JP2006221973A - 電解液および電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電池電圧を高くしても、優れたサイクル特性を得ることができる電解液および電池に関する。
【解決手段】 セパレータ23には電解液が含浸されている。電解液には、R1R2R3R4NF・nHF(R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは1〜7の整数を表す。)で表される化合物が添加され、これが溶解することにより生じたフッ素イオンを含んでいる。これにより、電池電圧を高くしても、正極21における電解液の分解反応が抑制されるようになっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸化を防止する添加剤を添加した電解液およびそれに用いた電池に関する。
近年、ノート型携帯用コンピュータ,携帯電話あるいはカメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ)などの携帯用電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。それに伴い、これらの携帯用電子機器の電源として、軽量で高エネルギー密度を得ることができる二次電池の開発が進められている。高エネルギー密度を得ることができる二次電池としては、例えばリチウム二次電池が知られている。
このリチウム二次電池では、正極における強力な酸化作用により、電解液が分解してしまう。そこで、電解液の分解反応を抑制してサイクル特性などの電池特性を向上させるために、電解液に酸化防止剤を添加することが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平10−247517号公報 特開2001−283906号公報 特開2001−338684号公報 特開2003−123837号公報
しかしながら、電池電圧を高くすることにより放電容量の向上を図る場合、正極における酸化作用はより強力になるので、上述した酸化防止剤を添加した電解液では十分なサイクル特性を得ることができなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、耐酸化性を向上させることにより、電池電圧を高くしても、優れたサイクル特性を得ることができる電解液およびそれを用いた電池を提供することにある。
本発明による電解液は、化1に示した化合物を添加したものである。
(化1)
R1R2R3R4NF・nHF
(式中、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは1〜7の整数を表す。)
本発明による電池は、正極および負極と共に電解液を備えたものであって、電解液は、化2に示した化合物を添加したものである。
(化2)
R1R2R3R4NF・nHF
(式中、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは1〜7の整数を表す。)
本発明の電解液および電池によれば、化1あるいは化2に示した化合物を添加するようにしたので、この化合物が溶解して生じたフッ素イオンにより、例えば、電池電圧を4.25V以上の高電圧としても、正極21における電解液の分解反応を抑制することができ、優れたサイクル特性を得ることができる。
特に、電解液におけるフッ素イオンの濃度を50質量ppm以上500質量ppm以下の範囲内にするようにすれば、高い効果を得ることができる。
更に、電解液に溶媒として炭酸ビニレンを含むようにすれば、サイクル特性をより向上させることができ、特に、溶媒における炭酸ビニレンの含有量を10質量%以下にするようにすれば、更に高い効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る二次電池の断面構成を表すものである。この二次電池は、いわゆる円筒型といわれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、帯状の正極21と負極22とがセパレータ23を介して巻回された巻回電極体20を有している。電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12, 13がそれぞれ配置されている。
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体20の中心には例えばセンターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケルなどよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
図2は図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して表すものである。正極21は、例えば、対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面または片面に正極活物質層21Bが設けられた構造を有している。正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム箔などの金属材料により構成されている。
正極活物質層21Bは、例えば、正極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてグラファイトなどの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム酸化物,リチウム硫化物あるいはリチウムを含む層間化合物などのリチウム含有化合物が適当であり、これらの2種以上を混合して用いてもよい。エネルギー密度を高くするには、リチウムと遷移金属元素と酸素(O)とを含むリチウム含有化合物が好ましく、中でも、遷移金属元素として、コバルト(Co),ニッケル,マンガン(Mn)および鉄からなる群のうちの少なくとも1種を含むものであればより好ましい。具体的には、Lif CoO2 (f≒1)、Lig NiO2 (g≒1)、Lih Nij Co1-j 2 (h≒1,0<j<1)、スピネル構造を有するLik Mn2 4 (k≒1)、あるいはオリビン構造を有するLim FePO4 (m≒1)などがある。
負極22は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面または片面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Bは、例えば、銅箔などの金属材料により構成されている。
負極活物質層22Bは、例えば、負極活物質として、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じてポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素,易黒鉛化性炭素,黒鉛,熱分解炭素類,コークス類,ガラス状炭素類,有機高分子化合物焼成体,炭素繊維あるいは活性炭などの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス,ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れたサイクル特性が得られるので好ましい。更にまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、また、リチウムを吸蔵および放出することが可能であり、金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。このような材料を用いれば、高いエネルギー密度を得ることができるからである。特に、炭素材料と共に用いるようにすれば、高エネルギー密度を得ることができると共に、優れたサイクル特性を得ることができるのでより好ましい。この負極材料は金属元素あるいは半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体,共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
この負極材料を構成する金属元素あるいは半金属元素としては、例えばマグネシウム(Mg),ホウ素(B),アルミニウム,ガリウム(Ga),インジウム(In),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge),スズ(Sn),鉛(Pb),ビスマス(Bi),カドミウム(Cd),銀(Ag),亜鉛(Zn),ハフニウム(Hf),ジルコニウム(Zr),イットリウム(Y),パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)が挙げられる。これらは結晶質のものでもアモルファスのものでもよい。
中でも、この負極材料としては、短周期型周期表における4B族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えば、スズ以外の第2の構成元素として、ケイ素,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン(Ti),ゲルマニウム,ビスマス,アンチモン(Sb),およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ,ニッケル,銅,鉄,コバルト,マンガン,亜鉛,インジウム,銀,チタン,ゲルマニウム,ビスマス,アンチモンおよびクロムからなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物あるいはケイ素の化合物としては、例えば、酸素あるいは炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、更に、他の金属化合物あるいは高分子材料も挙げられる。他の金属化合物としては、MnO2 ,V2 5 ,V6 13)などの酸化物、NiS,MoSなどの硫化物、あるいはLiN3 などのリチウム窒化物が挙げられ、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどが挙げられる。
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多硬質膜により構成されており、これらの2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。
セパレータ23には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒と、この溶媒に溶解された電解質塩とを含んでいる。
溶媒としては、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの環状の炭酸エステルを用いることができ、炭酸エチレンおよび炭酸プロピレンのうちの一方、特に両方を混合して用いることが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。
溶媒としては、また、これらの環状の炭酸エステルに加えて、炭酸ジエチル,炭酸ジメチル,炭酸エチルメチルあるいは炭酸メチルプロピルなどの鎖状の炭酸エステルを混合して用いることが好ましい。高いイオン伝導性を得ることができるからである。
溶媒としては、更にまた、2,4−ジフルオロアニソールを含むこと好ましい。放電容量を改善することができるからである。
これらの他にも、溶媒としては、炭酸ブチレン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピロニトリル、N,N−ジメチルフォルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホランあるいはジメチルスルフォキシドなどが挙げれる。
なお、これらの溶媒の少なくとも一部の水素をフッ素で置換した化合物は、組み合わせる電極の種類によっては、電極反応の可逆性を向上させることができる場合があるので好ましい場合もある。
加えて、溶媒としては、炭酸ビニレンを含むことが好ましい。サイクル特性を向上させることができるからである。炭酸ビニレンの含有量は、溶媒全体に対して10質量%以下、特に0.5質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内で高い効果が得られるからである。
電解質塩としては、例えばリチウム塩が挙げられ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。リチウム塩としては、LiPF6 ,LiBF4 ,LiAsF6 ,LiClO4 ,LiB(C6 5 4 ,LiCH3 SO3 ,LiCF3 SO3 ,LiN(SO2 CF3 2 ,LiC(SO2 CF3 3 ,LiAlCl4 ,LiSiF6 ,LiCl, ジフルオロ[オキソラト−O,O’]ホウ酸リチウム,リチウムビスオキサレートボレート,あるいはLiBrなどが挙げられる。中でも、LiPF6 は高いイオン伝導性を得ることができると共に、サイクル特性を向上させることができるので好ましい。
この電解液には、化3に示した化合物が添加されている。この添加剤は、電解液において溶解し、フッ素イオンを生じるものである。これにより、電池電圧を4.25V以上の高電圧としても、正極21における電解液の分解反応が抑制され、優れたサイクル特性を得られるようになっている。フッ素イオンの濃度は、電解液全体に対して50質量ppm以上500質量ppm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内で高い効果が得られるからである。
(化3)
R1R2R3R4NF・nHF
(式中、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜5のアルキル基を表し、好ましくは、メチル基,エチル基,プロピル基あるいはブチル基である。またnは1〜7の整数を表し、好ましくは1〜5である。R1,R2,R3およびR4は同一であっても異なっていてもよい。
この二次電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製したのち、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製する。
また、例えば、負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製したのち、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させて負極合剤スラリーとする。続いて、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し乾燥させ、ロールプレス機などにより圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製する。
次いで、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。続いて、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12,13で挟み電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。そののち、電池缶11の開口端部に電池蓋14,安全弁機構15および熱感抵抗素子16をガスケット17を介してかしめることにより固定する。これにより、図1に示した二次電池が完成する。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極21からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極22に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極22からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極21に吸蔵される。その際、電解液には、化3に示した化合物が溶解して生じたフッ素イオンが含まれているので、例えば、電池電圧を4.25V以上の高電圧としても、正極21における電解液の分解反応が抑制され、サイクル特性が改善される。
このように本実施の形態によれば、化3に示した化合物を添加するようにしたので、この化合物が溶解して生じたフッ素イオンにより、例えば、電池電圧を4.25V以上の高電圧としても、正極21における電解液の分解反応を抑制することができ、優れたサイクル特性を得ることができる。
特に、電解液におけるフッ素イオンの濃度を50質量ppm以上500質量ppm以下の範囲内にするようにすれば、高い効果を得ることができる。
更に、電解液に溶媒として炭酸ビニレンを含むようにすれば、サイクル特性をより向上させることができ、特に、溶媒における炭酸ビニレンの含有量を10質量%以下にするようにすれば、更に高い効果を得ることができる。
更に、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−5)
まず、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを、Li2 CO3 :CoCO3 =0.5:1(モル比)の割合で混合し、空気中において900℃で5時間焼成して、正極活物質としてのリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。次いで、このリチウム・コバルト複合酸化物90質量部と、導電剤であるグラファイト5質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて正極合剤スラリーを作製した。続いて、正極合剤スラリーを厚み20μmのアルミニウム箔よりなる正極集電体21Aに塗布し乾燥させたのち、ロールプレス機により圧縮成型して正極活物質層21Bを形成し、正極21を作製した。そののち、正極集電体21Aの一端にアルミニウム製の正極リード25を取り付けた。
また、負極活物質として人造黒鉛を用い、この人造黒鉛90質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン10質量部とを混合して負極合剤を調製したのち、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤スラリーを作製した。続いて、負極合剤スラリーを厚み10μmの帯状銅箔よりなる負極集電体22Aの両面に均一に塗布し乾燥させたのち、ロールプレス機により圧縮成型して負極活物質層22Bを形成し、負極22を作製した。そののち、負極集電体22Aの一端にニッケル製の負極リード26を取り付けた。
正極21および負極22をそれぞれ作製したのち、厚み25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムよりなるセパレータ23を用意し、負極22,セパレータ23,正極21,セパレータ23の順に積層してこの積層体を渦巻状に多数回巻回し、巻回電極体20を作製した。
巻回電極体20を作製したのち、巻回電極体20を一対の絶縁板12,13で挟み、負極リード26を電池缶11に溶接すると共に、正極リード25を安全弁機構15に溶接して、巻回電極体20をニッケルめっきした鉄製の電池缶11の内部に収納した。そののち、電池缶11の内部に電解液を注入した。
電解液には、溶媒として炭酸エチレンと炭酸ジメチルとを、炭酸エチレン:炭酸ジメチル=70:30の質量比で混合した溶媒に、添加剤として化3に示した化合物を添加し、更に、電解質塩としてLiPF6 を溶解させたものを用いた。その際、化3に示した化合物を、実施例1−1,1−5では、(C2 5 4 NF・4HFとし、実施例1−2〜1−4では、(C2 5 4 NF・5HFとした。また、これら添加剤の添加量を変化させ、電解液におけるフッ素イオンの含有量を調整した。
電池缶11の内部に電解液を注入したのち、表面にアスファルトを塗布したガスケット17を介して電池蓋14を電池缶11にかしめることにより、直径14mm、高さ65mmの円筒型二次電池を得た。
実施例1−1〜1−5に対する比較例1−1,1−2として、添加剤を添加しなかったことを除き、他は実施例1−1〜1−5と同様にして二次電池を作製した。その際、比較例1−2では、溶媒として炭酸ビニレンを加え、溶媒における炭酸ビニレンの含有量が3質量%になるようにした。
実施例1−1〜1−5および比較例1−1,1−2の二次電池について、次のようにしてサイクル特性を調べた。まず、23℃の環境下において、600mAの定電流で電池電圧が4.5Vに達するまで定電流充電を行ったのち、4.5Vの定電圧で電流が10mAに達するまで定電圧充電を行い、引き続き、300mAの定電流で電池電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行い放電容量を測定した。続いて、23℃の環境下において、同一条件で4.5Vまで定電流定電圧充電を行い、80℃の恒温槽に30日間放置した。そののち、60℃の環境下において、300mAの定電流で電池電圧が3.5Vに達するまで定電流放電を行い、引き続き、600mAの定電流で電池電圧が4.5Vに達するまで定電流充電を行ったのち、4.5Vの定電圧で電流が10mAに達するまで定電圧充電を行う充放電を繰返し、放置前の放電容量を100とした場合に、放電容量が50となるまでのサイクル数を測定した。結果を表1に示す。
また、これらとは別に実施例1−1〜1−5および比較例1−1,1−2の二次電池を用意し、同様にして充放電を行い、80℃の恒温槽に30日間放置したのちの電解液におけるフッ素イオンの含有量を調べた。結果を表1に示す。なお、添加剤を添加しなくてもフッ素イオンが存在しているが、このフッ素イオンは電解質塩であるLiPF6 が分解することにより発生したものと考えられる。
Figure 2006221973
表1から分かるように、電解液に、添加剤として化3に示した化合物である(C2 5 4 NF・5HF、あるいは(C2 5 4 NF・4HFを添加した実施例1−1〜1−5によれば、これらを添加していない比較例1−1,1−2よりも放電容量が半減するまでのサイクル数が多かった。また、放電容量が半減するまでのサイクル数は、電解液におけるフッ素イオンの含有量が増大するに伴い多くなり、極大値を示したのち少なくなった。
すなわち、電解液に化3に示した化合物を添加するようにすれば、電池電圧を4.25V以上の高電圧としても、サイクル特性を向上させることができることが分かった。また、電解液におけるフッ素イオンの含有量は、50質量ppm以上500ppm以下の範囲内が好ましいことが分かった。
(実施例2−1〜2−3)
溶媒として炭酸エチレンおよび炭酸ジメチルに加えて、炭酸ビニレンを混合したことを除き、他は実施例1−2〜1−4と同様にして二次電池を作製した。その際、炭酸エチレン:炭酸ジメチル:炭酸ビニレン(質量比)は、実施例2−1では、65:25:10とし、実施例2−2では、67:28:5とし、実施例2−3では、68:29:3とした。
実施例2−1〜2−3の二次電池についても、実施例1−1〜1−5と同様にして、サイクル特性および電解液におけるフッ素イオンの含有量を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2006221973
表2から分かるように、溶媒として炭酸ビニレンを用いた実施例2−1〜2−3によれば、炭酸ビニレンを用いていない実施例1−2〜1−4よりも、放電容量が半減するまでのサイクル数がそれぞれ多かった。
すなわち、溶媒として炭酸ビニレンを含むようにすれば、サイクル特性をより向上させることができることが分かった。
(実施例3−1,3−2)
溶媒として炭酸エチレンおよび炭酸ジメチルに加えて、炭酸ビニレンを混合したことを除き、他は実施例1−4と同様にして二次電池を作製した。その際、炭酸エチレン:炭酸ジメチル:炭酸ビニレン(質量比)は、実施例3−1では67:28:5とし、実施例3−2では、65:25:10とした。
実施例3−1,3−2の二次電池についても、実施例1−1〜1−5と同様にして、サイクル特性を調べた。結果を表3に示す。
Figure 2006221973
表3から分かるように、炭酸ビニレンを10質量%以下の範囲内で含む実施例2−3,3−1,3−2によれば、炭酸ビニレンを含まない実施例1−4よりも放電容量が半減するまでのサイクル数が多かった。
すなわち、炭酸ビニレンを溶媒全体に対して10質量%以下の範囲内で含むようにすれば、好ましいことが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態および実施例では、巻回構造を有する円筒型の二次電池を具体的に挙げて説明したが、本発明は、コイン型,シート型,ボタン型あるいは角型などの外装部材を用いた他の形状を有する二次電池、または正極および負極を複数積層した積層構造を有する二次電池についても同様に適用することができる。
また、上記実施の形態および実施例では、電解液を用いる場合について説明したが、電解液に代えて、ゲル状電解質を用いてもよい。ゲル状電解質は、例えば、高分子化合物に電解液を保持させたものである。電解液については、上述のとおりである。高分子化合物としては、例えば、電解液を吸収してゲル化するものであればよく、そのような高分子化合物としては、例えば、ポリアクリロニトリル,ポリフッ化ビニリデン,フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体,ポリテトラフルオロエチレン,ポリヘキサフルオロプロピレン,ポリエチレンオキサイド,ポリプロピレンオキサイド,ポリフォスファゼン,ポリシロキサン,ポリ酢酸ビニル,ポリビニルアルコール,ポリメタクリル酸メチル,ポリアクリル酸,ポリメタクリル酸,スチレン−ブタジエンゴム,ニトリル−ブタジエンゴム,ポリスチレンあるいはポリカーボネートが挙げられる。特に電気化学的な安定性の点からはポリアクリロニトリル,ポリフッ化ビニリデン,ポリヘキサフルオロプロピレンあるいはポリエチレンオキサイドが好ましい。
また、上記実施の形態および実施例では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。その際、負極活物質としては、例えば上記実施の形態と同様のものなどを用いることができる。
本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を表す断面図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
符号の説明
11…電池缶、12,13…絶縁板、14…電池蓋、15…安全弁機構、15A…ディスク板、16…熱感抵抗素子、17…ガスケット、20…巻回電極体、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…セパレータ、24…センターピン、25…正極リード、26…負極リード。

Claims (8)

  1. 化1に示した化合物を添加したことを特徴とする電解液。
    (化1)
    R1R2R3R4NF・nHF
    (式中、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは1〜7の整数を表す。)
  2. フッ素イオンを50質量ppm以上500質量ppm以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項1記載の電解液。
  3. 更に、溶媒と電解質塩とを含み、
    前記溶媒は、炭酸ビニレンを含むことを特徴とする請求項1記載の電解液。
  4. 前記溶媒における前記炭酸ビニレンの含有量は、10質量%以下であることを特徴とする請求項3記載の電解液。
  5. 正極および負極と共に電解液を備えた電池であって、
    前記電解液は、化2に示した化合物を添加したことを特徴とする電池。
    (化2)
    R1R2R3R4NF・nHF
    (式中、R1,R2,R3およびR4は炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは1〜7の整数を表す。)
  6. 前記電解液は、フッ素イオンを50質量ppm以上500質量ppm以下の範囲内で含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
  7. 前記電解液は、更に、溶媒と電解質塩とを含み、この溶媒は炭酸ビニレンを含むことを特徴とする請求項5記載の電池。
  8. 前記溶媒における前記炭酸ビニレンの含有量は、10質量%以下であることを特徴とする請求項7記載の電池。
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