JP5854267B2 - 非水系二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は非水系二次電池に関する。
本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいい、リチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)、ニッケル水素電池などのいわゆる蓄電池を包含する。また、本明細書において「活物質」は、二次電池において電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン二次電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および離脱)可能な物質をいう。また、二次電池のうち、非水電解質(例えば、非水電解液)が電解質として用いられた二次電池を適宜に「非水系二次電池」という。
非水系二次電池について、金属箔からなる帯状の正極集電体に正極活物質層を塗工した正極と、帯状の負極集電体に負極活物質層を塗工した負極を、セパレータを介在させて重ねて、捲回した捲回電極体を、さらに扁平に押し曲げて、角型の電池ケースに収容する形態の電池が種々提案されている。例えば、特開2010−186683号公報では、扁平な捲回電極体について、特に捲回電極体の中心付近は、集電体としての電極箔の歪みが大きく、箔折れが生じるなどの問題点が挙げられている。同公報では、捲回電極体の中心付近に、正極と負極を交互に平積みした形態が例示されている。これにより、捲回電極体の中心付近を有効に活用し、エネルギ密度の高密度化を図ることができるとされている。
特開2010−186683号公報
ところで、捲回電極体を扁平に押し曲げて用いる場合、捲回電極体の内周部分では、集電体の屈曲がきつくなる。特に、中心に近づけば近づくほど、集電体の屈曲がきつくなる。集電体の屈曲がきつい部分では、集電体に塗工された活物質層が集電体から剥がれやすくなる。この点、上述した特許文献1では、捲回電極体の捲回内周部分に、正極と負極を交互に平積みした構造としている。こうすることで、捲回電極体の内周部分で集電体が鋭角に屈曲する部分がなくなる。しかし、特許文献1の構造では、捲回電極体を扁平に押し曲げる場合に比べて、正極と負極を交互に平積みした積層体を、捲回電極体の内周部分に存在させる必要があり、捲回電極体の構造が複雑になり、捲回電極体の製造に手間がかかる。集電体の屈曲がきつい部分では、集電体に塗工された活物質層が集電体から剥がれやすくなる。かかる問題は、特に負極活物質層で顕著になりやすい。そこで、特に負極について、集電体の屈曲がきつい捲回内周部分において、集電体に塗工された活物質層が集電体から剥がれにくい構造を提案する。
ここで、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池は、捲回電極体と、当該捲回電極体を収容した電池ケースと、前記電池ケースに注入された非水電解質とを備えている。ここで、捲回電極体は、正極集電体と、正極集電体に保持された正極活物質層と、負極集電体と、負極集電体に保持された負極活物質層と、正極活物質層と負極活物質層との間に介在したセパレータとを備えている。正極集電体と負極集電体とは、それぞれ帯状の部材であり、正極活物質層と負極活物質層とが互いに対向するように配置されている。また、正極集電体と負極集電体とは、捲回されており、かつ、扁平に曲げられた状態で、電池ケースに収容されている。さらに、負極活物質層は、負極活物質粒子と、バインダとを含んでいる。そして、負極活物質層の捲回内周部分における負極活物質粒子の吸油量は、負極活物質層の捲回外周部分における負極活物質粒子の吸油量よりも小さい。
かかる非水系二次電池によれば、ハイレートでの充放電が繰り返される用途で求められるような高出力を実現できるとともに、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において容量維持率を高く維持することができる。
ここで、負極活物質粒子の吸油量は、例えば、亜麻仁油の吸油量で評価されるとよい。この場合、例えば、負極活物質層の捲回内周部分の亜麻仁油の吸油量Aは、例えば、A≦46ml/100gであるとよい。また、例えば、負極活物質層の捲回外周部分の亜麻仁油の吸油量Bは、B≧48ml/100gであるとよい。
また、例えば、負極活物質層の捲回内周部分と前記負極活物質層の捲回外周部分とで、これらの部分に保持された負極活物質層に含まれる負極活物質粒子の吸油量の差が、3ml/100g以上であってもよい。
また、例えば、捲回電極体の前記負極集電体は、少なくとも3周以上捲回されている場合には、負極活物質層の捲回内周部分は、負極集電体の捲き始めから2周目までの部分として規定してもよい。この場合、負極活物質層の捲回外周部分は、捲回内周部分を除く部分と規定してもよい。
また、例えば、捲回電極体の負極集電体は、負極活物質層の捲回内周部分は、負極集電体の長さ方向において、負極集電体の全体のうち負極集電体の捲き始めから捲回内周側の10%までの部分として規定してもよい。この場合、負極活物質層の捲回外周部分は、捲回内周部分を除く部分と規定してもよい。
また、負極活物質層の捲回内周部分と捲回内周部分について、負極活物質粒子の吸油量は、例えば、これらの部分に保持された負極活物質層に含まれる負極活物質粒子の算術平均値で評価されるとよい。
また、負極活物質層中の負極活物質粒子の質量比は、例えば、96%以上であるとよい。また、負極活物質層中のバインダの質量比は、例えば、2%以下であるとよい。
また、負極活物質層中のバインダは、ゴム類を含む水系ポリマー、および、非水系ポリマーのうち、少なくとも一種類で構成されていてもよい。
図1は、リチウムイオン二次電池の構造の一例を示す図である。 図2は、リチウムイオン二次電池の捲回電極体を示す図である。 図3は、図2中のIII−III断面を示す断面図である。 図4は、正極合剤層の構造を示す断面図である。 図5は、負極合剤層の構造を示す断面図である。 図6は、捲回電極体の未塗工部と電極端子との溶接箇所を示す側面図である。 図7は、リチウムイオン二次電池の充電時の状態を模式的に示す図である。 図8は、リチウムイオン二次電池の放電時の状態を模式的に示す図である。 図9は、図1に示されるリチウムイオン二次電池について、負極シートの平面図である。 図10は、評価用セルの正極シートを示す平面図である。 図11は、評価用セルの負極シートを示す平面図である。 図12は、評価用セルの捲回電極体の捲回内周部分を示す模式図である。 図13は、評価用セルの捲回電極体を示す斜視図である。 図14は、捲回電極体の捲回内周部分を示す模式図である。 図15は、車両駆動用電池が搭載された車両を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池を図面に基づいて説明する。ここではまず、非水系二次電池の一構造例を説明し、その後、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池(リチウムイオン二次電池100)について詳細に説明する。なお、同じ作用を奏する部材、部位には適宜に同じ符号を付している。また、各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。
≪リチウムイオン二次電池100≫
図1は、リチウムイオン二次電池100を示している。このリチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、捲回電極体200と電池ケース300とを備えている。図2は、捲回電極体200を示す図である。図3は、図2中のIII−III断面を示している。
捲回電極体200は、図2に示すように、正極シート220、負極シート240およびセパレータ262、264を有している。正極シート220、負極シート240およびセパレータ262、264は、それぞれ帯状のシート材である。
≪正極シート220≫
正極シート220は、帯状の正極集電体221と正極活物質層223とを備えている。正極集電体221には、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。正極集電体221には、例えば、所定の幅を有し、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔を用いることができる。正極集電体221の幅方向片側の縁部に沿って未塗工部222が設定されている。図示例では、正極活物質層223は、図3に示すように、正極集電体221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電体221の両面に保持されている。正極活物質層223には、正極活物質が含まれている。正極活物質層223は、正極活物質を含む正極合剤を正極集電体221に塗工することによって形成されている。
≪正極活物質層223および正極活物質粒子610≫
ここで、図4は、正極シート220の断面図である。なお、図4において、正極活物質層223の構造が明確になるように、正極活物質層223中の正極活物質粒子610と導電材620とバインダ630とを大きく模式的に表している。正極活物質層223には、図4に示すように、正極活物質粒子610と導電材620とバインダ630が含まれている。
正極活物質粒子610には、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることができる物質を使用することができる。正極活物質粒子610の例を挙げると、LiNiCoMnO(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、LiNiO(ニッケル酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiFePO(リン酸鉄リチウム)などのリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。ここで、LiMnは、例えば、スピネル構造を有している。また、LiNiO或いはLiCoOは層状の岩塩構造を有している。また、LiFePOは、例えば、オリビン構造を有している。オリビン構造のLiFePOには、例えば、ナノメートルオーダーの粒子がある。また、オリビン構造のLiFePOは、さらにカーボン膜で被覆することができる。
≪導電材620≫
導電材620としては、例えば、カーボン粉末、カーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。導電材620としては、このような導電材から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。
≪バインダ630≫
また、バインダ630は、正極活物質層223に含まれる正極活物質粒子610と導電材620の各粒子を結着させたり、これらの粒子と正極集電体221とを結着させたりする。かかるバインダ630としては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた正極合剤組成物においては、セルロース系ポリマー(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など)、フッ素系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)など)、ゴム類(酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)など)などの水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた正極合剤組成物においては、ポリマー(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)など)を好ましく採用することができる。
≪増粘剤、溶媒≫
正極活物質層223は、例えば、上述した正極活物質粒子610と導電材620を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた正極合剤を作製し、正極集電体221に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、正極合剤の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。上記バインダ630として例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極合剤の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
正極合剤全体に占める正極活物質の質量割合は、凡そ50wt%以上(典型的には50〜95wt%)であることが好ましく、通常は凡そ70〜95wt%(例えば75〜90wt%)であることがより好ましい。また、正極合剤全体に占める導電材の割合は、例えば凡そ2〜20wt%とすることができ、通常は凡そ2〜15wt%とすることが好ましい。バインダを使用する組成では、正極合剤全体に占めるバインダの割合を例えば凡そ1〜10wt%とすることができ、通常は凡そ2〜5wt%とすることが好ましい。
≪負極シート240≫
負極シート240は、図2に示すように、帯状の負極集電体241と、負極活物質層243とを備えている。負極集電体241には、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この負極集電体241には、所定の幅を有し、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電体241の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部242が設定されている。負極活物質層243は、負極集電体241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電体241の両面に形成されている。負極活物質層243は、負極集電体241に保持され、少なくとも負極活物質が含まれている。負極活物質層243は、負極活物質を含む負極合剤が負極集電体241に塗工されている。
≪負極活物質層243≫
図5は、リチウムイオン二次電池100の負極シート240の断面図である。負極活物質層243には、図5に示すように、負極活物質粒子710、増粘剤(図示省略)、バインダ730などが含まれている。図5では、負極活物質層243の構造が明確になるように、負極活物質層243中の負極活物質粒子710とバインダ730とを大きく模式的に表している。
≪負極活物質粒子710≫
負極活物質粒子710としては、負極活物質として従来からリチウムイオン二次電池に用いられる材料の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。より具体的には、負極活物質は、例えば、天然黒鉛、非晶質の炭素材料でコートした天然黒鉛、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)、または、これらを組み合わせた炭素材料でもよい。なお、ここでは、負極活物質粒子710は、いわゆる鱗片状黒鉛が用いられた場合を図示しているが、負極活物質粒子710は、図示例に限定されない。
≪増粘剤、溶媒≫
負極活物質層243は、例えば、上述した負極活物質粒子710とバインダ730を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた負極合剤を作製し、負極集電体241に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、負極合剤の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。バインダ730には、上記正極活物質層223(図4参照)のバインダ630として例示したポリマー材料を用いることができる。また、上記正極活物質層223のバインダ630として例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極合剤の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
≪セパレータ262、264≫
セパレータ262、264は、図1または図2に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。この例では、図2および図3に示すように、負極活物質層243の幅b1は、正極活物質層223の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ262、264の幅c1、c2は、負極活物質層243の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
なお、図1および図2に示す例では、セパレータ262、264は、シート状の部材で構成されている。セパレータ262、264は、正極活物質層223と負極活物質層243とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。したがって、シート状の部材に限定されない。セパレータ262、264は、シート状の部材に代えて、例えば、正極活物質層223または負極活物質層243の表面に形成された絶縁性を有する粒子の層で構成してもよい。ここで、絶縁性を有する粒子としては、絶縁性を有する無機フィラー(例えば、金属酸化物、金属水酸化物などのフィラー)、或いは、絶縁性を有する樹脂粒子(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの粒子)で構成してもよい。
この捲回電極体200では、図2および図3に示すように、正極シート220と負極シート240とは、セパレータ262、264を介在させた状態で、正極活物質層223と負極活物質層243とが対向するように重ねられている。より具体的には、捲回電極体200では、正極シート220と負極シート240とセパレータ262、264とは、正極シート220、セパレータ262、負極シート240、セパレータ264の順に重ねられている。
また、この際、正極活物質層223と負極活物質層243とは、セパレータ262、264が介在した状態で対向している。そして、正極活物質層223と負極活物質層243とが対向した部分の片側に、正極集電体221のうち正極活物質層223が形成されていない部分(未塗工部222)がはみ出ている。当該未塗工部222がはみ出た側とは反対側には、負極集電体241のうち負極活物質層243が形成されていない部分(未塗工部242)がはみ出ている。また、正極シート220と負極シート240とセパレータ262、264とは、このように重ねられた状態で、正極シート220の幅方向に設定した捲回軸WLに沿って捲回されている。
≪電池ケース300≫
また、この例では、電池ケース300は、図1に示すように、いわゆる角型の電池ケースであり、容器本体320と、蓋体340とを備えている。容器本体320は、有底四角筒状を有しており、一側面(上面)が開口した扁平な箱型の容器である。蓋体340は、当該容器本体320の開口(上面の開口)に取り付けられて当該開口を塞ぐ部材である。
車載用の二次電池では、車両の燃費を向上させるため、重量エネルギ効率(単位重量当りの電池の容量)を向上させることが望まれる。この実施形態では、電池ケース300を構成する容器本体320と蓋体340は、アルミニウム、アルミニウム合金などの軽量金属が採用されている。これにより重量エネルギ効率を向上させることができる。
電池ケース300は、捲回電極体200を収容する空間として、扁平な矩形の内部空間を有している。また、図1に示すように、電池ケース300の扁平な内部空間は、捲回電極体200よりも横幅が少し広い。この実施形態では、電池ケース300は、有底四角筒状の容器本体320と、容器本体320の開口を塞ぐ蓋体340とを備えている。また、電池ケース300の蓋体340には、電極端子420、440が取り付けられている。電極端子420、440は、電池ケース300(蓋体340)を貫通して電池ケース300の外部に出ている。また、蓋体340には注液孔350と安全弁360とが設けられている。
捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに直交する一の方向において扁平に押し曲げられている。図2に示す例では、正極集電体221の未塗工部222と負極集電体241の未塗工部242は、それぞれセパレータ262、264の両側において、らせん状に露出している。図6に示すように、この実施形態では、未塗工部222、242の中間部分224、244を寄せ集め、電極端子420、440の先端部420a、440aに溶接している。この際、それぞれの材質の違いから、電極端子420と正極集電体221の溶接には、例えば、超音波溶接が用いられる。また、電極端子440と負極集電体241の溶接には、例えば、抵抗溶接が用いられる。ここで、図6は、捲回電極体200の未塗工部222(242)の中間部分224(244)と電極端子420(440)との溶接箇所を示す側面図であり、図1のVI−VI断面図である。
捲回電極体200は、扁平に押し曲げられた状態で、蓋体340に固定された電極端子420、440に取り付けられる。かかる捲回電極体200は、図1に示すように、容器本体320の扁平な内部空間に収容される。容器本体320は、捲回電極体200が収容された後、蓋体340によって塞がれる。蓋体340と容器本体320の合わせ目322(図1参照)は、例えば、レーザ溶接によって溶接されて封止されている。このように、この例では、捲回電極体200は、蓋体340(電池ケース300)に固定された電極端子420、440によって、電池ケース300内に位置決めされている。
≪電解液≫
その後、蓋体340に設けられた注液孔350から電池ケース300内に電解液が注入される。電解液は、水を溶媒としていない、いわゆる非水電解液が用いられている。この例では、電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば、体積比1:1程度の混合溶媒)にLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させた電解液が用いられている。その後、注液孔350に金属製の封止キャップ352を取り付けて(例えば溶接して)電池ケース300を封止する。なお、電解液は、ここで例示された電解液に限定されない。例えば、従来からリチウムイオン二次電池に用いられている非水電解液は適宜に使用することができる。
≪空孔≫
ここで、正極活物質層223は、例えば、正極活物質粒子610と導電材620の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間225を有している(図4参照)。かかる正極活物質層223の微小な隙間には電解液(図示省略)が浸み込み得る。また、負極活物質層243は、例えば、負極活物質粒子710の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間245を有している(図5参照)。ここでは、かかる隙間225、245(空洞)を適宜に「空孔」と称する。また、捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに沿った両側において、未塗工部222、242が螺旋状に巻かれている。かかる捲回軸WLに沿った両側252、254において、未塗工部222、242の隙間から、電解液が浸み込みうる。このため、リチウムイオン二次電池100の内部では、正極活物質層223と負極活物質層243に電解液が浸み渡っている。
≪ガス抜け経路≫
また、この例では、当該電池ケース300の扁平な内部空間は、扁平に変形した捲回電極体200よりも少し広い。捲回電極体200の両側には、捲回電極体200と電池ケース300との間に隙間310、312が設けられている。当該隙間310、312は、ガス抜け経路になる。例えば、過充電が生じた場合などにおいて、リチウムイオン二次電池100の温度が異常に高くなると、電解液が分解されてガスが異常に発生する場合がある。この実施形態では、異常に発生したガスは、捲回電極体200の両側における捲回電極体200と電池ケース300との隙間310、312を通して安全弁360の方へ移動し、安全弁360から電池ケース300の外に排気される。
かかるリチウムイオン二次電池100では、正極集電体221と負極集電体241は、電池ケース300を貫通した電極端子420、440を通じて外部の装置に電気的に接続される。以下、充電時と放電時のリチウムイオン二次電池100の動作を説明する。
≪充電時の動作≫
図7は、かかるリチウムイオン二次電池100の充電時の状態を模式的に示している。充電時においては、図7に示すように、リチウムイオン二次電池100の電極端子420、440(図1参照)は、充電器290に接続される。充電器290の作用によって、充電時には、正極活物質層223中の正極活物質からリチウムイオン(Li)が電解液280に放出される。また、正極活物質層223からは電荷が放出される。放出された電荷は、導電材(図示省略)を通じて正極集電体221に送られ、さらに、充電器290を通じて負極シート240へ送られる。また、負極シート240では電荷が蓄えられるとともに、電解液280中のリチウムイオン(Li)が、負極活物質層243中の負極活物質に吸収され、かつ、貯蔵される。
≪放電時の動作≫
図8は、かかるリチウムイオン二次電池100の放電時の状態を模式的に示している。放電時には、図8に示すように、負極シート240から正極シート220に電荷が送られるとともに、負極活物質層243に貯蔵されたリチウムイオンが、電解液280に放出される。また、正極では、正極活物質層223中の正極活物質に電解液280中のリチウムイオンが取り込まれる。
このようにリチウムイオン二次電池100の充放電において、電解液280を介して、正極活物質層223と負極活物質層243との間でリチウムイオンが行き来する。また、充電時においては、正極活物質から導電材を通じて正極集電体221に電荷が送られる。これに対して、放電時においては、正極集電体221から導電材を通じて正極活物質に電荷が戻される。
充電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、効率的で急速な充電が可能になると考えられる。放電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、電池の抵抗が低下し、放電量が増加し、電池の出力が向上すると考えられる。
≪他の電池形態≫
なお、上記はリチウムイオン二次電池の一例を示すものである。リチウムイオン二次電池は上記形態に限定されない。また、同様に金属箔に電極合剤が塗工された電極シートは、他にも種々の電池形態に用いられる。例えば、他の電池形態として、円筒型電池或いはラミネート型電池などが知られている。円筒型電池は、円筒型の電池ケースに捲回電極体を収容した電池である。また、ラミネート型電池は、正極シートと負極シートとをセパレータを介在させて積層した電池である。
以下、リチウムイオン二次電池100を例にして、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池を説明する。ここでは、適宜に、上述したリチウムイオン二次電池100の図を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池を説明する。また、ここでは、上述したリチウムイオン二次電池100と特に区別せず、同じ作用を奏する部材または部位について、適宜に同じ符号を用いて説明する。
≪本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100≫
リチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、正極シート220と、負極シート240とを備えている。正極シート220は、正極集電体221と、正極集電体221に保持された正極活物質層223とを備えている。負極シート240は、負極集電体241と、負極集電体241に保持された負極活物質層243と、正極活物質層223と負極活物質層243との間に介在したセパレータ262、264とを備えている。正極集電体221と負極集電体241とは、それぞれ帯状の部材である。ここで、正極集電体221と負極集電体241とは、正極活物質層223と負極活物質層243とが互いに対向するように配置され、捲回され、かつ、扁平に曲げられた状態で、電池ケース300に収容されている。
ここで、図9は、リチウムイオン二次電池100の負極シート240を展開した平面図である。この実施形態では、負極活物質層243は、負極集電体241の幅方向の片側の縁に沿って、負極活物質層243が形成されていない未塗工部242を有している。この実施形態では、当該未塗工部242を除いて、負極集電体241に負極活物質層243が塗工されている。
負極活物質層243は、図5に示すように、負極活物質粒子710と、バインダ730とを含んでいる。このリチウムイオン二次電池100では、図9に示すように、負極活物質層243の捲回内周部分402における負極活物質粒子710(図5参照)の吸油量は、負極活物質層243の捲回外周部分404における負極活物質粒子710(図5参照)の吸油量よりも小さい。
かかるリチウムイオン二次電池100によれば、負極活物質層243の捲回内周部分402における負極活物質粒子710(図5参照)の吸油量を小さくすることによって、負極活物質層243が負極集電体241から剥がれにくくできる。そして、負極集電体241の捲回内周部分402を除いて、負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子710の吸油量が大きい。このため、リチウムイオン二次電池100は、出力の向上を図りつつ、容量維持率を高く維持することができる。このため、特に、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において好適なリチウムイオン二次電池が提供される。
以下、かかるリチウムイオン二次電池100について、本発明者が得た知見を交えて、より詳しく説明する。
上述したように、リチウムイオン二次電池100は、充電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、効率的で急速な充電が可能になると考えられる。放電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、電池の抵抗が低下し、放電量が増加し、電池の出力が向上すると考えられる。
このように充電時の急速充電および放電時の電池出力の向上を図るには、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほどよく、このような観点において、負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子710の吸油量は高い方が望ましい。負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子710の吸油量が高いと、負極活物質粒子710が電解液に馴染み、リチウムイオンの移動がスムーズになるからである。
しかしながら、負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子710として、単純に吸油量が高い負極活物質粒子を採用すると、容量維持率(所定の使用態様における前後の電池容量の低下率)が悪くなる場合があった。かかる容量維持率の劣化は、ハイレートでの充放電が繰り返される用途、例えば、1Cを超えるような定電流で充電と放電が繰り返される用途においてより顕著となる。
このように、吸油量が高い負極活物質粒子710を採用することによって、急速充電や高出力などの観点で電池性能を向上させることができるものの、ハイレートでの充放電が繰り返される用途では、容量維持率が劣化する傾向があった。
容量維持率が劣化する原因について、本発明者が調べたところでは、負極活物質層243の一部が負極集電体241から剥がれている場合があった。負極活物質層243が負極集電体241から剥がれると、負極活物質層243から負極集電体241への電子の受け渡しができず、当該負極集電体241から剥がれた負極活物質層243が電池反応に寄与しなくなる。このため、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において、負極活物質層243が負極集電体241から部分的に剥がれたことによって容量維持率が劣化したものと考えられる。
また、充電時にリチウムイオンを吸収すると負極活物質層243は僅かながら膨張し、放電時にリチウムイオンを放出すると負極活物質層243は僅かながら収縮する。このため、ハイレートでの充放電が繰り返される用途では、負極活物質層243は膨張と収縮が激しく繰り返される。このとき、負極活物質層243の膨張と収縮に応じて、負極活物質層243と負極集電体241との界面(接着面)に歪が生じ、負極活物質層243が負極集電体241から剥がれる原因になる。このため、ハイレートでの充放電が繰り返される用途では、負極活物質層243が負極集電体241から部分的に剥がれやすいと考えられる。
さらに本発明者が詳細に分析したところでは、負極活物質層243が負極集電体241から剥がれた部位は、捲回電極体200の中心部分(捲回内周部分)に多く見られた。この原因について、本発明者が想像するところでは、捲回電極体200の中心部分(捲回内周部分)は、負極集電体241の屈曲がきつく、負極活物質層243に作用する歪も大きい。このため、特に、捲回電極体200の中心部分(捲回内周部分)において、負極活物質層243が負極集電体241から剥がれやすくなると考えられる。
このように、充電時の急速充電および放電時の高出力を実現するには、負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子710の吸油量は高い方が望ましい。しかしながら、負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子710に吸油量が大きい材料を選択した場合には、ハイレートでの充放電が繰り返される用途(例えば、ハイブリッド車や電気自動車の車両用駆動電源としての用途)で、容量維持率が劣化する場合がある。特に、捲回電極体200の中心部分(捲回内周部分)において、負極活物質層243が負極集電体241から剥がれやすい傾向がある。
さらに、このような容量維持率の劣化は、負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子710に吸油量が大きい材料を選択した場合に生じ易い。すなわち、負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子710に吸油量が大きい材料を選択した場合に、負極活物質層243が負極集電体241から剥がれ易くなる傾向がある。かかる傾向について、本発明者は、次のように考えている。
負極活物質粒子710の吸油量が大きい場合には、負極活物質粒子710の内部に空間が存在していたり、表面がざらざらであったり、バインダが入り込む隙間がある。負極活物質粒子710の吸油量が大きい場合には、相当量のバインダが当該隙間に入り込むと考えられる。このため、バインダの量が同じであれば、本来、負極活物質粒子710間、或いは、負極活物質粒子710と負極集電体241との間で、これらを結着させるように機能するバインダが不足する。このため、負極活物質層243と負極集電体241との界面で結着強度が低下すると考えられる。
これに対して、負極活物質粒子710の吸油量が小さい場合には、負極活物質粒子710の内部にバインダが入り込む空間が少ない。このため、本来、負極活物質粒子710間、或いは、負極活物質粒子710と負極集電体241との間で、これらを結着させるようにバインダが機能し易い。このため、バインダの量が同じであれば、負極活物質粒子710の吸油量が小さい方が、負極活物質層243と負極集電体241との界面で結着強度が高くなると考えられる。
また、この場合、単純に結着強度を向上させるには、バインダの使用量を多くすると良いが、バインダを多くすると、負極活物質層243中で電解液やリチウムイオンの移動が阻害される。このため、ハイレートでの充放電が繰り返される用途では、バインダの使用量を過剰に多くすることによって、負極集電体241から負極活物質層243が剥がれるのを防止することは適当でない。
かかる知見からリチウムイオン二次電池100では、図9に示すように、負極活物質層243の捲回内周部分402における負極活物質粒子710(図5参照)の吸油量を、負極活物質層243の捲回外周部分404における負極活物質粒子710(図5参照)の吸油量よりも小さくした。かかるリチウムイオン二次電池100によれば、ハイレートでの充放電が繰り返される用途においても、負極活物質層243が負極集電体241から剥がれにくくできる。また、負極集電体241の捲回内周部分402を除いて、負極活物質層243に吸油量が大きい負極活物質粒子710を採用できる。このため、リチウムイオン二次電池100は、所要の出力を実現できる。このように、このリチウムイオン二次電池100は、出力の向上を図りつつ、容量維持率を高く維持することができる。
≪吸油量≫
ここで、負極活物質粒子710の吸油量は、例えば、亜麻仁油の吸油量で評価するとよい。亜麻仁油の吸油量(mL/100g)は、JIS K6217−4「ゴム用カーボンブラック‐基本特性‐第4部:DBP吸油量の求め方」に準拠して求められる。ここでは、試薬液体としてDBP(ジブチルフタレート)に変えて亜麻仁油を用い、検査対象粉末に定速度ビュレットで滴定し、粘度特性の変化をトルク検出器によって測定する。そして、発生した最大トルクの70%のトルクに対応する、検査対象粉末の単位重量当りの試薬液体の添加量を亜麻仁油の吸油量とする。亜麻仁油の吸油量の測定器としては、例えば、株式会社あさひ総研の吸油量測定装置S410を使用するとよい。ここでは、負極活物質粒子710の吸油量を評価するのに、かかる亜麻仁油の吸油量(mL/100g)を用いた。負極活物質粒子710の亜麻仁油の吸油量(mL/100g)の測定は60gの活物質を測定器にセットして行なった。
この場合、負極活物質層243の捲回内周部分402における負極活物質粒子710の吸油量Aは、負極活物質層243の捲回内周部分402において負極活物質層243が負極集電体241から剥がれるのを防止できる程度に定めるとよい。これに対して、負極活物質層243の捲回外周部分404における負極活物質粒子710の吸油量Bは、負極活物質層243の捲回外周部分404において、負極活物質層243が負極集電体241から剥がれるのを防止でき、かつ、非水系二次電池(リチウムイオン二次電池100)の出力を向上させ得る程度であればよい。
以下、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池について、評価用セルを用いた試験をさらに説明する。
≪評価用セル≫
ここで、本発明者は、負極活物質層243の捲回内周部分402と捲回外周部分404とで、吸油量が異なる評価用セルを用意し、ハイレートで充放電が繰り返される充放電サイクル後の容量維持率を評価する試験を行なった。詳しくは、ここで用意された評価用セルは、負極活物質層243の捲回内周部分402と捲回外周部分404とで、吸油量がそれぞれ異なっている。本発明者は、かかる評価用セルを基に、捲回電極体200における剥離の有無、所定条件での充放電サイクル後の容量維持率を調べた。
≪評価用セルの正極≫
正極における正極活物質層を形成するのに正極合剤を調製した。ここで、正極合剤は、正極活物質として三元系のリチウム遷移金属酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、導電材としてアセチレンブラック(AB)、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)をそれぞれ用いた。ここでは、正極活物質と、導電材と、バインダの質量比を、正極活物質:導電材:バインダ=91:6:3とした。これら正極活物質と、導電材と、バインダとを、NMPと混合することによって正極合剤を調製した。次いで、正極合剤を正極集電体に塗布して乾燥させ、ローラプレス機にて圧延した。正極シートは、正極集電体への正極合剤の塗布量や、乾燥後の圧延量などを調整することによって、正極活物質層の厚さが調整されている。
ここで、図10は、評価用セルにおける正極シート20を示している。正極シート20は、正極集電体21の両面に正極活物質層23が塗工されている。ここでは、正極集電体21としてアルミニウム箔(厚さ:15μm、幅W1:54mm、長さL1:570mm)を用いた。正極活物質層23は、正極集電体21の捲回外周側の端から予め定められた所定の長さの範囲を未塗工部22とし、当該未塗工部22を除いて正極集電体21の両面に塗工されている。
≪評価用セルの負極≫
ここではまず、負極合剤は、負極活物質粒子としては、グラファイト(例えば、少なくとも一部が非晶質炭素膜で覆われた天然黒鉛の粒子)を用いた。また、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を用い、バインダとしてスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を用いた。ここで、負極活物質粒子と、増粘剤(CMC)と、バインダ(SBR)の質量比を、負極活物質粒子:CMC:SBR=98:1:1とした。これら負極活物質粒子と、CMCと、SBRとを、イオン交換水と混合することによって負極合剤を調製した。次いで、負極合剤を負極集電体に塗布して乾燥させ、ローラプレス機にて圧延した。負極シートは、負極集電体への負極合剤の塗布量や、乾燥後の圧延量などを調整することによって、負極活物質層の厚さが調整されている。
ここで、図11は、評価用セルにおける負極シート40を示している。負極シート40は、負極集電体41の両面に負極活物質層43が塗工されている。ここでは、負極集電体41として銅箔(厚さ:10μm、幅W2:56mm、長さL2:570mm)を用いた。負極活物質層43は、負極集電体41の捲回外周側の端から予め定められた所定の長さの範囲を未塗工部42とし、当該未塗工部42を除いて負極集電体41の両面に塗工されている。
この実施形態では、吸油量が異なる負極活物質粒子を採用した負極合剤を複数容易した。負極活物質層43は、捲回内周部分402と捲回外周部分404とで負極合剤を塗り分け、捲回内周部分402と捲回外周部分404とで負極活物質粒子の吸油量が異なる負極活物質層43を作成した。ここで、負極活物質層43の捲回内周部分402は、負極集電体41の捲回内周側の端から長さ130mmの範囲とし、当該捲回内周部分402を除いて捲回外周側の負極活物質層43を捲回外周部分404とした。
この実施形態では、図12に示すように、負極集電体41の捲回内周側の端から長さ130mmの範囲は、負極集電体41の捲回内周側の端から凡そ2周目(扁平に折り曲げた状態で凡そ3ターン目)の距離Kに相当する。
≪評価用セルのセパレータ≫
セパレータとしては、ポリプロピレン(PP)と、ポリエチレン(PE)の三層構造(PP/PE/PP)の多孔質シートからなるセパレータを用いた。ここでは、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の質量比を、PP:PE:PP=3:4:3とした。
≪評価用セルの組み立て≫
上記で作製した負極と、正極と、セパレータとを用いて、試験用のラミネート型セル(リチウムイオン二次電池)を構築した。ここでは、正極シート20の未塗工部22と、負極シート40の未塗工部42には、それぞれ短冊状の電極端子63,64が導電可能な状態で取り付けられる。正極シート20と負極シート40は、セパレータを介在させた状態で、正極活物質層23と負極活物質層43とが対向するように正極シート20と負極シート40とを重ね、捲回して捲回電極体60を作製した。そして、捲回電極体60は、図13に示すように、扁平に押し曲げる。捲回電極体60は、扁平に押し曲げられた状態で、平面視における捲回電極体60の外寸を凡そ42mm×56mmとした。
ここで、捲回電極体60は、最外周を負極シート40とする。捲回電極体60の捲回端部は、粘着テープ70によって止められる。扁平に押し曲げられた捲回電極体60は、アルミラミネートフィルムで外装し、非水電解液を注液して封口することによって評価用セルを構築した。ここで、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを、所定の体積比(EC:DMC:EMC=3:4:3)で混合溶媒に、リチウム塩としての1mol/LのLiPFを溶解させた電解液を用いた。また、電池サイズは、外寸で凡そ7cm×7cmにした。
これにより、負極活物質層43の捲回内周部分402と捲回外周部分404とで負極活物質粒子710の吸油量が異なる評価用セルを得る。なお、各評価用セルは、負極活物質層43の捲回内周部分402と捲回外周部分404とで負極活物質粒子710の吸油量が異なる点を除き、概ね同じ構成とした。
評価用セルは、それぞれ所定のコンディショニングの後、SOC60%に調整する。そして、ハイレートでの充放電が繰り返される用途での容量維持率を知るために行なわれるパルス充放電サイクル試験として「0℃パルス試験」が行なわれる。以下、コンディショニング、SOC調整、0℃パルス試験を順に説明する。
≪コンディショニング≫
ここでコンディショニングは、次の手順1、2によって行なわれる。
手順1:1Cの定電流充電にて4.1Vに到達した後、5分間休止する。
手順2:手順1の後、定電圧充電にて1.5時間充電し、5分間休止する。
≪定格容量の測定≫
上記コンディショニングの後、評価用セルについて定格容量が測定される。定格容量の測定は、次の手順1〜3によって測定されている。なお、ここでは温度による影響を一定にするため、定格容量は温度25℃の温度環境において測定されている。また、ここでは、評価用セルについてSOC0%の電池電圧を3.0Vとし、SOC100%の電池電圧を4.1Vとした。
手順1:1Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間休止する。
手順2:1Cの定電流充電によって4.1Vに到達後、定電圧充電にて2.5時間充電し、その後、10秒間休止する。
手順3:0.5Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間停止する。
ここで、手順3における定電流放電から定電圧放電に至る放電における放電容量(CCCV放電容量)を「定格容量」とする。この評価用セルでは、定格容量が凡そ40mAhになる。
≪SOC調整≫
SOC調整は、次の1、2の手順によって調整される。ここで、SOC調整は、上記コンディショニング工程および定格容量の測定の後に行なうとよい。また、ここでは、温度による影響を一定にするため、25℃の温度環境下でSOC調整を行なっている。
手順1:3Vから1Cの定電流で充電し、定格容量の凡そ60%の充電状態(SOC60%)にする(ここでは、SOC60%、電池電圧が3.66Vになるまで定電流で充電する)。
手順2:手順1の後、2.5時間、定電圧充電する(ここでは、3.66Vの定電圧で2.5時間充電する)。
これにより、評価用セルは、所定の充電状態に調整することができる。なお、ここでは、SOCを60%に調整する場合を記載しているが、手順1での充電状態を変更することにより、任意の充電状態に調整できる。例えば、SOC80%に調整する場合には、手順1において、評価用セルを定格容量の80%の充電状態(SOC80%)にするとよい。
≪0℃パルス試験≫
0℃パルス試験は、SOC60%に調整した評価用セルを用い、0℃の温度環境下において、所定のパルス充放電を1サイクルとして250サイクル行なう。図14は、0℃パルス試験における1サイクルの充放電パターンを示している。ここで1サイクルの充放電パターンは、以下の通りである。
手順1:15Cの定電流で10秒間充電(CC充電)し、10分間休止・・・(S1)
手順2:15Cの定電流で10秒間放電(CC放電)し、10分間休止・・・(S2)
ここで、手順1と手順2は充電と放電の電流値を同じ値(電流値Ax)とする。
≪初期容量Q1≫
ここで、評価用セルの初期容量Q1は、上記0℃パルス試験が行なわれる前の評価用セルについて、次の手順1〜3によって測定しておく。
手順1:SOC60%に調整した評価用セルを用意し、25℃の温度条件下において、端子間電圧が4.1Vになるまで1Cの定電流にて充電し、続いて合計充電時間が2.5時間になるまで4.1Vの定電圧で充電した(CC−CV充電)。
手順2:手順1の充電完了から10分間休止した後、4.1Vから0.33Cの定電流で3.0Vになるまで放電する(CC放電)。
手順3:手順2のCC放電完了から10分間休止した後、さらに合計放電時間が4時間になるまで3.0Vの定電圧で放電する(CC−CV放電)。
手順4:手順3のCC−CV放電完了から10分間休止し、手順2および手順3で放電された容量を、評価用セルの初期容量[Ah]とした。
≪サイクル後容量Q2、サイクル後容量維持率≫
サイクル後容量[Ah]は、上述した0℃パルス試験後の評価用セルを、上記初期容量と同じ条件で充電と放電を行った際の評価用セルの容量である。ここで、サイクル後容量維持率は、初期容量をQ1、サイクル後容量をQ2とし、次式により、サイクル後の容量維持率を算出した。
サイクル後容量維持率=(サイクル後容量Q2)/(初期容量Q1)×100[%];
かかるサイクル後容量維持率によれば、評価用セルが上記のようなハイレートでの充放電が繰り返される用途において、容量がどの程度劣化するかが評価できる。
≪剥離の有無≫
剥離の有無は、評価用セルに用いられた捲回電極体60について、同様に作成した捲回電極体60を扁平に押し曲げ、その後、展開して、負極集電体41から負極活物質層43が剥がれているかを評価した。これにより、負極集電体41と負極活物質層43の結着強度(剥離強度)が弱い場合には、負極集電体41から負極活物質層43が剥がれてしまう。このため、特に、捲回電極体60のように捲回され、扁平に押し曲げられることに対する、負極集電体41と負極活物質層43の結着強度(剥離強度、結着耐久性)を評価できる。
本発明者は、例えば、表1に示すように、負極活物質層43の捲回内周部分402の吸油量と、捲回外周部分404の吸油量が異なる種々のサンプルを用意した。そして、それぞれ捲回電極体60を扁平に押し曲げた後の剥離の有無、および、上述した0℃パルス試験後の容量維持率(サイクル後容量維持率)を評価した。
Figure 0005854267
表1に示すように、負極活物質層43の捲回内周部分402における負極活物質粒子の吸油量は、負極活物質層43の捲回外周部分404における負極活物質粒子の吸油量よりも小さいとよい(例えば、サンプル1〜サンプル6)。また、かかる評価用セルは、いわゆるラミネート型の電池であるが、他の形態、例えば、図1に示されるような角型電池においても、同様の傾向が得られる。
このように、本発明者の知見によれば、負極活物質層43の捲回内周部分402の亜麻仁油の吸油量Aは、負極活物質層43の捲回内周部分402において、負極活物質層43が負極集電体41から剥がれるのを防止できる程度に定めるとよい。例えば、負極活物質層43の捲回内周部分402の亜麻仁油の吸油量Aは、A≦46ml/100g、より好ましくはA≦45ml/100g、さらに好ましくはA≦43ml/100gであるとよい。これにより、負極活物質層43の捲回内周部分402は、扁平に押し曲げられることに対する剥離強度(耐久性)が高くなる。これにより、リチウムイオン二次電池(非水系二次電池)は、バインダの使用量を抑えつつ、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において、容量維持率を高く維持できる。
また、負極活物質層43の捲回内周部分402と負極活物質層43の捲回外周部分404とで、これらの部分に保持された負極活物質層43に含まれる負極活物質粒子710の吸油量の差は、例えば、3ml/100g以上、より好ましくは、5ml/100g以上であるとよい。
さらに、負極活物質層43の捲回外周部分404の亜麻仁油の吸油量Bは、負極活物質層43の捲回外周部分404において、負極活物質層43が負極集電体41から剥がれるのを防止でき、かつ、非水系二次電池(リチウムイオン二次電池100)の出力を向上させ得る程度であればよい。例えば、負極活物質層43の捲回外周部分404の亜麻仁油の吸油量Bは、B≧48ml/100g、より好ましくはB≧50ml/100g、さらに好ましくはB≧53ml/100gであるとよい。これにより、バインダの使用量を抑えつつ、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において、容量維持率を高く維持できる。さらに、捲回外周部分404で、負極活物質粒子の吸油量が高く、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において、急速充電、高出力という観点において、高い電池性能が実現される。
表1に示されるように、例えば、負極活物質層43の捲回内周部分402の亜麻仁油の吸油量Aは、A≦46ml/100gであり、かつ、負極活物質層43の捲回外周部分404の亜麻仁油の吸油量Bは、B≧48ml/100gであるとよい(例えば、サンプル1〜9)。これにより、扁平に押し曲げられた捲回電極体60について、負極活物質層43の剥離が防止され、かつ、0℃パルス試験でのサイクル後容量維持率が90%以上と高く維持される。この場合、さらに負極活物質層43の捲回外周部分404の亜麻仁油の吸油量Bは、B≧50ml/100gであるとよい(例えば、サンプル1〜6)。これにより、0℃パルス試験でのサイクル後容量維持率を98%以上と格段に高く維持することができる。
また、表1から見られる傾向として、サンプル10〜12では、扁平に押し曲げられた捲回電極体60について、負極活物質層43の剥離が防止されているが、かつ、0℃パルス試験でのサイクル後容量維持率が劣化している。
また、サンプル13〜サンプル28では、負極活物質層43の捲回内周部分402の亜麻仁油の吸油量Aは、凡そA≧48.8ml/100gであり、扁平に押し曲げられた捲回電極体60について、凡そ負極活物質層43の剥離が生じている。
かかる傾向は、上述したラミネート型の評価用セルに限定されず、角型など、扁平に押し曲げられた捲回電極体を有する、他の構造の電池においても、同じような傾向が得られうる。
また、上述した評価用セルでは、負極活物質層に含まれるバインダの割合は、負極活物質粒子と、増粘剤(CMC)と、バインダ(SBR)の質量比を、負極活物質粒子:CMC:SBR=98:1:1としたが、本発明は、必ずしもこれに限定されない。すなわち、負極活物質層に含まれるバインダの割合はあまりに多すぎると、電解液の移動を阻害し、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において、そもそも必要な電池性能が得られない。本発明は、負極活物質層中の負極活物質粒子の質量比が、凡そ96%以上、より好ましくは97%以上であり、バインダの質量比は凡そ2%以下、より好ましくは1.5%以下であるとよい。
また、上述した評価用セルでは、負極活物質層中のバインダとしてSBRが用いられている。本発明では、負極活物質層中のバインダは、かかるSBRに限定されず、ゴム類を含む水系ポリマー、および、非水系ポリマーのうち少なくとも一種類で構成されているとよい。
≪捲回内周部分402、捲回外周部分404≫
ところで、上述したように、捲回電極体の負極集電体が、少なくとも3周以上捲回されているような場合には、負極活物質層の捲回内周部分は、例えば、負極集電体の捲き始めから凡そ2周目までの部分として規定するとよい。
捲回電極体によっては、負極集電体の捲き始めの位置が、大きくばらつくような場合もある。このような場合には、負極活物質層の捲回内周部分は、例えば、負極集電体の長さ方向において、負極集電体の全体のうち負極集電体の捲き始めから捲回内周側の10%までの部分、あるいは、負極集電体の捲き始めから捲回内周側の15%までの部分、として定めるとよい。そして、当該負極活物質層の捲回外周部分は、当該捲回内周部分を除く部分とするとよい。
また、捲回内周部分402および捲回外周部分404について、負極活物質粒子の吸油量は、例えば、これらの部分に保持された負極活物質層に含まれる負極活物質粒子の算術平均値で評価するとよい。この場合、これらの部分に塗工される負極合剤に含ませる負極活物質粒子の粉体からサンプルをとって、負極活物質粒子の吸油量を測定してもよい。また、非水系二次電池の負極活物質層を、負極集電体から剥がし、バインダを焼失させるなどして、負極活物質粒子を分離し、当該負極活物質粒子について吸油量を測定してもよい。
以上、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池を、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明した。本発明に係る非水系二次電池は、特に言及されない限りにおいて、上述したリチウムイオン二次電池に限定されない。
本発明によれば、捲回電極体の捲回内周部分において、負極活物質層が負極集電体から剥がれにくくなる。さらに、捲回電極体の捲回外周部分において、負極活物質層に含まれる負極活物質粒子に吸油量が大きい材料を選択できるので、ハイレートでの充放電が繰り返される用途(例えば、ハイブリッド車や電気自動車の車両用駆動電源としての用途)で、所要の高い出力を発揮でき、かつ、容量維持率が劣化するのを防止できる。このように、負極活物質層に含まれる負極活物質粒子に吸油量が大きい材料を用いる際の背反作用として、ハイレートでの充放電が繰り返される用途での容量維持率が劣化するのを防止できる。また、バインダの使用量を多くせずに、捲回電極体の捲回内周部分で、負極活物質層が負極集電体から剥がれにくくなるので、ハイレートでの充放電が繰り返される用途で求められる出力特性を実現できる。
また、このように本発明の一実施形態に係る非水系二次電池は、特に、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において、容量維持率を高く維持することができるとともに、高出力特性を発揮できる。そして、高出力特性を発揮させるべく、吸油量が高い負極活物質粒子を採用した場合において、容量維持率が低下することが無く、トレードオフの関係が解決されている。このため、ハイレートでの充放電サイクルに対する容量維持率と、高出力特性が、何れも高い性能を発揮できる。このため、プラグインハイブリッド車若しくは電気自動車などの駆動用電池(車両駆動用電池)として好適な非水系二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)が提供されうる。
この場合、例えば、図15に示すように、リチウムイオン二次電池を複数個接続して組み合わせた組電池の形態で、自動車などの車両1のモータ(電動機)を駆動させる車両駆動用電池1000として好適に利用され得る。かかる車両駆動用電池1000は、ハイブリッド車(特に、プラグインハイブリッド車)若しくは電気自動車の駆動用電池として好適であり、例えば、定格容量が3.0Ah以上のリチウムイオン二次電池が求められる用途に好適である。
1 車両
20 正極シート
21 正極集電体
22 未塗工部
23 正極活物質層
40 負極シート
41 負極集電体
43 負極活物質層
60 捲回電極体
63,64 電極端子
100 リチウムイオン二次電池
200 捲回電極体
220 正極シート
221 正極集電体
222 未塗工部
223 正極活物質層
224 中間部分
225 隙間
240 負極シート
241 負極集電体
242 未塗工部
243 負極活物質層
245 隙間
262 セパレータ
264 セパレータ
280 電解液
290 充電器
300 電池ケース
310 隙間
320 容器本体
340 蓋体
350 注液孔
352 封止キャップ
360 安全弁
402 捲回内周部分
404 捲回外周部分
420 電極端子
440 電極端子
610 正極活物質粒子
620 導電材
630 バインダ
710 負極活物質粒子
730 バインダ
1000 車両駆動用電池

Claims (8)

  1. 捲回電極体と、
    当該捲回電極体を収容した電池ケースと、
    前記電池ケースに注入された非水電解質と
    を備え、
    前記捲回電極体は、
    正極集電体と、
    前記正極集電体に保持された正極活物質層と、
    負極集電体と、
    前記負極集電体に保持された負極活物質層と、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に介在したセパレータと
    を備え、
    前記正極集電体と前記負極集電体とは、
    それぞれ帯状の部材であり、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層とが互いに対向するように配置され、
    捲回されており、かつ、前記扁平に曲げられた状態で、前記電池ケースに収容されており、
    前記負極活物質層は、負極活物質粒子と、バインダとを含み、
    前記負極活物質層の捲回内周部分における前記負極活物質粒子の亜麻仁油の吸油量Aは、A≦46ml/100gであり、
    前記負極活物質層の捲回外周部分における前記負極活物質粒子の亜麻仁油の吸油量Bは、B≧48ml/100gである、
    非水系二次電池。
  2. 前記吸油量Bは、B≧50ml/100gである、請求項1に記載された非水系二次電池。
  3. 前記負極活物質層の捲回内周部分と前記負極活物質層の捲回外周部分とで、これらの部分に保持された負極活物質層に含まれる負極活物質粒子の吸油量の差が3ml/100g以上である、請求項1または2に記載された非水系二次電池。
  4. 前記捲回電極体の前記負極集電体は、少なくとも3周以上捲回されており、
    前記負極活物質層の捲回内周部分は、負極集電体の捲き始めから2周目までの部分であり、
    前記負極活物質層の捲回外周部分は、前記捲回内周部分を除く部分であり、
    前記負極活物質粒子の吸油量は、これらの部分に保持された負極活物質層に含まれる負極活物質粒子の吸油量の算術平均値で評価される、請求項1からまでの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  5. 前記捲回電極体の前記負極集電体は、
    前記負極活物質層の捲回内周部分は、負極集電体の長さ方向において、負極集電体の全体のうち負極集電体の捲き始めから捲回内周側の10%までの部分であり、
    前記負極活物質層の捲回外周部分は、前記捲回内周部分を除く部分であり、
    前記負極活物質粒子の吸油量は、これらの部分に保持された負極活物質層に含まれる負極活物質粒子の算術平均値で評価される、請求項1からまでの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  6. 前記負極活物質層中の負極活物質粒子の質量比が96%以上である、請求項1からまでの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  7. 前記負極活物質層中のバインダの質量比が2%以下である、請求項1からまでの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  8. 前記負極活物質層中のバインダは、ゴム類を含む水系ポリマー、および、非水系ポリマーのうち、少なくとも一種類で構成されている、請求項1からまでの何れか一項に記載された非水系二次電池。
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