JP5867044B2 - 絶縁性接着層およびそれを用いた蓄電デバイス - Google Patents

絶縁性接着層およびそれを用いた蓄電デバイス Download PDF

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Description

本発明は、絶縁性接着層に関し、詳しくは、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、および電気二重層キャパシタなどの蓄電デバイスのセパレータや絶縁性接着層に用いるのに適した絶縁性接着層およびそれを用いた蓄電デバイスに関する。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタなどに代表される高エネルギー密度の蓄電デバイスは、例えば、シート状の集電箔(アルミニウム箔または銅箔など)に、活物質(活性炭、リチウム複合酸化物、炭素など)を塗工することにより形成されたシート状の電極を、電極間の接触による短絡を防ぐためのシート状のセパレータを介して積層することにより構成された蓄電要素と、電解液とが、アルミニウム缶あるいはアルミラミネートフィルムなどからなる外包材に収容された構造を有している。
そのような蓄電デバイスの1つに、活性炭電極を接着した集電体金属の最外周部に、変性ポリプロピレンないし変性ポリエチレンを予め接着し、対向する接着層間に、電解液に浸したセパレータを介在させ相互に熱圧着することにより密封した電気二重層キャパシタがある(特許文献1参照)。
しかしながら、この特許文献1の電気二重層キャパシタにおいて用いられている変性ポリエチレンや変性ポリプロピレンなどの接着材料は、蓄電デバイスに使用されるような電解液にほとんど膨潤しない。そのため、蓄電デバイス中で接着材料として用いると、蓄電デバイスの抵抗を上昇させたり、特性を悪化させたりするばかりでなく、使用の態様によっては、蓄電デバイスとしての機能を損なってしまうという問題点がある。
また、他の蓄電デバイスとして、正極活物質と負極活物質のいずれか一方がコーティングされた第1電極板と、正極活物質と負極活物質のいずれか他方がコーティングされた第2電極板と、前記第1電極板と前記第2電極板とを絶縁させるセパレータと、前記第1電極板、前記第2電極板および前記セパレータが巻き取られた中心部に介される巻き芯部材を備える巻き取り型電池組み立て体および該組立体を含むリチウム二次電池が提案されている(特許文献2参照)。
この特許文献2のリチウムイオン二次電池においては、接着剤としてポリフッ化ビニリデンやポリメチルメタクリレート、その他様々な樹脂単体ないし混合物を使用しているが、耐熱性の高いフッ素系の樹脂を使用する場合、ある特定の混合組成を除けば、樹脂どうしの接着性が悪く、高温で接着を行うことが必要で、生産性が低いという問題点がある。
また、蓄電デバイスに用いられるセパレータとして、多孔質基材の少なくとも片面に異なるゲル化率の電気絶縁性樹脂組成物からなる多孔質層を形成した電子部品用セパレータであって、ゲル化率の低い樹脂を用いることにより、電解液への溶解を防ぎ、またゲル化率の高い樹脂を用いて膨潤ゲルとすることにより広範囲な温度領域で電極との接着性を高めた電子部品用セパレータが提案されている(特許文献3参照)。
この特許文献3の電子部品用セパレータの場合、2種類のゲル化率を有する樹脂化合物としてポリフッ化ビニリデン、ポリメタクリル酸メチル、その他様々な樹脂が挙げられているが、上述の特許文献2の場合と同様、耐熱性の高いフッ素系の樹脂を用いる場合、接着性が悪く、高温で接着を行うことが必要で、生産性が低いという問題点がある。
また、他のセパレータとして、
(a)エラストマーポリマーを含む、微小孔構造を有するポリマーセパレータ、
(b)エラストマーポリマーと、有機電解質で膨潤し、前記エラストマーポリマーとアロイを形成するポリマーを含む、微小孔構造を有するポリマーセパレータ、または、
(c)上記組成にさらに無機化合物を含む、微小孔構造を有するポリマーセパレータ
が提案されている(特許文献4参照)。
この特許文献4には、セパレータのイオン伝導度を向上させるためにエラストマーポリマーに添加する膨潤ポリマーとして、ポリフッ化ビニリデンやポリメチルメタクリレートを使用すること、電極とセパレータとの接合にこれらのポリマーからなる接着剤を使用することなどが開示されているが、耐熱性の高いポリフッ化ビニリデンを用いる場合、樹脂どうしの接着性が悪く、高温で接着を行うことが必要で、生産性が低いという問題点がある。
さらに、他のセパレータとして、透気性を有する基材とポリオレフィン製多孔質膜とを有する積層体からなる電子部品用セパレータが提案されており、さらに好ましい形態として、前記基材と前記ポリオレフィン製多孔質膜とが接着剤を介して接着されている電子部品用セパレータが提案されている(特許文献5参照)。
この特許文献5においても、上記の接着剤としてポリフッ化ビニリデンやポリメチルメタクリレートが挙げられている。しかし、特許文献5のように、高耐熱性を有するポリフッ化ビニリデンを単体で用いるようにした場合、上述の特許文献2や特許文献3の場合と同様に、接着性が悪く、高温での接着が必要で、生産性が低いという問題点がある。
特開2002−313679号公報 特開2006−080072号公報 特開2005−056800号公報 特開平11−102686号公報 特開2007−048738号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、低い温度でも十分な接着強度を有し、高耐熱性、高電気化学的安定性、高耐溶剤性を備えた絶縁性接着層およびそれを用いた蓄電デバイスを提供することを目的とする。
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)などのフッ素樹脂は、耐熱性、電気化学的安定性、耐溶剤性に優れており、例えば蓄電デバイスのセパレータや、絶縁性接着層に用いられるバインダ樹脂として優れた特性を有している。しかしその特徴と逆行することから、これらフッ素樹脂の可塑化を行った例は非常に少なく、その硬さゆえに接着性が悪く、接着剤として使用することは困難であると考えられてきたのが実情である。
ところで、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂(PVDF系フッ素樹脂)の接着性の悪さは、PVDF系フッ素樹脂が結晶性高分子であり、結晶化度が高いことに起因する。この高い結晶化度のため、PVDF系フッ素樹脂は高い融点を有し、そしてこの融点以上の温度にならないと高分子鎖の運動は活発にならず、良好な接着性を得ることはできない。上述のように、融点は結晶領域が自由に運動できるようになる温度であり、結晶領域が消失すると融点も消失する。そして、結晶領域が存在せず、かつ、非晶領域が運動を始めるガラス転移温度以上の温度になると、高分子鎖の運動が活発になり、良好な接着を行うことが可能になる。
また、PVDFは、融点が174℃であるのに対し、ガラス転移温度は−50℃と非常に低く、PVDF−HFP共重合体(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体)でもそのガラス転移温度は30℃とそれほど高くはない。一般にガラス転移温度は融点より低いため、結晶性高分子においては結晶領域をなくすことで、ガラス転移温度以上で高分子鎖は活発に運動し、絡み合いが起こりやすくなり、その結果として、低温での接着性を向上させることができるものと考えられる。また、結晶領域を完全になくすことはできなくても、減少させることで高分子鎖の運動性が増大し、低温での接着性を向上させることができると考えられる。
そこで、PVDF系フッ素樹脂の結晶領域を減少ないし消失させるための方策について検討を行った。
まず、フッ素樹脂は上述したように耐溶剤性が高く、そのため一般的な可塑剤では十分に相溶せず、可塑化が困難であるが、本発明のフッ素樹脂系接着剤において用いられている配合成分、すなわち、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルとポリアクリル酸エステルの混合物、および、ポリメタクリル酸エステルとポリアクリル酸エステルの共重合体は、非晶質高分子であり、かつ、PVDFと相溶することが知られている。そこで、上述の、非晶質でPVDFと相溶するポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの成分(本発明における配合成分)と、PVDFとを配合することにより、一般的な可塑剤では十分に相溶しないPVDFが相溶し、結晶領域を消失させることが可能になるのではないかと考え、実験を行った。
そして、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂に、非晶質で、相溶性を有する、ポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの上述の配合成分を配合して相溶させる(すなわち、PVDFを可塑化する)ことにより、低温での接着性が向上することを知った。
これは、ポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの上述の配合成分が非晶性高分子であるため、PVDFと相溶が進行するにつれて、PVDFの結晶領域の消失が進み、それだけ接着性が向上したものであると考えられる。
発明者等は、上述のようにして得た知見に基づいて、さらに実験、検討を行って本発明を完成した。
すなわち、本発明の絶縁性接着層は、
正極層と負極層とが、セパレータを介して積層され、かつ、前記セパレータの周囲に配設された絶縁性接着層を介して接合された構造を有する蓄電デバイスに用いられる絶縁性接着層であって、
(a)PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と、
(b)ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの混合物、および、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である配合成分と
を含むフッ素樹脂系接着剤を用いて形成されたものであること
を特徴としている。
本発明の絶縁性接着層においては、前記フッ素樹脂系接着剤に含まれる前記フッ素樹脂が、前記配合成分と前記フッ素樹脂の割合が重量比で、配合成分:フッ素樹脂=10:90〜90:10の範囲にあることが好ましい。
配合成分とフッ素樹脂の割合を、重量比で10:90〜90:10の範囲とすることにより、接着剤としてより優れた特性を実現することが可能になる。
また、前記フッ素樹脂系接着剤に含まれる前記配合成分と前記フッ素樹脂の割合が重量比で、配合成分:フッ素樹脂=20:80〜90:10の範囲にあることが好ましい。
配合成分とフッ素樹脂の割合を、重量比で20:80〜90:10の範囲とすることにより、接着剤としてさらに優れた特性を実現することができる。
また、前記フッ素樹脂系接着剤に含まれる前記配合成分と前記フッ素樹脂の割合が重量比で、配合成分:フッ素樹脂=20:80〜50:50の範囲にあることが好ましい。
配合成分とフッ素樹脂の割合を、重量比で20:80〜50:50の範囲とすることにより、十分な可塑化効果が得られ、熱的、電気化学的に安定で、耐溶剤性に優れた、フッ素樹脂の特性を十分に活かすことが可能で、しかも低温での接着性の良好なフッ素樹脂系接着剤を提供することができる。
また、本発明の絶縁性接着層は、
正極層と負極層とが、セパレータを介して積層され、かつ、前記セパレータの周囲に配設された絶縁性接着層を介して接合された構造を有する蓄電デバイスに用いられる絶縁性接着層であって、
(a)PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と、
(b)ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの混合物、および、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である配合成分と、
(c)セラミック粉末と
を含むフッ素樹脂系接着剤を用いて形成されたものであること
を特徴としている。
また、本発明の蓄電デバイスは、上記の本発明にかかる絶縁性接着層を備えていることを特徴としている。
本発明の絶縁性接着層は、正極層と負極層とが、セパレータを介して積層され、かつ、セパレータの周囲に配設された絶縁性接着層を介して接合された構造を有する蓄電デバイスに用いられる絶縁性接着層であって、(a)PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と、(b)ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの混合物、および、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である配合成分とを含むフッ素樹脂系接着剤を用いて形成されるものであり、低温での接着性に優れていることから、正極層と負極層を積層して、熱圧着する際の、熱圧着温度の低下や、圧着時間の短縮を図ることが可能になり、生産性を向上させることができる。
また、セラミック粉末を含む本発明の絶縁性接着層は、熱圧着する際の、熱圧着温度の低下や、圧着時間の短縮を可能にして、生産性を向上させることができるようになるばかりでなく、温度変化に対する寸法安定性に優れた信頼性の高い絶縁性接着層を得ることが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
また、本発明の蓄電デバイスは、本発明にかかる絶縁性接着層を備えているので、特性が良好で、信頼性の高い蓄電デバイスを提供することが可能になる。
(a)は、本発明の要件を満たさないPVDF−HFPの単独材料を用いた無機微粒子含有シートの、DSC測定(示差走査熱量測定)結果を示す図、(b)は、本発明の要件を満たす、PVDF−HFP:ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)=50:50の配合材料を用いた無機微粒子含有シートの、DSC測定(示差走査熱量測定)結果を示す図である。 本発明の実施例2にかかる蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)の構成を模式的に示す正面断面図である。 図2の蓄電デバイスのセパレータ層と絶縁性接着層の配設態様を模式的に示す平面断面図である。 本発明の実施例2にかかる蓄電デバイス用素子の製造方法の一工程において、基材フィルム上に正極集電体層を形成した状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面断面図である。 図4に示した正極集電体層上に正極活物質層を形成した状態を示す図であって、(a)は平面図、(b)は正面断面図である。 図5に示した正極集電体層上にセパレータ層を形成した状態を示す図である。 (a)は図6で示したセパレータ層の周囲に絶縁性接着層を配設することにより形成した正極集合シートを示す図、(b)は同様にして形成した負極集合シートを示す図である。 正極集合シートと、負極集合シートを互いに対向させて配置した状態を示す図である。 正極集合シートと負極集合シートを接合することにより形成した正負極集合シート示す図である。 一対の正負極集合シートを互いに対向させて配置した状態を示す図である。 一対の正負極集合シートを接合して形成した集合シート積層体を示す図である。 図11の集合シート積層体に正負極集合シートを対向させて配置した状態を示す図である。 図11の集合シート積層体と正負極集合シートとを接合して形成した複合積層体を示す図である。 本発明の実施例2で作製した積層集合体の構成を模式的に示す正面断面図である。 図14の積層集合体を分割する工程を説明する正面断面図である。 図14の積層集合体を分割して得た積層体の構成を示す正面断面図である。 図16の積層体に正負極外部端子電極を形成した状態を示す正面断面図である。 本発明の実施例3にかかる蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)を構成する積層体の一部を断面とした斜視図である。 本発明の実施例3にかかる蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)を示す正面断面図である。 本発明の実施例3における、蓄電デバイスの製造方法の一工程を示す断面図であり、(a)は基材PETフィルム上に形成された正極集合シートを吸着盤に吸引・固定する工程を示し、(b)は正極集合シートの一ブロックを打ち抜いて吸着盤に吸引・固定して基材PETフィルムから剥離する工程を示し、(c)は吸着盤に吸引・固定した正極集合シートを別の正極集合シートと貼り合わせる工程を示し、(d)は2つの正極集合シートを正極集電体層が対向するように貼り合わせた正極・正極一体化シートの断面を示し、(e)は2つの負極集合シートを負極集電体層が対向するように貼り合わせた負極・負極一体化シートの断面を示す図である。 本発明の実施例3における、蓄電デバイスの製造方法の一工程を示す断面図であり、(a)は負極一体化シート、正極・正極一体化シート、負極・負極一体化シートを貼り合わせる工程を示す図であり、(b)は正極一体化シートと負極一体化シートの間に、正極・正極一体化シートと負極・負極一体化シートとが交互に積層された積層集合体の断面を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を示して、本発明の特徴とするところを詳しく説明する。
本発明の絶縁性接着層に用いられるフッ素樹脂系接着剤は、(a)PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と、(b)ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルとポリアクリル酸エステルの混合物、および、ポリメタクリル酸エステルとポリアクリル酸エステルの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である配合成分(以下、単に「配合成分」という場合や、「ポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの配合成分」という場合がある)とを含む接着剤である。
そして、本発明の絶縁性接着層に用いられるフッ素樹脂系接着剤においては、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、PVDFセグメントを有する共重合体などが例示される。すなわち、本発明の絶縁性接着層に用いられるフッ素樹脂系接着剤においては、フッ素樹脂と配合成分とが相溶することが必要となるが、フッ素樹脂と配合成分との相溶は、フッ素樹脂が有するPVDFセグメントと、配合成分であるポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどのカルボニル基との間の相互作用により促進されることから、フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)に限られるものではなく、PVDFセグメントを有する共重合体を用いることも可能である。
また、本発明の絶縁性接着層に用いられるフッ素樹脂系接着剤において、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と相溶する物質、すなわち、配合成分としては、
(a)ポリメタクリル酸エステル、
(b)ポリアクリル酸エステル、
(c)ポリメタクリル酸エステルとポリアクリル酸エステルの混合物、
(d)ポリメタクリル酸エステルとポリアクリル酸エステルの共重合体
の少なくとも1種を用いることが可能である。
なお、ポリメタクリル酸エステルと、ポリアクリル酸エステルについては、側鎖の構造には依存せず、例えば、エチル基やブチル基であってもよい。
PVDFセグメントを有するフッ素樹脂に対して、上記(a)〜(d)の物質の少なくとも1種を配合成分として加えることで、低温での接着性が良好で、しかも、優れた耐熱性、電気化学的安定性、および耐溶剤性を備えたフッ素樹脂系接着剤を得ることができる。
なお、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と、ポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの配合成分を配合したフッ素樹脂系接着剤についてDSC測定(示差走査熱量測定)を行った結果、フッ素樹脂に対する配合成分の添加量が増えるに従い、PVDFセグメントに由来する結晶構造が減少していくことが確認され、さらに、配合成分の割合が所定の割合、例えば、配合成分:フッ素樹脂=50:50(重量比)になると、PVDFセグメントに由来する結晶領域がほぼ消失することが確認されている。
また、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂(例えば、PVDF−HFP(共重合体))と、ポリメタクリル酸エステルあるいはポリアクリル酸エステルなどの配合成分とは、任意の範囲で相溶するが、相溶による効果を確実に得るためには、少なくとも、配合成分とフッ素樹脂の割合を、重量比で10:90〜90:10の範囲とすることが望ましい。この範囲とすることにより、結晶領域の減少が認められ、低温での接着性が向上する。
ただし、接着性をさらに改善するためには、配合成分とフッ素樹脂の割合を、重量比で20:80〜90:10の範囲とすることが望ましい。
また、配合成分とフッ素樹脂の割合を、重量比で20:80〜50:50の範囲とすることにより、接着性をより確実に改善することができる。上述したように、配合成分とフッ素樹脂の割合が、重量比で50:50になると、PVDFセグメントの結晶領域はほぼ消失するため、接着性を十分に改善することができる。ただし、配合成分とフッ素樹脂の割合が50:50を超えても、接着性の改善効果は乏しく、また、電気化学的、熱的に安定で、耐溶剤性にも優れるフッ素樹脂の比率が減少することによる、特性が劣化が生じる。したがって、フッ素樹脂の特性を十分に活かす見地からは、配合成分とフッ素樹脂の割合を、重量比で20:80〜50:50の範囲とすることが望ましい。
以上を要約すると、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と、ポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの配合成分とは、互いに相溶する。そして、ポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの配合成分は、PVDFセグメントの結晶化を阻害し、フッ素樹脂の高分子鎖の運動性を向上させ、可塑化する。これによりPVDFセグメントを有するフッ素樹脂と上述の配合成分を含む本発明の絶縁性接着層に用いられるフッ素樹脂系接着剤は、低温での接着性が向上し、接着剤としての使用が可能となる。言い換えると、ポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの配合成分は、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂の可塑剤として使用することができる。
したがって、本発明によれば、高耐熱性、高電気化学的安定性、高耐溶剤性を有し、かつ、低温での接合強度の大きいフッ素樹脂系接着剤を含む絶縁性接着層を得ることが可能になる。
(a)PVDF−HFP(共重合体)(アルケマ製 Kynar2801)の単体材料、および
(b)上記PVDF−HFP(共重合体)と、ポリメタクリル酸エステルやポリアクリル酸エステルなどの配合成分とを配合した配合材料(本発明の要件を備えたフッ素樹脂系接着剤となるべき材料)
を用意した。
なお、(b)の配合材料については、PVDF−HFPと配合成分との混合比率を変化させた。
そして、上記(a)の単体材料と無機微粒子とを配合した、無機微粒子を含む無機微粒子含有シート、および上記(b)の配合材料と無機粒子とを配合した、無機微粒子含有シートを作製した。
なお、この無機微粒子含有シートにおいては、上記(a)のPVDF−HFPの単体材料、および、上記(b)のPVDF−HFPと配合成分を配合した配合材料は、有機バインダとしての機能を果たす。
そして、作製した無機微粒子含有シート(試料)とを熱圧着による接着性確認試験に供して、接着性を調べるとともに、PVDF−HFPと配合成分の割合を変化させて接着性の変化の状態を調べた。
以下に、この実施例1について詳しく説明する。
<無機微粒子含有シートの作製>
無機微粒子含有シートを構成する無機微粒子として、この実施例1では、球状アルミナ粉末を用いた。
また、有機バインダとして機能する単体材料および配合材料として以下の材料を用意した。
(1)単体材料としては、PVDF−HFP(共重合体)を用意した。
(2)配合材料としては、
(a)PVDF−HFPに、ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)を配合した配合材料、
(b)PVDF−HFPに、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)を配合した配合材料、
(c)PVDF−HFPに、ポリアクリル酸エステル混合系(アクリル酸エチルとアクリル酸ブチルの共重合体)を配合した配合材料
を用意した。
なお、以下では、場合により、上記(1)の単体材料、および、上記(2)の配合材料を、有機バインダともいう。
また、PVC(Pigment Volume Concentration(顔料体積濃度))はいずれも40%とした。なお、PVCは、下記の式(1)により算出される値である。
PVC=(無機微粒子の体積)/(無機微粒子の体積+有機バインダの体積)×100 ……(1)
無機微粒子の体積=無機微粒子の重量/無機微粒子の密度
有機バインダの体積=有機バインダの重量/有機バインダの密度
[1]有機バインダとして、上記(1)のPVDF−HFPのみ(単体材料)を用いた無機微粒子含有シートは以下のようにして作製した。
500mlのポットに無機微粒子と、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(以下NMP)を投入した。さらに5mmφのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて16時間混合し、分散を行った。
その後、PVDF−HFPの20重量%NMP溶液を所定量添加し、転動ボールミルを用いて4時間混合し、スラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法にて塗工した後、乾燥することにより厚みが25μmの無機微粒子含有シートを得た。
なお、この無機微粒子含有シートにおける、無機微粒子と、PVDF−HFP単体材料(NMP溶剤を含まず)の割合は、重量比で、60:40となるようにした。
[2]有機バインダとして、上記(2)の(a)〜(c)の配合材料を用いた無機微粒子含有シートは以下のようにして作製した。
すなわち、上記(2)の(a)のPVDF−HFPに、ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)を配合した配合材料については、PVDF−HFPとポリメタクリル酸ブチル(PBMA)を重量比で、
PVDF−HFP:PBMA=80:20
PVDF−HFP:PBMA=70:30
PVDF−HFP:PBMA=50:50
PVDF−HFP:PBMA=30:70
PVDF−HFP:PBMA=20:80
PVDF−HFP:PBMA=10:90
となるように配合した。
また、上記(2)の(b)のPVDF−HFPに、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)を配合した配合材料については、PVDF−HFPとポリメタクリル酸エチル(PEMA)を重量比で、
PVDF−HFP:PEMA=80:20
PVDF−HFP:PEMA=70:30
PVDF−HFP:PEMA=50:50
PVDF−HFP:PEMA=30:70
PVDF−HFP:PEMA=20:80
PVDF−HFP:PEMA=10:90
となるように配合した。
また、上記(2)の(c)のPVDF−HFPに、ポリアクリル酸エステル混合系(アクリル酸エチルとアクリル酸ブチルの共重合体)を配合した配合材料については、PVDF−HFPとポリアクリル酸エステル混合系を重量比で、
PVDF−HFP:ポリアクリル酸エステル混合系=80:20
となるように配合した。
そして、これらの配合材料を、NMPに溶解して、20重量%NMP溶液を作製した。
それから、上記[1]の場合と同様にして作製した無機微粒子(NMPへの分散スラリー)に、上記配合材料の20重量%NMP溶液を所定量添加し、転動ボールミルを用いて4時間混合し、スラリーを調製した。
このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法にて塗工した後、乾燥することにより厚みが25μmの無機微粒子含有シートを得た。
なお、この無機微粒子含有シートにおける、無機微粒子と、PVDF−HFPにポリメタクリル酸ブチルやポリメタクリル酸ブチルなどの配合成分を配合した配合材料(NMP溶剤を含まず)の割合は、重量比で、62:38〜69:31 となるようにした。
<無機微粒子含有シートの接着性の評価>
プレス装置に、無機微粒子含有シートの乾燥表面どうしが接着面となるように、無機微粒子含有シートの乾燥表面どうしを対向させて配置し、表1に示すような温度(60℃、80℃、100℃、120℃,150℃)条件の下に、20MPaの圧力で30秒間加圧して、無機微粒子含有シートどうしを接着した。
それから、接着した無機微粒子含有シートを剥離し、無機微粒子含有シート間の剥離に要する力の大きさ(剥離力)を調べた。
そして、無機微粒子含有シート間の剥離に要する力の大きさが1.0mN/mm以上のものを接着性良好と判定した。
この接着性試験の結果を表1に示す。
Figure 0005867044
表1に示すように、有機バインダとして、本発明の要件を満たさないPVDF−HFPの単体材料を用いた試料番号1の無機微粒子含有シートの場合、接着時の温度が150℃ではじめて良好な接着性を得ることが可能になるが、有機バインダとして、PVDF−HFPに対して上述の配合成分(ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸エチル、アクリル酸エチルとアクリル酸ブチルの共重合体)を配合した配合材料を用いた試料番号2〜14の無機微粒子含有シート(本発明の要件を満たす無機微粒子含有シート)では、150℃よりも低い温度で、良好な接着性を得ることができた。
また、配合成分(ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸エチル、アクリル酸エチルとアクリル酸ブチルの共重合体)の添加量が増えるにしたがい、低温での接着性が向上する(より低温での接着が可能になる)ことが確認された。このことから、上述の配合成分が、PVDF系フッ素樹脂の可塑剤として有効に機能していることが確認された。
また、上記効果から、高分子鎖の側鎖の構造(側鎖がエチル基であるか、ブチル基であるか)や、主鎖の構造(メタクリル酸であるかアクリル酸であるか)には依存しないことが確認された。
特に、表1の結果から、フッ素樹脂PVDF−HFP:配合成分(ポリメタクリル酸ブチル)が50:50〜10:90の試料番号4〜7の試料の場合、および、フッ素樹脂PVDF−HFP:配合成分(ポリメタクリル酸エチル)が50:50〜10:90の試料番号10〜13の試料の場合には60℃の低温で、良好な接着性が得られることが確認された。
<DSC測定結果>
上述の表1の試料番号1の、本発明の要件を満たさないPVDF−HFPの単体材料を用いた無機微粒子含有シートと、表1の試料番号4の、PVDF−HFP:ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)=50:50の配合材料を用いた無機微粒子含有シートについて、DSC測定(示差走査熱量測定)を行い、結晶領域の変化を確認した。
なお、測定条件は、以下の通りである。
雰囲気 : 空気雰囲気下
空気流量 : 20ml/min
測定温度範囲 :−100℃〜200℃
昇温速度 : 5℃/min
その結果を図1(a)aおよび図1(b)に示す。
図1(a)は、本発明の要件を満たさないPVDF−HFPの単体材料を用いた、表1の試料番号1の無機微粒子含有シートの、DSC測定(示差走査熱量測定)結果を示す図、図1(b)は、本発明の要件を満たす、PVDF−HFP:ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)=50:50の配合材料を用いた、表1の試料番号4の無機微粒子含有シートの、DSC測定(示差走査熱量測定)結果を示す図である。
図1(a)に示すように、PVDF−HFPの単体材料を用いた無機微粒子含有シートの場合、150℃付近にPVDF−HFPの融点ピークが認められ、結晶領域が存在しているが、図1(b)に示すように、PVDF−HFP:ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)=50:50の配合材料を用いた無機微粒子含有シートの場合、図1(a)においては150℃付近に認められるPVDF−HFPの融点ピークが消失することがわかる。このことから、PVDF系フッ素樹脂に、ポリメタクリル酸ブチルを配合した配合材料を有機バインダに用いた場合、PVDF−HFPと配合成分が互いに相溶し、PVDFセグメントの結晶化を阻害するため、結晶領域が減少し、高分子鎖の運動が活発になることにより、低温での接着性が向上したものであることがわかる。
なお、低温での接着性が向上するのは、他の試料、すなわち、PVDF系フッ素樹脂に、ポリメタクリル酸エチルや、アクリル酸エチルとアクリル酸ブチルの共重合体を配合した配合材料を有機バインダに用いた試料の場合も同様である。
この実施例2では、本発明の絶縁性接着層を備えた蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)について説明する。
図2は、本発明の実施例(実施例2)にかかる蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)を示す正面断面図、図3は、セパレータ層と絶縁性接着層の配設態様を模式的に示す平面断面図である。
この実施例2の電気二重層キャパシタAは、図2に示すように、正極集電体層21aの両面に正極活物質21bを設けた正極層21と、負極集電体層41aの両面に負極活物質41bを設けた負極層41とを、セパレータ層11および絶縁性接着層31を介して積層することにより形成された積層体1を備えている。積層体1の第1の端面2および第2の端面3には、正極外部端子電極21tおよび負極外部端子電極41tが形成されている。そして、積層体1は、電解液とともに、蓋体70a、ベース部70bからなるパッケージ70に収容されている。また、パッケージ70には、両端から下面側に回り込むように、正極パッケージ電極61および負極パッケージ電極62が形成されている。
そして、この実施例2の電気二重層キャパシタAにおいては、図2,3に示すように、絶縁性接着層31が、セパレータ層11の周囲を取り囲む領域に配設されており、正極層21および負極層41は、セパレータ層11と、セパレータ層11の周囲を取り囲む領域に配設された絶縁性接着層31を介して積層されている。
より具体的には、この実施例2では、正極層21を構成する正極集電体層21aと負極層41を構成する負極集電体層41aが絶縁性接着層31を介して積層され、正極層21を構成する正極活物質層21bと負極層41を構成する負極活物質層41bがセパレータ層11を介して積層され、正極活物質層21bと負極活物質層41bとは全領域がセパレータ層11を介して対向し、かつ、正極活物質層21bと負極活物質層41bの周囲の正極集電体層21aと負極集電体層41aとが、絶縁性接着層31を介して積層されている。
そして、この絶縁性接着層31は、アルミナ(無機微粒子)と、PVDF−HFP(アルケマ製 Kynar2801)とポリメタクリル酸エチルを重量比で、PVDF−HFP:ポリメタクリル酸エチル=7:3の割合で含有するフッ素樹脂系接着剤を用いて形成されている。
以下に、この電気二重層キャパシタの製造方法について説明する。
<電気二重層キャパシタの製造>
[工程1]
離型層としてワックスが塗布された基材PETフィルム上に、厚さ0.5μmのアルミニウム層を蒸着により形成した。
そして、このアルミニウム層の表面に、スクリーン印刷によりエッチングマスク用のレジストをパターン塗布し、乾燥した。エッチングマスク用のレジストとしては、関西ペイント製アレスSPRを用いた。
それから、エッチングマスク用のレジストパターンが形成されたアルミニウム層を、40℃の塩化第二鉄水溶液に浸漬し、アルミニウム層をパターニングした。
次に、パターニングされたアルミニウム層を、有機溶剤中に浸漬し、エッチングマスク用のレジストを剥離した後、硫酸とフッ酸の混合水溶液に浸漬して、アルミニウム層表面の酸化層を取り除くことにより、図4(a),(b)に示すように、複数の正極集電体層21aを基材PETフィルム100上に形成した。
[工程2] (1)活物質層用スラリーの作製
活性炭(BET比表面積1668m2/g、平均細孔直径1.83nm、平均粒子径(D50)1.26μm)29.0gと、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製「トーカブラック#3855」、BET比表面積90m2/g)2.7gとを秤量して、1000mlのポットに投入し、さらに直径2.0mmのPSZ製粉砕メディアおよび286gの脱イオン水を投入した後、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合して分散を行った。
それから、ポットに3.0gのカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製「CMC2260」)と38.8重量%のポリアクリレート樹脂水溶液2.0gを投入し、さらに2時間混合することにより活物質層用スラリーを作製した。
(2)活物質層用スラリーの塗工
版厚5μmの#500メッシュスクリーン印刷版を使用し、図4(a),(b)に示した正極集電体層21a上の活物質層塗工部に、上記の方法で作製した活物質層用スラリーをスクリーン印刷し、100℃にて30分乾燥して、厚さ6μmの正極活物質層21bを形成することにより、図5(a),(b)に示すように、正極集電体層21aと正極活物質層21bとを備えた正極層21を形成した。
なお、正極活物質層21bは、図2に示すように、積層体1の第1の端面2において正極外部端子電極21tに直接接続されないように第1の端面2から所定の距離だけ後退した領域に形成されるようにした。すなわち、活物質層用スラリーを印刷するにあたり、後述の工程6において切断されたときに、その切断面から所定の幅の未塗工領域が形成されるように活物質層用スラリーをスクリーン印刷した。
[工程3]
(1)セパレータ層用スラリーの作製 500mlのポットに球状アルミナ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)0.3μm)を100gと、溶剤としてNMPを80g投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで16時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(アルケマ製 Kynar2801)の20重量%NMP溶液67.8gを投入し、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、PVC(顔料体積濃度)が80%のセパレータ層用スラリー(セパレータ層用材料)を作製した。
(2)セパレータ層用スラリーの塗工
版厚5μmの#500メッシュスクリーン印刷版を使用し、上記の方法で作製したセパレータ層用スラリーを正極層21上(詳しくは正極活物質層21b上)に塗工し、120℃にて30分乾燥することにより、厚さ3μmのセパレータ層11を形成した(図6)。
[工程4]
(1)絶縁性接着層用スラリーの作製
500mlのポットに球状アルミナ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)0.3μm)を50gと、溶剤としてNMPを40g投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで16時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(アルケマ製 Kynar2801)とポリメタクリル酸エチルを重量比で、PVDF−HFP:ポリメタクリル酸エチル=7:3の割合で混合した配合材料を、NMPに溶解した20重量%NMP溶液(バインダ溶液)を170g投入し、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、乾燥後のPVCが40%の絶縁性接着層用スラリーを作製した。
(2)絶縁性接着層用スラリーの塗工
版厚5μmの#500メッシュスクリーン印刷版を使用し、上記の方法で作製した絶縁性接着層用スラリーをセパレータ層11を取り囲む領域の正極集電体層21a上および基材PETフィルム100上に塗工し、120℃にて30分乾燥し、厚さ10μmの絶縁性接着層31を形成した。
以上のようにして、図7(a)に示すように、正極集電体層21aとその表面に形成された正極活物質層21bからなる正極層21と、セパレータ層11と、絶縁性接着層31とを備えた正極集合シート20を基材PETフィルム100上に形成した。
同様にして、図7(b)に示すように、負極集電体層41aとその表面に形成された負極活物質層41bからなる負極層41と、セパレータ層11と、絶縁性接着層31とを備えた負極集合シート40を基材PETフィルム100上に形成した。
[工程5]
そして、正極集合シート20と負極集合シート40とを、図8に示すように、セパレータ層11や絶縁性接着層31が形成された面(基材PETフィルム100側とは逆側の面)が互いに対向するように配設し、熱圧着した。このとき、正極集合シート20を、正極集電体21a(と負極集電体41a)の位置が互いに左右方向(図8上)にずれるような態様で対向させ、熱圧着した。
これにより、図9に示すように、正極集合シート20と負極集合シート40とが接合された正極負極集合シート51が得られる。
なお、熱圧着は、加圧板の温度を80℃、加圧の圧力を20MPaとし、加圧時間はそれぞれ30秒とした。
次に、図10に示すように、2つの正極負極集合シート51どうしを、一方の正極負極集合シート51が、上下方向が逆向きになるようにして配置するとともに、対向する面側の基材PETフィルムを剥離して両者を接合させ、熱圧着することにより、図11に示すような集合シート積層体52を作製した。
熱圧着は、加圧板の温度を150℃、加圧の圧力を20MPaとし、加圧時間はそれぞれ2分とした。
さらに、図12に示すように、集合シート積層体52に正極負極集合シート51を対向させ、熱圧着することにより、図13に示すように、3つの正極負極集合シート51からなる複合積層体53を作製した。
その後、同様にして正極負極集合シート51の熱圧着を繰り返し、逐次圧着を行った。これにより、図14に示すような、正極層21と負極層41が、セパレータ層11および絶縁性接着層31を介して積層され、かつ、正極層21と負極層41が絶縁性接着層31によって接合された積層集合体50を得た。
[工程6]
次に、積層集合体50を、ダイサーにより図15の裁断線D1に沿って裁断し、個片化することにより、図16に示すような構造を有する積層体1を作製した。
この積層体1の寸法は、長さ4.7mm、幅3.3mmとなるようにした。
[工程7]
次に、図17に示すように、積層体1の第1の端面2に正極外部端子電極21tを、第2の端面3に負極外部端子電極41tを、それぞれAlスパッタにより形成した。
[工程8]
第1の端面2および第2の端面3に形成された、正極外部端子電極21tおよび負極外部端子電極41tに、導電性粒子として金を含有する導電性接着剤(図示せず)をディッピングにより塗布した。それから、図2に示すように、塗布した導電性接着剤がそれぞれ正極パッケージ電極61および負極パッケージ電極62に接続されるように、積層体1をパッケージ70のベース部70bに配置して、170℃で10分加熱して、導電性接着剤を硬化させた。
[工程9]
そして、図2に示すパッケージ70の内部に電解液を注液して、封止した。ここでは、電解液として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを減圧下で注液した。そして、パッケージ70のベース部70b上面に、ベース部70bと同じく液晶ポリマー製の蓋体70aを配置し、パッケージ70のベース部70bの枠体部分に沿ってレーザー照射することにより、ベース部70bと蓋体70aを溶着した。
これにより、図2に示すような構成を備えた蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)Aを得た。
<電気二重層キャパシタAの電気化学特性>
以上のようにして作製した電気二重層キャパシタAの電気化学特性は、直流容量が5.88mFであった。
上述のように、絶縁性接着層に使用する有機バインダとして、PVDF系フッ素樹脂とポリメタクリル酸エチルを配合してなるフッ素樹脂系接着剤を使用する(言い換えると、無機微粒子(アルミナ)を含む態様のフッ素樹脂系接着剤を用いて絶縁性接着層を構成する))ことにより、絶縁性接着層の接着性を向上し、低温、短時間での積層が可能になることが確認された。したがって、上述のフッ素樹脂系接着剤を絶縁接着層に用いることにより、生産性を向上させて、製造コストの低減を図ることが可能になる。
この実施例3は本発明が関連する発明の実施例である。この実施例3では、本発明のフッ素樹脂系接着剤を用いて形成したセパレータを備えた他の電気二重層キャパシタについて説明する。
図18は、本発明の実施例(実施例3)にかかる電気二重層キャパシタを構成する積層体の一部を断面とした斜視図、図19は、本発明の実施例3にかかる電気二重層キャパシタの正面断面図である。
この実施例3の電気二重層キャパシタBは、図19に示すように、正極集電体層121aの両面に正極活物質121bを設けた正極層121と、負極集電体層131aの両面に負極活物質131bを設けた負極層131とを、セパレータ(層)111を介して積層することにより形成され、第1の端面102および第2の端面103に、正極外部端子電極121tおよび負極外部端子電極131tが配設された積層体101(図18参照)が、電解液とともに、蓋体150a、ベース部150bからなるパッケージ150に収容され、かつ、パッケージ150には、両端から下面側に回り込むように、正極パッケージ電極141および負極パッケージ電極142が形成された構造を有している。
そして、上記のセパレータ(層)111は、アルミナ(無機微粒子)と、PVDF−HFP(アルケマ製 Kynar2801)とポリメタクリル酸エチルを重量比で、PVDF−HFP:ポリメタクリル酸エチル=7:3の割合で含有するフッ素樹脂系接着剤を用いて形成されている。
以下に、この電気二重層キャパシタBの製造方法について説明する。
[工程1]
離型層としてワックスが塗布された基材PETフィルム上に、厚さ0.5μmのアルミニウム層を蒸着により形成した。それから、形成されたアルミニウム層の表面に、スクリーン印刷によりエッチングマスクレジストをパターン塗布し、乾燥した。なお、レジストは関西ペイント製アレスSPRを用いた。
その後、このフィルムを40℃の塩化第二鉄水溶液に浸漬し、アルミニウム層をパターニングした。その後、このフィルムを有機溶剤中に浸漬し、レジストを剥離した後、硫酸とフッ酸の混合水溶液に浸漬して、アルミニウム層表面の酸化層を取り除き、正極集電体層121aを基材PETフィルム100上に形成した(図20(a)参照)。
[工程2]
(1)活物質層用スラリーの作製
活性炭(BET比表面積1668m2/g、平均細孔直径1.83nm、平均粒子径(D50)1.26μm)29.0gと、カーボンブラック(東海カーボン株式会社製「トーカブラック#3855」、BET比表面積90m2/g)2.7gとを秤量して、1000mlのポットに投入し、さらに直径2.0mmのPSZ製粉砕メディアおよび286gの脱イオン水を投入した後、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合して分散を行った。
それから、ポットに3.0gのカルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業株式会社製「CMC2260」)と38.8重量%のポリアクリレート樹脂水溶液2.0gを投入し、さらに2時間混合することにより活物質層用スラリーを作製した。
(2)活物質層用スラリーの塗工
版厚5μmの#500メッシュスクリーン印刷版を使用し、正極集電体層121a上の活物質層塗工部に上記の方法で作製した活物質層用スラリーをスクリーン印刷し、100℃にて30分乾燥して、厚さ6μmの正極活物質層121bを形成することにより、正極集電体層121aと正極活物質層121bとを備えた正極層121を形成した(図20(a)参照)。
なお、正極活物質層121bは、図19に示すように、積層体101の第1の端面102において正極外部端子電極121tに直接接続されないように第1の端面102から所定の距離だけ後退した領域に形成されるようにした。すなわち、活物質層用スラリーを印刷するにあたり、後述の工程6において切断されたときに、その切断面から所定の幅の未塗工領域が形成されるように活物質層用スラリーをスクリーン印刷した。
[工程3]
(1)セパレータ層用スラリーの作製
500mlのポットに球状アルミナ粉末(電気化学工業(株)製、平均粒子径(D50)0.3μm)を100gと、溶剤としてNMPを80g投入した。さらに直径5mmのPSZ製粉砕メディアを入れ、転動ボールミルを用いて150rpmで16時間混合し、分散を行った。その後、PVDF−HFP(アルケマ製 Kynar2801)と、ポリメタクリル酸エチルとを重量比で、PVDF−HFP:ポリメタクリル酸エチル=7:3の割合で配合した配合材料をNMPに溶解してなる20重量%NMP溶液を222g、有機バインダとして上記ポットに投入し、転動ボールミルを用いて150rpmで4時間混合し、乾燥後のPVCが50%のセパレータ層用スラリーを作製した。
(2)セパレータ層用スラリーの塗工
版厚5μmの#500メッシュスクリーン印刷版を使用し、上記の方法で作製したセパレータ層用スラリーを正極層121上に塗工し、120℃にて30分乾燥することにより、厚さ3μmのセパレータ(層)111を形成した(図20(a)参照)。
以上のようにして、セパレータ層111に複数の正極層121が形成された正極集合シートを基材PETフィルム上に形成した。
なお、同様にして、このセパレータ層111に複数の正極層121が形成された正極集合シートをもう一枚作製した。
さらに、同様にして、セパレータ層111に複数の負極層131が形成された負極集合シートを基材PETフィルム上に形成したものを2枚作製した。
[工程4]
次に、図20(a),(b)に示すように、正極集合シートのブロックを打ち抜いて吸着盤180に吸引・固定した状態で、基材PETフィルム100を剥離した。
[工程5]
次に、図20(c)に示すように、同様にして準備した基材PETフィルムが剥離された別の正極集合シートの打ち抜きブロックに、吸着盤180に吸引・固定した正極集合シートの打ち抜きブロックを、正極集電体層121aどうしが対向するように重ねて配置した。この重ねて配置された正極集合シートの両側から、図示しない加圧板で全面を均等に加圧して、正極集合シートどうしを接合した。このとき、加圧板の温度は150℃、加圧の圧力は0.05MPa、加圧時間は1分とした。
上記の工程4と工程5により、図20(d)に示す、セパレータ層111の内部に正極層121が埋設された正極・正極一体化シート120を作製した。
同様にして、図20(e)に示す、セパレータ層111の内部に負極層131が埋設された負極・負極一体化シート130を作製した。
そして、図21(a),(b)に示すように、負極集電体層131aの片面のみに負極活物質層131bが形成された負極層がセパレータ層111に埋設されてなる負極一体化シート130aの上に、正極・正極一体化シート120、負極・負極一体化シート130、正極・正極一体化シート120、負極・負極一体化シート130の順に積層、熱圧着を行い、最後に、正極集電体層121aの片面のみに正極活物質層121bが形成された正極層がセパレータ層111に埋設されてなる正極一体化シート120aを積層、熱圧着して積層集合体を形成した。
なお、熱圧着は、加圧板の温度を100℃、加圧の圧力を0.05MPaとし、加圧時間をそれぞれ1分とした。
なお、正極一体化シート120aは、図20(b)に示す正極集合シートの正極集電体121aが形成されている面に、基材PETフィルム上にセパレータ層の成分を含むスラリーを塗布、乾燥することにより作製した3μm厚のセパレータ層を貼り合わせることにより作製した。負極一体化シート130aについても、同様にして負極集合シートの負極集電体131aが形成されている面に、3μm厚のセパレータ層を貼り合わせることにより作製した。以上のようにして、この実施例3では、正極層121と負極層131がセパレータ層111によって接合された積層集合体を作製した。
[工程6]
上述のようにして工程5で作製した積層集合体を図21(b)に示す裁断線D1に沿ってダイサーにより個片化して、積層体(蓄電デバイス用素子)101(図18参照)を作製した。積層体101の寸法は、長さ4.7mm、幅3.3mmとなるようにした。
なお、以上の説明で参照した図20(a)〜(e)および図21(a),(b)では、作図上の制約により、セパレータ層111、正極層121および負極層131などを厚く描いているが、実寸法を正確に拡大または縮小したものではない。
また、明細書に添付した他の図面についても、大きさ、または、位置関係を作図上の制約または理解し易いように適宜変形または誇張して示している。
[工程7]
それから、正極外部端子電極121tと負極外部端子電極131tをAlスパッタにより形成した(図19参照)。
[工程8]
次に、第1の端面102および第2の端面103に、導電性粒子として金を含有する導電性接着剤をディッピングにより塗布して、塗布した導電性接着剤がそれぞれ正極パッケージ電極141および負極パッケージ電極142に接続されるように、積層体101をパッケージ150のベース部150bに配置し、170℃で10分加熱して、導電性接着剤を硬化させた(図19参照)。
以上の工程7および8により、第1の端面102および第2の端面103にそれぞれ正極外部端子電極121tおよび負極外部端子電極131tを形成するとともに、正極外部端子電極121tおよび負極外部端子電極131tをそれぞれ正極パッケージ電極141および負極パッケージ電極142に電気的に接続した(図19参照)。
[工程9]
そして、図19に示すパッケージ150の内部に電解液を注液して、封止した。ここでは、電解液として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートを減圧下で注液し、パッケージ150のベース部150b上面に、ベース部150bと同じく液晶ポリマー製の蓋体150aを配置し、パッケージ150のベース部150bの枠体部分に沿ってレーザー照射することにより、ベース部150bと蓋体150aを溶着した。
これにより、図19に示すような構成を備えた蓄電デバイス(電気二重層キャパシタ)Bを得た。
以上のように作製した電気二重層キャパシタの電気化学特性は、直流容量が3.56mFであった。
図19に示すような構成を備えた、この実施例3の電気二重層キャパシタBのように、セパレータ(層)に使用する有機バインダとして、PVDF系フッ素樹脂とポリメタクリル酸エチルを配合してなるフッ素樹脂系接着剤を使用する(言い換えると、無機微粒子(アルミナ)を含む態様のフッ素樹脂系接着剤を用いてセパレータを構成する)ことにより、セパレータ(層)に優れた接着性を付与することが可能になり、セパレータ(層)に、セパレータとしての機能と、絶縁性接着層としての機能を持たせることが可能になる。
したがって、製造工程において積層体を形成するにあたって、低温、短時間で、効率よく積層を行うことができる。
また、この実施例3の場合には、セパレータの他の絶縁性接着層を必要としないため、上述の実施例2のように、セパレータ(層)の周囲に別途絶縁性接着層を設けるようにした場合に比べて、さらに生産性を向上させることができる。
なお、上記実施例2および3では、PVDF−HFP(フッ素樹脂)と、ポリメタクリル酸エステル(配合成分)とを含むフッ素樹脂系接着剤であって、さらに無機微粒子とを含むフッ素樹脂系接着剤を用いて絶縁性接着層(実施例2)や、セパレータ(層)(実施例3)を形成するようにした場合を例にとって説明したが、蓄電デバイスの具体的な構成や、フッ素樹脂系接着剤の使用条件などによっては、無機微粒子を含まない組成とした場合にも、必要な特性を有する絶縁性接着層層やセパレータ(層)を形成できることが確認されている。
また、上記実施例では、電気二重層キャパシタを例にとって説明したが、本発明は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタなどにも適用することができる。
すなわち、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタは、いずれも、正極層と負極層とがセパレータ層を介して、あるいは、セパレータ層および絶縁性接着層を介して積層され、電解液とともに外包材内に収容されるという点で共通の構造を有している。
なお、リチウムイオン二次電池、あるいは、リチウムイオンキャパシタとしては、例えば、以下のような構成のものが例示される。
<リチウムイオン二次電池>
リチウムイオン二次電池では、正極集電体層として、例えば、アルミニウム箔を用い、そのアルミニウム箔上にリチウム複合酸化物を含む合剤層を正極活物質層として設けた電極を正極層として用いる。
また、負極集電体層として、例えば、銅箔を用い、その銅箔上にグラファイトを含む合剤層を負極活物質層として設けた電極を負極層として用いる。
そして、正極層と負極層とを、上述の実施例2の場合のように、セパレータ、および、本発明の絶縁性接着層を介して積層体を形成するとともに、例えば、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に1mol/lのLiPF6を溶解させたものを電解液(非水電解液)として使用することにより、リチウムイオン二次電池を得ることができる。
<リチウムイオンキャパシタ>
リチウムイオンキャパシタでは、正極集電体層として、例えば、アルミニウム箔を用い、そのアルミニウム箔上に活性炭を含む合剤層を正極活物質層として設けた電極を正極層として用いる。
また、負極集電体層として、例えば、銅箔を用い、その銅箔上にグラファイトを含む合剤層を負極活物質層として設けた電極を負極層とし、その負極層にさらにリチウムイオンをプレドープする。
そして、正極層と負極層とを、上述の実施例2の場合のように、セパレータ、および、本発明の絶縁性接着層を介して積層して積層体を形成するとともに、例えば、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒に1mol/lのLiPF6を溶解させたものを電解液(非水電解液)として使用することにより、リチウムイオンキャパシタを得ることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態や各実施例に限定されるものではなく、配合成分とフッ素樹脂の配合割合や、無機微粒子の配合割合、PVDFセグメントを有するフッ素樹脂の種類、正極層や負極層の構成材料や形成方法、蓄電要素の具体的な構成(正極層、負極層、セパレータの積層態様や積層数など)、電解液の種類などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1,101 積層体
2,102 第1の端面
3,103 第2の端面
11,111 セパレータ層
20 正極集合シート
21,121 正極層
21a,121a 正極集電体層
21b,121b 正極活物質層
21t,121t 正極外部端子電極
31 絶縁性接着層
40 負極集合シート
41,131 負極層
41a,131a 負極集電体層
41b,131b 負極活物質層
41t,131t 負極外部端子電極
50 積層集合体
51 正極負極集合シート
52 集合シート積層体
53 複合積層体
61,141 正極パッケージ電極
62,142 負極パッケージ電極
70,150 パッケージ
70a,150a 蓋体
70b,150b ベース部
100 基材PETフィルム
120 正極・正極一体化シート
120a 正極一体化シート
130 負極・負極一体化シート
130a 負極一体化シート
180 吸着盤
A,B 電気二重層キャパシタ
D1 裁断線

Claims (6)

  1. 正極層と負極層とが、セパレータを介して積層され、かつ、前記セパレータの周囲に配設された絶縁性接着層を介して接合された構造を有する蓄電デバイスに用いられる絶縁性接着層であって、
    (a)PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と、
    (b)ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの混合物、および、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である配合成分と
    を含むフッ素樹脂系接着剤を用いて形成されたものであること
    を特徴とする絶縁性接着層。
  2. 前記フッ素樹脂系接着剤に含まれる前記フッ素樹脂が、前記配合成分と前記フッ素樹脂の割合が重量比で、配合成分:フッ素樹脂=10:90〜90:10の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の絶縁性接着層。
  3. 前記フッ素樹脂系接着剤に含まれる前記配合成分と前記フッ素樹脂の割合が重量比で、配合成分:フッ素樹脂=20:80〜90:10の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の絶縁性接着層。
  4. 前記フッ素樹脂系接着剤に含まれる前記配合成分と前記フッ素樹脂の割合が重量比で、配合成分:フッ素樹脂=20:80〜50:50の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の絶縁性接着層。
  5. 正極層と負極層とが、セパレータを介して積層され、かつ、前記セパレータの周囲に配設された絶縁性接着層を介して接合された構造を有する蓄電デバイスに用いられる絶縁性接着層であって、
    (a)PVDFセグメントを有するフッ素樹脂と、
    (b)ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの混合物、および、前記ポリメタクリル酸エステルと前記ポリアクリル酸エステルの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である配合成分と、
    (c)セラミック粉末と
    を含むフッ素樹脂系接着剤を用いて形成されたものであること
    を特徴とする絶縁性接着層。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁性接着層を備えていることを特徴とする蓄電デバイス。
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