JP7069086B2 - 固体電池用負極材料および固体電池 - Google Patents

固体電池用負極材料および固体電池 Download PDF

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Description

本発明は、固体電池用負極材料および固体電池に関する。
近年、自動車、パソコン、携帯電話等の大小さまざまな電気・電子機器の普及により、高容量、高出力の電池の需要が急速に拡大している。各種電池の中でも高いエネルギー密度・出力を示す電池への需要が高く、さらなる高性能な電池の開発が期待されている。中でも固体電池は、電解質が不燃性であるために安全性が向上する点や、より高いエネルギー密度を有する点において優れており、注目を集めている。
一般に二次電池において、Si系の負極活物質は、高容量な電池特性を示すことから注目を集める負極材料として知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014-35987号公報
しかしながら、Si系の負極活物質はLiの挿入脱離による体積の膨張収縮変化が大きく、物理的な界面剥離が発生するために劣化が起こりやすい。特に固体電池において、この大きな膨張収縮は、電極と固体電解質の界面の接触性を低下させ、出力や耐久性を著しく低下させる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、Si化合物や単体Siを負極活物質として有し、高容量かつ耐久性に優れた固体電池用負極材料および固体電池を提供することにある。
(1) 本発明は、負極活物質と、固体電解質と、有する固体電池用負極材料であって、前記負極活物質は、Si化合物および/または単体Siを含み、体積基準による累積粒度分布における50%粒径をD50としたときに、前記負極活物質のD50は、前記固体電解質のD50よりも小さく、前記固体電解質の粒子間に前記負極活物質の粒子群が介在している、固体電池用負極材料を提供する。
本発明によれば、負極活物質として、固体電解質よりも粒径の小さいSi化合物および/または単体Siを用い、固体電解質の粒子間に負極活物質の粒子群を介在させることで、Si化合物や単体Siの膨張収縮による負極材料の劣化への影響が小さくなり、負極材料の耐久性が向上するとともに、高容量の電池の作製が可能になる。
(2) (1)の固体電池用負極材料において、前記固体電解質の粒子は、その表面が前記負極活物質の粒子群により被覆されていてもよい。
(3) (1)または(2)の固体電池用負極材料において、前記負極活物質のD50は、3μm未満であり、前記固体電解質のD50は、0.6~10μmであってもよい。
(4) (1)~(3)いずれかの固体電池用負極材料において、体積基準による累積粒度分布における90%粒径をD90とし、体積基準による累積粒度分布における10%粒径をD10としたときに、前記負極活物質のD90よりも前記固体電解質のD10が大きいことが好ましい。
(5) (1)~(4)いずれかの固体電池用負極材料において、前記固体電解質は、硫化物系固体電解質であってもよい。
(6) 正極層と、負極層と、これら正極層と負極層の間に配置される固体電解質層と、を有する固体電池であって、前記負極層は、(1)~(5)いずれかに記載の固体電池用負極材料により構成され、前記負極層の空隙率は、前記正極層の空隙率よりも高い、固体電池を提供する。
本発明によれば、Si化合物や単体Siを負極活物質として有し、高容量かつ耐久性に優れた固体電池用負極材料を提供できる。
本発明の一実施形態に係る固体電池の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る固体電池用負極材料の構成を表す模式図である。 本発明の一実施形態に係る固体電池用負極材料の構成を表す模式図である。 本発明の一実施形態に係る固体電池の構成を表す断面図である。 本発明の実施例1に係る固体電池における固体電池用固体電解質の粒子表面が負極材料に被覆された表面のSEM像である。 本発明の実施例1に係る固体電池における負極層の断面のSEM像である。
以下、本発明の一実施形態に係る固体電池用負極材料および固体電池について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(固体電池)
図1は、本発明の電極材料を用いた固体電池10の例を示す図である。固体電池10は、例えば層状に構成され、正極層11と、負極層13と、これらの電極層の間に介在する固体電解質層15とを有しており、さらに正極の集電を行う正極集電体12と、負極の集電を行う負極集電体14を備えている。これらの層は、例えば図1に示すように、負極集電体14、負極層13、固体電解質層15、正極層11、正極集電体12の順に積層されて構成される。
(正極層11)
正極層11は、少なくとも正極活物質を含有する層である。正極活物質としては、電荷移動媒体を放出および吸蔵することができる材料を適宜選択して用いればよい。電荷移動媒体伝導性を向上させる観点から、任意に固体電解質を含んでいてもよい。また、導電性を向上させるために任意に導電助材を含んでいてもよい。さらに、可撓性を発現させる等の観点から、任意にバインダーを含んでいてもよい。固体電解質、導電助材およびバインダーについては、一般に固体電池に使用されるものを用いることができる。
正極活物質は、一般的な固体電池の正極活物質層に用いられるものと同様とすることができ、特に限定されない。例えば、リチウムイオン電池であれば、リチウムを含有する層状活物質、スピネル型活物質、オリビン型活物質等を挙げることができる。正極活物質の具体例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、LiNiMnCo(p+q+r=1)、LiNiAlCo(p+q+r=1)、マンガン酸リチウム(LiMn)、Li+xMn-x-yMyO(x+y=2、M=Al、Mg、Co、Fe、Ni、およびZnから選ばれる少なくとも1種)で表される異種元素置換Li-Mnスピネル、チタン酸リチウム(LiおよびTiを含む酸化物)、リン酸金属リチウム(LiMPO、M=Fe、Mn、Co、およびNiから選ばれる少なくとも1種)等が挙げられる。
(正極集電体12)
正極集電体12は、正極層11の集電を行う機能を有するものであれば、特に限定されず、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、ニッケル、鉄およびチタン等を挙げることができ、中でもアルミニウム、アルミニウム合金およびステンレスが好ましい。また、正極集電体12の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。
(負極層13)
負極層13は、本実施形態に係る固体電池用負極材料を層状に配置したものである。即ち、負極層13は、負極活物質と、固体電解質と、を含有する。また、導電性を向上させるために任意に導電助材を含んでいてもよい。さらに、可撓性を発現させる等の観点から、任意にバインダーを含んでいてもよい。固体電解質、導電助材およびバインダーについては、一般に固体電池に使用されるものを用いることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る固体電池用負極材料21の構成を表す概略図である。本実施形態に係る固体電池用負極材料21は、少なくとも1種のSi化合物および/または単体Siからなる負極活物質2と、固体電解質1と、を含有している。負極活物質2の粒径D50は、固体電解質1のD50よりも小さい。具体的には、負極活物質の粒径D50は、3μm未満であることが好ましい。固体電解質1の粒径D50は、0.6~10μmであることが好ましい。これらの粒径については後段で詳述する。
固体電池用負極材料21中では、固体電解質1の粒子同士の間に負極活物質2の粒子群が介在している。また、負極活物質2の粒子群の周囲には、空隙が存在する。ここで、負極活物質2の粒子は、固体電解質1の粒子に必ずしも化学的に吸着している必要はなく、物理的な接触があれば十分導電可能である。
負極活物質2としては、Si化合物および/または単体Siが用いられる。これらSi化合物や単体Siの電気容量は非常に大きいことが知られており、例えばリチウムイオン二次電池において、単体Siの電気容量は、グラファイトの電気容量よりも10倍以上大きな値を示す。また、Si化合物や単体Siは、電荷移動媒体の脱離挿入の際の体積膨張縮小が大きく、例えば単体Siへのリチウムイオン脱離挿入にあたり、その膨張率は約300%にもなる。負極活物質として3μm未満、より好ましくはナノオーダーサイズのSi化合物や単体Siを用い、さらにその周囲に空隙を確保することで、高容量の電池の作製が可能になるとともに、Si化合物や単体Siの膨張収縮による負極材料の劣化への影響が小さくなり、負極材料の耐久性が向上する。
図3は、固体電解質1の粒子を負極活物質2の粒子群が被覆している固体電池用負極材料21aの構成を表す概略図である。固体電池用負極材料21aは、上述の固体電池用負極材料21の好ましい態様であり、固体電解質1の粒子の表面を負極活物質2の粒子群が被覆する構成である。これにより、負極活物質2の粒子と固体電解質1の粒子との接触性が向上し、導電性が向上する。被覆手段は特に限定されず、例えばボールミル等によって粉末を圧縮混合することで行ってもよい。
ここで、負極活物質2の粒径と固体電解質1の粒径について説明する。
負極活物質2の好ましい粒径と、固体電解質1の好ましい粒径とを規定することで、上述の一連の作用がより効果的に作用する。活物質として機能しつつ、体積膨張収縮が負極材料の劣化を引き起こさないために、負極活物質2の粒径D50は、50nm~3μmであることがさらに好ましい。また、負極活物質2の粒子と固体電解質1の粒子の接触性を向上させるため、負極活物質2の粒子の粒径D50に応じて、固体電解質1の粒子の粒径D50は、上述したように0.6~10μmの範囲内であることが好ましい。
さらには、負極活物質2のD90は固体電解質1のD10よりも小さいことが好ましい。例えば、固体電解質1のD10が1μmであれば、負極活物質2のD90は1μmよりも小さいことが好ましい。これにより、固体電解質1の表面を負極活物質2が被覆し、固体電解質1の粒子間に負極活物質2の粒子群が確実に介在するようになる。
ここで、D50は、体積基準による累積粒度分布における50%粒径を意味し、D10は、体積基準による累積粒度分布における10%粒径を意味し、D90は、体積基準による累積粒度分布における90%粒径を意味する。D50は、例えばレーザー回折式粒径分布測定装置を用いて、湿式条件で測定される体積基準の累積粒度分布において、小径側からの累積50%に対応する粒径として求められる。同様に、D10は、例えばレーザー回折式粒径分布測定装置を用いて、湿式条件で測定される体積基準の累積粒度分布において、小径側からの累積10%に対応する粒径として求められる。D90は、例えばレーザー回折式粒径分布測定装置を用いて、湿式条件で測定される体積基準の累積粒度分布において、小径側からの累積90%に対応する粒径として求められる。
なお、負極層13の空隙率は、正極層11の空隙率よりも高いことが好ましい。また、負極層13の空隙率は、正極層11の空隙率および固体電解質層15の空隙率よりも高いことがさらに好ましい。これらの空隙率の関係は、充電前後においても変わらない。即ち、Si化合物や単体Siを負極活物質として用いた負極層13は、正極層11や固体電解質層15と比べて大きく膨張するが、充電後であっても、負極層13の空隙率は、正極層11の空隙率および固体電解質層15の空隙率よりも高いことが好ましい。これにより、負極層13を構成する固体電池用負極材料の周囲に空隙が確実に存在するため、Si化合物や単体Siが体積膨張するための空間が確保される。そのため、膨張収縮による固体電池の劣化への悪影響が緩和され、固体電池の耐久性が向上する。
ここで、図4は、負極層13の空隙率が正極層11の空隙率よりも高い固体電池10bの構成を概略的に示す図である。固体電池10bは、後述する製法により、Si化合物や単体Siを含む負極層13の空隙率が高くなるようにプレスして作製される。これにより、電荷移動媒体の挿入脱離に伴う体積膨張を吸収する空間を確保でき、電池の耐久性が向上する。
(負極集電体14)
負極集電体14は、負極層13の集電を行う機能を有するものであれば特に限定されない。負極集電体14の材料としては、例えばニッケル、銅、およびステンレス等を挙げることができる。また、負極集電体14の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等を挙げることができる。
(固体電解質層15)
固体電解質層15は、正極層11および負極層13の間に積層される層であり、少なくとも固体電解質材料を含有する層である。固体電解質層15に含まれる固体電解質材料を介して、正極活物質および負極活物質の間で電荷移動媒体伝導を行うことができる。
固体電解質層15に用いる固体電解質材料としては、電荷移動媒体伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等を挙げることができ、中でも、硫化物固体電解質材料が好ましい。酸化物固体電解質材料に比べて、電荷移動媒体伝導性が高いからである。
硫化物固体電解質材料としては、例えばリチウムイオン電池であれば、LiS-P、LiS-P-LiI等が挙げられる。なお、上記「LiS-P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質材料を意味し、他の記載についても同様である。
一方、酸化物固体電解質材料としては、例えばリチウムイオン電池であれば、NASICON型酸化物、ガーネット型酸化物、ペロブスカイト型酸化物等を挙げることができる。NASICON型酸化物としては、例えば、Li、Al、Ti、PおよびOを含有する酸化物(例えばLi1.5Al0.5Ti1.5(PO)を挙げることができる。ガーネット型酸化物としては、例えば、Li、La、ZrおよびOを含有する酸化物(例えばLiLaZr12)を挙げることができる。ペロブスカイト型酸化物としては、例えば、Li、La、TiおよびOを含有する酸化物(例えばLiLaTiO)を挙げることができる。
また、固体電解質層15に用いる固体電解質材料は、上述の負極層13を構成する固体電池用負極材料中の固体電解質1と同一のものを用いるのが好ましい。ただし、これに限定されず、固体電解質層15に用いる固体電解質材料と、負極層13を構成する固体電池用負極材料中の固体電解質1とを、互いに異なるものとしてもよい。
(固体電池の製造方法)
本実施形態に係る固体電池は、上述の正極(正極層11および正極集電体12)と、固体電解質層15と、負極(負極層13および負極集電体14)と、を図1に示すような順序となるように積層することで製造される。なお、正極、固体電解質層および負極を積層した後は、任意にプレスして一体化してもよい。さらに、この構成を単位電池として複数積層することで一体とし、高出力の電池を形成することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
以下、実施例を用いて本発明について詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されない。
<実施例1>
硫化物固体電解質の粉末(D10=1.2μm、D50=3.3μm、D90=9.0μm)に、単体Si(純Si)の粉末を、ボールミルにより混合することで、硫化物固体電解質粒子の表面が単体Si(純Si)粒子で被覆された固体電池用負極材料を作製した。単体Si(純Si)は、粒径D50が50nmのものを用いた。硫化物固体電解質粒子の表面が単体Si粒子で被覆された固体電池用負極材料に、導電助材であるアセチレンブラックを添加しボールミル処理をさらに行った。硫化物固体電解質、Si、アセチレンブラックの配合比率は50質量%、40質量%、10質量%とした。混合条件としては、100rpmで合計2時間の処理を行った。これにより、固体電池用負極合材を作製した。
NCM三元系正極活物質(D50=3.4μm)の割合が75質量%、硫化物系固体電解質(D50=3.3μm)の割合が22質量%、導電助材であるアセチレンブラックの割合が3質量%となるように秤量し、ボールミル容器内に投入して混合した。混合条件としては、100rpmで2時間とした。これにより、固体電池用正極電極を含む正極合材を作製した。
次いで、正極合材の作製に用いた硫化物系固体電解質(D50=3.3μm)を用いて、内径10mmのジルコニア管内に固体電解質を50mg投入し、金型を用いて1.5ton/cmの加圧成型を行った。これにより、固体電解質から成る固体電解質層を形成した。
次いで、上述の正極合材を20.0mg秤量し、これを内径10mmのジルコニア管内に投入して金型で10ton/cmの加圧成型を行った。次いで、10mmの円形に打ち抜いた厚さ20μmのアルミニウム箔を、加圧成型された正極層の上部に静置した。これにより、正極電極を形成した。
次いで、上述の負極合材を3.0mg秤量し、これを内径10mmのジルコニア管内に投入して金型で4.5ton/cmの加圧成型を行った。次いで、10mmの円形に打ち抜いた厚さ10μmの銅箔を、加圧成型された負極層の上部に静置した。これにより、負極電極を形成した。
上記により作製した負極電極層、固体電解質層および正極電極層をこの順に積層し、正極電極側、負極電極側のそれぞれに端子を取り付けることで、固体電池を得た。
<実施例2>
負極電極層の形成時、成型圧力を6ton/cmにした以外は実施例1と同様に作製し実施例2の固体電池を得た。
<実施例3>
負極電極層の形成時、成型圧力を8ton/cmにした以外は実施例1と同様に作製し実施例3の固体電池を得た。
<比較例1>
硫化物固体電解質の粉末(D10=0.9μm、D50=2.0μm、D90=8.0μm)に、単体Si(純Si)の粉末を、ボールミルにより混合することで固体電池用負極材料を作製した。単体Si(純Si)は、粒径D50が3.2μmのものを用いた。固体電池用負極材料に、導電助材であるアセチレンブラックを添加しボールミル処理をさらに行った。硫化物固体電解質、Si、アセチレンブラックの配合比率は50質量%、40質量%、10質量%とした。混合条件としては、100rpmで合計2時間の処理を行った。これにより、固体電池用負極合材を作製した。以降、実施例1と同様の作製手順で比較例1の固体電池を得た。
その後、得られた固体電池の初回充放電特性およびサイクル特性を測定した。また、固体電池用負極材料の表面および負極層の断面の様子を、SEMにより観察した。これらの結果を表1と図5、図6に示す。
ここで、表1は、実施例1~3と比較例1に係る固体電池の初回充放電容量と100サイクル後の容量維持率である。充放電試験は0.2mAの電流値で、4.2V-2.7Vの充放電電圧で試験を行った。図5は、実施例1に係る固体電池用負極材料の表面のSEM像である。図6は、実施例1に係る固体電池における負極層の断面のSEM像である。
Figure 0007069086000001
表1に示すように、実施例1~3に係る固体電池は、抵抗が低いことから放電容量が大きく、かつ100サイクルの充放電後において73%を超える放電容量維持率を示し、単体Si(純Si)を負極活物質に用いた固体電池としては極めて高いサイクル特性を示すことが確認された。
また図5によれば、負極材料の固体電解質粒子の表面に単体Si(純Si)の粒子が被覆されていた。さらに、図6に示す負極材料の断面観察の結果、固体電解質粒子同士の間には単体Si(純Si)の粒子が無数に介在していた他、単体Si(純Si)の粒子の周囲には多数の空隙が存在していることも確認された。
以上、本発明について実施例を用いて詳細に説明した。負極活物質としてナノオーダーから数ミクロンサイズのSi化合物や単体Siを用い、その周囲に空隙を確保することで、膨張収縮による固体電池の劣化を緩和し、単体Si(純Si)由来の大きな放電容量特性と、優れた耐久性を両立できた。また固体電解質粒子同士の間には単に単体Si(純Si)の粒子が無数に介在していればよいが、単体Si(純Si)の粒子が固体電解質粒子表面を被覆していることでさらに導電性が改善し、電池の性能向上につながることが確認された。
1 …固体電解質
2 …負極活物質
21,21a …固体電池用負極材料
3 …正極材料
4 …導電助材
10,10b …固体電池
11 …正極層
12 …正極集電体
13 …負極層
14 …負極集電体
15 …固体電解質層

Claims (7)

  1. 負極活物質と、固体電解質と、有する固体電池用負極材料であって、
    前記負極活物質は、Si化合物および/または単体Siを含み、
    体積基準による累積粒度分布における50%粒径をD50としたときに、前記負極活物質のD50は、前記固体電解質のD50よりも小さく、
    前記固体電解質の粒子は、その表面が前記負極活物質の粒子により被覆されている、固体電池用負極材料。
  2. 前記負極活物質のD50は、3μm未満であり、
    前記固体電解質のD50は、0.6~10μmである、請求項1に記載の固体電池用負極材料。
  3. 体積基準による累積粒度分布における90%粒径をD90とし、体積基準による累積粒度分布における10%粒径をD10としたときに、前記負極活物質のD90よりも前記固体電解質のD10が大きい、請求または2に記載の固体電池用負極材料。
  4. 前記固体電解質は、硫化物系固体電解質である、請求項1~いずれかに記載の固体電池用負極材料。
  5. 負極活物質と、固体電解質と、有する固体電池用負極材料であって、
    前記負極活物質は、Si化合物および/または単体Siを含み、
    体積基準による累積粒度分布における50%粒径をD50としたときに、前記負極活物質のD50は、前記固体電解質のD50よりも小さく、
    前記固体電解質の粒子間に前記負極活物質の粒子が介在しており、
    体積基準による累積粒度分布における90%粒径をD 90 とし、体積基準による累積粒度分布における10%粒径をD 10 としたときに、前記負極活物質のD 90 よりも前記固体電解質のD 10 が大きい、固体電池用負極材料。
  6. 正極層と、負極層と、これら正極層と負極層の間に配置される固体電解質層と、を有する固体電池であって、
    前記負極層は、請求項1~5いずれかに記載の固体電池用負極材料により構成される、固体電池。
  7. 前記負極層の空隙率は、前記正極層の空隙率よりも高い、請求項6に記載の固体電池。
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