JP2016212990A - 全固体二次電池、電極活物質層用組成物および全固体二次電池用電極シートならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体二次電池、電極活物質層用組成物および全固体二次電池用電極シートならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池重量あたりのエネルギー密度及び出力密度が高い全固体二次電池、電極活物質層用組成物及び固体二次電池用電極シート並びにその製造方法の提供。【解決手段】正極活物質層4、固体電解質層3、負極活物質層2をこの順に有する全固体二次電池10であって、正極活物質層4、負極活物質層2の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、全固形分に対し0〜10質量%であり、固体電解質層3は硫化物系固体電解質を含有し、正極活物質層4、負極活物質層2の少なくとも1層がバインダーを含有し、負極活物質層2が式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池、電極活物質層用組成物、全固体二次電池用電極シート並びにその製造方法。LixαMαyαOzα・・式(α)(MαはAl、Ga、Ti、Si、Fe等から選択される元素;xα〜zαは各元素の組成比;xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15)【選択図】図1

Description

本発明は、全固体二次電池、これに用いる電極活物質層用組成物および全固体二次電池用電極シートならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン電池には、電解液が用いられてきた。その電解液を固体電解質に置き換え、構成材料を全て固体にした全固体二次電池とする試みが進められている。無機の固体電解質を利用する技術の利点として挙げられるのが、電池の性能全体を総合した信頼性である。例えば、リチウムイオン二次電池に用いられる電解液には、その媒体として、カーボネート系溶媒など、可燃性の材料が適用されている。様々な安全対策が採られているものの、過充電時などに不具合を来たすおそれがないとは言えず、さらなる対応が望まれる。その抜本的な解決手段として、電解質を不燃性のものとしうる全固体二次電池が位置づけられる。
全固体二次電池のさらなる利点としては、電極のスタックによる高エネルギー密度化に適していることが挙げられる。具体的には、電極と電解質を直接並べて直列化した構造を持つ電池にすることができる。このとき、電池セルを封止する金属パッケージ、電池セルをつなぐ銅線やバスバーを省略することができるので、電池のエネルギー密度が大幅に高められる。また、高電位化が可能な正極材料との相性の良さなども利点として挙げられる。
上記のような各利点から、次世代のリチウムイオン電池として全固体二次電池の開発が進められている(非特許文献1)。例えば、特許文献1では、電極層と、ガーネット結晶構造を有するLi含有酸化物を含有する固体電解質層との間に特定の中間層を介在させた焼結体からなる積層体を用いた全固体二次電池が記載されている。また、特許文献2では、活物質粒子とイオン導電性助剤(固体電解質)粒子とを含む電極合材層を有する全固体リチウムイオン二次電池が記載されている。
特開2014−110149号公報 特開2014−035818号公報
NEDO技術開発機構,燃料電池・水素技術開発部,蓄電技術開発室「NEDO次世代自動車用蓄電池技術開発 ロードマップ2013」(平成25年8月)
上記特許文献1に記載の全固体二次電池では、固体電解質層に酸化物系固体電解質を用いているためイオン伝導度が低く、電池の出力が十分ではない。
また、特許文献2に記載の全固体リチウムイオン二次電池では、電極合材層や固体電解質層をバインダーの非存在下、焼結や圧粉といったドライプロセスで作製している。そのため、活物質粒子とイオン導電性助剤粒子との間に良好な界面が形成されず、電極合材層における活物質粒子の比率を高めると、電池の容量が高くなる反面、イオン導電性助剤粒子によるイオン伝導パスが形成されにくくなり、電池の出力が低くなる問題がある。
そこで本発明は、電池重量あたりのエネルギー密度および出力密度がいずれも高い全固体二次電池、これに用いる電極活物質層用組成物および全固体二次電池用電極シートならびに全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、少なくとも1つの電極活物質層における無機固体電解質の含有量が低減され、少なくとも1つの電極活物質層が固体粒子間の密着性向上のためにバインダーを含有し、固体電解質層がイオン伝導性の高い硫化物系固体電解質を含有し、負極活物質層が特定の負極活物質を含有する全固体二次電池は、電池重量あたりのエネルギー密度および出力密度のいずれにも優れることを見出した。さらに、湿式プロセスにより固体粒子間の密着性向上効果を有する本発明の全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法は、上記優れた性能を有する全固体二次電池の製造に優れることを見出した。本発明はこれらの知見に基づきなされたものである。
すなわち、上記の課題は以下の手段により解決された。
(1)正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有する全固体二次電池であって、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
負極活物質層が下記式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池。
Lixαα yαzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
(2)正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層に含まれる電極活物質の含有割合が、各層を構成する全固形分に対し90質量%以上である(1)に記載の全固体二次電池。
(3)負極活物質がLiTi12である(1)または(2)に記載の全固体二次電池。
(4)正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層の厚みが、50μm以上500μm未満である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(5)バインダーの少なくとも1種が、平均粒子径0.05μm〜20μmのポリマー粒子である(1)〜(4)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
(6)バインダーの少なくとも1種が、下記式(I)で表される部分構造を有する(1)〜(5)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
Figure 2016212990
式(I)中、Rは水素原子または1価の有機基を表す。
(7)正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層が分散剤を含有し、
分散剤が、分子量180以上3,000未満であって、かつ、下記官能基群(I)から選択される少なくとも1種の官能基と、炭素数8以上のアルキル基または炭素数10以上のアリール基とを有する化合物である(1)〜(6)のいずれか1つに記載の全固体二次電池。
官能基群(I):酸性基、塩基性窒素原子を有する基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基及びヒドロキシ基。
(8)固体電解質層が、非水系分散媒体によって硫化物系固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し、製膜する(1)〜(7)のいずれか1つに記載の全固体二次電池の製造方法。
(9) (1)〜(7)のいずれか1つに記載の全固体二次電池の正極活物質層または負極活物質層を形成する電極活物質層用組成物であって、
電極活物質層用組成物は、
無機固体電解質の含有量が、電極活物質層用組成物を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、電極活物質及びバインダーを含有し、かつ、
負極活物質層を形成する電極活物質層用組成物に含有される電極活物質が、下記式(α)で表される負極活物質である電極活物質層用組成物。
Lixαα yαzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
(10) (9)に記載の電極活物質層用組成物を金属箔上に適用し、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
(11)正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有する全固体二次電池用電極シートであって、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
負極活物質層が下記式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池用電極シート。
Lixαα yαzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特定の符号で表示された置換基が複数あるとき、あるいは複数の置換基等(置換基数の規定も同様)を同時もしくは択一的に規定するときには、それぞれの置換基等は互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数の置換基等が近接するときにはそれらが互いに結合したり縮合したりして環を形成していてもよい。
本明細書において、単に「アクリル」と記載するときは、メタアクリルおよびアクリルの両方を含む意味で使用する。
本発明の全固体二次電池は、電池重量あたりのエネルギー密度および出力密度がいずれも高く、また、本発明の全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造方法により、上記優れた性能を有する全固体二次電池を好適に製造することができる。さらに本発明の電極活物質層用組成物および全固体二次電池用電極シートは、上記優れた性能を有する全固体二次電池の提供に好適に用いることができる。
本発明の好ましい実施形態に係る全固体リチウムイオン二次電池を模式化して示す縦断面図である。 実施例で利用した試験装置を模式的に示す縦断面図である。
本発明の全固体二次電池は、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有し、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
負極活物質層が後述の式(α)で表される負極活物質を含有する。
ここで、本発明において、正極活物質層および負極活物質層における無機固体電解質は任意成分である。
以下、その好ましい実施形態について説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る全固体二次電池(リチウムイオン二次電池)を模式化して示す断面図である。本実施形態の全固体二次電池10は、負極側からみて、負極集電体1、負極活物質層2、固体電解質層3、正極活物質層4、正極集電体5を、この順に有する。各層はそれぞれ接触しており、積層した構造をとっている。このような構造を採用することで、充電時には、負極側に電子(e)が供給され、そこにリチウムイオン(Li)が蓄積される。一方、放電時には、負極に蓄積されたリチウムイオン(Li)が正極側に戻され、作動部位6に電子が供給される。図示した例では、作動部位6に電球を採用しており、放電によりこれが点灯するようにされている。固体電解質組成物は、上記固体電解質層の成形材料として好ましく用いることができ、電極活物質層用組成物は、上記負極活物質層、正極活物質層の成形材料として好ましく用いることができる。
正極活物質層4、固体電解質層3、負極活物質層2の厚さは特に限定されない。なお、一般的な電池の寸法を考慮すると、10〜1,000μmが好ましく、20μm以上500μm未満がより好ましい。本発明の全固体二次電池においては、正極活物質層4、固体電解質層3および負極活物質層2の少なくとも1層の厚さが、50μm以上500μm未満であることがさらに好ましい。
<<各層の構成要素>>
以下、本発明の全固体二次電池を構成する正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の構成要素を説明する。なお、各層の構成要素は、それぞれ対応する層の成形材料として用いられる固体電解質組成物、電極活物質層用組成物の含有成分として、好ましく適用される。
本明細書において、正極活物質層と負極活物質層をあわせて電極活物質層(電極層)と称することがある。
(無機固体電解質)
無機固体電解質とは、無機の固体電解質のことであり、固体電解質とは、その内部においてイオンを移動させることができる固体のことである。
無機固体電解質は、有機物すなわち炭素原子を含まないことから、有機固体電解質(PEO(ポリエチレンオキサイド)などに代表される高分子電解質、LiTFSI〔リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〕などに代表される有機電解質塩)とは明確に区別される。また、無機固体電解質は定常状態では固体であるため、カチオンおよびアニオンが解離または遊離しておらず、電解液やポリマー中でカチオンおよびアニオンが解離または遊離している無機電解質塩(LiPF、LiBF、LiFSI〔リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド〕、LiClなど)とも明確に区別される。無機固体電解質は周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有するものであれば特に限定されず電子伝導性を有さないものが一般的である。
本発明に用いられる無機固体電解質は、なかでも、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオンの伝導性を有する無機固体電解質が好ましい。上記無機固体電解質は、この種の製品に常用される固体電解質材料を適宜選定して用いることができる。無機固体電解質(以下、固体電解質とも称す。)は(i)硫化物系無機固体電解質(以下、硫化物系固体電解質とも称す。)と(ii)酸化物系無機固体電解質(以下、酸化物固体電解質とも称す。)が代表例として挙げられる。
(i)硫化物系無機固体電解質
硫化物系固体電解質は、硫黄(S)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば下記式(1)で示される組成を満たすリチウムイオン伝導性無機固体電解質が挙げられる。
Li (1)
式(1)中、Mは、B、Zn、Sn、Si、Cu、Ga、Sb、Al及びGeから選択される元素を示す。なかでも、B、Sn、Si、Al、Geが好ましく、Sn、Al、Geがより好ましい。Aは、I、Br、Cl、Fを示し、I、Brが好ましく、Iが特に好ましい。a〜eは各元素の組成比を示し、a:b:c:d:eは1〜12:0〜1:1:2〜12:0〜5を満たす。aはさらに、1〜9が好ましく、1.5〜4がより好ましい。bは0〜0.5が好ましい。dはさらに、3〜7が好ましく、3.25〜4.5がより好ましい。eはさらに、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましい。
式(1)において、Li、M、P、S及びAの組成比は、好ましくはb、eが0であり、より好ましくはb=0、e=0で且つa、c及びdの比(a:c:d)がa:c:d=1〜9:1:3〜7であり、さらに好ましくはb=0、e=0で且つa:c:d=1.5〜4:1:3.25〜4.5である。各元素の組成比は、下記するように、硫化物系固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系固体電解質は、非結晶(ガラス)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみが結晶化していてもよい。例えば、Li、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラス、またはLi、PおよびSを含有するLi−P−S系ガラスセラミックスを用いることができる。
Li−P−S系ガラスおよびLi−P−S系ガラスセラミックスにおける、LiSとPとの比率は、LiS:Pのモル比で、好ましくは65:35〜85:15、より好ましくは68:32〜75:25である。LiSとPとの比率をこの範囲にすることにより、リチウムイオン伝導度を高いものとすることができる。具体的には、リチウムイオン伝導度を好ましくは1×10−4S/cm以上、より好ましくは1×10−3S/cm以上とすることができる。上限は特にないが、1×10−1以下であることが実際的である。
具体的な化合物例としては、例えばLiSと、第13族〜第15族の元素の硫化物とを含有する原料組成物を用いてなるものを挙げることができる。具体的には、LiS−P、LiS−LiI−P、LiS−LiI−LiO−P、LiS−LiBr−P、LiS−LiO−P、LiS−LiPO−P、LiS−P−P、LiS−P−SiS、LiS−P−SnS、LiS−P−Al、LiS−GeS、LiS−GeS−ZnS、LiS−Ga、LiS−GeS−Ga、LiS−GeS−P、LiS−GeS−Sb、LiS−GeS−Al、LiS−SiS、LiS−Al、LiS−SiS−Al、LiS−SiS−P、LiS−SiS−P−LiI、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、Li10GeP12などが挙げられる。その中でも、LiS−P、LiS−GeS−Ga、LiS−LiI−P、LiS−LiI−LiO−P、LiS−GeS−P、LiS−SiS−P、LiS−SiS−LiSiO、LiS−SiS−LiPO、LiS−LiPO−P、LiS−GeS−P、Li10GeP12からなる結晶質およびまたは非晶質の原料組成物が高いリチウムイオン伝導性を有するので好ましい。このような原料組成物を用いて硫化物固体電解質材料を合成する方法としては、例えば非晶質化法を挙げることができる。非晶質化法としては、例えば、メカニカルミリング法および溶融急冷法を挙げることができ、中でもメカニカルミリング法が好ましい。常温での処理が可能になり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。
(ii)酸化物系無機固体電解質
酸化物系固体電解質は、酸素(O)を含有し、かつ、周期律表第1族または第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではない。
具体的な化合物例としては、例えばLiLaTiO〔x=0.3〜0.7、y=0.3〜0.7〕(LLT)、LiLaZr(MはAl,Mg,Ca,Sr,V,Nb,Ta,Ti,Ge,In,Snの少なくとも1種以上の元素でありxは5≦x≦10を満たし、yは1≦y≦4を満たし、zは1≦z≦4を満たし、mは0≦m≦2を満たし、nは5≦n≦20を満たす。)Li(式中MはC,S,Al,Si,Ga,Ge,In,Snの少なくとも1種以上の元素でありxは0≦x≦5を満たし、yは0≦y≦1を満たし、zは0≦z≦1を満たし、nは0≦n≦6を満たす。)、Li(Al,Ga)(Ti,Ge)Si(ただし、1≦x≦3、0≦y≦1、0≦z≦2、0≦a≦1、1≦m≦7、3≦n≦13)、Li(3−2x)DO(xは0以上0.1以下の数を表し、Mは2価の金属原子を表す。Dはハロゲン原子または2種以上のハロゲン原子の組み合わせを表す。)、LiSi(1≦x≦5、0<y≦3、1≦z≦10)、Li(1≦x≦3、0<y≦2、1≦z≦10)、LiBO−LiSO、LiO−B−P、LiO−SiO、LiBaLaTa12、LiPO(4−3/2w)(wはw<1)、LISICON(Lithium super ionic conductor)型結晶構造を有するLi3.5Zn0.25GeO、ペロブスカイト型結晶構造を有するLa0.55Li0.35TiO、NASICON(Natrium super ionic conductor)型結晶構造を有するLiTi12、Li(1+x+y)(Al,Ga)(Ti,Ge)(2−x)Si(3−y)12(ただし、0≦x≦1、0≦y≦1)、ガーネット型結晶構造を有するLiLaZr12等が挙げられる。またLi、P及びOを含むリン化合物も望ましい。例えばリン酸リチウム(LiPO)、リン酸リチウムの酸素の一部を窒素で置換したLiPON、LiPOD(Dは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、Pt、Au等から選ばれた少なくとも1種)等が挙げられる。また、LiAON(Aは、Si、B、Ge、Al、C、Ga等から選ばれた少なくとも1種)等も好ましく用いることができる。
その中でも、LiLaTiO〔x=0.3〜0.7、y=0.3〜0.7〕(LLT)、LiLaZr(MはAl,Mg,Ca,Sr,V,Nb,Ta,Ti,Ge,In,Snの少なくとも1種以上の元素でありxは5≦x≦10を満たし、yは1≦y≦4を満たし、zは1≦z≦4を満たし、mは0≦m≦2を満たし、nは5≦n≦20を満たす。)、LiLaZr12(LLZ)、LiBO、LiBO−LiSO、Li(Al,Ga)(Ti,Ge)Si(ただし、1≦x≦3、0≦y≦1、0≦z≦2、0≦a≦1、1≦m≦7、3≦n≦13)が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リチウムイオン伝導性の酸化物系固体電解質としてのイオン伝導度は、1×10−6S/cm以上であることが好ましく、5×10−6S/cm以上であることがより好ましく、1×10−5S/cm以上であることが特に好ましい。
本発明においては、固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有する。また、正極活物質層および負極活物質層の各層は、なかでも硫化物系固体電解質を含有することが好ましい。硫化物系固体電解質は総じて酸化物系固体電解質に比べてより硬度が低いため、全固体二次電池において界面抵抗の上昇を生じにくく、本発明を適用することにより、その対応として効果がより顕著になる。
上記無機固体電解質は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機固体電解質の平均粒子径は特に限定されないが、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。上限としては、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定は、特に断らない限り、以下に記載の測定条件および定義によるものとする。
無機固体電解質粒子を、水(水に不安定な物質の場合はヘプタン)を用いて1質量%の分散液を調製する。この分散液試料を用い、「レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920」(商品名、HORIBA社製)を用いて、無機固体電解質粒子の体積平均粒子径を測定する。
無機固体電解質の正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の各層中での含有量は、電池性能と界面抵抗の低減・維持効果の両立を考慮したとき、含有される各層の全固形成分に対して、0質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、2質量%以上であることが特に好ましい。上限としては、同様の観点から、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましく、99.0質量%以下であることが特に好ましい。ただし、後述の正極活物質または負極活物質とともに用いるときには、その総和が上記の濃度範囲であることが好ましい。
なお、本明細書において固形成分とは、170℃で6時間乾燥処理を行ったときに、揮発ないし蒸発して消失しない成分を言う。典型的には、後述の分散媒体以外の成分を指す。
本発明において、固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有する。固体電解質層において、全固形分に対する硫化物系固体電解質の割合は90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。
また、本発明において、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量は、各層を構成する全固形成分に対して0〜10質量%であり、1〜10質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
(バインダー)
本発明において、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有する。
本発明に用いられるバインダーは、有機ポリマーであれば特に限定されない。
本発明に用いることができるバインダーは、通常、電池材料の正極または負極用結着剤として用いられるバインダーが好ましく、特に制限されない。バインダーを構成する樹脂は、例えば、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF−HFP))、炭化水素系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、水素添加スチレンブタジエンゴム(HSBR)、ブチレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂またはそれらの組み合わせなどが挙げられる。これらのなかでも特にアクリル系樹脂とウレタン系樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂が最も好ましい。
本発明に用いられるバインダーは、下記式(I)で表される部分構造を有することがさらに好ましい。
Figure 2016212990
式(I)中、Rは、水素原子または1価の有機基を表す。
式(I)で表される部分構造を有するポリマーとしては、例えば、アミド結合を有するポリマー、ウレア結合を有するポリマー、イミド結合を有するポリマー、ウレタン結合を有するポリマー等が挙げられる。
本発明では、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層に含まれるバインダーの少なくとも1種が、式(I)で表される部分構造を有することが好ましく、正極活物質層および負極活物質層に含まれる全てのバインダーが、式(I)で表される部分構造を有することがより好ましい。
Rにおける有機基は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基が挙げられる。Rはなかでも水素原子が好ましい。
・アミド結合を有するポリマー
アミド結合を有するポリマーとして、ポリアミド、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。
ポリアミドは、ジアミン化合物とジカルボン酸化合物とを縮合重合するか、ラクタムを開環重合することによって得ることができる。
ジアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1−メチルエチルジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4,4’−アミノヘキシル)メタン、パラキシリレンジアミンが挙げられる。また、ポリプロピレンオキシ鎖を有するジアミンとして、例えば、上市されている市販品として、「ジェファーミン」シリーズ(商品名、ハンツマン社製、三井化学ファイン社製)を用いることができる。「ジェファーミン」シリーズの例として、ジェファーミンD−230、ジェファーミンD−400、ジェファーミンD−2000、ジェファーミンXTJ−510、ジェファーミンXTJ−500、ジェファーミンXTJ−501、ジェファーミンXTJ−502、ジェファーミンHK−511、ジェファーミンEDR−148、ジェファーミンXTJ−512、ジェファーミンXTJ−542、ジェファーミンXTJ−533、ジェファーミンXTJ−536等が挙げられる。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸類、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、パラキシリレンジカルボン酸、メタキシリレンジカルボン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸が挙げられる。
ポリアクリルアミドの具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアクリルアミド、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルアクリルアミド、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリルアミド、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテルメタクリルアミド、ポリエステルメタクリルアミド、ポリカーボネートメタクリルアミドなどが好適に挙げられる。
・ウレア結合を有するポリマー
ウレア結合を有するポリマーとしてはポリウレアが挙げられる。ジイソシアネート化合物とジアミン化合物とをアミン触媒存在下で縮合重合することによってポリウレアを合成することができる。
ジイソシアネート化合物の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)−ジイルジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等のジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が好ましい。
ジアミン化合物の具体例としては、上述の化合物例等が挙げられる。
・イミド結合を有するポリマー
イミド結合を有するポリマーとしては、ポリイミドが挙げられる。ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを付加反応させてポリアミック酸を形成した後、閉環することで得られる。
テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)およびピロメリット酸二無水物(PMDA)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、などを挙げることができる。これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。
テトラカルボン酸成分としては、s−BPDAおよびPMDAの少なくとも一方を含むことが好ましく、例えばテトラカルボン酸成分100モル%中にs−BPDAを好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、特に好ましくは75モル%以上含む。テトラカルボン酸二無水物は、剛直なベンゼン環を有していることが好ましい。
ジアミン化合物の具体例としては、上述の化合物例等が挙げられる。
ジアミン化合物は、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリカーボネート鎖、又はポリエステル鎖の両末端にアミノ基を有する構造が好ましい。
・ウレタン結合を有するポリマー
ウレタン結合を有するポリマーとしては、ポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンは、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とをチタン、スズ、ビスマス触媒存在下で縮合重合することで得られる。
ジイソシアネート化合物としては、上述の化合物例が挙げられる。
ジオール化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、平均分子量200、400、600、1000、1500、2000、3000、7500のポリエチレングリコール)、ポリプロピレングリコール(例えば、平均分子量400、700、1000、2000、3000、または4000のポリプロピレングリコール)、ネオペンチルグリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのプロピレンオキサイド付加体などが挙げられる。
ジオール化合物は市販品としても入手可能であり、例えば、ポリエーテルジオール化合物、ポリエステルジオール化合物、ポリカーボネートジオール化合物、ポリアルキレンジオール化合物、シリコーンジオール化合物が挙げられる。
ジオール化合物としては、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、ポリカーボネート鎖、ポリエステル鎖、ポリブタジエン鎖、ポリイソプレン鎖、ポリアルキレン鎖およびシリコーン鎖の少なくとも1種を有していることが好ましい。また、ジオール化合物は、硫化物系固体電解質や活物質との吸着性向上の観点から、炭素−炭素不飽和結合や極性基(アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、スルホンアミド基、リン酸基、ニトリル基、アミノ基、双性イオン含有基、金属ヒドロキシド、金属アルコキシド)を有していることが好ましい。ジオール化合物は、例えば、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸を用いることができる。炭素−炭素不飽和結合を含有するジオール化合物は、市販品としてブレンマーGLM(日油株式会社製)、特開2007−187836号公報に記載の化合物を好適に用いることができる。
ポリウレタンの場合、重合停止剤として、モノアルコールやモノアミンを用いることができる。重合停止剤は、ポリウレタン主鎖の末端部位に導入される。ソフトセグメントをポリウレタン末端に導入する手法として、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル(ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレンモノアルキルエーテルが好ましい)や、ポリカーボネートジオールモノアルキルエーテル、ポリエステルジオールモノアルキルエーテル、ポリエステルモノアルコールなどを用いることができる。
また、極性基や炭素−炭素不飽和結合を有するモノアルコールやモノアミンを用いることで、ポリウレタン主鎖の末端に極性基や炭素−炭素不飽和結合の導入が可能である。たとえば、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシベンジルアルコール、3−メルカプト−1プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、3−メルカプト−1−ヘキサノール、3−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−シアノエタノール、3−ヒドロキシグルタロニトリル、2−アミノエタノール、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−メタクリレンジアミンなどが挙げられる。
本発明に用いられるバインダーはポリマー粒子であることが好ましく、ポリマー粒子の平均粒子径は、0.01μm〜100μmが好ましく、0.05μm〜50μmがより好ましく、0.05μm〜20μmがさらに好ましい。平均粒子径が上記好ましい範囲内にあることが出力密度向上の観点から好ましい。
本発明では、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層に含まれるバインダーの少なくとも1種が、平均粒子径0.05μm〜20μmのポリマー粒子であることが好ましく、正極活物質層および負極活物質層に含まれる全てのバインダーが、平均粒子径0.05μm〜20μmのポリマー粒子であることがより好ましい。
本発明に用いられるポリマー粒子の平均粒子径は、特に断らない限り、以下に記載の測定条件および定義によるものとする。
ポリマー粒子を任意の溶媒(固体電解質組成物の調製に用いる分散媒体。例えば、ヘプタン)を用いて20mlサンプル瓶中で1質量%の分散液を希釈調製する。希釈後の分散試料は、1kHzの超音波を10分間照射し、その直後に試験に使用する。この分散液試料を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(商品名、HORIBA社製)を用いて、温度25℃で測定用石英セルを使用してデータ取り込みを50回行い、得られた体積平均粒子径を平均粒子径とする。その他の詳細な条件等は必要によりJISZ8828:2013「粒子径解析−動的光散乱法」の記載を参照する。1水準につき5つの試料を作製して測定し、その平均値を採用する。
なお、作製された全固体二次電池からの測定は、例えば、電池を分解し電極を剥がした後、その電極材料について上記ポリマー粒子の平均粒子径の測定方法に準じてその測定を行い、あらかじめ測定していたポリマー粒子以外の粒子の平均粒子径の測定値を排除することにより行うことができる。
ポリマー粒子は、有機ポリマー粒子であれば構造は特に限定されない。有機ポリマー粒子を構成する樹脂は、上記バインダーを構成する樹脂として記載した樹脂が挙げられ、好ましい樹脂も適用される。
ポリマー粒子は固形を保持していれば、形状は限定されない。ポリマー粒子は単一分散であっても多分散であってもよい。ポリマー粒子は真球状であっても扁平形状であってもよく、さらに無定形であってもよい。ポリマー粒子の表面は平滑であっても凹凸形状を形成していてもよい。ポリマー粒子はコアシェル構造を取ってもよく、コア(内核)とシェル(外殻)が同様の材料で構成されていても、異なる材質で構成されていてもよい。また中空であっても良く、中空率についても限定されない。
ポリマー粒子は、界面活性剤、乳化剤または分散剤の存在下で重合する方法、分子量が増大するにしたがって結晶状に析出させる方法、によって合成することができる。
また既存のポリマーを機械的に破砕する方法や、ポリマー液を再沈殿によって微粒子状にする方法を用いてもよい。
ポリマー粒子は、例えば、市販品を用いることができ、具体的には、以下に記載の市販品(いずれも商品名で、括弧書きの数値は平均粒子径を表す。)が挙げられる。本発明に用いることの出来るポリマー粒子はこれらに限定されるものではない。
・フッ素系樹脂粒子
マイクロディスパーズシリーズ(テクノケミカル(株)社製、例えば、マイクロディスパーズ−200(PTFE粒子、200nm)、マイクロディスパーズ−3000(PTFE粒子3μm)、マイクロディスパーズ−8000(PTFE粒子、8μm))、ディスパーズイージー−300(PTFE粒子、200nm、テクノケミカル(株)社製)、
FluonADシリーズ(旭硝子(株)社製、例えば、FluonAD911E、FluonAD915E、FluonAD916E、FluonAD939E)、
アルゴフロンシリーズ(ソルベイ(株)社製、例えば、アルゴフロンF(PTFE粒子、15〜35μm)、アルゴフロンS(PTFE粒子、15〜35μm))、
ルブロンシリーズ(ダイキン(株)社製、例えば、ルブロンL−2(PTFE粒子、3.5μm)、ルブロンL−5(PTFE粒子、5μm)、ルブロンL−5F(PTFE粒子、4.5μm))
・炭化水素系樹脂粒子
ソフトビーズ、ザイクセン(ポリオレフィンエマルジョン)、セポルジョンG(ポリオレフィンエマルジョン)、セポレックスIR100(ポリイソプレンラテックス)、セポレックスCSM(クロロスルホン化ポリエチレンラテックス)、フローセン(ポリエチレン粉末)、フローセンUF(ポリエチレン粉末)、フローブレン(ポリプロピレン粉末)、フロービーズ(ポリエチレン−アクリル共重合粉末)(いずれも住友精化(株)社製)
・アクリル系樹脂粒子
アートパールシリーズ(根上工業(株)社製、例えば、アートパールGR、アートパールSE、アートパールG、アートパールGR、アートパールGR、アートパールGS、アートパールJ、アートパールMF、アートパールBE)、
タフチックシリーズ(東洋紡(株)社製、例えば、タフチックAR−650、タフチックAR−750、タフチックFH−S、
ケミスノーシリーズ(総研化学(株)社製、例えば、ケミスノーMP−1451、ケミスノーMP−2200、ケミスノーMP−1000、ケミスノーMP−2701、ケミスノーMP−5000、ケミスノーMP−5500、ケミスノーMP−300、ケミスノーKMR−3TA、ケミスノーMX−80H3wT、ケミスノーMX−150、ケミスノーMX−180TA、ケミスノーMX−300、ケミスノーMX−500、ケミスノーMX−500H、ケミスノーMX−1000、ケミスノーMX−1500H、ケミスノーMX−2000、ケミスノーMX−3000、
FSシリーズ(日本ペイント(株)社製、例えば、FS−101、FS−102、FS−106、FS−107、FS−201、FS−301、FS−501、FS−701)、
MGシリーズ(日本ペイント(株)社製、例えば、MG−155E、MG−451、MG−351)、
テクポリマーシリーズ(積水化成品工業(株)社製、例えば、テクポリマーMBX、テクポリマーSBX、テクポリマーMSX、テクポリマーSSX、テクポリマーBMX、テクポリマーABX、テクポリマーARX、テクポリマーAFX、テクポリマーMB、テクポリマーMBP)、アドバンセルHB−2051(積水化学(株)社製)、
ハヤビーズL−11、ハヤビーズM−11(いずれも早川ゴム(株)社製)、
アロンTシリーズ、アロンAシリーズ、アロンSD−10、アロンACシリーズ、ジュリマーACシリーズ(いずれも東亜合成(株)社製)、
エポスターMA、エポスターMX(いずれも日本触媒(株)社製)
アクリル系樹脂粒子は、国際公開第2015/046314号に記載のアクリル系樹脂粒子を用いることも好ましい。
・スチレン系樹脂粒子
ケミスノーKSR−3A(総研化学(株)社製)、エポスターST(日本触媒(株)社製)
・アミド系樹脂粒子
セポルジョンPA(共重合ナイロンエマルジョン、住友精化(株)社製)、トレパールPAI(ポリアミドイミド粒子、東レ(株)社製)
・イミド系樹脂粒子
ポリイミドパウダーP84(R)NT(ダイセルエヴォニック(株)社製)、
ポリイミドパウダーPIP−3、ポリイミドパウダーPIP−25、ポリイミドパウダーPIP−60(いずれもセイシン企業(株)社製)、
ポリイミドパウダーUIP−R、ポリイミドパウダーUIP−S(いずれも宇部興産(株)社製)
・ウレタン系樹脂粒子
ダイミックビーズUCN−8070CM(7μm)、ダイミックビーズUCN−8150CM(15μm)(いずれも大日精化(株)社製)、
アートパールシリーズ(根上工業(株)社製、例えば、アートパールC、アートパールP、アートパールJB、アートパールU、アートパールCE、アートパールAK、アートパールHI、アートパールMM、アートパールFF、アートパールTK、アートパールC−TH、アートパールRW、アートパールRX、アートパールRY、アートパールRZ、アートパールRU、アートパールRV、アートパールBP)、
グロスデールSシリーズ、グロスデールMシリーズ、グロスデールVシリーズ、グロスデールTシリーズ(いずれも三井化学(株)社製)、
インフィナジー(BASF社製)
・ウレア系樹脂粒子
ウレア系樹脂粒子は、国際公開第2015/046313号に記載のウレア結合を有するポリマーの粒子が好ましく用いられる。
・ポリエステル系樹脂粒子
セポルジョンES(共重合ポリエステルエマルジョン、住友精化(株)社製)
・ポリエーテル系樹脂粒子
トレパールPPS(ポリフェニレンスルフィド粒子、東レ(株)社製)、トレパールPES(ポリエーテルスルホン粒子、東レ(株)社製)
・フェノール樹脂粒子
LPSシリーズ(リグナイト(株)社製)、マリリンFMシリーズ(群栄化学工業(株)社製)、マリリンHFシリーズ(群栄化学工業(株)社製)
・エポキシ樹脂粒子
トレパールEP(エポキシ樹脂粒子、東レ(株)社製)
・ポリカーボネート樹脂粒子
ポリカーボネート樹脂粒子は、例えば、国際公開2011/004730号パンフレットに記載の方法で合成できる。具体的にはエポキシ化合物に二酸化炭素を反応させることで重合することが可能である。
・シリコーン樹脂粒子
シーホスターKEシリーズ(日本触媒(株)社製、例えば、シーホスターKE−Eシリーズ、シーホスターKE−Wシリーズ、シーホスターKE−Pシリーズ、シーホスターKE−Sシリーズ)、
シリコーン複合パウダーシリーズ(例えば、シリコーン複合パウダーKMP−600、シリコーン複合パウダーKMP−601、シリコーン複合パウダーKMP−602、シリコーン複合パウダーKMP−605、シリコーン複合パウダーX−52−7030)、シリコーンレジンパウダーシリーズ(例えば、シリコーンレジンパウダーKMP−590、シリコーンレジンパウダーKMP−701、シリコーンレジンパウダーX−52−854、シリコーンレジンパウダーX−52−1621)、シリコーンゴムパウダーシリーズ(例えば、シリコーンゴムパウダーKMP−597、シリコーンゴムパウダーKMP−598、シリコーンゴムパウダーKMP−594、シリコーンゴムパウダーX−52−875)(いずれも信越シリコーン(株)社製)、
シャリーヌR−170S(シリコーンアクリル共重合、日信化学工業(株)社製)
バインダーのガラス転移温度は、上限は50℃以下が好ましく、0℃以下がさらに好ましく、−20℃以下が最も好ましい。下限は−100℃以上が好ましく、−70℃以上がさらに好ましく、−50℃以上が最も好ましい。
ガラス転移温度(Tg)は、乾燥試料を用いて、示差走査熱量計「X−DSC7000」(SII・ナノテクノロジー(株)社製)を用いて下記の条件で測定する。測定は同一の試料で二回実施し、二回目の測定結果を採用する。
測定室内の雰囲気:窒素(50mL/min)
昇温速度:5℃/min
測定開始温度:−100℃
測定終了温度:200℃
試料パン:アルミニウム製パン
測定試料の質量:5mg
Tgの算定:DSCチャートの下降開始点と下降終了点の中間温度の小数点以下を四捨五入することでTgを算定する。
本発明に用いられるバインダーを構成するポリマー(好ましくはポリマー粒子)の水分濃度は、100ppm(質量基準)以下が好ましく、Tgは100℃以下が好ましい。
また、本発明に用いられるバインダーを構成するポリマーは、晶析させて乾燥させてもよい、ポリマー溶液をそのまま用いてもよい。金属系触媒(ウレタン化、ポリエステル化触媒であるスズ、チタン、ビスマス触媒)は少ない方が好ましい。重合時に少なくするか、晶析で触媒を除くことで、共重合体中の金属濃度を、100ppm(質量基準)以下とすることが好ましい。
ポリマーの重合反応に用いる溶媒は、特に限定されない。なお、無機固体電解質や活物質と反応しないこと、さらにそれらを分解しない溶媒を用いることが望ましい。例えば、炭化水素系溶媒(トルエン、ヘプタン、キシレン)やエステル系溶媒(酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジエトキシエタン)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、ニトリル系溶媒(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル)、ハロゲン系溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム)などを用いることができる。
本発明に用いられるバインダーを構成するポリマーの質量平均分子量は10,000以上が好ましく、20,000以上がより好ましく、50,000以上がさらに好ましい。上限としては、1,000,000以下が好ましく、200,000以下がより好ましく、100,000以下がさらに好ましい。
本発明において、ポリマーの分子量は、特に断らない限り、質量平均分子量を意味する。質量平均分子量は、GPCによってポリスチレン換算の分子量として計測することができる。このとき、GPC装置HLC−8220(東ソー(株)社製)を用い、カラムはG3000HXL+G2000HXLを用い、23℃で流量は1mL/minで、RIで検出することとする。溶離液としては、THF(テトラヒドロフラン)、クロロホルム、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、m−クレゾール/クロロホルム(湘南和光純薬(株)社製)から選定することができ、溶解するものであればTHFを用いることとする。
バインダーの正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の各層中での含有量は、全固体二次電池における良好な界面抵抗の低減性とその維持性を考慮すると、含有される層の全固形成分に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。上限としては、電池特性の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。
本発明では、バインダーの質量に対する、無機固体電解質と必要により含有させる電極活物質の合計質量(総量)の質量比[(無機固体電解質の質量+電極活物質の質量)/バインダーの質量]は、1,000〜1の範囲が好ましい。この質量比はさらに500〜2がより好ましく、100〜10がさらに好ましい。
本発明では、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層に含まれるバインダーの含有量は、含有される層の全固形成分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
(分散剤)
本発明において、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層が分散剤を含有することが好ましい。分散剤を添加することで電極活物質および無機固体電解質のいずれかの濃度が高い場合においてもその凝集を抑制し、均一な電極層および固体電解質層を形成することができるため、出力密度向上に寄与すると考えられる。
分散剤は、分子量180以上3,000未満であって、かつ、下記官能基群(I)から選択される少なくとも1種の官能基と、炭素数8以上のアルキル基または炭素数10以上のアリール基とを有する化合物である。
官能基群(I):酸性基、塩基性窒素原子を有する基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基及びヒドロキシ基
本発明に用いられる分散剤は、低分子、オリゴマーおよびポリマーのいずれに分類される化合物であってもよい。なお、分散剤がオリゴマーおよびポリマーである場合、分子量とは質量平均分子量のことを意味し、質量平均分子量はGPCにより測定することができる。
以下、分散剤についてより詳細に記載する。
本発明に用いられる分散剤の分子量は、好ましくは200以上2,000未満であり、より好ましくは250以上1,500未満であり、さらに好ましくは250以上1,000未満である。上記上限値以下であると、電極活物質や無機固体電解質の粒子の凝集が生じにくくなり、出力密度の低下を効果的に抑制することができる。また上記下限値以上であると、固体電解質組成物スラリーを塗布し乾燥する段階で揮発しやすくなり、全固体二次電池用電極シートおよび全固体二次電池の製造の観点から好ましい。
官能基群(I)において、酸性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、塩基性窒素原子を有する基としては、アミノ基、ピリジル基などが挙げられる。
官能基群(I)のなかでも酸性基、塩基性窒素原子を有する基、シアノ基が好ましく、より好ましくは酸性基である。酸性基のなかでもカルボキシ基が最も好ましい。
・炭素数8以上のアルキル基
分散剤が有する炭素数8以上のアルキル基は、総炭素数が8以上のアルキル基であればよく、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状でもよく、炭化水素である場合に限らず、炭素−炭素結合間にヘテロ原子を介した結合を含有してもよい。また、炭素数8以上のアルキル基は、無置換でもよく、さらに置換基を有していてもよく、さらに途中に不飽和炭素−炭素結合を有していても良い。
炭素数8以上のアルキル基としては、炭素数8以上50以下のアルキル基が好ましく、炭素数8以上30以下のアルキル基がより好ましく、炭素数8以上20以下のアルキル基がさらに好ましく、炭素数8以上18以下のアルキル基が特に好ましい。
具体的には、ノルマルオクチル基、ノルマルデシル基、ノルマルドデシル基、ノルマルテトラデシル基、ノルマルヘキサデシル基、ステアリル基、ラウリル基、リノール基、リノレン基、2−エチルヘキシル基、2−エチルオクチル基、2−エチルドデシル基、ポリエチレングリコールモノメチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基等が挙げられる。
これらの中でも、ノルマルオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノルマルノニル基、ノルマルデシル基、ノルマルウンデシル基、ノルマルドデシル基、ノルマルテトラデシル基、及びノルマルオクタデシル基(ステアリル基)が好ましい。
炭素数8以上のアルキル基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6以上アリール基、ハロゲン原子等が挙げられ、なかでもハロゲン原子が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基を有する炭素数8以上のアルキル基としては、例えば、アリール基で置換されたアルキル基、ハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキル基が挙げられる。
・炭素数10以上のアリール基
分散剤が有する炭素数10以上のアリール基は、総炭素数が10以上のアリール基であればよく、炭化水素である場合に限らず炭素−炭素結合間にヘテロ原子を含有してもよい。また、炭素数10以上のアリール基は、無置換でもよく、さらに置換基を有していてもよい。
炭素数10以上のアリール基としては、炭素数10以上50以下のアリール基が好ましく、炭素数10以上30以下のアリール基がより好ましく、炭素数10以上20以下のアリール基がさらに好ましく、炭素数10以上18以下のアリール基が特に好ましい。
具体的には、ナフチル基、アントラセニル基、ピレニル基、ターフェニル基、ナフタセニル基、ペンタセニル基、ベンゾピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、コランニュレニル基、コロネニル基、オバレニル基等が挙げられる。
これらの中でも、縮環式芳香族炭化水素基が好ましい。
炭素数10以上のアリール基が置換基を有する場合、置換基としては、例えば、ノルマルオクチル基等の炭素数8以上のアルキル基、ハロゲン原子等が挙げられ、なかでもハロゲン原子が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基を有する炭素数10以上のアリール基としては、例えば、アルキル基で置換されたアリール基が挙げられる。
分散剤としては、カルボキシ基と炭素数8以上のアルキル基とを同一分子内に含有する化合物であることが最も好ましく、具体的には、長鎖飽和脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、長鎖不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノレン酸)をより好適に用いることができる。
本発明に用いられる分散剤は、官能基群(I)で表される基を1つ以上有し、かつ、炭素数8以上のアルキル基または炭素数10以上のアリール基を2つ以上有する化合物であることがより好ましい。
本発明では、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層に含まれる分散剤の含有量は、各層の全固形成分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
(リチウム塩)
本発明においては、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層がリチウム塩を含有することも好ましい。
リチウム塩としては、通常この種の製品に用いられるリチウム塩が好ましく、特に制限はなく、例えば、以下に述べるものが好ましい。
(L−1)無機リチウム塩:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF等の無機フッ化物塩;LiClO、LiBrO、LiIO等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl等の無機塩化物塩等。
(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCFSO等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CFSO等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF(CFCFCF)]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF)]、Li[PF(CFCFCFCF]、Li[PF(CFCFCFCF]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。
(L−3)オキサラトボレート塩:リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。
これらのなかで、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiClO、Li(RfSO)、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)が好ましく、LiPF、LiBF、LiN(RfSO、LiN(FSO、及びLiN(RfSO)(RfSO)などのリチウムイミド塩がさらに好ましい。ここで、RfおよびRfはそれぞれ独立にパーフルオロアルキル基を表す。
なお、リチウム塩は、1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。
リチウム塩の含有量は、固体電解質100質量部に対して0質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。上限としては、50質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
(電極活物質)
本発明に用いられる電極活物質は、正極活物質層に含有される正極活物質と、負極活物質層に含有される負極活物質がある。
(正極活物質)
正極活物質には遷移金属酸化物を用いることが好ましく、中でも、遷移元素M(Co、Ni、Fe、Mn、Cu、Vから選択される1種以上の元素)を有することが好ましい。また、混合元素M(リチウム以外の金属周期律表の第1(Ia)族の元素、第2(IIa)族の元素、Al、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Si、P、Bなど)を混合してもよい。
遷移金属酸化物は、例えば、下記式(MA)〜(MC)のいずれかで表されるものを含む特定遷移金属酸化物、またはその他の遷移金属酸化物としてV、MnO等が挙げられる。正極活物質には、粒子状の正極活性物質を用いてもよい。
具体的に、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できる遷移金属酸化物を用いることができ、上記特定遷移金属酸化物を用いることが好ましい。
遷移金属酸化物は、上記遷移元素Mを含む酸化物等が好適に挙げられる。このとき混合元素M(好ましくはAl)などを混合してもよい。混合量としては、遷移金属の量に対して0〜30mol%が好ましい。Li/Mのモル比が0.3〜2.2になるように混合して合成されたものが、より好ましい。
〔式(MA)で表される遷移金属酸化物(層状岩塩型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下式で表されるものが好ましい。
Li ・・・ 式(MA)
式(MA)中、Mは上記Mと同義であり、好ましい範囲も同じである。aは0〜1.2(0.2〜1.2が好ましい)を表し、0.6〜1.1が好ましい。bは1〜3を表し、2が好ましい。Mの一部は上記混合元素Mで置換されていてもよい。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は典型的には層状岩塩型構造を有する。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は、下記の各式で表されるものがより好ましい。
(MA−1) LiCoO
(MA−2) LiNiO
(MA−3) LiMnO
(MA−4) LiCoNi1−j
(MA−5) LiNiMn1−j
(MA−6) LiCoNiAl1−j−i
(MA−7) LiCoNiMn1−j−i
ここで、gは上記aと同義であり、好ましい範囲も同じである。jは0.1〜0.9を表す。iは0〜1を表す。ただし、1−j−iは0以上になる。kは上記bと同義であり、好ましい範囲も同じである。
これらの遷移金属化合物の具体例としては、LiCoO(コバルト酸リチウム[LCO])、LiNi(ニッケル酸リチウム)、LiNi0.85Co0.10Al0.05(ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム[NCA])、LiNi0.33Co0.33Mn0.33(ニッケルマンガンコバルト酸リチウム[NMC])、LiNi0.5Mn0.5(マンガンニッケル酸リチウム)が挙げられる。
式(MA)で表される遷移金属酸化物は、一部重複するが、表記を変えて示すと、下記で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(i)LiNixcMnycCozc(xc>0.2,yc>0.2,zc≧0,xc+yc+zc=1)
代表的なもの:
LiNi1/3Mn1/3Co1/3
LiNi1/2Mn1/2
(ii)LiNixdCoydAlzd(xd>0.7,yd>0.1,0.1>zd≧0.05,xd+yd+zd=1)
代表的なもの:
LiNi0.8Co0.15Al0.05
〔式(MB)で表される遷移金属酸化物(スピネル型構造)〕
リチウム含有遷移金属酸化物としては中でも下記式(MB)で表されるものも好ましい。
Li ・・・ 式(MB)
式(MB)中、Mは上記Mと同義であり、好ましい範囲も同じである。cは0〜2を表し、0.2〜2が好ましく、0.6〜1.5がより好ましい。dは3〜5を表し、4が好ましい。
式(MB)で表される遷移金属酸化物は、下記の各式で表されるものがより好ましい。
(MB−1) LiMn
(MB−2) LiMnAl2−p
(MB−3) LiMnNi2−p
mはcと同義であり、好ましい範囲も同じである。nはdと同義であり、好ましい範囲も同じである。pは0〜2を表す。
これらの遷移金属酸化物は、例えば、LiMn、LiMn1.5Ni0.5が挙げられる。
式(MB)で表される遷移金属酸化物は、さらに下記の各式で表されるものも好ましい例として挙げられる。
(a) LiCoMnO
(b) LiFeMn
(c) LiCuMn
(d) LiCrMn
(e) LiNiMn
高容量、高出力の観点で上記のうちNiを含む電極がさらに好ましい。
〔式(MC)で表される遷移金属酸化物〕
リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウム含有遷移金属リン酸化物が好ましく、なかでも下記式(MC)で表されるものも好ましい。
Li(PO ・・・ 式(MC)
式(MC)中、eは0〜2(0.2〜2が好ましい)を表し、0.5〜1.5が好ましい。fは1〜5を表し、1〜2が好ましい。
はV、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群から選択される1種以上の元素を表す。Mは、上記の混合元素Mの他、Ti、Cr、Zn、Zr、Nb等の他の金属で置換していてもよい。具体例としては、例えば、LiFePO、LiFe(PO等のオリビン型リン酸鉄塩、LiFeP等のピロリン酸鉄類、LiCoPO等のリン酸コバルト類、Li(PO(リン酸バナジウムリチウム)等の単斜晶ナシコン型リン酸バナジウム塩が挙げられる。
なお、Liの組成を表す上記a、c、g、m、e値は、充放電により変化する値であり、典型的には、Liを含有したときの安定な状態の値で評価される。式(a)〜(e)では特定値としてLiの組成を示しており、これも同様に電池の動作により変化するものである。
本発明の全固体二次電池で使用する正極活物質の平均粒子径は特に限定されないが、0.1μm〜50μmが好ましい。正極活性物質を所定の粒子径にするには、通常の粉砕機や分級機を用いればよい。焼成法によって得られた正極活物質は、水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。正極活物質の平均粒子径は、前述の無機固体電解質の平均粒子径の測定方法と同様の方法により測定する。
正極活物質の濃度は特に限定されない。なお、正極活物質の含有量は、正極活物質層を構成する全固形成分に対して、固形成分100質量%において、20〜100質量%が好ましく、40〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%がさらに好ましい。
(負極活物質)
負極活物質としては、可逆的にリチウムイオンを挿入・放出できるものが好ましい。このような材料は、特に制限はなく、炭素質材料、酸化錫や酸化ケイ素等の金属酸化物、金属複合酸化物、リチウム単体やリチウムアルミニウム合金等のリチウム合金、及び、SnやSi等のリチウムと合金形成可能な金属等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。なかでも炭素質材料又はリチウム複合酸化物が安全性の点から好ましく用いられる。また、金属複合酸化物としては、リチウムを吸蔵、放出可能であることが好ましい。その材料は、特には制限されるものではなく、構成成分としてチタン及び/又はリチウムを含有していることが、高電流密度充放電特性の観点で好ましい。
負極活物質として用いられる炭素質材料とは、実質的に炭素からなる材料である。例えば、石油ピッチ、天然黒鉛、気相成長黒鉛等の人造黒鉛およびPAN系の樹脂やフルフリルアルコール樹脂等の各種の合成樹脂を焼成した炭素質材料を挙げることができる。さらに、PAN系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、脱水PVA系炭素繊維、リグニン炭素繊維、ガラス状炭素繊維、活性炭素繊維等の各種炭素繊維類、メソフェーズ微小球体、グラファイトウィスカー、平板状の黒鉛等を挙げることもできる。
これらの炭素質材料は、黒鉛化の程度により難黒鉛化炭素材料と黒鉛系炭素材料に分けることもできる。また炭素質材料は、特開昭62−22066号公報、特開平2−6856号公報、同3−45473号公報に記載されている面間隔や密度、結晶子の大きさを有することが好ましい。炭素質材料は、単一の材料である必要はなく、特開平5−90844号公報に記載の天然黒鉛と人造黒鉛の混合物、特開平6−4516号公報に記載の被覆層を有する黒鉛等を用いることもできる。
負極活物質として適用される金属酸化物及び金属複合酸化物としては、特に非晶質酸化物が好ましく、さらに金属元素と周期律表第16族の元素との反応生成物であるカルコゲナイトも好ましく用いられる。ここでいう非晶質とは、CuKα線を用いたX線回折法で、2θ値で20°〜40°の領域に頂点を有するブロードな散乱帯を有するものを意味し、結晶性の回折線を有してもよい。2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の100倍以下が好ましく、5倍以下がより好ましく、結晶性の回折線を有さないことがさらに好ましい。
上記非晶質酸化物及びカルコゲナイドからなる化合物群のなかでも、半金属元素の非晶質酸化物、及びカルコゲナイドがより好ましく、周期律表第13(IIIB)族〜第15(VB)族の元素、Al、Ga、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Biの1種単独あるいはそれらの2種以上の組み合わせからなる酸化物、及びカルコゲナイドがさらに好ましい。好ましい非晶質酸化物及びカルコゲナイドの具体例としては、例えば、Ga、SiO、GeO、SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、Bi、Bi、SnSiO、GeS、SnS、SnS、PbS、PbS、Sb、Sb、SnSiSなどが好ましく挙げられる。また、これらは、酸化リチウムとの複合酸化物、例えば、LiSnOであってもよい。
負極活物質の平均粒子径は、0.1μm〜60μmが好ましい。所定の粒子径にするには、よく知られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが好適に用いられる。粉砕時には水またはメタノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応じて行うことができる。所望の粒径にするためには分級を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はなく、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることができる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。負極活物質粒子の平均粒子径は、前述の無機固体電解質粒子の平均粒子径の測定方法と同様の方法により測定する。
上記焼成法により得られた化合物の組成式は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の質量差から算出できる。
Sn、Si、Geを中心とする非晶質酸化物負極活物質に併せて用いることができる負極活物質としては、リチウムイオン又はリチウム金属を吸蔵・放出できる炭素材料や、リチウム、リチウム合金、リチウムと合金可能な金属が好適に挙げられる。
本発明において、負極活物質層は下記式(α)で表される負極活物質を含有する。
Lixαα yαzα 式(α)
式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
このような負極活物質としては例えば、Nb、TiO、LiTi12[LTO]、WO、MoO、Feなどが挙げられる。
負極活物質はチタン原子を含有することが好ましい。本発明においては、上記式(α)で表される負極活物質のなかでも、チタン酸リチウム(LiTi12[LTO])がリチウムイオンの吸蔵放出時の体積変動が小さいことから急速充放電特性に優れ、電極の劣化が抑制されリチウムイオン二次電池の寿命向上が可能となる点で好ましい。特定の負極とさらに特定の電解液を組合せることにより、様々な使用条件においても二次電池の安定性が向上する。
本発明の全固体二次電池においては、Si元素を含有する負極活物質を適用することも好ましい。一般的にSi負極は、現行の炭素負極(黒鉛、アセチレンブラックなど)に比べて、より多くのLiイオンを吸蔵できる。すなわち、質量あたりのLiイオン吸蔵量が増加するため、電池容量を大きくすることができる。その結果、バッテリー駆動時間を長くすることができるという利点があり、車用のバッテリー等への使用が今後期待されている。
負極活物質の濃度は特に限定されない。なお、負極活物質の含有量は、負極活物質層を構成する全固形成分に対して、20〜100質量%が好ましく、40〜100質量%がより好ましく、90〜100質量%がさらに好ましい。
本発明においては、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層に含まれる電極活物質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し90質量%以上であることが好ましく、正極活物質層および負極活物質層に含まれる電極活物質の含有量がいずれも、各層を構成する全固形分に対し90質量%以上であることがより好ましい。
(分散媒体)
本発明においては、各層の成形材料として用いられる固体電解質組成物が、上記の各成分を分散させる分散媒体を含有していてもよい。分散媒体の具体例としては、例えば、下記の溶媒が挙げられる。
アルコール化合物溶媒は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ソルビトール、キシリトール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが挙げられる。
エーテル化合物溶媒は、例えば、アルキレングリコールアルキルエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等)、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンが挙げられる。
アミド化合物溶媒は、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、2−ピロリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドが挙げられる。
ケトン化合物溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンが挙げられる。
芳香族化合物溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンが挙げられる。
脂肪族化合物溶媒は、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンが挙げられる。
ニトリル化合物溶媒は、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリルが挙げられる。
本発明においては、非水系分散媒体によって硫化物系固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し、固体電解質層を製膜することも好ましい。非水系分散媒体としては、上記芳香族化合物溶媒、脂肪族化合物溶媒等が挙げられる。
<集電体(金属箔)>
正・負極の集電体は、化学変化を起こさない電子伝導体が好ましい。正極の集電体は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体は、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、アルミニウム、銅、銅合金がより好ましい。
集電体の形状は、通常フィルムシート状のものが使用されるが、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。
集電体の厚みは、特に限定されないが、1μm〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
<全固体二次電池の作製>
全固体二次電池の作製は常法によればよい。具体的には、本発明の電極活物質層用組成物(正極活物質層用組成物、負極活物質層用組成物)を集電体となる金属箔上に塗布し、塗膜を形成した全固体二次電池用電極シートとする方法が挙げられる。
例えば、正極集電体である金属箔上に正極材料となる組成物(正極活物質層用組成物)を塗布し、正極活物質層を形成し、電池用正極シートを作製する。正極活物質層の上に、固体電解質組成物を塗布し、固体電解質層を形成する。さらに、固体電解質層の上に、負極材料となる組成物(負極活物質層用組成物)を塗布し、負極活物質層を形成する。負極活物質層の上に、負極側の集電体(金属箔)を重ねることで、正極層と負極層の間に、固体電解質層が挟まれた全固体二次電池の構造を得ることができる。
なお、上記の各組成物の塗布方法は常法によればよい。このとき、正極活物質層を形成するための組成物、無機固体電解質層を形成するための組成物および負極活物質層を形成するための組成物は、それぞれ塗布した後に乾燥処理を施してもよいし、重層塗布した後に乾燥処理をしてもよい。乾燥温度は特に限定されない。なお、下限は30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、上限は、300℃以下が好ましく、250℃以下がより好ましい。このような温度範囲で加熱することで、分散媒体を除去し、固体状態にすることができる。
<全固体二次電池の用途>
本発明の全固体二次電池は種々の用途に適用することができる。適用態様には特に限定はないが、例えば、電子機器に搭載する場合、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
なかでも、高容量かつ高レート放電特性が要求されるアプリケーションに適用することが好ましい。例えば、今後大容量化が予想される蓄電設備等においては高い安全性が必須となりさらに電池性能の両立が要求される。また、電気自動車などは高容量の二次電池を搭載し、家庭で日々充電が行われる用途が想定され、過充電時に対して一層の安全性が求められる。本発明によれば、このような使用形態に好適に対応してその優れた効果を発揮することができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、例えば、以下のような各応用形態が導かれる。
〔1〕正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層の少なくとも1層がリチウム塩を含有する全固体二次電池。
〔2〕固体電解質層が、非水系分散媒体によって硫化物系固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し製膜される全固体二次電池の製造方法。
〔3〕上記全固体二次電池作製用の電極活物質層用組成物。
〔4〕上記電極活物質層用組成物を金属箔上に適用し、製膜してなる全固体二次電池用電極シート。
〔5〕上記電極活物質層用組成物を金属箔上に適用し、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
なお、金属箔上に電極活物質層用組成物を適用する方法には、例えば、塗布(湿式塗布、スプレー塗布、スピンコート塗布、スリット塗布、ストライプ塗布、バーコート塗布ディップコート)が挙げられ、湿式塗布が好ましい。
上記好ましい実施形態の〔2〕および〔5〕に記載するように、本発明の全固体二次電池および全固体二次電池用電極シートの製造方法は、いずれも湿式プロセスである。これにより、正極活物質層および負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が10質量%以下の低い領域でも、活物質と固体電解質の密着性が高まり効率的なイオン伝導パスを維持することができ、電池重量あたりのエネルギー密度(Wh/kg)および出力密度(W/kg)が高い全固体二次電池を製造することができる。
全固体二次電池とは、正極、負極、電解質がともに固体で構成された二次電池を言う。換言すれば、電解質としてカーボネート系の溶媒を用いるような電解液型の二次電池とは区別される。このなかで、本発明は無機全固体二次電池を前提とする。全固体二次電池には、電解質としてポリエチレンオキサイド等の高分子化合物を用いる有機(高分子)全固体二次電池と、上記のLi−P−S系ガラス、LLTやLLZ等を用いる無機全固体二次電池とに区分される。なお、無機全固体二次電池に高分子化合物を適用することは妨げられず、正極活物質、負極活物質、無機固体電解質のバインダーとして高分子化合物を適用することができる。
無機固体電解質とは、上述した高分子化合物をイオン伝導媒体とする電解質(高分子電解質)とは区別されるものであり、無機化合物がイオン伝導媒体となるものである。具体例としては、上記のLi−P−S系ガラス、LLTやLLZが挙げられる。無機固体電解質は、それ自体が陽イオン(Liイオン)を放出するものではなく、イオンの輸送機能を示すものである。これに対して、電解液ないし固体電解質層に添加して陽イオン(Liイオン)を放出するイオンの供給源となる材料を電解質と呼ぶことがある。上記のイオン輸送材料としての電解質と区別する際には、これを「電解質塩」または「支持電解質」と呼ぶ。電解質塩としては、例えばLiTFSIが挙げられる。
本発明において「組成物」というときには、2種以上の成分が均一に混合された混合物を意味する。ただし、実質的に均一性が維持されていればよく、所望の効果を奏する範囲で、一部において凝集や偏在が生じていてもよい。
以下に、実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。以下の実施例において「部」および「%」というときには、特に断らない限り質量基準である。
<硫化物系無機固体電解質の合成>
− Li−P−S系ガラスの合成 −
硫化物系の無機固体電解質として、T.Ohtomo,A.Hayashi,M.Tatsumisago,Y.Tsuchida,S.Hama,K.Kawamoto,Journal of Power Sources,233,(2013),pp231−235及びA.Hayashi,S.Hama,H.Morimoto,M.Tatsumisago,T.Minami,Chem.Lett.,(2001),pp872−873の非特許文献を参考にして、Li−P−S系ガラスを合成した。
具体的には、アルゴン雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、硫化リチウム(LiS、Aldrich社製、純度>99.98%)2.42g及び五硫化二リン(P、Aldrich社製、純度>99%)3.90gをそれぞれ秤量し、メノウ製乳鉢に投入し、メノウ製乳棒を用いて、5分間混合した。なお、LiS及びPの混合比は、モル比でLiS:P=75:25とした。
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを66個投入し、次いで上記の硫化リチウムと五硫化二リンの混合物の全量を投入し、アルゴン雰囲気下で容器を完全に密閉した。この容器を遊星ボールミルP−7(フリッチュ社製)にセットし、温度25℃、回転数510rpmで20時間メカニカルミリングを行い、黄色粉末のLi−P−S系ガラス(硫化物系無機固体電解質)6.20gを得た。
(実施例1)
−固体電解質組成物の調製−
(1)固体電解質組成物(K−1)の調製
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、Li−P−S系ガラス9.5g、PVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)0.5g、及び分散媒体として1,4−ジオキサン15.0gを投入した。その後、この容器を遊星ボールミルP−7(フリッチュ社製)にセットし、温度25℃、回転数300rpmにて2時間攪拌を続け、固体電解質組成物(K−1)を調製した。
(2)固体電解質組成物(K−2)〜(K−6)および(HK−1)の調製
固体電解質組成物(K−1)の調製において、組成を表1に示すように変更したこと以外は、固体電解質組成物(K−1)と同様にして、固体電解質組成物(K−2)〜(K−6)および(HK−1)を調製した。
Figure 2016212990
<表の注釈>
・LLT:Li0.33La0.55TiO(平均粒径3.25μm)
・Li−P−S:上記で合成したLi−P−S系ガラス
・B−1:PVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体) アルケマ(株)社製 質量平均分子量10万
・B−2:SBR(スチレンブタジエンゴム) アルドリッチ(株)社製 質量平均分子量15万
・B−3:アクリル系ポリマー(メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体)(ラジカル重合品、開始剤:V−601(和光純薬(株)製)、モノマー構成比:メタクリル酸メチル70モル%、アクリル酸ブチル30モル%)
・B−4:ウレタン系ポリマー(メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)−ブタンジオール−ポリエチレングリコール1000の共重合体)(重縮合品、開始剤:ネオスタンU−600(日東化成(株)製)、モノマー構成比:メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)50モル%、ブタンジオール25モル%、ポリエチレングリコール1000 25モル%)
・B−5:アクリル系樹脂微粒子:テクポリマーMBX−5(商品名、平均粒子径5μm、積水化成品工業(株)社製)
・B−6:ウレタン系樹脂微粒子:ダイミックビーズUCN−8070CM(商品名、平均粒子径7μm、大日精化(株)社製)
−二次電池正極用組成物の調製−
(1)正極用組成物(U−1)の調製
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、無機固体電解質LLZ(LiLaZr12、平均粒子径5.06μm、(株)豊島製作所製)0.5g、PVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)0.5g、及び分散媒体として1,4−ジオキサン12.3gを投入した。この容器を遊星ボールミルP−7(フリッチュ社製)にセットし、温度25℃、回転数300rpmの条件にて2時間機械分散を続けた。その後、活物質としてコバルト酸リチウム(LCO、日本化学工業(株)製)9.0gを容器に投入し、再びこの容器を遊星ボールミルP−7にセットし、温度25℃、回転数100rpmにて15分間混合を続けた。このようにして、正極用組成物(U−1)を調製した。
(2)正極用組成物(U−2)〜(U−6)、(HU−1)及び(HU−2)の調製
正極用組成物(U−1)の調製において、組成を表2に示すように変更したこと以外は、正極用組成物(U−1)と同様にして、正極用組成物(U−2)〜(U−6)、(HU−1)及び(HU−2)を調製した。なお、正極用組成物(U−1)〜(U−6)は実施例となる正極用組成物であり、正極用組成物(HU−1)〜(HU−2)は比較用の正極用組成物である。
Figure 2016212990
<表の注釈>
・LLZ:LiLaZr12(平均粒子径5.06μm、(株)豊島製作所製)
なお、下記はいずれも活物質の略称である。
LCO:LiCoO コバルト酸リチウム
NMC:Li(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O ニッケル、マンガン、コバルト酸リチウム
NCA:LiNi0.85Co0.10Al0.05 ニッケル、コバルト、アルミニウム酸リチウム
−二次電池負極用組成物の調製−
(1)負極用組成物(S−1)の調製
ジルコニア製45mL容器(フリッチュ社製)に、直径5mmのジルコニアビーズを180個投入し、上記で合成したLi−P−S系ガラス0.9g、PVdF−HFP(ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)0.1g、及び分散媒体としてトルエン12.3gを投入した。この容器を遊星ボールミルP−7(フリッチュ社製)にセットし、温度25℃、回転数300rpmにて2時間、機械分散を続けた。その後、活物質としてチタン酸リチウム(LTO、石原産業(株)社製)9.0gを容器に投入し、再びこの容器を遊星ボールミルP−7にセットし、温度25℃、回転数100rpmで15分間混合を続けた。このようにして、負極用組成物(S−1)を調製した。
(2)負極用組成物(S−2)〜(S−5)及び(HS−1)の調製
負極用組成物(S−1)の調製において、組成を表3に示すように変更したこと以外は、負極用組成物(S−1)と同様にして、負極用組成物(S−2)〜(S−5)及び(HS−1)を調製した。なお、負極用組成物(S−1)〜(S−5)は実施例となる負極用組成物であり、負極用組成物(HS−1)は比較用の負極用組成物である。
Figure 2016212990
<表の注釈>
なお、下記はいずれも活物質の略称である
・AB:アセチレンブラック
・LTO:LiTi12 チタン酸リチウム(商品名「エナマイトLT−106」、石原産業(株)社製)
・C−1:下記構造を有する分散剤(分子量1335.7)
Figure 2016212990
−二次電池用正極シートの作製−
上記で調製した二次電池正極用組成物(U−1)を厚み20μmのアルミ箔(集電体)上に、クリアランスが調節可能なアプリケーターにより塗布し、80℃で1時間加熱した後、さらに110℃で1時間加熱し、分散媒体を乾燥させた。その後、ヒートプレス機を用いて、任意の密度になるように加熱及び加圧し、正極活物質層/アルミ箔の積層構造を有する厚み150μmの二次電池用正極シートを製造した。
−全固体二次電池用電極シートの製造−
上記で製造した二次電池用正極シートの正極活物質層の上に、上記で調製した固体電解質組成物(K−1)を、クリアランスが調節可能なアプリケーターにより塗布し、80℃で1時間加熱した後、さらに110℃で1時間加熱し、厚み10μmの固体電解質層を形成した。その後、上記で調製した二次電池負極用組成物(S−1)を、乾燥後の固体電解質層上にさらに塗布し、80℃で1時間加熱後、さらに110℃で1時間加熱し、厚み100μmの負極活物質層を形成した。負極活物質層上に厚み20μmの銅箔(負極側の集電体)を載置し、ヒートプレス機を用いて、固体電解質層及び負極活物質層が任意の密度になるように加熱及び加圧し、下記表4に示す試験No.101の全固体二次電池用電極シートを製造した。
試験No.101の全固体二次電池用電極シートの製造において、組成物および膜厚を表4に示すように変更したこと以外は、試験No.101の全固体二次電池用電極シートと同様にして、試験No.102〜106およびc11〜c12の全固体二次電池用電極シートを製造した。
全固体二次電池用電極シートの層構造を図1に示す。全固体二次電池用電極シートは、銅箔/負極活物質層/固体電解質層/二次電池用正極シート(正極活物質層/アルミ箔)の積層構造を有している。
−全固体二次電池の製造−
上記で製造した全固体二次電池用電極シートを直径14.5mmの円板状に切り出し、図2に示すように、スペーサーとワッシャーを組み込んだステンレス製の2032型コインケース14に入れて、トルクレンチで8ニュートンメートル(N・m)の力で締め付け、下記表4に記載の試験No.101〜106およびc11〜c12の全固体二次電池を製造した。
<評価>
上記で製造した試験No.101〜106およびc11〜c12の全固体二次電池に対して以下の評価を行った。評価結果は、下記表4に示す。
<電池重量あたりの出力密度の評価>
上記で製造した全固体二次電池を、東洋システム(株)社製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」(商品名)を用い、温度30℃で測定した。
充電は電池電圧が3.8Vになるまで、電流値0.05mAで行ない、放電は0.05mAで10秒行い、その際の電圧値を読み取った。同じ電流量で再度3.8Vになるまで充電する。これを0.1mA、0.2mA、0.5mAの各電流量で行い、10秒放電で電圧が2.5Vとなるときの電流量を外挿して求めた。電池重量あたりの出力密度は(2.5V)×(外挿で求めた電流量)/(電池重量)から算出し、以下の基準で評価した。なお、評価「C」以上が本試験の合格レベルである。下記表4において、電池重量あたりの出力密度を「出力密度」と記載した。
(評価基準)
A:80W/kg以上
B:50W/kg以上80W/kg未満
C:20W/kg以上50W/kg未満
D:20W/kg未満
<電池重量あたりのエネルギー密度の評価>
上記で製造した全固体二次電池を、東洋システム(株)社製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」(商品名)を用い、温度30℃で測定した。
充電は電池電圧が4.2Vになるまで、電流値0.2mAで行ない、放電は電池電圧が3.0Vになるまで、電流値0.2mAで行なった。同様の充放電を繰り返し、3サイクル目の放電容量を電池の放電容量とした。放電エネルギー(Wh)は、放電時10秒あたりの平均電圧(V)と平均放電容量(Ah)の積を放電が終了するまで足し合わせることで算出した。得られた放電エネルギーを電池重量で割ることで、エネルギー密度(Wh/kg)を求め、以下の基準で評価した。
なお、評価「C」以上が本試験の合格レベルである。下記表4において、電池重量あたりのエネルギー密度を「エネルギー密度」と記載した。
(評価基準)
A:20Wh/kg以上
B:10Wh/kg以上20Wh/kg未満
C:5Wh/kg以上10Wh/kg未満
D:5Wh/kg未満
<サイクル特性の評価>
上記で製造した全固体二次電池のサイクル特性を、東洋システム(株)社製の充放電評価装置「TOSCAT−3000」(商品名)を用い、温度30℃で測定した。
充放電は、上記放電容量の算出と同様に行った。3サイクル目の放電容量を100とし、放電容量が80未満となったときのサイクル数から、以下の基準で評価した。なお、評価「B」以上が本試験の合格レベルである。
(評価基準)
A:50回以上
B:40回以上50回未満
C:30回以上40回未満
D:30回未満
Figure 2016212990
表4から明らかなように、本発明の要件を満たす構成を有する試験No.101〜106の全固体二次電池は、電池重量あたりの出力密度およびエネルギー密度が高く、かつ、サイクル特性に優れることが分かる。
これに対して、正極活物質層および負極活物質層における無機固体電解質の含有量がいずれも10質量%を超え、負極活物質層に含有される負極活物質が式(α)で表されない試験No.c11の全固体二次電池、ならびに、正極活物質層および負極活物質層における無機固体電解質の含有量がいずれも10質量%を超え、固体電解質層が硫化物系固体電解質を含有せず、負極活物質層に含有される負極活物質が式(α)で表されない試験No.c12の全固体二次電池は、いずれも電池重量あたりの出力密度およびエネルギー密度が低く、かつ、サイクル特性に優れなかった。
1 負極集電体
2 負極活物質層
3 固体電解質層
4 正極活物質層
5 正極集電体
6 作動部位
10 全固体二次電池
11 上部支持板
12 下部支持板
13 コイン電池
14 コインケース
15 全固体二次電池用電極シート
S ネジ

Claims (11)

  1. 正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有する全固体二次電池であって、
    該正極活物質層および該負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
    前記固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
    前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
    前記負極活物質層が下記式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池。
    Lixαα yαzα 式(α)
    式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
  2. 前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも1層に含まれる電極活物質の含有割合が、各層を構成する全固形分に対し90質量%以上である請求項1に記載の全固体二次電池。
  3. 前記負極活物質がLiTi12である請求項1または2に記載の全固体二次電池。
  4. 前記正極活物質層、前記固体電解質層および前記負極活物質層の少なくとも1層の厚みが、50μm以上500μm未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  5. 前記バインダーの少なくとも1種が、平均粒子径0.05μm〜20μmのポリマー粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
  6. 前記バインダーの少なくとも1種が、下記式(I)で表される部分構造を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
    Figure 2016212990
    式(I)中、Rは水素原子または1価の有機基を表す。
  7. 前記正極活物質層、前記固体電解質層および前記負極活物質層の少なくとも1層が分散剤を含有し、
    該分散剤が、分子量180以上3,000未満であって、かつ、下記官能基群(I)から選択される少なくとも1種の官能基と、炭素数8以上のアルキル基または炭素数10以上のアリール基とを有する化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の全固体二次電池。
    官能基群(I):酸性基、塩基性窒素原子を有する基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルアミド基、アルコキシシリル基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、シアノ基、チオール基及びヒドロキシ基。
  8. 前記固体電解質層が、非水系分散媒体によって前記硫化物系固体電解質が分散されたスラリーを湿式塗布し、製膜する請求項1〜7のいずれか1項に記載の全固体二次電池の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の全固体二次電池の正極活物質層または負極活物質層を形成する電極活物質層用組成物であって、
    該電極活物質層用組成物は、
    無機固体電解質の含有量が、前記電極活物質層用組成物を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、電極活物質及びバインダーを含有し、かつ、
    前記負極活物質層を形成する電極活物質層用組成物に含有される電極活物質が、下記式(α)で表される負極活物質である電極活物質層用組成物。
    Lixαα yαzα 式(α)
    式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
  10. 請求項9に記載の電極活物質層用組成物を金属箔上に適用し、製膜する全固体二次電池用電極シートの製造方法。
  11. 正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層をこの順に有する全固体二次電池用電極シートであって、
    該正極活物質層および該負極活物質層の少なくとも1層における無機固体電解質の含有量が、各層を構成する全固形分に対し0〜10質量%であり、
    前記固体電解質層は硫化物系固体電解質を含有し、
    前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも1層がバインダーを含有し、かつ、
    前記負極活物質層が下記式(α)で表される負極活物質を含有する全固体二次電池用電極シート。
    Lixαα yαzα 式(α)
    式(α)中、Mαは、Al、Ga、In、Ti、Si、Sn、Ge、Pb、Sb、Nb、W、Mo、FeおよびBiから選択される元素を表す。xα〜zαは各元素の組成比を表し、xα=0〜4、yα=0.3〜7、zα=0.5〜15を表す。
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