JP6411959B2 - 正極合材および全固体リチウム電池 - Google Patents

正極合材および全固体リチウム電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6411959B2
JP6411959B2 JP2015130262A JP2015130262A JP6411959B2 JP 6411959 B2 JP6411959 B2 JP 6411959B2 JP 2015130262 A JP2015130262 A JP 2015130262A JP 2015130262 A JP2015130262 A JP 2015130262A JP 6411959 B2 JP6411959 B2 JP 6411959B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
solid electrolyte
solid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015130262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017016794A (ja
Inventor
元 長谷川
元 長谷川
敬介 大森
敬介 大森
知哉 鈴木
知哉 鈴木
成章 三木
成章 三木
吉田 秀樹
秀樹 吉田
将人 園尾
将人 園尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Nichia Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichia Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Nichia Corp
Priority to JP2015130262A priority Critical patent/JP6411959B2/ja
Publication of JP2017016794A publication Critical patent/JP2017016794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6411959B2 publication Critical patent/JP6411959B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、正極活物質層の内部抵抗を低減可能な正極合材に関する。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、例えば、短絡時の温度上昇を抑える安全装置が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に代えた全固体リチウム電池は、有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れる。
全固体リチウム電池の分野において種々の研究が行われている。例えば、特許文献1には、正極活物質層が、電位が2.8V(vs Li)以上である正極活物質と、オルト組成を有するイオン伝導体およびLiIを有する硫化物固体電解質材料とを含有するリチウム固体電池が開示されている。一方、電解液を用いたリチウム二次電池に関する技術ではあるが、特許文献2には、リチウム遷移金属酸化物で構成された殻部と、殻部の内部に形成された中空部と、殻部を貫通する貫通孔とを有する活物質粒子が開示されている。
特開2012−048973号公報 特開2013−045761号公報
全固体リチウム電池の高性能化の観点から、内部抵抗の低減が求められている。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、正極活物質層の内部抵抗を低減可能な正極合材を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者等が鋭意研究を重ねたところ、中空構造を有する活物質は、全固体リチウム電池の性能向上に不利であると推測されるにも関わらず、意外にも、正極活物質層の内部抵抗を低減可能であるとの知見を得た。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明においては、全固体リチウム電池に用いられる正極合材であって、岩塩層状型の酸化物である正極活物質と、固体電解質材料とを含有し、上記正極活物質が、中空構造を有することを特徴とする正極合材を提供する。
本発明によれば、正極活物質が中空構造を有することから、正極活物質層の内部抵抗を低減可能な正極合材とすることができる。
上記発明においては、上記正極活物質の中空度が、5.3%〜23%の範囲内であることが好ましい。
また、本発明においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体リチウム電池であって、上記正極活物質層が、上述した正極合材から構成されることを特徴とする全固体リチウム電池を提供する。
本発明によれば、中空構造を有する正極活物質を用いることで、高出力な全固体リチウム電池とすることができる。
本発明の正極合材は、正極活物質層の内部抵抗を低減可能であるという効果を奏する。
本発明における正極活物質を説明する概略断面図である。 本発明の全固体リチウム電池の一例を示す概略断面図である。 比較例1および実施例1〜3で得られた評価用電池の内部抵抗測定の結果である。
以下、本発明の正極合材および全固体リチウム電池について、詳細に説明する。
A.正極合材
本発明の正極合材は、全固体リチウム電池に用いられる正極合材であって、岩塩層状型の酸化物である正極活物質と、固体電解質材料とを含有し、上記正極活物質が、中空構造を有することを特徴とする。
本発明によれば、正極活物質が中空構造を有することから、正極活物質層の内部抵抗を低減可能な正極合材とすることができる。ここで、図1(a)は、本発明における正極活物質を説明する概略断面図である。図1(a)に示すように、本発明における正極活物質10は、複数の一次粒子1が中空部Aを形成するように凝集した二次粒子である。一方、図1(b)に示すように、中空構造を有しない正極活物質(中実構造を有する正極活物質)10は、複数の一次粒子1が凝集した二次粒子であるが、中空部Aを有しない。
電解液を用いた電池では、電解液が正極活物質の中空部に浸透できる。そのため、中空部のLiイオン伝導性が確保され、中空構造の内側(殻部の中空部側表面)でも電池反応が生じる。これに対して、全固体電池では、固体電解質材料が正極活物質の中空部に浸透できない。そのため、中空部のLiイオン伝導性が確保できず、中空構造の内側(殻部の中空部側表面)で電池反応が生じない。従って、中空構造を有する正極活物質は、全固体リチウム電池の性能向上に不利であると推測される。
しかしながら、中空構造を有する正極活物質を、固体電解質材料とともに、全固体リチウム電池の正極活物質層に用いたところ、意外にも、正極活物質層の内部抵抗を低減可能であることが判明した。活物質の体積割合が同じ場合、中空構造を有する正極活物質であっても、中実構造を有する正極活物質であっても、同程度の内部抵抗になることが予測されたが、実際には、予測に反して両者に明確な差異が確認された。その理由は、中実構造を有する正極活物質では、活物質内部でのLiイオン拡散が遅く、活物質内部が活物質として利用しにくい領域であるためであると推測される。
本発明においては、中空構造を有する正極活物質を用いることで、Liイオン拡散が早い領域(活物質表面)だけを有効に活用でき、全体的なLi拡散経路が短くなる。また、活物質の重量割合が同じ場合、中空構造を有する正極活物質は、中実構造を有する正極活物質よりも、固体電解質材料との接触面積が増加する。そのため、正極活物質層の内部抵抗が低減できたと推測される。なお、中実構造を有する正極活物質の平均粒径を小さくすると、固体電解質材料との接触面積を増加させることはできるが、正極活物質の分散性が低下するという背反がある。
また、中空構造を有する正極活物質を用いた場合、中実構造を有する正極活物質を用いた場合に比べて、中空部Aの体積相当分だけ、体積エネルギー密度は低下する(同じ重量の活物質を用いた場合、電極の体積は大きくなる)。しかしながら、その低下によるデメリットに比べて、内部抵抗の低下というメリットが格段に大きいため、全体として、全固体リチウム電池の性能向上に寄与できる。
以下、本発明の正極合材について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質
本発明における正極活物質は、中空構造を有する。正極活物質は、通常、複数の一次粒子が中空部を形成するように凝集した二次粒子である。言い換えると、正極活物質は、通常、複数の一次粒子から構成される殻部と、上記殻部の内部に形成された中空部とを有する。
ここで、正極活物質の中空度を、中空部を含む正極活物質全体の体積に対する中空部の体積の割合と定義する。正極活物質の中空度は、次の方法で求めることができる。まず、正極活物質粒子20個ほどについて、クロスセクションポリッシャ(CP)によって断面出しを行い、断面出しされた正極活物質粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影する。次に、撮影された画像から、画像解析ソフトを用いて、中空度算出に用いる正極活物質粒子を選出し、画像の二値化を行う。二値化された各正極活物質粒子について、画像解析ソフトを用いて、全体の面積Saと中空部の面積Spとを算出し、その比Sp/Saを算出する。中空度算出に用いる全正極活物質粒子のSp/Saの平均値を算出し、目的の正極活物質の中空度とする。また、本発明における中空度は、例えば、1%以上であり、5.3%以上であっても良い。一方、中空度は、例えば、30%以下であり、23%以下であっても良い。
本発明における正極活物質は、岩塩層状型の酸化物である。具体的には、中空構造を構成する一次粒子が、岩塩層状型の結晶相を有する。正極活物質は、通常、Liと、Me(Meは遷移金属である)と、Oとを含有する。Meは、例えば、Co、Mn、Ni、V、Cr、Wの少なくとも一つであることが好ましく、Co、Mn、Niの少なくとも一つであることがより好ましい。Meは、Co、MnおよびNiであっても良い。正極活物質としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、LiVO、LiCrO等を挙げることができる。さらに、正極活物質は、Wを含有していても良い。例えば、Wをドープすることで、サイクル特性が向上する。
正極活物質は、イオン伝導性酸化物から構成されるコート層を有することが好ましい。正極活物質および固体電解質材料(特に硫化物固体電解質材料)が反応することを抑制できるからである。イオン伝導性酸化物としては、例えば、一般式LiAO(Aは、B、C、Al、Si、P、S、Ti、Zr、Nb、Mo、TaまたはWであり、xおよびyは正の数である)で表される化合物を挙げることができる。具体的には、LiBO、LiBO、LiCO、LiAlO、LSiO、LiSiO、LiPO、LiSO、LiTiO、LiTi12、LiTi、LiZrO、LiNbO、LiMoO、LiWO等を挙げることができる。コート層の厚さは、例えば、0.1nm〜100nmの範囲内であり、1nm〜20nmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上であり、1μm以上であることが好ましい。一方、正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば、20μm以下であり、10μm以下であることが好ましい。なお、正極活物質の平均粒径(D50)は、中空構造を有する粒子(二次粒子)の平均粒径をいう。正極活物質の平均粒径(D50)は、SEM画像を解析する方法、または、粒度分布測定装置により測定する方法により求めることができる。
正極合材における正極活物質の割合は、例えば、40体積%以上であり、50体積%以上であることが好ましい。正極活物質の割合が低すぎると、電池容量が低くなる可能性がある。一方、正極合材における正極活物質の割合は、例えば、99体積%以下であり、90体積%以下であることが好ましい。正極活物質の割合が高すぎると、正極合材のLiイオン伝導性が低くなる可能性がある。
正極活物質の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、正極活物質の前駆体となる水酸化物の合成条件を適宜調整することで正極活物質の中空度を制御することが可能である。水酸化物の合成条件と中空度の関係とは一義的には決まらないが、例えば、共沈法において用いる錯化剤の濃度を低くすると中空度は大きくなる傾向にある。必要とされる錯化剤の濃度は、目的の水酸化物の組成、平均粒径等にも依存する。そのため、錯化剤の濃度は、目的の水酸化物の各種特性に応じて適宜決定する。錯化剤としてアンモニア水、炭酸アンモニウム等が選択可能である。得られた水酸化物前駆体と、リチウム化合物と、必要に応じて他の原料化合物とを公知の手法で混合し、得られる混合物を公知の手法で焼成することで、目的の正極活物質が得られる。焼成温度は正極活物質の組成等にもよるが、例えば、850℃〜1000℃程度であれば良い。
2.固体電解質材料
本発明における固体電解質材料は、Liイオン伝導性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等の無機固体電解質材料を挙げることができる。
硫化物固体電解質材料としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiCl、LiS−P−LiBr、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)、Li10GeP12等を挙げることができる。
特に、硫化物固体電解質材料は、Li、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、およびSを含有するイオン伝導体を備えることが好ましい。さらに、上記イオン伝導体は、オルト組成のアニオン構造(PS 3−構造、SiS 4−構造、GeS 4−構造、AlS 3−構造、BS 3−構造)をアニオンの主成分として有することが好ましい。化学安定性の高い硫化物固体電解質材料とすることができるからである。オルト組成のアニオン構造の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、70mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
硫化物固体電解質材料は、上記イオン伝導体に加えて、LiI、LiBrおよびLiClの少なくとも一つを含有することが好ましい。LiI、LiBrおよびLiClの少なくとも一部は、通常、それぞれ、LiI成分、LiBr成分およびLiCl成分としてイオン伝導体の構造中に取り込まれた状態で存在する。また、硫化物固体電解質材料は、X線回折測定において、LiIのピークを有していても良く、有していなくても良いが、後者が好ましい。Liイオン伝導性が高いからである。この点については、LiBrおよびLiClについても同様である。硫化物固体電解質材料におけるLiX(X=I、Cl、Br)の割合は、例えば10mol%〜30mol%の範囲内であり、15mol%〜25mol%の範囲内であることが好ましい。LiXの割合とは、硫化物固体電解質材料に含まれるLiXの合計の割合をいう。
酸化物固体電解質材料としては、例えば、LiO−B−P、LiO−SiO、LiLaTaO(例えばLiLaTa12)、LiLaZrO(例えばLiLaZr12)、LiBaLaTaO(例えばLiBaLaTa12)、Li1+xSi1−x(0≦x<1、例えばLi3.6Si0.60.4)、Li1+xAlGe2−x(PO(0≦x≦2)、Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦2)、LiPO(4−3/2x)(0≦x<1)等を挙げることができる。また、窒化物固体電解質材料としては、例えばLiN等を挙げることができ、ハロゲン化物固体電解質材料としては、例えばLiI等を挙げることができる。
本発明における固体電解質材料は、結晶性材料であっても良く、非晶質材料であっても良い。また、固体電解質材料は、ガラスであっても良く、結晶化ガラス(ガラスセラミックス)であっても良い。ガラスの作製方法としては、例えば、原料組成物に非晶質化処理を行う方法が挙げられる。非晶質化処理としては、例えば、溶融急冷法、メカニカルミリング法等を挙げることができる。結晶化ガラスの作製方法としては、例えば、ガラスを結晶化温度以上の温度に加熱する方法を挙げることができる。また、結晶性材料の作製方法としては、例えば、原料組成物を固体のまま加熱する方法(固相法)を挙げることができる。
固体電解質材料の形状は、特に限定されないが、例えば球形状を挙げることができる。固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上であり、0.5μm以上であっても良い。一方、固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば、50μm以下であり、10μm以下であっても良い。また、固体電解質材料のLiイオン伝導度は、25℃において、例えば、1×10−5S/cm以上であり、1×10−4S/cm以上であることが好ましく、1×10−3S/cm以上であることがより好ましい。
正極合材における固体電解質材料の割合は、例えば、1体積%以上であり、10体積%以上であることが好ましい。固体電解質材料の割合が低すぎると、正極合材のLiイオン伝導性が十分に向上しない可能性がある。一方、正極合材における固体電解質材料の割合は、例えば、60体積%以下であり、50体積%以下であることが好ましい。固体電解質材料の割合が高すぎると、相対的に、正極活物質の割合が低くなり、電池容量が低くなる可能性がある。また、正極合材において、固体電解質材料の割合は、正極活物質の割合よりも低いことが好ましい。
3.正極合材
本発明の正極合材は、正極活物質および固体電解質材料を少なくとも含有する。正極合材は、さらに導電化材を含有していても良い。導電化材の添加により、正極合材の電子伝導性を向上させることができる。導電化材としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の炭素材料を挙げることができる。
正極合材は、さらに結着材を含有していても良い。結着材の添加により、正極合材の成型性を向上させることができる。結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ブチレンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等を挙げることができる。正極合材は、さらに増粘材を含有していても良い。
正極合材の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、粉末状、ペレット状等を挙げることができる。
本発明の正極合材の製造方法は、特に限定されるものではない。製造方法の一例としては、正極活物質および固体電解質材料の混合物に分散媒を添加してスラリーを形成し、上記スラリーに分散促進処理を行い、上記分散媒を除去する方法を挙げることができる。分散促進処理としては、例えば、超音波処理、振とう処理等を挙げることができる。
B.全固体リチウム電池
図2は、本発明の全固体リチウム電池の一例を示す概略断面図である。図2における全固体リチウム電池20は、正極活物質を含有する正極活物質層11と、負極活物質を含有する負極活物質層12と、正極活物質層11および負極活物質層12の間に形成された固体電解質層13と、正極活物質層11の集電を行う正極集電体14と、負極活物質層12の集電を行う負極集電体15とを有する。本発明においては、正極活物質層11が、上述した正極合材から構成されることを特徴とする。
本発明によれば、中空構造を有する正極活物質を用いることで、高出力な全固体リチウム電池とすることができる。
以下、本発明の全固体リチウム電池について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、通常、上述した正極合材から構成される合材層である。すなわち、正極活物質層は、岩塩層状型の酸化物であり、中空構造を有する正極活物質と、固体電解質材料とを少なくとも含有する。また、正極活物質層に含まれる正極活物質の中空度は、上記「A.正極合材」に記載した内容と同様である。正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であり、0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
2.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。固体電解質材料、導電化材および結着材については、上記「A.正極合材」に記載した内容と同様である。
負極活物質としては、例えば、カーボン活物質、金属活物質および酸化物活物質等を挙げることができる。カーボン活物質としては、例えば、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。金属活物質としては、例えば、In、Al、Si、Sn、および、これらを少なくとも含む合金等を挙げることができる。酸化物活物質としては、例えば、Nb、LiTi12、SiO等を挙げることができる。負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であり、0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
3.固体電解質層
本発明における固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層である。固体電解質層は、少なくとも固体電解質材料を含有する層であり、必要に応じて、結着材をさらに含有していても良い。固体電解質材料および結着材については、上記「A.正極合材」に記載した内容と同様である。
固体電解質層に含まれる固体電解質材料の割合は、例えば、10体積%〜100体積%の範囲内であり、50体積%〜100体積%の範囲内であることが好ましい。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であり、0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。また、固体電解質層の形成方法としては、例えば、固体電解質材料を圧縮成形する方法等を挙げることができる。
4.その他の構成
本発明の全固体リチウム電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、Cu、Ni、Fe、Ti、Co、Zn等を挙げることができる。また、本発明においては、例えばSUS製電池ケース等の任意の電池ケースを用いることができる。
5.全固体リチウム電池
本発明の全固体リチウム電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。全固体リチウム電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[比較例1]
(正極活物質の作製)
反応槽内に純水を10kg入れ、液温を40℃〜50℃に調整した。液温の調整後、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、溶液のpHを約12に調整した。一方、硫酸ニッケル水溶液、硫酸コバルト水溶液および硫酸マンガン水溶液を用い、モル比でNi:Co:Mn=1:1:1である混合水溶液を調整した。反応槽に混合水溶液を一定時間かけて投入し、Ni0.33Co0.33Mn0.33(OH)2+a(0≦a≦0.5)で表される水酸化物の沈殿を得た。混合水溶液の投入中、反応槽内の液温は40℃〜50℃を維持するよう調整された。また、混合水溶液の投入中、反応槽内の溶液のpHは、10.5〜11.5を維持するよう水酸化ナトリウム水溶液で調整された。さらに、混合水溶液の投入中、反応槽内の溶液のアンモニウムイオン濃度は、約19000ppmを維持するようアンモニア水で調整された。得られた水酸化物の沈殿をろ過、乾燥させ、水酸化物前駆体を得た。
水酸化リチウム、水酸化物前駆体、酸化タングステン(VI)を、モル比でLi:(Ni+Co+Mn):W=1.15:1:0.05となるよう混合し、得られた混合物を大気雰囲気中960℃で15時間焼成し、組成がLi1.15Ni0.33Co0.33Mn0.330.05で表され、中空度が0%の正極活物質を得た。
(コート層の作製)
転動流動式コーティング装置(パウレック製)を用いて、大気環境において、得られた正極活物質に、ゾルゲル法によりLiNbOをコーティングした。その後、大気環境において焼成を行い、正極活物質の表面にLiNbOのコート層を形成した。これにより、表面にコート層を有する正極活物質(平均粒径D50=6.3μm)を得た。
(正極の作製)
ポリプロピレン(PP)製容器に、酪酸ブチルと、ポリフッ化ビニリデン系バインダー(クレハ社製)の5重量%酪酸ブチル溶液とを添加した。次に、上記で得られた正極活物質と、硫化物固体電解質材料(LiIを含むLiS−P系ガラスセラミックス、平均粒径D50=0.8μm)とを、正極活物質:硫化物固体電解質材料=7:3の体積割合でPP製容器に添加した。さらに、導電助剤として気相成長炭素繊維(VGCF、昭和電工社製)をPP製容器に添加した。次に、超音波分散装置(エスエムテー製 UH−50)でPP製容器を30秒間撹拌した。次に、PP製容器を振とう器(柴田科学社製、TTM−1)で3分間振とうさせ、さらに超音波分散装置で30秒間撹拌した。その後、アプリケーターを用いて、ブレード法により、カーボン塗工Al箔(昭和電工社製 SDX)上に塗工した。塗工した電極を、自然乾燥後、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。これにより、正極を得た。
(負極の作製)
PP製容器に、酪酸ブチルと、ポリフッ化ビリニデン系バインダー(クレハ社製)の5重量%酪酸ブチル溶液と、負極活物質として天然黒鉛系カーボン(三菱化学製、平均粒径10μm)と、硫化物固体電解質材料(LiIを含むLiS−P系ガラスセラミックス、平均粒径D50=0.8μm)とを添加した。次に、超音波分散装置(エスエムテー製 UH−50)でPP製容器を30秒間撹拌した。次に、PP製容器を振とう器(柴田科学社製、TTM−1)で30分間振とうさせた。その後、アプリケーターを用いて、ブレード法により、Cu箔上に塗工した。塗工した電極は、自然乾燥後、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。これにより、負極を得た。
(固体電解質層の作製)
PP製容器に、ヘプタンと、ブチレンゴム系バインダー(JSR社製)の5重量%ヘプタン溶液と、硫化物固体電解質材料(LiIを含むLiS−P系ガラスセラミックス、平均粒径D50=2.5μm)とを添加した。次に、超音波分散装置(エスエムテー製 UH−50)でPP製容器を30秒間撹拌した。次に、PP製容器を振とう器(柴田科学社製、TTM−1)で30分間振とうさせた。その後、アプリケーターを用いて、ブレード法により、Al箔上に塗工した。塗工した固体電解質層は、自然乾燥後、100℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。これにより、固体電解質層を得た。
(評価用電池の作製)
1cmの金型に固体電解質層を入れて1ton/cmでプレスした。次に、固体電解質層の片側に正極を配置し、1ton/cmでプレスした。次に、固体電解質層のもう片側に負極を配置し、6ton/cmでプレスした。これにより、評価用電池を作製した。
[実施例1]
(正極活物質の作製)
混合水溶液投入中、反応槽内の溶液のアンモニウムイオン濃度が約7000ppmに維持されること以外は比較例1と同様にして、組成がLi1.15Ni0.33Co0.33Mn0.330.05で表され、中空度が5.3%の正極活物質を得た。得られた正極活物質を用いたこと以外は比較例1と同様にして、評価用電池を作製した。
[実施例2]
(正極活物質の作製)
混合水溶液投入中、反応槽内の溶液のpHが9.5〜10.5に維持され、反応槽内の溶液のアンモニウムイオン濃度が約5000ppmに維持されること以外は比較例1と同様にして、組成がLi1.15Ni0.33Co0.33Mn0.330.05で表され、中空度が17.5%の正極活物質を得た。得られた正極活物質を用いたこと以外は比較例1と同様にして、評価用電池を作製した。
[実施例3]
(正極活物質の作製)
混合水溶液投入中、反応槽内の溶液のpHが9.0〜10.0に維持され、反応槽内の溶液のアンモニウムイオン濃度が約2000ppmに維持されること以外は比較例1と同様にして、組成がLi1.15Ni0.33Co0.33Mn0.330.05で表され、中空度が23%の正極活物質を得た。得られた正極活物質を用いたこと以外は比較例1と同様にして、評価用電池を作製した。
[評価]
比較例1および実施例1〜3で得られた評価用電池の内部抵抗を測定した。具体的には、電圧を3.89Vに調整し、その後、放電電流を11.0mAとし、10秒間の定電流放電を行った。このときの電圧降下量および放電電流の関係から、内部抵抗を測定した。その結果を表1および図3に示す。なお、表1および図3における内部抵抗比は、比較例1の内部抵抗を100%とした場合の相対値である。
Figure 0006411959
表1および図3に示すように、中空構造を有する正極活物質を用いることで、意外にも内部抵抗が低下することが確認された。また、これらの結果から、内部抵抗が低下するという効果は中空構造に起因していることが分かる。したがって、中空構造を有する正極活物質であれば、その中空度が5.3%未満であっても、少なからず内部抵抗を下げる効果が得られると考えられる。
1 … 一次粒子
10 … 正極活物質
11 … 正極活物質層
12 … 負極活物質層
13 … 固体電解質層
14 … 正極集電体
15 … 負極集電体
20 … 全固体リチウム電池

Claims (3)

  1. 全固体リチウム電池に用いられる正極合材であって、
    岩塩層状型の酸化物である正極活物質と、固体電解質材料とを含有し、
    前記正極活物質が、中空構造を有し、
    前記正極活物質が、複数の一次粒子から構成される殻部と、前記殻部の内部に形成された中空部とを有することを特徴とする正極合材。
  2. 前記正極活物質の中空度が、5.3%〜23%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の正極合材。
  3. 正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体リチウム電池であって、
    前記正極活物質層が、請求項1または請求項2に記載の正極合材から構成されることを特徴とする全固体リチウム電池。
JP2015130262A 2015-06-29 2015-06-29 正極合材および全固体リチウム電池 Active JP6411959B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015130262A JP6411959B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 正極合材および全固体リチウム電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015130262A JP6411959B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 正極合材および全固体リチウム電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017016794A JP2017016794A (ja) 2017-01-19
JP6411959B2 true JP6411959B2 (ja) 2018-10-24

Family

ID=57830934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015130262A Active JP6411959B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 正極合材および全固体リチウム電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6411959B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7018376B2 (ja) * 2018-11-13 2022-02-10 本田技研工業株式会社 固体電池
JP7156095B2 (ja) 2019-03-05 2022-10-19 トヨタ自動車株式会社 正極スラリーの製造方法、正極の製造方法及び全固体電池の製造方法、並びに、正極及び全固体電池
TWI758019B (zh) * 2019-12-20 2022-03-11 日商同和電子科技股份有限公司 非晶質鋰離子傳導氧化物粉末及其製造方法、暨具有nasicon型結晶構造之鋰離子傳導氧化物粉末之製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011040282A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Samsung Electronics Co Ltd 全固体二次電池
JP5924541B2 (ja) * 2013-01-23 2016-05-25 トヨタ自動車株式会社 二次電池
JP5594379B2 (ja) * 2013-01-25 2014-09-24 トヨタ自動車株式会社 二次電池用正極、二次電池用正極の製造方法、及び、全固体二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017016794A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9941514B2 (en) Cathode active material layer, all solid lithium battery, and method of manufacturing cathode active material layer
KR101534386B1 (ko) 배합된 캐소드 활물질을 갖는 비수계 이차 배터리
JP5610205B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質並びに非水電解質二次電池
JP6323475B2 (ja) 複合活物質、固体電池および複合活物質の製造方法
JP5682318B2 (ja) 全固体電池
TW201417380A (zh) 鋰離子二次電池用電極材料、此電極材料的製造方法及鋰離子二次電池
JP7273268B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極合材ペーストおよび非水系電解質二次電池
JP7292574B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、およびリチウムイオン二次電池
JP7056598B2 (ja) 負極層および全固体電池
JP2018045802A (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および該正極活物質を用いた非水系電解質二次電池
JP7130911B2 (ja) 全固体二次電池用正極、及びそれを含む全固体二次電池
WO2020174868A1 (ja) 正極材料、および、電池
JP7127631B2 (ja) 正極活物質の製造方法、及びリチウムイオン電池の製造方法
JP6411959B2 (ja) 正極合材および全固体リチウム電池
JP7271945B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、およびリチウムイオン二次電池
JP7167540B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法およびリチウムイオン二次電池
JP2016173962A (ja) ナトリウムイオン二次電池用正極活物質粉末
JP2015133320A (ja) 二次電池用負極材及びこれを用いた二次電池
JP6576033B2 (ja) リチウムイオン二次電池、およびリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
JP7142302B2 (ja) 正極活物質およびそれを備えた電池
JP7142301B2 (ja) 正極活物質およびそれを備えた電池
JP2007149438A (ja) 電極用複合体の製造方法、電極材料、及び二次電池または全固体電池
JP7284225B2 (ja) 全固体二次電池用硫化物系固体電解質、その製造方法及びそれを含む全固体二次電池
JP6911545B2 (ja) 負極及び非水電解質蓄電素子
KR102564747B1 (ko) 전고체 이차전지용 음극 활물질층, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 전고체 이차전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180927

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6411959

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250