JP4770426B2 - 捲回型蓄電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状の集電体が捲回されてなる電極を備えた捲回型蓄電装置とその製造技術に関する。特に、当該電極の構成に関する。
種々の二次電池(例えばリチウム二次電池)や電気二重層キャパシタ等のいわゆる蓄電装置は、電気を駆動源とする車両、パソコンその他の電気製品等に搭載される電源として利用される。
このような蓄電装置の一形態として、適当な活物質等が塗布された長尺シート状の正極集電体及び負極集電体を同様のシート形状のセパレータと重ね合わせ、それらを渦巻き状に捲回して形成した電極を備えたもの(いわゆる捲回型蓄電装置)が挙げられる。捲回タイプの電極は量産化に優れるとともに高容量で高出力の蓄電装置を構築し易いため、リチウム二次電池その他の蓄電装置の電極形態としてますます採用・普及することが期待されている。例えば、特許文献1〜3には、捲回タイプの電極を備えたリチウム二次電池が記載されている。
特開2004−259485号公報 特開平9−180704号公報 特開平9−199177号公報
ところで捲回型電極特有の問題として、その構造上、渦巻即ち捲回された状態の電極の内側(中心に近い内周部分)と外側(外縁に近い外周部分)との間で性状が異なることが挙げられる。例えば、渦巻の構造上、内側は外側よりも相対的に緊縮状態にあり、外側と内側とで正負極活物質の密度が異なり得る。このため、電極内における電子やイオンその他の電極内物質の移動が一様ではなく電流密度の分布に偏りが生じるとともに、捲回型電極の外側(外周)部分において膜抵抗(電極間抵抗)が相対的に高くなりがちである。かかる電流密度の値や膜抵抗値の偏り(不均一)により、例えば車両の駆動系に使用される場合のように急速な充放電が繰り返し行われた場合には、充放電に伴う体積変化やエネルギー変化に伴う経時的な材料劣化が捲回タイプの電極の外側(外周)部分において先ず促進されがちである。このような電極の部分的な材料劣化(例えば正極活物質の結晶構造変化として顕れる)の促進は、結果的に電極全体延いては蓄電装置の短寿命化の原因ともなるため好ましくない。
そこで本発明は上述したような捲回型電極特有の構造に起因する問題を解決すべく創出されたものである。即ち本発明の目的は、捲回型電極における外側(外周)部分の偏在的劣化を抑制し、長寿命化を実現した捲回型電極を備えた蓄電装置を提供することである。
本発明によって提供される一つの蓄電装置は、正極用の活物質層を有するシート状正極集電体と負極用の活物質層を有するシート状負極集電体とがセパレータとともに捲回されて形成された電極(以下「捲回電極」という。)を備える捲回型蓄電装置である。
ここで開示される蓄電装置は、前記捲回された正極集電体及び負極集電体のうちの少なくとも一方の集電体において、前記活物質層に導電材の主体となる主導電材と該主導電材とは異質の副導電材とを含んでいる。
そして、それら正副導電材全体に占める前記副導電材の配合割合(質量比)が前記捲回された集電体の外周部分(典型的には外縁に近い捲回部分)と内周部分(典型的には渦巻中心に近い捲回部分)との間で異なっていることを特徴とする。
本明細書において「蓄電装置」とは、所定の電気エネルギーを取り出し得る蓄電素子(典型的には電池(セル)或いはキャパシタ)を備える装置をいい、特定の蓄電機構に限定されない。リチウム二次電池又はその他の二次電池、或いは、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(物理電池)は、ここでいう蓄電装置に包含される典型例である。
また、本明細書において「集電体」とは、正極又は負極を構成する集電部材をいう。
かかる構成の捲回型蓄電装置では、正負極集電体の少なくとも一方の集電体において、その表面に形成されている活物質層に含まれる導電材が上記主導電材と副導電材の少なくとも2種から構成されており、当該副導電材の配合割合を捲回電極における外周部分と内周(中心)部分との間で異ならせることによって、これら二つの部分間における電流密度(或いは膜抵抗)の差の拡大を防止する。
従って、本発明によると、捲回電極の外周部分の部位特異的に先行する材料劣化を抑え、捲回型蓄電装置の長寿命化を実現することができる。
ここで開示される捲回型蓄電装置の好適な一態様では、前記活物質層を形成する材料全体に占める前記主導電材及び副導電材合計の配合割合(質量比)は前記捲回された集電体の外周部分と内周部分との間で一致していることを特徴とする。
このように導電材自体の配合割合を捲回電極の外周部分及び内周部分でほぼ一致させることにより、これら二つの部分間において正極又は負極活物質の集電体への付着量を変動させることなく、これら二つの部分間における電流密度(或いは膜抵抗)の差の拡大を防止し得る。
従って、本構成の捲回型蓄電装置によると、所定の出力及び容量を維持しつつ蓄電装置の長寿命化を実現することができる。
ここで開示される捲回型蓄電装置の好適な他の一態様では、前記捲回された正極集電体が前記主導電材及び副導電材を含む活物質層を有する。
かかる構成の捲回型蓄電装置によると、特に捲回された正極の外周部分の劣化を抑止することができる。
ここで開示される捲回型蓄電装置の特に好適な一態様では、前記副導電材として前記主導電材よりも導電性が高い材料が使用されている。そして、導電材全体に占める該副導電材の配合割合(質量比)は、前記捲回された集電体の外周部分のほうが内周部分よりも高いことを特徴とする。好ましくはこれら主導電材及び副導電材として相対的に導電性の異なる炭素材料がそれぞれ使用される
このように、導電性の高い副導電材を捲回電極の外周部分に相対的に高い配合比で配合することにより、外周部分の導電性を向上させ、膜抵抗を抑えることができる。このため、捲回電極の外周部分の部位特異的(偏在的)な早期の劣化を効果的に抑止することができる。従って、捲回型蓄電装置の長寿命化をより効果的に実現し得る。
上記態様において特に好ましくは、前記主導電材として所定のカーボンブラックが使用されており、前記副導電材として該主導電材であるカーボンブラックよりも高導電性である他の種類のカーボンブラックが使用されていることを特徴とする。
このように相対的に導電性の異なる少なくとも2種のカーボンブラックを使用するとともに、捲回電極の外周部分において高導電性カーボンブラック(副導電材)の配合比率を高めることによって、緻密で良好な電子密度の電極外周部分(好適には正極の外周部分)を形成することができる。このため、捲回電極の外周部分の部位特異的劣化をより効果的に抑止し、捲回型蓄電装置の長寿命化をより効果的に実現し得る。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば、使用する主導電材及び副導電材の種類やそれらの組み合わせ)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、活物質層を形成するための電極材料(ペースト)の調製や蓄電装置の組立て方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明は、正極集電体及び/又は負極集電体に形成される活物質層に上述の主導電材及び副導電材を含有させるとともに該副導電材の配合割合を当該集電体の捲回された状態における外周部分(典型的には外縁に近接する捲回部分)と内周部分(典型的には中心に近接する捲回部分)との間で異ならせることによって電流密度の制御(換言すれば膜抵抗の制御)を行うことで特徴付けられる発明であり、かかる制御を行い得る捲回電極を備えた蓄電装置に広く適用し得る発明である。
例えば、本発明によって提供される蓄電装置の種類として、種々の二次電池(例えばリチウム二次電池、ニッケル水素二次電池)、或いはキャパシタ(例えば電気二重層キャパシタ)を挙げることができる。リチウム二次電池への適用が特に好適である。
正負極の少なくとも一方の極(好ましくは正極)側集電体において上述のように主導電材及び副導電材を含むものであればよく、他の電極構成要素(集電体、正極活物質、負極活物質、バインダ、電解質、等)については特に制限はない。また、捲回型である限り、電極及び該電極を備えた蓄電装置の形状やサイズに特に制限はない。
例えば本発明によって提供される蓄電装置の一典型例として、図1〜図4に模式的に示すようなリチウム二次電池10が挙げられる。
捲回電極20(図3参照)と電解質を収容し得る外装ケース12(図1参照)として適当な絶縁処理が施された金属製ケース、樹脂製ケース、或いはラミネートフィルム製のケース12を備える。
捲回電極20を構成する正極集電体22(図2)としてはアルミニウム、ニッケル、チタン等の金属から成るシート材を使用し得る。他方、捲回電極20を構成する負極集電体26(図2)としては銅等の金属から成るシート材を使用し得る。正負極集電体22,26と重ね合わされるセパレータ24としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂から成る多孔質フィルムが適当である。
正極活物質としては、一般的なリチウム二次電池に用いられる層状構造の酸化物系正極活物質、スピネル構造の酸化物系正極活物質等を好ましく用いることができる。例えば、リチウムコバルト系複合酸化物(典型的にはLiCoO)、リチウムニッケル系複合酸化物(典型的にはLiNiO)、リチウムマンガン系複合酸化物(LiMn)等を主成分とする正極活物質を用いることができる。このような正極活物質を、後述するような導電材及びバインダ(結着材)と混合して調製した活物質層形成用ペーストを正極集電体の表面に付与することにより、当該集電体表面に正極用活物質層を形成することができる。特に限定するものではないが、正極活物質100質量部に対する導電材の使用量は、例えば1〜20質量部(好ましくは5〜15質量部)の範囲とすることができる。また、正極活物質100質量部に対するバインダの使用量は、例えば0.5〜10質量部の範囲とすることができる。
他方、負極活物質としては、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む炭素材料を好適に使用することができる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も使用可能である。例えば、天然黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)等を用いることができる。正極用と同様、このような負極活物質を、バインダ及び必要に応じて導電材(正極側と同様のものを使用することができる。)と混合して調製した活物質層形成用ペーストを負極集電体の表面に付与することにより、当該集電体表面に負極用活物質層を形成することができる。特に限定するものではないが、負極活物質100質量部に対するバインダの使用量は、例えば約0.5〜10質量部の範囲とすることができる。なお、正負極それぞれの集電体に活物質層を形成する技法自体は当該分野で公知のためこれ以上の詳細な説明は省略する。
正極用活物質層及び負極用活物質層を形成するために上述したような活物質とともに使用されるバインダとしては、従来この種の二次電池の構築に使用されているものであればよく、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を好適に用いることができる。
導電材としては、種々のカーボンブラック(アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、等)、グラファイト粉末のような炭素粉末、或いはニッケル粉末等の金属粉末等を用いることができる。
本発明の実施にあたり上記主導電材及び副導電材として性状の異なる2種類の導電材を使用する場合、主導電材と副導電材とを導電性の観点から選択するとよい。即ち、捲回電極において電流密度分布の偏りを是正すべく外周部分の膜抵抗を制御するために添加される副導電材としては、導電材成分の主体を為す主導電材(典型的には炭素材料)よりも高い導電性を示す(典型的には炭素材料又は金属材料)材料が好ましい。そのような組み合わせの好適な一例として、主導電材が相対的に低導電性のカーボンブラック(例えばアセチレンブラック)であり且つ副導電材が相対的に高導電性のカーボンブラック(例えばケッチェンブラック)若しくはグラファイト粉末であることが挙げられる。このような高導電性炭素材料からなる副導電材の配合割合を外周部分において高めておくことにより、当該部分の膜抵抗の上昇を抑え、捲回された電極の外周部分と内周部分との間で、電流密度の分布に偏りが生じ難い蓄電装置を構築することができる。
本発明の実施にあたり、正負極少なくとも一方の集電体(好ましくは正極集電体)において、捲回された状態の外周部分と内周部分とで導電材全体に占める副導電材の配合割合が異なるように活物質層を形成する。
例えば、主導電材及び副導電材の添加量を適当に異ならせることにより、導電材全体に占める副導電材の配合割合が相互に異なる外周部分活物質層形成用ペーストと内周部分活物質層形成用ペーストをそれぞれ調製することができる。そして、図5に模式的に示すように、それらペーストを集電体(捲回前のシート状集電体)22の対応する部位にそれぞれ付与(塗布)することによって、副導電材の配合割合が相互に異なる外周部分活物質層23Aと内周部分活物質層23Bとを一つの集電体22の両面に形成することができる。
集電体22の長手方向に沿った外周部分活物質層23Aと内周部分活物質層23Bとの長さの比率は、特に限定されず、使用される電極構成材料(活物質等)の種類、集電体の長さ、捲回電極の形状、等に応じて適宜設定されればよい。例えば、集電体22の長手方向に沿った外周部分活物質層23Aと内周部分活物質層23Bとの長さの比率(外周部分活物質層:内周部分活物質層)は、1:1〜1:10(典型的には1:2〜1:8、例えば1:4)であり得る。
外周部分活物質層23Aと内周部分活物質層23Bとの間で活物質層全体に占める導電材の割合(含有率)は異なり得るが、活物質層全体に占める導電材の割合は外周部分と内周部分とで異ならないことが好ましい。活物質層の組成(即ち活物質及びバインダの含有率)を活物質層全体に亘って一定にすることにより捲回電極の全体に亘って充放電特性をより安定させることができる。
特に限定はしないが、導電性の比較的低い炭素材料(例えばアセチレンブラック等のカーボンブラック)を主導電材とし、導電性の比較的高い炭素材料(例えばケッチェンブラックのような高導電性カーボンブラック或いはグラファイト粉末)を副導電材とした場合、内周部分活物質層23B中における導電材全体に占める副導電材の配合割合が0.5〜5質量%であり且つ外周部分活物質層23A中における導電材全体に占める副導電材の配合割合が2〜10質量%(但し内周部分活物質層23B中における副導電材の配合割合を上回る)となるように内周部分活物質層23B及び外周部分活物質層23Aを形成するとよい。このことによって、捲回電極20の内側と外側との間で電流密度分布や膜抵抗値に偏り(不均一)が生じ難い長寿命(即ち急速充放電が繰り返されても構造変化し難い捲回電極を備える)蓄電装置、例えばリチウム二次電池を提供することができる。
本発明は、捲回電極20を構成する正負極少なくとも一方の集電体(典型的には正極集電体22)の表面に形成される活物質層23中に含まれる導電材全体に占める副導電材の配合割合を、捲回された電極20(集電体)の外周部分34に相当する部位と内周部分32に相当する部位とで異ならせることにより特徴付けられる発明であり、そのような導電材組成の異なる活物質層23を含む外周部分34及び内周部分32を有する捲回電極20を備えること以外の構成要素は、従来の蓄電装置と同様でよい。
例えば、リチウム二次電池を構築する場合、上記のような構成(組成)のペーストによって外周部分活物質層23Aと内周部分活物質層23Bとが形成された正極集電体22を負極集電体26及びセパレータ24とともに捲回して形成した捲回電極20(図3参照)を所定のケース12に収容し、一部がケース12の外部に配置される正極端子16と捲回電極20における正極集電体22の端部とを電気的に接続する。同様に、一部がケース12の外部に配置される負極端子14と捲回電極20における負極集電体26の端部とを電気的に接続する。
そして、適当な電解液(例えばLiPF等のリチウム塩を適当量含むジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒のような非水電解液)を注入し、ケース12を封止することによって本発明の蓄電装置の一典型例であるリチウム二次電池10の組み立て(構築)が完成する。尚、ケース12の封止プロセスや電解質注入プロセスは、従来のリチウム二次電池の製造で行われている手法と同様でよく、本発明を特徴付けるものではない。
以下、本発明に関する実験例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実施例:リチウム二次電池の製造>
以下のようにして円筒形標準タイプである18650型のリチウム二次電池を製造した。ここでは正極活物質としてリチウムニッケル系複合酸化物(式:LiNi0.8Co0.15Al0.052で表されるリチウム遷移金属複合酸化物)粉末を使用した。
而して、上記正極活物質85質量部、バインダとしてカルボキシメチルセルロース(CMC)5質量部、および導電材として2種類のカーボンブラック(アセチレンブラック及びケッチェンブラック)を使用しその合計で10質量部を水とともに混和し、内周部分活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストにおける2種類のカーボンブラックの配合割合は、アセチレンブラック(主導電材)83質量部に対しケッチェンブラック(副導電材)2質量部とした。
また、上記正極活物質85質量部、CMC5質量部、および導電材として2種類のカーボンブラック(アセチレンブラック及びケッチェンブラック)を使用しその合計で10質量部を水とともに混和し、外周部分活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストにおける2種類のカーボンブラックの配合割合は、アセチレンブラック(主導電材)80質量部に対しケッチェンブラック(副導電材)5質量部とした。
上記調製した2種類のペーストを使用し、正極集電体として厚み約15μmの長尺状アルミニウム箔の両面に正極活物質層を形成した。即ち、アルミニウム箔を長手方向に約3等分し、その一方の端から3分の1の部分であって捲回後に捲回電極の外周に配置される部分には上記外周部分活物質層形成用ペーストを用いて厚み約20μmの外周部分活物質層を形成した。また、残りの3分の2の部分には上記内周部分活物質層形成用ペーストを用いて厚み約20μmの内周部分活物質層を形成した。その後、全体の厚みが約40μmとなるようにプレスし、本実施例に係るシート状正極を作製した。
また、比較例として、上記内周部分活物質層形成用ペーストのみを用いて集電体の両面全体に厚み約20μmの活物質層を形成し、全体の厚みが約40μmとなるようにプレスしたシート状正極を作製した。
他方、負極活物質用の炭素材料として黒鉛粉末98質量部、バインダとしてCMC1質量部及びスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)1質量部を水とともに混和し、負極活物質層形成用ペーストを調製した。かかるペーストを用いて負極集電体としての厚み約15μmの長尺状銅箔の両面に厚み約20μmの負極活物質層を形成した。その後、全体の厚みが約40μmとなるようにプレスし、シート状負極を作製した。
こうして得られた正極(実施例又は比較例)及び負極を2枚のセパレータ(ここでは多孔質ポリエチレンシート)とともに積層し、この積層シートを捲回して捲回型電極を作製した。この電極を電解液とともに外装ケースに収容し、直径18mm、高さ65mm(即ち18650型)の円筒型リチウムイオン二次電池を構築した。電解液としては従来のリチウムイオン二次電池に用いられる電解液を特に制限なく用いることができるが、ここではエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との3:7(体積比)混合溶媒に1mol/LのLiPF6を溶解させた組成の非水電解液を用いた。
<試験例:耐久性評価>
上記実施例の正極を備えたリチウム二次電池及び上記比較例の正極を備えたリチウム二次電池について、初期抵抗値と下記条件の充放電サイクルを500〜2000サイクル行った後の内部抵抗値(耐久後抵抗値)を測定した。
即ち、環境温度25℃において、1000mA/cm2の定電流で3.75Vまで充電した後に、3.75Vで定電位充電を行い、合計充電時間が1.5時間になるまで充電を続けた。このときの充電状態(State of charge:SOC)は満充電の約60%である。その後、以下の(a)〜(f)の順に充放電を行い、各充放電後の電圧を縦軸とし且つ充放電電流を横軸とした電流(I)−電圧(V)プロット値の一次近似直線の傾きから初期抵抗値を求めた。
(a) 300mA/cm2で10秒間放電する。
(b) 300mA/cm2で10秒間充電する。
(c) 900mA/cm2で10秒間放電する。
(d) 900mA/cm2で10秒間充電する。
(e)2700mA/cm2で10秒間放電する。
(f)2700mA/cm2で10秒間充電する。
次いで、環境温度60℃において、電流密度2Cの定電流で4.1Vまで充電し、次いで同じ電流密度で3.0Vまで放電した。このサイクル(2Cの定電流で4.1Vまで充電し、3.0Vまで放電するサイクル)を計2000回繰り返した。ここで「C」は放電時間率を表す。従って、電流密度2Cとは、その電池の電池容量(Ah)に相当する電気量を0.5時間で供給し得る電流密度(A)を意味する。そして、初期抵抗値と同様、充放電後のI−Vプロット値の一次近似直線の傾きから500サイクル、1000サイクル及び2000サイクル充放電後の抵抗値(耐久後抵抗値)を求めた。而して、得られた初期抵抗値と耐久後抵抗値から各サイクル数における抵抗変化率(%:耐久後抵抗値/初期抵抗値)を求めた。
また、1000サイクル充放電後の正極活物質の劣化の指標として結晶性変化を調べた。即ち、一般的なX線回折測定により、捲回電極における内周部分(捲回の中心に近接する部位)、外周部分(捲回電極の外縁に近接する部位)及びそれらの中間部分にそれぞれ配置される正極活物質の上記充放電前後間におけるC軸の長さ変化率を求めた。
以上の結果を図6及び図7に示す。図6のグラフは上記長さ変化率(%)の結果を捲回電極における内周部分、外周部分及びそれらの中間部分について示している。また、図7のグラフは上記抵抗変化率(%)を示している。
これらグラフに示される結果から明らかなように、正極集電体の活物質層に含まれる導電材(カーボンブラック)全体に占める副導電材(高導電性カーボンブラックであるケッチェンブラック)の配合割合を電極(正極集電体)の外周部分と内周部分との間で異ならせている本実施例のリチウム電池では、捲回電極の内周部分と外周部分との間で、正極活物質の結晶性変化(C軸長さ変化)にほとんど差異は認められず、その変化の度合いも小さい。また、上記2000サイクルの充放電後も抵抗変化率は小さかった。
他方、正極集電体の活物質層に含まれる副導電材の配合割合が電極(正極集電体)の全体に亘って一定である比較例のリチウム二次電池では、特に捲回電極の外周部分の正極活物質の劣化が著しく、上記2000サイクルの充放電後の抵抗変化率も高いことが認められた。
以上の結果から、本発明の実施によって、捲回電極の特に外周部分特異的な早期の劣化を抑止し、長寿命の捲回型リチウム二次電池その他蓄電装置を提供し得ることが確認された。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述の実施例は捲回型リチウム二次電池の例であるが、捲回電極を備えた他の電池(ニッケル水素二次電池等)或いは電気二重層キャパシタ等の物理電池にも適用し得る。また、本発明の実施にあたっては、導電材全体に占める前記副導電材の配合割合(質量比)が捲回された集電体の外周部分と内周部分との間で異なる限り、導電材組成の異なる部位を上記のように集電体の外周部分とそれ以外の部分との二つに限定する必要はなく、例えば、捲回された集電体の外周部分、内周部分及びその中間部分の3部分においてそれぞれ導電材組成を異ならせてもよい。或いは、捲回された集電体の中心部分から外周部分へいくに従い副導電材(好ましくは高導電性のもの)の配合割合が漸増するようなものでもよい。
本発明に係る蓄電装置として好適なリチウム二次電池の一実施形態の外形を模式的に示す斜視図である。 一実施形態に係る捲回電極を構成する正負極集電体及びセパレータを示す一部破断の平面図である。 一実施形態に係る捲回電極の構成を模式的に示す斜視図である。 図1におけるIV−IV線断面図である。 一実施形態に係るシート状集電体であって、導電材全体に占める副導電材の配合割合(質量比)が異なる外周部分と内周部分の位置関係を模式的に示す平面図である。 一実施例についての捲回電極における内周部分、外周部分及びそれらの中間部分それぞれに配置される正極活物質の1000サイクル充放電の前後での結晶性変化率(C軸長さ変化率)を示すグラフである。縦軸は変化率(%)を示し、横軸は捲回電極における部位を示す。 一実施例についての500サイクル、1000サイクル及び2000サイクル充放電後の内部抵抗変化率を示すグラフである。縦軸は変化率(%)を示し、横軸は充放電サイクル数を示す。
符号の説明
10 蓄電装置(リチウム二次電池)
12 外装ケース
20 捲回電極
22 正極集電体
23 活物質層
23A 外周部分活物質層
23B 内周部分活物質層
24 セパレータ
26 負極集電体
32 内周部分
34 外周部分

Claims (5)

  1. 正極用の活物質層を有するシート状正極集電体と負極用の活物質層を有するシート状負極集電体とがセパレータとともに捲回されて形成された電極を備える捲回型蓄電装置であって、
    前記捲回された正極集電体及び負極集電体のうちの少なくとも一方の集電体において、前記活物質層に導電材の主体となる主導電材と該主導電材とは異質の副導電材とを含んでおり、
    導電材全体に占める前記副導電材の配合割合(質量比)は、前記集電体の捲回の中心に近い捲回部分と外縁に近い捲回部分との間で異なっていることを特徴とする、捲回型蓄電装置。
  2. 前記副導電材として前記主導電材よりも導電性が高い材料が使用されており、
    導電材全体に占める該副導電材の配合割合(質量比)は、前記捲回された集電体の外縁に近い捲回部分のほうが中心に近い捲回部分よりも高いことを特徴とする、請求項1に記載の捲回型蓄電装置。
  3. 前記主導電材として所定のカーボンブラックが使用されており、前記副導電材として該主導電材であるカーボンブラックよりも高導電性である他の種類のカーボンブラックが使用されていることを特徴とする、請求項2に記載の捲回型蓄電装置。
  4. 前記活物質層を形成する材料全体に占める前記主導電材及び副導電材合計の配合割合(質量比)は、前記集電体の外縁に近い捲回部分と中心に近い捲回部分との間で一致していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の捲回型蓄電装置。
  5. 前記捲回された正極集電体が前記主導電材及び副導電材を含む活物質層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の捲回型蓄電装置。
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