JP2014096269A - 非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】捲回電極体の内部へ電解液が浸透しやすい非水系二次電池の提案
【解決手段】
非水系二次電池は、捲回電極体200の捲回軸WLの方向において、正極活物質層と負極活物質層のうち少なくとも一方の活物質層の両側の縁部E1、E2は、当該縁部E1、E2を除く中間部Cよりも、非水電解液に対して膨潤度が低い。
【選択図】図9

Description

本発明は非水系二次電池に関する。
本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいい、リチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)、ニッケル水素電池などのいわゆる蓄電池を包含する。また、本明細書において「活物質」は、二次電池において電荷担体となる化学種(例えば、リチウムイオン二次電池ではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および離脱)可能な物質をいう。また、二次電池のうち、非水電解質(例えば、非水電解液)が電解質として用いられた二次電池を適宜に「非水系二次電池」という。
例えば、特開2008−47402号公報(特許文献1)には、シート状をなす正極と負極とが、非水電解液を保持した高分子支持体層及びセパレータを介して対向した二次電池が例示されている。ここで、正極は、正極集電体に正極活物質層が被覆された構造を有している。正極活物質層は、正極活物質と結着材ポリマーを含んでいる。負極は、負極集電体に負極活物質層が被覆された構造を有している。負極活物質層は、負極活物質と結着材ポリマーを含んでいる。結着材ポリマーには、具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HEP)、(PVdF−HEP−CTFE)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)などが挙げられている。
高分子支持層は、イオン伝導性を有し、非水電解液を保持することが可能とされる層であり、マトリックスポリマーで構成されている。ここで高分子支持層に用いられるマトリックスポリマーには、アクリロニトリルの共重合量が50%以上の重合体のアクリロニトリル系重合体、芳香族ポリアミド、アクリルニトリル/ブタジエンコポリマーなどが挙げられている。
そして、高分子支持層(高分子支持体)を構成するマトリックスポリマーの溶媒膨潤率が、正極合剤層と負極合剤層のうち何れか一方または両方に含まれる結着剤ポリマーの溶媒膨潤率よりも大きい材料を選択することが提案されている。かかる構成によれば、電解液の漏洩を解消するとともに電流負荷特性に優れ、充放電サイクル特性を改善した二次電池を提供することができると記載されている。
なお、特開2001―15155号公報(特許文献2)には、電池内部のガス圧力が所定圧力以上になると充電を遮断する電流遮断機構を電池容器に備え、電解液中に予め定められた過充電状態に達するとガスを発生させるガス発生剤を添加したリチウムイオン二次電池が開示されている。
特開2008−47402号公報 特開2001―15155号公報
ところで、非水系二次電池の電極体の典型的な一形態として、帯状の正極と、帯状の負極と、帯状のセパレータとを、セパレータを介在させた状態で、正極と負極を重ねて、これを捲回した捲回電極体を備えた構造が知られている。かかる構造では、例えば、リチウムイオン二次電池に採用されうる。かかる捲回型電極体を備えた非水系二次電池は、車両搭載用電源、あるいはパソコンおよび携帯端末の電源として広く用いられており、高容量化への要望が強い。とりわけ、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車に用いられる非水系二次電池では、走行距離に関わる容量が重視されるため、電池の構成部品の占有空間を最小化すると共に、活物質層を高密度に充填した捲回電極体を採用することで高容量化が図られている。しかし、活物質層を高密度に充填した場合、電解液が浸み込み得る活物質層の隙間(活物質粒子間の隙間など)が減るため、捲回電極体の内部まで電解液が充分に浸透しにくい。本発明は、上記課題を解決するものである。
ここで、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池は、捲回電極体と、当該捲回電極体を収容した電池ケースと、前記電池ケースに注入された非水電解液とを備えている。ここで、捲回電極体は、正極集電体と、正極集電体に保持された正極活物質層と、負極集電体と、負極集電体に保持された負極活物質層と、正極活物質層と負極活物質層との間に介在したセパレータとを備えている。
正極集電体と負極集電体とは、それぞれ帯状の部材であり、長手方向を揃え、かつ、正極活物質層と負極活物質層とが、セパレータを介在させた状態で互いに対向するように配置されている。かかる正極集電体と負極集電体とは、正極集電体又は前記負極集電体の幅方向に設定された捲回軸廻りに捲回された状態で、電池ケースに収容されている。この非水系二次電池では、捲回電極体の捲回軸の方向において、正極活物質層と負極活物質層のうち少なくとも一方の活物質層の両側の縁部は、当該縁部を除く中間部よりも、非水電解液に対して膨潤度が低い。
この非水系二次電池によれば、捲回軸方向の両側の縁部が、当該縁部を除く中間部よりも非水電解液に対して膨潤度が低い。このため、電池ケースに収容され、電池ケースに非水電解液が注入された状態において、捲回軸方向の両側の縁部が中間部よりも薄くなる。このため、捲回電極体の縁部では、正極活物質層、負極活物質層およびセパレータが互いに接触していないか若しくは中間部よりも緩やかに接触し、各部位間に隙間が生じる。この隙間から電解液が進入することで、従来に比して電解液が浸透しやすくなる。
この場合、正極活物質層と負極活物質層のうち少なくとも何れか一方の活物質層は、捲回軸方向の縁部に、非水電解液に対する膨潤度が低い材料が、中間部よりも多く含まれていてもよい。また、中央部に、非水電解液に対する膨潤度が高い材料が、縁部よりも多く含まれていてもよい。
また、正極活物質層と負極活物質層のうち少なくとも何れか一方の活物質層は、結着材を含んでおり、捲回軸方向の縁部に含まれる結着材は、縁部を除く捲回軸方向の中間部に含まれる結着材よりも、非水電解液に対する膨潤度が低くてもよい。例えば、捲回軸方向の縁部に含まれる結着材は、非水電解液とのSP値の差が2よりも大きく、かつ、縁部を除く捲回軸方向の中間部に含まれる結着材は、非水電解液とのSP値の差が2よりも小さいとよい。この場合、捲回軸方向の縁部に含まれる結着材、中間部に含まれる結着材は、例えば、それぞれの部位に含まれる結着材の平均な膨潤度を評価するとよい。
また、具体的な一例として、負極活物質層にSBRが含まれている場合には、負極活物質層の縁部に含まれるSBRは、中間部に含まれるSBRよりも、非水電解液に対する膨潤度が低いとよい。また、中間部は、捲回軸の方向において、活物質層の中心から縁までの幅に対して、活物質層の中心から15%以上の領域で規定するとよい。また、中間部は、捲回軸の方向において、活物質層の中心から縁までの幅に対して、活物質層の中心から40%以下の領域で規定するとよい。
非水電解液には、所定の電池電圧を超えた際にガスを発生し得るガス発生剤が添加されてもよい。さらに、ガスの発生に伴って電池ケース内の圧力が上昇した際に作動する電流遮断機構を備えてもよい。この場合、過充電時において余剰電解液が捲回電極体の内部へ進入しやすい。このため、安定的に所望のガス量を発生させることができる。かかるガスの発生により電池ケース内に圧力上昇を生じ得るため、電流遮断機構をより短時間で作動させることができる。
図1は、リチウムイオン二次電池の構造の一例を示す図である。 図2は、リチウムイオン二次電池の捲回電極体を示す図である。 図3は、図2中のIII−III断面を示す断面図である。 図4は、正極活物質層の構造を示す断面図である。 図5は、負極活物質層の構造を示す断面図である。 図6は、捲回電極体の未塗工部と電極端子との溶接箇所を示す側面図である。 図7は、リチウムイオン二次電池の充電時の状態を模式的に示す図である。 図8は、リチウムイオン二次電池の放電時の状態を模式的に示す図である。 図9は、本発明の一実施形態について捲回電極体を示す模式図である。 図10は、本発明の一実施形態について捲回電極体の積層構造を示す概略図である。 図11は、本発明の一実施形態について、捲回電極体を示す図である。 図12は、図11のXII−XII断面図である。 図13は、負極活物質層の塗工工程の一例を示す図である。 図14は、サンプルAとサンプルBについて、SOCとセル内圧との関係を示すグラフである。 図15は、サンプルAとサンプルBについて、通電量と抵抗増加率との関係を示すグラフである。 図16は、負極活物質層の中間部の長さとガス発生量との関係を示すグラフである。 図17は、リチウムイオン二次電池を搭載した車両を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池を図面に基づいて説明する。ここではまず、非水系二次電池の一構造例を説明し、その後、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池(リチウムイオン二次電池)について詳細に説明する。なお、同じ作用を奏する部材、部位には適宜に同じ符号を付している。また、各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、ここでは、非水系二次電池の一構造例と、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池(リチウムイオン二次電池)とについて、適宜、共通の図面を基に説明している。
≪リチウムイオン二次電池100≫
図1は、リチウムイオン二次電池100を示している。このリチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、捲回電極体200と電池ケース300とを備えている。図2は、捲回電極体200を示す図である。図3は、図2中のIII−III断面を示している。
捲回電極体200は、図2に示すように、正極シート220、負極シート240およびセパレータ262、264を有している。正極シート220、負極シート240およびセパレータ262、264は、それぞれ帯状のシート材である。
≪正極シート220≫
正極シート220は、帯状の正極集電体221と正極活物質層223とを備えている。正極集電体221には、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。正極集電体221には、例えば、所定の幅を有し、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔を用いることができる。正極集電体221の幅方向片側の縁部に沿って未塗工部222が設定されている。図示例では、正極活物質層223は、図3に示すように、正極集電体221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電体221の両面に保持されている。正極活物質層223には、正極活物質が含まれている。正極活物質層223は、正極活物質を含む正極合剤を正極集電体221に塗工することによって形成されている。
≪正極活物質層223および正極活物質粒子610≫
ここで、図4は、正極シート220の断面図である。なお、図4において、正極活物質層223の構造が明確になるように、正極活物質層223中の正極活物質粒子610と導電材620とバインダ630とを大きく模式的に表している。正極活物質層223には、図4に示すように、正極活物質粒子610と導電材620とバインダ630が含まれている。
正極活物質粒子610には、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることができる物質を使用することができる。正極活物質粒子610の例を挙げると、LiNiCoMnO(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、LiNiO(ニッケル酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiFePO(リン酸鉄リチウム)などのリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。ここで、LiMnは、例えば、スピネル構造を有している。また、LiNiO或いはLiCoOは層状の岩塩構造を有している。また、LiFePOは、例えば、オリビン構造を有している。オリビン構造のLiFePOには、例えば、ナノメートルオーダーの粒子がある。また、オリビン構造のLiFePOは、さらにカーボン膜で被覆することができる。
≪導電材620≫
導電材620としては、例えば、カーボン粉末、カーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。導電材620としては、このような導電材から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。
≪バインダ630≫
また、バインダ630は、正極活物質層223に含まれる正極活物質粒子610と導電材620の各粒子を結着させたり、これらの粒子と正極集電体221とを結着させたりする。かかるバインダ630としては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた正極合剤組成物においては、セルロース系ポリマー(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など)、フッ素系樹脂(例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)など)、ゴム類(酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)など)などの水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた正極合剤組成物においては、ポリマー(ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)など)を好ましく採用することができる。
≪増粘剤、溶媒≫
正極活物質層223は、例えば、上述した正極活物質粒子610と導電材620を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた正極合剤を作製し、正極集電体221に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、正極合剤の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。上記バインダ630として例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極合剤の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
正極合剤全体に占める正極活物質の質量割合は、凡そ50wt%以上(典型的には50〜95wt%)であることが好ましく、通常は凡そ70〜95wt%(例えば75〜90wt%)であることがより好ましい。また、正極合剤全体に占める導電材の割合は、例えば凡そ2〜20wt%とすることができ、通常は凡そ2〜15wt%とすることが好ましい。バインダを使用する組成では、正極合剤全体に占めるバインダの割合を例えば凡そ1〜10wt%とすることができ、通常は凡そ2〜5wt%とすることが好ましい。
≪負極シート240≫
負極シート240は、図2に示すように、帯状の負極集電体241と、負極活物質層243とを備えている。負極集電体241には、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この負極集電体241には、所定の幅を有し、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電体241の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部242が設定されている。負極活物質層243は、負極集電体241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電体241の両面に形成されている。負極活物質層243は、負極集電体241に保持され、少なくとも負極活物質が含まれている。負極活物質層243は、負極活物質を含む負極合剤が負極集電体241に塗工されている。
≪負極活物質層243≫
図5は、リチウムイオン二次電池100の負極シート240の断面図である。負極活物質層243には、図5に示すように、負極活物質粒子710、増粘剤(図示省略)、バインダ730などが含まれている。図5では、負極活物質層243の構造が明確になるように、負極活物質層243中の負極活物質粒子710とバインダ730とを大きく模式的に表している。
≪負極活物質粒子710≫
負極活物質粒子710としては、負極活物質として従来からリチウムイオン二次電池に用いられる材料の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(カーボン粒子)が挙げられる。より具体的には、負極活物質は、例えば、天然黒鉛、非晶質の炭素材料でコートした天然黒鉛、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)、または、これらを組み合わせた炭素材料でもよい。なお、ここでは、負極活物質粒子710は、いわゆる鱗片状黒鉛が用いられた場合を図示しているが、負極活物質粒子710は、図示例に限定されない。
≪増粘剤、溶媒≫
負極活物質層243は、例えば、上述した負極活物質粒子710とバインダ730を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた負極合剤を作製し、負極集電体241に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、負極合剤の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。バインダ730には、上記正極活物質層223(図4参照)のバインダ630として例示したポリマー材料を用いることができる。また、上記正極活物質層223のバインダ630として例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極合剤の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
≪空孔≫
なお、正極活物質層223は、例えば、正極活物質粒子610と導電材620の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間225を有している(図4参照)。かかる正極活物質層223の微小な隙間には電解液(図示省略)が浸み込み得る。また、負極活物質層243は、例えば、負極活物質粒子710の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間245を有している(図5参照)。ここでは、かかる隙間225、245(空洞)を適宜に「空孔」と称する。また、捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに沿った両側において、未塗工部222、242が螺旋状に巻かれている。かかる捲回軸WLに沿った両側252、254において、未塗工部222、242の隙間から、電解液が浸み込みうる。このため、リチウムイオン二次電池100の内部では、正極活物質層223と負極活物質層243に電解液が浸み渡っている。
≪セパレータ262、264≫
セパレータ262、264は、図1または図2に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。この例では、図2および図3に示すように、負極活物質層243の幅b1は、正極活物質層223の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ262、264の幅c1、c2は、負極活物質層243の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
なお、図1および図2に示す例では、セパレータ262、264は、シート状の部材で構成されている。セパレータ262、264は、正極活物質層223と負極活物質層243とを絶縁するとともに、電解質の移動を許容する部材であればよい。したがって、シート状の部材に限定されない。セパレータ262、264は、シート状の部材に代えて、例えば、正極活物質層223または負極活物質層243の表面に形成された絶縁性を有する粒子の層で構成してもよい。ここで、絶縁性を有する粒子としては、絶縁性を有する無機フィラー(例えば、金属酸化物、金属水酸化物などのフィラー)、或いは、絶縁性を有する樹脂粒子(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの粒子)で構成してもよい。
この捲回電極体200では、図2および図3に示すように、正極シート220と負極シート240とは、セパレータ262、264を介在させた状態で、正極活物質層223と負極活物質層243とが対向するように重ねられている。より具体的には、捲回電極体200では、正極シート220と負極シート240とセパレータ262、264とは、正極シート220、セパレータ262、負極シート240、セパレータ264の順に重ねられている。
また、この際、正極活物質層223と負極活物質層243とは、セパレータ262、264が介在した状態で対向している。そして、正極活物質層223と負極活物質層243とが対向した部分の片側に、正極集電体221のうち正極活物質層223が形成されていない部分(未塗工部222)がはみ出ている。当該未塗工部222がはみ出た側とは反対側には、負極集電体241のうち負極活物質層243が形成されていない部分(未塗工部242)がはみ出ている。また、正極シート220と負極シート240とセパレータ262、264とは、このように重ねられた状態で、正極シート220の幅方向に設定した捲回軸WLに沿って捲回されている。
≪電池ケース300≫
また、この例では、電池ケース300は、図1に示すように、いわゆる角型の電池ケースであり、容器本体320と、蓋体340とを備えている。容器本体320は、有底四角筒状を有しており、一側面(上面)が開口した扁平な箱型の容器である。蓋体340は、当該容器本体320の開口(上面の開口)に取り付けられて当該開口を塞ぐ部材である。
車載用の二次電池では、車両の燃費を向上させるため、重量エネルギー効率(単位重量当りの電池の容量)を向上させることが望まれる。この実施形態では、電池ケース300を構成する容器本体320と蓋体340は、アルミニウム、アルミニウム合金などの軽量金属が採用されている。これにより重量エネルギー効率を向上させることができる。
電池ケース300は、捲回電極体200を収容する空間として、扁平な矩形の内部空間を有している。また、図1に示すように、電池ケース300の扁平な内部空間は、捲回電極体200よりも横幅が少し広い。この実施形態では、電池ケース300は、有底四角筒状の容器本体320と、容器本体320の開口を塞ぐ蓋体340とを備えている。また、電池ケース300の蓋体340には、電極端子420、440が取り付けられている。電極端子420、440は、電池ケース300(蓋体340)を貫通して電池ケース300の外部に出ている。また、蓋体340には注液孔350と安全弁360とが設けられている。
捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに直交する一の方向において扁平に押し曲げられている。図2に示す例では、正極集電体221の未塗工部222と負極集電体241の未塗工部242は、それぞれセパレータ262、264の両側において、らせん状に露出している。図6に示すように、この実施形態では、未塗工部222、242の中間部分224、244を寄せ集め、電極端子420、440の先端部420a、440aに溶接している。この際、それぞれの材質の違いから、電極端子420と正極集電体221の溶接には、例えば、超音波溶接が用いられる。また、電極端子440と負極集電体241の溶接には、例えば、抵抗溶接が用いられる。ここで、図6は、捲回電極体200の未塗工部222(242)の中間部分224(244)と電極端子420(440)との溶接箇所を示す側面図であり、図1のVI−VI断面図である。
捲回電極体200は、扁平に押し曲げられた状態で、蓋体340に固定された電極端子420、440に取り付けられる。かかる捲回電極体200は、図1に示すように、容器本体320の扁平な内部空間に収容される。容器本体320は、捲回電極体200が収容された後、蓋体340によって塞がれる。蓋体340と容器本体320の合わせ目322(図1参照)は、例えば、レーザ溶接によって溶接されて封止されている。このように、この例では、捲回電極体200は、蓋体340(電池ケース300)に固定された電極端子420、440によって、電池ケース300内に位置決めされている。
≪電解液≫
蓋体340に設けられた注液孔350から電池ケース300内に電解液が注入される。電解液は、水を溶媒としていない、いわゆる非水電解液(非水電解質)が用いられている。この例では、電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば、体積比1:1程度の混合溶媒)にLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させた電解液が用いられている。その後、注液孔350に金属製の封止キャップ352を取り付けて(例えば溶接して)電池ケース300を封止する。なお、電解液は、ここで例示された電解液に限定されない。例えば、従来からリチウムイオン二次電池に用いられている非水電解液は適宜に使用することができる。
≪ガス抜け経路≫
また、この例では、当該電池ケース300の扁平な内部空間は、扁平に変形した捲回電極体200よりも少し広い。捲回電極体200の両側には、捲回電極体200と電池ケース300との間に隙間310、312が設けられている。当該隙間310、312は、ガス抜け経路になる。例えば、過充電が生じた場合などにおいて、リチウムイオン二次電池100の温度が異常に高くなると、電解液が分解されてガスが発生する場合がある。この実施形態では、発生したガスは、捲回電極体200の両側における捲回電極体200と電池ケース300との隙間310、312を通して安全弁360の方へ移動し、安全弁360から電池ケース300の外に排気される。
かかるリチウムイオン二次電池100では、正極集電体221と負極集電体241は、電池ケース300を貫通した電極端子420、440を通じて外部の装置に電気的に接続される。以下、充電時と放電時のリチウムイオン二次電池100の動作を説明する。
≪充電時の動作≫
図7は、かかるリチウムイオン二次電池100の充電時の状態を模式的に示している。充電時においては、図7に示すように、リチウムイオン二次電池100の電極端子420、440(図1参照)は、充電器290に接続される。充電器290の作用によって、充電時には、正極活物質層223中の正極活物質からリチウムイオン(Li)が電解液280に放出される。また、正極活物質層223からは電荷が放出される。放出された電荷は、導電材(図示省略)を通じて正極集電体221に送られ、さらに、充電器290を通じて負極シート240へ送られる。また、負極シート240では電荷が蓄えられるとともに、電解液280中のリチウムイオン(Li)が、負極活物質層243中の負極活物質に吸収され、かつ、貯蔵される。
≪放電時の動作≫
図8は、かかるリチウムイオン二次電池100の放電時の状態を模式的に示している。放電時には、図8に示すように、負極シート240から正極シート220に電荷が送られるとともに、負極活物質層243に貯蔵されたリチウムイオンが、電解液280に放出される。また、正極では、正極活物質層223中の正極活物質に電解液280中のリチウムイオンが取り込まれる。
このようにリチウムイオン二次電池100の充放電において、電解液280を介して、正極活物質層223と負極活物質層243との間でリチウムイオンが行き来する。また、充電時においては、正極活物質から導電材を通じて正極集電体221に電荷が送られる。これに対して、放電時においては、正極集電体221から導電材を通じて正極活物質に電荷が戻される。
充電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、効率的で急速な充電が可能になると考えられる。放電時においては、リチウムイオンの移動および電子の移動がスムーズなほど、電池の抵抗が低下し、放電量が増加し、電池の出力が向上すると考えられる。
また、このリチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、所定の過充電状態において、安全に電池反応を停止させるための電流遮断機構800を備えている。また、かかる電流遮断機構800を作動させるため、所定の過充電状態においてガスを発生させるガス発生剤を電解液に含ませている。
≪ガス発生剤≫
この実施形態では、非水電解液には、例えば、電池電圧が予め定められた電圧以上になると反応し、ガスを発生させるガス発生剤が含まれている。かかるガス発生剤としては、例えば、シクロヘキシルベンゼン(CHB)やビフェニル(BP)などを用いることができる。シクロヘキシルベンゼン(CHB)とビフェニル(BP)は、例えば、過充電時において、正極活物質の表面にて、以下のような重合反応が活性化し、水素ガスを発生させる。
・シクロヘキシルベンゼン(CHB)
n[C1216]→(C1214+nH
・ビフェニル(BP)
n[C1210]→(C12+nH
≪電流遮断機構800≫
また、このリチウムイオン二次電池100は、上述のように、電解液にガス発生剤が添加されており、例えば、過充電時にガスが発生し、電池ケース内の圧力が高くなる。電流遮断機構800は、電池ケース内の圧力が異常に高くなった場合に、電流経路を遮断する機構である。この実施形態では、電流遮断機構800は、図1に示すように、正極における電池電流の導通経路が遮断されるように、正極端子420の内側に構築されている。なお、電流遮断機構の具体的な構造は、例えば、特許文献2に開示されている。ここで開示される電流遮断機構は、適宜に、リチウムイオン二次電池100の電流遮断機構800として採用されうる。このため、ここでは、電流遮断機構800について、具体的な構造には、特段言及しない。なお、電流遮断機構800の具体的な構造は、上述した特許文献に開示された構造に限定されず、種々の機構を採用し得る。
≪他の電池形態≫
なお、上記はリチウムイオン二次電池の一例を示すものである。リチウムイオン二次電池は上記形態に限定されない。また、同様に金属箔に電極合剤が塗工された電極シートは、他にも種々の電池形態に用いられる。例えば、他の電池形態として、円筒型電池或いはラミネート型電池などが知られている。円筒型電池は、円筒型の電池ケースに捲回電極体を収容した電池である。また、ラミネート型電池は、正極シートと負極シートとをセパレータを介在させて積層した電池である。
以下、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池を説明する。ここでは、適宜に、上述したリチウムイオン二次電池100の図を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池を説明する。また、ここでは、上述したリチウムイオン二次電池100と特に区別せず、同じ作用を奏する部材または部位について、適宜に同じ符号を用いて説明する。
≪過充電時における電流遮断機構の動作遅れ≫
ところで、本発明者は、図1に示すような捲回電極体200を備えた非水系二次電池100において、電流遮断機構800の作動が遅れる場合があることを見出した。この原因について、本発明者は、捲回電極体200内部への余剰電解液の供給が阻害されるためと考えている。
つまり、ガス発生剤からの水素ガスの発生は、前述のように、正極220に含まれる正極活物質表面におけるガス発生剤の重合反応を起点として生ずる。したがって、過充電時に発生するガス量を充分に確保するためには、捲回電極体200内に予め存在しているガス発生剤が正極表面で消費された後、外部から新たなガス発生剤を余剰電解液とともに捲回電極体200の内部に供給する必要がある。
しかしながら、上述した捲回電極体200を用いたタイプの電池では、捲回電極体200の捲回軸WLの両側の縁部が、捲回電極体200の内部への電解液の流通口となる。このため、捲回電極体200の内部への電解液の流通口は広くない。それに加えて、過充電状態においてガス発生剤が反応して捲回電極体200の内部でガスが発生すると、発生したガスは、当該捲回電極体200の捲回軸WLの両側の縁部(電解液の流通口)から捲回電極体200の外に出て行く。このため、捲回電極体200の捲回軸WLの両側の縁部(電解液の流通口)から捲回電極体200の外に出て行くガスに阻まれて、外部から新たな余剰電解液が捲回電極体200の内部に供給されにくい状況が生じる。外部から新たな余剰電解液が捲回電極体200の内部に供給されにくい状況が生じると、ガス発生剤の反応量が低下し、ガスの発生が鈍化し、電流遮断機構800の作動が遅れる。
本発明者は、過充電時に電流遮断機構800の作動が遅れる原因の一つをこのように考えている。電流遮断機構800は、予め定められた条件になると短時間で作動することが求められる。また、捲回電極体200を用いたタイプの電池では、捲回電極体200の捲回軸WLの両側の縁部が、捲回電極体200の内部への電解液の流通口となる。電池抵抗を低下させ、高出力を得るためにも、捲回電極体200の内部へ電解液が入りやすい方がよい。本発明者は、このような推定を基に、捲回電極体200内部へ電解液が入りやすい新規な構造を提案する。
≪本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100≫
リチウムイオン二次電池100は、図1に示すように、捲回電極体200と、当該捲回電極体200を収容した電池ケース300と、電池ケース300に注入された非水電解液とを備えている。また、図2に示すように、正極集電体221と、負極集電体241とは、それぞれ帯状の部材であり、長手方向を揃え、かつ、正極活物質層223と負極活物質層243とが、セパレータ262、264を介在させた状態で互いに対向するように配置されている。捲回電極体200は、正極集電体221と負極集電体241とは、正極集電体221または負極集電体241の幅方向に設定された捲回軸WLの廻りに捲回された状態で、電池ケース300に収容されている。
図9は、本発明の一実施形態について、捲回電極体200を示す模式図である。図10は、捲回電極体200の積層構造を示す概念図である。本発明の一実施形態では、図9および図10に示すように、捲回電極体200の捲回軸WLの方向において、正極活物質層223と負極活物質層243のうち少なくとも一方の活物質層の両側の縁部E1、E2は、当該縁部E1、E2を除く捲回軸WLの方向の中間部Cよりも、非水電解液に対して膨潤度が低い。
図11は、本発明の一実施形態であり、負極活物質層243の縁部E1a、E2aが中間部Caよりも、非水電解液に対して膨潤度が低い捲回電極体200を例示している。図12は、図11のXII−XII断面図であり、図11に示された捲回電極体200の積層構造を示している。
この場合、負極活物質層243の活物質層の縁部E1a、E2aが中間部Caよりも、非水電解液に対して膨潤度が低い。このため、電池ケース300に収容され、電池ケース300に非水電解液が注入された状態において、負極活物質層243の縁部E1a、E2aが中間部Caよりも薄くなる。このため、図10に模式的に示されているように、捲回電極体200の縁部E1、E2では、正極活物質層223、負極活物質層243およびセパレータ262、264が互いに接触していないか若しくは中間部Cよりも緩やかに接触し、各部位間に隙間が生じる。この隙間から電解液が捲回電極体200内部へ進入しやすい。
つまり、本発明の一実施形態では、捲回電極体200の縁部E1、E2に形成された隙間から電解液が浸透しやすいので、過充電時において、捲回電極体200内に予め存在しているガス発生剤が消費された後、新たなガス発生剤が余剰電解液とともに捲回電極体200内に供給される。このため、従来に比してガス発生剤の反応量が増大し、ガスの発生が促進される。かかるガスの発生により電池ケース300内に圧力上昇が速やかに生じるため、電流遮断機構800をより短時間で作動させることができる。
なお、この実施形態では、図11および図12に示すように、負極活物質層243の捲回軸WLの方向の両側の縁部E1a、E2aの非水電解液に対する膨潤度を、負極活物質層243の捲回軸WLの方向の中間部Caの非水電解液に対する膨潤度よりも低くしている。また、かかる形態に限らず、捲回電極体200の捲回軸WLの方向において、正極活物質層223と負極活物質層243のうち少なくとも一方の活物質層の両側の縁部が、当該縁部を除く捲回軸WLの方向の中間部よりも、非水電解液に対して膨潤度が低いとよい。したがって、捲回電極体200の捲回軸WLの方向において、正極活物質層223の両側の縁部の非水電解液に対する膨潤度が、中間部の非水電解液に対する膨潤度よりも低くてもよい。また、正極活物質層223と負極活物質層243の両方において、捲回軸WLの方向の縁部が、中間部よりも非水電解液に対する膨潤度が低くてもよい。
≪活物質層の膨潤度の測定≫
ここで、活物質層の膨潤度は、非水電解液への浸漬前後の活物質層の重量から測定できる。例えば、電極シートから所定の部位を所定の大きさで切り取る。切り取った電極シートの重量を測定する。当該切り取った電極シートの重量から集電体の重量を引く。ここで、集電体の重量は、集電体の厚さ、切り取った面積、集電体材料の比重より求めることができる。切り取った電極シートの重量から集電体の重量を引くことによって、浸漬前の活物質層の重量を測定することができる。
当該切り取った電極シートを、所定の温度の非水電解液に十分な時間浸漬させた後に取り出して、浸漬後の電極シートの重量を測定する。活物質層の膨潤度は、浸漬後の電極シートの重量から集電体の重量を引き、浸漬後の活物質層の重量を求める。活物質層の膨潤度は、浸漬後の活物質層の重量を、浸漬前の活物質層の重量で割った値で評価される。
活物質層の膨潤度={(浸漬後の活物質層の重量)/(浸漬前の活物質層の重量)}×100%={(浸漬後の電極シートの重量−集電体の重量)/(浸漬前の電極シートの重量−集電体の重量)}×100%;
この実施形態では、図11に示すように、負極活物質層243の捲回軸WLに沿った両側の縁部E1a、E2aが、非水電解液に対する膨潤度を、負極活物質層243の捲回軸WLの方向の中間部Caよりも低い。この実施形態では、縁部E1a、E2aにおいて、負極活物質層243の結着材に非水電解液に対して膨潤度が低いSBRを用いた。これに対して、中間部Caでは、縁部E1a、E2aよりも非水電解液に対して膨潤度が高いSBRを用いた。ここで、中間部Caと、縁部E1a、E2aには、同じ重量割合でSBRが用いられている。
≪SBRの膨潤度≫
ここで、非水電解液に対するSBRの膨潤度は、SBRエマルジョンを乾燥させて所定の厚さ(例えば、約100μm)のフィルム状にする。このフィルムを所定の大きさ(例えば、3cm×3cmの正方形)に切り出す。かかるフィルムを十分に乾燥させた状態で、SBRの重量(浸漬前のSBRの重量)を測定する。次に、80℃に熱した状態で保温した非水電解液に24時間浸漬する。非水電解液から取り出したSBRの重量(浸漬後のSBRの重量)を測定する。SBRの膨潤度は、浸漬後のSBRの重量を、浸漬前のSBRの重量で割った値を基に下記の式によって定める。
SBRの膨潤度(%)=(浸漬後のSBRの重量)/(浸漬前のSBRの重量)×100;
また、非水電解液に対して膨潤度が低いSBRとしては、非水電解液とSP値の差が小さいSBRを用いるとよい。また、非水電解液に対して膨潤度が低いSBRとしては、非水電解液とSP値(溶解パラメータ)の差が大きいSBRを用いるとよい。
≪SP値≫
ここで、SP値は「溶解パラメータ」とも称される。SP値(溶解パラメータ)は、溶媒と溶質との間に作用する力を分子間力のみと仮定した場合に、この分子間力をSP値(溶解パラメータ)と見なしたものである。ここで、液体を凝集させる力を分子間力のみと仮定すると、凝集エネルギーΔEは、蒸発エンタルピーと、ΔH=ΔE+PΔVの関係になる。ここで、溶解パラメータδは、モル蒸発熱ΔHとモル体積Vを基に、下記の式で定義される。当該溶解パラメータδを基に、非水電解液のSP値と、SBRのSP値を算出するとよい。ここで、Pは気圧、Rは気体定数であり、ここでは、R=8.31L/mol・K、Tは温度である。
Figure 2014096269
図11および図12に示す実施形態では、負極活物質層243の両側の縁部E1a、E2aと、中間部Caとで、結着材として非水電解液に対する膨潤度が異なるSBRを選択的に用いた。つまり、非水電解液に対する膨潤度が異なる複数のSBRを用意する(例えば、非水電解液に対する膨潤度(SP値)が異なる2種類のSBRを用意する)。負極活物質層243の両側の縁部E1a、E2aに塗工する合剤には、非水電解液に対する膨潤度が低いSBRを選択する。中間部Caに塗工する合剤には、非水電解液に対する膨潤度が高いSBRを選択する。そして、それぞれ縁部E1a、E2a用の合剤と中間部Ca用の合剤を調製し、負極活物質層243の両側の縁部E1a、E2aと、中間部Caとで合剤を塗り分ける。
これにより、負極活物質層243の縁部E1a、E2aには、非水電解液に対する膨潤度が低いSBR(非水電解液に対してSP値の差が大きいSBR)が、捲回軸WL方向の中間部Caよりも多く含まれる。また、負極活物質層243の中間部Caには、非水電解液に対する膨潤度が高いSBR(非水電解液に対してSP値の差が小さいSBR)が、捲回軸WL方向の縁部E1a、E2aよりも多く含まれる。この結果、捲回軸WLの方向の両側の縁部E1a、E2aが、捲回軸WLの方向の中間部Caより、非水電解液に対する膨潤度が低い負極活物質層243が得られる。なお、ここで、負極活物質層243の中間部Caの膨張は、縁部E1a、E2aに比べて厚みが凡そ2%増加する程度である。図12においては、捲回電極体200の浸漬前の状態を示しており、負極活物質層243の中間部Caの膨張およびそれに伴う縁部E1a、E2aの隙間について、ここでは明示的な図示は省略している。
≪負極活物質層243の形成方法≫
図13は、塗布装置の構成例が例示されている。ここでは、塗布装置において、負極集電体241がバックロール46で支持された状態で、ダイ60によって負極合剤が塗布される様子が図示されている。ここで、縁部E1a、E2aと中間部Caの合剤の塗り分けは、例えば、図13に示すように、中間部分62aと両側部62b1、62b2とが仕切られた横長の吐出口62を有するダイ60と、それぞれ仕切られた複数の吐出口62a、62b1、62b2に、それぞれ異なる合剤を供給できる複数の合剤供給流路41、42、43とを備えた塗布装置を用いてもよい。この場合、ダイ60の中間部分62aから中間部Caに塗工すべき合剤を塗布し、両側部62b1、62b2から縁部E1a、E2aに塗工すべき合剤を塗布することによって、縁部E1a、E2aと中間部Caの合剤の塗り分けてもよい。
また、他の方法として、中間部Caに塗工すべき合剤を、負極活物質層243を塗工する領域の全面に塗布し、乾燥した後、縁部E1a、E2a相当する領域に塗工された合剤を除去する。当該除去は、例えば、中間部Caに塗工する合剤にマスクし、負極集電体241から縁部E1a、E2a相当する領域に塗工された合剤を削り剥がすとよい。その後、縁部E1a、E2aに塗工すべき合剤を縁部E1a、E2aに塗工するとよい。
≪評価試験1≫
非水系二次電池の評価試験として、活物質層の捲回軸WLの方向の両側の縁部の非水電解液に対する膨潤度が、中間部の非水電解液に対する膨潤度よりも低い形態について、評価用セルを用意し、その効果を検証した。ここでは、評価用セルについて、過充電時に発生するガスによる内圧の変化を評価した。
≪評価用セル≫
ここでは、評価用セルには、負極活物質層の構造が異なるサンプルA,Bを用意した。以下、サンプルAを説明し、さらにサンプルBを順に説明する。
≪評価用セルの正極≫
正極における正極活物質層を形成するにあたり正極合剤を調製した。ここで、正極合剤は、正極活物質として三元系のリチウム遷移金属酸化物(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)、導電材としてアセチレンブラック(AB)、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)をそれぞれ用いた。正極活物質と、導電材と、バインダとの質量比を、正極活物質:導電材:バインダ=91:6:3とした。これら正極活物質と、導電材と、バインダとを、イオン交換水と混合することによって正極合剤を調製した。次いで、正極合剤を正極集電体の片面ずつ順に塗布して乾燥させ、正極集電体の両面に正極活物質層が塗工された正極(正極シート)を作製した。
正極集電体への正極合剤の塗布量は、正極集電体の両面で凡そ均等とし、かつ、正極合剤が乾燥した後において、正極集電体の単位面積あたりに、正極集電体の両面で正極活物質層が30mg/cmになるように設定した。また、ここでは、正極集電体として、アルミニウム箔(厚さ15μm)を用いた。乾燥後、ローラプレス機によって圧延することによって、正極シートの厚さは凡そ150μmにした。正極シートは各評価用セルで共通にした。
≪評価用セルの負極≫
負極における負極活物質層を形成するにあたり負極合剤を調製した。ここで、負極合剤は、負極活物質として鱗片状の天然黒鉛、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)、バインダをそれぞれ用いた。バインダには、ゴム系バインダであるスチレン・ブタジエンゴム(SBR)を用いた。負極活物質と、増粘剤(CMC)と、バインダ(SBR)との質量比は、負極活物質:CMC:SBR=98:1:1とした。これら負極活物質と、CMCと、SBRとを、イオン交換水と混合することによって負極合剤を調製した。
次いで、負極合剤を負極集電体の片面ずつ順に塗布して乾燥させ、負極集電体の両面に負極活物質層が塗工された負極(負極シート)を作製した。負極集電体への負極合剤の塗布量は、負極集電体の両面で凡そ均等とし、かつ、負極合剤が乾燥した後において、負極集電体の単位面積あたりに、負極集電体の両面で負極活物質層が15mg/cmになるように設定した。また、ここでは、負極集電体として、銅箔(厚さ10μm)を用いた。乾燥後、ローラプレス機によって圧延することによって、負極シートの厚さは凡そ100μmにした。捲回軸方向における負極活物質層の全幅は220mmとした。
なお、ここでは、負極活物質層の非水電解液に対する膨潤度が一様な負極シートと、負極活物質層の縁部と中間部とで非水電解液に対する膨潤度が異なる負極シートとを用意した。各負極シートについては、評価用セルの各サンプルの説明にて詳述する。
≪評価用セルのセパレータ≫
セパレータとしては、ポリプロピレン(PP)と、ポリエチレン(PE)の三層構造(PP/PE/PP)の多孔質シートからなるセパレータを用いた。
≪評価用セルの組み立て≫
上記で作製した負極と、正極と、セパレータとを用いて、試験用の18650型セル(リチウムイオン電池)を構築した。ここでは、セパレータを介在させた状態で、正極シートと負極シートとを積層して捲回した円筒形状の捲回電極体を作製した。そして、捲回電極体を円筒形状の電池ケースに収容し、非水電解液を注液して封口し、評価用セルを構築した。ここで、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを、所定の体積比(EC:DMC:EMC=3:4:3)で混合溶媒に、リチウム塩としての1mol/LのLiPFを溶解させ、さらにガス発生剤としてのCHBを4質量%含有させた電解液を用いた。かかる非水電解液のSP値は、凡そ9である。
≪サンプルA≫
サンプルAは、負極活物質層の非水電解液に対する膨潤度が一様な負極シートを用いた。負極活物質層の非水電解液に対する膨潤度が一様な負極シートは、負極活物質層の縁部と中間部とで負極合剤を塗り分けず、負極活物質層の非水電解液に対する膨潤度を一様にした。ここでは、結着材として、非水電解液に対する膨潤度が凡そ150%のSBR(SP値:12)を用いて負極合剤を生成し、負極活物質層を形成する領域に当該負極合剤を塗工した。
≪サンプルB≫
サンプルBは、中間部よりも縁部が、非水電解液に対する膨潤度が低い負極活物質層を備えた負極シートを用いた。ここでは、結着材として、非水電解液に対する膨潤度が凡そ300%のSBR(a)(SP値:凡そ9)と、非水電解液に対する膨潤度が凡そ150%のSBR(b)(SP値:凡そ12)とを用いた。そして、膨潤度が高いSBR(a)を用いた負極合剤(Ga)と、膨潤度が低いSBR(b)を用いた負極合剤(Gb)とを用意した。ここで、負極合剤(Ga)と負極合剤(Gb)とは、結着材としてのSBRが異なることを除いて、同じ条件で生成した。ここでは、膨潤度が低いSBR(b)を用いた負極合剤(Gb)を、負極活物質層が形成される領域において幅方向両側の縁部に塗工し、当該縁部を除く中間部に膨潤度が高いSBR(a)を用いた負極合剤(Ga)を塗工した。このように、負極活物質層の縁部と中間部とで、負極合剤を塗り分けて、負極活物質層の縁部の膨潤度が中間部よりも低い負極シートを得た。
また、サンプルAとサンプルBとでは、負極シートを除いて同じ構成にした。ここでは、サンプルBについて、負極活物質層の縁部は、捲回軸の方向において、負極活物質層の両側の縁からそれぞれ凡そ80mmの領域とし、負極活物質層の両側の縁からそれぞれ凡そ80mmの領域で負極合剤を塗り分けた。このように、非水電解液に対する膨潤度が低い縁部を、捲回軸の方向において、負極活物質層の両側の縁からそれぞれ凡そ80mmの領域に形成することによって、内部まで電解液を浸透させる効果が十分に得られ得る。
≪中間部の規定≫
換言すれば、上述したサンプルBでは、捲回軸の方向において、負極活物質層の中心から負極活物質層の縁までの幅W(図10参照、ここでは110mm)に対して、負極活物質層の中心から30mm(Wの凡そ27%)の領域を中間部としている。なお、中間部の規定は、これに限定されない。非水電解液に対する膨潤度を高くする中間部の領域は、捲回電極体の内部まで電解液を浸透させる効果が十分に得られるように設定するとよい。
例えば、捲回電極体の内部まで電解液を浸透させる効果を得るとの観点からは、膨潤度が高い負極活物質層の中間部は、負極活物質層の幅方向において、負極活物質層の中心から10mm(Wの凡そ9%)以上の領域であることが適当であり、好ましくは20mm(Wの凡そ18%)以上の領域であり、特に好ましくは30mm(Wの凡そ27%)以上の領域である。また、膨潤度が高い負極活物質層の中間部は、負極活物質層の幅方向において、負極活物質層の中心から50mm(Wの凡そ45%)以下の領域であることが適当であり、好ましくは40mm(Wの凡そ36%)以下の領域であり、特に好ましくは35mm(Wの凡そ32%)以下の領域である。
また、正極活物質層の中間部の膨潤度が縁部よりも高い正極シートを用いる形態では、正極活物質層の中間部は、同様に、捲回軸の方向において、正極活物質層の中心から正極活物質層の縁までの幅Wに対して、正極活物質層の中心から10mm(Wの凡そ9%)以上の領域であることが適当であり、好ましくは20mm(Wの凡そ18%)以上の領域であり、特に好ましくは30mm(Wの凡そ27%)以上の領域である。また、膨潤度が高い正極活物質層の中間部は、正極活物質層の幅方向において、正極活物質層の中心から50mm(Wの凡そ45%)以下の領域であることが適当であり、好ましくは40mm(Wの凡そ36%)以下の領域であり、特に好ましくは35mm(Wの凡そ32%)以下の領域である。
≪評価試験≫
ここでは、各サンプルについて複数の評価用セルを用意し、所定のコンディショニングを施した後に、サンプルごとに、過充電時におけるセルの内圧を測定した。
≪コンディショニング≫
ここでコンディショニングは、次の手順1、2によって行なわれる。
手順1:1Cの定電流充電にて4.1Vに到達した後、5分間休止する。
手順2:手順1の後、定電圧充電にて1.5時間充電し、5分間休止する。
かかるコンディショニングでは、初期充電によって所要の反応が生じてガスが発生する。また、負極活物質層などに所要の被膜形成が形成される。
≪定格容量の測定≫
上記コンディショニングの後、評価用セルについて定格容量が測定される。定格容量の測定は、次の手順1〜3によって測定されている。なお、ここでは温度による影響を一定にするため、定格容量は温度25℃の温度環境において測定されている。
手順1:1Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間休止する。
手順2:1Cの定電流充電によって4.1Vに到達後、定電圧充電にて2.5時間充電し、その後、10秒間休止する。
手順3:0.5Cの定電流放電によって3.0Vに到達後、定電圧放電にて2時間放電し、その後、10秒間停止する。
ここで、手順3における定電流放電から定電圧放電に至る放電における放電容量(CCCV放電容量)を「定格容量」とする。
≪過充電試験(内圧の測定)≫
上記コンディショニング工程および定格容量の測定の後に、過充電試験を行った。具体的には、25℃の温度環境下で、以下の1、2の手順により、各評価用セルをSOC160%の過充電状態にした。
手順1:3Vから1Cの定電流で充電し、定格容量の凡そ100%の充電状態(SOC100%)にする。
手順2:手順1の後、2.5時間、定電圧充電する。
手順3:手順2の後、1Cの定電流で充電し、定格容量の凡そ160%の過充電状態(SOC160%)にする。
ここでは、各セルに内圧センサを取り付け、上記手順3の充電中における内圧の変化を直接モニターした。結果を図14に示す。図14は、サンプルAとサンプルBの評価用セルについて、それぞれ過充電試験(過充電)時における内圧変化を測定した結果を示している。ここで、サンプルAの評価用セルは、負極活物質層の非水電解液に対する膨潤度が一様な負極シートを備えている。サンプルBの評価用セルは、負極活物質層の縁部の膨潤度が中間部よりも低い負極シートを備えている
負極活物質層の縁部の膨潤度が中間部よりも低いサンプルBのセルは、負極活物質層の非水電解液に対する膨潤度が一様なサンプルAのセルに比べて、同じSOCで比較した場合の内圧が高くなる(内圧の上昇が速くなる)ことが確認された。このようにサンプルBでは、サンプルAに比べて、過充電時における内圧の上昇が速くなる。
本発明者は、負極活物質層の縁部の膨潤度を中間部よりも低くした場合(サンプルB)について、過充電時における内圧の上昇が速くなることを見出した。かかる事象について、本発明者は、負極活物質層の縁部の膨潤度を中間部よりも低くしたことによって、電池ケース内で、負極活物質層の縁部が非水電解液を吸収して、中間部よりも少し薄くなる。このため、捲回電極体の捲回軸WL方向の縁部で、負極活物質層とセパレータとの接触が緩やかになる。これに対して、捲回電極体の捲回軸WL方向の中間部では、負極活物質層とセパレータとの接触が密になる。
このため、サンプルBでは、捲回電極体の捲回軸WL方向の縁部で、負極活物質層とセパレータとの間に隙間が生じ、この隙間から電解液が捲回電極体内へ進入しやすい。このため、過充電時において捲回電極体内に予め存在しているガス発生剤が消費された後、新たなガス発生剤が余剰電解液とともに捲回電極体内に速やかに供給され、ガス発生剤の反応量が増大し、ガス発生が促進される。本発明者は、サンプルBについて、過充電時における内圧の上昇が速くなる事象をこのように推察している。
≪評価試験2≫
サンプルAおよびサンプルBの評価用セルについて、所定の充放電サイクルの前後の抵抗を測定し、抵抗増加率を評価した。
具体的には、60℃にて総通電量が20000Ahとなるまで繰り返し充放電サイクル試験を行い、試験前後の反応抵抗を測定した。
図15は、サンプルAとサンプルBの評価用セルについて、充放電サイクル前の反応抵抗を100としたときの充放電サイクル後の抵抗の増加率を通電量に対してプロットしたものである。ここで、サンプルAの評価用セルは、負極活物質層の非水電解液に対する膨潤度が一様な負極シートを備えている。サンプルBの評価用セルは、負極活物質層の縁部の膨潤度が中間部よりも低い負極シートを備えている。
充放電サイクル後の抵抗増加率は、通電量(レート)が増えるに従い、サンプルAでは格段に高くなる。このように、負極活物質層の非水電解液に対する膨潤度が一様なサンプルAでは、上記のようなハイレートでの充放電サイクル後に抵抗が上昇する傾向がある。これに対して、負極活物質層の縁部の膨潤度が中間部よりも低いサンプルBでは、ハイレートでの充放電サイクル後に抵抗が、サンプルAのように高くならない。このようにサンプルBでは、サンプルAに比べて、充放電サイクル後の抵抗の増加率をかなり低く抑えることができる。すなわち、本発明を適用することで、ハイレートでの抵抗増加の抑制効果が得られることが確認できた。
≪評価試験3≫
次に、膨潤度が高い中間部の好適な長さ(幅)を検討した。ここでは、捲回軸方向において、負極活物質層の中心から負極活物質層の縁までの幅W(図10参照)に対して、負極活物質層の中心からそれぞれ0mm(Wの0%)、10mm(Wの9%)、20mm(Wの18%)、30mm(Wの27%)、40mm(Wの36%)、50mm(Wの45%)の領域を中間部としている評価用電池を作製した。また、本試験では、ラミネート型の電池ケースを使用した。それ以外はサンプルBと同じ構成とした。
≪過充電試験(ガス発生量の測定)≫
ガス発生量の測定は、アルキメデス法を用いて行った。アルキメデス法とは、測定対象物(本例では、ラミネートセル)を、媒液(例えば、蒸留水やアルコール等)に浸漬し、測定対象物が受ける浮力を測定することにより、該測定対象物の体積を求める手法である。ここでは先ず、25℃の温度環境下において、過充電試験前の電池の体積を測定した。その後、以下の1、2の手順により、各セルをSOC160%の過充電状態にした。
手順1:3Vから1Cの定電流で充電し、定格容量の凡そ100%の充電状態(SOC100%)にする。
手順2:手順1の後、2.5時間、定電圧充電する。
手順3:手順2の後、1Cの定電流で充電し、定格容量の凡そ160%の過充電状態(SOC160%)にする。
上記手順3の後、かかる電池の体積を再び測定した。過充電後のセルの体積(A(cm))から、コンディショニング処理後のセルの体積(B(cm))を差し引いて、過充電試験(過充電時)におけるガス発生量(A−B(cm))を算出した。上記得られたガス発生量を、セルの電池容量で割り、電池容量当たりのガス発生量を求めた。結果を図16に示す。図16は、負極活物質層の中心からの中間部の長さ(mm)とガス発生量(cmAh−1)との関係を示すグラフである。
図16に示すように、膨潤度が高い中間部の長さを0mmとした(すなわち中間部を設けずに負極活物質層の膨潤度を一様にした)セルでは、ガス発生量が20cmAh−1を下回った。これに対し、膨潤度が高い中間部の長さを10mm〜50mmとした(すなわち負極活物質層の縁部の膨潤度が中間部よりも低い)各セルでは、膨潤度を一様にしたセル(0mm)に比べて、ガス発生量が増大傾向となった。特に、膨潤度が高い中間部の長さを20mm〜50mmにすることによって、20cmAh−1以上という極めて高いガス発生量を達成できた。
以上のように、非水系二次電池は、図9に示すように、捲回電極体200の捲回軸WLの方向において、正極活物質層223(図1参照)と負極活物質層243(図1参照)のうち少なくとも一方の活物質層の両側の縁部E1、E2は、当該縁部E1、E2を除く中間部Cよりも、非水電解液に対して膨潤度が低いとよい。
これにより、捲回電極体200に電解液が浸透しやすくなる。このため、過充電時において、捲回電極体内への余剰電解液(ひいてはガス発生剤)の供給を迅速に行うことができ、ガスの発生を促して、電流遮断機構800(図1参照)をより短時間で作動させることができる。また、非水系二次電池は、捲回電極体200の内部へ電解液が入りやすくなるので、電池抵抗を低下させ、高出力が得られる。また、ハイレートでの充放電サイクルで使用されても抵抗の上昇がかなり低く抑えられる。つまり、上述した実施形態では、電流遮断機構800を備えていることを前提としているが、電流遮断機構800を備えていない場合でも、電池抵抗を低下させ、高出力を得ることに寄与しうる。
この場合、上述した実施形態では、図11および図12に示すように、負極活物質層243の縁部E1a、E2aについて、負極活物質層243の結着材成分であるSBRを、非水電解液に対して膨潤度が低いSBRを採用した。これにより、セル内で、負極活物質層243の中央部Cが縁部E1a、E2aに比べて膨張し、縁部E1a、E2aに隙間が形成される。この隙間を利用して電解液を捲回電極体内に浸透させる効果が得られる。この場合、負極活物質層243の縁部E1a、E2aについて、結着材成分に中央部Cよりも膨潤度が低いSBRを採用すればよいので、二次電池の他の性能を低減させることはほとんどない。
これに対して、負極活物質層243の縁部E1a、E2aの膨潤度は変えずに、負極活物質層243の縁部E1a、E2aを中間部Caよりも予め薄く形成しても、同様に、捲回電極体の内部に非水電解液を浸透させる作用が得られるかもしれない。しかし、その場合には、負極活物質層243の縁部E1a、E2aを中間部Caよりも予め薄く形成するため、負極活物質層243の縁部E1a、E2aのみ合剤を薄く塗工したり、特殊なプレス工程が必要になったりする。負極活物質層243の縁部E1a、E2aの膨潤度を変える場合には、プレス工程などは変更が不要であり、非水系二次電池の作製が容易である。
また、例えば、負極活物質層243の縁部E1a、E2aに、非水電解液に対して膨潤度が低い他の材料を含めてもよい。すなわち、縁部E1a、E2aに塗工する負極合剤に、非水電解液に対して膨潤度が低い他の材料を含めておき、当該負極合剤を縁部E1a、E2aに塗工して負極活物質層243を形成する。この場合でも、負極活物質層243の縁部E1a、E2aについて、非水電解液に対する膨潤度を低くすることができる。これにより、負極活物質層243の縁部E1a、E2aが、中間部Caよりも薄くなり、捲回電極体の内部に非水電解液を浸透させる作用が得られる。
かかる構成は、負極活物質層243の縁部E1a、E2aについて、負極活物質層243の結着材成分であるSBRを、非水電解液に対して膨潤度が低いSBRを採用することに代えて、或いは、組み合わせて採用できる。また、負極活物質層243の縁部E1a、E2aについて、非水電解液に対して膨潤度を低くすることを例示した。かかる形態に限らず、例えば、正極活物質層223の縁部について、非水電解液に対して膨潤度を低くしてもよい。この場合、正極活物質層223の縁部について、結着材成分や、増粘剤成分について、非水電解液に対して膨潤度が低い材料を選択してもよいし、正極活物質層223の縁部について、非水電解液に対して膨潤度が低い他の材料を含ませてもよい。
また、このように、正極活物質層223と負極活物質層243(図1参照)のうち少なくとも何れか一方の活物質層は、捲回軸WL方向の縁部E1、E2(図9参照)に、非水電解液に対する膨潤度が低い材料が、中間部よりも多く含まれているとよい。すなわち、正極活物質層223と負極活物質層243(図1参照)のうち少なくとも何れか一方の活物質層について、縁部E1、E2が非水電解液に対して膨潤度が低ければよい。この場合、当該縁部E1、E2が非水電解液に対して膨潤度が低い活物質層において、縁部E1、E2に、非水電解液に対する膨潤度が低い材料が、中間部よりも多く含まれていてもよい。また、捲回軸WL方向の中央部に、非水電解液に対する膨潤度が高い材料が、縁部よりも多く含まれていてもよい。これにより、縁部E1、E2が非水電解液に対して膨潤度が低い活物質層を具現化できる。
例えば、上述した実施形態のように、捲回軸WL方向の縁部E1、E2に含まれる結着材が、中間部に含まれる結着材よりも、非水電解液に対する膨潤度が低いとよい。結着材の膨潤度で調製する場合には、上述したように製造が容易である。
なお、上述した実施形態では、図11に示すように、バインダとして負極活物質層243のSBRを選択的に採用することによって、負極活物質層243の縁部E1a、E2aの膨潤度と、中間部Caの膨潤度を調整した。SBRは、エマルジョン状態で添加され、非水電解液に合わせてSP値を調整することが容易である。ここで、非水電解液に対する膨潤度が高い材料としては、非水電解液とのSP値の差が小さければよい。また、非水電解液に対する膨潤度が低い材料としては、非水電解液とのSP値の差が大きければよい。例えば、非水電解液に対する膨潤度が高い材料としては、非水電解液とのSP値の差が2.0よりも小さく、好ましくは±1.5以内、より好ましくは±1.0以内、特に好ましくは±0.5以内にするとよい。非水電解液に対する膨潤度が低い材料としては、非水電解液とのSP値の差が2.0よりも大きく、好ましくは±2.5以上、特に好ましくは±3.0以上にするとよい。
以上、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池を説明したが、本発明は、上述した何れの実施形態にも限定されず、種々の変更が可能である。
ここで開示される非水系二次電池は、特に、捲回電極体の内部まで電解液が浸透しやすく、例えば、過充電時に電流遮断機構をより短時間で作動し得るリチウムイオン二次電池を提供することができる。かかるリチウムイオン二次電池100は、図17に示されるように、車両駆動用電源1000として特に好適である。ここで、車両駆動用電源1000は、上記リチウムイオン二次電池100を複数個直列に接続して形成される組電池の形態であり得る。かかる車両駆動用電源を備える車両1には、典型的には自動車、特にハイブリッド自動車(プラグインハイブリッド車を含む)、電気自動車のような電動機を備える自動車が含まれる。
100 リチウムイオン二次電池(非水系二次電池)
200 捲回電極体
220 正極シート
221 正極集電体
222 未塗工部
223 正極活物質層
240 負極シート
241 負極集電体
242 未塗工部
243 負極活物質層
262、264 セパレータ
280 電解液
290 充電器
300 電池ケース
340 蓋体
350 注液孔
352 封止キャップ
360 安全弁
420 電極端子(正極端子)
440 電極端子(負極端子)
610 正極活物質粒子
620 導電材
630 バインダ
710 負極活物質粒子
730 バインダ
800 電流遮断機構
1000 車両駆動用電源
C 捲回電極体の中間部
Ca 負極活物質層の中間部
E1、E2 捲回電極体の縁部
E1a、E2a 負極活物質層の縁部
WL 捲回軸

Claims (12)

  1. 捲回電極体と、
    当該捲回電極体を収容した電池ケースと、
    前記電池ケースに注入された非水電解液と
    を備え、
    前記捲回電極体は、
    正極集電体と、
    前記正極集電体に保持された正極活物質層と、
    負極集電体と、
    前記負極集電体に保持された負極活物質層と、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に介在したセパレータと
    を備え、
    前記正極集電体と前記負極集電体とは、
    それぞれ帯状の部材であり、
    長手方向を揃え、かつ、前記正極活物質層と前記負極活物質層とが、前記セパレータを介在させた状態で互いに対向するように配置され、
    前記正極集電体または前記負極集電体の幅方向に設定された捲回軸廻りに捲回された状態で、前記電池ケースに収容されており、
    前記捲回電極体の捲回軸の方向において、前記正極活物質層と前記負極活物質層のうち少なくとも一方の活物質層の両側の縁部は、当該縁部を除く中間部よりも、非水電解液に対して膨潤度が低い、非水系二次電池。
  2. 前記正極活物質層と前記負極活物質層のうち少なくとも何れか一方の活物質層は、前記捲回軸方向の縁部に、前記非水電解液に対する膨潤度が低い材料が、中間部よりも多く含まれている、請求項1に記載された非水系二次電池。
  3. 前記正極活物質層と前記負極活物質層のうち少なくとも何れか一方の活物質層は、前記捲回軸方向の中央部に、前記非水電解液に対する膨潤度が高い材料が、縁部よりも多く含まれている、請求項1または2に記載された非水系二次電池。
  4. 前記正極活物質層と前記負極活物質層のうち少なくとも何れか一方の活物質層は、結着材を含んでおり、前記捲回軸方向の縁部に含まれる結着材は、前記縁部を除く捲回軸方向の中間部に含まれる結着材よりも、前記非水電解液に対する膨潤度が低い、請求項1から3までの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  5. 前記負極活物質層は、SBRが含まれており、
    前記縁部に含まれるSBRは、前記中間部に含まれるSBRよりも、前記非水電解液に対する膨潤度が低い、請求項1から4までの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  6. 前記捲回軸方向の縁部に含まれる結着材は、前記非水電解液とのSP値の差が2よりも大きく、かつ、
    前記縁部を除く捲回軸方向の中間部に含まれる結着材は、前記非水電解液とのSP値の差が2よりも小さい、請求項4または5の何れか一項に記載された非水系二次電池。
  7. 前記中間部は、前記捲回軸の方向において、前記活物質層の中心から縁までの幅に対して、前記活物質層の中心から15%以上の領域で規定される、請求項1から6までの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  8. 前記中間部は、前記捲回軸の方向において、前記活物質層の中心から縁までの幅に対して、前記活物質層の中心から40%以下の領域で規定される、請求項1から7までの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  9. 前記非水電解液には、所定の電池電圧を超えた際にガスを発生し得るガス発生剤が添加されており、
    前記ガスの発生に伴って前記電池ケース内の圧力が上昇した際に作動する電流遮断機構を備えた、請求項1から8までの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  10. リチウムイオン二次電池として構成された、請求項1から9までの何れか一項に記載された非水系二次電池。
  11. 請求項1から10までの何れか一項に記載された非水系二次電池を複数組み合わせた組電池。
  12. 請求項1から10までの何れか一項に記載された非水系二次電池、または、請求項11に記載された組電池を備えた車両駆動用電源。
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