JP6120113B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6120113B2
JP6120113B2 JP2016044142A JP2016044142A JP6120113B2 JP 6120113 B2 JP6120113 B2 JP 6120113B2 JP 2016044142 A JP2016044142 A JP 2016044142A JP 2016044142 A JP2016044142 A JP 2016044142A JP 6120113 B2 JP6120113 B2 JP 6120113B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
electrode active
material layer
negative electrode
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016044142A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016106376A (ja
Inventor
浩二 高畑
浩二 高畑
章浩 落合
章浩 落合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2016044142A priority Critical patent/JP6120113B2/ja
Publication of JP2016106376A publication Critical patent/JP2016106376A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6120113B2 publication Critical patent/JP6120113B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいい、リチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)、ニッケル水素電池等のいわゆる蓄電池を包含する。また、本明細書において「活物質」は、二次電池において電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン二次電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および離脱)可能な物質をいう。
例えば、日本国特許出願公開平成05−290844号公報には、LiPF含有電解液が使用されてなるリチウムイオン二次電池について、リチウムを吸蔵放出可能な負極材料として、天然黒鉛と人造黒鉛との混合物を使用することが開示されている。ここでは、当該混合物は人造黒鉛を10〜50重量%含有させることが開示されている。かかる構成によれば、LiPFと炭素材料の急激な反応が抑えられることが開示されている。
また、日本国特許出願公開2009−64574号公報には、負極集電体上に複数の負極層を有し、負極集電体に近い側の負極層に比較して、負極集電体から遠い側の負極層の充電レート特性が高いリチウムイオン二次電池が提案されている。
日本国特許出願公開平成05−290844号公報 日本国特許出願公開2009−64574号公報
ところで、リチウムイオン二次電池は、充電時に正極から放出されるリチウムイオンを負極に吸蔵する。この際、充電時に正極から放出されるリチウムイオンがより確実に負極に吸蔵されるため、リチウムイオンを放出する正極活物質層に対して、負極活物質層の幅を広くし、負極活物質層によって正極活物質層を覆っている。かかる形態では、反応抵抗(電池抵抗)を低く抑えることと、容量維持率を高く維持することを両立することが難しい。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極集電体と、正極集電体に保持された正極活物質層と、負極集電体と、負極集電体に保持され、前記正極活物質層を覆うように配置された負極活物質層とを備えている。ここで、負極活物質層は、負極活物質粒子として天然黒鉛と人造黒鉛とを含んでいる。また、負極活物質層は、正極活物質層に対向している部位と、正極活物質層に対向していない部位とを有している。正極活物質層に対向している部位では、正極活物質層に対向していない部位に比べて天然黒鉛の割合が大きく、かつ、正極活物質層に対向していない部位では、正極活物質層に対向している部位に比べて人造黒鉛の割合が大きい。かかる構成によれば、反応抵抗(電池抵抗)を低く抑えることができ、かつ、容量維持率を高く維持することができる。
この場合、負極活物質層のうち正極活物質層と対向している部位では、天然黒鉛と人造黒鉛のうち天然黒鉛の重量割合が90%以上であってもよい。また、負極活物質層のうち正極活物質層と対向していない部位では、天然黒鉛と人造黒鉛のうち人造黒鉛の重量割合が90%以上であってもよい。また、天然黒鉛は、ラマン分光法におけるR値が0.2〜0.6であり、かつ、人造黒鉛はR値が0.2以下であってもよい。また、負極活物質層のうち正極活物質層に対向している部位に用いられている負極活物質粒子の平均のR値(Ra)と、正極活物質層に対向していない部位に用いられている負極活物質粒子の平均のR値(Rb)との比(Ra/Rb)が(Ra/Rb)≧1.2であってもよい。ここで、R値は、ラマン分光法におけるR値を意味する。
また、負極活物質層は、バインダを含み、負極活物質層のうち正極活物質層と対向していない部位では、負極活物質層のうち正極活物質層と対向している部位に比べて、バインダの含有量が多いとよい。天然黒鉛は、少なくとも一部が非晶質炭素膜で覆われているとよい。
図1は、リチウムイオン二次電池の構造の一例を示す図である。 図2は、リチウムイオン二次電池の捲回電極体を示す図である。 図3は、図2中のIII−III断面を示す断面図である。 図4は、正極活物質層の構造を示す断面図である。 図5は、負極活物質層の構造を示す断面図である。 図6は、捲回電極体の未塗工部と電極端子との溶接箇所を示す側面図である。 図7は、リチウムイオン二次電池の充電時の状態を模式的に示す図である。 図8は、リチウムイオン二次電池の放電時の状態を模式的に示す図である。 図9は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を示す図である。 図10は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池について、捲回電極体の正極シートと負極シートとの積層構造を示す断面図である。 図11は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構造を模式的に示す断面図である。 図12は、負極活物質層が形成される工程を示す図である。 図13は、負極活物質層の形成に用いられるダイの一例を示す図である。 図14は、交流インピーダンス測定法における、Cole−Coleプロット(ナイキスト・プロット)の典型例を示す図である。 図15は、サンプル1〜5について、−30℃における反応抵抗(mΩ)と、保存後容量維持率(%)を示している。 図16は、負極活物質粒子について150回タップ密度と剥離強度との関係を示す図である。 図17は、90度はく離接着強さ試験方法を示す図である。 図18は、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池(車両駆動用電池)を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
ここではまず、非水系二次電池としてのリチウムイオン二次電池の一構造例を説明する。その後、かかる構造例を適宜に参照しつつ、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を説明する。なお、同じ作用を奏する部材、部位には適宜に同じ符号を付している。また、各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。
≪リチウムイオン二次電池100≫
図1は、リチウムイオン二次電池100を示している。このリチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、捲回電極体200と電池ケース300とを備えている。図2は、捲回電極体200を示す図である。図3は、図2中のIII−III断面を示している。
捲回電極体200は、図2に示すように、正極シート220、負極シート240およびセパレータ262、264を有している。正極シート220、負極シート240およびセパレータ262、264は、それぞれ帯状のシート材である。
≪正極シート220≫
正極シート220は、帯状の正極集電体221と正極活物質層223とを備えている。正極集電体221には、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。正極集電体221には、例えば、所定の幅を有し、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔を用いることができる。正極集電体221の幅方向片側の縁部に沿って未塗工部222が設定されている。図示例では、正極活物質層223は、図3に示すように、正極集電体221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電体221の両面に保持されている。正極活物質層223には、正極活物質が含まれている。正極活物質層223は、正極活物質を含む正極合剤を正極集電体221に塗工することによって形成されている。
≪正極活物質層223および正極活物質粒子610≫
ここで、図4は、正極シート220の断面図である。なお、図4において、正極活物質層223の構造が明確になるように、正極活物質層223中の正極活物質粒子610と導電材620とバインダ630とを大きく模式的に表している。正極活物質層223には、図4に示すように、正極活物質粒子610と導電材620とバインダ630が含まれている。
正極活物質粒子610には、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることができる物質を使用することができる。正極活物質粒子610の例を挙げると、LiNiCoMnO(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、LiNiO(ニッケル酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiFePO(リン酸鉄リチウム)などのリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。ここで、LiMnは、例えば、スピネル構造を有している。また、LiNiO或いはLiCoOは層状の岩塩構造を有している。また、LiFePOは、例えば、オリビン構造を有している。オリビン構造のLiFePOには、例えば、ナノメートルオーダーの粒子がある。また、オリビン構造のLiFePOは、さらにカーボン膜で被覆することができる。
≪導電材620≫
導電材620としては、例えば、カーボン粉末、カーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。導電材620としては、このような導電材から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。
≪バインダ630≫
また、バインダ630は、正極活物質層223に含まれる正極活物質粒子610と導電材620の各粒子を結着させたり、これらの粒子と正極集電体221とを結着させたりする。かかるバインダ630としては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた正極合剤組成物においては、セルロース系ポリマー(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など)、フッ素系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)など)、ゴム類(酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)など)などの水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた正極合剤組成物においては、ポリマー(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)など)を好ましく採用することができる。
≪増粘剤、溶媒≫
正極活物質層223は、例えば、上述した正極活物質粒子610と導電材620を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた正極合剤を作製し、正極集電体221に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、正極合剤の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。上記バインダ630として例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極合剤の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
正極合剤全体に占める正極活物質の質量割合は、凡そ50wt%以上(典型的には50〜95wt%)であることが好ましく、通常は凡そ70〜95wt%(例えば75〜90wt%)であることがより好ましい。また、正極合剤全体に占める導電材の割合は、例えば凡そ2〜20wt%とすることができ、通常は凡そ2〜15wt%とすることが好ましい。バインダを使用する組成では、正極合剤全体に占めるバインダの割合を例えば凡そ1〜10wt%とすることができ、通常は凡そ2〜5wt%とすることが好ましい。
≪負極シート240≫
負極シート240は、図2に示すように、帯状の負極集電体241と、負極活物質層243とを備えている。負極集電体241には、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この負極集電体241には、所定の幅を有し、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電体241の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部242が設定されている。負極活物質層243は、負極集電体241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電体241の両面に形成されている。負極活物質層243は、負極集電体241に保持され、少なくとも負極活物質が含まれている。負極活物質層243は、負極活物質を含む負極合剤が負極集電体241に塗工されている。
≪負極活物質層243≫
図5は、リチウムイオン二次電池100の負極シート240の断面図である。負極活物質層243には、図5に示すように、負極活物質粒子710、増粘剤(図示省略)、バインダ730などが含まれている。図5では、負極活物質層243の構造が明確になるように、負極活物質層243中の負極活物質粒子710とバインダ730とを大きく模式的に表している。
≪負極活物質粒子710≫
負極活物質粒子710としては、負極活物質として従来からリチウムイオン二次電池に用いられる材料の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。より具体的には、負極活物質は、例えば、天然黒鉛、非晶質の炭素材料でコートした天然黒鉛、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)、または、これらを組み合わせた炭素材料でもよい。なお、ここでは、負極活物質粒子710は、いわゆる鱗片状黒鉛が用いられた場合を図示しているが、負極活物質粒子710は、図示例に限定されない。
≪増粘剤、溶媒≫
負極活物質層243は、例えば、上述した負極活物質粒子710とバインダ730を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた負極合剤を作製し、負極集電体241に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、負極合剤の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。バインダ730には、上記正極活物質層223(図4参照)のバインダ630として例示したポリマー材料を用いることができる。また、上記正極活物質層223のバインダ630として例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極合剤の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
≪セパレータ262、264≫
セパレータ262、264は、図1または図2に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。この例では、図2および図3に示すように、負極活物質層243の幅b1は、正極活物質層223の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ262、264の幅c1、c2は、負極活物質層243の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
なお、図1および図2に示す例では、セパレータ262、264は、シート状の部材で構成されている。セパレータ262、264は、正極活物質層223と負極活物質層243とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。したがって、シート状の部材に限定されない。セパレータ262、264は、シート状の部材に代えて、例えば、正極活物質層223または負極活物質層243の表面に形成された絶縁性を有する粒子の層で構成してもよい。ここで、絶縁性を有する粒子としては、絶縁性を有する無機フィラー(例えば、金属酸化物、金属水酸化物などのフィラー)、或いは、絶縁性を有する樹脂粒子(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの粒子)で構成してもよい。
この捲回電極体200では、図2および図3に示すように、正極シート220と負極シート240とは、セパレータ262、264を介在させた状態で、正極活物質層223と負極活物質層243とが対向するように重ねられている。より具体的には、捲回電極体200では、正極シート220と負極シート240とセパレータ262、264とは、正極シート220、セパレータ262、負極シート240、セパレータ264の順に重ねられている。
また、この際、正極活物質層223と負極活物質層243とは、セパレータ262、264が介在した状態で対向している。そして、正極活物質層223と負極活物質層243とが対向した部分の片側に、正極集電体221のうち正極活物質層223が形成されていない部分(未塗工部222)がはみ出ている。当該未塗工部222がはみ出た側とは反対側には、負極集電体241のうち負極活物質層243が形成されていない部分(未塗工部242)がはみ出ている。また、正極シート220と負極シート240とセパレータ262、264とは、このように重ねられた状態で、正極シート220の幅方向に設定した捲回軸WLに沿って捲回されている。
≪電池ケース300≫
また、この例では、電池ケース300は、図1に示すように、いわゆる角型の電池ケースであり、容器本体320と、蓋体340とを備えている。容器本体320は、有底四角筒状を有しており、一側面(上面)が開口した扁平な箱型の容器である。蓋体340は、当該容器本体320の開口(上面の開口)に取り付けられて当該開口を塞ぐ部材である。
車載用の二次電池では、車両の燃費を向上させるため、重量エネルギ効率(単位重量当りの電池の容量)を向上させることが望まれる。この実施形態では、電池ケース300を構成する容器本体320と蓋体340は、アルミニウム、アルミニウム合金などの軽量金属が採用されている。これにより重量エネルギ効率を向上させることができる。
電池ケース300は、捲回電極体200を収容する空間として、扁平な矩形の内部空間を有している。また、図1に示すように、電池ケース300の扁平な内部空間は、捲回電極体200よりも横幅が少し広い。この実施形態では、電池ケース300は、有底四角筒状の容器本体320と、容器本体320の開口を塞ぐ蓋体340とを備えている。また、電池ケース300の蓋体340には、電極端子420、440が取り付けられている。電極端子420、440は、電池ケース300(蓋体340)を貫通して電池ケース300の外部に出ている。また、蓋体340には注液孔350と安全弁360とが設けられている。
捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに直交する一の方向において扁平に押し曲げられている。図2に示す例では、正極集電体221の未塗工部222と負極集電体241の未塗工部242は、それぞれセパレータ262、264の両側において、らせん状に露出している。図6に示すように、この実施形態では、未塗工部222、242の中間部分224、244を寄せ集め、電極端子420、440の先端部420a、440aに溶接している。この際、それぞれの材質の違いから、電極端子420と正極集電体221の溶接には、例えば、超音波溶接が用いられる。また、電極端子440と負極集電体241の溶接には、例えば、抵抗溶接が用いられる。ここで、図6は、捲回電極体200の未塗工部222(242)の中間部分224(244)と電極端子420(440)との溶接箇所を示す側面図であり、図1のVI−VI断面図である。
捲回電極体200は、扁平に押し曲げられた状態で、蓋体340に固定された電極端子420、440に取り付けられる。かかる捲回電極体200は、図1に示すように、容器本体320の扁平な内部空間に収容される。容器本体320は、捲回電極体200が収容された後、蓋体340によって塞がれる。蓋体340と容器本体320の合わせ目322(図1参照)は、例えば、レーザ溶接によって溶接されて封止されている。このように、この例では、捲回電極体200は、蓋体340(電池ケース300)に固定された電極端子420、440によって、電池ケース300内に位置決めされている。
≪電解液≫
その後、蓋体340に設けられた注液孔350から電池ケース300内に電解液が注入される。電解液は、水を溶媒としていない、いわゆる非水電解液が用いられている。この例では、電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば、体積比1:1程度の混合溶媒)にLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させた電解液が用いられている。その後、注液孔350に金属製の封止キャップ352を取り付けて(例えば溶接して)電池ケース300を封止する。なお、電解液は、ここで例示された電解液に限定されない。例えば、従来からリチウムイオン二次電池に用いられている非水電解液は適宜に使用することができる。
≪空孔≫
ここで、正極活物質層223は、例えば、正極活物質粒子610と導電材620の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間225を有している(図4参照)。かかる正極活物質層223の微小な隙間には電解液(図示省略)が浸み込み得る。また、負極活物質層243は、例えば、負極活物質粒子710の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間245を有している(図5参照)。ここでは、かかる隙間225、245(空洞)を適宜に「空孔」と称する。また、捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに沿った両側において、未塗工部222、242が螺旋状に巻かれている。かかる捲回軸WLに沿った両側252、254において、未塗工部222、242の隙間から、電解液が浸み込みうる。このため、リチウムイオン二次電池100の内部では、正極活物質層223と負極活物質層243に電解液が浸み渡っている。
≪ガス抜け経路≫
また、この例では、当該電池ケース300の扁平な内部空間は、扁平に変形した捲回電極体200よりも少し広い。捲回電極体200の両側には、捲回電極体200と電池ケース300との間に隙間310、312が設けられている。当該隙間310、312は、ガス抜け経路になる。例えば、過充電が生じた場合などにおいて、リチウムイオン二次電池100の温度が異常に高くなると、電解液が分解されてガスが異常に発生する場合がある。この実施形態では、異常に発生したガスは、捲回電極体200の両側における捲回電極体200と電池ケース300との隙間310、312を通して安全弁360の方へ移動し、安全弁360から電池ケース300の外に排気される。
かかるリチウムイオン二次電池100では、正極集電体221と負極集電体241は、電池ケース300を貫通した電極端子420、440を通じて外部の装置に電気的に接続される。以下、充電時と放電時のリチウムイオン二次電池100の動作を説明する。
≪充電時の動作≫
図7は、かかるリチウムイオン二次電池100の充電時の状態を模式的に示している。充電時においては、図7に示すように、リチウムイオン二次電池100の電極端子420、440(図1参照)は、充電器290に接続される。充電器290の作用によって、充電時には、正極活物質層223中の正極活物質からリチウムイオン(Li)が電解液280に放出される。また、正極活物質層223からは電荷が放出される。放出された電荷は、導電材(図示省略)を通じて正極集電体221に送られ、さらに、充電器290を通じて負極シート240へ送られる。また、負極シート240では電荷が蓄えられるとともに、電解液280中のリチウムイオン(Li)が、負極活物質層243中の負極活物質に吸収され、かつ、貯蔵される。
≪放電時の動作≫
図8は、かかるリチウムイオン二次電池100の放電時の状態を模式的に示している。放電時には、図8に示すように、負極シート240から正極シート220に電荷が送られるとともに、負極活物質層243に貯蔵されたリチウムイオンが、電解液280に放出される。また、正極では、正極活物質層223中の正極活物質に電解液280中のリチウムイオンが取り込まれる。
このようにリチウムイオン二次電池100の充放電において、電解液280を介して、正極活物質層223と負極活物質層243との間でリチウムイオンが行き来する。また、充電時においては、正極活物質から導電材を通じて正極集電体221に電荷が送られる。これに対して、放電時においては、正極集電体221から導電材を通じて正極活物質に電荷が戻される。
充電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、効率的で急速な充電が可能になると考えられる。放電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、電池の抵抗が低下し、放電量が増加し、電池の出力が向上すると考えられる。
≪他の電池形態≫
なお、上記はリチウムイオン二次電池の一例を示すものである。リチウムイオン二次電池は上記形態に限定されない。また、同様に金属箔に電極合剤が塗工された電極シートは、他にも種々の電池形態に用いられる。例えば、他の電池形態として、円筒型電池或いはラミネート型電池などが知られている。円筒型電池は、円筒型の電池ケースに捲回電極体を収容した電池である。また、ラミネート型電池は、正極シートと負極シートとをセパレータを介在させて積層した電池である。
以下、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池としてのリチウムイオン二次電池を説明する。なお、ここで、上述したリチウムイオン二次電池100と同じ作用を奏する部材または部位には、適宜に同じ符号を用い、必要に応じて上述したリチウムイオン二次電池100の図を参照して説明する。
≪リチウムイオン二次電池100A≫
図9は、ここで提案される非水系二次電池としてリチウムイオン二次電池100Aを示している。図10は、捲回電極体200Aの正極シート220と負極シート240Aとの積層構造を示す断面図である。さらに、図11は、かかるリチウムイオン二次電池100Aの構造を模式的に示す断面図である。
このリチウムイオン二次電池100Aは、図9および図10に示すように、負極集電体241Aと、負極集電体241Aに保持され、正極活物質層223を覆うように配置された負極活物質層243Aとを備えている。また、正極活物質層223と負極活物質層243Aとの間には、セパレータ262、264が介在している。
≪負極活物質層243A≫
リチウムイオン二次電池100Aの負極活物質層243Aは、負極活物質粒子として天然黒鉛と人造黒鉛を含んでいる。また、負極活物質層243Aは、図10および図11に示すように、正極活物質層223に対向している部位A1と、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3とを有している。負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1では、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に比べて天然黒鉛の割合が大きい。さらに、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では、正極活物質層223に対向している部位A1に比べて人造黒鉛の割合が大きい。
本発明者は、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1では、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に比べて天然黒鉛の割合が大きくし、さらに、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では、正極活物質層223に対向している部位A1に比べて人造黒鉛の割合が大きくすることによって、反応抵抗(電池抵抗)を低く抑えつつ、容量維持率を高く維持することができるとの知見を得た。
≪天然黒鉛と人造黒鉛≫
ここで、天然黒鉛は、自然界において長い年月を掛けて黒鉛化した黒鉛材料である。これに対して、人造黒鉛は、工業生産によって黒鉛化させた黒鉛材料である。これらの黒鉛材料は、炭素六角網平面が複数の層を形成するように重なった層構造を有している。この場合、充電時には、リチウムイオンは黒鉛材料のエッジ部(層のエッジ部)から黒鉛材料の層間に侵入し、層間に広がっていく。
≪非晶質炭素膜≫
この実施形態では、天然黒鉛としては、例えば、鱗片状の黒鉛粒子(鱗片状黒鉛(Flake Graphite)とも称される。)を用いることができる。さらに、天然黒鉛は、例えば、少なくとも一部が非晶質炭素膜によって覆われていてもよい。ここで、非晶質炭素膜は、非晶質な炭素材料よりなる膜である。例えば、核となる天然黒鉛にピッチを混ぜて焼くことによって、少なくとも一部が非晶質炭素膜によって覆われた天然黒鉛を得ることができる。
ここで、非晶質炭素膜で覆われた天然黒鉛中、非晶質炭素膜の重量割合Xは、凡そ0.01≦X≦0.10であるとよい。当該非晶質炭素膜の重量割合Xは、より好ましくは、0.02≦Xであるとよく、また上限は、より好ましくはX≦0.08、さらにはX≦0.06であるとよい。これにより、非晶質炭素膜によって、適当に覆われた天然黒鉛が得られる。非晶質炭素膜によって適当に覆われた天然黒鉛を負極活物質粒子として用いることにより、電解液と天然黒鉛との副反応を防止でき、リチウムイオン二次電池100Aの性能低下を防止できる。
≪R値≫
なお、ここで、好ましくは、天然黒鉛は、ラマン分光法におけるいわゆるR値が、0.2〜0.6であり、人造黒鉛はR値が0.2以下であるとよい。なお、上述したように非晶質炭素膜が形成された天然黒鉛(非晶質コートされた天然黒鉛)では、非晶質炭素膜が形成された状態でのR値で評価される。ここで「R値」は、2つのラマン分光バンド、黒鉛構造由来のGバンド(1580cm−1)と構造の乱れ(Disorder)に起因するDバンド(1360cm−1)の比であるR値と呼ばれる強度比(R=I1360/I1580)である。ここで、ラマン分光バンドを得る装置としては、例えば、サーモフィッシャー社製のNicolet分散型レーザーラマン装置を用いることができる。
すなわち、R値が高いほど黒鉛構造が乱れており、反対にR値が低いほど黒鉛構造が整っている。天然黒鉛のR値が0.2〜0.6とし、人造黒鉛のR値が0.2以下とするとことにより、天然黒鉛よりも黒鉛構造がより整っている人造黒鉛を選択するとよい。この場合、より好ましくは、天然黒鉛のR値0.22以上で選択してもよい。また、人造黒鉛は、R値を0.18未満としてもよい。これにより、天然黒鉛と人造黒鉛とでR値の差をより明確に生じさせることができる。また、かかるR値は、少なくとも100個以上の粒子を抽出し、その平均値で評価するとよい。
≪負極活物質層243Aの形成方法≫
この実施形態では、負極活物質層243Aを形成する方法は、例えば、以下の工程A〜Dを含んでいる。
工程Aでは、第1合剤を用意する。第1合剤は、負極集電体241Aのうち、正極活物質層223に対向している部位A1に相当する部位に塗工される合剤である。
工程Bでは、第2合剤を用意する。第2合剤は、負極集電体241Aのうち、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に相当する部位に塗工される合剤である。
工程Cでは、工程Aで用意された第1合剤を負極集電体241Aのうち、正極活物質層223に対向する部位A1に相当する部位に塗工する。
工程Dでは、工程Bで用意された第2合剤を負極集電体241Aのうち、正極活物質層223に対向しない部位A2,A3に相当する部位に塗工する。
≪第1合剤≫
工程Aで用意する第1合剤には、例えば、天然黒鉛とバインダと溶媒とを混ぜ合わせたペーストを用意するとよい。これにより負極活物質粒子として、人造黒鉛は含まず天然黒鉛を含むペーストを得ることができる。また、負極活物質粒子として、天然黒鉛と人造黒鉛とを適当な割合で混ぜ合わせたペーストを用意してもよい。また、例えば、重量割合において天然黒鉛:人造黒鉛=9:1としたペーストを用意してもよい。
≪第2合剤≫
工程Bで用意する第2合剤には、例えば、人造黒鉛とバインダと溶媒とを混ぜ合わせたペーストを用意するとよい。これにより負極活物質粒子として、天然黒鉛は含まず人造黒鉛を含むペーストを得ることができる。また、負極活物質粒子として、天然黒鉛と人造黒鉛とを適当な割合で混ぜ合わせたペーストを用意してもよい。また、例えば、重量割合において天然黒鉛:人造黒鉛=1:9としたペーストを用意してもよい。
≪工程C,工程D≫
以下、工程C,工程Dに関し、負極活物質層243Aが形成される工程について、一実施例を説明する。
図12は、負極活物質層243Aが形成される工程を示す図である。負極活物質層243Aは、図12に示すように、上記工程Aで用意された第1合剤と、工程Bで用意された第2合剤を負極集電体241Aの所定部位に塗布し、乾燥後、プレスして形成される。この負極活物質層243Aを形成する製造装置においては、図12に示すように、負極集電体241Aを走行させる走行経路12と、負極集電体241Aに負極活物質層243Aとなる合剤ペーストを塗布する塗布装置14と、負極集電体241Aに塗布された合剤を乾燥させる乾燥炉16とを備えている。
≪走行経路12≫
走行経路12は、負極集電体241Aを走行させる経路である。この実施形態では、走行経路12には、負極集電体241Aを走行させる所定の経路に沿って複数のガイド12bが配置されている。走行経路12の始端には、負極集電体241Aを供給する供給部32が設けられている。供給部32には、予め巻き芯32aに巻き取られた負極集電体241Aが配置されている。供給部32からは適宜に適当な量の負極集電体241Aが走行経路12に供給される。また、走行経路12の終端には負極集電体241Aを回収する回収部34が設けられている。回収部34は、走行経路12で所定の処理が施された負極集電体241Aを巻き芯34aに巻き取る。
この実施形態では、回収部34には、例えば、制御部34bとモータ34cとが設けられている。制御部34bは、回収部34の巻き芯34aの回転を制御するためのプログラムが予め設定されている。モータ34cは、巻き芯34aを回転駆動させるアクチュエータであり、制御部34bに設定されたプログラムに従って駆動する。かかる走行経路12には、電極材料塗布装置14と、乾燥炉16とが順に配置されている。
≪電極材料塗布装置14(塗布工程)≫
この実施形態では、その後、作成される捲回電極体200(図10および図11参照)において、正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2,A3とで、負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子の構成を異ならせている。このため、電極材料塗布装置14は、正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2、A3とで、負極活物質粒子の構成を異ならせた合剤を塗布する。
この場合、「負極活物質粒子の構成を異ならせる」とは、負極活物質粒子の構成(材料や含有割合)が実質的に異なっている場合をいう。例えば、「負極活物質粒子の構成を異ならせる」には、正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2、A3とで、異なる負極活物質粒子を用いることが含まれる。また、「負極活物質粒子の構成を異ならせる」には、正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2、A3とで、2種類以上の負極活物質粒子が含まれており、その割合が異なる場合が含まれる。なお、複数の負極活物質粒子が用いられている場合に、製造上の誤差によって、各負極活物質粒子の含有割合が微妙に異なるような程度は、ここでは負極活物質粒子の構成は実質的に同じものとする。また、負極活物質層243Aにおいて極めて小さい領域において局所的に、各負極活物質粒子の含有割合が微妙に異なるような程度についても、ここでは負極活物質粒子の構成は実質的に同じものとする。
電極材料塗布装置14は、図12に示すように、流路41、42と、フィルタ43、44と、塗布部45とを備えている。この実施形態では、電極材料塗布装置14は、走行経路12に配設されたバックロール46を走行する負極集電体241に対して合剤を塗布するように構成されている。この実施形態では、電極材料塗布装置14は、さらにタンク47、48と、ポンプ49、50とを備えている。ここで、タンク47、48は、それぞれ異なる合剤を貯留した容器である。ポンプ49、50は、それぞれタンク47、48から流路41、42に合剤を送り出す装置である。
≪流路41、42≫
流路41、42は、それぞれ溶媒に負極活物質粒子が分散したスラリーが流通し得る流路である。この実施形態では、流路41、42は、それぞれタンク47、48から塗布部45へ至っている。フィルタ43、44は、流路41、42内に配置されている。この実施形態では、タンク47、48には、正極活物質層223に対向する部位A1に塗布する第1合剤と、正極活物質層223に対向しない部位A2、A3に塗布する第2合剤とが用意されている。第1合剤と第2合剤は、上述したように溶媒に含まれる負極活物質粒子の種類が異なっている。また、第1合剤と第2合剤とは、容易に混ざり合わないことが好ましい。例えば、第1合剤の固形分濃度と第2合剤の固形分濃度を適切に調整することによって、第1合剤と第2合剤とが混ざり難くなる。
≪塗布部45≫
塗布部45は、負極集電体241Aのうち、捲回された後に正極活物質層223に対向する部位A1(図11参照)に上記第1合剤を塗布する。また、塗布部45は、負極集電体241Aのうち、捲回された後に正極活物質層223に対向しない部位A2、A3に、上記第2合剤を塗布する。図13は、この負極活物質層243Aの形成に用いられるダイの一例を示す図である。この実施形態では、塗布部45には、例えば、図13に示すように、横長の吐出口62を有するダイ60が用いられている。ダイ60の吐出口62は、中間部分62aと両側部62b1、62b2とが仕切られている。
ダイ60の内部には、それぞれ中間部分62aと両側部62b1、62b2とに連なる流路が形成されている。吐出口62の中間部分62aは、第1合剤が供給される流路41に連通している。また、吐出口62の両側部62b1、62b2は、第2合剤が供給される流路42に連通している。吐出口62の中間部分62aは、第1合剤を吐出する。また、吐出口62の両側部62b1、62b2は、第2合剤を吐出する。
ここでは、負極集電体241Aのうち正極活物質層223に対向する部位A1に、ダイ60の吐出口62の中間部分62aが合わせられる。また、負極集電体241Aのうち正極活物質層223に対向しない部位A2,A3に、ダイ60の吐出口62の両側部62b1、62b2が合わせられる。この場合、負極集電体241Aのうち正極活物質層223に対向する部位A1に第1合剤が塗布される。また、負極集電体241Aのうち正極活物質層223に対向しない部位A2,A3に第2合剤が塗布される。そして、このように第1合剤と第2合剤とが塗布された負極集電体241Aは、乾燥炉16(図12参照)に供給される。これにより、正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2,A3とで、負極活物質粒子の構成が異なる負極活物質層243Aが形成される。
例えば、第1合剤として、負極活物質粒子として天然黒鉛を用いた(或いは、人造黒鉛に比べて天然黒鉛の割合が大きい)合剤を用意する。また、第2合剤として、負極活物質粒子として人造黒鉛を用いた(或いは、天然黒鉛に比べて人造黒鉛の割合が大きい)合剤を用意する。これにより、負極集電体241Aのうち正極活物質層223に対向した部位A1では天然黒鉛の割合が大きく、かつ、負極集電体241Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では人造黒鉛の割合が大きい負極活物質層243Aを形成することができる。
また、第1合剤と第2合剤とを適当に調整することによって、正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2,A3とで、負極活物質層243Aに含まれる負極活物質粒子の構成を適当に異ならせることができる。
本発明者は、正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2,A3とで、負極活物質層243Aに含まれる負極活物質粒子の構成を適当に異ならせ、リチウムイオン二次電池を試作し、その性能を調べた。その結果、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1で天然黒鉛の割合が大きくし、さらに、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3で人造黒鉛の割合が大きくすることによって、反応抵抗(電池抵抗)を低く抑えつつ、容量維持率を高く維持することができるとの知見を得た。
≪評価用セル≫
ここでは、上述したように、正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2,A3とで、負極活物質層243Aに含まれる負極活物質粒子の構成を適当に異ならせた評価用セルを作成した。そして、各評価用セルについて、反応抵抗と、容量維持率(ここでは、所定の高温環境に保存した後の容量維持率)を評価した。ここで、評価用セルは円筒型のいわゆる18650型セル(図示省略)で構成した。また、評価用セルには、負極活物質層の構造が異なるサンプル1〜5を用意した。
≪評価用セルの正極≫
正極における正極活物質層を形成するにあたり正極合剤を調製した。ここで、正極合剤は、正極活物質として三元系のリチウム遷移金属酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、導電材としてアセチレンブラック(AB)、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)をそれぞれ用いた。ここでは、正極活物質と、導電材と、バインダの質量比を、正極活物質:導電材:バインダ=91:6:3とした。これら正極活物質と、導電材と、バインダとを、イオン交換水と混合することによって正極合剤を調製した。次いで、正極合剤を正極集電体の両面に塗布して乾燥させた。ここでは、正極集電体としてのアルミニウム箔(厚さ15μm)を用いた。これにより、正極集電体の両面に正極活物質層を備えた正極(正極シート)を作製した。正極シートは、乾燥後、ローラプレス機によって圧延することによって厚さを110μmにした。正極集電体への正極合剤の塗布量は、正極合剤が乾燥した後において、正極集電体の単位面積あたりに、正極活物質層が25mg/cmになるように設定した。
≪評価用セルの負極≫
ここではまず、負極合剤は、負極活物質粒子、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)、バインダをそれぞれ用いた。サンプルAでは、バインダに、ゴム系バインダであるスチレン・ブタジエンゴム(SBR)が用いられている。
ここで、負極活物質粒子と、増粘剤(CMC)と、バインダ(SBR)の質量比を、負極活物質粒子:CMC:SBR=98:1:1とした。これら負極活物質粒子と、CMCと、SBRとを、イオン交換水と混合することによって負極合剤を調製した。次いで、負極合剤を負極集電体の両面に塗布して乾燥させた。ここでは、負極集電体としての銅箔(厚さ10μm)を用いた。これにより、負極集電体の両面に負極活物質層を備えた負極(負極シート)を作製した。負極シートは、乾燥後、ローラプレス機にて圧延することによって厚さを100μmにした。これにより、負極集電体の両面に形成された負極活物質層の厚さをそれぞれ45μmとした。負極集電体への負極合剤の塗布量は、負極合剤が乾燥した後において、負極集電体の単位面積あたりに、負極活物質層が13mg/cmになるように設定した。
≪評価用セルのセパレータ≫
セパレータとしては、ポリプロピレン(PP)と、ポリエチレン(PE)の三層構造(PP/PE/PP)の多孔質シートからなるセパレータを用いた。ここでは、ポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)の質量比を、PP:PE:PP=3:4:3とした。
≪評価用セルの組み立て≫
上記で作製した負極と、正極と、セパレータとを用いて、試験用の18650型セル(リチウムイオン電池)を構築した。ここでは、セパレータを介在させた状態で、正極シートと負極シートとを積層して捲回した円筒形状の捲回電極体を作製した。そして、捲回電極体を円筒形状の電池ケースに収容し、非水電解液を注液して封口し、評価用セルを構築した。ここで、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを、所定の体積比(EC:DMC:EMC=3:4:3)で混合溶媒に、リチウム塩としての1mol/LのLiPFを溶解させた電解液を用いた。
ここでは、負極活物質層のうち正極活物質層223に対向する部位A1と、正極活物質層223に対向しない部位A2,A3とで、負極活物質粒子の構成が異なる評価用セルを用意した。そして、かかる評価用セルについて、所定のコンディショニングを施した後で、−30℃における反応抵抗、保存後容量維持率(所定の高温環境に所定時間保存後の容量維持率)を評価した。
≪コンディショニング≫
ここでコンディショニングは、次の手順1、2によって行なわれる。
手順1:1Cの定電流充電にて4.1Vに到達した後、5分間休止する。
手順2:手順1の後、定電圧充電にて1.5時間充電し、5分間休止する。
かかるコンディショニングでは、初期充電によって所要の反応が生じてガスが発生する。また、負極活物質層などに所要の被膜形成が形成される。
≪定格容量の測定≫
上記コンディショニングの後、評価用セルについて定格容量が測定される。定格容量の測定は、次の手順1〜3によって測定されている。なお、ここでは温度による影響を一定にするため、定格容量は温度25℃の温度環境において測定されている。
手順1:1Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間休止する。
手順2:1Cの定電流充電によって4.1Vに到達後、定電圧充電にて2.5時間充電し、その後、10秒間休止する。
手順3:0.5Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間停止する。
ここで、手順3における定電流放電から定電圧放電に至る放電における放電容量(CCCV放電容量)を「定格容量」とする。
≪SOC調整≫
SOC調整は、次の1、2の手順によって調整される。ここで、SOC調整は、上記コンディショニング工程および定格容量の測定の後に行なうとよい。また、ここでは、温度による影響を一定にするため、25℃の温度環境下でSOC調整を行なっている。
手順1:3Vから1Cの定電流で充電し、定格容量の凡そ60%の充電状態(SOC60%)にする。
手順2:手順1の後、2.5時間、定電圧充電する。
これにより、評価用セルは、所定の充電状態に調整することができる。なお、ここでは、SOCを60%に調整する場合を記載しているが、手順1で充電状態を変更することによって、任意の充電状態に調整できる。例えば、SOC90%に調整する場合には、手順1において、評価用セルを定格容量の90%の充電状態(SOC90%)にするとよい。
≪初期容量測定≫
初期容量の測定は、例えば、所定の充電状態に調整した評価用セルを、25℃の温度条件下において、端子間電圧が4.1Vになるまで1Cの定電流にて充電し、続いて合計充電時間が2.5時間になるまで定電圧で充電した(CC−CV充電)。充電完了から10分間休止した後、25℃において、4.1Vから3.0Vまで0.33C(1/3C)の定電流で放電させ、続いて合計放電時間が4時間となるまで定電圧で放電させた。このときの放電容量を各電池の初期容量Q1[Ah]とした。ここでは、SOC90%に評価用セルを調整した上で、初期容量を測定した。
≪−30℃における反応抵抗≫
反応抵抗は、交流インピーダンス測定法によって測定される反応抵抗である。交流インピーダンス測定法による。図14は、交流インピーダンス測定法における、Cole−Coleプロット(ナイキスト・プロット)の典型例を示す図である。図14に示すように、交流インピーダンス測定法における等価回路フィッティングによって得られるCole−Coleプロットを基に、直流抵抗(Rsol)と、反応抵抗(Rct)を算出することができる。ここで、反応抵抗(Rct)は、下記の式で求めることができる。
Rct=(Rsol+Rct)−Rsol;
このような測定、および、直流抵抗(Rsol)と反応抵抗(Rct)の算出は、予めプログラムされた市販の装置を用いて実施できる。かかる装置としては、例えば、Solartron社製の電気化学インピーダンス測定装置がある。ここでは、−30℃の温度環境で、SOC40%(定格容量の凡そ40%の充電状態)に調整された評価用セルを基に、10−3〜10Hzの周波数範囲で複素インピーダンス測定を行なった。そして、図11で示すように、ナイキスト・プロットの等価回路フィッティングによって得られる反応抵抗(Rct)を「−30℃における反応抵抗」とした。
≪保存後容量維持率≫
ここで、容量維持率(保存後容量維持率)は、所定の充電状態に調整された評価用セルを所定環境で所定時間保存した後、初期容量と同じ条件で放電容量(以下、適宜に「保存後容量」という。)を測定し、比(保存後容量)/(初期容量)で求められる。ここでは、「保存後容量」は、SOC90%に調整した後、60℃の温度環境で30日間保存した評価用セルを基に測定した放電容量である。
「保存後容量維持率」=(保存後容量)/(初期容量)×100(%);
本発明者は、表1に示すように、負極活物質粒子として、天然黒鉛と人造黒鉛を用意した。なお、ここでは、天然黒鉛として非晶質炭素膜でコートした天然黒鉛を用意した。そして、正極活物質層223に対向している部位A1と、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3とで、負極活物質粒子の構成が異なるサンプルを用意した。表1および図15は、以下のサンプル1〜5について、−30℃における反応抵抗(mΩ)と、保存後容量維持率(%)を示している。図15では、−30℃における反応抵抗(mΩ)は棒グラフで示されており、保存後容量維持率(%)は「◇」のプロットで示されている。
Figure 0006120113
≪サンプル1≫
サンプル1では、負極活物質層243A(図11参照)のうち、正極活物質層223に対向している部位A1に負極活物質粒子として天然黒鉛を用い、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3にも負極活物質粒子として天然黒鉛を用いた。この場合、反応抵抗は、531mΩであり、保存後容量維持率は、78.7%であった。サンプル1では、−30℃における反応抵抗(mΩ)を低く抑えることができるが、保存後容量維持率(%)が低くなる傾向があった。
≪サンプル2≫
サンプル2では、負極活物質層243A(図11参照)のうち、正極活物質層223に対向している部位A1に負極活物質粒子として人造黒鉛を用い、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に負極活物質粒子として人造黒鉛を用いた。この場合、反応抵抗は、2653mΩであり、保存後容量維持率は、84.5%であった。サンプル2では、保存後容量維持率(%)を高く維持できるものの、−30℃における反応抵抗(mΩ)が高くなる傾向があった。
≪サンプル3≫
サンプル3では、負極活物質層243A(図11参照)のうち、正極活物質層223に対向している部位A1に負極活物質粒子として人造黒鉛を用い、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に負極活物質粒子として天然黒鉛を用いた。この場合、反応抵抗は、2634mΩであり、保存後容量維持率は、81.3%であった。サンプル3では、サンプル2ほどではないが保存後容量維持率(%)を高く維持できる。しかしながら、−30℃における反応抵抗(mΩ)はサンプル2と同程度に高くなる傾向があった。
≪サンプル4≫
サンプル4では、負極活物質層243A(図11参照)のうち、正極活物質層223に対向している部位A1および正極活物質層223に対向していない部位A2,A3において、天然黒鉛と人造黒鉛を所定の割合で混合した混合物を負極活物質粒子として用いた。ここでは、質量割合にて、天然黒鉛:人造黒鉛=93:7とした。この場合、反応抵抗は、743mΩであり、保存後容量維持率は、79.4%であった。サンプル4では、−30℃における反応抵抗(mΩ)を低く抑えることができるが、保存後容量維持率(%)が低くなる傾向があった。
≪サンプル5≫
サンプル5では、負極活物質層243A(図11参照)のうち、正極活物質層223に対向している部位A1に負極活物質粒子として天然黒鉛を用い、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に負極活物質粒子として人造黒鉛を用いた。この場合、反応抵抗は、527mΩであり、保存後容量維持率は、82.6%であった。サンプル5では、−30℃における反応抵抗(mΩ)を低く抑えることができ、さらに保存後容量維持率(%)を高く維持できる傾向が見られた。
このように、負極活物質層243A(図11参照)のうち、正極活物質層223に対向している部位A1に負極活物質粒子として天然黒鉛を用い、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に負極活物質粒子として人造黒鉛を用いた場合には、−30℃における反応抵抗(mΩ)を低く抑えることができ、さらに保存後容量維持率(%)を高く維持できる傾向が見られる。このため、かかる構成によれば、特に、低温環境での電池抵抗を低く抑え、かつ、高温環境での保存後の容量維持率を高く維持することができる電池性能を達成でき得る。
≪本発明者の推察≫
かかる要因として、本発明者は、人造黒鉛が天然黒鉛よりも、炭素の層が揃っており、リチウムイオンの吸収と放出がスムーズに行われる点、特に、SEI形成量が抑えられる点に着目している。ここで、SEI(solid electrolyte interface)は、リチウムが挿入できるように黒鉛の表面を不活性化・安定化させる被膜を意味している。SEIは、電解液の還元的分解反応によって形成され得る。かかるSEIは黒鉛にリチウムイオンの挿入・脱離が起こるためには必須のものである。しかし、SEIは電解液の還元的分解反応によって生成されるため、その反応に電荷が消費されることになる。これは不可逆容量の原因となる。
特に、負極活物質層243A(図11参照)のうち、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3は、ハイレートでの充放電において、反応にあまり寄与しない部位であり、ここにリチウムイオンが固定化されると、リチウムイオン二次電池の反応抵抗の増加、および、容量維持率の低下要因になると考えられる。本発明者は、かかる正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に、人造黒鉛が用いられることによって、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3における過度なSEI生成を抑えるとともに、リチウムイオンの固定化を防止できると考えている。反対に、正極活物質層223に対向している部位A1に、人造黒鉛を用いると、正極活物質層223に対向している部位A1からリチウムイオンが離脱し易くなる。このため、長期保存において、容量維持率が低下する要因になると考えている。
このように、負極活物質層243A(図11参照)は、正極活物質層223に対向している部位A1で天然黒鉛の割合が大きく、かつ、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3で人造黒鉛の割合が大きいことによって、低温環境での電池抵抗を低く抑え、かつ、高温環境での保存後の容量維持率を高く維持することができる。
なお、上述したサンプル5では、負極活物質層243A(図11参照)のうち、正極活物質層223に対向している部位A1に負極活物質粒子として天然黒鉛を用い、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に負極活物質粒子として人造黒鉛を用いた。ここでは、正極活物質層223に対向している部位A1に負極活物質粒子として天然黒鉛を用い、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に負極活物質粒子として人造黒鉛を用いた。また、負極活物質粒子としては、それぞれ天然黒鉛と人造黒鉛の混合物を用いてもよい。この場合、正極活物質層223に対向している部位A1において天然黒鉛の割合を大きくし、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3において人造黒鉛の割合を大きくするとよい。また、これに限定されず、負極活物質粒子としては、天然黒鉛と人造黒鉛以外の材料が、上記電池性能が得られる程度において多少混ざっていてもよい。
すなわち、負極活物質層243A(図11参照)は、正極活物質層223に対向している部位A1では、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に比べて天然黒鉛の割合が大きく、かつ、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では、正極活物質層223に対向している部位A1に比べて人造黒鉛の割合が大きくすることによって、低温環境での電池抵抗を低く抑え、かつ、高温環境での保存後の容量維持率を高く維持する傾向が見られた。
この場合、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1では、例えば、天然黒鉛と人造黒鉛のうち天然黒鉛の重量割合が90%以上であるとよい。これにより、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1に、天然黒鉛の割合を高くした効果を適切に得ることができる。
なお、この場合、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1に、天然黒鉛の割合を高くした効果が適切に得られればよい。このため、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1では、例えば、天然黒鉛と人造黒鉛のうち天然黒鉛の重量割合が95%以上であるとよく、またかかる割合は90%程度であってもよいし、85%程度であってもよい。
また、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では、例えば、天然黒鉛と人造黒鉛のうち人造黒鉛の重量割合が90%以上であるとよい。これにより、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に、人造黒鉛の割合を高くした効果を適切に得ることができる。
なお、この場合、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に、人造黒鉛の割合を高くした効果が適切に得られればよい。このため、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では、例えば、天然黒鉛と人造黒鉛のうち人造黒鉛の重量割合が95%以上であるとよく、またかかる割合は90%程度であってもよいし、85%程度であってもよい。
≪R値との関係≫
なお、ここで好ましくは、天然黒鉛は、ラマン分光法におけるいわゆるR値が、0.2〜0.6であり、人造黒鉛はR値が0.2以下であるとよい。ここで「R値」は、上述したように、2つのラマン分光バンド、黒鉛構造由来のGバンド(1580cm−1)と構造の乱れ(Disorder)に起因するDバンド(1360cm−1)の比であるR値と呼ばれる強度比(R=I1360/I1580)である。すなわち、R値が高いほど黒鉛構造が乱れており、反対にR値が低いほど黒鉛構造が整っている。天然黒鉛のR値が0.2〜0.6とし、人造黒鉛のR値が0.2以下とするとことにより、天然黒鉛よりも黒鉛構造がより整っている人造黒鉛を選択するとよい。この場合、より好ましくは、天然黒鉛のR値0.22以上で選択してもよい。また、人造黒鉛は、R値を0.18未満としてもよい。これにより、天然黒鉛と人造黒鉛とでR値の差をより明確に生じさせることができる。また、かかるR値は、少なくとも100個以上の粒子を抽出し、その平均値で評価するとよい。
ここで、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1に用いられている負極活物質粒子の平均のR値(Ra)と、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に用いられている負極活物質粒子の平均のR値(Rb)との比(Ra/Rb)は、(Ra/Rb)≧1.2としてもよい。より好ましくは、(Ra/Rb)≧1.5、さらに好ましくは、(Ra/Rb)≧2.0とするとよい。これにより、リチウムイオン二次電池100Aについて、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1に用いられている負極活物質粒子と、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に用いられている負極活物質粒子とで、R値に明確な差が生じる。これにより、リチウムイオン二次電池100Aにおいて、低温環境での電池抵抗が低く抑えられ、かつ、高温環境での保存後の容量維持率が高く維持される傾向がより確実に得られる。
ここで、正極活物質層223に対向している部位A1に用いられている負極活物質粒子の平均のR値(Ra)は、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1に含まれる負極活物質粒子から少なくとも100以上の負極活物質粒子を抽出してそれぞれR値を求め、その算術平均値で評価され得る。また、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に用いられている負極活物質粒子の平均のR値(Rb)についても、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3において、負極活物質粒子を抽出してそれぞれR値を求め、その算術平均値で評価され得る。
なお、負極活物質層243Aからの負極活物質粒子の抽出は、例えば、負極シート240Aに超音波振動を与えることによって、負極集電体241Aから負極活物質層243Aを剥離し、負極活物質層243Aを加熱して、バインダや増粘剤を焼飛ばすとよい。これにより、負極活物質層243Aに含まれる負極活物質粒子を抽出することができる。
以上、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を説明した。本発明は、さらに工夫できる。例えば、リチウムイオン二次電池100Aは、電池抵抗を低く抑えるべく、負極活物質層243Aは、リチウムイオンの移動(拡散)に対して抵抗を小さくしたい。このため、負極活物質層243Aに含まれるバインダの量を少なくすることが望ましい。しかしながら、負極活物質層243Aに含まれるバインダの量を少なくすると、ハイレートによる充放電を繰り返すような使用において、負極活物質層243Aが負極集電体241Aから剥がれる事象が生じ得る。負極活物質層243Aが負極集電体241Aから剥がれると、負極活物質層243Aと負極集電体241Aとの間で電荷の受け渡しが阻害され、電池抵抗が増加する要因になり得る。
このため、負極活物質層243Aでは、バインダ量を少なく抑えたいが、負極活物質層243Aが負極集電体241Aから剥がれるのを防止したいとの相反する課題がある。上述したように、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池では、正極活物質層223に対向している部位A1では、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3に比べて天然黒鉛の割合が大きい。さらに、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では、正極活物質層223に対向している部位A1に比べて人造黒鉛の割合が大きい。
本発明では、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では、特に、ハイレートでの充放電において、特に出力特性に関する寄与が小さい。そこで、当該負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3において、バインダの含有量を多くするとよい。これにより、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3において、負極活物質層243Aと負極集電体241Aとの結着が強くなる。そして、正極活物質層223に対向している部位A1におけるリチウムイオンの吸蔵に対して、影響をほとんど与えずに、負極活物質層243Aを負極集電体241Aから剥がれ難くできる。
このように、負極活物質層243A(図11参照)は、正極活物質層223に対向している部位A1で天然黒鉛の割合が大きくし、かつ、正極活物質層223に対向していない部位A2,A3で人造黒鉛の割合が大きくすることによって、低温環境での電池抵抗を低く抑え、かつ、高温環境での保存後の容量維持率を高く維持することができる。この場合、さらに、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向していない部位A2,A3では、負極活物質層243Aのうち正極活物質層223に対向している部位A1に比べて、バインダの含有量を多くするとよい。これにより、負極活物質層243Aが負極集電体241Aから剥がれるのを防止でき、リチウムイオン二次電池100Aの耐久性能を向上させることができる。
さらに、本発明者は、負極活物質粒子に天然黒鉛や人造黒鉛を用いる場合において、そのタップ密度に着目している。例えば、負極活物質層243Aに用いられる望ましい負極活物質粒子として、本発明者は、負極活物質粒子の150回タップ密度が1g/cm以上であることを提案する。
ここで、150回タップ密度は、メスシリンダに負極活物質粒子を入れ、タッピング装置で機械的に150回、メスシリンダを打ち、負極活物質粒子の見かけの体積を縮小させる。図16は、負極活物質粒子について、150回タップ密度と剥離強度との関係を示している。図17は、90度はく離接着強さ試験方法を示す図である。ここで、剥離強度は、90度はく離接着強さ試験方法(JIS K 6854−1)に準じて測定した。
この場合、試料120は、図17に示すように、負極シート166の片面の負極活物質層164に、日東電工製の粘着テープ105(No.3303N)を貼り、幅15mm×長さ120mmの大きさに切り出す。切り出した試料120は、一端から40mmだけ粘着テープ105を剥がしておく。次いで、ステージ115に日東電工製両面テープ(No.501F)を貼る。この両面テープ110上に、粘着テープ105を下にして上記試料120を貼りつける。次に、試料120の剥がした40mmの部分をチャック125に固定する。そして、ステージ115に対して90°でチャック125を引っ張り、負極集電体162から負極活物質層164が剥がれた際の引っ張り荷重を測定する。チャック125の引っ張りには、ミネベア製万能試験機を用いた。引張り速度は、20m/minで行った。剥離強度N/mは、得られた引張り荷重(N)を、試料120の幅(15mm)で除して求めた。
本発明者の得た知見によれば、図9および図10に示す負極活物質層243Aにおいて、負極活物質粒子の150回タップ密度が凡そ1g/cm以上である場合に、剥離強度が高くなる。そこで、上述したリチウムイオン二次電池100Aにおいて、負極活物質層243Aには、150回タップ密度が凡そ1g/cm以上、より好ましくは1.08g/cm以上、さらに好ましくは、1.10g/cm以上である負極活物質粒子を用いると良い。これにより、負極活物質層243Aに適切な剥離強度を確保することができる。すなわち、上述した天然黒鉛または人造黒鉛は、150回タップ密度が凡そ1g/cm以上、より好ましくは1.08g/cm以上、さらに好ましくは、1.10g/cm以上であるとよい。これにより、負極活物質層243Aの剥離強度を維持しつつ、負極活物質層243Aに含まれるバインダの量を減らすことができる。
以上、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を説明したが、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、上述した何れの実施形態にも限定されず、種々の変更が可能である。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池は、特に、−30℃程度の低温環境においても反応抵抗を低く抑えることができ、低温環境において高い性能を発揮するリチウムイオン二次電池等の非水系二次電池を提供することができる。さらに、リチウムイオン二次電池は、60℃程度の高温環境においても保存後容量維持率を高く維持することができる。従って、図18に示されるように、リチウムイオン二次電池100Aは、多様な温度環境で、低抵抗かつ高容量が求められる車両駆動用電池として特に好適である。ここで、車両駆動用電池10は、上記リチウムイオン二次電池100Aを複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。かかる車両駆動用電池を電源として備える車両1000には、典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車のような電動機を備える自動車が含まれる。
10 車両駆動用電池
12 走行経路
14 電極材料塗布装置(塗布装置)
16 乾燥炉
32 供給部
34 回収部
34b 制御部
34c モータ
41、42 流路
43、44 フィルタ
45 塗布部
46 バックロール
47、48 タンク
49、50 ポンプ
60 ダイ
62 吐出口
62a 中間部分
62b1 両側部
100、100A リチウムイオン二次電池
105 粘着テープ
110 両面テープ
115 ステージ
120 試料
125 チャック
162 負極集電体
164 負極活物質層
166 負極シート
200、200A 捲回電極体
220 正極シート
221 正極集電体
222 未塗工部
223 正極活物質層
240、240A 負極シート
241、241A 負極集電体
242、242A 未塗工部
243、243A 負極活物質層
245 隙間
262、264 セパレータ
280 電解液
290 充電器
300 電池ケース
320 容器本体
340 蓋体
350 注液孔
352 封止キャップ
360 安全弁
420 電極端子
440 電極端子
610 正極活物質粒子
620 導電材
630 バインダ
710 負極活物質粒子
730 バインダ
1000 車両
WL 捲回軸

Claims (6)

  1. 正極集電体と、
    前記正極集電体に保持された正極活物質層と、
    負極集電体と、
    前記負極集電体に保持され、前記正極活物質層を覆うように配置された負極活物質層と
    を備え、
    前記負極活物質層は、負極活物質粒子としてラマン分光法におけるR値が0.2〜0.6であり、少なくとも一部が非晶質炭素膜によって覆われた燐片状の天然黒鉛とラマン分光法におけるR値が0.2以下である人造黒鉛とを含み、前記人造黒鉛は、前記天然黒鉛よりも小さいR値を取り、
    前記負極活物質層は、
    前記正極活物質層に対向している部位と、前記正極活物質層に対向していない部位とを有し、
    前記正極活物質層に対向している部位では、前記R値が0.2〜0.6である天然黒鉛と前記R値が0.2以下である人造黒鉛のうち前記R値が0.2〜0.6である天然黒鉛の重量割合が90%以上であり、かつ、
    前記正極活物質層に対向していない部位では、前記R値が0.2〜0.6である天然黒鉛と前記R値が0.2以下である人造黒鉛のうち前記R値が0.2以下である人造黒鉛の重量割合が90%以上である、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記負極活物質層のうち正極活物質層に対向している部位に用いられている負極活物質粒子の平均のR値(Ra)と、正極活物質層に対向していない部位に用いられている負極活物質粒子の平均のR値(Rb)との比(Ra/Rb)が、(Ra/Rb)≧1.2である、請求項1に記載されたリチウムイオン二次電池。
  3. 前記負極活物質層は、バインダを含み、
    前記負極活物質層のうち前記正極活物質層と対向していない部位では、前記負極活物質層のうち前記正極活物質層と対向している部位に比べて、前記バインダの含有量が多い、請求項1または2に記載されたリチウムイオン二次電池。
  4. 前記人造黒鉛のR値が0.18未満である、請求項1から3までの何れか一項に記載されたリチウムイオン二次電池。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたリチウムイオン二次電池を複数組み合わせた組電池。
  6. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたリチウムイオン二次電池、又は、請求項5に記載された組電池を備えた車両駆動用電池。
JP2016044142A 2016-03-08 2016-03-08 リチウムイオン二次電池 Active JP6120113B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016044142A JP6120113B2 (ja) 2016-03-08 2016-03-08 リチウムイオン二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016044142A JP6120113B2 (ja) 2016-03-08 2016-03-08 リチウムイオン二次電池

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013537371A Division JP6144626B2 (ja) 2011-10-07 2011-10-07 リチウムイオン二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016106376A JP2016106376A (ja) 2016-06-16
JP6120113B2 true JP6120113B2 (ja) 2017-04-26

Family

ID=56120360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016044142A Active JP6120113B2 (ja) 2016-03-08 2016-03-08 リチウムイオン二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6120113B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3142174B1 (en) * 2015-09-14 2021-02-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha All-solid-state battery system and method of manufacturing the same
KR102277734B1 (ko) * 2018-02-26 2021-07-16 주식회사 엘지에너지솔루션 리튬 이차전지용 음극 활물질, 이를 포함하는 리튬 이차전지용 음극 및 리튬 이차전지
CN113826236A (zh) * 2019-03-18 2021-12-21 松下知识产权经营株式会社 二次电池

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4040606B2 (ja) * 2003-06-06 2008-01-30 Jfeケミカル株式会社 リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2010135313A (ja) * 2008-10-31 2010-06-17 Hitachi Maxell Ltd 電気化学素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016106376A (ja) 2016-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6144626B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5787196B2 (ja) リチウムイオン二次電池
EP3210252B1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
JP5924550B2 (ja) 非水系二次電池
JP5783433B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5783432B2 (ja) リチウムイオン二次電池およびその製造方法
JP5924541B2 (ja) 二次電池
JP5713206B2 (ja) 非水系二次電池
JP2014096269A (ja) 非水系二次電池
JP5787185B2 (ja) 二次電池
CN105591148A (zh) 非水电解质二次电池
JP2013030441A (ja) リチウムイオン二次電池
WO2013018181A1 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6120113B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5871158B2 (ja) 非水系二次電池
JP2013171806A (ja) 二次電池
JP2013137955A (ja) 非水系二次電池
JP2012243455A (ja) リチウムイオン二次電池
JP5783415B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5854267B2 (ja) 非水系二次電池
JP2015149308A (ja) リチウムイオン二次電池
JPWO2013018181A1 (ja) リチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170315

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6120113

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250