JP2017016883A - 電極形成用ペーストおよび非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充電可能な電池一般をいい、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の化学反応を伴ういわゆる化学電池と、電気二重層キャパシタ等のいわゆる物理電池とを包含する用語である。また、本明細書において「活物質」とは、二次電池において電荷担体となる化学種を可逆的に吸蔵および放出(典型的には挿入および脱離)可能な活物質をいう。また、本明細書中において言及するペーストの粘度は、常温において測定された粘度の値を示している。ここで「常温」とは15〜35℃の温度範囲をいい、典型的には20〜30℃の温度範囲(例えば25℃)をいう。例えばペーストの粘度は、コーンプレート式粘度計のコーンプレートを25℃に設定し、ペーストを滴下してから1分間温度調整を行った後、測定した値が採用される。
ここに開示される負極形成用ペーストは、負極活物質、バインダ、増粘剤および分散剤が溶媒とともに混合された組成物であり、上記負極活物質とバインダと増粘剤と分散剤とが高固形分で含有されたペーストまたはスラリー状組成物を包含する。すなわち、ここに開示される負極形成用ペーストは、負極活物質とバインダと増粘剤と分散剤と溶媒とを含んでいる。
上記負極形成用ペーストに用いられる負極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、天然黒鉛、人造黒鉛、グラファイト、アモルファスカーボン等の炭素系材料が挙げられる。このような材料(典型的には粒子状)としては、例えば、従来公知の方法で調製される材料粉末をそのまま使用することができる。例えば、レーザ回折・散乱法に基づく平均粒径(D50径)が凡そ5μm〜25μm(好ましくは8μm〜15μm)の範囲にある粒子によって実質的に構成された材料粉末を負極活物質として好ましく用いることができる。また、負極活物質のタップ密度としては、概ね0.9g/cm3〜1.2g/cm3が適当であり、好ましくは0.95g/cm3〜1.15g/cm3である。ここでタップ密度とは、タッピング式の粉体減少度測定装置によって、タッピングさせ、その衝撃で固めた後、測定される密度である。このようなタップ密度を有する負極活物質を用いることによって、電池性能に悪影響を与えることなく、ペーストの塗工性をより良く向上し得る。
上記負極形成用ペーストに用いられるバインダとしては、活物質同士あるいは活物質と集電体間を結合する機能があり、かつ使用する溶媒に分散可溶な材料を用いることができる。例えば、水性溶媒を用いた負極形成用ペーストにおいては、スチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)、アラビアゴム等のゴム類;などの水分散性ポリマーを好ましく採用することができる。なかでもスチレンブタジエンブロック共重合体(SBR)を好ましく使用し得る。また、非水溶媒を用いた負極形成用ペーストにおいては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重含体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等のフッ素系樹脂;などのポリマーを好ましく採用することができる。このような材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。バインダの含有量としては特に限定されないが、負極活物質100質量部に対して概ね0.1質量部〜10質量部が適当であり、好ましくは0.5質量部〜5質量部、より好ましくは0.8質量部〜2質量部である。
上記負極形成用ペーストに用いられる増粘剤としては、該ペーストを増粘させる機能がある材料を用いることができる。例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC;典型的にはナトリウム塩)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)等のセルロース誘導体、または、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。これらのうち、セルロース誘導体(例えばCMC)を特に好ましく使用し得る。このような材料は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。増粘剤の含有量としては特に限定されないが、負極活物質100質量部に対して概ね0.5質量部〜5質量部が適当であり、好ましくは0.7質量部〜2質量部、より好ましくは0.7質量部〜1質量部である。このように増粘剤を所定割合で含ませることにより、電池性能に悪影響を与えることなく、ペーストの経時安定性をより良く向上し得る。
ここに開示される負極形成用ペーストは、分散剤として下記一般式(A)により表されるウレタン化合物をさらに含有する。このように下記式(A)で表される化合物を分散剤として含ませることにより、塗工性に優れた電極形成用ペーストが実現され得る。
抵抗低減の観点から、例えば、分散剤の含有量は、負極活物質100質量部に対して0.5質量部以下が適当であり、好ましくは0.4質量部以下である。
上述した負極活物質、バインダ、増粘剤および分散剤を分散させる溶媒としては、従来のこの種のペースト材料に用いられているものを特に制限なく使用することができ、水系溶媒および非水系溶媒(例えばN‐メチルピロリドン(NMP))の何れも使用可能である。典型的には、水または水を主体とする混合溶媒が好ましく用いられる。かかる混合溶媒を構成する水以外の溶媒成分としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、該水系溶媒の80質量%以上(より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上)が水である水系溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒が挙げられる。
ここで開示される負極形成用ペーストは、目的に応じて適宜固形分率を選択することができるが、通常は乾きやすくなる55質量%以上とすることが好ましく、例えば59質量%〜75質量%の範囲が適当であり、より好ましくは60〜70質量%であり、特に好ましくは60質量%〜65質量%である。
また、ここで開示される負極形成用ペーストは、高固形分であるにも拘わらず塗工性の良好なものであり得る。例えば、せん断速度:1000s−1のときの粘度αがα≦1000mPa・s(例えば500mPa・s≦α≦1000mPa・s)、好ましくはα≦998mPa・s、より好ましくはα≦980mPa・s、特に好ましくはα≦950mPa・sであり得る。せん断速度:1000s−1における粘度αをα≦1000mPa・sとした負極形成用ペーストは、流動性が高く(ダイコーター等の細く狭い流路を通りやすく)、塗工性が良好である。そのため、該ペーストを集電体に塗工した際、塗工面にスジや厚みムラが生じることを防止することができる。
すなわち、α≦1000mPa・sかつ1000mPa・s≦βであるような粘度α、βを両立して有することにより、ペーストの経時安定性および塗工性がいずれも良好であるので、塗工不良の発生を回避しつつ、表面が平滑で、負極活物質層が負極集電体から剥がれ難く、内部抵抗のより低い高性能な負極を形成することができる。
実施例および比較例で用いたウレタン化合物(分散剤)は以下のようにして合成した。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:1)を431部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量1350)を675部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを168部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤1)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:1)を43.0部、ラノステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:1)を47.0部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量13200)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを33.6部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤2)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:15)を524部、アグノステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:15)を543部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量1350)を675部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを168部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤3)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:15)を105部、ラノリンアルコールエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:15)を105部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量13200)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを33.6部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤4)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、ラノステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:5)を129部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量6600)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを50.4部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤5)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、ラノステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:5)を32.4部、アグノステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:5)を32.4部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量6600)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを42部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤6)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、ラノステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:5)を129部、ラノリンアルコールエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:5)を121部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量6600)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを67.2部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤7)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、アグノステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:5)を129部、ラノリンアルコールエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:5)を121部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量6600)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを67.3部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤8)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:5)を121部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量6600)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを50.5部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(分散剤9)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:15)を105部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量17600)を880部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを16.8部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(比較用化合物1)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:15)を1047部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを84.1部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(比較用化合物2)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:30)を342部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量6600)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを50.5部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(比較用化合物3)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:15)を169部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量13200)を1320部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを33.6部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(比較用化合物4)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:80)を1564部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量220)を22.0部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを50.5部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(比較用化合物5)を得た。
温度計、窒素導入管および高粘度用攪拌機を付した容量2000mlの4つ口フラスコに、コレステロールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:80)を391部、ポリエチレングリコ−ル(数平均分子量31000)を775部入れ、低圧下(5〜10mmHg)にて80〜90℃で3時間脱水し、系の水分含量を0.03%とした。次いで、70℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネ−トを12.6部加え、窒素気流下85〜90℃でイソシアネ−ト含量が0%になるまで反応させ(3時間)、淡黄色粘稠液状の反応生成物(比較用化合物6)を得た。
負極形成用ペーストは、以下のようにして調製した。
負極活物質としての天然黒鉛粉末(平均粒径:12.2μm、タップ密度:1.13g/cm3)100部と増粘剤としてのCMC0.7部と水とを順次プラネタリーミキサーに投入してペースト状に混練した後、バインダとしてのSBR1部を投入し、さらに上記製造例1で得られた分散剤1を0.3部投入し、負極形成用ペーストを調製した。負極形成用ペーストの最終固形分率は60%となるように調節した。
実施例2〜6では、分散剤1に代えて、上記製造例2〜6で得られた分散剤2〜6をそれぞれ使用したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
実施例7では、分散剤1に代えて、上記製造例7で得られた分散剤7を用い、かつ、分散剤7の使用量を0.1部に変更したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
実施例8では、分散剤1に代えて、上記製造例8で得られた分散剤8を用い、かつ、分散剤8の使用量を0.5部に変更したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
実施例9では、分散剤1に代えて、上記製造例9で得られた分散剤9を用い、かつ、分散剤9の使用量を0.7部に変更したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
比較例1では、分散剤1を用いなかったこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
比較例2〜7では、分散剤1に代えて、上記比較製造例1〜6で得られた比較用化合物1〜6をそれぞれ使用したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
比較例8では、分散剤1に代えて、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:2.2、商品名:BLAUNON EL−1502.2:青木油脂工業株式会社製)からなる非イオン界面活性剤を使用したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
比較例9では、分散剤1に代えて、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:7、商品名:BLAUNON EL−1507:青木油脂工業株式会社製)からなる非イオン界面活性剤を使用したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
比較例10では、分散剤1に代えて、ラウリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数:21、商品名:BLAUNON EL−1521:青木油脂工業株式会社製)からなる非イオン界面活性剤を使用したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
比較例11では、分散剤1に代えて、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名:ネオペレックス G−65:花王株式会社製)からなるアニオン界面活性剤を使用したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
比較例12では、分散剤1に代えて、β‐ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(商品名:デモール RN:花王株式会社製)からなるアニオン界面活性剤を使用したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
比較例13では、分散剤1に代えて、ポリアクリル酸ナトリウム塩(商品名:Sokalan PA 25 CL:BASF社製)からなるアニオン界面活性剤を使用したこと以外は実施例1と同様の手順で負極形成用ペーストを調製した。
負極シートは次のようにして作製した。実施例1〜9の負極形成用ペーストを、銅箔(負極集電体)上に塗布し、乾燥させて負極活物質層を形成した。次いで、負極活物質層を圧延して負極シートを作製した。何れの負極シートにおいても、塗工面にスジや厚みムラはなく、表面が平滑な負極シートが得られた。
正極シートは次のようにして作製した。正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2粉末と、導電材としてのABと、バインダとしてのPVdFとを、これら材料の質量比率が93:4:3となるようにNMPで混練し、正極形成用ペーストを調製した。このペーストを、アルミニウム箔(正極集電体)上に塗布し、乾燥させて正極活物質層を形成した。次いで、該正極活物質層を圧延して正極シートを作製した。
上記負極シートと2枚の正極シートとを正極活物質層と負極活物質層とが対向するように交互に積層し、両シートの間にセパレータ(PP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン)/PP(ポリプロピレン)を積層した多孔質シートを使用した。)を挿入して電極体を作製した。この電極体を非水電解液とともにラミネート袋に挿入して試験用リチウムイオン二次電池(ラミネートセル)を構築した。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:3:4の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPF6を約1mol/リットルの濃度で含有させたものを用いた。
40 捲回電極体
50 正極シート
52 正極集電体
53 正極活物質層
60 負極シート
62 負極集電体
63 負極活物質層
72、74 セパレータ
80 電解液
100 リチウムイオン二次電池
Claims (8)
- 非水電解質二次電池の電極を形成するためのペーストであって、
活物質とバインダと増粘剤と分散剤と溶媒とを含み、
前記分散剤は、下記一般式(A):
で表されるウレタン化合物である、電極形成用ペースト。 - 前記分散剤の含有量は、前記活物質100質量部に対して0.1質量部〜0.5質量部である、請求項1に記載の電極形成用ペースト。
- 前記増粘剤の含有量は、前記活物質100質量部に対して少なくとも0.7質量部である、請求項1または2に記載の電極形成用ペースト。
- せん断速度:1000s−1のときの前記ペーストの粘度が998mPa・s以下である、請求項1〜3の何れか一つに記載の電極形成用ペースト。
- 前記式(A)中のcは、1以上4以下の整数である、請求項1〜4の何れか一つに記載の電極形成用ペースト。
- 集電体上に活物質層が形成された電極を備える非水電解質二次電池であって、
前記活物質層は、活物質とバインダと増粘剤と分散剤とを含み、
前記分散剤は、下記一般式(A):
で表されるウレタン化合物であり、
前記活物質層中に含まれる前記分散剤の含有量は、前記活物質100質量部に対して0.1質量部〜0.5質量部である、非水電解質二次電池。 - 前記活物質層中に含まれる前記増粘剤の含有量は、前記活物質100質量部に対して少なくとも0.7質量部である、請求項6に記載の非水電解質二次電池。
- 前記式(A)中のcは、1以上4以下の整数である、請求項6または7に記載の電極形成用ペースト。
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Patent Citations (2)
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JP2003292937A (ja) * | 2002-03-29 | 2003-10-15 | San Nopco Ltd | 増粘剤組成物 |
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WO2022085694A1 (ja) * | 2020-10-21 | 2022-04-28 | 旭化成株式会社 | 非水系アルカリ金属蓄電素子および正極塗工液 |
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