JP7018376B2 - 固体電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電池に関する。
近年、自動車、パソコン、携帯電話等の大小さまざまな電気・電子機器の普及により、高容量、高出力の電池の需要が急速に拡大している。各種電池の中でも高いエネルギー密度・出力を示す電池への需要が高く、さらなる高性能な電池の開発が期待されている。中でも固体電池は、電解質が不燃性であるために安全性が向上する点や、より高いエネルギー密度を有する点において優れており、注目を集めている。
特開2017-107826号公報
従来の固体電池においては、急速充放電を行った際や、高容量化のために電極層を厚くした場合には、充放電サイクルを繰り返した際に電極層内部で電荷移動媒体(電子 e及びイオン Li等)の濃度分布の偏りが生じていた。この劣化により、電池の使用に伴い電極層を厚さ方向で均一に利用することができなくなり、電荷移動媒体の伝導抵抗が増大してしまっていた。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、活物質層内に含まれる成分の分布状態や接触状態を制御することで、高容量かつ高耐久性を示す固体電池の提供を目的とする。
(1) 本発明は、正極活物質を含有する正極電極層と、負極活物質を含有する負極電極層と、前記正極電極層および前記負極電極層の間に介在して配置される固体電解質層と、から構成される固体電池において、前記2つの電極層の少なくとも一方の電極層は、該電極層の積層方向に直交する面方向に二次元格子状に延びる固体電解質および導電助剤をさらに含有する、固体電池を提供する。
これにより、電極活物質を低抵抗で積層することが可能になり、また電極層中での電荷移動媒体(電子 e及びイオン Li等)の濃度分布の偏りを解消できるため、高容量かつ高耐久性を示す固体電池の提供が可能になる。
(2) (1)の発明において、前記少なくとも一方の電極層は、前記固体電解質および導電助剤が、前記積層方向と、前記積層方向に直交する2方向と、を含んで三次元格子状に配置されることが好ましい。
これにより、さらに高容量かつ高耐久性を示す固体電池の提供が可能になる。
(3) (1)または(2)の発明において、前記固体電解質および導電助剤は、前記格子中で混合されて配置されていてもよい。
(4) (1)~(3)の発明において、前記固体電解質および導電助剤は、前記格子中で固体電解質層と、該固体電解質層に隣接する導電助剤層と、を構成して配置されていてもよい。
(5) (1)~(4)の発明において、前記電極層の積層方向に直交する断面における、固体電解質部分の断面積に対する活物質部分の断面積の比が、1~600であることが好ましい。
(6) (1)~(5)の発明において、前記断面積の比が、4~100であることが好ましい。
(7) (1)~(6)の発明において、前記断面積の比が、6~50であることが好ましい。
これにより、さらに低抵抗の電池の提供が可能になる。
本発明によれば、高容量かつ高耐久性を示す固体電池の提供が可能になる。
本発明の固体電池セル10の概要を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る固体電池セルの構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る固体電池セルの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電極の、正極層の水平方向の断面における活物質部分と固体電解質部分の面積比に対する、比抵抗および比容量を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る電極の、正極層の水平方向の断面における固体電解質部分と導電助剤部分の面積比に対する、比抵抗および比容量を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る電極の、電極層の厚さ比に対する、比抵抗および比容量を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る電極の比抵抗および比容量の変化について、充放電サイクル試験を行った結果を示すグラフである。 本発明の変形例1における正極活物質を示す概略図である。 本発明の変形例1における正極層の鉛直方向断面の一部を示す概略図である。
以下、本発明の固体電池およびその製造方法について、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(固体電池セル)
図1は、本発明の固体電池セル10の概要を示す図である。
本発明の固体電池セル10は層状に構成され、正極層13と、負極層11と、これらの電極層の間に介在する固体電解質層15とを有しており、さらに正極の集電を行う正極集電体14と、負極の集電を行う負極集電体12を備えている。正極集電体14および負極集電体12は、活物質に対向する側の表面に導電助剤からなる被覆層(導電助剤層14aおよび12a)を備える。これらの層は、例えば図1の下から順に、負極集電体12、導電助剤層12a、負極層11、固体電解質層15、正極層13、導電助剤層14a、正極集電体14、のように構成される。さらに、この構成を固体電池セル10として複数積層することで、高容量の固体電池100を形成する。
(正負電極層)
本発明の固体電池に用いられる正極層13は、正極活物質、固体電解質および導電助剤を含有する層である。正極活物質としては、電荷移動媒体を放出及び吸蔵することができる材料を適宜選択して用いればよい。さらに、可撓性を発現させる等の観点から、任意にバインダを含んでいてもよい。固体電解質、導電助剤及びバインダについては、一般に固体電池に使用されるものを用いることができる。負極層11についても、正極活物質に代えて負極活物質を含有している以外は同様の構成である。
正極層13中において、固体電解質および導電助剤からなる伝導相30は、正負極電極層の積層方向に格子状に積層配置されることで、正極層中に遍在している。またこの伝導相30は、正極層を複数に区分している。
これにより、電極活物質と固体電解質および導電助剤の接触面積が増加し、電荷移動媒体の伝導抵抗が低下する。即ち、正負極電極層を厚く形成することができ、電池の高容量化が可能となる。さらに電極活物質が前記格子により区分されていることで、電荷移動媒体の移動経路が規定されるために、層中において電荷移動媒体が散在しにくくなり、電荷移動媒体濃度分布の偏りが緩和され、電池のサイクル特性、即ち耐久性が向上する。
(正極活物質)
前記正極活物質は、一般的な固体電池の正極活物質層に用いられるものと同様とすることができ、特に限定されない。例えば、リチウムイオン電池であれば、リチウムを含有する層状活物質、スピネル型活物質、オリビン型活物質等を挙げることができる。正極活物質の具体例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、LiNiMnCo(p+q+r=1)、LiNiAlCo(p+q+r=1)、マンガン酸リチウム(LiMn)、Li+xMn-x-yMyO(x+y=2、M=Al、Mg、Co、Fe、Ni、及びZnから選ばれる少なくとも1種)で表される異種元素置換Li-Mnスピネル、リン酸金属リチウム(LiMPO、M=Fe、Mn、Co、及びNiから選ばれる少なくとも1種)等が挙げられる。
(負極活物質)
前記負極活物質としては、電荷移動媒体を吸蔵・放出可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、リチウムイオン電池であれば、チタン酸リチウム(LiTi12)等のリチウム遷移金属酸化物、TiO、Nb及びWO等の遷移金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、並びにグラファイト、ソフトカーボン及びハードカーボン等の炭素材料、並びに金属リチウム、金属インジウム及びリチウム合金等を挙げることができる。また、前記負極活物質は、粉末状であっても良く、薄膜状であっても良い。
(集電体)
正極集電体14は、前記正極層の集電を行う機能を有するものであれば特に限定されず、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、ニッケル、鉄及びチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウム、アルミニウム合金及びステンレスが好ましい。また、正極集電体14の形状としては、例えば、箔状、板状等を挙げることができる。
負極集電体12は、前記負極層13の集電を行う機能を有するものであれば特に限定されない。前記負極集電体12の材料としては、例えばニッケル、銅、及びステンレス等を挙げることができる。また、前記負極集電体12の形状としては、例えば、箔状、板状等を挙げることができる。
(電極層の製造方法)
活物質を含んだ合剤を集電体の表面に配置することで、正負電極層を製造することができる。電極層の製造方法は、層中に固体電解質および導電助剤を導入する以外は従来と同様の方法を用いることができ、湿式法、乾式法のいずれによっても電極層を製造可能である。以下、湿式法で正極を製造する場合について説明する。
正極層は、正極合剤と溶媒とを含む正極合剤スラリー溶液を得る工程と、正極合剤スラリー溶液を正極集電体の表面に塗工して乾燥させて該正極集電体の表面に正極合剤層を形成する工程により製造される。例えば、活物質、固体電解質、導電助剤、バインダ等の正極層を構成する材料を溶媒中に混合して分散させることで、正極合剤スラリー溶液が得られる。この場合に用いられる溶媒としては特に限定されるものではなく、正極活物質や固体電解質等の性状に応じて適宜選択すればよい。例えば、ヘプタン等の無極性溶媒が好ましい。正極合剤と溶媒との混合及び分散には、超音波分散装置、振とう機、フィルミックス(登録商標)等の各種混合・分散装置を使用できる。正極合剤スラリー溶液における固形分量は特に限定されるものではない。
そうして得られた正極合剤スラリー溶液を、正極集電体の表面に塗工して乾燥させ、該正極集電体の表面に正極合剤層を形成することで、正極を得ることができる。ここで、例えば活物質を主成分とするスラリー溶液と、固体電解質および導電助剤のみからなるスラリー溶液と、を個別に調整し、正極の積層時に各溶液中の成分をパターニングしながら積層することができる。
スラリー溶液を正極集電体の表面に塗工する手段としては特に限定されず、インクジェット法、スクリーン印刷法、CVD法、スパッタ法などを用いることができるほか、ドクターブレード等の公知の塗工手段を用いてもよい。乾燥後の正極合剤層と正極集電体との合計の厚さ(正極の厚さ)は、特に限定されるものではないが、例えばエネルギー密度や積層性の観点から、0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上200μm以下であることがより好ましい。また、正極は任意にプレスする過程を経て作製してもよい。正極をプレスする際の圧力は100MPa程度とすることができる。
(固体電解質層)
固体電解質層15は、正極層13および負極層11の間に積層される層であり、少なくとも固体電解質材料を含有する層である。固体電解質層15に含まれる固体電解質材料を介して、正極活物質および負極活物質の間の電荷移動媒体伝導を行うことができる。
固体電解質材料としては、電荷移動媒体伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等を挙げることができ、中でも、硫化物固体電解質材料を用いることが好ましい。酸化物固体電解質材料に比べて、電荷移動媒体伝導性が高いからである。
硫化物固体電解質材料としては、例えばリチウムイオン電池であれば、LiS-P、LiS-P-LiI等が挙げられる。なお、上記「LiS-P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質材料を意味し、他の記載についても同様である。
一方、酸化物固体電解質材料としては、例えばリチウムイオン電池であれば、NASICON型酸化物、ガーネット型酸化物、ペロブスカイト型酸化物等を挙げることができる。NASICON型酸化物としては、例えば、Li、Al、Ti、PおよびOを含有する酸化物(例えばLi1.5Al0.5Ti1.5(PO)を挙げることができる。ガーネット型酸化物としては、例えば、Li、La、ZrおよびOを含有する酸化物(例えばLiLaZr12)を挙げることができる。ペロブスカイト型酸化物としては、例えば、Li、La、TiおよびOを含有する酸化物(例えばLiLaTiO)を挙げることができる。
(固体電解質層の製造方法)
固体電解質層15は、例えば、固体電解質をプレスする等の過程を経て作製することができる。或いは、溶媒に固体電解質等を分散して調整した固体電解質スラリー溶液を基材或いは電極の表面に塗布する過程を経て固体電解質層を作製することもできる。この場合に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではなく、バインダや固体電解質の性状に応じて適宜選択すればよい。固体電解質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるが、例えば、0.1μm以上1mm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
(固体電池の製造方法)
本発明の固体電池セル10は、上記の正極層と、固体電解質層と、負極層と、集電体層と、を図1に示すような順序となるように積層することで製造される。なお、これらを積層した後は、任意にプレスして一体化してもよい。さらに、この構成を固体電池セルとして複数積層することで一体とし、高出力の固体電池100を形成することができる。固体電池100を、再度任意にプレスして一体化してもよい。
以下、本発明に係る実施形態の例について、図を用いて詳細に説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る固体電池セルの構成を示す図である。
図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る正負極電極層中において、固体電解質および導電助剤は、正負極電極層の積層方向に格子状に積層配置される。これにより、電極活物質と固体電解質および導電助剤の接触面積が増加し、電荷移動媒体の伝導抵抗が低下する。即ち、正負極電極層を厚く形成することができ、電池の高容量化が可能となる。
さらに電極活物質が前記格子により区分されていることで、電荷移動媒体の移動経路が規定されるために、層中において電荷移動媒体が散在しにくくなり、電荷移動媒体濃度分布の偏りが緩和され、電池のサイクル特性、即ち耐久性が向上する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る固体電池セルの構成を示す図である。
図3に示すように、本発明の第2実施形態は、第1実施形態において、前記正負極電極層と、固体電解質および導電助剤からなる層と、が、正負極電極層を積層する方向に交互に積層されて構成される。これにより、上記の効果がより大きく発揮され、さらに高容量・高耐久化できる。
以下、本発明の正極活物質について、実施例を用いて詳細に説明する。
上述の製造方法により製造したリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質として、以下の手順で評価用電池を作製した。
(正極の作製)
正極活物質、アセチレンブラック、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)、固体電解質をN―メチル―2―ピロリドン(NMP)に分散させて正極合剤スラリーを調製した。また、正極用固体電解質、アセチレンブラック、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN―メチル―2―ピロリドン(NMP)に分散させて正極用固体電解質スラリーを調整した。
得られた正極合剤を、スクリーン印刷用版を用い、集電体としてのSUSまたはアルミニウム箔に塗布し、乾燥した。次に、固体電解質スラリーを、先に塗工した正極合剤塗工シート上に、スクリーン印刷版で塗工した。これを乾燥後にロールプレス機で圧縮成形し、所定のサイズに裁断することにより、正極を作製した。
(負極の作製)
負極活物質、およびPVDFをNMPに分散させて負極合剤スラリーを調製した。さらに、負極用固体電解質、アセチレンブラック、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN―メチル―2―ピロリドン(NMP)に分散させて負極用固体電解質スラリーを調整した。
スクリーン印刷用版を用い、負極合剤を集電体としてのSUSまたはCu箔に塗布し、乾燥した。次に、負極用固体電解質スラリーを、先に塗工した負極合剤塗工シート上に、スクリーン印刷版で塗工した。得られた負極シートを乾燥後ロールプレス機で圧縮成形し、負極を作製した。
(固体電解質層の作製)
固体電解質、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)をN―メチル―2―ピロリドン(NMP)に分散させて固体電解質スラリーを調整した。得られた固体電解質スラリーを、負極合剤と負極用固体電解質を塗布した電極シートに塗布し、乾燥後ロールプレス機で圧縮成形した後、所定のサイズに裁断することにより、負極+固体電荷質シートを作製した。
(評価用電池の作製)
正極および負極の集電体に各々リード電極を取り付けた後、正極と固体電解質+負極を積層し、袋状のラミネートパックにそれらを収納した。その後、アルゴン雰囲気下でラミネートパック内に封止した。こうして得られた電池を恒温槽に入れ微弱電流でエージングを行った。
上記の手法により作製された種々の電極構成条件の評価用電池に対して、容量および抵抗値の測定を行い、電極構成と容量および抵抗値の関係について評価した。また、下記の方法で充放電サイクル試験を行い、耐久性(性能維持率)を評価した。
(充放電サイクル試験)
上記の評価用電池(実施例)および、従来の電極を用いた評価用電池(比較例)に対し、60℃の温度条件下で充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル試験は、電流密度2.0mA/cmの定電流で充電上限電圧4.2Vまで充電を行い、次いで電流密度20mA/cmの定電流で放電下限電圧2.7Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計1000サイクル行うものとした。そして、サイクルごとに放電容量を測定し、(1000サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100という式を用いて性能維持率を算出した。
なお従来の電極を用いた評価用電池としては、各電極層中で固体電解質および導電助剤と活物質の構成は制御されておらず、均一に混合されているものを用いた。電極は、活物質、導電助剤、バインダ、固体電解質をスラリー化したのち混合し、その後塗工することで作製した。
図4は、本発明の実施形態に係る電極の、正極層の水平方向の断面における活物質部分と固体電解質部分の面積比に対する、比抵抗および比容量を示すグラフである。
正極層の水平方向の断面において、活物質部分の断面積をA、固体電解質部分の断面積をSEとすると、その面積比A/SEは1~600であることが好ましく、より好ましくは4~100、さらに好ましくは6~50である。この範囲において、低抵抗かつ高容量の電極を提供できる。
図5は、本発明の実施形態に係る電極の、正極層の水平方向の断面における固体電解質部分と導電助剤部分の面積比に対する、比抵抗および比容量を示すグラフである。
さらに、正極層の水平方向の断面において、導電助剤部分の断面積をCとすると、SE/Cは1~50000であることが好ましく、より好ましくは10~10000、さらに好ましくは50~1000である。この範囲において、より低抵抗な電極を提供できる。
図6は、本発明の実施形態に係る電極の、電極層の厚さ比に対する、比抵抗および比容量を示すグラフである。
本発明の電極は、電極活物質と固体電解質および導電助剤が均一に混合されている従来の電極と比べ、電極層の厚さ比に対する比抵抗が小さい。固体電解質および導電助剤からなる層の存在により、抵抗値が大幅に低下しているものと推定される。対して比容量については体積比に等しいため、両電極間において差は見られない。従って、容量を維持したまま、低抵抗の電極が実現し、即ち、抵抗を維持したまま、高容量の電極が実現する。
図7は、本発明の実施形態に係る電極の比抵抗および比容量の変化について、充放電サイクル試験を行った結果を示すグラフである。
本発明の電極は、電極活物質と固体電解質および導電助剤が均一に混合されている従来の電極と比べ、1000サイクル経過後の容量および抵抗値がいずれも優れていた。電極活物質が前記格子により区分されていることで、電荷移動媒体の移動経路が規定されるために、電荷移動媒体濃度分布の偏りが緩和され、電池のサイクル特性が向上した。
図8は、本発明の変形例1における正極活物質を示す概略図である。
本発明において正極活物質は、層状岩塩型構造を有するコア粒子の周囲に、電位絶縁層が被覆しており、さらに前記電位絶縁層を固体電解質および導電助剤層が被覆しているものであることが好ましい。これにより、活物質の劣化を抑制しつつ、伝導抵抗を低下させることができる。前記電位絶縁層を構成する物質としては特に限定されず、例えばLiNbOなど、活物質表面を絶縁しつつ、電荷移動媒体を伝導する層を形成すればよい。また前記固体電解質としては、固体電解質層15や、伝導相30を構成する固体電解質と異なる物質を用いてもよく、例えばLiPS、LLZ、LLZ-Al、LLZ-Gaなどを用いることができる。
図9は、本発明の変形例1における正極層の鉛直方向断面の一部を示す概略図である。
伝導相30により区分された正極層の1区分中では、活物質の粒子間の空隙が、さらに固体電解質および導電助剤の粒子にて埋められていることが好ましい。これにより、さらに伝導抵抗が低下する。
以上、本発明の実施形態の例について説明した。本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、本発明は、正極活物質を含有する正極電極層と、負極活物質を含有する負極電極層と、前記正極電極層および前記負極電極層の間に介在して配置される固体電解質層と、から構成される固体電池において、前記2つの電極層の少なくとも一方の電極層は、該電極層の積層方向に直交する面方向に二次元格子状に延びる固体電解質および導電助剤をさらに含有する構造とした。
これにより、電極活物質を低抵抗で積層することが可能になり、また電極層中での電荷移動媒体の濃度分布の偏りを解消できるため、高容量かつ高耐久性を示す固体電池の提供が可能になる。
本実施形態において、前記少なくとも一方の電極層は、前記固体電解質および導電助剤が、前記積層方向と、前記積層方向に直交する2方向と、を含んで三次元格子状に配置される構造とした。
これにより、上記の効果がより大きく発揮され、さらに高容量かつ高耐久性を示す固体電池の提供が可能になる。
本実施形態において、前記固体電解質および導電助剤は、前記格子中で混合されて配置されていてもよいし、前記格子中で固体電解質層と、該固体電解質層に隣接する導電助剤層と、を構成して配置されていてもよい。
本実施形態において、前記電極層の積層方向に直交する断面における、固体電解質部分の断面積に対する活物質部分の断面積の比を、1~600、より好ましくは4~100、さらに好ましくは6~50とした。
これにより、さらに低抵抗の電池の提供が可能になる。
1 …正極活物質
2 …絶縁体被覆層
3 …固体電解質および導電助剤
10 …固体電池セル
11 …負極層
12 …負極層集電体
12a …導電助剤層
13 …正極層
14 …正極層集電体
14a …導電助剤層
15 …固体電解質層
30 …固体電解質および導電助剤相
100 …積層電池

Claims (6)

  1. 正極活物質を含有する正極電極層と、
    負極活物質を含有する負極電極層と、
    前記正極電極層および前記負極電極層の間に介在して配置される固体電解質層と、から構成される固体電池において、
    前記2つの電極層の少なくとも一方の電極層は、該電極層の積層方向に直交する面方向に二次元格子状に延びる固体電解質および導電助剤が該電極層を複数に区分しており
    前記固体電解質および導電助剤は、前記格子中で混合されて配置されており、
    前記電極層の積層方向に直交する断面において、固体電解質部分の断面積に対する活物質部分の断面積の比が、1~600である、固体電池。
  2. 前記少なくとも一方の電極層は、
    前記固体電解質および導電助剤が、
    前記積層方向と、前記積層方向に直交する2方向と、を含んで三次元格子状に配置される、請求項1に記載の固体電池。
  3. 前記2つの電極層は、該電極層の積層方向に直交する面方向に二次元格子状に延びる固体電解質および導電助剤からなる伝導相が該電極層を複数に区分している、請求項1または2に記載の固体電池。
  4. 前記電極層の積層方向に直交する断面において、導電助剤部分の断面積に対する固体電解質部分の断面積の比が、1~50000である、請求項1~3のいずれかに記載の固体電池。
  5. 前記電極層の積層方向に直交する断面において、固体電解質部分の断面積に対する活物質部分の断面積の比が、4~100である、請求項1~のいずれかに記載の固体電池。
  6. 前記電極層の積層方向に直交する断面において、固体電解質部分の断面積に対する活物質部分の断面積の比が、6~50である、請求項1~のいずれかに記載の固体電池。
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