JP5696886B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
正極シート220は、帯状の正極集電体221と正極活物質層223とを備えている。正極集電体221には、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。正極集電体221には、例えば、所定の幅を有し、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔を用いることができる。正極集電体221の幅方向片側の縁部に沿って未塗工部222が設定されている。正極活物質層223は、正極集電体221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電体221の両面に保持されている。正極活物質層223には、正極活物質が含まれている。この実施形態では、正極活物質層223は、正極活物質を含む正極合剤が正極集電体221に塗工されている。
ここで、図4は、リチウムイオン二次電池100の正極シート220の断面図である。なお、図4において、正極活物質層223の構造が明確になるように、正極活物質層223中の正極活物質610と導電材620とバインダ630とを大きく模式的に表している。正極活物質層223には、図4に示すように、正極活物質610や導電材620やバインダ630が含まれている。
導電材620としては、例えば、カーボン粉末やカーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。このような導電材から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。
また、バインダ630は、正極活物質610や導電材620の各粒子を結着させたり、これらの各粒子と正極集電体221とを結着させたりする。かかるバインダ630としては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた正極合剤組成物においては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース系ポリマー、また例えば、ポリビニルアルコール(PVA)や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体やスチレンブタジエン共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)などのゴム類;などの水溶性または水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。また、非水溶媒を用いた正極合剤組成物においては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリルニトリル(PAN)などのポリマーを好ましく採用することができる。
正極活物質層223は、例えば、上述した正極活物質610や導電材620を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた正極合剤を作成し、正極集電体221に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、正極合剤の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。上記バインダ630として例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極合剤の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
負極シート240は、図2に示すように、帯状の負極集電体241と、負極活物質層243とを備えている。負極集電体241には、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、この負極集電体241には、所定の幅を有し、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電体241の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部242が設定されている。負極活物質層243は、負極集電体241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電体241の両面に形成されている。負極活物質層243は、負極集電体241に保持され、少なくとも負極活物質が含まれている。この実施形態では、負極活物質層243は、負極活物質を含む負極合剤が負極集電体241に塗工されている。
図5は、リチウムイオン二次電池100の負極シート240の断面図である。この実施形態では、負極活物質層243には、図5に示すように、負極活物質710や増粘剤(図示省略)やバインダ730などが含まれている。図5では、負極活物質層243の構造が明確になるように、負極活物質層243中の負極活物質710とバインダ730とを大きく模式的に表している。なお、ここでは、負極活物質710は、いわゆる鱗片状黒鉛が用いられた場合を図示しているが、負極活物質710は、図示例に限定されない。
負極活物質層243は、例えば、上述した負極活物質710やバインダ730を溶媒にペースト状(スラリ状)に混ぜ合わせた負極合剤を作成し、負極集電体241に塗布し、乾燥させ、圧延することによって形成されている。この際、負極合剤の溶媒としては、水性溶媒および非水溶媒の何れも使用可能である。非水溶媒の好適な例としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が挙げられる。バインダ730には、上記正極活物質層223(図4参照)のバインダ630として例示したポリマー材料を用いることができる。また、上記正極活物質層223のバインダ630として例示したポリマー材料は、バインダとしての機能の他に、正極合剤の増粘剤その他の添加剤としての機能を発揮する目的で使用されることもあり得る。
セパレータ262、264は、図1又は図2に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータや積層構造のセパレータを用いることができる。
また、この例では、電池ケース300は、図1に示すように、いわゆる角型の電池ケースであり、容器本体320と、蓋体340とを備えている。容器本体320は、有底四角筒状を有しており、一側面(上面)が開口した扁平な箱型の容器である。蓋体340は、当該容器本体320の開口(上面の開口)に取り付けられて当該開口を塞ぐ部材である。
その後、蓋体340に設けられた注液孔350から電池ケース300内に電解液が注入される。電解液は、水を溶媒としていない、いわゆる非水電解液が用いられている。この例では、電解液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(例えば、体積比1:1程度の混合溶媒)にLiPF6を約1mol/リットルの濃度で含有させた電解液が用いられている。その後、注液孔350に金属製の封止キャップ352を取り付けて(例えば溶接して)電池ケース300を封止する。なお、電解液は、ここで例示された電解液に限定されない。例えば、従来からリチウムイオン二次電池に用いられている非水電解液は適宜に使用することができる。
ここで、正極活物質層223は、例えば、正極活物質610と導電材620の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間を有している(図4参照)。かかる正極活物質層223の微小な隙間には電解液(図示省略)が浸み込み得る。また、負極活物質層243は、例えば、負極活物質710の粒子間などに、空洞とも称すべき微小な隙間を有している(図5参照)。ここでは、かかる隙間(空洞)を適宜に「空孔」と称する。このように、リチウムイオン二次電池100の内部では、正極活物質層223と負極活物質層243に電解液が浸み渡っている。
また、この例では、当該電池ケース300の扁平な内部空間は、扁平に変形した捲回電極体200よりも少し広い。捲回電極体200の両側には、捲回電極体200と電池ケース300との間に隙間310、312が設けられている。当該隙間310、312は、ガス抜け経路になる。例えば、過充電が生じた場合などにおいて、リチウムイオン二次電池100の温度が異常に高くなると、電解液が分解されてガスが異常に発生する場合がある。この実施形態では、異常に発生したガスは、捲回電極体200の両側における捲回電極体200と電池ケース300との隙間310、312を通して安全弁360の方へ移動し、安全弁360から電池ケース300の外に排気される。
図7は、かかるリチウムイオン二次電池100の充電時の状態を模式的に示している。充電時においては、図7に示すように、リチウムイオン二次電池100の電極端子420、440(図1参照)は、充電器290に接続される。充電器290の作用によって、充電時には、正極活物質層223中の正極活物質からリチウムイオン(Li)が電解液280に放出される。また、正極活物質層223からは電荷が放出される。放出された電荷は、導電材(図示省略)を通じて正極集電体221に送られ、さらに、充電器290を通じて負極240へ送られる。また、負極240では電荷が蓄えられるとともに、電解液280中のリチウムイオン(Li)が、負極活物質層243中の負極活物質に吸収され、かつ、貯蔵される。
図8は、かかるリチウムイオン二次電池100の放電時の状態を模式的に示している。放電時には、図8に示すように、負極シート240から正極シート220に電荷が送られるとともに、負極活物質層243に貯蔵されたリチウムイオンが、電解液280に放出される。また、正極では、正極活物質層223中の正極活物質に電解液280中のリチウムイオンが取り込まれる。
ここでは、便宜上、図1のリチウムイオン二次電池100を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る二次電池の基本構造を説明する。上述したように、二次電池100(図1参照)は、捲回電極体200と、捲回電極体200を収容した電池ケース300と、電池ケース300に収容された電解液280(図7、図8参照)を備えている。捲回電極体200(図2参照)は、帯状の正極集電体221と、正極活物質層223と、負極集電体241と、負極活物質層243と、セパレータ262、264とを備えている。
かかる捲回電極体200を備えた二次電池100は、ハイレートでの充放電が繰り返される用途において、徐々に抵抗が増加する傾向を示す場合があった。ここで、ハイレートでの充放電が繰り返される用途とは、例えば、ハイブリッド車(HV),プラグインハイブリッド車(PHV),電気自動車(EV)などに搭載された車両駆動用電池において、加速と減速が繰り返されるような用途が想定されている。すなわち、かかる車両駆動用電池では、例えば、ハイブリッド車(HV)用として定格容量が3Ah以上の電池が好適に用いられる。さらに、車両駆動用電池に充電された電気エネルギーのみでの走行が可能なプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)では、さらに定格容量が15Ah以上の電池が好適に用いられる。
H:電池ケースの高さ
W:電池ケース300の幅(横幅)
Z:電池ケース300の対角距離
h1:捲回電極体200の高さ
w1:捲回電極体200の幅
z1:捲回電極体200の対角距離
w2:正極活物質層223の幅
z2:正極活物質層223の対角距離
100 リチウムイオン二次電池(二次電池)
200 捲回電極体
220 正極シート
221 正極集電体
222 未塗工部
223 正極活物質層
224、244 中間部分
240 負極シート
241 負極集電体
242 未塗工部
243 負極活物質層
252、254 開口(捲回電極体200内部への電解液の出入り口)
262、264 セパレータ
280 電解液
290 充電器
300 電池ケース
310、312 隙間
320 容器本体
322 蓋体340と容器本体320の合わせ目
340 蓋体
360 安全弁
420 電極端子
420a 先端部
440 電極端子
440a 先端部
610 正極活物質
620 導電材
630 バインダ
710 負極活物質
730 バインダ
1000 車両駆動用電池(組電池)
Claims (6)
- 捲回電極体;
前記捲回電極体を収容した電池ケース;及び、
前記電池ケースに収容された電解液;
を備え、
前記捲回電極体は、
帯状の正極集電体と、
前記正極集電体の幅方向片側の縁部に沿って設けられた未塗工部を除いて前記正極集電体の両面に保持された、正極活物質を含む正極活物質層と、
帯状の負極集電体と、
前記負極集電体の幅方向片側の縁部に沿って設けられた未塗工部を除いて前記負極集電体の両面に保持された、負極活物質を含む負極活物質層と、
前記正極活物質層と負極活物質層との間に介在したセパレータと、
を備え、
前記負極活物質層が、前記セパレータを介在させた状態において前記正極活物質層を覆い、
前記負極集電体の未塗工部は、前記正極集電体の幅方向において前記正極集電体の未塗工部とは反対側に配置されており、
当該正極集電体と負極集電体とは、前記正極集電体の幅方向に設定された捲回軸周りに捲回され、かつ、前記捲回軸に直交する一の方向に沿って扁平な形状を有している、
ここで、
当該捲回電極体は、
前記捲回軸に直交する一の方向に沿った当該捲回電極体の高さh1と、前記捲回軸に沿った前記正極活物質層の幅w2とで、(z2)=√{(h1)2+(w2)2}で規定される、前記正極活物質層の対角距離z2が、110mm≦z2≦140mmであり、かつ、
当該捲回電極体の縦横比(h1/w2)が、0.43≦(h1/w2)≦0.86である、
二次電池。 - 前記対角距離z2が、110mm≦z2≦120mmであり、かつ、前記縦横比(h1/w2)が、0.43≦(h1/w2)≦0.65である、
請求項1に記載された二次電池。 - 前記対角距離z2が、130mm≦z2≦140mmであり、かつ、
前記縦横比(h1/w2)が、0.58≦(h1/w2)≦0.78である、
請求項1に記載された二次電池。 - 前記捲回軸に沿った前記捲回電極体の幅w1と前記捲回軸に沿った前記正極活物質層の幅w2との比(w1/w2)が、1.20≦(w1/w2)≦1.38である、請求項1から3までの何れか一項に記載された二次電池。
- 前記電池ケースは、
前記捲回電極体の外形形状に沿った扁平な矩形の内部空間を有し、
前記捲回電極体の前記捲回軸に直交する一の方向に沿った前記電池ケースの高さHと、前記捲回軸に沿った前記電池ケースの幅Wとの比である電池ケースの縦横比(H/W)と、前記捲回電極体の縦横比(h1/w2)との比(H/W)/(h1/w2)が、0.78≦(H/W)/(h1/w2)≦0.94であり、
当該電池ケースについて、(Z)=√(H 2 +W 2 )で規定される、前記電池ケースの対角距離Zと、前記正極活物質層の対角距離z2との比(Z/z2)が、1.24≦(Z/z2)≦1.38である、
請求項1から4までの何れか一項に記載された二次電池。 - 前記幅Wと前記幅w2との差(W−w2)が、28mm≦(W−w2)≦43mmである、請求項5に記載された二次電池。
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