JP2000195556A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池Info
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Abstract
つ、充放電サイクル特性に優れた電池を提供する。 【解決手段】 正極板2と負極板3がセパレータ4を介
して渦巻状に巻回して構成された電池において、最外周
部分の負極板の合剤充填密度が1周以上にわたって他の
内周部分の負極板よりも低いことにより充放電での極板
群内からの有効電解液の排出を抑え、その結果、高容量
で、かつサイクル特性に優れた非水電解液二次電池が得
られる。
Description
池に関するものである。
コードレス化が急速に進んでいる。現在、これら電子機
器の駆動用電源としての役割を、ニッケル−カドミウム
電池,ニッケル−水素電池あるいは密閉型小型鉛蓄電池
が担っているが、ポータブル化,コードレス化が進展
し、定着するに従い、駆動用電源となる二次電池の高エ
ネルギー密度化,小型軽量化の要望が強くなっている。
また、近年は小型のパソコン,通信機器などに代表され
るような機器の急速な市場の拡大により高率充放電が可
能な電池が要望されている。
ため、一般的に、例えば正極板と負極板をセパレータを
間に介在して巻回したスパイラル構造とすることによ
り、電極面積をできるだけ大きくする工夫がなされてい
る。
化と同時にその寿命特性の向上も要望されている。
41297号公報に示されているように、負極合剤の充
填量を規定する手段、特開平10−12220号公報に
示されているように活物質の重量密度に傾斜をつける手
段、特開平10−79245号公報に示されているよう
に極板端面の厚みを極板平均厚みより厚くする手段など
が従来から提案されている。
の従来の手段によると、極板の充填量を増加させること
ができないために現実的には充分に高容量化が達成でき
なくて、商品として必ずしも充分ではなかった。例えば
特開平5−41207号公報の記載によると負極板の集
電体の片面当たりの負極合剤の充填量を15mg/cm
2 以下に規定していて、この手段による負極合剤の充填
量の規制によって電池容量を増加させることができない
という問題点がある。また、特開平10−12220号
公報の記載によると合剤塗布量を極板の長手方向で変化
させてサイクル特性を向上させようとする手段が示され
ているが、この手段においても正極板と負極板のバラン
スの点から、高容量化とサイクル特性の向上を両立する
ことができない。
従来にない高容量でサイクル特性に優れた非水電解液二
次電池を提供することを目的とする。
本発明は、正極板と負極板とをセパレータを介して渦巻
状に巻回して構成した電池において、最外周部分の極板
の合剤充填密度が1周以上にわたって内周部分の合剤充
填密度よりも低くすることとしたものである。
優れた非水電解液二次電池が得られるものである。
合剤が集電体から剥離したり、電解液自身の劣化とか、
結晶構造の変化などが考えられるが、今回いくつかの確
認を行った結果、劣化原因の一つとして充放電を何回も
繰り返すと電解液が極板群中から群外に排出され、その
結果イオンの移動を支持する電解液量が少なくなり、電
池の内部抵抗が増加するとともに、その電池容量が減少
するということを明らかにした。
返しても極板群内の有効電解液量が無くならないように
極板群内の一部に合剤充填密度の低い部分を配置し、こ
の部分が充電時の緩衝として作用をすることになり、結
果的に充放電を繰り返しても極板群内の有効電解液量が
維持されるため、サイクル特性に優れた非水電解液二次
電池を得ることができる。
態について説明する。図1は本発明の一実施の形態によ
る円筒形非水電解液二次電池の横断面概念図を示す。1
は電池ケース、2は正極板、3は負極板、4はセパレー
タである。
1周以上にわたって内周部分の極板よりも低くすること
により、この部分が充電時の極板群膨張の緩衝となり極
板群内の有効電解液を維持する効果を示す。ここで重要
なことは、この合剤の充填密度の低い極板範囲、すなわ
ち最外周部分の範囲の単位面積当たりの合剤充填量、つ
まり合剤重量は内周部分の極板と等しいということであ
る。従って合剤密度の低い部分の極板厚みは内周部分の
極板より厚くなる。こうすることにより、電池容量を損
なうことなくサイクル特性を改善できる。
周1周でもよいし、2周,3周またはそれ以上にわたっ
ても上記と同様の作用を有するのであればよい。すなわ
ち電池容量との兼ね合いで、この緩衝作用を有する部分
を増減することが可能である。
を正極活物質とし、炭素質材料を負極活物質とするよう
な充電時において正極板,負極板ともに膨張するものに
おいて一層大きな効果が得られるが、他の物質でも正極
充電時の極板厚さと負極充電時の極板厚さの和が正極放
電時の極板厚みと負極放電時の極板厚みの和より大きく
なる電池であれば同様の効果を示すものである。
実施例を図面とともに説明する。
筒形非水電解液二次電池の一部を断面で示した斜視図を
示す。そして図2において図1と同じ構成部分について
は同一符号を付与し詳細な説明は省略する。図2におけ
る1は耐有機電解液性のステンレス鋼板を加工した電池
ケース、5は安全弁を設けた封口板、6は絶縁パッキン
グを示す。7は極板群であり、これは正極板2および負
極板3がセパレータ4を介して複数回渦巻状に巻回され
ている。そして正極板2からは正極リード2aが引き出
されて封口板5に接続され、負極板3からは負極リード
3aが引き出されて電池ケース1の底部に接続されてい
る。8は絶縁リングで、極板群7の上下部にそれぞれ設
けられている。
説明する。まずコークスを加熱処理して得た炭素粉末1
00重量部に合成ゴム系結着剤10重量部を混合し、こ
れをカルボキシメチルセルロースの水溶液に懸濁させて
ペースト状にし、このペーストを銅箔の表面に均一に塗
着し乾燥後、裏面にも同様に塗着乾燥を行った。そして
プレスの条件を変え表1に示すように最外周部分の極板
の合剤密度を1.25g/ccとし、その他の内周部分
の極板の合剤密度を1.3g/ccとして幅37mm,
長さ430mmの大きさに切り出して負極板3とした。
iCoO2 の粉末100重量部に、アセチレンブラック
3重量部を混合し、これをカルボキシメチルセルロース
の水溶液およびフッ素樹脂系結着剤(ディスパージョ
ン)固形分7重量部に希釈させてペースト状にした。こ
のペーストをアルミニウム箔の両面に塗着し、乾燥後ロ
ールプレス機によって0.18mmに圧延し、幅35m
m,長さ350mmに切り出した。
ードを取り付け、厚み0.03mmのセパレータ4を介
して渦巻状に巻回し直径17mm,高さ50mmの電池
ケース1内に収納した。
した後、電池を密封口し、実施例1の試験電池とした。
表1に示すように最外周部分の極板の合剤密度を1.2
g/ccとし、その他の内周部分の極板の合剤密度を
1.3g/ccとした以外は実施例1と同様に作製した
ものを実施例2の試験電池とした。
表1に示すように最外周部分の負極板の合剤密度を1.
1g/ccとし、その他の内周部分の負極板の合剤密度
を1.3g/ccとした以外は実施例1と同様に作製し
たものを実施例3の試験電池とした。
表1に示すように最外周部分の負極板の合剤密度を1.
0g/ccとし、その他の内周部分の負極板の合剤密度
を1.3g/ccとした以外は実施例1と同様に作製し
たものを実施例4の試験電池とした。
表1に示すように最外周部分の負極板の合剤密度を1.
15g/ccとし、その他の内周部分の負極板の合剤密
度を1.2g/ccとした以外は実施例1と同様に作製
したものを実施例5の試験電池とした。
表1に示すように最外周部分の負極板の合剤密度を1.
05g/ccとし、その他の内周部分の負極板の合剤密
度を1.1g/ccとした以外は実施例1と同様に作製
したものを実施例6の試験電池とした。
表1に示すように最外周部分の負極板の合剤密度と、そ
の他の内周部分の負極板の合剤密度を1.3g/ccと
した以外は実施例1と同様に作製したものを比較例1の
試験電池とした。
表1に示すように最外周部分の負極板の合剤密度を0.
9g/ccとし、その他の内周部分の負極板の合剤密度
を1.3g/ccとした。この場合は極板群径が大きく
なりケース内に収容できなくなったため正極板,負極板
とも極板長さを10%短くした。それ以外は実施例1と
同様に作製したものを比較例2の試験電池とした。
表1に示すように最外周部分の負極板の合剤密度を0.
96g/ccとし、その他の内周部分の負極板の合剤密
度を1.0g/ccとした以外は実施例1と同様に作製
したものを比較例2の試験電池とした。
そのサイクル寿命特性の結果を表1に示す。充電は4.
2Vの停電圧、最大電流値を600mAに制御して2時
間行い、放電は電流値を850mAで電圧が3Vになる
まで放電を行う条件で行った。初期の電池容量に対して
80%を下回るまでのサイクル数で評価した。またその
時の初期の電池容量も表1に同時に記載した。
り、最外周部分の負極板の合剤密度とその他の内周部分
の負極板の合剤密度の比が低下するにしたがってサイク
ル特性が向上することがわかる。この効果は、最外周部
分の負極板の集電体の裏表の合剤部の合剤密度を4%ほ
ど低減させるだけで大きな効果を示している。一方、合
剤密度比を0.77まで下げてやると、負極板の厚みが
厚くなるために群径が大きくなって電池ケースに収容で
きない。電池ケースに収容するためには、極板長さを短
くせざるをえず、結果的に充分な電池容量が確保できな
い。すなわち、最外周部分の負極板の合剤充填密度d1
と、その他の内周部分の負極板の合剤充填密度d2との
比が0.77<d1/d2<0.96であれば、高容量
を維持しつつ、サイクル特性を改良することができる。
より、最外周部分の負極板の合剤充填密度d1と、その
他内周部分の負極板の合剤充填密度d2との比が0.7
7<d1/d2<0.96であっても、高密度部の密度
が1.0g/cc以下になると電池容量の低下ととも
に、サイクル特性も充分に向上しない。高密度部の密度
が1.0g/cc以上であればサイクル特性向上に効果
を有するものである。
面に負極板の最外周に当たる部分と、その他の内周部分
に当たる負極板とで単位面積当たりの塗着重量を変え塗
着乾燥し、裏面にも同様に塗着乾燥を行った。この極板
を定寸プレスを行い均一に厚みを揃えて幅37mm,長
さ430mmの大きさに切り出して負極板とした。この
時、最外周部分の負極板の合剤充填密度d1が1.0g
/cc、その他の内周部分の負極板の合剤充填密度d2
が1.3g/ccで、その比が0.77<d1/d2<
0.96になるように調整した。その他の条件は実施例
1と同様の条件で行った。この比較例4の電池のサイク
ル試験結果は790サイクルであったが、その電池容量
は500mAhであり充分な容量が得られない。この結
果と本発明の実施例3の結果より、すなわち電池容量の
向上とともにサイクル特性を向上させるためには、負極
板の単位面積当たりの合剤重量を均一にしつつ、最外周
部分の負極板の負極合剤密度だけを低下させることが大
切である。
他の内周部分の極板より厚くなる。この問題を解消する
必要がある場合には最外周部分に当たる極板部分だけ、
合剤を集電体の片面だけに塗着する手段が有効である。
この場合には図3に示すように定寸プレスをすることに
より極板中の極板厚みおよび単位面積当たりの合剤重量
を均一にしつつ、合剤の密度だけを低くすることができ
る。ここで、9は負極合剤、10は負極集電体を示す。
負極合剤9は最外周部分の極板の片面に設けた剥離部で
合剤密度が低くなる。
は、正極板と負極板とがセパレータを介して渦巻状に巻
回して構成した電池において、最外周部分の極板の合剤
充填密度が1周以上にわたって内周部分の極板よりも低
く、かつ最外周部分の極板の厚さが他の内周部分の極板
より厚いことにより、すなわち、充放電を繰り返しても
極板群内の有効電解液量が無くならないように極板群内
に一部合剤密度の低い部分を配置することにより、それ
が充電時の緩衝として作用し、結果的に充放電を繰り返
しても極板群内の有効電解液量が維持されるため、サイ
クル特性に優れた効果を示す。
二次電池の横断面概念図
電池の一部を断面で示した斜視図
Claims (7)
- 【請求項1】 セパレータを介して渦巻状に巻回して構
成された電池であって、最外周部分の極板の合剤充填密
度が1周以上にわたって他の内周部分の極板の合剤充填
密度よりも低く、かつ最外周部分の極板の厚さが他の内
周部分の極板よりも厚くしたことを特徴とする非水電解
液二次電池。 - 【請求項2】 リチウム含有複合酸化物を正極活物質と
し、炭素質材料を負極活物質とする請求項1記載の非水
電解液二次電池。 - 【請求項3】 最外周部分の極板の合剤充填密度d1と
他の内周部分の極板の合剤充填密度d2との比が0.7
7<d1/d2<0.96であり、かつ内周部分の極板
の合剤の密度を1.1g/cc以上としたことを特徴と
する請求項1または2記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項4】 最外周部分の極板の片面の合剤の一部を
除去して、集電体を介したその反対側の合剤部の合剤充
填密度をd1としたことを特徴とする請求項3記載の非
水電解液二次電池。 - 【請求項5】 極板の単位面積当たりの合剤重量が一つ
の極板内で均一としたことを特徴とする請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池。 - 【請求項6】 充電時において正極板と負極板のいずれ
もが膨張する非水電解液二次電池に、請求項1,3,
4,5のいずれかの構成を適用したことを特徴とする非
水電解液二次電池。 - 【請求項7】 正極充電時の極板厚さと負極充電時の極
板厚さの和が正極放電時の極板厚みと負極放電時の極板
厚みの和より大きくなる非水電解液二次電池に、請求項
1,3,4,5のいずれかの構成を適用したことを特徴
とする非水電解液二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10369284A JP2000195556A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 非水電解液二次電池 |
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JP10369284A JP2000195556A (ja) | 1998-12-25 | 1998-12-25 | 非水電解液二次電池 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=18494043
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