JP3324365B2 - リチウム二次電池用負極 - Google Patents

リチウム二次電池用負極

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JP3324365B2 JP28798795A JP28798795A JP3324365B2 JP 3324365 B2 JP3324365 B2 JP 3324365B2 JP 28798795 A JP28798795 A JP 28798795A JP 28798795 A JP28798795 A JP 28798795A JP 3324365 B2 JP3324365 B2 JP 3324365B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム二次電池用負
極に関するものである。
【0002】
【従来技術および問題点】近年、電子機器の小型軽量
化、携帯化が進み、その電源として高エネルギー密度を
有する電池の開発が要求されている。このような要求に
応える電池として、リチウム二次電池が期待されてい
る。
【0003】リチウム二次電池は、基本的に市販されて
いる各種の二次電池、例えばニッケルカドミウム電池、
鉛蓄電池等に比べ、高電圧、高エネルギー密度を有して
いる。しかし、一般に負極活物質としてリチウム金属を
用いたリチウム二次電池は、充電時に針状リチウムが発
生し、放電時に針状リチウムが切れ、電極基盤から脱落
するため、充放電に寄与しない死んだリチウムが生成す
る。このため、負極活物質としてリチウム金属を用いた
電池は、サイクル寿命が短くなるという問題がある。
【0004】リチウム金属に替わる新しい負極活物質
して、天然黒鉛や人造黒鉛等の炭素質材料やNb25
MoO2、TiS2、Li3FeN2、Li7MnN4Li
2.5 Co 0.5 等の無機材料が検討されている。これらの
材料は、リチウムイオンのインターカレーション反応を
利用しており、リチウムをイオン化した状態で骨格構造
中に保持しているため、リチウム金属で見られたデンド
ライトの生成もなく、サイクル寿命は改善される。この
うち、炭素質材料は、リチウム金属基準極に対し、0〜
1Vの卑な電極電位の範囲において、安定にリチウムイ
オンを挿入脱離することができ、200〜370mAh
/gの充放電容量を有する。実際、負極活物質に炭素質
材料を用いたリチウムイオン二次電池が実用化されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記炭
素質材料や無機材料は、容量がリチウム金属に比べて小
さく、上記炭素質材料や無機材料を負極に用いた電池の
エネルギー密度も、リチウム金属を負極に用いた電池に
比べてかなり小さくなるという問題がある。これら炭素
材料や無機材料の負極活物質を電池の負極として使用す
るためには、導電材や結着材を混合し負極電極に加工す
る必要がある。しかしながら、Li3FeN2、Li7
nN4Li 2.5 Co 0.5 等の負極活物質は、リチウム
金属と同様に非常に還元力が高いため、結着材や導電材
と反応しやすく、材料選択が難しい状況にあり、一般に
結着材として知られているポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)を用いた場合、負極活物質と結着材が反応
し、良好な電池特性が得られないという問題がある。ま
た、導電材には電子伝導性に優れたアセチレンブラック
(AB)が一般に用いられているが、アセチレンブラッ
クはリチウムイオンをほとんど脱挿入しないため、導電
材を混合した量だけ負極活物質の充填量が減少し、負極
電極の体積当たりの容量が低下するという問題がある。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、上記のような従来技術
のかかる問題を解決し、高エネルギー密度で、かつ充放
電容量が大きく、しかもサイクル寿命が長い電極特性を
有するリチウム二次電池用負極を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明によるリチウム二次電池用負極は、負極活物
と導電材と結着材で構成され、該負極活物質が、組成
式Li1+xyN(但し、Mは、遷移金属に属する元素を
表し、xは−0.2〜2.0の範囲にあり、yは0.1
〜0.5の範囲にある)で表される非晶質のリチウム含
有遷移金属窒化物であり、かつ該結着材がポリビニリデ
ンフルオライド(PVDF)、ポリ三フッ化塩化エチレ
ン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン〜エチレン
共重合体(ETFE)のいずれかであることを特徴とし
ている。さらに、該導電材が黒鉛であることを特徴とし
ている。
【0008】本発明を以下、さらに詳しく説明する。
【0009】上述のように本発明においては、負極活物
として、組成式Li1+xyN(但し、Mは、遷移金属
に属する元素を表し、xは−0.2〜2.0の範囲にあ
り、yは0.1〜0.5の範囲にある)で表される非晶
質のリチウム含有遷移金属窒化物を用い、かつ結着材と
して、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ
三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、テトラフルオロ
エチレン〜エチレン共重合体(ETFE)を用いる。さ
らに、導電材として黒鉛を用いる。本発明の負極活物質
と結着材を組み合わせることにより、負極活物質と結着
材の反応は認められず、この負極は、リチウム基準極に
対して1.5V以下の電極電位において、高容量の充放
電領域を有し、さらに長いサイクル寿命を有することを
実験により見い出した。また、導電材に黒鉛を用いるこ
とにより、黒鉛が導電材として動作すると同時に負極活
物質としても動作するため、導電材にアセチレンブラッ
クを用いたときに比べて、負極の体積当たりの容量低下
が少なく、高い容量密度が得られることを実験により見
い出し、その認識の下に本発明を完成した。本発明でい
う遷移金属とは、元素番号が21のScから元素番号3
0のZnと元素番号39のYから元素番号48のCdと
元素番号57のLaから元素番号80のHgまでを含
む。
【0010】前述の組成式において、xが−0.2未満
であると分解する恐れがある。また、yが0.1未満で
あると絶縁性が高くなり、電池特性が劣化すると共に、
分解する恐れを生じ、一方、0.5を越えると遷移金属
の固溶が困難になる。
【0011】負極活物質と導電材と結着材の重量混合比
は、それぞれの重量混合比をa,b,cwt%で表した
とき、65≦a≦96,2≦b≦20,2≦c≦15の
範囲にあるのが好ましく、導電材の混合比が2wt%未
満の場合、負極の抵抗が大きくなり良好な電池特性が得
られない。また、20wt%を越える場合、負極の容量
密度が低下し、良好な電池特性が得られない。
【0012】一方、結着材の混合比が2wt%未満の場
合、負極活物質と基板(集電体)の結着性が悪くなり、
負極の抵抗が大きくなったり、基板から負極活物質が剥
離し良好な電池特性が得られない。また、15wt%を
越える場合、結着材は絶縁体であるため、負極の抵抗が
大きくなり良好な電池特性が得られない。
【0013】本発明の負極活物質である組成式Li1+x
yN(但し、Mは、遷移金属に属する元素を表し、x
は−0.2〜2.0の範囲にあり、yは0.1〜0.5
の範囲にある)で表される非晶質のリチウム含有遷移金
属窒化物は、例えば組成式Li3-yyN(但し、Mは、
遷移金属に属する元素を表し、yは0.1〜0.5の範
囲にある)で表されるリチウム含有遷移金属窒化物(以
後は、前駆体という)を非晶質化することによって得ら
れる。非晶質化の方法について、種々の方法を試みた結
果、例えば、化学反応により前駆体からリチウムイオン
を脱離する方法や、電気化学反応により前駆体からリチ
ウムイオンを脱離する方法がある。
【0014】詳しい合成方法の一例について説明する。
まず、上記前駆体は、出発原料としてリチウム(Li)
あるいは窒化リチウム(Li3N)と遷移金属あるいは
遷移金属窒化物を用いることができ、組成式Li3-yy
N(但し、Mは、遷移金属に属する元素を表し、yは
0.1〜0.5の範囲にある)に従って、所定量を秤量
し、混合後、窒素雰囲気中で焼成することにより合成す
ることができる。次に、該前駆体から、化学反応あるい
は電気化学反応によりリチウムイオンを脱離し非晶質化
させる。電気化学反応により非晶質化する方法として
は、作用極に該前駆体を、対極にリチウム金属を、及び
電解液にリチウム塩を含む非水電解液を用いた酸化還元
系を組み、所定の電気量、充電(作用極からリチウムイ
オンを脱離する方向)する方法がある。一方、化学反応
により非晶質化する方法としては、脱水したアセトニト
リル中に所定量のヨウ素(I2)を溶解し、これに該前
駆体を加え、撹拌、ろ過する方法がある。
【0015】本発明のリチウム二次電池用負極を使用す
るリチウム二次電池に用いる電解質には、非水電解液、
高分子電解質、無機固体電解質あるいは溶融塩電解質が
適当である。非水電解液は、一般に、溶媒と、その溶媒
に溶解する塩とから構成されている。非水電解液の溶媒
としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレン
カーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DM
C)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチル
カーボネート(MEC)等の鎖状エステル類、γ−ブチ
ロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエ
タン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DE
E)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エー
テル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、アセ
トニトリル等のニトリル類等から選ばれた少なくとも1
種類以上の溶媒を用いることができる。また、非水電解
液の溶質としては、LiAsF6、LiBF4、LiPF
6、LiAlCl4、LiClO4、LiCF3SO3、L
iSbF6、LiSCN、LiCl、LiC65SO3
LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、C4
9SO3Li等のリチウム塩及びこれらの混合物を用い
ることができる。
【0016】また、高分子電解質としては、例えばポリ
エチレンオキサイド等のポリエーテル化合物にLiCF
3SO3等のリチウム塩を溶解した系や高分子ラテックス
に上記非水電解液を含浸させた系を用いることができ、
無機固体電解質には、Li2S−SiS2−Li3PO4
やLi4SiO4−Li3VO4系等を用いることができ
る。さらに、溶融塩電解質としては、例えば、AlCl
3−1−ブチルピリジニウムクロリド−LiCl系やA
lCl3−1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロ
リド−LiCl系を用いることができる。
【0017】さらに、本発明の負極活物質をリチウム二
次電池に用いる場合、正極活物質には、チタン、モリブ
デン、タングステン、ニオブ、バナジウム、マンガン、
鉄、クロム、ニッケル、コバルトなどの遷移金属の酸化
物や硫化物や硫酸化物等を用いることができる。また、
リチウムを含有する、チタン、モリブデン、タングステ
ン、ニオブ、バナジウム、マンガン、鉄、クロム、ニッ
ケル、コバルトなどの遷移金属の複合酸化物や複合硫化
物や複合硫酸化物等を用いることができる。特に、リチ
ウム金属に対する電極電位が3V以上であり、高電圧、
高エネルギー密度が期待できる。LiMn24、LiC
oO2、LiNiO2が、正極活物質として好適である。
【0018】本発明の負極活物質である組成式Li1+x
yN(但し、Mは、遷移金属に属する元素を表し、x
は−0.2〜2.0の範囲にあり、yは0.1〜0.5
の範囲にある)で表される非晶質のリチウム含有遷移金
属窒化物は、リチウム基準極に対し、1.5V以下の卑
な電極電位の範囲において、高容量の充放電領域を有す
る。
【0019】特に、本発明の負極活物質であるLi1+x
CoyN、Li1+xNiyNあるいはLi1+xCuyN(但
し、xは−0.2〜2.0の範囲にあり、yは0.1〜
0.5の範囲にある)は、X線粉末回折法において、回
折角をθとして2θで30〜70°の範囲に回折ピーク
を持たない非晶質であり、従来技術のLi2.5Co0.5
とは、マクロ的に全く異なった特性を有する負極活物質
であり、しかも、この非晶質のLi1+xCoyN、Li
1+xNiyNあるいはLi1+xCuyN(但し、xは−0.
2〜2.0の範囲にあり、yは0.1〜0.5の範囲に
ある)は、可逆的にリチウムイオンの脱挿入ができ、か
つ高充放電容量を有することを実験により発見し、従来
技術の炭素質材料や無機材料の負極活物質に比べて、充
放電容量を著しく向上することを見い出した。
【0020】さらに、結着材にポリビニリデンフルオラ
イド(PVDF)、ポリ三フッ化塩化エチレン(PCT
FE)、テトラフルオロエチレン〜エチレン共重合体
(ETFE)を用いることにより、負極活物質と反応す
ることなく、良好な電池特性が得られることを見い出し
た。また、黒鉛は、電子伝導性を有し、しかも、リチウ
ムイオンを脱挿入する負極活物質として動作するため
(容量200〜350mAh/g)、導電材にアセチレ
ンブラックを用いた場合に比べて、負極の体積当たりの
容量を低下することなく高い容量を維持することを確認
した。
【0021】このように、本発明の負極を用いれば、リ
チウム基準極に対して1.5V以下の電極電位におい
て、高容量の充放電領域が得られる。さらに負極活物質
と結着材との反応による不可逆物質の生成等の劣化がほ
とんど見られず、極めて安定でサイクル寿命の長い電池
特性を得ることができる。また、導電材に黒鉛を用いる
ことにより、黒鉛が導電材として動作すると同時に負極
活物質としても動作するため、導電材にアセチレンブラ
ックを用いたときに比べて、負極の体積当たりの容量低
下が少なく、高い容量密度が得られる。従って、負極活
物質に、組成式Li1+xyN(但し、Mは、遷移金属に
属する元素を表し、xは−0.2〜2.0の範囲にあ
り、yは0.1〜0.5の範囲にある)で表される非晶
質のリチウム含有遷移金属窒化物を用い、かつ結着材が
ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリ三フッ
化塩化エチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレ
ン〜エチレン共重合体(ETFE)を用い、さらに、導
電材が黒鉛を用いることにより、高エネルギー密度で、
かつ充放電容量が大きく、しかも安全性が確保され、サ
イクル寿命が長いリチウム二次電池用負極を提供するこ
とができる。
【0022】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明する。
【0023】
【実施例1】図1は本発明によるリチウム二次電池の負
極の性能評価に用いたテストセルの断面図である。図1
において、1は対極ケースであり、ステンレス鋼板の板
を絞り加工したものである。2は対極であり、所定の厚
みのリチウム金属箔を直径16mmに打ち抜いたものを
圧着したものである。3は非水電解液であり、ECとD
EEの体積比1:1の混合溶媒に、LiClO4を1モ
ル/リットル溶解したものである。4はポリプロピレン
またはポリエチレンの多孔質フィルムからなるセパレー
タである。5はステンレス鋼の板を絞り加工した作用極
ケースである。6は本発明の負極を用いた作用極であ
る。7は集電体、8はガスケットであり、対極ケース1
と作用極ケース5との間の電気的絶縁を保つと共に、作
用極ケース開口縁が内側に折り曲げられ、かしめられる
ことによって、電池内容物を密閉、封止している。
【0024】作用極6は次のように作製した。前述した
化学反応により合成した負極活物質のLiCo0.4
と、導電材の黒鉛と、結着材のポリビニリデンフルオラ
イド(PVDF)を、重量混合比88:7:5で混合
し、適当な粘土になるようN−メチル2ピロリドンに分
散させスラリーを作製し、集電体の鋼箔基板(厚み15
μm)にドクターブレード法で塗布し負極電極シートを
作製した。その後、この負極から、直径18mmの負極
を打ち抜き、溶接部を確保するため周囲を幅1mm削り
落として作用極とした。この作用極は、作用極ケース5
にスポット溶接されている。
【0025】このテストセルを0.0〜1.4Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。このときの3サ
イクル目の充放電曲線を図2に示す。図から明らかなよ
うに、この負極は、0.0〜1.4Vの電圧範囲で、可
逆的にリチウムイオンを吸蔵、放出可能であり、10m
Ahの容量が得られた。また、このテストセルのサイク
ル特性を図3に示す。図から明らかなように充放電に伴
う容量の急激な低下は認められず、200サイクル以上
安定に充放電を繰り返した。さらに、充放電試験終了
後、テストセルを分解し、作用極表面を観察したが、負
極の剥離は認められなかった。また、作用極をX線回折
装置で分析したが、リチウム金属の析出は認められなか
った。
【0026】
【実施例2】実施例1の作用極6に重量混合比を、9
0:7:3に替えた負極を用いてテストセルを作製し
た。作用極6以外は実施例1と同じものを用いた。
【0027】このテストセルも0.0〜1.4Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。この負極は0.
0〜1.4Vの電圧範囲で、可逆的にリチウムイオンを
吸蔵、放出可能であり、11mAhの容量が得られた。
また、充放電に伴う容量の急激な低下は認められず、2
00サイクル以上安定に充放電を繰り返した。さらに、
充放電試験終了後、テストセルを分解し、作用極表面を
観察したが、負極の剥離は認められなかった。また、作
用極をX線回折装置で分析したが、リチウム金属の析出
は認められなかった。
【0028】
【実施例3】実施例1の作用極6の負極活物質をLi
1.2Ni0.3Nに替えてテストセルを作製した。この作用
極の重量混合比は実施例1と同じであり、作用極6以外
は実施例1と同じものを用いた。
【0029】このテストセルも0.0〜1.4Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。この負極は0.
0〜1.4Vの電圧範囲で、可逆的にリチウムイオンを
吸蔵、放出可能であり、8mAhの容量が得られた。ま
た、充放電に伴う容量の急激な低下は認められず、20
0サイクル以上安定に充放電を繰り返した。さらに、充
放電試験終了後、テストセルを分解し、作用極表面を観
察したが、負極の剥離は認められなかった。また、作用
極をX線回折装置で分析したが、リチウム金属の析出は
認められなかった。
【0030】
【実施例4】実施例1の作用極6の負極活物質をLi
1.2Cu0.4Nに替えてテストセルを作製した。この作用
極の重量混合比は実施例1と同じであり、作用極6以外
は実施例1と同じものを用いた。
【0031】このテストセルも0.0〜1.4Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。この負極は0.
0〜1.4Vの電圧範囲で、可逆的にリチウムイオンを
吸蔵、放出可能であり、9mAhの容量が得られた。ま
た、充放電に伴う容量の急激な低下は認められず、20
0サイクル以上安定に充放電を繰り返した。さらに、充
放電試験終了後、テストセルを分解し、作用極表面を観
察したが、負極の剥離は認められなかった。また、作用
極をX線回折装置で分析したが、リチウム金属の析出は
認められなかった。
【0032】
【実施例5】実施例1の作用極6の結着材をポリ三フッ
化塩化エチレン(PCTFE)に替えてテストセルを作
製した。この作用極の重量混合比は実施例1と同じであ
り、作用極6以外は実施例1と同じものを用いた。
【0033】このテストセルも0.0〜1.4Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。この負極は0.
0〜1.4Vの電圧範囲で、可逆的にリチウムイオンを
吸蔵、放出可能であり、9.5mAhの容量が得られ
た。また、充放電に伴う容量の急激な低下は認められ
ず、200サイクル以上安定に充放電を繰り返した。さ
らに、充放電試験終了後、テストセルを分解し、作用極
表面を観察したが、負極の剥離は認められなかった。ま
た、作用極をX線回折装置で分析したが、リチウム金属
の析出は認められなかった。
【0034】
【実施例6】実施例1の作用極6の結着材をテトラフル
オロエチレン〜エチレン共重合体(ETFE)に替えて
テストセルを作製した。この作用極の重量混合比は実施
例1と同じであり、作用極6以外は実施例1と同じもの
を用いた。
【0035】このテストセルも0.0〜1.4Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。この負極は0.
0〜1.4Vの電圧範囲で、可逆的にリチウムイオンを
吸蔵、放出可能であり、9mAhの容量が得られた。ま
た、充放電に伴う容量の急激な低下は認められず、20
0サイクル以上安定に充放電を繰り返した。さらに、充
放電試験終了後、テストセルを分解し、作用極表面を観
察したが、負極の剥離は認められなかった。また、作用
極をX線回折装置で分析したが、リチウム金属の析出は
認められなかった。
【0036】
【比較例1】実施例1の作用極6の結着材をポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)に替えてテストセルを作
製した。この作用極の重量混合比は実施例1と同じであ
り、作用極6以外は実施例1と同じものを用いた。
【0037】このテストセルも0.0〜1.4Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。この負極は0.
0〜1.4Vの電圧範囲で、10サイクル目までは、1
0mAhの容量が得られた。しかしながら、図3に示す
ように、サイクルと共に容量が徐々に低下し、サイクル
寿命は50サイクルと非常に短くなった。
【0038】
【比較例2】実施例1の作用極6の導電材をアセチレン
ブラックに替えてテストセルを作製した。この作用極の
重量混合比は実施例1と同じであり、作用極6以外は実
施例1と同じものを用いた。
【0039】このテストセルも0.0〜1.4Vの電圧
範囲、1mAの電流で充放電試験した。この負極は0.
0〜1.4Vの電圧範囲で、可逆的にリチウムイオンを
吸蔵、放出可能であったが、図3に示すように、安定容
量は7mAhの容量しか得られなかった。充放電に伴う
容量の急激な低下は認められず、200サイクル以上安
定に充放電を繰り返した。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による負極
を用いれば、リチウム金属基準極に対し、1.5V以下
の卑な電極電位の範囲において、大きな充放電容量なら
びに安定で長いサイクル寿命が得られる。このため、電
池の動作電圧を著しく低下することがなく、高電圧、高
エネルギー密度を達成することができる。負極活物質
結着材の反応がないため、非常に長いサイクル寿命を得
ることができる。また、導電材に黒鉛を用いることによ
り、高い容量密度が得られる。さらに、充放電を繰り返
した負極の電極表面にリチウム金属の析出が認められな
いことから、安全上も問題がない。
【0041】従って、本発明は、高エネルギー密度で、
かつ充放電容量が大きく、しかもサイクル寿命が長い電
極特性を有するリチウム二次電池用負極を得ることがで
きるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いたテストセルの断面図。
【図2】本発明の実施例1におけるテストセルの3サイ
クル目の充放電曲線を示す図。
【図3】本発明に実施例1、比較例1及び2におけるテ
ストセルのサイクル特性を示す図。
【符号の説明】
1 対極ケース 2 対極 3 非水電解液 4 セパレータ 5 作用極ケース 6 作用極 7 集電体 8 ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山木 準一 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−78609(JP,A) 特開 平7−320720(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 - 4/62

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負極活物質と導電材と結着材で構成される
    リチウム二次電池用負極において、該負極活物質が、組
    成式Li1+xyN(但し、Mは、遷移金属に属する元素
    を表し、xは−0.2〜2.0の範囲にあり、yは0.
    1〜0.5の範囲にある)で表される非晶質のリチウム
    含有遷移金属窒化物であり、かつ該結着材がポリビニリ
    デンフルオライド(PVDF)、ポリ三フッ化塩化エチ
    レン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン〜エチレ
    ン共重合体(ETFE)のいずれかであることを特徴と
    するリチウム二次電池用負極
  2. 【請求項2】該組成式Li1+xyNで表される非晶質の
    リチウム含有遷移金属窒化物が、Li1+xCoyN、Li
    1+xNiyNあるいはLi1+xCuyN(但し、xは−0.
    2〜2.0の範囲にあり、yは0.1〜0.5の範囲に
    ある)であり、かつ該結着材がポリビニリデンフルオラ
    イド(PVDF)、ポリ三フッ化塩化エチレン(PCT
    FE)、テトラフルオロエチレン〜エチレン共重合体
    (ETFE)のいずれかであることを特徴とする請求項
    1記載のリチウム二次電池用負極
  3. 【請求項3】該導電材が黒鉛であることを特徴とする
    求項1または2のいずれか1項記載のリチウム二次電池
    用負極
  4. 【請求項4】該負極活物質と該導電材と該結着材の重量
    混合比をそれぞれa,b,cwt%で表したとき、重量
    混合比が、65≦a≦96,2≦b≦20,2≦c≦1
    5の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項記載のリチウム二次電池用負極
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