JP3252414B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

Info

Publication number
JP3252414B2
JP3252414B2 JP31571791A JP31571791A JP3252414B2 JP 3252414 B2 JP3252414 B2 JP 3252414B2 JP 31571791 A JP31571791 A JP 31571791A JP 31571791 A JP31571791 A JP 31571791A JP 3252414 B2 JP3252414 B2 JP 3252414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
battery
potential
active material
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31571791A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05151995A (ja
Inventor
純一 山浦
幸雄 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP31571791A priority Critical patent/JP3252414B2/ja
Publication of JPH05151995A publication Critical patent/JPH05151995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3252414B2 publication Critical patent/JP3252414B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/485Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides of mixed oxides or hydroxides for inserting or intercalating light metals, e.g. LiTi2O4 or LiTi2OxFy
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/05Accumulators with non-aqueous electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/48Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides
    • H01M4/483Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of inorganic oxides or hydroxides for non-aqueous cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非水電解液二次電池、特
にLiCoO2を正極の活物質に用い、負極に炭素質材
料を用いた電池の特性改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器のポータブル化、コード
レス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として
小形・軽量で、高エネルギー密度を有する二次電池への
要望が高い。このような点で非水系二次電池、特にリチ
ウム二次電池はとりわけ高電圧・高エネルギー密度を有
する電池として期待が大きい。
【0003】特に最近、LiCoO2を正極活物質と
し、負極に炭素材を用いた電池系が、高エネルギー密度
をもったリチウム二次電池として注目を集めている。こ
の電池系の特徴は、電池電圧が高い(LiCoO2がL
iに対して4Vの高電圧を有するため)ことと、正、負
極ともに活物質のインターカレーションデインターカ
レーション反応を利用しているところにある。特に、負
極に金属Liを用いていないので、デンドライト状Li
の析出に短絡等が生じなく、安全性が高まり、急速充電
も期待できるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、この種の二次
電池には基本的に高出力、高容量で長寿命であることが
要望されている。最近の電子機器の高機能化にともな
い、機器を使用していない状態でもメモリーバックアッ
プや他の制御回路のコントロールで電力を消費するもの
が増えてきた。すなわち、電池を機器に装着したまま放
置すると電池は放電し続け、容量が尽きて電池電圧は最
終的に0Vに達することになる。従って、電池は、この
ような放電(過放電と呼んでいる)を経験した後でも再
び充電することによって回復するものでなければ実用性
が低い。ところが、LiCoO2を正極に用い、炭素質
材料を負極に用いたリチウム二次電池の場合、このよう
な過放電を行なうと、再び充放電しても元の容量に回復
せず、電池容量が低くなることがわかった。元来この電
池系のLi源はLiCoO2中に含まれるLiのみであ
り、充電でそのLiが負極炭素中に移動し、放電で再び
正極に戻る反応機構を有するが、過放電時には負極から
移動すべきLiがなくなり、負極がきわめて貴な電位に
まで立ち上がることがわかった。
【0005】そのため、負極の劣化が起こり、再び充放
電しても元の容量に回復せず、電池容量が低くなること
がわかった。そこで、負極の電位をより卑なレベルに抑
える手段として、特開平2−265167号公報でLi
xMoO3等の既にLiを含み、かつLiCoO2より卑
な放電電位を有する酸化物を正極に添加する手法が開示
された。
【0006】しかしこの手法でもLi源はやはり予め正
極中に含まれるLiのみであり、過放電時には負極から
移動すべきLiがなくなり、負極が貴な電位に立ち上が
ることは防ぎえないことは明白である。ただ、この手法
でも過放電劣化の抑制に多少の効果が見られたが、これ
は添加した低電位添加物との混成電位で正極の平衡電位
が若干下がったためだと考えられる。しかし、その効果
は十分とはいえず、過放電状態のまま1カ月以上長期放
置すると、その劣化の程度は無添加のものと変わらなく
なった。
【0007】本発明はこのような課題を解決するもの
で、長期の過放電を経験しても、再び充放電することに
より元の容量を維持できるものとすること、すなわち過
放電劣化を十分に抑制し、良好な充電回復性をもたせる
ことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はLiCoO2
らなる正極と、炭素質材料からなる負極を用いる非水電
解液二次電池で、正極が主活物質であるLiCoO2
外にLiに対して3V以下の放電電位を有する副活物質
を含み、負極は放電可能なLiを予め炭素質材料中に含
む構成としたものである。さらに好ましくは、負極に予
め含まれるLiの容量を負極に炭素質材料1g当たり2
0mAh以上とするものである。また、副活物質として
は、LiMn24、Li2MoO4、Li3VO4、Li2
SnO3、Li3NbO4等のLi含有酸化物、またはM
nO2、Nb25、TiO2等の酸化物が好ましい。さら
に、負極の炭素質材料中にLiを予め含ませる構成が、
負極板の一部に予め金属Liを貼付し、これを電位差あ
るいは濃度差によって炭素質材料中に拡散させるという
ものである。
【0009】
【作用】LiCoO2からなる正極と、炭素質材料から
なる負極と、有機電解質からなるリチウム二次電池を充
放電した後、抵抗を接続して過放電すると、Li参照極
基準での、正、負極それぞれの電位挙動は図1に示すよ
うになる。正、負極が等電位(電池電圧が0V)になっ
た時点で正、負極ともLiに対して3.3V近くの電位
に達していることがわかる。正極は通常この付近の電位
で使われており、問題はないと考えられるが、負極は通
常Liに対して1V以下の電位で使われているので、過
放電により負極の電位がこのように極めて貴な電位に維
持されることは問題である。そこで、負極の電位と電池
性能劣化の関係を定電位ステップ方式で調べた結果、L
iに対して3Vを超えると、負極の容量特性が著しく劣
化することがわかった。したがって、正、負極が等電位
(電池電圧が0V)になった時点でのその電位をより卑
な電位(3V以下)に維持することができれば、過放電
劣化を抑制できると考えられる。
【0010】特にこの電池系の場合、電池構成時には負
極はLiを含まず、充電によってこの電池系内の唯一の
Li源である正極のLiCoO2からLiが負極炭素中
へ移動し、放電で再びLiが正極へ戻る電池反応機構を
利用するものであるので、過放電時には負極からLiが
実質上失われて負極電位が貴に立ち上がると同時に、正
極へ戻るべきLiが実質上なくなるために正極は放電で
きず貴な電位に維持される。したがって、正、負極が等
電位(電池電圧が0V)になった時点で、その電位をよ
り卑な電位(3V以下)に維持するためには、負極へ予
めLiを付与した状態を構成することで負極電位を卑に
維持するとともに、そのLi分で正極を放電する手段が
考えられる。ところが、予め負極にLiを付与すると、
過放電時には図2に示すように負極電位は卑な電位に維
持できるものの逆に正極がかなり卑な電位にまで落ち込
むため、正極の劣化現象が起こることがわかった。別
途、正極の劣化電位を調べた結果、1.5V以下の電位
になると正極は著しく劣化することがわかった。そこ
で、Liを付与する量を制御して過放電時における正極
電位を1.5V以上に保ち、かつ負極の電位を3.0V
以下とすることを試みた。その結果、過放電で図2の正
極の電位曲線上の点Aと点Bの間に負極の電位が到達す
るようにすれば良いことがわかった。しかし、この手法
は実験的には可能であるが、わずかなLi量の変化で急
激な電位勾配を発現する領域に負極電位を到達させるこ
とは、Li付与量に加えて正、負極の容量バランスのき
わめて高精度な制御が必要であり、これを多少のばらつ
きが発生する実用電池で実現することはほとんど不可能
に近い。
【0011】本発明はこのような問題点を解決するもの
で、負極炭素質材料へのLiの付与と、正極への3V以
下の放電電位を有する副活物質の添加とで、過放電時の
電位を制御しようというものである。本発明の電池で過
放電を行った場合、過放電時における負極電位の立ち上
がりは付与したLiの分だけ放電後方にシフトするが、
そのLi分で正極に添加した3V以下の放電電位を有す
る副活物質の放電を確保しうるため、その電位挙動は図
3のようになる。すなわち、低い放電電位を有する副活
物質の放電途中に立ち上がった負極電位を到達させるた
め、電池電圧が0Vとなる時点(図3中点C)での、両
極の電位は副活物質の放電平坦部の電位近傍に制御でき
る。
【0012】さらに、副活物質の放電平坦部をある程度
確保しておけば、負極へのLiの付与量や正、負極の容
量バランスによるばらつきで正、負極の等電位到達点が
多少前後しても、無理なく目的の電位範囲に制御するこ
とができる。
【0013】また、負極へLiを予め含ませるLi付与
手段としては、予めLiをインターカレートした炭素質
材料で負極を構成する方法、負極を予め電気化学的に化
成してLiをインターカレートする極板化成法等が完成
度の高い方法として既に提案されているが、いずれも極
板製造上の困難さや工程の繁雑さの観点から実用的では
ない。
【0014】本発明の手段は電池構成以前に負極の一部
に金属Liを貼付し、これを拡散させるというもので、
例えば極板に金属LI片を単に圧着するなどで実現で
き、簡便さの点ですぐれている。さらに、過放電に対す
る効果も上記完成度の高い方法と比較してほとんど変わ
らなかった。これは負極に貼付した金属Liが注液後の
電解液との接触で炭素質材料との間で局部電池を構成
し、電気化学的に金属Liが炭素質材料中にインターカ
レーションし、ほぼ上記と同様の完成度の高い状態を保
つようになるためと考えられる。
【0015】
【実施例】以下、図面とともに本発明の比較例および
施例を説明する。
【0016】(比較例1) 図4は本発明の比較例および実施例に用いたコイン形電
池の縦断面図である。図4において、正極1は活物質に
導電材である炭素粉末を活物質に対して5重量%、結着
材であるポリ四フッ化エチレン樹脂粉末を活物質に対し
て7重量%混合し、これを正極ケース2の内側にスポッ
ト溶接で固定したチタンネット3上にプレス成型したも
のである。また、負極4は炭素質材料、(ここではピッ
チ系球状黒鉛を用いた)の粉末に結着材であるポリアク
リル酸系樹脂粉末を炭素質材料に対して5重量%混合し
たもので、封口板5の内側にスポット溶接で固定したス
テンレスネット6上にプレス成型したものである。そし
て、これら正、負極の間にポリプロピレン製セパレータ
7を配し、適量の電解液8を注入すると共にポリプロピ
レン製のガスケット9を介してケース2で封口板5を密
封し、直径20ミリ、高さ1.6ミリの完成電池とし
た。なお、電解液には1モルの過塩素酸リチウムを炭素
プロピレンと炭酸エチレンとの混合溶媒11中に溶かし
たものを用いた。この電池は試作直後は放電状態にあ
り、充電から開始する。
【0017】図5中の破線で示した曲線は、従来の電池
である比較例1(正極に副活物質を含まず、負極もLi
の付与のないもの)の場合における2mAの定電流充放
電を充電終止電圧を4.1V、放電終止電圧3.0Vに
設定して行なった時の10サイクル目の充放電電圧特性
である。この電池の場合、放電平均電圧は3.7Vであ
った。そこでまず、従来の電池の過放電にともなう電池
性能の劣化程度について検討した。過放電は、上記条件
で10サイクルの充放電を行なった後、放電状態で電池
を取り出し、これを50Ωの抵抗負荷で放電し、0Vに
達した後に抵抗を接続したままさらに10日間放置する
というものである。この過放電を10サイクル目に経験
させた後、再び充放電を行なった結果、その充放電電圧
特性は図5の実線1で示すように容量が20%近く低下
した。そして、さらにサイクルをくり返しても容量が低
下したままであった。従って、この電池は過放電を経験
することによって、容量特性が劣化するものであること
がわかった。
【0018】(比較例2) 正極に副活物質を加えた電池についてその実施例を示
す。正極中にLiCoO2に加えてLiMn24を5モ
ル%混合した活物質を用い、比較例1と同様のコイン形
電池を試作した。比較例1と同様の過放電を含む試験を
行なった場合の過放電後の充放電電圧特性は、図5中の
実線2のように副活物質を含まない電池と比較して向上
した。
【0019】ところが、過放電状態での放置を1カ月と
した長期間過放電の後では充放電電圧特性は図5中の実
線3に示すように容量劣化が大きくなり、その後のサイ
クルでも回復することはなかった。従って、正極に副活
物質を含ませる手法は効果はあるが、その効果の持続性
に問題があることがわかった。
【0020】さらに、副活物質としてLi2MoO4等の
他のLi含有酸化物を用いた場合、上記とほぼ同様の結
果が得られた。また、副活物質としてMnO2等のLi
を含まない酸化物を用いた場合、副活物質を添加しない
比較例1で示した電池の特性と変わらず、全く過放電に
対する効果はなかった。
【0021】(実施例) 正極に副活物質を加え、負極にLiを予め付与した本発
明の電池について示す。正極はLiMn24を添加した
上記比較例と同じものを用い、負極は極板を電気化学的
に化成することによってLiを付与した。なお化成量は
正極中に含まれる副活物質の放電容量から、計算上図3
のように負極電位が立ち上り、副活物質の放電途中に到
達する設計とした。この電池で上記比較例2と同様の過
放電状態での放置を1ヵ月とした長期間放電を含む試験
を行なった。
【0022】この本発明の電池の場合、長期過放電にも
かかわらず図6に示したように過放電直前の放電電圧特
性(図中破線)と、過放電を経験した後の放電電圧特性
(図中実線)とに大きな差異はなく、過放電特性に対し
て効果が大きいことは明らかである。
【0023】さらに、その後サイクルをくり返しても容
量が低下することもなかった。また、副活物質としてL
2MoO4等の他のLi含有酸化物を用いた場合もその
放電容量の違いで多少のバランス設計の変更を必要とす
るものの、過放電に対する効果は上記と同様にすぐれた
ものであった。さらに、副活物質としてMnO2等のL
iを含まない酸化物を用いた場合も負極にLiを付与
し、負極電位の立ち上がりを副活物質の放電途中に到達
させる設計を適用すると、過放電に対する効果は上記と
同様にすぐれたものとなった。従って、正極活物質とし
てLiCoO2を用い、負極に炭素質材料を用いる有機
電解液電池では、正極に3V以下の放電電位を有する副
活物質を加え、同時に負極の炭素質材料中に放電可能な
Liを予め含む構成を用いれば、少なくとも過放電を経
験しても電池の特性を損なうことはないといえる。ここ
で放電電位が3V以下の副活物質としては、上述の酸化
物系だけでなく、硫化物をはじめとするカルコゲン化合
物等もあるが、実際に酸化物以外のもので同様の試験を
行なった結果、過放電に対する効果も小さく、電池の貯
蔵性能を悪化させるなどの他の特性に対する悪影響の方
がむしろ著しかった。
【0024】(実施例) 次に、負極へのLiの付与量に関する検討を行なった。
正極にはLiMn24を添加した上記実施例と同じもの
を用い、負極にはLi付与量を炭素質材料1gに対して
10mAh〜100mAhと変化させたものを用いた。
その結果、Liの付与量が20mAh/g未満の場合、
過放電後の容量回復率が低下する傾向にあった。これは
副活物質の添加量に関係なく起こる現象で、この負極の
場合は少なくとも20mAh/g以上のLi付与量の確
保が必要であることがわかった。一般にLiをインター
カレーションするタイプの炭素質材料は、最初にインタ
ーカレーションしたLiのうち一部のLiが炭素中に残
存する非可逆容量分(リテンション)をもっているとい
われており、この非可逆容量分は一定で、これが満たさ
れている限り充放電容量が減るものではないというもの
である。そこで、この種の電池用負極材として提案され
てきたいくつかの有望な炭素質材料について検討した結
果、このピッチ系球状黒鉛の場合は1g当たりの非可逆
容量分は約20mAh/gであった。おそらくこの非可
逆容量分を満たすことがこの過放電特性を確保するため
の最小のLi付与量と考えられる。
【0025】現在のところ本実施例で用いたピッチ系球
状黒鉛が容量の観点から最もすぐれていると考えている
が、他の炭素質材料についても非可逆容量分はほとんど
10〜20mAh/g程度なので、どのような炭素質材
料を使っても20mAh/g以上のLi付与量を確保す
れば、過放電特性向上のための最小のLi付与量は満足
できると考えている。一方、Li付与量を増していった
場合、ある時点から過放電特性が低下するものが現れ
た。この場合は副活物質の容量が尽きた後にも負極がL
iを含んだ構成となったため、正極の電位が大きく卑な
方向へ落ち込んだ(正極の電位がLiに対して1.5V
以下となった)正極の劣化によるものと考えられる。た
だし、この場合は副活物質の添加量の調整でうまく設計
すればよいことなのでさほど問題ではない。元来副活物
質は通常の充放電量に寄与しないと考えると、電池の容
量確保の観点から副活物質の添加量は少ない程よいの
で、少なくともばらつき許容範囲を考慮してLi付与量
と副活物質のバランス設計を行なうことになる。ただ
し、最小のLi付与量の20mAh/g以上の確保は必
要である。
【0026】(実施例) 本実施例では負極炭素質材料中へのLiの付与は極板を
電気化学的に化成することによって行なった。方法とし
ては図7のように封口板5の内側にプレス成型した負極
4にリードを取りつけ、金属Li極10とともに電解液
11中で電解するというものである。この方法は電気量
の制御で付与量が定量的に把握できるというメリットが
あるが、工夫としては繁雑で実用性にはかける。特に、
この手法はこのようなコイン形電池の製造工程にさえ展
開しがたいもので、スパイラル構造を有する円筒形電池
ではさらに困難さが増すことを考えると、好ましい手法
ではない。そこで、この手法と同じ効果を有し、かつ簡
潔な手段について種々検討を行なった。例えば、予めL
iを含ませた炭素質材料で極板を作る手法があるが、こ
の材料が活性であるため極板製造過程でかなりの制約を
受け、むしろ困難であるということがわかった。また極
板状態で、Liを蒸着させる方法、ブチルリチウム等の
化合物と反応させる方法を試みたが、いずれも困難なも
のであった。いくつもの検討の中で最も簡単で、比較的
効果があったのは本発明の所定容量の金属リチウム片を
極板の上に貼付して炭素質材料中に拡散するという方法
であった。この場合は、極板の一部にLiを貼付してそ
のまま電池に組み立てるというもので、例えば極板に金
属Li片を単に圧着するなどで実現でき、簡便さの点で
すぐれている。さらに、過放電試験の結果もほとんど先
の電気化学的な化成方法での結果(図6)と同等とな
り、すぐれたものであった。これは負極に貼付した金属
Liが注液後の電解液との接触で炭素質材料との間で局
部電池を構成し、電気化学的に金属Liが炭素質材料中
にインターカレーションし、ほぼ上記の電気化学的な化
成で得られたものと同様の状態となるためと考えられ
る。
【0027】この炭素質材料へのLi貼付法は簡単に実
現できるので、スパイラル構造を有する円筒形電池にお
いても試験した結果、本発明の構成を用いれば、先の実
施例で用いたボタン形電池の結果とほとんど同じ効果が
得られることがわかった。
【0028】なお、本実施例では溶質に過塩素酸リチウ
ムを用いたが、他のリチウム含有塩、例えばホウフッ化
リチウム、六フッ化リン酸リチウム、六フッ化ヒ酸リチ
ウムなどを用いてもよく、電解液の溶媒にはプロピレン
カーボネートとジメトキシエタンとの混合溶媒の他、例
えばエチレンカーボネートやブチレンカーボネートなど
の炭酸エステル類、またテトラヒドロフランなどの炭酸
エーテル類などの単独、または混合溶媒を用いても同様
の効果が得られた。
【0029】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明で
は機器に装着されたまま電池が過放電されても、再び充
電することによって性能が回復するので、実用上きわめ
て有利でかつ高容量の非水電解液電池を提供しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電池における正、負極の過放電時の電位
挙動を示す図
【図2】従来の電池における正、負極の過放電時の電位
挙動を示す図
【図3】本発明の電池における正、負極の過放電時の電
位挙動を示す図
【図4】実施例に用いたコイン形電池の縦断面図
【図5】従来の電池の充放電電圧特性を示す図
【図6】本発明の電池の充放電電圧特性を示す図
【図7】電気化学的に負極板を化成する実験セルの概略
【符号の説明】
1 正極 2 正極ケース 3 チタンネット 4 負極 5 封口板 6 ステンレスネット 7 セパレータ 8 電解液 9 ガスケット 10 金属Li極 11 電解液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−265167(JP,A) 特開 昭64−48383(JP,A) 特開 昭64−14882(JP,A) 特開 昭63−2247(JP,A) 特開 平4−206267(JP,A) 特開 平5−82131(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/02 H01M 4/58

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LiCoO2からなる正極と炭素質材料
    からなる負極を用いた非水電解液二次電池であり、正極
    は主活物質であるLiCoO2以外にLiに対して3V
    以下の放電電位を有する副活物質を含み、負極は放電可
    能なLiを、炭素質材料中に予め炭素質材料1g当たり
    20mAh以上100mAh以下の範囲で含ませた非水
    電解液二次電池。
  2. 【請求項2】 副活物質が、一般式LiMn24、Li
    2MoO4、Li3VO4、Li2SnO3、Li3NbO4
    表わされるLi含有酸化物の少なくともいずれかである
    請求項1記載の非水電解液二次電池。
  3. 【請求項3】 副活物質が一般式MnO2、Nb25
    TiO4で表わされる酸化物である請求項1記載の非水
    電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 負極に放電可能なLiを含ませる手段
    が、負極の一部に予め金属Liを貼付し、これを電位差
    あるいは濃度差によって拡散させる請求項1記載の非水
    電解液二次電池。
JP31571791A 1991-11-29 1991-11-29 非水電解液二次電池 Expired - Fee Related JP3252414B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31571791A JP3252414B2 (ja) 1991-11-29 1991-11-29 非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31571791A JP3252414B2 (ja) 1991-11-29 1991-11-29 非水電解液二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05151995A JPH05151995A (ja) 1993-06-18
JP3252414B2 true JP3252414B2 (ja) 2002-02-04

Family

ID=18068693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31571791A Expired - Fee Related JP3252414B2 (ja) 1991-11-29 1991-11-29 非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3252414B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1679756B1 (en) * 1995-03-06 2008-04-30 Ube Industries, Ltd. Nonaqueous secondary lithium battery
US6553263B1 (en) 1999-07-30 2003-04-22 Advanced Bionics Corporation Implantable pulse generators using rechargeable zero-volt technology lithium-ion batteries
JP2001057213A (ja) * 1999-08-17 2001-02-27 Sony Corp 非水電解液電池
US6596439B1 (en) 2000-04-26 2003-07-22 Quallion Llc Lithium ion battery capable of being discharged to zero volts
JP2002015775A (ja) * 2000-06-29 2002-01-18 Toshiba Battery Co Ltd 非水溶媒二次電池およびこれに用いる正極活物質
JP4686852B2 (ja) * 2000-12-04 2011-05-25 ソニー株式会社 非水電解液電池
JP2002216761A (ja) * 2001-01-24 2002-08-02 Sagaken Chiiki Sangyo Shien Center リチウムイオン電池用正極及びロッキングチェアー型リチウムイオン電池
JP4713886B2 (ja) * 2002-12-06 2011-06-29 株式会社東芝 非水電解質二次電池
JP4514422B2 (ja) * 2003-09-04 2010-07-28 三洋電機株式会社 非水系電解液電池
KR100705262B1 (ko) * 2004-12-07 2007-04-09 주식회사 엘지화학 산소 음이온을 포함하는 비수계 전해액 및 이를 이용한리튬 이차 전지
EP2360759B1 (en) 2008-11-20 2017-07-12 LG Chem, Ltd. Electrode active material for secondary battery and method for preparing the same
JP5623241B2 (ja) * 2010-10-29 2014-11-12 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池
JP5855897B2 (ja) * 2011-10-20 2016-02-09 富士重工業株式会社 リチウムイオン二次電池
WO2014156153A1 (ja) 2013-03-27 2014-10-02 株式会社Gsユアサ 非水電解質蓄電素子用活物質
JP6331766B2 (ja) * 2014-06-27 2018-05-30 株式会社豊田自動織機 非水二次電池用電極の製造方法
JP6646370B2 (ja) * 2015-07-01 2020-02-14 古河電池株式会社 リチウム二次電池の充放電方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05151995A (ja) 1993-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3269396B2 (ja) 非水電解質リチウム二次電池
JP3028582B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP3252414B2 (ja) 非水電解液二次電池
KR19990007966A (ko) 가역용량이 개선된 충전형 리튬 밧데리
EP0874410B1 (en) Non-aqueous electrolyte secondary batteries
JPH0729602A (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP2000067852A (ja) リチウム二次電池
WO2000031811A1 (en) Hydrogenated fullerenes as an additive to carbon anode for rechargeable lithium-ion batteries
JPH10162823A (ja) 非水二次電池
JP3062304B2 (ja) 非水溶媒二次電池
JPH0562712A (ja) 非水電解液二次電池
JP3082117B2 (ja) 非水電解液二次電池
JPH10208777A (ja) 非水電解液二次電池
JP2887632B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP3111324B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2002042864A (ja) 非水電解質二次電池
JP2003282147A (ja) リチウムイオン二次電池
JPH06275265A (ja) 非水電解質二次電池
JPH0757780A (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP3680306B2 (ja) リチウム電池用正極板およびリチウム電池
JPH08162154A (ja) 非水溶媒電解液を有する二次電池
JPH08190932A (ja) 非水溶媒電解液を有する二次電池
JP3076887B2 (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
JP2621213B2 (ja) 有機電解質リチウム二次電池
JP3447187B2 (ja) 非水電解質電池およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071122

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees