JP3707801B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、電池の放電中に残存容量が僅かになった場合に、警告電圧から放電終止電圧までの容量がサイクル如何にかかわらずほぼ一定となるように特性を改良した非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池の放電中に電池の残存容量が僅かになった場合、これを検知する手段として放電電圧をモニタする方法がある。この方法は電池が放電すると徐々に電圧が降下する特性を利用したもので、例えば電池の放電中その電圧がある設定電圧に達するかそれ以下になるとこれを検出、表示し、電池使用者にこの電池の残存容量が僅かとなったため直ちに充電するか、または取り替える必要があることを認知させるものである。
【0003】
これを認知した電池使用者は早急に使用機器の電源を切るなどの何等かの処置を行わなければならないが、最近の機器は複雑さを増しており、早急に電源を切断することができない場合がある。
【0004】
例えば、コンピュータがフロッピーディスクやハードディスクにアクセスしている時にコンピュータの電源を切るとディスク内のデータが全て破壊される危険がある。
【0005】
また電池駆動機器を用いての作業途中の区切りとして、残存容量警告が表示されても諸事情のため都合が悪く中断できない場合もある。例えば携帯電話で通話中に要件を相手に伝え終わる前にはどうしても電源を切ることはできない。
【0006】
このような場合を見込んで、警告が表示されてもしばらくの間は作業が可能なように残存容量の警告表示電圧は放電終止電圧よりも少し高い値に設定するのが普通である。
【0007】
例えばある電池の放電曲線が図1の特性であり、この電池が組み込まれた機器が電圧b(=放電終止電圧)Vまで作動すると仮定すると、残存容量の警告表示は容量c( mAh)程度の余裕を見込んで電圧a(=警告表示電圧)V付近に設定するのが妥当である。
【0008】
ところで、二次電池では一般に充放電サイクルを繰返すと容量が徐々に減少し、これに起因して充放電曲線も変化する。この主な原因の一つは電解液にリチウム塩を用いたリチウム二次電池の場合、正極または負極もしくはその双方においてサイクル毎にリチウムが失活し、後の充放電に関与しなくなるリチウムが存在するためである。
【0009】
この不活性化したリチウムが各々の電極で分極を大きくするため、リチウム二次電池の平均動作電圧はサイクル毎に徐々に低下し、また負極を構成する物質種によってそのサイクル毎の電圧降下曲線が異なるため、以下のまったく逆のタイプの二つの問題が生じていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
最初の事例では、例えば正極にLi Co O2 、負極に石炭系ピッチコークス、電解液に1MLi Cl O4 /PC,DME(1:1)を用いて電池を構成し、4.2Vまで定電流で充電後2.4Vまで定電流で放電すると、この電池の第1サイクル目の放電曲線は図2のaで示す曲線となる。この電池の使用機器の下限電圧が例えば2.4Vであると、第1サイクル目の放電曲線aから警告表示電圧を2.8Vとすれば、終止電圧に至る残存容量としては妥当である。
【0011】
したがって、この電池の第2サイクル目以降の充電終止電圧を4.2V,放電終止電圧を警告表示電圧である2.8Vに設定して、この状態で定電流で充放電サイクルを第500サイクルまで繰り返すことにする。ただし、第200サイクル目,第500サイクル目に限って放電終止電圧を2.4Vに設定すると、この電池の第1サイクル目,第200サイクル目,第500サイクル目の放電曲線は、各々図2中のa,b,cのようになる。これは、電池使用者が、通常の場合には警告表示電圧に到達した時点での機器の停止を厳守しているが、たまたま第1サイクル目,第200サイクル目,第500サイクル目に限って警告表示電圧から放電終止電圧までの領域を使用しなければならなかったことを想定している。第200サイクル目の放電曲線bや第500サイクル目の放電曲線cは第1サイクル目の放電曲線aとは相似形であるが、順次低下し、警告表示電圧からのそれぞれの容量e,fは、第1サイクル目の容量dに比べて極端に低いものとなる。
【0012】
このような背景にもかかわらず使用者が、例えば第200サイクル目,第500サイクル目で図示のごとくたまたま警告表示電圧から終止電圧である2.4Vまでの領域を使い続けると直ちに終止電圧になってしまう。
【0013】
つまりこの事例では、サイクル毎に警告が発生してからの対応時間を短くしなければならない欠点があり、使用者がそれ以前のサイクルで終止電圧2.4Vまで使用した場合における使用可能時間を推定して作業を続けた場合、突然の中断を余儀なくされる場合も生ずる。
【0014】
逆の事例では、例えば正極にLi Co O2 、負極に黒鉛(石炭ピッチを原料とし、気相成長法によって得られた微細状炭素繊維を1800〜3000℃で熱処理したもの)、電解液に1MLi Cl O4 /PC,DME(1:1)を用いて電池を構成し、4.2Vまで定電流で充電後2.8Vまで定電流で放電すると、この電池の第1サイクル目の放電曲線は図3のaで示す曲線となる。この電池の使用機器の下限電圧が例えば2.8Vであると、第1サイクル目の放電曲線aから警告表示電圧を3.5Vに設定すれば、残存容量は妥当である。
【0015】
したがって、この電池の第2サイクル目以降の充電終止電圧を4.2V,警告表示電圧である放電終止電圧を警告表示電圧である3.5Vに設定して、この状態で定電流で充放電サイクルを第500サイクルまで繰り返すことにする。この結果、第200サイクル目の放電曲線bや第500サイクル目の放電曲線cは直ちに警告表示電圧まで下がり、警告表示電圧からのそれぞれの容量e,fは第1サイクル目の容量dに比べてかえって増すことになってしまう。つまりこの事例ではサイクルを繰返す毎に残存容量が増しているのに機器を使い始めてから直ちに警告表示されてしまうため、警告表示本来の目的が損なわれる欠点が生ずる。
【0016】
本発明は以上の問題点を解決するものであって、その目的は、電池使用者が警告表示電圧になった時点で機器を停止することを遵守しさえすれば、たまたま警告表示電圧から放電終止電圧までの間の領域を使用しなければならない場合に、その容量が充放電サイクルにかかわらずほぼ一定に保つことができるようにした非水電解液二次電池を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、 リチウムの吸蔵・放出が可能な正極及び負極をそれぞれ備えた非水電解液二次電池において、前記正極は放電中の全領域に亘って単極電位がLi + /Li 電位基準で2.0V以上であり、前記負極はリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素質材料と、リチウムの吸蔵・放出が可能なNb2 5 ,Mo O2 ,Ru O2 ,WO2 ,Li Ti S2 ,Cu Oからなる無機化合物群の中から選ばれた少なくとも一種以上の無機化合物との混合物で構成され、
該電池の放電曲線が前記無機化合物の放電関与時になだらかな平坦部となって現れて段階状に変化するものであって、
第一サイクルの放電過程における放電終止電圧に達するまでの全放電容量(A)に対する、前記一種以上の無機化合物が負極として関与した放電容量(B)の割合(B/A)が0.13以上0.29以下であることを特徴とする。
【0018】
【作用】
リチウムが吸蔵された炭素質材料と、同じくリチウムが吸蔵された無機化合物の電極電位を比較すれば、炭素質材料の方が卑である。従って、炭素質材料と無機化合物の混合物を用いて構成された負極を使用した本発明の電池が放電された場合、放電初期には炭素質材料に吸蔵されたリチウムが、放電末期には無機化合物に吸蔵されたリチウムが放出される。
【0020】
本発明では炭素材料を主とする負極活物質に、炭素材料以外の無機化合物を補足的に添加する構成とし、この炭素材料が放電中に第1の電気化学反応を担い、負極全体の電位が貴な方向に移行してリチウム吸蔵状態の第2の物質である無機化合物のリチウム放出を行う電位まで達すると、この物質からも同時にリチウムは放出され、第2の電気化学反応が進行する。
【0021】
放電が進行し、負極全体の電極電位がさらに貴な方向に移行すると、負極では第2の電気化学反応によって放出されるリチウム量が増加し、第1の電気化学反応で放出されるリチウム量は減少する。
【0022】
このとき負極では第2の電気化学反応が支配的となるため、負極全体の電極電位がリチウムを放出する電位で負極中の第2の物質(のリチウム吸蔵量)に相当する時間だけなだらかな平坦部を生ずる。
【0023】
なお、第3,第4…の物質(無機化合物)が混合されている場合、以上の状態からさらに放電が進行し、負極全体の電極電位が順次貴な方向に移行すれば、リチウム吸蔵状態である第3,第4…の物質の電気化学反応が前述の状態で繰返し進行することになり、負極全体の電極電位はその都度なだらかな平坦部を生じる。
【0024】
それゆえ、放電曲線は反応に関与する物質種の交替毎に平坦部が現れる階段状の特性となる。このため、その階段状の後段と前段の変極点部分を第2,第3の警告表示電圧に設定すれば、残存容量をさらに詳細に表示することが可能となり、放電中の第2段目以降の平坦部を通常放電には関与しない領域であると設定することにより、この領域がたまたま使われたとしても第1サイクル目とは変わらない持続時間となる。
【0025】
【実施例】
4は本発明による単3形リチウム二次電池の構造を示すものである。このリチウム二次電池は基本的には従来と同様に、正極1,負極2の間にポリプロピレン製多孔質フィルムからなるセパレータ3を挟んでスパイラル状に巻回して巻回要素を形成し、その上部に前記正極1側に接続する正極リード板4を、下部に前記負極2側に接続する負極リード板5を突出させた状態でPP絶縁板6aを介して有底筒形のケース6内に収装し、負極リード板5を有底筒形ケース6の内底面中心にスポット溶接により接続し、また安全弁付き正極端子板7の底部に正極リード板4をスポット溶接し、その後非水電解液をケース6内に注液し、正極端子板7を封口ガスケット8を介してケース6の開口に嵌め付け、カシメ付けることによって完成されたものである。
【0026】
前記正極1は、正極活物質であるLiCo O2 と、導電材であるカーボン粉末とPTFEの水性ディスパージョンとを重量比で100:10:10の割合で混合し、水でペースト状に混練したものを集電体を構成する厚さ30μm のステンレス箔の両面に塗着した後乾燥,圧延して所定の大きさに切断した帯状のもので、前記帯状の長手方向に直交して合剤の一部をかきとり、ここに正極リード板4をスポット溶接した。
【0027】
なお、正極活物質のLiCo O2 は酸化コバルト(Co O)と炭酸リチウム(Li2 CO3 )とをモル比で2:1に混合し空気中で900℃,48時間加熱したものを用いた。また以上の材料の混合比率のうちPTFEの水性ディスパージョンの割合はそのうちの固形分の割合である。さらにこのときの正極1の理論充填電気量は500 mAhであり、放電中の単極電位がLi + /Li 電位基準で2.0V以上の部分を有する。
【0028】
前記非水電解液は過塩素酸リチウム(Li Cl O4 )をプロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンとの混合溶媒中に1モル/lの割合で溶解した電解質であり、2.5mlを内部に注液後封口した。完成電池のサイズは単3形であり、直径14.5mm×50mmである。
【0029】
ここで、前記負極2は、負極活物質とPTFEの水性ディスパージョンとを重量比で100:3の割合とし水で混練したものをニッケル製エキスパンドメタルに圧入し、乾燥,切断して帯状に形成し、さらにこの長手方向と直交して一部をかきとりここにニッケル製負極リード板5をスポット溶接したものである。なお、PTFEの水性ディスパージョンの比率は前記と同様固形分の割合である。
【0030】
実施例1.この負極のリチウム担持体材料の組成石炭系ピッチコークス:3.5g +Mo O:0.14g の混合物とした
【0031】
次にこの負極混合材料を用いて図4に示す電池を作製し、充電上限電圧4.2V、放電下限電圧2.7Vとして150mAの定電流で充放電を行った。ただし、第200サイクル目,第500サイクル目に限って放電終止電圧を2.4Vに設定すると、この電池の第1サイクル目,第200サイクル目,第500サイクル目の放電曲線は、各々図5中のa,b,cのようになる。
【0032】
この放電曲線は、2.7Vを変極点としてそれ以下の電圧で平坦部を生じ、第1サイクル目の放電終止電圧2.4Vまでの全放電容量は約250mAhとなり、2.7Vの変曲点から終止電圧までの放電容量は約45mAhとなっている。この平坦部は充電によってリチウム吸蔵状態となったLi Mo O2 がリチウムを放出する電気化学反応が負極で支配的になったために現れた結果である。このことから、第1サイクルにおいて放電終止電圧に達するまでの全放電容量(A)に対する、前記M o 2 が負極として関与した放電容量(B)の割合(B/A)は約0.18となっている。
【0033】
したがって、第2サイクル目以降の終止電圧を警告表示電圧である2.7Vに設定し、使用者がこの警告表示電圧で機器を停止することを遵守すると仮定すれば、Mo O2 はリチウム吸蔵状態のまま保存されることになるため、たまたま第200サイクル目と、第500サイクル目に終止電圧まで使い切ったとしてもその警告表示電圧から終止電圧に至る容量e,fは第1サイクル目の容量dとほとんど変わりがない。
【0034】
なお、この特性は従来例の項で説明した前記図2に示す負極活物質として石炭系ピッチコークス単体を使用した場合に比肩されるものであり、警告表示電圧以降の容量が従来はサイクル毎に減少するのに対し、本実施例では一定であることは両特性図を比較すれば明らかである。
【0035】
実施例2.
炭素質が黒鉛(石炭ピッチを原料とし、気相成長法によって得られた微細状炭素繊維を不活性雰囲気下で1800〜3000℃で熱処理したもの)2.3g を含む負極合剤に0.26gのWO2 を混合し、前記実施例1と同様の要領で図4に示す単3形電池を組み立てた。
【0036】
次にこの電池を、充電上限電圧4.2V、放電下限電圧2.9Vとして150mAの定電流で充放電を行った。ただし、第200サイクル目,第500サイクル目に限って放電終止電圧を2.8Vに設定すると、この電池の第1サイクル目,第200サイクル目,第500サイクル目の放電曲線は、各々図6中のa,b,cのようになる。
【0037】
図において、4.2Vの定電流で充電後2.8Vまで定電流で放電すると、第1サイクル目でa、第200サイクル目でb,第500サイクル目でcに示す放電曲線が得られる。この放電曲線は第1サイクルでは3.0Vを変極点として、また第2,第3サイクルでは2.9Vを変極点としてそれ以下の電圧で平坦部を生じ、第1サイクル目の放電終止電圧2.9Vまでの全放電容量は約230mAhとなり、3.0Vの変曲点から終止電圧までの放電容量は約30mAhとなっている。この平坦部は充電によってリチウム吸蔵状態となったLi WO2 がリチウムを放出する電気化学反応が負極で支配的になったために現れた結果である。このことから、第1サイクルにおいて放電終止電圧に達するまでの全放電容量(A)に対する、前記WO 2 が負極として関与した放電容量(B)の割合(B/A)は約0.13となっている。
【0038】
したがって、第2サイクル目以降の終止電圧を警告表示電圧より上の3.0Vに設定し、使用者がこの警告表示電圧で機器を停止することを遵守すると仮定すれば、たまたま第200サイクル目と、第500サイクル目に終止電圧まで使い切ったとしてもその警告表示電圧から終止電圧に至る容量e,fは第1サイクル目の容量dとほとんど変わりがない。
【0039】
なお、この特性は従来例の項で説明した前記図3の場合に比肩されるものであり、警告表示電圧以降の容量が従来はサイクル毎に増加するのに対し、本実施例では一定であることは両特性図を比較すれば明らかである。
【0040】
実施例3.
石炭系ピッチコークス3.5g を含む負極合剤に0.07gのMo O2 ,0.13g のWO2 を混合し、前記実施例1と同様の要領で図4に示す単3形電池を組み立てた。
【0041】
次にこの電池を、充電上限電圧4.2V、放電下限電圧2.9Vとして150mAの定電流で充放電を行った。ただし、第200サイクル目,第500サイクル目に限って放電終止電圧を2.8Vに設定すると、この電池の第1サイクル目,第200サイクル目,第500サイクル目の放電曲線は、各々図7中のa,b,cのようになる。
【0042】
図において、4.2Vの定電流で充電後2.4Vまで定電流で放電すると、第1サイクル目でa、第200サイクル目でb,第500サイクル目でcに示す放電曲線が得られる。この放電曲線は2.9Vと2.7Vの付近を変極点としてそれ以下の電圧でそれぞれ2段に平坦部を生じ、、第1サイクル目の放電終止電圧2.4Vまでの全放電容量は約255mAhとなり、2.9Vの変曲点から2.7Vの変極点までの放電容量は約47mAhで、2.7Vの変極点から終止電圧までの放電容量は約28mAhとなっている。各平坦部は充電によってリチウム吸蔵状態となったLi Mo O2 およびLi WO2 のそれぞれがリチウムを放出する電気化学反応が負極で支配的になったために現れた結果であり、卑な順序はピッチコークス>Mo O2 >WO2 である。このことから、第1サイクルにおいて放電終止電圧に達するまでの全放電容量(A)に対する、前記WO 2 およびM o 2 が負極として関与した放電容量(B)の割合(B/A)は約0.294となっている。
【0043】
したがって、この実施例において、電池使用機器の警告表示電圧を2.9V,2.7Vの2段階に設定し、それぞれの電圧近傍で警告を表示する一方、使用者がこの警告表示電圧で機器を停止することを遵守すると仮定すれば、たまたま第200サイクル目と、第500サイクル目に終止電圧まで使い切ったとしてもその警告表示電圧から終止電圧に至る容量e,fは第1サイクル目の容量dとほとんど変わりがない。
【0044】
また、この実施例では、2段階警告表示を行うことによって、使用者はより適確に使用機器の電源停止操作を行えることになる。つまり、第1の警告表示がなされてから機器停止までの準備動作をすれば、第2の警告表示がなされる前、または第2の警告表示がなされても直ちに機器停止を行うことができることになる。 以上の第1〜第3実施例において、本発明の負極をリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素質材料と、リチウムの吸蔵・放出が可能な無機化合物の混合物を使用することによって、第1サイクル目の全放電容量(A)に対して警告表示領域として使用された容量(B)は下表の通りで、その割合B/Aは約0.13〜0.29の範囲である。
【表1】
Figure 0003707801
【0045】
なお、本発明では各実施例で述べた負極活物質を構成する無機化合物の他に、リチウム吸蔵放出可能なNb2 5 ,Ru 2 ,L i Ti S2 ,Cu Oを一種または要求される特性に応じて種々組み合わせて使用することができる。また、電池形状としてはスパイラル形のみでなく例えばコイン形などの偏平形電池にも適用できる。
【0046】
【発明の効果】
本発明では、次の各種効果がある。
▲1▼負極を構成する各物質の電気化学反応の交替毎に生ずる電圧曲線における変極点の部分を警告電圧に設定し、また通常使用者が警告表示電圧を遵守していることを前提とするならば、サイクル如何にかかわらず警告電圧と放電終止電圧の間の容量をほぼ一定に保持できる。それゆえ、警告が生じてからも機器を動作し続けなければならない場合であっても、この領域は初期の放電残存容量と変わることがないため、電池使用機器を用いた作業の突然の中断や電池切れに伴う機器の一部破損を未然に防止できる。
▲2▼混合される物質の数に応じて放電電圧を何段階かの階段状の特性にすることができる。そのため、例えば警告表示を二段階に設定すれば、さらに機器の終止電圧に至る安全を確保できる。
▲3▼無機化合物群の組み合わせにより警告表示電圧を変えることができるため、機器の要求する特性に適合した二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的電池の放電曲線を示すグラフである。
【図2】負極がピッチカーボンからなる従来の二次電池の放電特性を示すグラフである。
【図3】負極が天然黒鉛からなる従来の二次電池の放電特性を示すグラフである。
【図4】本発明によるスパイラル形非水電解液二次電池の構造例を示す断面図である。
【図5】実施例1による二次電池の放電特性を示すグラフである。
【図6】実施例2による二次電池の放電特性を示すグラフである。
【図7】実施例3による二次電池の放電特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (1)

  1. リチウムの吸蔵・放出が可能な正極及び負極をそれぞれ備えた非水電解液二次電池において、
    前記正極は放電中の全領域に亘って単極電位がLi + /Li 電位基準で2.0V以上であり、
    前記負極はリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素質材料と、リチウムの吸蔵・放出が可能なNb25 ,Mo O2 ,Ru O2 ,WO2 ,Li Ti S2 ,Cu Oからなる無機化合物群の中から選ばれた少なくとも一種以上の無機化合物との混合物で構成され、
    該電池の放電曲線が前記無機化合物の放電関与時になだらかな平坦部となって現れて段階状に変化するものであって、
    第一サイクルの放電過程における放電終止電圧に達するまでの全放電容量(A)に対する、前記一種以上の無機化合物が負極として関与した放電容量(B)の割合(B/A)が0.13以上0.29以下であることを特徴とする非水電解液二次電池。
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