤(例えば接着促進剤)の添加、
3) 粉末の真空乾燥(特に痕跡量の湿気の除去のため)
本発明の複合粉末は種々の方法を用いてリチウムイオン電池で使われる要素、
電極およびセパレータに加工することができる。加工方法は下記の2つの方法に大別できる:
1) 無溶媒加工
焼結、加圧成形、押出し、ラミネーション、カレンダー加工、篩を用いた複合粉末の塗布、静電塗装、摩擦粉末塗装およびこれらの組み合わせ、特に押出し/ラミネーション/カレンダー加工および粉末塗装/カレンダー加工(実施例3参照)。これらの加工は自由なフィルムまたは支持されたフィルムに対して行う。得られたフィルムは25μm〜5 mm、好ましくは50μm〜500μmの厚さを有する。
2) 溶媒加工
粉末を水に分散させる(環境にやさしいという利点がある)か、潜在的溶剤、例えばアセトンに分散させる(加工が容易という利点がある)か、NMPに分散させ(従来の電極加工)、得られた「ペースト」を支持体へドクターブレード(登録商標)で塗布し、溶媒を蒸発させて電極またはセパレータにする(実施例12、13を参照)。これはリチウムイオン電池工業で使われているものと同じであり、実際の機器に容易に組み込むことができる。本発明ではPVDFが活性物質の周りに予め分布されているので、溶媒の選択および電極の外観形状の選択に大きな自由度があるという利点がある。
電極の製造に使う粉末の場合には、金属コレクタに直接実行する加工方法が好ましい。これらの支持体は金属フォイルまたは金属グリッドまたは金属発泡体(銅、アルミニウム、ニッケル、その他)または金属合金にすることができる。これらの金属基材にはフィルムの接着を良くするための処理を施すことができる。
負極用の金属は銅が好ましく、正極用はアルミニウムが好ましい。
セパレータを製造するために使う粉末の場合には、後のフィルムの移送を容易にするために、加工を自由なフィルム(平ダイを用いたシート押出し)または接着性のない支持体上で行うことができる。セパレータの製造で使う複合粉末フィルムを電極フィルム上に直接作ることもできる。
これらの加工は使用するフルオロポリマーの融点以上または以下の温度で実行できる。これによって得られるフィルムのモルホロジを制御することができる。PVDFのホモポリマーの融点は約170℃である。
「電池」にするための最終マウント段階は公知であり、例えば下記文献に記載されている。
米国特許第5 296 318号明細書 米国特許第5939217号明細書 米国特許第5999102号明細書 米国特許第 5805069号明細書 米国特許第 5804333号明細書 米国特許第 5633099号明細書
大抵の場合、正極、セパレータおよび負極を一緒に巻き取り、その全体をリジッドな容器(アルミニウムの円筒)または可撓性のある容器内に入れ、電池の二つの極を接続し、電解液(カルボネートまたは繃-ブチロラクトン溶剤混合物中のLiPF6またはLiBF4またはその他のリチウム塩)を充填して電池を活性化する。
PVDFのラテックスNo.1
乳化重合で得られる乾燥固体残量(Mettler Toledo社のHG53型機械で160℃で、10分間ラテックスを乾燥させた後に残量を秤量)が35重量%で、平均粒径(Coulterの粒径測定装置でレーザ回折で正確に計測)が140ナノメートルであることを特徴とするVF2のホモポリマーのラテックス。、得られたPVDFは230℃、剪断速度100秒-1での溶融粘度が1200Pa.s-1で、融点(ISO 3146規格に従って測定)が171℃で、23℃での引張り弾性係数(ISO 527規格に従って測定)が2200Mpaであることによって特徴付けられる。PVDFの相対密度は1.78である(ISO 1183規格で測定)。
PVDFのラテックスNo.2
乳化重合によって得られるVF2/HFPコポリマー(HFPは10重量%)のラテックス。乾燥固体残量が31重量%で、平均粒径が230ナノメートルであることを特徴とする。このPVDFは230℃、剪断速度100秒-1での溶融粘度が2350Pa.sで、融点が164℃で、23℃での引張りの弾性係数が690Mpaであることによって特徴づけられる。相対密度は1.78である。
PVDFのラテックスNo.3
乳化重合によって得られるVF2/HFPコポリマー(HFPは12重量%)のラテックス。乾燥固体残量が31重量%で、平均粒径が230ナノメートルであることを特徴とする。このPVDFは230℃、剪断速度100秒-1での溶融粘度が2500Pa.sで、融点が143℃で、23℃での引張りの弾性係数が700Mpaであることによって特徴づけられる。相対密度は1.78である。噴霧および乾燥後にこのラテックスNo.3から得られる粉末を「PVDF No.3」とよぶ。
PVDF No.3
上記項目を参照のこと。
グラファイト
Osaka Gas Chemicals Co.からMCMB 6-28の名称で市販の製品。容積50%分布の平均径が約8μmで、容積98%分布直径が約25μmであることによって特徴づけられる(SYMPATEC社のHelos粒径測定器を使用してレーザ回折で測定)。実際の相対密度は2.21。
カーボンブラック
3MからSUPER Pの名称で市販の製品。比表面積(BET窒素吸着法で測定)が約57〜67m2/gであることで特徴づけられる。電子顕微鏡で観測した平均粒径は約40ナノメートルである。このカーボンブラックの実際の相対密度は1.93である。
シリカの水分散物(スラリー)
Rhodia社からTIXOSIL 365SPの名称で市販の製品。この分散物の乾燥固体残量は22%である。シリカは約155m2/gの比表面積と2.00の実際の相対密度とによって特徴づけられる。
銅フォイル
Fukuda Metal Foil & Powder Co.からCF-LB2-1 2の名称で市販のボビンに巻いた製品。このフォイルは銅の電気鍍金で得られ、12μmの厚さと350mmの幅とによって特徴づけられる。
実施例1
グラファイト/カーボンブラック水分散物(スラリー)の製造
DISPERMAT社のマルチブレードタービン分散機にグラファイト/カーボンブラック水分散物(スラリー)の各成分を軽く撹拌(100回転数/分)しながら徐々に導入した。
Figure 2004265874
導入する脱塩水の量は分散物の乾燥固体残量が60重量%となるように調節した。各成分の導入後、混合物を1000回転数/分の速度で均質化した。
実施例2
PVDFラテックス、グラファイトおよびカーボンブラックをベースにした複合粉末の製造
上記と同じ分散機へ、実施例1の均質なグラファイト/カーボンブラック水分散物(スラリー)を軽く撹拌(300回転数/分)しながら徐々に導入した。PVDF ラテックスNo.1 は全グラファイト+カーボンブラック+PVDFに対してグラファイト+カーボンブラックの乾燥固体残量が86重量%であった。また、全乾燥固体残量がスラリー/ラテックス混合物の20重量%になるまで脱塩水を徐々に加えた。
液体混合物を連続撹拌し、下記条件下にMinor Mobile型のアトマイザ(NIRO社製)で噴霧した:
1) 混合物の吐出量(1時間当たり)=2L/h、
2) タービン到着時の加熱空気の入口温度=175℃、
3) 吐出空気で測定した出口温度=55℃、
4) タービン速度に必要な空気圧=2.2バール
得られたミクロ多孔質複合粉末は約9μmの容積50%分布平均径と30μmの容積98%分布平均直径(SYMPATEC社のHelos粒径測定器でレーザ回折によって測定)によって特徴づけられる。この粉末と粉末の多孔質ミクロ粒子の代表なモルホロジは[図1]と[図2]に示してある(フィリップス社のEEG-XL3O型機器を用いた走査電子顕微鏡検査で得た写真)。
[図1]は白い物質で覆われた5〜15μmのグラファイト粒子を示し、[図2]は[図1]の拡大図で、PVDFの白い小さな粒子で覆われたグラファイトのビーズを示している。この粉末は使用の前に換気式乾燥器で40℃で15日間乾燥した。
実施例3
実施例2の複合粉末の粉末塗布+カレンダー加工
銅フォイルのボビンを機器の頭部に取付け、中間ローラーを介して銅のフォイルを巻き戻した。巻き戻し速度は1.2m/分にした。実施例2で得た複合粉末を摩擦電気作用で(粉末散布機器を使用)均一な層に堆積させた(層の厚さはカレンダー加工後の所望最終厚さに依存する)。銅フォイルを赤外線源を用いて約200℃に加熱して、均一塗布層の凝結と銅フォイルへの接着を促進した。粉末散布機器の下流に第二の赤外源をおいて一様な塗布層の上側表面を加熱した。
次に、銅フォイル全体を均一に覆った塗布層をカレンダー加工(一方のロールはゴムロール、他方のロールは加熱または冷却制御可能な金属ロール)した。組立体はこの状態で本発明の電極を構成し、その厚さは約140μmである。ゴムロールの温度は隣接した第二の金属ロール(加熱または冷却制御される)からの熱伝導で調節される。得られた組立体を次に温度制御(加熱または冷却制御される)された第3の金属ローラーを通す。これら全てのロールの温度は25〜160℃の間で変えることができ、耐久性に優れたフィルムが形成され、ロールに複合粉末が付着しないような温度を選択する。得られた電極は引張力を調整可能なロール列を通って巻き取られる。
実施例4
実施例2の多孔質ミクロ複合粉末の圧縮加工
本発明の複合粉末を圧縮処理して自由な(フリーな)フィルムにすることができる。実施例2の複合粉末の適切な量をPinette Emidecau Industries 社のLABO 60型の研究室用油圧プレスのプラテン上に堆積した。フィルムの回復を容易にするために、このプレスのプラテン上には予めシリコン加工紙を載せてある。実施例2の複合粉末を下記加圧サイクルで、250℃のプラテン温度で圧縮した:無圧状態1分、次に、4バールで30秒、34バールで1分。冷却後、厚さが600μmの自由なフィルムが得られた。このフィルムは例えば銅フォイルと積層されてリチウムイオン電池用の電極に作られる。プラテン温度、加圧時間および加圧力は厚さ、凝集度、フィルムのモルホロジを変えるために選択することができる。
実施例5
実施例4のフィルムの特性テスト
実施例4で得られたフィルムに次の二つのテストを行った:
1)平均孔率の間接測定
実施例4のフィルムからカミソリ刃を用いて所定の形状と寸法を有する(従って、容積が分かっている)5つの試験片(一辺が20mmで厚さが600μmの平行六面体)を切り出した。PVDF、グラファイトおよびカーボンブラックの重量組成と、相対密度は分かっている。従って、孔の無いフィルムの相対密度が計算でき、それは2.13である。孔のない試験片の理論重量(511mg)が計算できる。この結果を5つの試験片で測定した平均値(307mg)と比較することで平均孔率(40%)が計算できる。
2)EC/DMC混合物の平均重量の測定
実施例4のフィルムからフリーな3つの試験片を切り出した。これらの試験片を、炭酸エチレン(EC)と炭酸ジメチル(DM0)とを重量比で50/50で含む混合物を入れた一定温度(60℃)のガラス反応器に入れた。2日間観測した後、平衡した試験片の平均重量を測定し、それからEC/DMCの重量平均百分比(すなわち42.5%)を計算した。
実施例6
PVDFとシリカをベースにした多孔質ミクロ複合粉末製造
シリカの均質水分散物を含む実施例1の分散機へ、軽い撹拌(300回転数/分)歯科で徐々にPVDFのラテックスNo.2を、シリカ+PVDFの合計に対するシリカの乾燥固体残量が40重量%となるような比率で、導入した。また、スラリー/ラテックス混合物の全乾燥固体残量が11重量%になるまで脱塩水を徐々に加えた。
得られた液体混合物を撹拌下に維持し、Minor Mobile型のアトマイザ(NIRO社製)を用いて下記条件下で噴霧した:
1) 混合物の吐出量(1時間当たり)=2L/h、
2) タービン入口での加熱空気の入口温度=175℃、
3) 空気出口で測定したの出口温度=60℃、
4) タービン速度を決める圧力=2.2バール
得られた多孔質ミクロ複合粉末は、約3μmの容積50%分布平均径と約15μm容積50%分布平均径(SYMPATEC社のHelos粒径測定器でレーザ回折によって測定)とによって特徴づけられる。[図3]、[図4]、[図5]はこの粉末と、この粉末粒子のミクロ多孔質粒子の代表的なモルホロジを示す(フィリップス社のFEG-XL3O型器械を使用して走査電子顕微鏡検査法で得た写真)。
[図3]はPVDF粒子で覆われたシリカ粒子を示している。
[図4]は[図3]の拡大図で、シリカ粒子の表面上の小さいPVDFビーズを示す。
[図5]は[図4]の拡大図である。
粉末は使用前にファン付き乾燥器で15日間、40℃で乾燥した。
実施例7
実施例6の多孔質ミクロ複合粉末の圧縮加工
実施例6の複合粉末の適切な量をPinette Emidecau Industries 社のLABO 60型の研究室用油圧プレスのプラテン上に堆積した。フィルムの回復を容易にするために、このプレスのプラテン上には予めシリコン加工紙を載せてある。実施例2の複合粉末を下記加圧サイクルで、220℃のプラテン温度で圧縮した:無圧状態1分、次に、4バールで30秒、150バールで1分。冷却後、厚さが350μの自由なフィルムが得られた。このフィルムは例えば実施例3の電極に作られる。プラテン温度、加圧時間および加圧力は厚さ、凝集度、フィルムのモルホロジを変えるために選択することができる。
実施例8
実施例7のフィルムの特性テスト
実施例7で得られたフィルムに次の二つのテストを行った:
1)平均孔率の間接測定
実施例7のフィルムから所定の形状と寸法を有する(従って、容積が分かっている)5つの試験片(直径が16mmで、厚さが350μmの平らな円板)を切り出した。PVDF、グラファイトおよびカーボンブラックの重量組成と、相対密度は分かっている。従って、孔の無いフィルムの相対密度が計算でき、それは1.86である。孔のない試験片の理論重量(131mg)が計算できる。この結果を5つの試験片で測定した平均値(86mg)と比較することで平均孔率(34%)が計算できる。
2)EC/DMC混合物の平均重量の測定
実施例7のフィルムからフリーな3つの試験片を切り出した。これらの試験片を、炭酸エチレン(EC)と炭酸ジメチル(DM0)とを重量比で50/50で含む混合物を入れた一定温度(60℃)のガラス反応器に入れた。2日間観測した後、平衡した試験片の平均重量を測定し、それからEC/DMCの重量平均百分比(すなわち93%)を計算した。
実施例9
グラファイトの水分散物(スラリー)の製造
DISPERMAT社のmultiblade turbine分散機に、グラファイト/カーボンブラック水分散物(スラリー)の各成分を軽く撹拌(100回転数/分)しながら徐々に導入した。
Figure 2004265874
導入する脱塩水の量は分散物の乾燥固体残量が60重量%となるように導入した。各成分を導入後、混合物を1000回転数/分の速度で均質化した。
実施例10
PVDFラテックスとグラファイトとをベースにした複合粉末の製造
上記と同じ分散機へ、実施例9のグラファイトの均質水分散物(スラリー)を入れ、軽く撹拌(300回転数/分)しながら、グラファイト+PVDF+分散剤の合計に対するグラファイトの乾燥固体残量が90重量%となるように、PVDF ラテックスNo.3を徐々に導入した。また、スラリー/ラテックス混合物の全乾燥固体残量が20重量%になるまで脱塩水を徐々に加えた。
この液体混合物を撹拌下に維持し、下記条件下にNIRO社製Minor Mobile型のアトマイザで噴霧した:
1) 混合物の吐出量(1時間当たり)=2L/h
2) タービン入口での加熱空気の入口温度=175℃、
3) 空気出口で測定した出口温度=55℃、
4) タービン速度を決める圧力=2.2バール
得られた多孔質ミクロ複合粉末は約9μmの容積50%分配平均径と、30μmの容積98%分配径(SYMPATEC社のHelos粒径測定器でレーザ回折によって測定)とによって特徴づけられる。
実施例11(比較例)
従来法によるリチウムイオン電池用負極の製造
エルレンマイヤーフラスコに、5gのPVDF No.3と、45gのN-メチル-2-ピロリドン(メルク社製、以下、NMPと略記、純度99%以上)とを溶かし、55℃で2時間以上磁気撹拌した。45gのグラファイト末と、15gのNMPとをこの溶液に加えた。この粉末は室温で15分間磁気撹拌した溶液に加えた後、DISPERMAT社のmultiblade-turbine分散機で5分間強力に撹拌(2000回転数/分)した。得られたスラリーを銅フォイル上に厚さの20μmに塗布し、ドクターブレードで手で400μmのフィルムにした。このフィルムをファン付き乾燥器で130℃で10分間乾燥した後、130℃で1時間、減圧乾燥器で乾燥した。得られた電極を130℃、7トンの圧力で3分間圧縮して、気孔率を低下させ、表面外観を良くした。銅フォイル上に形成した導体層は10重量%のPVDF No.3と、90重量%のグラファイトとから成り、その平均厚さは120μmであった。
実施例12
実施例10の複合粉末の「NMP」を用いた負極への加工
DISPERMAT社のmultiblade-turbine分散機中で、実施例10の粉末20gを35gのNMPに強力撹拌(2000回転数/分)下に5分間、室温で分散させた。得られたスラリーを銅フォイル上に厚さの20μmに塗布し、ドクターブレードによって手で400μmのフィルムにした。このフィルムをファン付き燥器で130℃で10分間乾燥し、次いで、減圧乾燥器で130℃で1時間乾燥した。得られた電極を130℃、7トンの圧力で3分間圧縮して気孔率を減らし、表面外観を良くした。銅フォイル上に形成した電導層は9重量%のPVDF No.3と、1重量%のCOADIS 123K(全有機物=10%)と、90重量%のグラファイトとから成り、その平均厚さは120μmであった。
実施例13
実施例10の複合粉末の「アセトン」を用いた負極への加工
エルレンマイヤーフラスコ中で、実施例10の粉末20gを、35gのアセトン(Prolabo社のNORMAPURグレード)に室温で5分間かけて分散した。得られたスラリーを銅フォイル上に厚さの20μmに塗布し、ドクターブレードによって手で400μmのフィルムにした。このフィルムを室温で30分間乾燥した。得られた電極を130℃、7トンの圧力で3分間圧縮して気孔率を減らし、表面外観を良くした。銅フォイル上に形成した電導層は9重量%のPVDF No.3と、1重量%の COADIS 123K(全有機物=10%)と、90重量%のグラファイトとから成り、その平均厚さは120μmであった。
実施例14
電導層と負極金属フォイルとの間の接着特性の測定
実施例11、実施例12または実施例13に記載の組立体から幅が25mm、長さが少なくとも10cmのストリップを切り出し、同じ幅の両面接着テープ(TESA社の#4970)を用いて剛体金属支持体上に電導層面を固定した。各組立は手の圧力のみで支持体に固守した。この剛体金属支持体+両面接着テープ+電導層+金属フォイルの組立体を「剥離テストピース」とよぶ。
この剥離テストピースをAdamel Lhomargy社のDY3O引張試験機にセットした。金属支持体を固定した。電導層とアルミニウムホイルとの間にカミソリの刃を用いて手で破断開始点を作った。アルミニウムホイルの自由端を移動可能なナックルに固定し、100mm/分の引張り速度で180ーに引張った。瞬間引張力は10Nの力で決定した。金属フォイルと電導層との間の剥離に要するこの力の平均値を「剥離力」とよぶ。
実施例15
負極の可撓性の経験的決定法
実施例11、実施例12または実施例13に記載の組立体から、長さが少なくとも5cmで、幅が少なくとも2cmのストリップを切り出した。これらのストリップを直径がは1mmの金属棒上に巻き付けたた時の結果を下記で格付けした:
Figure 2004265874
実施例16
本発明のミクロ複合粉末を用いて作った負極とこのミクロ複合粉末なし作った電極との対比
実施例14、15に記載の評価方法を用いて電導層と銅フォイル層との間の剥離力を測定し、電極の可撓性を評価した。結果は下記の表に示してある。
Figure 2004265874
本発明では噴霧時にPVDFを活性物質の充填材の周り予め分布させているので、得られた電極は電導層と銅フォイルとの間の接着値が類似している場合、より大きな可撓性を示している。
実施例で得られた白い物質で覆われた5〜15μmのグラファイト粒子を示す図。 [図1]の拡大図で、PVDFの白い小さな粒子で覆われたグラファイトのビーズを示す図。 PVDF粒子で覆われたシリカ粒子を示す図。 [図3]の拡大図で、シリカ粒子の表面上の小さいPVDFビーズを示す図。 [図4]の拡大図。

Claims (16)

  1. 粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマーと充填材とからなるミクロ複合粉末を成形加工して得られる、セパレータおよび電気活性層の中から選択されるリチウムイオン電池の要素。
  2. ミクロ複合粉末のフルオロポリマーがPVDFのホモポリマーまたはコポリマーである請求項1に記載の要素。
  3. ミクロ複合粉末の充填材がシリカ、LiMXY型(ここで、Mは金属を表す)のリチウム金属酸化物、グラファイト、カーボンブラック凝集体、炭素繊維および活性炭の中から選択される請求項1または2に記載の要素。
  4. ミクロ複合粉末が、粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマーを含む水溶液と充填材の水溶液同時に噴霧化するか、粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマーと充填材とを含む水溶液を噴霧化して作られたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の要素。
  5. ミクロ複合粉末が、粒径が0.1〜0.5μmのフルオロポリマーと充填材とを含む水溶液のフロキュレーションまたは凝結によって作られたものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の要素。
  6. フルオロポリマーを2〜40重量%、充填材を98〜60重量%含む、電気活性層である請求項1〜5のいずれか一項に記載の要素。
  7. 充填材をグラファイト、カーボンブラック凝集体、炭素繊維および活性炭からなる群の中から選択する請求項6に記載の電気活性層。
  8. 請求項7に記載の電気活性層を銅の層と組み合わせて得られる負極。
  9. 充填材をLiMXY型(ここで、Mは金属を表す)のリチウム金属酸化物の中から選択する請求項6に記載の電気活性層。
  10. 請求項9に記載の電気活性層とアルミニウム層とを組み合わせた正極。
  11. 20〜80重量%のフルオロポリマーと80〜20重量%の充填材とからなるセパレータである請求項1〜10のいずれか一項に記載の要素。
  12. 充填材はがシリカである請求項11に記載のセパレータ。
  13. 請求項12に記載のセパレータと、請求項6、7または9に記載の電気活性層と、請求項8に記載の負極と、請求項10に記載の正極とからなる群の中から選択される少なくとも一つの要素を有するリチウムイオン電池。
  14. 0.1〜0.5μmの粒径を有するフルオロポリマー粒子によって全体または一部が覆われているシリカ粒子の形をしたミクロ複合粉末。
  15. シリカ粒子がPVDFの粒子で均一に被覆されている請求項14に記載の粉末。
  16. 20〜80重量%のフルオロポリマーと80〜20重量%のシリカのからなる請求項14または15に記載の粉末。
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