JP2016212990A - 全固体二次電池、電極活物質層用組成物および全固体二次電池用電極シートならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 - Google Patents
全固体二次電池、電極活物質層用組成物および全固体二次電池用電極シートならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
全固体二次電池のさらなる利点としては、電極のスタックによる高エネルギー密度化に適していることが挙げられる。具体的には、電極と電解質を直接並べて直列化した構造を持つ電池にすることができる。このとき、電池セルを封止する金属パッケージ、電池セルをつなぐ銅線やバスバーを省略することができるので、電池のエネルギー密度が大幅に高められる。また、高電位化が可能な正極材料との相性の良さなども利点として挙げられる。
また、特許文献2に記載の全固体リチウムイオン二次電池では、電極合材層や固体電解質層をバインダーの非存在下、焼結や圧粉といったドライプロセスで作製している。そのため、活物質粒子とイオン導電性助剤粒子との間に良好な界面が形成されず、電極合材層における活物質粒子の比率を高めると、電池の容量が高くなる反面、イオン導電性助剤粒子によるイオン伝導パスが形成されにくくなり、電池の出力が低くなる問題がある。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有する全固体二次電池であって、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
負極活物質層が下記式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池。
LixαMα yαOzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
(2)正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層に含まれる電極活物質の含有割合が、各層を構成する全固形分に対し90質量%以上である(1)に記載の全固体二次電池。
(3)負極活物質がLi4Ti5O12である(1)または(2)に記載の全固体二次電池。
(4)正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層の厚みが、50μm以上500μm未満である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(5)バインダーの少なくとも1種が、平均粒子径0.05μm〜20μmのポリマー粒子である(1)〜(4)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(6)バインダーの少なくとも1種が、下記式(I)で表される部分構造を有する(1)〜(5)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(7)正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層が分散剤を含有し、
分散剤が、分子量180以上3,000未満であって、かつ、下記官能基群(I)から選択される少なくとも1種の官能基と、炭素数8以上のアルキル基または炭素数10以上のアリール基とを有する化合物である(1)〜(6)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
官能基群(I):酸性基、塩基性窒素原子を有する基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基及びヒドロキシ基。
(8)固体電解質層が、非水系分散媒体によって硫化物系固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し、製膜する(1)〜(7)のいずれか1つに記載の全固体二次電池の製造方法。
(9) (1)〜(7)のいずれか1つに記載の全固体二次電池の正極活物質層または負極活物質層を形成する電極活物質層用組成物であって、
電極活物質層用組成物は、
無機固体電解質の含有量が、電極活物質層用組成物を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、電極活物質及びバインダーを含有し、かつ、
負極活物質層を形成する電極活物質層用組成物に含有される電極活物質が、下記式(α)で表される負極活物質である電極活物質層用組成物。
LixαMα yαOzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
(10) (9)に記載の電極活物質層用組成物を金属箔上に適用し、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
(11)正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有する全固体二次電池用電極シートであって、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
負極活物質層が下記式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池用電極シート。
LixαMα yαOzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基が複数あるとき、あるいは複数の置換基等(置換基数の規定も同様)を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに結合したり縮合したりして環を形成していてもよい。
本明細書において、単に「アクリル」と記載するときは、メタアクリルおよびアクリルの両方を含む意味で使用する。
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
負極活物質層が後述の式(α)で表される負極活物質を含有する。
ここで、本発明において、正極活物質層および負極活物質層における無機固体電解質は任意成分である。
以下、その好ましい実施形態について説明する。
以下、本発明の全固体二次電池を構成する正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の構成要素を説明する。なお、各層の構成要素は、それぞれ対応する層の成形材料として用いられる固体電解質組成物、電極活物質層用組成物の含有成分として、好ましく適用される。
本明細書において、正極活物質層と負極活物質層をあわせて電極活物質層(電極層)と称することがある。
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことであり、固体電解質とは、その内部においてイオンを移動させることができる固体のことである。
無機固体電解質は、有機物すなわち炭素原子を含まないことから、有機固体電解質(PEO(ポリエチレンオキサイド)などに代表される高分子電解質、LiTFSI〔リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〕などに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態では固体であるため、カチオンおよびアニオンが解離または遊離しておらず、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離している無機電解質塩(LiPF6、LiBF4、LiFSI〔リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド〕、LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有するものであれば特に限定されず電子伝導性を有さないものが一般的である。
硫化物系固体電解質は、硫黄(S)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば下記式(1)で示される組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が挙げられる。
酸化物系固体電解質は、酸素(O)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではない。
その中でも、LixLayTiO3〔x=0.3〜0.7、y=0.3〜0.7〕(LLT)、LixLayZrzMmOn(MはAl,Mg,Ca,Sr,V,Nb,Ta,Ti,Ge,In,Snの少なくとも1種以上の元素でありxは5≦x≦10を満たし、yは1≦y≦4を満たし、zは1≦z≦4を満たし、mは0≦m≦2を満たし、nは5≦n≦20を満たす。)、Li7La3Zr2O12(LLZ)、Li3BO3、Li3BO3−Li2SO4、Lix(Al,Ga)y(Ti,Ge)zSiaPmOn(ただし、1≦x≦3、0≦y≦1、0≦z≦2、0≦a≦1、1≦m≦7、3≦n≦13)が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機固体電解質粒子を、水(水に不安定な物質の場合はヘプタン)を用いて1質量%の分散液を調製する。この分散液試料を用い、「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920」(商品名、HORIBA社製)を用いて、無機固体電解質粒子の体積平均粒子径を測定する。
なお、本明細書において固形成分とは、170℃で6時間乾燥処理を行ったときに、揮発ないし蒸発して消失しない成分を言う。典型的には、後述の分散媒体以外の成分を指す。
本発明において、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有する。
本発明に用いられるバインダーは、有機ポリマーであれば特に限定されない。
本発明に用いることができるバインダーは、通常、電池材料の正極または負極用結着剤として用いられるバインダーが好ましく、特に制限されない。バインダーを構成する樹脂は、例えば、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP))、炭化水素系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素添加スチレンブタジエンゴム(HSBR)、ブチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂またはそれらの組み合わせなどが挙げられる。これらのなかでも特にアクリル系樹脂とウレタン系樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂が最も好ましい。
アミド結合を有するポリマーとして、ポリアミド、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
ポリアミドは、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物とを縮合重合するか、ラクタムを開環重合することによって得ることができる。
ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1−メチルエチルジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4,4’−アミノヘキシル)メタン、パラキシリレンジアミンが挙げられる。また、ポリプロピレンオキシ鎖を有するジアミンとして、例えば、上市されている市販品として、「ジェファーミン」シリーズ(商品名、ハンツマン社製、三井化学ファイン社製)を用いることができる。「ジェファーミン」シリーズの例として、ジェファーミンD−230、ジェファーミンD−400、ジェファーミンD−2000、ジェファーミンXTJ−510、ジェファーミンXTJ−500、ジェファーミンXTJ−501、ジェファーミンXTJ−502、ジェファーミンHK−511、ジェファーミンEDR−148、ジェファーミンXTJ−512、ジェファーミンXTJ−542、ジェファーミンXTJ−533、ジェファーミンXTJ−536等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸類、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、パラキシリレンジカルボン酸、メタキシリレンジカルボン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸が挙げられる。
ウレア結合を有するポリマーとしてはポリウレアが挙げられる。ジイソシアネート化合物とジアミン化合物とをアミン触媒存在下で縮合重合することによってポリウレアを合成することができる。
ジイソシアネート化合物の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)−ジイルジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が好ましい。
ジアミン化合物の具体例としては、上述の化合物例等が挙げられる。
イミド結合を有するポリマーとしては、ポリイミドが挙げられる。ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを付加反応させてポリアミック酸を形成した後、閉環することで得られる。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、などを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。
テトラカルボン酸成分としては、s−BPDAおよびPMDAの少なくとも一方を含むことが好ましく、例えばテトラカルボン酸成分100モル%中にs−BPDAを好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは75モル%以上含む。テトラカルボン酸二無水物は、剛直なベンゼン環を有していることが好ましい。
ジアミン化合物は、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリカーボネート鎖、又はポリエステル鎖の両末端にアミノ基を有する構造が好ましい。
ウレタン結合を有するポリマーとしては、ポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンは、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とをチタン、スズ、ビスマス触媒存在下で縮合重合することで得られる。
ジイソシアネート化合物としては、上述の化合物例が挙げられる。
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、平均分子量200、400、600、1000、1500、2000、3000、7500のポリエチレングリコール)、ポリプロピレングリコール(例えば、平均分子量400、700、1000、2000、3000、または4000のポリプロピレングリコール)、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体などが挙げられる。
本発明では、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層に含まれるバインダーの少なくとも1種が、平均粒子径0.05μm〜20μmのポリマー粒子であることが好ましく、正極活物質層および負極活物質層に含まれる全てのバインダーが、平均粒子径0.05μm〜20μmのポリマー粒子であることがより好ましい。
ポリマー粒子を任意の溶媒(固体電解質組成物の調製に用いる分散媒体。例えば、ヘプタン)を用いて20mlサンプル瓶中で1質量%の分散液を希釈調製する。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用する。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて、温度25℃で測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、得られた体積平均粒子径を平均粒子径とする。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を作製して測定し、その平均値を採用する。
なお、作製された全固体二次電池からの測定は、例えば、電池を分解し電極を剥がした後、その電極材料について上記ポリマー粒子の平均粒子径の測定方法に準じてその測定を行い、あらかじめ測定していたポリマー粒子以外の粒子の平均粒子径の測定値を排除することにより行うことができる。
また既存のポリマーを機械的に破砕する方法や、ポリマー液を再沈殿によって微粒子状にする方法を用いてもよい。
マイクロディスパーズシリーズ(テクノケミカル(株)社製、例えば、マイクロディスパーズ−200(PTFE粒子、200nm)、マイクロディスパーズ−3000(PTFE粒子3μm)、マイクロディスパーズ−8000(PTFE粒子、8μm))、ディスパーズイージー−300(PTFE粒子、200nm、テクノケミカル(株)社製)、
FluonADシリーズ(旭硝子(株)社製、例えば、FluonAD911E、FluonAD915E、FluonAD916E、FluonAD939E)、
アルゴフロンシリーズ(ソルベイ(株)社製、例えば、アルゴフロンF(PTFE粒子、15〜35μm)、アルゴフロンS(PTFE粒子、15〜35μm))、
ルブロンシリーズ(ダイキン(株)社製、例えば、ルブロンL−2(PTFE粒子、3.5μm)、ルブロンL−5(PTFE粒子、5μm)、ルブロンL−5F(PTFE粒子、4.5μm))
ソフトビーズ、ザイクセン(ポリオレフィンエマルジョン)、セポルジョンG(ポリオレフィンエマルジョン)、セポレックスIR100(ポリイソプレンラテックス)、セポレックスCSM(クロロスルホン化ポリエチレンラテックス)、フローセン(ポリエチレン粉末)、フローセンUF(ポリエチレン粉末)、フローブレン(ポリプロピレン粉末)、フロービーズ(ポリエチレン−アクリル共重合粉末)(いずれも住友精化(株)社製)
アートパールシリーズ(根上工業(株)社製、例えば、アートパールGR、アートパールSE、アートパールG、アートパールGR、アートパールGR、アートパールGS、アートパールJ、アートパールMF、アートパールBE)、
タフチックシリーズ(東洋紡(株)社製、例えば、タフチックAR−650、タフチックAR−750、タフチックFH−S、
ケミスノーシリーズ(総研化学(株)社製、例えば、ケミスノーMP−1451、ケミスノーMP−2200、ケミスノーMP−1000、ケミスノーMP−2701、ケミスノーMP−5000、ケミスノーMP−5500、ケミスノーMP−300、ケミスノーKMR−3TA、ケミスノーMX−80H3wT、ケミスノーMX−150、ケミスノーMX−180TA、ケミスノーMX−300、ケミスノーMX−500、ケミスノーMX−500H、ケミスノーMX−1000、ケミスノーMX−1500H、ケミスノーMX−2000、ケミスノーMX−3000、
FSシリーズ(日本ペイント(株)社製、例えば、FS−101、FS−102、FS−106、FS−107、FS−201、FS−301、FS−501、FS−701)、
MGシリーズ(日本ペイント(株)社製、例えば、MG−155E、MG−451、MG−351)、
テクポリマーシリーズ(積水化成品工業(株)社製、例えば、テクポリマーMBX、テクポリマーSBX、テクポリマーMSX、テクポリマーSSX、テクポリマーBMX、テクポリマーABX、テクポリマーARX、テクポリマーAFX、テクポリマーMB、テクポリマーMBP)、アドバンセルHB−2051(積水化学(株)社製)、
ハヤビーズL−11、ハヤビーズM−11(いずれも早川ゴム(株)社製)、
アロンTシリーズ、アロンAシリーズ、アロンSD−10、アロンACシリーズ、ジュリマーACシリーズ(いずれも東亜合成(株)社製)、
エポスターMA、エポスターMX(いずれも日本触媒(株)社製)
ケミスノーKSR−3A(総研化学(株)社製)、エポスターST(日本触媒(株)社製)
セポルジョンPA(共重合ナイロンエマルジョン、住友精化(株)社製)、トレパールPAI(ポリアミドイミド粒子、東レ(株)社製)
ポリイミドパウダーP84(R)NT(ダイセルエヴォニック(株)社製)、
ポリイミドパウダーPIP−3、ポリイミドパウダーPIP−25、ポリイミドパウダーPIP−60(いずれもセイシン企業(株)社製)、
ポリイミドパウダーUIP−R、ポリイミドパウダーUIP−S(いずれも宇部興産(株)社製)
ダイミックビーズUCN−8070CM(7μm)、ダイミックビーズUCN−8150CM(15μm)(いずれも大日精化(株)社製)、
アートパールシリーズ(根上工業(株)社製、例えば、アートパールC、アートパールP、アートパールJB、アートパールU、アートパールCE、アートパールAK、アートパールHI、アートパールMM、アートパールFF、アートパールTK、アートパールC−TH、アートパールRW、アートパールRX、アートパールRY、アートパールRZ、アートパールRU、アートパールRV、アートパールBP)、
グロスデールSシリーズ、グロスデールMシリーズ、グロスデールVシリーズ、グロスデールTシリーズ(いずれも三井化学(株)社製)、
インフィナジー(BASF社製)
ウレア系樹脂粒子は、国際公開第2015/046313号に記載のウレア結合を有するポリマーの粒子が好ましく用いられる。
セポルジョンES(共重合ポリエステルエマルジョン、住友精化(株)社製)
トレパールPPS(ポリフェニレンスルフィド粒子、東レ(株)社製)、トレパールPES(ポリエーテルスルホン粒子、東レ(株)社製)
LPSシリーズ(リグナイト(株)社製)、マリリンFMシリーズ(群栄化学工業(株)社製)、マリリンHFシリーズ(群栄化学工業(株)社製)
トレパールEP(エポキシ樹脂粒子、東レ(株)社製)
ポリカーボネート樹脂粒子は、例えば、国際公開2011/004730号パンフレットに記載の方法で合成できる。具体的にはエポキシ化合物に二酸化炭素を反応させることで重合することが可能である。
シーホスターKEシリーズ(日本触媒(株)社製、例えば、シーホスターKE−Eシリーズ、シーホスターKE−Wシリーズ、シーホスターKE−Pシリーズ、シーホスターKE−Sシリーズ)、
シリコーン複合パウダーシリーズ(例えば、シリコーン複合パウダーKMP−600、シリコーン複合パウダーKMP−601、シリコーン複合パウダーKMP−602、シリコーン複合パウダーKMP−605、シリコーン複合パウダーX−52−7030)、シリコーンレジンパウダーシリーズ(例えば、シリコーンレジンパウダーKMP−590、シリコーンレジンパウダーKMP−701、シリコーンレジンパウダーX−52−854、シリコーンレジンパウダーX−52−1621)、シリコーンゴムパウダーシリーズ(例えば、シリコーンゴムパウダーKMP−597、シリコーンゴムパウダーKMP−598、シリコーンゴムパウダーKMP−594、シリコーンゴムパウダーX−52−875)(いずれも信越シリコーン(株)社製)、
シャリーヌR−170S(シリコーンアクリル共重合、日信化学工業(株)社製)
測定室内の雰囲気:窒素(50mL/min)
昇温速度:5℃/min
測定開始温度:−100℃
測定終了温度:200℃
試料パン:アルミニウム製パン
測定試料の質量:5mg
Tgの算定:DSCチャートの下降開始点と下降終了点の中間温度の小数点以下を四捨五入することでTgを算定する。
また、本発明に用いられるバインダーを構成するポリマーは、晶析させて乾燥させてもよい、ポリマー溶液をそのまま用いてもよい。金属系触媒(ウレタン化、ポリエステル化触媒であるスズ、チタン、ビスマス触媒)は少ない方が好ましい。重合時に少なくするか、晶析で触媒を除くことで、共重合体中の金属濃度を、100ppm(質量基準)以下とすることが好ましい。
本発明において、ポリマーの分子量は、特に断らない限り、質量平均分子量を意味する。質量平均分子量は、GPCによってポリスチレン換算の分子量として計測することができる。このとき、GPC装置HLC−8220(東ソー(株)社製)を用い、カラムはG3000HXL+G2000HXLを用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。溶離液としては、THF(テトラヒドロフラン)、クロロホルム、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、m−クレゾール/クロロホルム(湘南和光純薬(株)社製)から選定することができ、溶解するものであればTHFを用いることとする。
本発明では、バインダーの質量に対する、無機固体電解質と必要により含有させる電極活物質の合計質量(総量)の質量比[(無機固体電解質の質量+電極活物質の質量)/バインダーの質量]は、1,000〜1の範囲が好ましい。この質量比はさらに500〜2がより好ましく、100〜10がさらに好ましい。
本発明において、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層が分散剤を含有することが好ましい。分散剤を添加することで電極活物質および無機固体電解質のいずれかの濃度が高い場合においてもその凝集を抑制し、均一な電極層および固体電解質層を形成することができるため、出力密度向上に寄与すると考えられる。
官能基群(I):酸性基、塩基性窒素原子を有する基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基及びヒドロキシ基
本発明に用いられる分散剤は、低分子、オリゴマーおよびポリマーのいずれに分類される化合物であってもよい。なお、分散剤がオリゴマーおよびポリマーである場合、分子量とは質量平均分子量のことを意味し、質量平均分子量はGPCにより測定することができる。
以下、分散剤についてより詳細に記載する。
官能基群(I)のなかでも酸性基、塩基性窒素原子を有する基、シアノ基が好ましく、より好ましくは酸性基である。酸性基のなかでもカルボキシ基が最も好ましい。
分散剤が有する炭素数8以上のアルキル基は、総炭素数が8以上のアルキル基であればよく、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状でもよく、炭化水素である場合に限らず、炭素−炭素結合間にヘテロ原子を介した結合を含有してもよい。また、炭素数8以上のアルキル基は、無置換でもよく、さらに置換基を有していてもよく、さらに途中に不飽和炭素−炭素結合を有していても良い。
具体的には、ノルマルオクチル基、ノルマルデシル基、ノルマルドデシル基、ノルマルテトラデシル基、ノルマルヘキサデシル基、ステアリル基、ラウリル基、リノール基、リノレン基、2−エチルヘキシル基、2−エチルオクチル基、2−エチルドデシル基、ポリエチレングリコールモノメチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基を有する炭素数8以上のアルキル基としては、例えば、アリール基で置換されたアルキル基、ハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基が挙げられる。
分散剤が有する炭素数10以上のアリール基は、総炭素数が10以上のアリール基であればよく、炭化水素である場合に限らず炭素−炭素結合間にヘテロ原子を含有してもよい。また、炭素数10以上のアリール基は、無置換でもよく、さらに置換基を有していてもよい。
具体的には、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、ターフェニル基、ナフタセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、コランニュレニル基、コロネニル基、オバレニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基を有する炭素数10以上のアリール基としては、例えば、アルキル基で置換されたアリール基が挙げられる。
本発明においては、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層がリチウム塩を含有することも好ましい。
リチウム塩としては、通常この種の製品に用いられるリチウム塩が好ましく、特に制限はなく、例えば、以下に述べるものが好ましい。
これらのなかで、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiClO4、Li(Rf1SO3)、LiN(Rf1SO2)2、LiN(FSO2)2、及びLiN(Rf1SO2)(Rf2SO2)が好ましく、LiPF6、LiBF4、LiN(Rf1SO2)2、LiN(FSO2)2、及びLiN(Rf1SO2)(Rf2SO2)などのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、Rf1およびRf2はそれぞれ独立にパーフルオロアルキル基を表す。
なお、リチウム塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
本発明に用いられる電極活物質は、正極活物質層に含有される正極活物質と、負極活物質層に含有される負極活物質がある。
(正極活物質)
正極活物質には遷移金属酸化物を用いることが好ましく、中でも、遷移元素Ma(Co、Ni、Fe、Mn、Cu、Vから選択される1種以上の元素)を有することが好ましい。また、混合元素Mb(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど)を混合してもよい。
遷移金属酸化物は、例えば、下記式(MA)〜(MC)のいずれかで表されるものを含む特定遷移金属酸化物、またはその他の遷移金属酸化物としてV2O5、MnO2等が挙げられる。正極活物質には、粒子状の正極活性物質を用いてもよい。
具体的に、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができ、上記特定遷移金属酸化物を用いることが好ましい。
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下式で表されるものが好ましい。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は典型的には層状岩塩型構造を有する。
(MA−2) LigNiOk
(MA−3) LigMnOk
(MA−4) LigCojNi1−jOk
(MA−5) LigNijMn1−jOk
(MA−6) LigCojNiiAl1−j−iOk
(MA−7) LigCojNiiMn1−j−iOk
これらの遷移金属化合物の具体例としては、LiCoO2(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi2O2(ニッケル酸リチウム)、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33O2(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5O2(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
代表的なもの:
LigNi1/3Mn1/3Co1/3O2
LigNi1/2Mn1/2O2
代表的なもの:
LigNi0.8Co0.15Al0.05O2
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下記式(MB)で表されるものも好ましい。
(MB−2) LimMnpAl2−pOn
(MB−3) LimMnpNi2−pOn
これらの遷移金属酸化物は、例えば、LiMn2O4、LiMn1.5Ni0.5O4が挙げられる。
(b) Li2FeMn3O8
(c) Li2CuMn3O8
(d) Li2CrMn3O8
(e) Li2NiMn3O8
リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウム含有遷移金属リン酸化物が好ましく、なかでも下記式(MC)で表されるものも好ましい。
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。このような材料は、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であることが好ましい。その材料は、特には制限されるものではなく、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
LixαMα yαOzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
本発明においては、各層の成形材料として用いられる固体電解質組成物が、上記の各成分を分散させる分散媒体を含有していてもよい。分散媒体の具体例としては、例えば、下記の溶媒が挙げられる。
アルコール化合物溶媒は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
正・負極の集電体は、化学変化を起こさない電子伝導体が好ましい。正極の集電体は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
集電体の厚みは、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
全固体二次電池の作製は常法によればよい。具体的には、本発明の電極活物質層用組成物(正極活物質層用組成物、負極活物質層用組成物)を集電体となる金属箔上に塗布し、塗膜を形成した全固体二次電池用電極シートとする方法が挙げられる。
例えば、正極集電体である金属箔上に正極材料となる組成物(正極活物質層用組成物)を塗布し、正極活物質層を形成し、電池用正極シートを作製する。正極活物質層の上に、固体電解質組成物を塗布し、固体電解質層を形成する。さらに、固体電解質層の上に、負極材料となる組成物(負極活物質層用組成物)を塗布し、負極活物質層を形成する。負極活物質層の上に、負極側の集電体(金属箔)を重ねることで、正極層と負極層の間に、固体電解質層が挟まれた全固体二次電池の構造を得ることができる。
本発明の全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
〔1〕正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層がリチウム塩を含有する全固体二次電池。
〔2〕固体電解質層が、非水系分散媒体によって硫化物系固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し製膜される全固体二次電池の製造方法。
〔3〕上記全固体二次電池作製用の電極活物質層用組成物。
〔4〕上記電極活物質層用組成物を金属箔上に適用し、製膜してなる全固体二次電池用電極シート。
〔5〕上記電極活物質層用組成物を金属箔上に適用し、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
なお、金属箔上に電極活物質層用組成物を適用する方法には、例えば、塗布(湿式塗布、スプレー塗布、スピンコート塗布、スリット塗布、ストライプ塗布、バーコート塗布ディップコート)が挙げられ、湿式塗布が好ましい。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記のLi−P−S系ガラス、LLTやLLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがある。上記のイオン輸送材料としての電解質と区別する際には、これを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては、例えばLiTFSIが挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。
− Li−P−S系ガラスの合成 −
硫化物系の無機固体電解質として、T.Ohtomo,A.Hayashi,M.Tatsumisago,Y.Tsuchida,S.Hama,K.Kawamoto,Journal of Power Sources,233,(2013),pp231−235及びA.Hayashi,S.Hama,H.Morimoto,M.Tatsumisago,T.Minami,Chem.Lett.,(2001),pp872−873の非特許文献を参考にして、Li−P−S系ガラスを合成した。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66個投入し、次いで上記の硫化リチウムと五硫化二リンの混合物の全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。この容器を遊星ボールミルP−7(フリッチュ社製)にセットし、温度25℃、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行い、黄色粉末のLi−P−S系ガラス(硫化物系無機固体電解質)6.20gを得た。
−固体電解質組成物の調製−
(1)固体電解質組成物(K−1)の調製
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、Li−P−S系ガラス9.5g、PVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)0.5g、及び分散媒体として1,4−ジオキサン15.0gを投入した。その後、この容器を遊星ボールミルP−7(フリッチュ社製)にセットし、温度25℃、回転数300rpmにて2時間攪拌を続け、固体電解質組成物(K−1)を調製した。
固体電解質組成物(K−1)の調製において、組成を表1に示すように変更したこと以外は、固体電解質組成物(K−1)と同様にして、固体電解質組成物(K−2)〜(K−6)および(HK−1)を調製した。
・LLT:Li0.33La0.55TiO3(平均粒径3.25μm)
・Li−P−S:上記で合成したLi−P−S系ガラス
・B−1:PVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体) アルケマ(株)社製 質量平均分子量10万
・B−2:SBR(スチレンブタジエンゴム) アルドリッチ(株)社製 質量平均分子量15万
・B−3:アクリル系ポリマー(メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体)(ラジカル重合品、開始剤:V−601(和光純薬(株)製)、モノマー構成比:メタクリル酸メチル70モル%、アクリル酸ブチル30モル%)
・B−4:ウレタン系ポリマー(メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)−ブタンジオール−ポリエチレングリコール1000の共重合体)(重縮合品、開始剤:ネオスタンU−600(日東化成(株)製)、モノマー構成比:メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)50モル%、ブタンジオール25モル%、ポリエチレングリコール1000 25モル%)
・B−5:アクリル系樹脂微粒子:テクポリマーMBX−5(商品名、平均粒子径5μm、積水化成品工業(株)社製)
・B−6:ウレタン系樹脂微粒子:ダイミックビーズUCN−8070CM(商品名、平均粒子径7μm、大日精化(株)社製)
(1)正極用組成物(U−1)の調製
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、無機固体電解質LLZ(Li7La3Zr2O12、平均粒子径5.06μm、(株)豊島製作所製)0.5g、PVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)0.5g、及び分散媒体として1,4−ジオキサン12.3gを投入した。この容器を遊星ボールミルP−7(フリッチュ社製)にセットし、温度25℃、回転数300rpmの条件にて2時間機械分散を続けた。その後、活物質としてコバルト酸リチウム(LCO、日本化学工業(株)製)9.0gを容器に投入し、再びこの容器を遊星ボールミルP−7にセットし、温度25℃、回転数100rpmにて15分間混合を続けた。このようにして、正極用組成物(U−1)を調製した。
正極用組成物(U−1)の調製において、組成を表2に示すように変更したこと以外は、正極用組成物(U−1)と同様にして、正極用組成物(U−2)〜(U−6)、(HU−1)及び(HU−2)を調製した。なお、正極用組成物(U−1)〜(U−6)は実施例となる正極用組成物であり、正極用組成物(HU−1)〜(HU−2)は比較用の正極用組成物である。
・LLZ:Li7La3Zr2O12(平均粒子径5.06μm、(株)豊島製作所製)
なお、下記はいずれも活物質の略称である。
LCO:LiCoO2 コバルト酸リチウム
NMC:Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O2 ニッケル、マンガン、コバルト酸リチウム
NCA:LiNi0.85Co0.10Al0.05O2 ニッケル、コバルト、アルミニウム酸リチウム
(1)負極用組成物(S−1)の調製
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLi−P−S系ガラス0.9g、PVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)0.1g、及び分散媒体としてトルエン12.3gを投入した。この容器を遊星ボールミルP−7(フリッチュ社製)にセットし、温度25℃、回転数300rpmにて2時間、機械分散を続けた。その後、活物質としてチタン酸リチウム(LTO、石原産業(株)社製)9.0gを容器に投入し、再びこの容器を遊星ボールミルP−7にセットし、温度25℃、回転数100rpmで15分間混合を続けた。このようにして、負極用組成物(S−1)を調製した。
負極用組成物(S−1)の調製において、組成を表3に示すように変更したこと以外は、負極用組成物(S−1)と同様にして、負極用組成物(S−2)〜(S−5)及び(HS−1)を調製した。なお、負極用組成物(S−1)〜(S−5)は実施例となる負極用組成物であり、負極用組成物(HS−1)は比較用の負極用組成物である。
なお、下記はいずれも活物質の略称である
・AB:アセチレンブラック
・LTO:Li4Ti5O12 チタン酸リチウム(商品名「エナマイトLT−106」、石原産業(株)社製)
・C−1:下記構造を有する分散剤(分子量1335.7)
上記で調製した二次電池正極用組成物(U−1)を厚み20μmのアルミ箔(集電体)上に、クリアランスが調節可能なアプリケーターにより塗布し、80℃で1時間加熱した後、さらに110℃で1時間加熱し、分散媒体を乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱及び加圧し、正極活物質層/アルミ箔の積層構造を有する厚み150μmの二次電池用正極シートを製造した。
上記で製造した二次電池用正極シートの正極活物質層の上に、上記で調製した固体電解質組成物(K−1)を、クリアランスが調節可能なアプリケーターにより塗布し、80℃で1時間加熱した後、さらに110℃で1時間加熱し、厚み10μmの固体電解質層を形成した。その後、上記で調製した二次電池負極用組成物(S−1)を、乾燥後の固体電解質層上にさらに塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間加熱し、厚み100μmの負極活物質層を形成した。負極活物質層上に厚み20μmの銅箔(負極側の集電体)を載置し、ヒートプレス機を用いて、固体電解質層及び負極活物質層が任意の密度になるように加熱及び加圧し、下記表4に示す試験No.101の全固体二次電池用電極シートを製造した。
試験No.101の全固体二次電池用電極シートの製造において、組成物および膜厚を表4に示すように変更したこと以外は、試験No.101の全固体二次電池用電極シートと同様にして、試験No.102〜106およびc11〜c12の全固体二次電池用電極シートを製造した。
全固体二次電池用電極シートの層構造を図1に示す。全固体二次電池用電極シートは、銅箔/負極活物質層/固体電解質層/二次電池用正極シート(正極活物質層/アルミ箔)の積層構造を有している。
上記で製造した全固体二次電池用電極シートを直径14.5mmの円板状に切り出し、図2に示すように、スペーサーとワッシャーを組み込んだステンレス製の2032型コインケース14に入れて、トルクレンチで8ニュートンメートル(N・m)の力で締め付け、下記表4に記載の試験No.101〜106およびc11〜c12の全固体二次電池を製造した。
上記で製造した試験No.101〜106およびc11〜c12の全固体二次電池に対して以下の評価を行った。評価結果は、下記表4に示す。
上記で製造した全固体二次電池を、東洋システム(株)社製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」(商品名)を用い、温度30℃で測定した。
充電は電池電圧が3.8Vになるまで、電流値0.05mAで行ない、放電は0.05mAで10秒行い、その際の電圧値を読み取った。同じ電流量で再度3.8Vになるまで充電する。これを0.1mA、0.2mA、0.5mAの各電流量で行い、10秒放電で電圧が2.5Vとなるときの電流量を外挿して求めた。電池重量あたりの出力密度は(2.5V)×(外挿で求めた電流量)/(電池重量)から算出し、以下の基準で評価した。なお、評価「C」以上が本試験の合格レベルである。下記表4において、電池重量あたりの出力密度を「出力密度」と記載した。
A:80W/kg以上
B:50W/kg以上80W/kg未満
C:20W/kg以上50W/kg未満
D:20W/kg未満
上記で製造した全固体二次電池を、東洋システム(株)社製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」(商品名)を用い、温度30℃で測定した。
充電は電池電圧が4.2Vになるまで、電流値0.2mAで行ない、放電は電池電圧が3.0Vになるまで、電流値0.2mAで行なった。同様の充放電を繰り返し、3サイクル目の放電容量を電池の放電容量とした。放電エネルギー(Wh)は、放電時10秒あたりの平均電圧(V)と平均放電容量(Ah)の積を放電が終了するまで足し合わせることで算出した。得られた放電エネルギーを電池重量で割ることで、エネルギー密度(Wh/kg)を求め、以下の基準で評価した。
なお、評価「C」以上が本試験の合格レベルである。下記表4において、電池重量あたりのエネルギー密度を「エネルギー密度」と記載した。
A:20Wh/kg以上
B:10Wh/kg以上20Wh/kg未満
C:5Wh/kg以上10Wh/kg未満
D:5Wh/kg未満
上記で製造した全固体二次電池のサイクル特性を、東洋システム(株)社製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」(商品名)を用い、温度30℃で測定した。
充放電は、上記放電容量の算出と同様に行った。3サイクル目の放電容量を100とし、放電容量が80未満となったときのサイクル数から、以下の基準で評価した。なお、評価「B」以上が本試験の合格レベルである。
A:50回以上
B:40回以上50回未満
C:30回以上40回未満
D:30回未満
これに対して、正極活物質層および負極活物質層における無機固体電解質の含有量がいずれも10質量%を超え、負極活物質層に含有される負極活物質が式(α)で表されない試験No.c11の全固体二次電池、ならびに、正極活物質層および負極活物質層における無機固体電解質の含有量がいずれも10質量%を超え、固体電解質層が硫化物系固体電解質を含有せず、負極活物質層に含有される負極活物質が式(α)で表されない試験No.c12の全固体二次電池は、いずれも電池重量あたりの出力密度およびエネルギー密度が低く、かつ、サイクル特性に優れなかった。
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池
11 上部支持板
12 下部支持板
13 コイン電池
14 コインケース
15 全固体二次電池用電極シート
S ネジ
Claims (11)
- 正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有する全固体二次電池であって、
該正極活物質層および該負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
前記固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
前記負極活物質層が下記式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池。
LixαMα yαOzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。 - 前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも1層に含まれる電極活物質の含有割合が、各層を構成する全固形分に対し90質量%以上である請求項1に記載の全固体二次電池。
- 前記負極活物質がLi4Ti5O12である請求項1または2に記載の全固体二次電池。
- 前記正極活物質層、前記固体電解質層および前記負極活物質層の少なくとも1層の厚みが、50μm以上500μm未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
- 前記バインダーの少なくとも1種が、平均粒子径0.05μm〜20μmのポリマー粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
- 前記正極活物質層、前記固体電解質層および前記負極活物質層の少なくとも1層が分散剤を含有し、
該分散剤が、分子量180以上3,000未満であって、かつ、下記官能基群(I)から選択される少なくとも1種の官能基と、炭素数8以上のアルキル基または炭素数10以上のアリール基とを有する化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
官能基群(I):酸性基、塩基性窒素原子を有する基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基及びヒドロキシ基。 - 前記固体電解質層が、非水系分散媒体によって前記硫化物系固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し、製膜する請求項1〜7のいずれか1項に記載の全固体二次電池の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の全固体二次電池の正極活物質層または負極活物質層を形成する電極活物質層用組成物であって、
該電極活物質層用組成物は、
無機固体電解質の含有量が、前記電極活物質層用組成物を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、電極活物質及びバインダーを含有し、かつ、
前記負極活物質層を形成する電極活物質層用組成物に含有される電極活物質が、下記式(α)で表される負極活物質である電極活物質層用組成物。
LixαMα yαOzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。 - 請求項9に記載の電極活物質層用組成物を金属箔上に適用し、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
- 正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有する全固体二次電池用電極シートであって、
該正極活物質層および該負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
前記固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
前記負極活物質層が下記式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池用電極シート。
LixαMα yαOzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
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