JPH1197059A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池Info
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- JPH1197059A JPH1197059A JP9255455A JP25545597A JPH1197059A JP H1197059 A JPH1197059 A JP H1197059A JP 9255455 A JP9255455 A JP 9255455A JP 25545597 A JP25545597 A JP 25545597A JP H1197059 A JPH1197059 A JP H1197059A
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- battery
- lithium
- negative electrode
- bromobenzene
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
(57)【要約】
【課題】 過充電及び過放電による正負極表面上への金
属リチウムの電析を防止するとともに、電解液の分解反
応を抑止し、これにより電池の破裂を未然に防止し得る
リチウム二次電池を提供する 【解決手段】 リチウムの吸蔵・放出可能な正極及び負
極と、非水電解液とを備えた非水電解液二次電池におい
て、非水電解液中に、ブロムベンゼンを0.1〜5mm
ol/lの範囲で添加するとともに、2−メチル−1,
3−ブタジエンあるいはスチレンのいずれか1種類の単
量体を1〜10mmol/lの範囲で添加すると、2−
メチル1,3−ブタジエン又はスチレンが過充電及び過
放電時に、電析リチウムと反応したブロムベンゼンによ
って重合し、これらの重合膜がシャットダウン効果の役
割を果たして、電池の破裂等の危険性を未然に回避でき
るようになる。
属リチウムの電析を防止するとともに、電解液の分解反
応を抑止し、これにより電池の破裂を未然に防止し得る
リチウム二次電池を提供する 【解決手段】 リチウムの吸蔵・放出可能な正極及び負
極と、非水電解液とを備えた非水電解液二次電池におい
て、非水電解液中に、ブロムベンゼンを0.1〜5mm
ol/lの範囲で添加するとともに、2−メチル−1,
3−ブタジエンあるいはスチレンのいずれか1種類の単
量体を1〜10mmol/lの範囲で添加すると、2−
メチル1,3−ブタジエン又はスチレンが過充電及び過
放電時に、電析リチウムと反応したブロムベンゼンによ
って重合し、これらの重合膜がシャットダウン効果の役
割を果たして、電池の破裂等の危険性を未然に回避でき
るようになる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過充電による弊害
を防止したリチウム二次電池に関する。
を防止したリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム金属を負極に用いないタイプの
リチウム二次電池は、充放電サイクル中での容量劣化が
少なく優れた耐久性を示すことで注目されている。これ
は正極及び負極に、リチウムの吸蔵・放出が可逆的に行
われる材料を用いているためで、充放電過程においてリ
チウムとの複合化合物が可逆的に形成されることを利用
したものである。
リチウム二次電池は、充放電サイクル中での容量劣化が
少なく優れた耐久性を示すことで注目されている。これ
は正極及び負極に、リチウムの吸蔵・放出が可逆的に行
われる材料を用いているためで、充放電過程においてリ
チウムとの複合化合物が可逆的に形成されることを利用
したものである。
【0003】例えば、炭素材料を負極に用いたリチウム
二次電池を例にとって説明すると、当該炭素材料の負極
と十分な量のリチウムを含有する正極とをセパレータを
介して組合せて、非水電解液を用いて電池を構成した場
合、この電池は放電状態で組立てが完了されることにな
る。このため、この種の電池は、組立て後に充電しない
と放電可能状態にならない。そして、この電池に対して
第1サイクル目の充電を行うと、正極中のリチウムは電
気化学的に負極炭素質材料の層間にドープされる。次に
放電を行うと、ドープされていたリチウムは脱ドープ
し、再び正極中にもどる。
二次電池を例にとって説明すると、当該炭素材料の負極
と十分な量のリチウムを含有する正極とをセパレータを
介して組合せて、非水電解液を用いて電池を構成した場
合、この電池は放電状態で組立てが完了されることにな
る。このため、この種の電池は、組立て後に充電しない
と放電可能状態にならない。そして、この電池に対して
第1サイクル目の充電を行うと、正極中のリチウムは電
気化学的に負極炭素質材料の層間にドープされる。次に
放電を行うと、ドープされていたリチウムは脱ドープ
し、再び正極中にもどる。
【0004】従ってこの炭素材料を用いた電池の負極電
位は、通常放電を行うとリチウムイオンが放出されて貴
な方向に移行し、充電を行うとリチウムイオンが吸蔵さ
れて卑な方向へ移行する。なお、この場合、負極電位は
リチウム金属電位に達することは無いが、この種の電池
にあっても過充電により、以下の問題が生ずる。
位は、通常放電を行うとリチウムイオンが放出されて貴
な方向に移行し、充電を行うとリチウムイオンが吸蔵さ
れて卑な方向へ移行する。なお、この場合、負極電位は
リチウム金属電位に達することは無いが、この種の電池
にあっても過充電により、以下の問題が生ずる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 過充電による問題 電池を充電する際、充電器の突然の故障により電池へ一
時的に大電流が流れたり、電池が充電終止電圧に達して
もなお通電状態が続く場合がある。このような過充電状
態にある電池の負極電位が、リチウム金属電位よりも卑
に達すると、リチウム金属が負極であるリチウム吸蔵体
上に析出する。この時、正極にインターカレートされて
いたリチウムがすべて放出された場合、正極では溶媒分
解が起こる。この溶媒分解反応は気体発生を伴うため電
解液が劣化し、電池の内圧が上昇する。このため、電池
が破裂に至る虞があり非常に危険である。また、負極で
は前述したように電解液中の電解質が還元されてリチウ
ム金属が析出することになるが、この析出形態はデンド
ライト状であるため、電析リチウムがセパレータを貫通
して内部短絡を起こし、その後は電池として作動不能に
なる他、この電池が破裂に至る虞もある。
時的に大電流が流れたり、電池が充電終止電圧に達して
もなお通電状態が続く場合がある。このような過充電状
態にある電池の負極電位が、リチウム金属電位よりも卑
に達すると、リチウム金属が負極であるリチウム吸蔵体
上に析出する。この時、正極にインターカレートされて
いたリチウムがすべて放出された場合、正極では溶媒分
解が起こる。この溶媒分解反応は気体発生を伴うため電
解液が劣化し、電池の内圧が上昇する。このため、電池
が破裂に至る虞があり非常に危険である。また、負極で
は前述したように電解液中の電解質が還元されてリチウ
ム金属が析出することになるが、この析出形態はデンド
ライト状であるため、電析リチウムがセパレータを貫通
して内部短絡を起こし、その後は電池として作動不能に
なる他、この電池が破裂に至る虞もある。
【0006】過放電による問題 このタイプの電池を複数個接続して用いるとき、放電容
量の異なる電池が混在している場合を考えると、放電容
量の少ない電池は放電容量の大きな電池によって強制放
電されることになる。強制放電されている電池は、この
状態が続くと正極・負極が転極するに至り、正極上に金
属リチウムが析出する。前述したように電析リチウムは
デンドライト状に成長し、これがセパレータを貫通して
内部短絡を起こし、破裂に至る虞もある。また、この
時、負極に吸蔵されていたリチウムが全て放出される
と、負極では電解液の分解が起こり、この分解反応は気
体発生を伴うため、電池の内圧が上昇して破裂に至る虞
があり、非常に危険である。
量の異なる電池が混在している場合を考えると、放電容
量の少ない電池は放電容量の大きな電池によって強制放
電されることになる。強制放電されている電池は、この
状態が続くと正極・負極が転極するに至り、正極上に金
属リチウムが析出する。前述したように電析リチウムは
デンドライト状に成長し、これがセパレータを貫通して
内部短絡を起こし、破裂に至る虞もある。また、この
時、負極に吸蔵されていたリチウムが全て放出される
と、負極では電解液の分解が起こり、この分解反応は気
体発生を伴うため、電池の内圧が上昇して破裂に至る虞
があり、非常に危険である。
【0007】本発明は、以上のような過充電及び過放電
による問題を解決するものであって、その目的は、過充
電及び過放電による正負極表面上への金属リチウムの電
析を防止するとともに、電解液の分解反応を抑止し、こ
れにより電池の破裂を未然に防止し得るリチウム二次電
池を提供することにある。
による問題を解決するものであって、その目的は、過充
電及び過放電による正負極表面上への金属リチウムの電
析を防止するとともに、電解液の分解反応を抑止し、こ
れにより電池の破裂を未然に防止し得るリチウム二次電
池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、リチウムを含んだ正極と、炭素質材料か
ら成る負極と、非水電解液を備えた非水電解液二次電池
において、前記非水電解液中には、2−メチル−1,3
−ブタジエン及びスチレンから選ばれる1種類の単量体
が1〜10mmol/lの範囲で添加され、且つブロム
ベンゼンが0.1〜5mmol/lの範囲で添加されて
いることを特徴としている。
め、本発明は、リチウムを含んだ正極と、炭素質材料か
ら成る負極と、非水電解液を備えた非水電解液二次電池
において、前記非水電解液中には、2−メチル−1,3
−ブタジエン及びスチレンから選ばれる1種類の単量体
が1〜10mmol/lの範囲で添加され、且つブロム
ベンゼンが0.1〜5mmol/lの範囲で添加されて
いることを特徴としている。
【0009】上記ブロムベンゼンは、有機溶媒中でリチ
ウム金属と反応し、フェニルリチウムを形成することが
知られている。一方、上記フェニルリチウムは2−メチ
ル−1,3−ブタジエン又はスチレンと反応し、アニオ
ン重合的反応機構を経由し、これらを単量体とする重合
物を形成する。
ウム金属と反応し、フェニルリチウムを形成することが
知られている。一方、上記フェニルリチウムは2−メチ
ル−1,3−ブタジエン又はスチレンと反応し、アニオ
ン重合的反応機構を経由し、これらを単量体とする重合
物を形成する。
【0010】なお、本発明のブロムベンゼン及び2−メ
チル−1,3−ブタジエン又はスチレンの添加量は、少
なすぎると後述するシャットダウン効果が十分に得られ
ず、また多すぎると電池の内部抵抗が増加して放電終止
電圧に達するまでに得られる連続放電時間が短くなるの
で、前記添加量範囲に限定される。
チル−1,3−ブタジエン又はスチレンの添加量は、少
なすぎると後述するシャットダウン効果が十分に得られ
ず、また多すぎると電池の内部抵抗が増加して放電終止
電圧に達するまでに得られる連続放電時間が短くなるの
で、前記添加量範囲に限定される。
【0011】この場合、正極材料としては、この種の電
池に使用されるものであれば如何なるものであってもよ
いが、特に十分な量のリチウムを含んだ材料を用いるこ
とが好ましい。例えば、LiMn2 O4 や、一般式Li
MO2 (ただし、MはCo、Niの少なくとも一種を表
す。従って、例えばLiCoO2 やLiCo0.8 Ni
0.2 O2 等)で表される複合金属酸化物、リチウムを含
んだ層間化合物等が好適である。
池に使用されるものであれば如何なるものであってもよ
いが、特に十分な量のリチウムを含んだ材料を用いるこ
とが好ましい。例えば、LiMn2 O4 や、一般式Li
MO2 (ただし、MはCo、Niの少なくとも一種を表
す。従って、例えばLiCoO2 やLiCo0.8 Ni
0.2 O2 等)で表される複合金属酸化物、リチウムを含
んだ層間化合物等が好適である。
【0012】負極材料としては、可逆的なリチウムの吸
蔵・放出が可能な材料であれば如何なるものであっても
よいが、例示するのであれば、天然黒鉛、人造黒鉛、コ
ークス、ガラス状炭素等に代表される炭素質材料や、S
iO、SnO、PbO、Li2 SnO2 、Li2 SnO
3 等に代表されるような遷移金属酸化物も適用可能であ
る。
蔵・放出が可能な材料であれば如何なるものであっても
よいが、例示するのであれば、天然黒鉛、人造黒鉛、コ
ークス、ガラス状炭素等に代表される炭素質材料や、S
iO、SnO、PbO、Li2 SnO2 、Li2 SnO
3 等に代表されるような遷移金属酸化物も適用可能であ
る。
【0013】非水電解液としては、有機溶媒と電解質を
適宜組み合わせて調整されるが、これら有機溶媒と電解
質もこの種の電池に用いられるものであれば、いずれも
使用可能である。例示するならば、有機溶媒としてはプ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2
−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−
ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−
1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラ
ン、等である。また、電解質としてはLiClO4 、L
iAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO
3 、LiCl等である。
適宜組み合わせて調整されるが、これら有機溶媒と電解
質もこの種の電池に用いられるものであれば、いずれも
使用可能である。例示するならば、有機溶媒としてはプ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2
−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−
ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−
1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラ
ン、等である。また、電解質としてはLiClO4 、L
iAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO
3 、LiCl等である。
【0014】以上の構成によれば、電解液中に添加した
ブロムベンゼン及び2−メチル−1,3−ブタジエン
は、過充電時及び過放電時において図1に示すように以
下のような反応をする。
ブロムベンゼン及び2−メチル−1,3−ブタジエン
は、過充電時及び過放電時において図1に示すように以
下のような反応をする。
【0015】即ち、ブロムベンゼンは、過充電又は過放
電により負極又は正極表面上に金属リチウムが少しでも
析出すると、この電析リチウムと容易に反応し、フェニ
ルリチウムを生成する(図中(a)参照)。このフェニ
ルリチウムは2−メチル−1,3−ブタジエンに電子を
供与して(図中(b)参照)、アニオン重合開始材の役
割を果たし、図中(c)の様な化合物を生成する。その
後、アニオン重合的な反応機構により、2−メチル−
1,3−ブタジエンは最終的に、図中(d)のような重
合体(ポリイソプレン)を生成すると考えられる。
電により負極又は正極表面上に金属リチウムが少しでも
析出すると、この電析リチウムと容易に反応し、フェニ
ルリチウムを生成する(図中(a)参照)。このフェニ
ルリチウムは2−メチル−1,3−ブタジエンに電子を
供与して(図中(b)参照)、アニオン重合開始材の役
割を果たし、図中(c)の様な化合物を生成する。その
後、アニオン重合的な反応機構により、2−メチル−
1,3−ブタジエンは最終的に、図中(d)のような重
合体(ポリイソプレン)を生成すると考えられる。
【0016】従って、リチウムが電析した電極表面は、
この重合体で被覆されることになり、電池の内部抵抗が
増大し、電流が非常に流れ難くなる。このようにこの重
合体は、一種のシャットダウン効果を持った皮膜として
働くため過充電時及び過放電時において、電池にそれ以
上の電流が流れ続けることを抑制し、電池の破裂を未然
に防ぐことが可能になった。
この重合体で被覆されることになり、電池の内部抵抗が
増大し、電流が非常に流れ難くなる。このようにこの重
合体は、一種のシャットダウン効果を持った皮膜として
働くため過充電時及び過放電時において、電池にそれ以
上の電流が流れ続けることを抑制し、電池の破裂を未然
に防ぐことが可能になった。
【0017】なお、これまでは2−メチル−1,3−ブ
タジエンの場合を例にとって説明したが、スチレンの場
合も図2中の(a)〜(d)に示されるように、2−メ
チル−1,3−ブタジエンの場合と同様な反応機構によ
ってリチウムが電析した電極上にポリスチレン重合体の
皮膜を形成する。この皮膜も一種のシャットダウン効果
を持った皮膜として働くため、過充電時及び過放電時に
おいて、電池にそれ以上の電流が流れ続けることを抑制
し、電池の破裂・発火を未然に防ぐことが可能になる。
タジエンの場合を例にとって説明したが、スチレンの場
合も図2中の(a)〜(d)に示されるように、2−メ
チル−1,3−ブタジエンの場合と同様な反応機構によ
ってリチウムが電析した電極上にポリスチレン重合体の
皮膜を形成する。この皮膜も一種のシャットダウン効果
を持った皮膜として働くため、過充電時及び過放電時に
おいて、電池にそれ以上の電流が流れ続けることを抑制
し、電池の破裂・発火を未然に防ぐことが可能になる。
【0018】
[実施例]以下に、本発明の実施例を図面を用いて詳細
に説明する。図3は本発明による単3型巻回式リチウム
二次電池の構造を示す。同図において1は正極であり、
この正極1の帯状正極シートは、正極活物質としてのL
iCoOと導電材としてのカーボン粉末と結着剤として
のPTFEの水性ディスパージョンとを、それぞれ重量
比で100:10:10の割合で混合して水でペースト
状に混練したものを合剤にして、厚さ30μmのアルミ
ニウム箔でなる集電体の両面に塗着した後、乾燥、圧延
し、所定の大きさに切断して作製し、このシートの合剤
の一部をシートの長手方向に対して垂直に掻き取り、露
出した集電体上にチタン製正極リード板をスポット溶接
して取りつけて正極板1とした。
に説明する。図3は本発明による単3型巻回式リチウム
二次電池の構造を示す。同図において1は正極であり、
この正極1の帯状正極シートは、正極活物質としてのL
iCoOと導電材としてのカーボン粉末と結着剤として
のPTFEの水性ディスパージョンとを、それぞれ重量
比で100:10:10の割合で混合して水でペースト
状に混練したものを合剤にして、厚さ30μmのアルミ
ニウム箔でなる集電体の両面に塗着した後、乾燥、圧延
し、所定の大きさに切断して作製し、このシートの合剤
の一部をシートの長手方向に対して垂直に掻き取り、露
出した集電体上にチタン製正極リード板をスポット溶接
して取りつけて正極板1とした。
【0019】上記活物質のLiCoO2 は酸化コバルト
(CoO)と炭酸リチウム(LiCO)をモル比で2:
1に混合し、空気中で900℃,9時間加熱したものを
用いた。また上記の材料の混合比率のうちPTFEの水
性ディスパージョンの割合はそのうちの固形分の割合で
ある。
(CoO)と炭酸リチウム(LiCO)をモル比で2:
1に混合し、空気中で900℃,9時間加熱したものを
用いた。また上記の材料の混合比率のうちPTFEの水
性ディスパージョンの割合はそのうちの固形分の割合で
ある。
【0020】2は炭素材料でなる負極で、帯状負極シー
トは市販の石炭系ピッチコークス粉末と結着剤のPTF
Eの水性ディスパージョンを重量比で100:5の割合
で混練したものを合剤にして、集電体としてのニッケル
製エキスパンドメタルに圧入し、乾燥後所定の大きさに
切断して作製した。芳香族炭化水素を含有させる場合
は、炭素質材料に種々の割合で混合させ、同様な方法に
よって混練して負極シートを完成した。このシートの合
剤の一部を長手方向に対して垂直に掻き取り、露出した
集電体上にニッケル製負極リード板をスポット溶接によ
り取りつけて負極とした。なおPTFEの比率は上記と
同様固形分の割合である。
トは市販の石炭系ピッチコークス粉末と結着剤のPTF
Eの水性ディスパージョンを重量比で100:5の割合
で混練したものを合剤にして、集電体としてのニッケル
製エキスパンドメタルに圧入し、乾燥後所定の大きさに
切断して作製した。芳香族炭化水素を含有させる場合
は、炭素質材料に種々の割合で混合させ、同様な方法に
よって混練して負極シートを完成した。このシートの合
剤の一部を長手方向に対して垂直に掻き取り、露出した
集電体上にニッケル製負極リード板をスポット溶接によ
り取りつけて負極とした。なおPTFEの比率は上記と
同様固形分の割合である。
【0021】これら正極1と負極2をポリプロピレン製
の多孔質フィルムセパレータ3を介して渦巻き状に巻回
し、ケース4内に挿入した後、チタン製リード5をステ
ンレス製封口板6にスポット溶接した。7はアルミニウ
ム製の正極キャップ兼正極端子で予め封口板6にスポッ
ト溶接してある。また負極リード板11は負極端子を兼
ねたケース4の円形底面の中心位置にスポット溶接し
た。8はポリプロピレン製の絶縁板であり、9は同じく
ポリプロピレン製の絶縁ガスケットである。10は電池
に異常が起きて、電池内圧が上昇した場合に内部のガス
を外部へ放出すべく取り付けてある安全弁である。12
はポリプロピレン製絶縁底板で、巻回時に生じる空間A
と同面積になるように穴が開いている。
の多孔質フィルムセパレータ3を介して渦巻き状に巻回
し、ケース4内に挿入した後、チタン製リード5をステ
ンレス製封口板6にスポット溶接した。7はアルミニウ
ム製の正極キャップ兼正極端子で予め封口板6にスポッ
ト溶接してある。また負極リード板11は負極端子を兼
ねたケース4の円形底面の中心位置にスポット溶接し
た。8はポリプロピレン製の絶縁板であり、9は同じく
ポリプロピレン製の絶縁ガスケットである。10は電池
に異常が起きて、電池内圧が上昇した場合に内部のガス
を外部へ放出すべく取り付けてある安全弁である。12
はポリプロピレン製絶縁底板で、巻回時に生じる空間A
と同面積になるように穴が開いている。
【0022】以上の操作の後、電解液(2.3ml)を
注入して封口した。用いた電解液は、エチレンカーボネ
ートとジエチルカーボネートとが体積比1:1にて混合
されている混合溶媒に、LiPF6 が1(mol/l)
になるように溶解されているものを用いた。なお、電解
液には種々の濃度でブロムベンゼンと2−メチル1,3
−ブタジエンとを、あるいはブロムベンゼンとスチレン
とを溶解させた。これらの比率は下記の表1〜12に示
されている通りである。また、この完成電池のサイズは
単3形(14.5φmm×50mm)である。
注入して封口した。用いた電解液は、エチレンカーボネ
ートとジエチルカーボネートとが体積比1:1にて混合
されている混合溶媒に、LiPF6 が1(mol/l)
になるように溶解されているものを用いた。なお、電解
液には種々の濃度でブロムベンゼンと2−メチル1,3
−ブタジエンとを、あるいはブロムベンゼンとスチレン
とを溶解させた。これらの比率は下記の表1〜12に示
されている通りである。また、この完成電池のサイズは
単3形(14.5φmm×50mm)である。
【0023】[充放電テスト]このように試作した電池
に対して上限電圧4.2V、下限電圧2.5Vとして4
00mAの定電流/定電圧充電を3時間行い、放電は4
00mAの定電流で行う充放電テスト実施し、この時に
得られた放電容量を計測した。これらの結果は下表1〜
12中に示してある。ここで、表1〜6はブロムベンゼ
ンと2−メチル1,3−ブタジエンとを溶解した電解液
を用いた電池を示し、表7〜12はブロムベンゼンとス
チレンとを溶解させた電解液を用いた電池を示してい
る。
に対して上限電圧4.2V、下限電圧2.5Vとして4
00mAの定電流/定電圧充電を3時間行い、放電は4
00mAの定電流で行う充放電テスト実施し、この時に
得られた放電容量を計測した。これらの結果は下表1〜
12中に示してある。ここで、表1〜6はブロムベンゼ
ンと2−メチル1,3−ブタジエンとを溶解した電解液
を用いた電池を示し、表7〜12はブロムベンゼンとス
チレンとを溶解させた電解液を用いた電池を示してい
る。
【0024】また、これらの電池を再び400mAの定
電流で充電し続けて人為的に過充電状態を作り、8時間
後に電池の破裂の有無を確認するテストを行った。この
結果も、同じく下表1〜12中に示してある。
電流で充電し続けて人為的に過充電状態を作り、8時間
後に電池の破裂の有無を確認するテストを行った。この
結果も、同じく下表1〜12中に示してある。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【表7】
【0032】
【表8】
【0033】
【表9】
【0034】
【表10】
【0035】
【表11】
【0036】
【表12】
【0037】即ち、表1〜12に示されているように、
電解液中にブロムベンゼンと2−メチル1,3−ブタジ
エンとを溶解した電池、あるいはブロムベンゼンとスチ
レンとを溶解させた電池の中でも400(mAh)以上
の容量を確保し、なおかつ破裂が認められなかった電池
は、ブロムベンゼンが0.1〜5mmol/lの範囲で
添加されるとともに、2−メチル1,3−ブタジエンあ
るいはスチレンのいずれかが単体で1〜10mmol/
lの範囲で添加されている電池のみであった。
電解液中にブロムベンゼンと2−メチル1,3−ブタジ
エンとを溶解した電池、あるいはブロムベンゼンとスチ
レンとを溶解させた電池の中でも400(mAh)以上
の容量を確保し、なおかつ破裂が認められなかった電池
は、ブロムベンゼンが0.1〜5mmol/lの範囲で
添加されるとともに、2−メチル1,3−ブタジエンあ
るいはスチレンのいずれかが単体で1〜10mmol/
lの範囲で添加されている電池のみであった。
【0038】ここで、ブロムベンゼンと2−メチル1,
3−ブタジエン、あるいはブロムベンゼンとスチレンと
の添加物を全く溶解させていない電解液を用いた他は、
同様にして別途に作製した電池の充放電テストを行った
ところ、520(mAh)という高容量が得られはした
が、過充電テストでは破裂が認められた。
3−ブタジエン、あるいはブロムベンゼンとスチレンと
の添加物を全く溶解させていない電解液を用いた他は、
同様にして別途に作製した電池の充放電テストを行った
ところ、520(mAh)という高容量が得られはした
が、過充電テストでは破裂が認められた。
【0039】なお本発明の電池は、この実施例のスパイ
ラル(巻回式)型電池のみならず、コイン型等の偏平型
電池にも適用可能なことは勿論である。
ラル(巻回式)型電池のみならず、コイン型等の偏平型
電池にも適用可能なことは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上実施例によって詳細に説明してきた
ように、本発明に係るリチウム二次電池においては、2
−メチル1,3−ブタジエン又はスチレンが過充電及び
過放電時に、電析リチウムと反応したブロムベンゼンに
よって重合し、これらの重合膜がシャットダウン効果の
役割を果たすことによって、電池の破裂等の危険性を未
然に回避することが可能となり、この種の二次電池の安
全性を向上させることが可能になった。
ように、本発明に係るリチウム二次電池においては、2
−メチル1,3−ブタジエン又はスチレンが過充電及び
過放電時に、電析リチウムと反応したブロムベンゼンに
よって重合し、これらの重合膜がシャットダウン効果の
役割を果たすことによって、電池の破裂等の危険性を未
然に回避することが可能となり、この種の二次電池の安
全性を向上させることが可能になった。
【0041】
【0042】
【図1】電解液中に添加したブロムベンゼンと2−メチ
ル−1,3−ブタジエンとの過充電時及び過放電時にお
ける反応を説明する図である。
ル−1,3−ブタジエンとの過充電時及び過放電時にお
ける反応を説明する図である。
【0043】
【図2】電解液中に添加したブロムベンゼンとスチレン
との過充電時及び過放電時における反応を説明する図で
ある。
との過充電時及び過放電時における反応を説明する図で
ある。
【0044】
【図3】本発明を適用した単三型のスパイラルリチウム
二次電池の断面図である。
二次電池の断面図である。
【0045】
1 正極 2 負極 3 多孔質フィルムセパレータ 4 ケース 5 チタン製リード 6 封口板 7 正極キャップ兼正極端子 8 絶縁板 9 絶縁ガスケット 10 安全弁 11 負極リード板 12 絶縁底板
Claims (1)
- 【請求項1】 リチウムの吸蔵・放出可能な正極及び負
極と、非水電解液とを備えた非水電解液二次電池におい
て、前記非水電解液中には、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン及びスチレンから選ばれる1種類の単量体が1〜
10mmol/lの範囲で添加され、且つブロムベンゼ
ンが0.1〜5mmol/lの範囲で添加されているこ
とを特徴とする非水電解液二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9255455A JPH1197059A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9255455A JPH1197059A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 非水電解液二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1197059A true JPH1197059A (ja) | 1999-04-09 |
Family
ID=17279014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9255455A Pending JPH1197059A (ja) | 1997-09-19 | 1997-09-19 | 非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1197059A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999065101A1 (en) * | 1998-06-08 | 1999-12-16 | Moltech Corporation | Multifunctional reactive monomers for safety protection of nonaqueous electrochemical cells |
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JP2006269417A (ja) * | 2005-02-22 | 2006-10-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質二次電池およびその負極活物質の被膜形成方法 |
US7767340B2 (en) * | 2005-02-22 | 2010-08-03 | Panasonic Corporation | Non-aqueous electrolyte secondary battery and method of producing coating for negative electrode active material thereof |
JP2010198888A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Hitachi Ltd | リチウムイオン二次電池 |
WO2015064051A1 (en) | 2013-10-31 | 2015-05-07 | Sony Corporation | Secondary battery, battery pack, electric vehicle, electric power storage system, electric power tool, and electronic apparatus |
-
1997
- 1997-09-19 JP JP9255455A patent/JPH1197059A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100438198C (zh) * | 2004-12-31 | 2008-11-26 | 比亚迪股份有限公司 | 一种混合添加剂以及含该添加剂的电解液和锂离子二次电池 |
JP2006269417A (ja) * | 2005-02-22 | 2006-10-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 非水電解質二次電池およびその負極活物質の被膜形成方法 |
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KR20160081899A (ko) | 2013-10-31 | 2016-07-08 | 소니 주식회사 | 이차 전지, 전지 팩, 전동 차량, 전력 저장 시스템, 전동 공구 및 전자 기기 |
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