JP2015022913A - 負極活物質層形成用組成物の製造方法 - Google Patents

負極活物質層形成用組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定性の良好な負極活物質層形成用組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明により提供される製造方法は、負極活物質と増粘剤と分散剤と水とを含む電池の負極活物質層形成用組成物を製造する方法であって、負極活物質と分散剤と水とを混合する分散剤混合工程S10と、分散剤混合工程S10の後、得られた混合物と増粘剤とを混合する増粘剤混合工程S20とを包含する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電池の負極活物質層形成用組成物を製造する方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池やニッケル水素電池等の二次電池は、電気を駆動源とする車両搭載用電源、あるいはパソコン及び携帯端末その他の電気製品等に搭載される電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられている。
この種の二次電池の典型的な負極は、電荷担体となる化学種を可逆的に吸蔵および放出し得る負極活物質を主成分とする負極活物質層が負極集電体の上に形成された構成の負極を備える。かかる負極活物質層は、負極活物質をバインダ、増粘剤および分散剤とともに適当な溶媒を添加して調製したペーストまたはスラリー状組成物を負極集電体に付与(典型的には塗工乾燥)することによって形成される。上記負極の製造方法に関する従来技術として特許文献1が挙げられる。特許文献1には、リチウムを吸蔵、放出可能な負極材料、結着剤、増粘剤および分散剤を混練分散することによって得られる負極ペーストを、集電体上に塗着してなる負極板を備えるリチウム二次電池が記載されている。同公報では、負極材料、結着剤、増粘剤および分散剤の混合粉に水を加えて混合分散することで負極ペーストを調製している。
特開2000−251880号公報
ところで、増粘剤には、(1)ペースト状組成物を増粘させる、(2)負極活物質と水との親和性を持たせる、の2つの機能がある。負極活物質の量に対して増粘剤の量が少なすぎると、水に十分に分散せず、ペースト状組成物のハンドリングや安定性、塗工性や塗膜の均一性などが損なわれ、種々の不具合を引き起こす要因になり得る。一方、増粘剤の量が多すぎると、ペースト状組成物の粘度が増大しすぎて塗工できなくなり、また増粘剤が負極活物質の表面を被覆してリチウムイオンの出入りが妨げられることで、電池の内部抵抗が上昇する要因になり得る。少量の増粘剤でもペースト状組成物のハンドリング性や安定性を高めることができれば有用である。本発明は上記課題を解決するものである。
上記目的を実現するべく、本発明により、電池の負極活物質層形成用組成物を製造する方法が提供される。この製造方法は、負極活物質と分散剤と水とを混合する分散剤混合工程と、分散剤混合工程の後、得られた混合物と増粘剤とを混合する増粘剤混合工程とを包含する。かかる製造方法によれば、負極活物質と分散剤とが接触した後、増粘剤が投入される。増粘剤の投入前に負極活物質と分散剤とを接触させることで、分散剤の分散効果を高めることができ、少量の増粘剤でも上記組成物のハンドリング性や安定性を有効に高めることができる。
本発明の一実施形態に係る負極活物質層形成用組成物の製造フローを示す図である。 試験例に係る負極活物質層形成用組成物の製造フローを示す図である。 せん断速度とせん断粘度との関係を示すグラフである。 分散剤の添加量とIV抵抗との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される電池の負極活物質層形成用組成物を製造する方法の好適な実施形態の一つとして、リチウムイオン二次電池の負極活物質層形成用組成物を製造する方法を例にして図1に示すフローチャートを参照しつつ詳細に説明するが、本発明の適用対象をかかる電池に限定する意図ではない。
図1に示すように、ここに開示される製造方法は、負極活物質と増粘剤と分散剤と水とを含む電池の負極活物質層形成用組成物を製造する方法であって、負極活物質と分散剤と水とを混合する分散剤混合工程(ステップS10)と、分散剤混合工程の後、得られた混合物と増粘剤とを混合する増粘剤混合工程(ステップS20)と、バインダを投入して混合するバインダ混合工程(ステップS30)と、を包含する。以下、各工程を詳細に説明する。
ステップS10の分散剤混合工程は、負極活物質と分散剤と水とを混合する工程である。この実施形態では、分散剤混合工程は、分散剤と水とを混練機に投入して攪拌した後(ステップS12)、負極活物質を混練機に投入して混練することにより行われる(ステップS14)。上記混練に用いる混練装置は特に限定するものではないが、例えば、プラネタリーミキサー、ホモジナイザー、ディスパー、ボールミル、ニーダ、ミキサー等が挙げられる。特に、プラネタリーミキサーはブレード軸がタンク内で遊星運動し強力に混練することができるため好適に用いられる。
ここで開示される負極活物質層形成用組成物に用いられる負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、好適な負極活物質として、電荷担体(ここではリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な炭素材料が挙げられる。少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(炭素粒子)が好ましく用いられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもののいずれの炭素材料も好適に使用され得る。かかる負極活物質の平均粒径(D50径)としては、5μm〜20μm程度であることが好ましく、10μm〜15μm程度であることがより好ましい。また、負極活物質のタップ密度としては、1.2g/cm以下(例えば1g/cm以下)であることが好ましい。本明細書においてタップ密度とは、タッピング式の粉体減少度測定装置によって、250回タッピングさせ、その衝撃で固めた後、測定される密度である。
ここで開示される負極活物質層形成用組成物に用いられる分散剤としては、負極活物質や増粘剤やバインダの分散性を向上し得る分散剤であることが好ましい。また、上述し負極活物質の表面に吸着可能な構造をもつ分散剤を用いることが好ましい。このような条件を満たす分散剤を特に制限なく用いることができる。かかる分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ポリエーテル系、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸系、ポリカルボン酸アルキルエステル系、ポリアルキレンポリアミン系、アルキルスルホン酸系、高級アルコールアルキレンオキサイド系、多価アルコールエステル系、アルキレンポリアミン系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物系、アルキルアミン系、等の化合物を組成/分子構造の中に一つ以上含むものが挙げられる。中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよび/またはナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の使用が好ましい。
特に限定されるものではないが、負極活物質100質量部に対して分散剤の添加量は、凡そ0.05質量部以上であることが適当であり、好ましくは0.1質量部以上であり、特に好ましくは0.3質量部以上である。また、負極活物質100質量部に対して分散剤の添加量は、凡そ1質量部以下であることが適当であり、好ましくは0.8質量部以下であり、特に好ましくは0.5質量部以下である。
ステップS20の増粘剤混合工程は、分散剤混合工程で得られた混合物と増粘剤とを混合する工程である。この実施形態では、増粘剤混合工程は、分散剤混合工程において負極活物質と分散剤と水とを混練機で混練した後、増粘剤を混練機に投入して混練することにより行われる。
ここで開示される負極活物質層形成用組成物に用いられる増粘剤としては、負極活物質層形成用組成物の増粘剤として機能し得る水に溶解する材料であればよい。水に溶解して増粘剤として機能し得る材料としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC;典型的にはナトリウム塩)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)等のセルロース誘導体、または、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。これらのうち、セルロース誘導体(例えばCMC)を特に好ましく使用し得る。なお、このような材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に限定されるものではないが、負極活物質100質量部に対して増粘剤の添加量は、凡そ0.05質量部以上であることが適当であり、好ましくは0.1質量部以上であり、特に好ましくは0.3質量部以上である。また、負極活物質100質量部に対して増粘剤の添加量は、凡そ1質量部未満であることが適当であり、好ましくは0.8質量部以下であり、特に好ましくは0.5質量部以下であり、例えば0.3質量部以下である。
ステップS30のバインダ混合工程は、上記増粘剤混合工程で得られた混練物にバインダを投入して混合する工程である。この実施形態では、バインダとともに水を混練機に投入する。
ここで開示される負極活物質層形成用組成物に用いられるバインダとしては、バインダとして機能し得る水に分散するポリマー材料を用いることが好ましい。バインダとして機能し得る水に分散するポリマー材料としては、例えば、酢酸ビニル共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類、または、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂が例示される。なかでもスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)を好ましく使用し得る。なお、このようなポリマー材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ステップS30でバインダを投入し、混練することにより、最終的な負極活物質層形成用組成物が完成する。最終的な負極活物質層形成用組成物の固形分率は、目的に応じて適宜固形分率を選択することができるが、例えば56%以上(例えば56%〜90%)にすることが適当であり、好ましくは60%以上(例えば60%〜80%)である。
本実施形態の製造方法では、負極活物質と分散剤と水とを混合した後(ステップS10の分散剤混合工程)、得られた混合物と増粘剤とを混合する(ステップS20の増粘剤混合工程)ので、負極活物質と分散剤とが接触した後、増粘剤が投入される。このように増粘剤の投入前に負極活物質と分散剤とを先に接触させることで、分散剤の分散効果を高めることができ、少量(例えば負極活物質100質量部に対して0.1質量部〜0.3質量部)の増粘剤でも上記組成物のハンドリング性や安定性(沈降性、沈みにくさ)を有効に高めることができる。すなわち、このようにして得られた負極活物質層形成用組成物は、静置時の安定性(沈みにくさ)に優れ、また塗工時やフィルタリング(例えばフィルタを通してバインダの凝集物等を除去する処理)時のハンドリングも良好である。また、電池としての内部抵抗となり得る増粘剤の量を極めて少なくできることから、該負極活物質層形成用組成物を用いて形成された電池の出力特性を高めることが可能になる。
ここで開示される製造方法により得られる負極活物質層形成用組成物の好適例として、せん断速度1s−1で測定したときの負極活物質層形成用組成物の粘度が、2000mPa・s以上(好ましくは3000mPa・s)であり、かつ、せん断速度1000s−1で測定したときの負極活物質層形成用組成物の粘度が、2000mPa・s未満(好ましくは1500mPa・s以下)の範囲であるものが挙げられる。このような所定範囲内の粘度を有することにより、ハンドリング性と安定性(沈みにくさ)との双方を満足する負極活物質層形成用組成物とすることができる。
負極(負極シート)を形成する際には、上記調製した負極活物質層形成用組成物をシート状の負極集電体に塗布して該集電体上に負極活物質層を形成するとよい。負極集電体の表面に上記調製した負極活物質層形成用組成物を塗布し、該組成物に含まれる溶媒である水を揮発させて乾燥させることにより負極活物質層を形成することができる。このようにして、負極集電体上に負極活物質層が形成された負極を得ることができる。
ここに開示される方法により製造された負極活物質層形成用組成物を用いて形成された負極を備えるリチウムイオン二次電池を構成するその他の材料および部材自体は、従来同種のリチウムイオン二次電池に備えられるものと同様でよく、特に制限はない。以下、その他の構成要素について説明するが、本発明を係る実施形態に限定することを意図したものではない。
例えば、正極(正極シート)は、シート状の正極集電体(例えばアルミニウム箔)の上に正極活物質層が形成された構成であり得る。上記正極活物質層は、正極活物質、および必要に応じて添加される導電材、バインダ、増粘剤等の各種添加材を適当な溶媒に混合されてなる組成物(正極活物質層形成用組成物)を正極集電体に塗布し、該溶媒を乾燥させて圧縮成型することにより形成される。
上記正極活物質としては、リチウムを吸蔵および放出可能な材料が用いられ、従来からリチウム二次電池に用いられる物質(例えば層状構造の酸化物やスピネル構造の酸化物)の一種または二種以上を特に限定することなく使用される。例えば、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物等のリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。
上記導電材としては、カーボン粉末やカーボンファイバー等の導電性粉末材料が好ましく用いられる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック)、グラファイト粉末等を用いることができる。
また、正負極シート間に使用されるセパレータシートの好適例としては、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。例えば、合成樹脂製(例えばポリエチレン等のポリオレフィン製)多孔質セパレータシートを好適に使用し得る。
例えば正極シートおよび負極シートを計二枚のセパレータシートとともに積層して捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状の捲回電極体が作製される。
かかる構成の捲回電極体を箱型の電池ケースに収容し、そのケース内に適当な非水電解液を配置(注液)する。非水電解液としては、従来のリチウムイオン電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。例えば、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に支持塩としてのLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させた非水電解液を用いることができる。
上記非水電解液を捲回電極体とともに電池ケースに収容し、電池ケースの開口部を封止することにより、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の構築が完成する。
<試験例1>
本発明に係る負極活物質層形成用組成物を作製し、該組成物の沈降性および粘度を評価した。また、該組成物を用いて試験用リチウムイオン二次電池を構築し、電池のIV抵抗を評価した。以下、具体的な方法を示す。
<サンプル1>
負極活物質層形成用組成物の作製を目的として、図1に示すように、分散剤としてのポリオキシエチレンアルキルエーテル0.3質量部と水とをプラネタリーミキサーに投入して攪拌した後、負極活物質としての天然黒鉛(平均粒径11.3μm)100質量部を投入し、20分間混練した(分散剤混合工程)。次いで、増粘剤としてのCMC0.3質量部を投入し、20分間混練した(増粘剤混合工程)。その後、バインダとしてのSBR1質量部および水を投入して混合し、目的の負極活物質層形成用組成物を得た。なお、最終的な負極活物質層形成用組成物の固形分率は57質量%となるように調整した。
<サンプル2、3>
サンプル2では、CMCの添加量を1質量部に変更したこと以外はサンプル1と同じ構成とした。サンプル3では、CMCを添加しなかったこと以外はサンプル1と同じ構成とした。
<サンプル4、5>
サンプル4では、図2に示すフローで負極活物質層形成用組成物を作製した。具体的には、CMC(増粘剤)1質量部と天然黒鉛(負極活物質)100質量部とを粉体の状態でプラネタリーミキサーで混合し、固形分率が62%となるように水を投入し、20分間混練した。さらにSBR(バインダ)1質量部および水を投入して混練し、最後にポリオキシエチレンアルキルエーテル(分散剤)0.3質量部および水を投入して5分間混練し、目的の負極活物質層形成用組成物を得た。最終的な負極活物質層形成用組成物の固形分率は57質量%となるように調整した。サンプル5では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(分散剤)を添加しなかったこと以外はサンプル4と同じ構成とした。
上記得られた各サンプルの組成物について、沈降性を確認するため、該組成物を1日静置した後の上澄み液を採取し、固形分率を測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、増粘剤と負極活物質と水とを混合した後、分散剤を投入したサンプル4(図2参照)は、1日放置後の上澄み液の固形分率が低く(すなわち沈降が大きく)、安定性に欠けていた。これに対し、分散剤と負極活物質と水とを混合した後、増粘剤を投入したサンプル1、2(図1参照)は、サンプル4に比べて上澄み液の固形分率が高く(すなわち沈降が少なく)、良好な安定性を示した。サンプル1、2では、増粘剤の投入前に負極活物質と分散剤とが接触することで、分散剤の分散効果が高まり、組成物の安定性を有効に高めることができたものと推測される。なお、増粘剤を投入しなかったサンプル3では、作製直後に沈降が始まった。
また、上記得られた各サンプルの組成物について、せん断粘度を評価した。せん断粘度は、市販されるB型粘度計を用い、液温を25℃に調整して、せん断速度を変えつつ測定した。結果を図3に示す。図3は、各サンプルの組成物について、せん断速度(s−1)とせん断粘度(mPa・s)との関係を示すグラフである。ここでは低せん断速度(例えば0.1〜1s−1)のときの粘度が高いほど、安定性が良い(沈降しにくい)ことを示唆している。また、高せん断速度(例えば100〜10000s−1)のときの粘度が低いほど、塗工やフィルタリングのときのハンドリング性が良好であることを示唆している。
図3に示すように、分散剤と負極活物質と水とを混合した後、増粘剤を投入したサンプル1は、増粘剤と負極活物質と水とを混合した後、分散剤を投入したサンプル4に比べて、低せん断速度(例えば0.1〜1s−1)のときの粘度が高く、より良好な安定性を示した。また、サンプル1は、増粘剤と負極活物質と水とを混合した後、分散剤を投入しなかったサンプル5に比べて、高せん断速度(例えば100〜10000s−1)のときの粘度が低く、ハンドリング性が良好であることが確認された。
さらに、各サンプルの負極活物質層形成用組成物を用いて評価用セル(リチウムイオン二次電池)を構築し、IV抵抗を評価した。評価用セルは、以下のようにして作製した。
各サンプルの負極活物質層形成用組成物を長尺シート状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が設けられた負極シートを作製した。
正極活物質としてのニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/3)粉末100質量部と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)5質量部と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)2質量部とをN−メチルピロリドン(NMP)に加えて正極活物質層形成用組成物を調製し、これを長尺シート状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が設けられた正極シートを作製した。
正極シートおよび負極シートを2枚のセパレータ(ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)からなる三層構造のシート状部材を使用した。)を介して捲回し、得られた捲回体を側面方向から押しつぶすことにより、扁平状の捲回電極体を作製した。このようにして得られた捲回電極体を非水電解質(非水電解液)とともに電池ケース(ここでは角型を使用した。)に収容し、電池ケースの開口部を気密に封口した。非水電解液としてはエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に支持塩としてのLiPFを約1mol/リットルの濃度で含有させた非水電解液を使用した。このようにして評価用セルを組み立てた。かかる評価用セルの定格容量は凡そ480mAhである。
上記得られた各サンプルの評価用セルのそれぞれについて、低温でIV抵抗を測定した。IV抵抗は、電池をSOC60%の充電状態とし、−30℃の環境下で、1Cで放電処理を行い、放電10秒後の電圧降下から算出した。結果を表1に示す。
表1に示すように、分散剤と負極活物質と水とを混合した後、増粘剤を投入したサンプル1は、増粘剤と負極活物質と水とを混合した後、分散剤を投入したサンプル4や、増粘剤と負極活物質と水とを混合した後、分散剤を投入しなかったサンプル5に比べて、IV抵抗が低く、出力特性が良好であることが確認された。なお、増粘剤の添加量を1質量部とし、かつ、分散剤の添加量を0.3質量部としたサンプル2は、組成物の粘度が高すぎたため、塗工できなかった。塗工性の観点からは、増粘剤の添加量は0.3質量部以下にすることが好ましい。
<試験例2>
本例では、表2に示すように、増粘剤および分散剤の添加量が異なる評価用セルを構築し、低温でのIV抵抗を評価した。ここではナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を主体とする分散剤を用いた。また、最終的な負極活物質層形成用組成物の固形分率は58%となるように調整した。それ以外は試験例1と同じ構成とした。具体的には、サンプル6〜8は、サンプル1と同様に、分散剤と負極活物質と水とを混合した後、増粘剤を投入した。また、サンプル9は、サンプル5と同様に、増粘剤と負極活物質と水とを混合した後、分散剤を投入しなかった。また、サンプル10〜12は、サンプル4と同様に、増粘剤と負極活物質と水とを混合した後、分散剤を投入した。結果を図4に示す。図4は、各サンプルの分散剤の添加量(質量部)とIV抵抗(mΩ)との関係を示すグラフである。
図4に示すように、分散剤の添加量が減少するに従いIV抵抗は低下傾向となった。特に、分散剤と負極活物質と水とを混合した後、増粘剤を投入し、かつ、増粘剤の添加量を0.3質量部以下とし、分散剤の添加量を0.5質量部以下としたサンプル6、7は、他のサンプル8〜12に比べて、良好な結果が得られた。すなわち、サンプル6、7では、分散剤の適用と混練フローの工夫によって安定した組成物を作製でき、かつ高性能な電池が得られることが確認できた。
以上、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を説明したが、本発明に係る二次電池は、上述した何れの実施形態にも限定されず、種々の変更が可能である。
上述したように、本発明は電池(例えば、リチウムイオン二次電池)の性能向上に寄与し得る。本発明は、ハイブリッド車や、電気自動車の駆動用電池など車両駆動電源用のリチウムイオン二次電池に好適である。すなわち、リチウムイオン二次電池は、例えば、自動車などの車両のモータ(電動機)を駆動させる車両駆動用電源として好適に利用され得る。車両駆動用電源は、複数の二次電池を組み合わせた組電池としてもよい。
S10 分散剤混合工程
S20 増粘剤混合工程

Claims (1)

  1. 負極活物質と増粘剤と分散剤と水とを含む電池の負極活物質層形成用組成物を製造する方法であって、
    負極活物質と分散剤と水とを混合する分散剤混合工程と、
    前記分散剤混合工程の後、得られた混合物と増粘剤とを混合する増粘剤混合工程と
    を包含する、負極活物質層形成用組成物の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016212990A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 富士フイルム株式会社 全固体二次電池、電極活物質層用組成物および全固体二次電池用電極シートならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法
JP2017016883A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 トヨタ自動車株式会社 電極形成用ペーストおよび非水電解質二次電池

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