JP5924541B2 - 二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は二次電池に関する。ここで、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池などのいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を包含する用語である。
また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電子の移動により充放電が実現される二次電池をいう。一般に「リチウム二次電池」と称される電池は、本明細書におけるリチウムイオン二次電池に包含される典型例である。
二次電池について、例えば、リチウムイオン二次電池は、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵・放出可能なカーボン系材料などを用い、正極活物質としてリチウム遷移金属複合酸化物を用い、有機溶媒にリチウム塩を溶解した電解液が用いられている。
このようなリチウムイオン二次電池は、過充電状態になると、正極からリチウムが過剰に放出され、負極ではリチウムが過剰に挿入される。このため、正極と負極の両極が熱的に不安定になる。正極と負極の両極が熱的に不安定になると、やがては電解液の有機溶媒が分解され、急激な発熱反応が生じて電池が異常に発熱し、電池の安全性が損なわれる。かかる問題に対して、例えば、特開2001―15155号公報(特許文献1)には、電池内部のガス圧力が所定圧力以上になると充電を遮断する電流遮断機構を電池容器に備え、電解液中に予め定められた過充電状態に達するとガスを発生させるガス発生剤を添加したリチウムイオン二次電池が開示されている。
ここで開示されたリチウムイオン二次電池は、過充電状態になると、電解液に添加されたガス発生剤が重合反応を開始してガスを発生させるようになる。過充電状態がさらに続くと、ガスの発生量が増大し、電池ケース内の圧力が高くなり、電流遮断封口板が作動して過充電電流を遮断する。これにより、電池を物理的に停止させることができる。
また、リチウムイオン二次電池として、特開2011―119092号公報(特許文献2)には、中空の正極活物質粒子(中空部を有する正極活物質粒子)を用いた二次電池が開示されている。ここでは、中空の正極活物質粒子は、例えば、導電材粒子とバインダと所定の配合で溶媒にペースト状に混ぜられ、集電箔に塗布、乾燥させ、所定の厚さにプレスする。これにより、正極活物質粒子を含む正極活物質層が集電箔(集電体)に塗工されたシート状の正極が得られている。中空の正極活物質粒子を用いた場合には、正極活物質層中において正極活物質粒子の周囲だけでなく中空部(正極活物質粒子の内部)にも電解液が染み渡る。このため、電池反応において、正極活物質粒子によってリチウムイオンの放出や吸蔵がスムーズに行われる。これにより、二次電池の抵抗上昇が小さく抑えられ、ハイレートでの放電や急速充電の性能が向上するとされている。
特開2001―15155号公報 特開2011―119092号公報
ところで、正極活物質層を塗工する際には、正極活物質粒子を含むペーストを集電箔に塗布し、乾燥させた後にプレスする。かかるプレスは、正極活物質層の厚さを調整するものである。かかるプレス工程で、正極活物質粒子が割れる可能性がある。特に、前述した中空の正極活物質粒子で内部の空洞が大きく、外殻の薄いものは、プレス工程で割れやすい。プレス工程で正極活物質粒子が割れると、内部に空洞を有する中空の正極活物質粒子を採択した効果が得られず、また、正極活物質粒子の粒径が小さくなるために、正極活物質層に確保される空隙も少なくなる。このため、正極活物質層の内部に電解液が染み渡りにくくなる。その結果、ハイレートでの放電や急速充電の効果が得られない可能性がある。
また、本発明者は、過充電の状態でガスを発生させるガス発生剤が電解液に添加し、電池ケースに内部圧が所定以上になると、電流経路を遮断する電流遮断機構を採用することを検討している。この場合、過充電の状態では、特に、正極の電位が高くなるため、正極活物質層に染み渡った電解液中に含まれるガス発生剤が反応してガスを発生させる。そして、発生したガスによって電池ケースの内圧が予め定められた圧力よりも高くなると、電流遮断機構が作動して電流経路を遮断し、電池の反応を停止させる。しかし、中空の正極活物質粒子で、内部の空洞が大きく外殻が薄い正極活物質粒子を用いた場合に、さらに、上述した電流遮断機構を採用すると、ガスの発生が鈍化し、電流遮断機構の作動が遅れる事象が散見された。電流遮断機構は、予め定められた条件になると短時間で作動することが望ましい。
ここで提案される二次電池は、電池ケースと、電極体と、外部端子と、非水電解液と、電流遮断機構とを備えている。ここで、電極体は、電池ケースに収容されている。外部端子は、電極体に接続されている。非水電解液は、電池ケースに収容され、ガス発生剤を含んでいる。電流遮断機構は、電池ケースの内圧が予め定められた圧力以上に高くなると、電極体と、外部端子との電気的な接続を遮断する。
ここで、電極体は、正極集電体と、正極集電体に形成された正極活物質層とを備えている。正極活物質層は、正極集電体から正極活物質層の厚さAの1/2Aまでの内部領域に含まれる正極活物質粒子の平均粒径D1が6μm以下である。また、表面から正極活物質層の厚さAの1/5Aまでの表領域に含まれる正極活物質粒子の平均粒径D2が正極活物質粒子の平均粒径D2が、内部領域の平均粒径D1に対して、1.2≦(D2/D1)≦4である。さらに、表領域の極板細孔径が0.5μm以上である。そして、表領域に含まれる正極活物質粒子の粒子空孔率が、内部領域に含まれる正極活物質粒子の粒子空孔率よりも小さい。
かかる二次電池によれば、電解液の流入口となる正極活物質層の表領域において、適切に空隙を確保でき、ガス発生剤によるガス発生量をより適切に確保できる。そのため、出力特性を高く保ちつつ、ガス発生量を多くすることができ、電流遮断機構を適切に作動させうる。
ここで、内部領域に含まれる正極活物質粒子のうち重量割合で80%以上が、粒子空孔率が20%以上の中空の正極活物質粒子であってもよい。この場合、表領域に含まれる正極活物質粒子のうち重量割合で80%以上が、粒子空孔率が15%以下の中実の正極活物質粒子であってもよい。中実の正極活物質粒子は、中空の正極活物質粒子よりも圧壊強度が大きく、割れにくい。そのため、表領域では、中実の正極活物質粒子を用いることで、例えばプレス工程において、正極活物質粒子の割れが防止され、所要の空隙が適切に確保される。
この場合、表領域の空隙の割合が、30%以上であってもよい。表領域における正極活物質粒子の圧壊強度が、内部領域における正極活物質粒子の圧壊強度よりも大きいとよい。例えば、表領域における正極活物質粒子の圧壊強度が、40MPa以上であるとよい。また、内部領域における正極活物質粒子の圧壊強度が、30MPa以下であるとよい。さらに、正極活物質層全体の平均細孔径が、0.4μm以上であるとよい。
また、中空の正極活物質粒子は、例えば、リチウム遷移金属酸化物で構成された殻部と、殻部の内部に形成された中空部と、殻部を貫通した貫通孔とを有しているとよい。かかる中空の正極活物質粒子を用いることにより、特に、ハイレートでの出力特性を高いレベルに確保できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の模式図である。 図2は、リチウムイオン二次電池に内装される捲回電極体を示す図である。 図3は、正極活物質層の断面を示す模式図である。 図4は、表層の空隙の容積を測定する方法を説明するための模式図である。 図5は、好適な中空の正極活物質粒子の断面SEM画像である。 図6は、評価試験用の電池を模式的に示す図である。 図7は、評価試験用の電池の正極シートを展開した展開図である。 図8は、評価試験用の電池の負極シートを展開した展開図である。 図9は、他の実施形態に係る正極活物質層の断面を示す模式図である。 図10は、二次電池を搭載した車両を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る二次電池を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する。
以下では捲回タイプの電極体(以下「捲回電極体」という。)と非水電解液とを角形(ここでは、直方体の箱形状)のケースに収容した形態のリチウムイオン二次電池を例に挙げる。なお、電池構造は、図示例に限定されず、特に、角形電池に限定されない。
図1は本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の断面図である。図2は、当該リチウムイオン二次電池100に内装される捲回電極体200を示す図である。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、図1に示すような扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)300に構成されている。リチウムイオン二次電池100は、図2に示すように、扁平形状の捲回電極体200が、図示しない液状電解質(電解液)とともに、電池ケース300に収容されている。
《電池ケース300》
電池ケース300は、一端(電池10の通常の使用状態における上端部に相当する。)に開口部を有する箱形(すなわち有底直方体状)のケース本体320と、その開口部に取り付けられて該開口部を塞ぐ矩形状プレート部材からなる封口板(蓋体)340とから構成される。
電池ケース300の材質は、従来の密閉型電池で使用されるものと同じであればよく、特に制限はない。軽量で熱伝導性の良い金属材料を主体に構成された電池ケース300が好ましく、このような金属製材料としてアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼等が例示される。本実施形態に係る電池ケース300(ケース本体320および封口板340)はアルミニウム若しくはアルミニウムを主体とする合金によって構成されている。
図1に示すように、封口板340には外部接続用の正極端子420および負極端子440が形成されている。封口板340の両端子420、440の間には、電池ケース300の内圧が所定レベル(例えば設定開弁圧0.3〜1.0MPa程度)以上に上昇した場合に該内圧を開放するように構成された薄肉の安全弁360と、注液口350が形成されている。なお、図1では、当該注液口350が注液後に封止材352によって封止されている。
《捲回電極体200(電極体)》
捲回電極体200は、図2に示すように、長尺なシート状正極(正極シート220)と、該正極シート220と同様の長尺シート状負極(負極シート240)とを計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータ262,264)とを備えている。
《正極シート220》
正極シート220は、帯状の正極集電体(以下、正極集電箔ともいう。)221と正極活物質層223とを備えている。正極集電箔221には、例えば、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、正極集電箔221として、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔が用いられている。正極集電箔221の幅方向片側の縁部に沿って未塗工部222が設定されている。図示例では、正極活物質層223は、正極集電箔221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電箔221の両面に保持されている。正極活物質層223には、正極活物質粒子が含まれている。ここでは、正極活物質層223は、正極活物質粒子を含む正極合剤を正極集電箔221に塗布し、乾燥させ、予め定められた厚さにプレスすることによって形成されている。
ここで、図3は、正極活物質層223の断面を示す模式図である。この実施形態では、正極活物質層223は、表層223aと内部層223bとの少なくとも2層構造を有している。かかる正極活物質層223については、後でより詳細に説明する。
《負極シート240》
負極シート240は、図2に示すように、帯状の負極集電体(以下、負極集電箔ともいう。)241と負極活物質層243とを備えている。負極集電箔241には、例えば、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、負極集電箔241には、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電箔241の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部242が設定されている。負極活物質層243は、負極集電箔241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電箔241の両面に保持されている。負極活物質層243には、負極活物質粒子が含まれている。ここでは、負極活物質層243は、負極活物質粒子を含む負極合剤を負極集電箔241に塗布し、乾燥させ、予め定められた厚さにプレスすることによって形成されている。
《負極活物質粒子》
負極活物質層243に含まれる負極活物質粒子としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボンなどの炭素系材料、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物などが挙げられる。また、上記セパレータシートの好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。
《セパレータ262、264》
セパレータ262、264は、図2に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。この例では、図2に示すように、負極活物質層243の幅b1は、正極活物質層223の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ262、264の幅c1、c2は、負極活物質層243の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
なお、図2に示す例では、セパレータ262、264は、シート状の部材で構成されている。セパレータ262、264は、正極活物質層223と負極活物質層243とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。従って、シート状の部材に限定されない。セパレータ262、264は、シート状の部材に代えて、例えば、正極活物質層223または負極活物質層243の表面に形成された絶縁性を有する粒子の層で構成してもよい。ここで、絶縁性を有する粒子としては、絶縁性を有する無機フィラー(例えば、金属酸化物、金属水酸化物などのフィラー)、或いは、絶縁性を有する樹脂粒子(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの粒子)で構成してもよい。
《電解液(非水電解液)》
電解液(非水電解液)としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等からなる群から選択された一種または二種以上を用いることができる。また、上記支持塩としては、例えば、LiPF,LiBF,LiAsF,LiCFSO,LiCSO,LiN(CFSO,LiC(CFSO等のリチウム塩を用いることができる。一例として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば質量比1:1)にLiPFを約1mol/Lの濃度で含有させた非水電解液が挙げられる。
《ガス発生剤》
この実施形態では、非水電解液には、例えば、電池電圧が予め定められた電圧以上になると反応し、ガスを発生させるガス発生剤が含まれている。かかるガス発生剤としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン(CHB)やビフェニル(BP)などを用いることができる。シクロヘキシルベンゼン(CHB)とビフェニル(BP)は、例えば、例えば、凡そ4.35Vから4.6V程度の過充電時において、以下のような重合反応が活性化し、ガス(ここでは、水素ガス)を発生させる。
・シクロヘキシルベンゼン(CHB)
n[C1216]→(C1214+nH
・ビフェニル(BP)
n[C1210]→(C12+nH
非水電解液に対するガス発生剤の添加量は、例えば、凡そ0.05wt%以上4.0wt%以下にするとよい。なお、ガス発生剤の添加量は、これに限定されず、予め定めた条件で所定量のガスが生じるように調整するとよい。また、ガス発生剤は、シクロヘキシルベンゼン(CHB)とビフェニル(BP)に限定されない。ここで、(C1214または(C12は、ガスが発生する重合反応において重合膜として生成されうる。
《捲回電極体200の取り付け》
この実施形態では、捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに直交する一の方向において扁平に押し曲げられている。図2に示す例では、正極集電箔221の未塗工部222と負極集電箔241の未塗工部242は、それぞれセパレータ262、264の両側においてらせん状に露出している。この実施形態では、図1に示すように、未塗工部222(242)の中間部分は、寄せ集められ、電池ケース300の内部に配置された電極端子420、440(内部端子)の集電タブ420a、440aに溶接されている。このような捲回電極体200では、捲回軸WLの軸方向から電解液が捲回電極体200の内部に浸入する。
《電流遮断機構460》
また、このリチウムイオン二次電池100は、上述のように、電解液にガス発生剤が添加されており、例えば、凡そ4.35Vから4.6V程度の過充電時にガスが発生し、電池ケース内の圧力が高くなる。電流遮断機構460は、電池ケース内の圧力が異常に高くなった場合に、電流経路を遮断する機構である。この実施形態では、電流遮断機構460は、図1に示すように、正極における電池電流の導通経路が遮断されるように、正極端子420の内側に構築されている。なお、電流遮断機構460の具体的な構造は、例えば、特許文献1に開示されている。ここで開示される電流遮断機構は、適宜に、リチウムイオン二次電池100の電流遮断機構460として採用されうる。このため、ここでは、電流遮断機構460について、具体的な構造には、特段言及しない。なお、電流遮断機構460の具体的な構造は、上述した特許文献に開示された構造に限定されず、種々の機構を採用し得る。
以下、正極活物質層223について、より詳細に説明する。
《正極活物質層223》
ここでは、本発明の一実施形態に係る正極活物質層について基本構造を説明し、その作用効果を説明する。その後に、正極活物質層の各構成について、より詳しく説明する。図3は、正極活物質層223の断面を示す模式図である。正極活物質層223は、図3に示すように、表層223aと内部層223bとを備えている。以下、内部層223b、表層223aの順に説明する。
《内部層223b》
この実施形態では、内部層223bは、正極集電体221から正極活物質層223の厚さAの凡そ2/3Aまでの領域に形成されている。内部層223bは、正極活物質粒子610bと、導電材粒子620と、バインダ(図示省略)とを備えている。正極活物質粒子610bには、例えば、中空の粒子を用いるとよい。
《内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの粒径》
内部層223bは、平均粒径D1が6μm以下の正極活物質粒子610bが含まれているとよい。内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの平均粒径D1は、例えば6μm以下(例えば3μm以上6μm以下)であるとよく、5.2μm以下であることが好ましく、4.2μm以下であることが特に好ましい。
《表層223a》
この実施形態では、表層223aは、表面から正極活物質層223の厚さAの凡そ1/3Aまでの領域に形成されている。表層223aは、正極活物質粒子610aと、導電材粒子(図示省略)と、バインダ(図示省略)とを備えている。正極活物質粒子610aには、例えば、中実の粒子を用いるとよい。
《表層223aに含まれる正極活物質粒子610bの粒径》
表層223aに含まれる中実の正極活物質粒子610aの平均粒径D2は、内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの平均粒径D1に対して、1.2≦(D2/D1)≦4であるとよい。より好ましくは2≦(D2/D1)であるとよい。
ここで、「平均粒径」は、典型的にはレーザー回折・散乱法に基づく(種々の粒度分布測定装置が市販されている。)測定値(d50)をいう。なお、内部層223bと表層223aとの境界部分は、厳密に境界が形成されている場合もあるが、厳密に境界が形成されていない場合もある。また、各層223b、223aの厚みにバラツキが生じる場合もある。このため、表層223aの平均粒径D2と内部層223bの平均粒径D1とは、内部層223bと表層223aとの境界部分を除く領域で評価すると良い。例えば、表層223aの平均粒径D2は、表面から正極活物質層223の厚さAの1/5Aまでの表領域225aで評価すると良い。また、内部層223bの平均粒径D1は、例えば、正極集電体221から正極活物質層223の厚さAの1/2Aまでの内部領域225bで評価すると良い。
例えば、表層223aに含まれる正極活物質粒子610aの平均粒径D2が、内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの平均粒径よりも大きいとよい(1.2≦(D2/D1)≦4)。これにより、表層223aに、内部層223bよりも大きな空隙Sを形成することができる。表層223aに、内部層223bよりも大きな空隙Sを形成することによって、過充電時に内部層223bで発生したガスが、表層223aの広い空隙Sを通じて出て行く。また、表層223aの空隙Sが十分に広いため、ガス発生剤を含む電解液が正極活物質層223に浸み込みやすい。そのため、正極活物質層223内に予め存在しているガス発生剤が消費された後、新たなガス発生剤が速やかに供給され、ガス発生剤によるガス発生量をより適切に確保できる。その結果、過充電状態になったときに、適切にガスが発生し、電流遮断機構を適切に作動させることができる。
《表層223aの極板細孔径》
また、表層223aの極板細孔径は、例えば0.5μm以上(好ましくは0.7μm以上、例えば0.7μm以上1.5μm以下)となる空隙Sが確保されているとよい。表層223aの極板細孔径は、例えば0.8μm以上、さらには0.9μm以上、特には1μm以上としてもよい。
ここで、表層223aの極板細孔径は、プレス工程後の表層223aに存在する微小空孔(空隙)の細孔径分布における最大頻度を示す細孔径をいう。なお、表層223aの極板細孔径は、例えば、水銀ポロシメータ(mercury porosimeter)を用いることによって測定することができる。水銀ポロシメータは、水銀圧入法より多孔体の細孔分布を測定する装置である。水銀ポロシメータには、例えば、株式会社島津製作所製のオートポアIII9410を用いることができる。この水銀ポロシメータを用いた場合、例えば、4psi〜60,000psiにて測定することによって、10μm〜0.01μmの細孔範囲に相当する空隙Sの容積分布を把握することができる。
表層223aの極板細孔径の測定では、図4に示すように、集電体510上に活物質層520が形成された試験用電極500を用意する。ここで、試験用電極500の集電体510は、正極シート220に用いられる正極集電体221と同じ材料が用いられている。また、試験用電極500の活物質層520には、正極活物質層223のうち、表層223aが再現されている。当該試験用電極500から複数のサンプルを切り取る。次に、当該サンプルについて、水銀ポロシメータを用いて活物質層520に含まれる空隙Sの容積を測る。水銀圧入法では、まず、試験用電極500のサンプルは真空引きされた状態で水銀に浸けられる。この状態で、水銀にかけられる圧力が高くなると、水銀はより小さい空間へと徐々に浸入していく。このため、活物質層520に浸入した水銀の量と水銀にかけられる圧力との関係に基づいて、活物質層520中の空隙Sの大きさとその容積分布を求めることができる。かかる水銀圧入法によって、活物質層520に含まれる空隙Sの容積およびその分布を求めることができる。極板細孔径の測定は、ポロシメータを用い、水銀圧入法によって極板中の0.01〜10μmの間の細孔径分布を測定し、その最大頻度の細孔径を極板細孔径として求めるとよい。
《圧壊強度》
ここでは、表層223aにおける正極活物質粒子610aの圧壊強度が、内部層223bにおける正極活物質粒子610bの圧壊強度よりも大きいとよい。内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの圧壊強度は、例えば、30MPa以下であるとよい。一方、表層223aに含まれる正極活物質粒子610aの圧壊強度は、例えば40MPa以上(好ましくは43MPa以上、より好ましくは45MPa以上、特に好ましくは50MPa以上)であるとよい。ここでは内部層223bの圧壊強度は、正極集電体221から正極活物質層223の厚さAの1/2Aまでの内部領域235bで評価すると良い。また、表層223aの圧壊強度は、表面から正極活物質層223の厚さAの1/5Aまでの表領域235aで評価すると良い。
ここで「圧壊強度」は、粒子を圧壊する差、単一の粒子が脆性破壊する最大応力荷重をいう。かかる圧壊強度(粒子圧壊強度とも称しうる)の測定方法は、市販の微小圧縮試験機(例えば、株式会社島津製作所製のMCT−W)を用い、微小圧縮試験機のステージ上に単一の粉体粒子(一種類の粉体粒子)を撒き、圧壊試験を行う。そして、光学顕微鏡で観察しながらその粒子が破壊される際の応力‐荷重曲線を測定する。応力‐荷重曲線の最大応力荷重を圧壊強度として求める。ここでは、測定条件として、圧子径をφ50μm、負荷を50mNとし、圧子の負荷速度を2mN/secとなるように圧子を移動させる。そして、粒子が圧壊する状況を光学顕微鏡の画像モニターで観察しながら測定する。
《表層223aの空隙の割合(多孔度)》
また、表層223aの空隙Sの割合は、例えば、体積割合で凡そ30%以上(例えば30%以上35%以下、好ましくは32%以上)とすることが好ましい。ここで、表層223aの空隙Sの割合A1(Vb/Va)は、上述した表層223aの極板細孔径の測定と同様に、表層223aが再現された活物質層520が集電体510上に形成された試験用電極500を用意するとよい(図4参照)。そして、上述した表層223aの極板細孔径の測定と同様に、水銀ポロシメータを用いて求められる活物質層520(表層223a)に含まれる空隙Sの容積Vbと、活物質層520(表層223a)の見かけの体積Vaとの比によって求めるとよい。ここで求められる空隙Sの割合A1(Vb/Va)は、表層223aに電解液が浸み渡り得る空隙Sが存在する体積割合を示している。
《表層223aの見かけの体積Vaの測定方法》
表層223aの見かけの体積Vaは、例えば、図4に示すように、試験用電極500のサンプルの平面視での面積Sa1と、活物質層520の厚さaとの積によって求めることができる(Va=Sa1×a)。この場合、活物質層520の厚さaは、例えば、複数個所で測定し、その算術平均で評価するとよい。図4では、集電体510の片面に形成された活物質層520が図示されている。
また、他の方法として、かかる活物質層520の厚さaは、試験用電極500の全体の厚さhaと、集電体520の厚さheとの差(ha−he)として求めることができる(a=ha−he)。また、試験用電極500のサンプルの平面視での面積Sa1は、例えば、試験用電極500のサンプルを正方形や長方形に切り取ることによって容易に求めることができる。このように、試験用電極500のサンプルの平面視での面積Sa1と活物質層520の厚さaとを求めることによって、活物質層520(ここでは表層223a)の見かけの体積Vaを求めることができる。
表層223aに形成された空隙Sの容積Vbは、前述のように、ポロシメータを用い、水銀圧入法によって表層223aに含まれる空隙Sの容積Vbを求めるとよい。
《表層223aの空隙Sの割合A1(Vb/Va)の算出》
上記表層223aの空隙Sの割合A1(Vb/Va)は、上記のように求められる表層223aに含まれる空隙Sの容積Vbと、表層223aの見かけの体積Vaとの比によって求めることができる。ここで求められる空隙Sの割合A1(Vb/Va)は、表層223aに電解液が浸み渡り得る空隙Sが存在する体積割合を示している。
上記の表層223aの空隙Sの割合A1(Vb/Va)には、他にも種々の求め方がある。以下に、他の測定方法を例示する。
《表層223aの空隙Sの割合A1(Vb/Va)の他の測定方法》
例えば、表層223aの空隙Sの割合A1(Vb/Va)は、試験用電極500を作成する前に測定される各成分の測定値に基づいて、下記の式で求められる。

空隙Sの割合A1(Vb/Va)=
[(ha−he)−Mv×{(α/X)+(β/Y)+(γ/Z)}]/(ha−he)
すなわち、活物質層520の空隙Sの割合A1(Vb/Va)を示す式は、活物質層520の空隙Sの割合A1(Vb/Va)=[(「試験用電極500の厚さha」−「集電体510の厚さhe」)−「活物質層520の目付量Mv」×{(正極活物質粒子の重量比α)/(正極活物質粒子の真密度X)+(導電材粒子の重量比β)/(導電材粒子の真密度Y)+(バインダの重量比γ)/(バインダの真密度Z)}]/(「試験用電極500の厚さha」−「集電体520の厚さhe」);
である。
ここで、Mv×{(α/X)+(β/Y)+(γ/Z)}は、活物質層520に空隙がないと仮定した場合における、活物質層520の厚さに相当する。
また、「正極活物質粒子の重量比α」、「正極活物質粒子の真密度X」、「導電材粒子の重量比β」、「導電材粒子の真密度Y」、「バインダの重量比γ」、「バインダの真密度Z」は、例えば、活物質層520を形成する前に測定することができる。「真密度」は、密度測定装置、例えば、気体置換型ピクノメータによって測定することができる。
また、「活物質層520の厚さ(d−e)」や「活物質層520の目付量Mv」は、例えば、活物質層520の形成後に測定することができる。また、「活物質層520の厚さ(d−e)」や「活物質層520の目付量Mv」は、活物質層520の塗布工程や圧延工程で目標値として設定することもできる。
《表層223aに含まれる正極活物質粒子610aの例示》
表層223aに含まれる正極活物質粒子610aは、内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bよりも粒子空孔率が小さいとよい。表層223aに含まれる正極活物質粒子610aは、例えば、中実構造の正極活物質を用いるとよい。ここで、中実の正極活物質粒子610aとは、該活物質粒子の見かけの断面積のうち中空部が占める割合(粒子空孔率)が15%以下である正極活物質粒子を指すものとする。粒子空孔率については、例えば、表層223aの断面SEM画像で、ランダムな位置で切断された断面において評価するとよく、それらの凡その平均値(算術平均値)で評価するとよい。ここでは、表層223aの粒子空孔率は、表面から正極活物質層223の厚さAの1/5Aまでの表領域235aで評価すると良い。なお、中実の正極活物質粒子610aの例としては、LiNiCoMnO(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、LiNiO(ニッケル酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiFePO(リン酸鉄リチウム)などのリチウム遷移金属酸化物の粒子が挙げられる。ここで、LiMnは、例えば、スピネル構造を有している。また、LiNiO或いはLiCoOは層状の岩塩構造を有している。また、LiFePOは、例えば、オリビン構造を有している。また、オリビン構造のLiFePOは、さらにカーボン膜で被覆することができる。
《内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの例示》
内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bは、表層223aに含まれる正極活物質粒子610aよりも粒子空孔率が大きいとよい。内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bには、例えば、中空の正極活物質粒子610bが用いられているとよい。ここで、図5は、好適な中空の正極活物質粒子610bの断面SEM画像である。図5に示された中空の正極活物質粒子610bは、殻部612と、中空部614と、貫通孔616とを有しており、「孔開き中空構造」とも称され得る。
孔開き中空構造の正極活物質粒子610bは、図5に示すように、リチウム遷移金属酸化物で構成された殻部612と、殻部612の内部に形成された中空部614と、殻部612を貫通した貫通孔616とを含んでいる。なお、ここでは、殻部612の内側面612aのうち正極活物質粒子610bの貫通孔616に相当する部分は、殻部612の内側面612aに含めない。また、貫通孔616は、正極活物質粒子610bの中空部614に含めない。
ここで、「孔開き中空構造の正極活物質粒子」とは、該活物質粒子の見かけの断面積のうち中空部が占める割合(粒子空孔率)が20%以上である正極活物質粒子を指すものとする。例えば、内部層223bの断面SEM画像で、ランダムな位置で切断された断面において評価するとよく、内部層223bから中空の正極活物質粒子を選択的に抽出し、それらの凡その平均値(算術平均値)で評価するとよい。ここでは、内部層223bの粒子空孔率は、正極集電体221から正極活物質層223の厚さAの1/2Aまでの内部領域235bで評価すると良い。この際、ある程度纏まった中空部を評価するとよい。また、ある程度纏まった中空部が複数ある場合には、複数の中空部の合計を評価するとよい。また、見かけの体積の5%に満たない微細な細孔(空隙)は無視してよい。このように、孔開き中空構造の正極活物質粒子610bは、単に、粒子に空孔があれば良いというものではない。例えば、噴霧焼成製法(スプレードライ製法とも称される)によって製造される、細かい空孔(空隙)を複数有する多孔質の粒子とは、かかる纏まった中空部614の存在の有無によって明らかに異なる。かかる孔開き中空構造の正極活物質粒子610bの製造方法は、例えば、上述した特許文献2に開示されているので、ここでは、詳細な説明を省略する。
好適には、内部層223bの断面SEM画像において、孔開き中空構造の正極活物質粒子610bは、比較的大きな中空部614を有しているとよい。当該中空部614を形成する殻部612に貫通孔616が形成されている。かかる正極活物質粒子610bの好適な一形態としては、正極活物質粒子610bの見かけの断面積のうち中空部614が占める割合が20%以上、より好ましくは23%以上、さらに好ましくは25%以上であるとよい。
このような孔開き中空構造の正極活物質粒子610bを用いた場合、例えば、中実の正極活物質粒子に比べて、同じ重量の粒子でも粒子の見かけの体積は大きくなり、嵩高くなる。そして、孔開き中空構造の正極活物質粒子610bは内部に大きな空間がある。このため、内部層223bの密度が同じ場合でも、内部層223bの正極活物質粒子610b外の空間(空隙)は狭くなる。この場合、内部層223bは、導電材粒子620の割合が同程度でも、正極活物質粒子610b外でより密に導電材粒子620が存在する。また、正極活物質粒子610間の接着を担うバインダについても少なくできる。このため、内部層223b中の導電性がよく、また内部層223b中の電解液(リチウムイオン)の拡散性がよい。
さらに好適には、内部層223bの任意の断面において、殻部612の内側面の任意の位置における殻部612の厚さkを、当該殻部612の内側面の任意の位置から殻部612の外側面への最短距離T(k)とする。この場合において、正極活物質粒子610bは、内部層223bの平均において殻部612の厚さが3μm以下、より好ましくは2.2μm以下であるとよい。このように、正極活物質粒子610bの殻部612が3μm以下と薄い場合には、当該殻部612(正極活物質粒子610b内)のリチウムイオンの拡散する距離が短く、リチウムイオンの拡散性が良く、極めて低抵抗のリチウムイオン二次電池100が得られる。正極活物質粒子610bの殻部612が2.2μm以下と薄い場合には、より顕著に上記効果が得られる。
表層223aに含まれる正極活物質粒子610aの粒子空孔率が、内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの粒子空孔率よりも小さい。この実施形態では、内部層223bの正極活物質粒子610bには、上述した孔開き中空構造の正極活物質粒子が用いられている。一方、表層223aの正極活物質粒子610aには、主に中実の粒子が用いられている。中実構造の正極活物質粒子610aは、中空の正極活物質粒子610bに比べて、内部に空洞が少なく、割れにくい。そのため、表層223aでは、中実構造の正極活物質粒子610aを用いることで、例えばプレス工程において、正極活物質粒子610aの割れが防止され、所要の空隙Sが適切に確保される。また、内部層223bでは孔開き中空構造の正極活物質粒子610bが用いられているが、表層223aには中実構造の正極活物質粒子610aが用いられているので、内部層223bの孔開き中空構造の正極活物質粒子610bについても、プレス工程において割れるのが防止される。
このため、この実施形態では、内部層223bに孔開き中空構造の正極活物質粒子610bを用いた効果によって、ハイレート充放電における高出力や急速充電などの高い出力特性を発揮することができる。
なお、内部層223bに用いられる正極活物質粒子は、上述した孔開き中空構造の正極活物質粒子610bに限定されない。例えば、内部層223bに孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた場合でも、プレス工程において孔開き中空構造の正極活物質粒子の一部が割れる場合もある。このため、孔開き中空構造を用いた場合において、プレス工程後の正極活物質層において、内部層223bに含まれる正極活物質粒子のうち重量割合で80wt%以上(さらには90wt%以上)が孔開き中空構造の正極活物質粒子610bとして内部層223bに維持されているとよい。
また、内部層223bに孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いる場合でも、中実の正極活物質粒子(内部に空洞を持たない正極活物質粒子)を混ぜてもよい。孔開き中空構造の正極活物質粒子610bに中実の正極活物質粒子を混ぜることにより、内部層223bの強度を向上させることができる。また、内部層223bで用いられる正極活物質粒子610bには、他の形態の中空粒子を用いてもよい。例えば、噴霧焼成製法(スプレードライ製法とも称される)によって製造される、多孔質の正極活物質粒子を、内部層223bの正極活物質粒子として用いてもよい。
《導電材粒子620》
表層223aおよび内部層223bで用いられる導電材粒子620としては、例えば、カーボン粉末、カーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。このような導電材粒子から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。
また、導電材粒子は、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、チャンネルブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック類から選択される少なくとも1種類の粒子であるとよい。特に、ABおよびKBのうちの何れか一方あるいはそれらの組み合わせが好ましい。表層223aと内部層223bとでは、同一の導電材粒子を用いてもよいし、異なる導電材粒子を用いてもよい。
《バインダ》
バインダは、表層223aおよび内部層223bに含まれる正極活物質粒子と導電材粒子の各粒子を結着させたり、これらの粒子と正極集電箔221とを結着させたりする。かかるバインダとしては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた正極合剤組成物においては、セルロース系ポリマー(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など)、フッ素系樹脂などの水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた正極合剤組成物においては、ポリマー(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)など)を好ましく採用することができる。表層223aと内部層223bとでは、同一のバインダを用いてもよいし、異なるバインダを用いてもよい。
《評価試験》
以下、上述したリチウムイオン二次電池100について、種々のサンプルを作製し、その性能を評価した。
《評価試験用の電池800》
図6は、評価試験用の電池800を模式的に示している。ここでは、評価試験用に円筒型(18650)のリチウムイオン二次電池を作製した。評価試験用の電池800は、図6に示すように、正極シート810と負極シート820との間にセパレータ830、840が介在した捲回電極体850を備えている。かかる捲回電極体850は非水電解液(図示省略)とともに外装ケース860に収容されている。各サンプルは、それぞれ正極シート810の構成が異なり、負極シート820、セパレータ830、840、非水電解液、電池の定格容量などの点が共通している。
《正極シート810》
図7は、正極シート810を展開した展開図である。正極シート810は、図7に示すように、帯状の集電箔811の長さ方向の中央部分に、予め定められた幅の未塗工部812を有している。かかる未塗工部812の両側において、集電箔811の両面に正極活物質層813が塗工されている。また、未塗工部812には、電極端子814(内部端子)が取り付けられている。正極シート810の集電箔811には、15nm厚のアルミニウム箔が用いられている。また、正極シート810は、幅54mm、長さ800mmとした。また、正極活物質層の厚さは65μmとした。
《負極シート820》
図8は、負極シート820を展開した展開図である。負極シート820は、図8に示すように、帯状の集電箔821の長さ方向の片方の端部に、予め定められた幅の未塗工部822を有している。そして、当該未塗工部822を除いて、集電箔821の両面に負極活物質層823が塗工されている。また、未塗工部822には、電極端子824(内部端子)が取り付けられている。負極シート820の集電箔821には、10nm厚の銅箔が用いられている。また、負極シート820は、幅56mm、長さ900mmとした。また、負極活物質層の厚さは80μmとした。
《負極活物質層823》
負極活物質層823(図8参照)には、負極活物質粒子と、結着材と、増粘剤とが含まれている。ここでは、負極活物質粒子には、黒鉛粒子が用いられている。結着材には、スチレン・ブタジエンゴム(SBR:styrene-butadiene rubber)が用いられている、増粘剤には、カルボキシメチルセルロース(CMC:carboxymethylcellulose)が用いられている。負極活物質粒子と、結着材と、増粘剤との合剤比は、固形分比率(%)において、負極活物質粒子:結着材:増粘剤=100:1:1の割合とした。
《捲回電極体850》
正極シート810と負極シート820は、セパレータ830、840を挟んで重ねられ、円筒状に捲回されて捲回電極体850を構成している。捲回電極体850の捲回軸方向の一端には正極の電極端子814が延び、他端には負極の電極端子824が延びている。ここで、セパレータ830、840には、PP/PE/PPの三層構造の多孔膜が用いられている。セパレータ830、840は、幅60mm、厚さ24μmで、正極シート810と負極シート820との間に介在するのに十分な長さを有している。
《評価試験用の電池800の構造》
外装ケース860は、有底の円筒形状の容器861と、蓋862とで構成されている。捲回電極体850は、かかる有底の円筒形状の容器861に収容されている。そして、負極の電極端子824は、容器861に設けられた負極端子863(外部端子)に電気的に接続される。蓋862には、外側に正極端子864(外部端子)が設けられており、内側に電流遮断機構865が、正極端子864(外部端子)に導通した状態で設けられている。電流遮断機構865には、容器861内の圧力が高くなると反転する反転板871と、反転板871の反転につれて破断する電流遮断板872とが設けられている。捲回電極体850の正極の電極端子814は、電流遮断機構865の電流遮断板872に電気的に接続されている。
《評価試験用の電池800の電解液》
外装ケース860には、捲回電極体850とともに、電解液が収容されている。ここで、電解液として、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを、EC:DMC:EMC=3:3:4の体積比で含む混合溶媒に1mol/Lの濃度でLiPFを溶解した非水電解液に、上述したガス発生剤(過充電時にガスを発生させる添加剤)を添加した。ガス発生剤の添加量は、電解液に対して体積比で4%とした。ガス発生剤には、シクロヘキシルベンゼン(CHB)とビフェニル(BP)を各サンプルにおいて選択して用いた。
《評価試験用の電池800のサンプル》
以下、評価試験用の電池800の複数のサンプルについて説明する。評価試験用の電池800の各サンプルは、正極活物質層813(図7参照)の構成や、電解液に添加されるガス発生剤の種類などが変えた。以下、サンプル1について説明し、他のサンプルについては、サンプル1との相違点を説明する。
《サンプル1》
サンプル1では、正極活物質層813(図7参照)は、内部層と表層とを備えている。内部層および表層には、それぞれ、正極活物質粒子と、導電材粒子と、バインダとが含まれている。ここでは、導電材粒子には、アセチレンブラック(AB)を用いた。バインダには、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いた。内部層および表層の双方とも、正極活物質粒子と、導電材粒子と、バインダとの合剤比は、固形分比率(%)において、正極活物質粒子:導電材粒子:バインダ=90:6:4の割合とした。
また、正極活物質層813を形成する際に作製する合剤ペースト(正極ペースト)は、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒とした。ここでは、まず、内部層を形成するための正極ペーストを、正極集電体811の両面に塗布し、乾燥させて内部層を得た。次いで、表層を形成するための正極ペーストを、内部層の上に塗布し、乾燥させて表層を得た。内部層と表層の双方を合わせた正極活物質層全体の目付量は28.6mg/cmとした。また、乾燥後、圧延プレスにて内部層および表層の厚み(密度)を調整した。
内部層には、正極活物質粒子として、平均粒径が4.2μmで圧壊強度が29MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。孔開き中空構造の正極活物質粒子の組成はLi1.07Ni0.34Co0.33Mn0.33とした。内部層の厚みは40μmとした。
表層には、正極活物質粒子として、平均粒径が9.8μmで圧壊強度が45MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。中実の正極活物質粒子の組成はLi1.07Ni0.34Co0.33Mn0.33とした。表層の厚みは20μmとした。
この場合、表層の極板細孔径は0.9μmであり、表層の空隙の割合(多孔度)は31.8%であった。また、内部層と表層の双方を合わせた正極活物質層全体の平均細孔径は0.64μmであり、正極活物質層全体の空隙の割合(多孔度)は29%であった。また、電解液に添加されるガス発生剤には、シクロヘキシルベンゼン(CHB)を用いた。
《サンプル2》
サンプル2では、内部層には、正極活物質粒子として、平均粒径が3.1μmで圧壊強度が26MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。表層には、正極活物質粒子として、平均粒径が12.3μmで圧壊強度が55MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、表層の極板細孔径は1.01μmであり、表層の空隙の割合(多孔度)は33.6%であった。また、正極活物質層全体の平均細孔径は0.71μmであり、空隙の割合(多孔度)は29.3%であった。
《サンプル3》
サンプル3では、内部層には、正極活物質粒子として、平均粒径が5.2μmで圧壊強度が30MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。表層には、正極活物質粒子として、平均粒径が9.9μmで圧壊強度が45MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、表層の極板細孔径は0.92μmであり、表層の空隙の割合(多孔度)は29.2%であった。また、正極活物質層全体の平均細孔径は0.64μmであり、空隙の割合(多孔度)は29.2%であった。
《サンプル4》
サンプル4では、内部層には、正極活物質粒子として、平均粒径が4.2μmで圧壊強度が29MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。表層には、正極活物質粒子として、平均粒径が7.9μmで圧壊強度が43MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、表層の極板細孔径は0.82μmであり、表層の空隙(多孔度)の割合は31.3%であった。また、極活物質層全体の平均細孔径は0.61μmであり、空隙の割合(多孔度)は29.1%であった。
《サンプル5》
サンプル5では、内部層には、正極活物質粒子として、平均粒径が3.1μmで圧壊強度が26MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。内部層の厚みは42μmとした。表層には、正極活物質粒子として、平均粒径が7.9μmで圧壊強度が43MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。表層の厚みは18μmとした。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、表層の極板細孔径は0.82μmであり、表層の空隙の割合(多孔度)は31.3%であった。また、正極活物質層全体の平均細孔径は0.64μmであり、空隙の割合(多孔度)は29.3%であった。
《サンプル6》
サンプル6では、内部層には、正極活物質粒子として、平均粒径が3.1μmで圧壊強度が26MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。内部層の厚みは46μmとした。表層には、正極活物質粒子として、平均粒径が4.2μmで圧壊強度が40MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。表層の厚みは14μmとした。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、表層の極板細孔径は0.50μmであり、表層の空隙の割合(多孔度)は30.5%であった。また、正極活物質層全体の平均細孔径は0.40μmであり、空隙の割合(多孔度)は29.2%であった。
《サンプル7》
サンプル7では、電解液に添加されるガス発生剤には、ビフェニル(BP)を用いた。その他の構成は、サンプル1と同じとした。
《サンプル8》
サンプル8では、内部層には、正極活物質粒子として、平均粒径が6.0μmで圧壊強度が40MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。表層には、正極活物質粒子として、平均粒径が3.4μmで圧壊強度が30MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、表層の極板細孔径は0.32μmであり、表層の空隙(多孔度)の割合は31.6%であった。また、正極活物質層全体の平均細孔径は0.51μmであり、空隙の割合(多孔度)は29.1%であった。
《サンプル9》
サンプル9では、内部層には、正極活物質粒子として、平均粒径が6.0μmで圧壊強度が40MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。表層には、正極活物質粒子として、平均粒径が9.9μmで圧壊強度が32MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、表層の極板細孔径は0.64μmであり、表層の空隙の割合(多孔度)は30.2%であった。また、正極活物質層全体の平均細孔径は0.78μmであり、空隙の割合(多孔度)は30.2%であった。
《サンプル10》
サンプル10では、正極集電体上に単層の正極活物質層を形成した。正極活物質粒子には、平均粒径が5.2μmで圧壊強度が29MPaの孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いた。正極活物質層の厚みは60μmとした。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、正極活物質層の極板細孔径は0.49μmであり、空隙の割合(多孔度)は29.2%であった。
《サンプル11》
サンプル11では、正極集電体上に単層の正極活物質層を形成した。正極活物質粒子には、平均粒径が4.2μmで圧壊強度が29MPaの中実の正極活物質粒子を用いた。正極活物質層の厚みは60μmとした。その他の構成は、サンプル1と同じとした。この場合、正極活物質層の極板細孔径は0.39μmであり、空隙の割合(多孔度)は29.4%であった。
《評価試験用の電池800の評価》
評価試験用の電池800は、出力特性としてのIV抵抗と過充電時のガス発生量によって、高出力特性と電流遮断機構の適切な作動を評価した。
以下、評価試験用の電池800について、コンディショニング工程、電池容量の測定、SOC調整、IV抵抗の測定、過充電ガス発生量の測定を順に説明する。
《コンディショニング》
次に、上記のように構築した評価試験用の電池について、コンディショニング工程、電池容量の測定、SOC調整、IV抵抗の測定、過充電ガス発生量の測定を順に説明する。
ここでは、コンディショニング工程は、次の手順1〜5によって行なわれている。
手順1:0.2Cの定電流にて2時間充電し、10分間休止する。
手順2:0.2Cの定電流にて2時間放電し、10分間休止する。
手順3:0.2Cの定電流にて4.2Vに到達するまで充電し、4.2Vに到達したのちに10分間休止する。
手順4:0.2Cの停電流にて3.0Vに到達するまで放電し、3.0Vに到達したのちに10分間休止する。
手順5:手順3、4をさらに2回繰り返す。
《電池容量の測定》
次に、定格容量は、上記コンディショニング工程の後、評価試験用の電池について、温度25℃、3.0Vから4.2Vの電圧範囲で、次の手順1〜3によって測定される。
手順1:0.2Aの定電流放電によって放電し、3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間休止する。
手順2:手順1の後、0.2Aの定電流充電によって充電し、4.2Vに到達後、4.2Vで定電圧となるように電流を暫時下げながら充電を継続し、電流が50mAとなったときに充電を終了する(C/5定電流定電圧充電)。この充電後、20分間休止する。
手順3:手順2の後、0.2Aの定電流放電によって3.0Vに到達するまで放電する。
ここでは、手順3における定電流放電における放電容量(C/5定電流放電)を電池容量(電池定格容量)とした。ここで、評価試験用の電池800の電池容量(電池定格容量)は1Ahにした。
《評価試験用の電池800のSOC調整》
評価試験用の電池800のSOC調整は、上記で作製した評価試験用の電池を25℃の温度環境下にて次の1、2の手順によって調整される。ここで、SOC調整は、例えば、上記コンディショニング工程および定格容量の測定の後で行なうとよい。
手順1:3Vから1Cの定電流で充電し、定格容量の凡そ60%の充電状態(SOC60%)にする。ここで、「SOC」は、State of Chargeを意味する。
手順2:手順1の後、2.5時間、定電圧充電する。
これにより、評価試験用の電池800を所定の充電状態に調整することができる。
《評価試験用の電池800のIV抵抗》
また、評価試験用の電池800について出力特性を評価するため、ここではIV抵抗を測定した。IV抵抗は、次の手順によって算出する。
手順1:SOC調整にて、SOC60%の充電状態(ここでは、セル電圧として3.73V)にする。
手順2:手順1の後、10A(10Cに相当)のパルス電流を通電して10秒間放電処理する。
ここでは、手順2で測定された測定電流値を、手順2での初期電圧値(3.73V)から10秒時点での電圧値を引いた値である電圧ドロップ値ΔVで、除算する。その値をIV抵抗値として求めた。
《評価試験用の電池800の過充電ガス発生量》
評価試験用の電池800の過充電ガス発生量は、円筒型電池に用いた極板群(正極シート810、負極シート820、セパレータ830、840の積層体)と同一の極板群を、ガス発生剤が添加された電解液とともにラミネート袋に入れて、真空封止し、電池容量20mAのラミネートセルを作製する。かかるラミネートセルにコンディショニング工程を施す。過充電試験の前にラミネートセルの水中重量をあらかじめ測っておき、その後、ラミネートセルを60℃の試験槽中で、1時間24分、20mAの定電流(1C相当)で充電し、SOC140%の過充電状態とした。その後、3Vまで放電処理を行い、試験槽から取り出し、再度水中重量を測定して、ラミネートセルの体積変化をアルキメデス法に基づき測定し、過充電ガスの発生量として求めた。
つまり、ラミネートセルの体積変化ΔVは、次式で求められる。
ΔV=ρw×(W−W1)
ここで、ρwは水の密度であり、Wは過充電前のラミネートセルの水中重量であり、W1は過充電後のラミネートセルの水中重量である。
《各サンプルの評価》
各サンプルについて、上記試験の結果を表1および表2に示す。表1は、各サンプルについて、構成を纏めた表である。表2は、各サンプルについて、評価を纏めた表である。
この結果、サンプル1〜7については、IV抵抗が比較的低く保たれ、高出力特性が高いレベルで発揮されうる。これに対して、サンプル8、9、11は、IV抵抗が比較的高くなり、出力特性が低くなる。また、サンプル1〜7は、ガス発生量が多く、電流遮断機構が適切に(比較的早期に)作動しうるレベルである。これに対して、サンプル8〜11は、ガス発生量が鈍化しており、他のサンプルに比べて電流遮断機構の作動が遅れた。かかる試験のように、正極活物質層に表層と内部層とを設け、表層に大径の正極活物質粒子を用い、内部層に小径の正極活物質粒子を用いる場合には、出力特性を高く保ちつつ、ガス発生量を多くすることができ、電流遮断機構を適切に作動させることができる傾向がある。
以上、種々説明したように、ここで提案される二次電池100は、例えば、図1に示すように、電池ケース300と、捲回電極体200(電極体)と、外部端子420と、非水電解液(図示省略)と、電流遮断機構460とを備えている。ここで、捲回電極体200は、電池ケース300に収容されており、外部端子420は、捲回電極体200に接続されている。非水電解液は、電池ケース300に収容され、ガス発生剤を含んでいる。電流遮断機構460は、電池ケースの内圧が予め定められた圧力以上に高くなると、捲回電極体200と、外部端子420との電気的な接続を遮断する。
捲回電極体200は、正極集電箔221(正極集電体)と、正極集電箔221に形成された正極活物質層223とを備えている。ここで、正極活物質層223は、図3に示すように、内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの平均粒径D1が6μm以下(さらには5.2μm以下、特には4.2μm以下)であるとよい。また、表層223aに含まれる正極活物質粒子610aの平均粒径D2が、内部層223bの平均粒径D1に対して、1.2≦(D2/D1)≦4であるとよい。ここで、内部層223bの平均粒径D1は、正極集電体221から正極活物質層223の厚さAの1/2Aまでの内部領域225bで評価するとよい。また、表層223aの平均粒径D2は、表面から正極活物質層223の厚さAの1/5Aまでの表領域225aで評価するとよい。さらに、表領域225aの極板細孔径が、0.5μm以上(好ましくは0.7μm以上)であるとよい。
これにより、正極活物質層の表層223aにおいて、適切に空隙Sを確保できる。これにより、過充電時に内部層223bで発生したガスが、表層223aの広い空隙Sを通じて出て行くため、新たな電解液が正極活物質層223に浸み込みやすい。そのため、正極活物質層223内に予め存在しているガス発生剤が消費された後、新たなガス発生剤が速やかに供給され、ガス発生剤によるガス発生量をより適切に確保できる。その結果、かかる二次電池の出力特性を高く保ちつつ、ガス発生量を多くすることができ、電流遮断機構を適切に作動させることができる。
ここで、正極活物質層の表層223aは、電解液を染み込みやすくするべく、極板細孔径が凡そ0.5μm以上(好ましくは0.7μm以上)の空隙Sを有しているとよい。なお、電解液を染み込みやすくするという観点において、正極活物質層223の表層223aの極板細孔径が凡そ0.5μm以上(好ましくは0.7μm以上)の空隙Sを有していればよく、例えば、凡そ0.6μm程度でもよいし、凡そ0.8μm程度でもよいし、凡そ0.9μm程度でもよい。正極活物質層223の表層223aは、例えば、極板細孔径が凡そ0.5μm以上1.2μm以下(例えば0.7μm以上1.2μm以下)の空隙を有しているとよい。
また、表層223aに含まれる正極活物質粒子610aの平均粒径D2が、内部層223bの平均粒径D1に対して、1.2≦(D2/D1)≦4であるとよく、1.9≦(D2/D1)≦4であることが好ましく、2.3≦(D2/D1)≦4であることがさらに好ましく、2.5≦(D2/D1)≦4であることが特に好ましい。これにより、表層223aにおいて極板細孔径が凡そ0.7μm以上の空隙Sを確実に形成できる。例えば、表層223aに含まれる正極活物質粒子610aの平均粒径D2は、6μm以上が適当であり、好ましくは8μm以上であり、特に好ましくは10μm以上である。
また、表層223aの空隙の割合は、電解液を染み込みやすくする観点から、例えば30%以上(例えば30%以上35%以下)、好ましくは32%以上(例えば32%以上35%以下)であるとよい。
また、表層223aは、正極活物質層223の表面から正極活物質層223の厚さAの少なくとも1/5A(好ましくは1/4A、例えば14/60A)までの領域に形成されているとよい。表層223aが厚いほど、正極活物質層223の内部まで電解液が入りやすくなるので、電池抵抗を低下させ、高出力が得られる。また、ハイレートでの充放電サイクルで使用されても抵抗の上昇が低く抑えられる。その一方で、表層223aが厚すぎると、孔開き中空構造の正極活物質粒子610bを用いた内部層223bの割合が相対的に減るため、孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いたことによる性能向上効果が低下する場合がある。この点からは、表層223aは、正極活物質層223の表面から正極活物質層223の厚さAの多くとも1/2A(好ましくは1/3A)までの領域に形成されているとよい。
また、表層223aに含まれる正極活物質粒子610aのうち重量割合で80%以上が、粒子空孔率が15%以下の中実の正極活物質粒子であるとよい。中実の正極活物質粒子は、孔開き中空構造の正極活物質粒子に比べて圧壊強度が大きく、割れにくい。そのため、表層223aでは、中実の正極活物質粒子610aを用いることで、例えばプレス工程において、正極活物質粒子610aの割れが防止され、所要の空隙Sが適切に確保される。表層223aに含まれる正極活物質粒子610aの圧壊強度は、例えば40MPa以上が適当であり、好ましくは43MPa以上であり、より好ましくは45MPa以上であり、特に好ましくは50MPa以上である。
また、正極活物質層の内部層223bは、電解液との接触面積を増大すべく、平均粒径D1が6μm以下の正極活物質粒子610bが含まれているとよい。電解液との接触面積を増大するという観点において、内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bの平均粒径D1は、例えば6μm以下(例えば3μm以上6μm以下)であるとよく、5.2μm以下であることが好ましく、4.2μm以下であることが特に好ましい。
また、内部層223bに含まれる正極活物質粒子610bのうち重量割合で少なくとも80%以上が、粒子空孔率が25%以上の孔開き中空構造の正極活物質粒子であるとよい。孔開き中空構造の正極活物質粒子610bを用いた場合には、正極活物質層223中において正極活物質粒子610bの周囲だけでなく中空部(正極活物質粒子610bの内部)にも電解液が染み渡る。このため、電池反応において、正極活物質粒子610bによってリチウムイオンの放出や吸蔵がスムーズに行われる。これにより、二次電池の抵抗上昇が小さく抑えられ、ハイレートでの放電や急速充電の性能が向上する。
この場合、孔開き中空構造の正極活物質粒子610bは、例えば、図5に示すように、リチウム遷移金属酸化物で構成された殻部612と、殻部612の内部に形成された中空部614と、殻部612を貫通した貫通孔616とを有しているとよい。かかる孔開き中空構造の正極活物質粒子610bを用いることにより、特に、ハイレートでの出力特性を高いレベルに確保できる。かかる孔開き中空構造の正極活物質粒子610bの圧壊強度は、例えば、30MPa以下であるとよい。
また、内部層223bは、正極集電体221から正極活物質層223の厚さAの少なくとも1/2A(好ましくは3/5A、より好ましくは2/3A、例えば44/60A)までの領域に形成されているとよい。内部層223bが厚いほど、孔開き中空構造の正極活物質粒子610bの割合が増えるため、孔開き中空構造の正極活物質粒子を用いたことによる性能向上効果がより良く発揮される。その一方で、内部層223bが厚すぎると、プレス工程で、孔開き中空構造の正極活物質粒子610bが割れる可能性がある。孔開き中空構造の正極活物質粒子610bは、中実の正極活物質粒子610aに比べて割れやすい。この点からは、内部層223bは、正極集電体221から正極活物質層223の厚さAの多くとも4/5A(好ましくは2/3A)までの領域に形成されているとよい。
なお、内部層223bと表層223aの双方を合わせた正極活物質層223全体の平均細孔径は、電解液を染み込みやすくする観点から、例えば、0.4μm以上(例えば0.4μm以上0.8μm以下)にすることが適当であり、好ましくは0.6μm以上(例えば0.6μm以上0.8μm以下)であり、さらに好ましくは0.7μm以上である。さらに、正極活物質層223全体の空隙の割合は、例えば25%以上、好ましくは29%以上、例えば25%以上35%以下であるとよい。
以上、ここで提案される二次電池について種々説明したが、本発明は、特に言及されない限りにおいて、上述した何れの実施形態にも限定されない。
例えば、上述した実施形態では、正極活物質層223は、正極集電体221上に内部層223bがあり、該内部層223b上に表層223aがある2層構造であったが、正極活物質層223の積層構造はこれに限定されるものではない。例えば、当該2つの層(内部層223bおよび表層223a)に加えて他の層を有する3層以上であってもよい。例えば、内部層223bと表層223aとの間に別の層(中間層)を設けてもよい。
さらに、図9に示すように、内部層223bの空隙を確保すべく、内部層223bは、複数の空隙支持粒子630を含んでいてもよい。ここで、空隙支持粒子630は、内部層223bに所要の空隙を確保する粒子であればよい。空隙支持粒子630の平均粒径D3は、例えば、内部層223bに含まれる中空の正極活物質粒子610bの平均粒径D1に対して、1/3≦(D3/D1)≦2であるとよい。より好ましくは2/3≦(D3/D1)であるとよく、また、(D3/D1)≦1.8であるとよい。また、空隙支持粒子630の圧壊強度は、例えば、10MPa以上であるとよい。
かかる空隙支持粒子630としては、例えば、粒子密度が1.1g/cm以上の黒鉛粒子を用いることができる。このような黒鉛粒子としては、例えば、いわゆる球状黒鉛を用いることができる。また、このような黒鉛粒子は、正極活物質粒子610b間の導通や、正極活物質粒子610bと正極集電箔221との導通を確保する導電材としての機能も奏しうる。
これにより、内部層223bにおいて、適切に空隙を確保できる。したがって、表層223aから入りこんだ電解液が、内部層223bの隅々まで染み渡る。このことにより、ガス発生剤によるガス発生量をより適切に確保でき、かかる二次電池の出力特性を高く保ちつつ、ガス発生量を多くすることができ、電流遮断機構をより短時間で作動させることができる。
ここで提案される二次電池は、上述したように、ハイレートでの出力特性が高く維持され、電流遮断機構を作動させるガス発生量が適当である。二次電池の電極体は、捲回電極体を例示したが、正極シートと、負極シートとが、セパレータを介して交互に積層された、いわゆる積層型の電極体で構成してもよい。また、ここで提案される二次電池は、ハイレートでの出力特性が高く維持されつつ、電流遮断機構を作動させるガス発生量が適当である。このため、ここで提案される二次電池は、特に、ハイレート特性と、安全性の確保が高いレベルで要求される、自動車用途における車載搭載用の電源として好適である。この場合、例えば、図10に示すように、二次電池の複数個を接続して組み合わせた組電池の形態で、自動車などの車両1のモータ(電動機)を駆動させる車両駆動用電源1000として好適に利用され得る。
また、ここでは、リチウムイオン二次電池を例示したが、ここで提案される二次電池は、特に明示的に限定されない限りにおいて、リチウムイオン二次電池以外の二次電池の構造にも採用しうる。
1 車両
100 リチウムイオン二次電池
200 捲回電極体
220 正極シート
221 正極集電体
223 正極活物質層
223a 表層
223b 内部層
225a 表領域
225b 内部領域
240 負極シート
241 負極集電体
243 負極活物質層
262,264 セパレータ
300 電池ケース
360 安全弁
420 正極端子
440 負極端子
460 電流遮断機構
610a 中実の正極活物質粒子
610b 中空の正極活物質粒子
612 殻部
614 中空部
616 貫通孔
620 導電材粒子
1000 車両駆動用電池
S 空隙

Claims (9)

  1. 電池ケースと、
    前記電池ケースに収容された電極体と、
    前記電池ケースに設けられ、前記電極体に接続された外部端子と、
    前記電池ケースに収容され、予め定められた電圧以上の電圧で反応し、ガスを発生させるガス発生剤を含む非水電解液と、
    前記電池ケースの内圧が予め定められた圧力以上に高くなると、前記電極体と前記外部端子との電気的な接続を遮断する電流遮断機構と
    を備え、
    前記電極体は、
    正極集電体と、
    前記正極集電体に保持された正極活物質層と
    を備え、
    前記正極活物質層は、
    前記正極集電体から前記正極活物質層の厚さAの1/2Aまでの内部領域に含まれる正極活物質粒子の平均粒径D1が6μm以下であり、
    表面から前記正極活物質層の厚さAの1/5Aまでの表領域に含まれる正極活物質粒子の平均粒径D2が、前記内部領域の平均粒径D1に対して、1.2≦(D2/D1)≦4であり、
    前記表領域の極板細孔径が0.5μm以上であり、
    前記表領域に含まれる正極活物質粒子の粒子空孔率が、前記内部領域に含まれる正極活物質粒子の粒子空孔率よりも小さい、
    二次電池。
  2. 前記内部領域に含まれる正極活物質粒子のうち重量割合で80%以上が、粒子空孔率が20%以上の中空の正極活物質粒子である、請求項1に記載された二次電池。
  3. 前記表領域に含まれる正極活物質粒子のうち重量割合で80%以上が、粒子空孔率が15%以下の中実の正極活物質粒子である、請求項1または2に記載された二次電池。
  4. 前記表領域の空隙の割合が、30%以上である、請求項1から3までの何れか一項に記載された二次電池。
  5. 前記表領域における正極活物質粒子の圧壊強度が、前記内部領域における正極活物質粒子の圧壊強度よりも大きい、請求項1から4までの何れか一項に記載された二次電池。
  6. 前記表領域における正極活物質粒子の圧壊強度が、40MPa以上である、請求項1から5までの何れか一項に記載された二次電池。
  7. 前記内部領域における正極活物質粒子の圧壊強度が、30MPa以下である、請求項1から6までの何れか一項に記載された二次電池。
  8. 前記正極活物質層全体の平均細孔径が、0.4μm以上である、請求項1から7までの何れか一項に記載された二次電池。
  9. 記正極活物質粒子は、
    リチウム遷移金属酸化物で構成された殻部と、
    前記殻部の内部に形成された中空部と、
    前記殻部を貫通した貫通孔と
    を有している、請求項1から8までの何れか一項に記載された二次電池。
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