JP2012525065A - 3次元アンテナ - Google Patents

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Abstract

【解決手段】アンテナ形状は、薄フィルム上に塗布でき、この薄フィルムは3次元(3D)フレックスフィルムを形成するよう形づくることができる。3Dフレックスフィルムは、次に、従来の成形プロセスを使用してキャリアに一体化できる。結果として得られる筐体は、キャリアの内部表面または外部表面に3Dフレックスフィルムを支持するキャリアを含む。結果として得られる筐体は、このように、たとえば携帯電話などの、だがそれに限定されない、対応するアンテナを有益に使用できるデバイスに対してより望ましい筐体を実現するようなアンテナと筐体の一体化が改善するように設計される。
【選択図】図1

Description

本出願は、2009年4月21日に出願された米国仮出願第61/171,110号の優先権を主張し、これは、本明細書に参照によりその全体が組み込まれる。
本発明は、アンテナ分野に関し、特に、筐体を有するデバイスでの使用に適したアンテナ分野に関する。
10年以上にわたって、内蔵アンテナは、モバイル無線デバイス向けのソリューションとして好まれてきた。内蔵アンテナは、携帯電話、ラップトップ、ゲーム機等の筐体内に統合できる。アクティブ・インピーダンス・チューニングおよびマッチング技術における最新技術を使用して、これらの電子的に小さなアンテナは、RFID(13MHz)から約10.6GHzまでの超広帯域(UWB)までの範囲の無線(RF)プロトコルをカバーできるように設計できる。しかし多くの内蔵アンテナは、携帯電話やラップトップで広く使用されるGSMやUMTSセル帯域で動作する。
無線市場では、デバイスの小型化の動きが続いている。しかし、統合アンテナを小型化し、それでいて効率のよい放射特性を持たせる方法には、物理法則上の制限がある。統合アンテナに必要なスペースを確保し、それでいて製品全体のサイズを小さく保つためには、無線デバイスの筐体の最も外側の角にアンテナを配置することが望ましい。これは、筐体の内部の曲線にぴったりと合う、たとえば内蔵3Dアンテナなどの3次元(3D)形状に形成したアンテナで達成できる。
最近の内蔵3Dアンテナは、主にフレキシブルプリント基板(FCP)アンテナ、メタル・シート・アンテナ、Laser Direct Structure(LDS)アンテナによって実現される。それぞれの方法には、長所と短所がある。米国特許第6,778,139号で開示されているようなFCPアンテナは、一般に、金属箔ベースのアンテナ設計を支持する薄いプラスチックの層を伴う。FCPアンテナを使用するとアンテナを曲げることはできるが、完全な3Dアンテナ技術を可能にするものではない。たとえば、FCPアンテナは複曲面(double-curved surface) に対して曲げることはできず、特に、より鋭角の曲げ周囲では、面のトポロジーに従う能力に限界がある。これにより、FCPアンテナは、器質的形状(organic shape) と特定の角への配置に制限される。メタル・シート・アンテナも、平らな金属面の箇所に制限され、その曲げ量により、製造の観点からアンテナを形作ることが可能である。
LDSアンテナ技術は、おそらく、3つの方法の中で最も柔軟である。LDS技術では、アンテナパターンがプラスチック表面上にレーザーで形作られ、レーザーの与えるエネルギーにより、励起領域をその後金属でめっきすることを可能にする。LDS技術は、3Dアンテナトポロジーを完全に可能にするが、特定のプラスチック素材のみが使用でき、使用可能なプラスチックには、使用可能な筐体を無線デバイスの筐体として使用するにはより望ましくない特性にする可能性がある、特定の材料特性があることが多い。たとえば、LCP(液晶高分子)は、LDS技術で使用される一般的な種類のプラスチックであるが、LDS技術で処理すると、通常クラスAサーフェスは実現されず、その上処理後の措置が必要な場合がある。さらに、LDS技術で使用されるプラスチックは最初に形成してからレーザーで励起しめっきしなければならない(それ自身に複数手順の処理があることが多い)。したがって、製造サイクルタイムに問題があり得る。したがって、LDS技術では、望ましくないコストが設計にかかることが多く、アンテナが筐体内部に実現されない場合もあり、それどころかデバイス内部に別個のパーツを必要とすることがある。それ故に、アンテナ技術におけるさらなる改良は評価されるだろう。
3次元フレックスフィルムが提供され、これはキャリアの内部表面または外部表面のいずれかの対象表面に実質的にマッチする立体的な薄フィルムを含む。フィルムは薄フィルムアンテナアレイを含む。キャリアは、1つ以上の曲線を含む、幾何学的形状で3次元フレックスフィルムにマッチする3次元形状を形成する内部表面または外部表面を備える。キャリアおよびフレックスフィルムは、一体化して筐体を形成する。一実施形態では、この一体化はインモールドラベリングにより達成され得る。
一実施形態では、筐体は複数の層を含んでいても良く、フレックスフィルムは2つの層の間に位置していても良い。筐体はさらに、クラスAサーフェスの少なくとも一部を形成する装飾ラベルを含んでいても良い。一実施形態では、このラベルは、アンテナアレイがフィルムの一方に配置されてキャリアの方向を向いており、装飾ラベルがフィルムのもう一方に配置されるよう、3次元フレックスフィルムと一体化されていても良い。別の実施形態では、2つのフィルムがあり、1つは装飾ラベルを支持し、もう1つはアンテナを支持していても良い。ラベルは、筐体の外側に配置しても良く、アンテナアレイは筐体の内側に配置しても良い。サンドイッチ状態のアンテナアレイを使用した、または筐体の外側にアンテナアレイを有する一実施形態では、キャリア(または必要に応じてその層)は、導電性部品が開口部から伸長し、アンテナと電気的な接触を行い得るような、1つ以上の開口部を含んでも良い。
本発明は例示を用いて説明されており、同様の参照番号は同様の要素を示す添付の図に制限されるものではない。
内部表面に3次元フレックスフィルムを含む筐体の実施形態の斜視図である。 内部表面に3次元フレックスフィルムを含む筐体の実施形態の拡大した斜視図である。 内部表面に3次元フレックスフィルムを含む筐体の別の実施形態の斜視図である。 2層間に挟まれた3次元フレックスフィルムを含む筐体の実施形態の斜視図である。 図2で示す実施形態の拡大した斜視図である。 2層間に挟まれた3次元フレックスフィルムを含む筐体の別の実施形態の斜視図である。 図3で示す実施形態の他の斜視図である。 図3で示す実施形態の拡大した斜視図である。 内部表面および外部表面に3次元フレックスフィルムを含む筐体の実施形態の斜視図である。 図4で示す実施形態の他の斜視図である。 図4で示す実施形態の拡大した斜視図である。 2層間に挟まれた3次元フレックスフィルムを含む筐体の別の実施形態の斜視図である。 3次元フレックスフィルムの形成における使用に適した方法の実施形態を示した図である。 3次元フレックスフィルムの形成の実施形態を示した図である。
以降の詳細な説明は、典型的な実施形態を説明しており、明示的に開示した組み合わせに制限することを意図しない。したがって、別に記載のない限り、本明細書で開示する特徴は、共に組み合わせて簡潔にするために特に示されていない、異なる組み合わせにしても良い。
本明細書に開示するように、実施形態は3次元(3D)アンテナ技術を完全に実現し得る。これは、FCP、メタルシートまたはLDSアンテナの特定の限界がない。提示したアンテナ技術は、3Dフレックスと呼ばれる場合があり、修正を加えたプリントアンテナで、3D面に合うようあらかじめ形成されている。3D形成は1つの曲線を持つ表面またはまっすぐな表面に制限されず、フィルムはどのような材料の上にも配置し得る。一例として、3Dフレックスは無線デバイスの筐体へのインサート成形またはオーバー成形も可能で、したがってデバイスのほとんどの角の利用が可能である。本明細書で説明するように、プラスチック筐体は、3次元(3D)アンテナ構造を含むよう構成でき、アンテナ構造は、3D成形されたフレキシブルフィルムを使用することで機械的にプラスチック筐体に一体化し得る。たとえば、アンテナ構造は幾何学的に筐体の内部または外部表面に沿わせることができ、筐体はプラスチックまたは必要に応じて異なる材料を組み合わせたものを使用してよい。一実施形態では、このように筐体に沿わせることは、3D成形されたフレキシブルフィルムを筐体にインサート成形またはオーバー成形することにより達成し得る。そしてフレキシブルフィルムは、アンテナアレイ構造を有する。
同時にアンテナが幅広い周波数で構成可能であることに留意されたい。一実施形態では、アンテナアレイのアンテナ(1つまたは複数)の周波数範囲は約13MHz(RFIDアプリケーションに適している)から約10.6GHz(超広帯域「UWB」アプリケーションに適している)の間としてよい。この範囲外のその他の周波数も検討される。好ましい実施形態では、アンテナ(1つまたは複数)の周波数範囲は、13MHzから14MHzの間である。別の好ましい実施形態では、アンテナ(1つまたは複数)の周波数範囲は、76MHzから239.2MHzの間である。別の好ましい実施形態では、アンテナ(1つまたは複数)の周波数範囲は、470MHzから796MHzの間である。別の好ましい実施形態では、アンテナ(1つまたは複数)の周波数範囲は、698MHzから2690MHzの間である。別の好ましい実施形態では、アンテナ(1つまたは複数)の周波数範囲は、3400MHzから5850MHzの間である。別の好ましい実施形態では、アンテナ(1つまたは複数)の周波数範囲は、3.1GHzから10.6GHzの間である。さらに、アンテナアレイは複数のアンテナを含み、それぞれが異なる範囲で機能するよう構成しても良いことは理解できよう。
説明した実施形態が、携帯電話、PDA、ゲーム機のような携帯ゲームシステム、ノートブック、ラップトップ、ネットブックなどの一般的な(電子)携帯デバイスに適していると同時に、説明した特徴はこれに限定されず、それどころかアンテナを含む、あるいはアンテナを活用する他のデバイスにも幅広く適用してもよいことに留意されたい。さらに、幅広い筐体構成を、本明細書で開示された特徴と共に使用してもよいということにも留意されたい。したがって、開示された特徴は、筐体の表面に形成した3Dアンテナを含むことが望ましい他のデバイスと共に使用しても良い。
図を参照すると、図1〜5は形成し得る可能な構造を表す実施形態を示した図である。図1と1Aは、最初の実施形態を表している。筐体10は、キャリア20を含み、これは携帯デバイスで使用される筐体の形成に使用される従来のモールド可能な材料などの、希望する任意の材料で形成して良く、異なる種類の材料の合成物でも良い。キャリア20は内部表面21と外部表面22を含み、さらに、曲面21と平面にあり、比較的小さい半径(半径の制限はキャリア20の形成方法に基づいて決定し得る)で互いに対し角度が付いている内部表面を結合する角24を含む。図示されているキャリア20は比較的単純な構造であるが、内部表面21と外部表面22は、目的のキャリア構造を実現するために任意の数の曲面と角を含むことができることは理解できよう。さらに、内部および外部表面21、22の特徴が、互いに関連し合ったり独立したりしていても良い。たとえば、内部または外部表面のどちらかに相対的に大きなくぼみがある場合、もう片方の内部および外部表面にも必ずくぼみがあるだろう。しかし、外部表面22は、その領域全体が曲面に覆われているのみの、相対的に滑らかな表面である一方、内部表面21には、さらにスペースを作ったり内部表面21に隣接して配置されるコンポーネントのための特徴が保持されるような角や刻み、突起等が含まれていても良い。
このように、筐体10は任意の従来の形を有することができ、既知の形成方法に基づいてキャリア内に形成された従来の形を任意の数含むことができる。さらに、知られているように、筐体10は筐体10にインサート成形されたさまざまな特徴を含むことができる。内部表面21および外部表面22のこのような差異や、広範囲の可能な幾何学的形状は、図示した後述の他の実施形態でも実現できるが、異なる形状を用いた筐体の形成は既知のため、異なる形状については、簡潔にするためさらには説明しない。
内部表面21に配置されているのはフレックスフィルム70で、これはプラスチック素材など、たとえば1種類のプラスチック素材または、PET(テレフタル酸ポリエチレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、およびPI(ポリイミド)(これに限定されない)などのプラスチック素材の合成物のフィルム等希望の材料で形成できる。フレックスフィルム70の形成に使用される素材は、フレックスフィルム70が、1度3D形状に形成されるとその形状を保てるようなものを選択することができる。一実施形態では、フレックスフィルム70は最初に形成され、次にキャリア20に、インモールドラベリング(IML)などの従来のモールド処理を使用して一体化できる。このように、フレックスフィルム70は一体化する前に3D形状を有しており、キャリア20に一体化されると、フレックスフィルム70およびキャリア20を層状の様な構成で含む筐体10が実現する。フィルムの厚さは50μmから500μmの間であり、75μmから375μmが好ましく、125μmから250μmが最も好ましい。
フレックスフィルム70に配置されているのは、第1のアンテナ50a、第2のアンテナ50b、および第3のアンテナ50cを含み、それぞれがボディ55と接触部51、52、53を有しているように図示されているアンテナアレイ50である。特定のアンテナ設計に単一フィード設計(およびこれによる単一接触部53)を含んでも良く、一方で、他のアンテナ設計には二重フィード設計を含み、接触部51を含んでいても良いことは理解できよう。さらに、アンテナアレイ50内の各アンテナのボディ55の形状は、目的のアンテナ使用方法に基づくことは理解されよう。アンテナアレイ50は単一アンテナを含んでいても良いが、より多くの数のアンテナ、たとえば4つ以上のアンテナを含んでいても良い。
いずれかのアンテナが有していても良い特徴の1つに、アンテナが曲線および/または角の周囲に形成されていることがある。たとえば、図示するように、アンテナ50bは曲線上に形成された遷移部分58を含む。しかし、内部表面21の大多数は少なくともわずかに曲がった表面を有しており、アンテナ50bのかなりの部分が3D形状になっていることは理解できよう。アンテナ50bの3D形状により、許容スペースを最大限に活用しながら筐体にぴったり合わせることが可能になる。遷移部分58で、アンテナが、従来の形成技術では使用が難しい場合がある内部表面21の部分を連続的に覆うことが可能になる。
図1Bは、キャリア20’の内部表面21’に配置されたアンテナアレイ50’があるフレックスフィルム70’を含む筐体10’の別の実施形態である。図1と同様、外部表面22’は滑らかで、いくつかの接触部51’、52’、53’がキャリア20’のエッジ26’に沿って提供されていながら、クラスAサーフェスを実現しても良い。このように、多くの取り得る設計バリエーションは、アンテナアレイ50’および対応する接触部51’、52’、53’と関連する。選択される構成は、アンテナアレイとのどのような接触が望まれるかによって異なるであろう。たとえば、図1では接触部51、52、53はポゴピンの様な接触部に適しており、図1Bの接触部はCクリップなどのクリップに適している。ある接触部は1つの接触方法で構成されても良く、一方で他の接触部は別の接触方法に適していることは理解されよう。
図2〜3Bと図5は、アンテナアレイとフレックスフィルムの周りを挟んだキャリアの複数層を持つ実施形態を示した図である。たとえば、図2〜2Aは、内側キャリア120、第2のキャリア120’、および外側キャリア120”を示した図である。キャリア120と120’の間に配置されているのは、アンテナアレイ(図1または1Bで図示したアンテナアレイと同様でも良く、または他の1つ以上のアンテナの望ましい構成でも良い)を含むフレックスフィルム170である。開口部127a、127b、127cでは接触部151、151’、152、153がむき出しになっており、たとえばポゴピンが電気的に接触部と結合できるようになっている。図示したように、開口部は内側キャリア120内にのみあり、2つのキャリア120’、120”は接触部に力が働いたときに変形しないように補強する。さらに、開口部127a、127b、127cは接触部の周囲に完全に広がる際の限界となるエッジを有することに留意されたい。必須ではないが、この限界エッジは、開口部に配置された接触部にかみ合うよう構成された対応要素を配置する際に役立てることができる。さらに、開口部は1つの接触部または複数の接触部を囲むことができることは理解できよう。
筐体を支持するため、内側キャリア120はさらに、留め具を受けるために使用し得る突起129a、129bを含む。したがって、キャリア120の外側の表面はキャリア120’、120”の内側表面と大幅に一致しているが、キャリア120の内側表面は突起129a、129bを含んでおり一致しない。
図3〜3Bは、キャリア220とキャリア220’の間に挟まれたフレックスフィルム270を含む筐体210の実施形態を示した図である。キャリア220は、突起229a、229bを含み、ノッチ型で接触部251、252、253、253’の限界周囲に広がるエッジがない開口部228a、228bを含んでいても良い。開口部228a、228bは両方とも、簡単に反対側の接触部の設計に利用できることから、複数の接触部への接続を提供するという点で役に立つ。
図3Aから理解されるように、キャリア220’は透過的で、それ故にアンテナアレイ250は目に見える。キャリアは、希望の透過度を有することができ(完全な透過から不透明まで)、異なる透過度(および異なる色)の部分を含んでいても良い。ある状況では、たとえば、アンテナパターンの一部が、特定の人々への筐体の視覚的な注意喚起力を高めるよう、目に見えるようにすることが可能なことが望ましい場合もある。さらに、特定のアプリケーションで標準アンテナを使用しても良く、このようなアンテナをアンテナアレイに含めることで、筐体のエンドユーザーに見えるようにした場合に、目標の市場アドバンテージを得られる場合もある。
図5は、キャリア420と、開口部427a、427bに配置された接触部を持つアンテナアレイをさらに支持するフレックスフィルム470を挟むオーバー成形420’を使用した一実施形態を示した図である。このように、キャリアの数は、構造要件および筐体の使用目的によって異なる場合がある。突起429は、オプションで、留め具が筐体410を別のコンポーネント(図示していない)に固定する目的の場合に含めることができる。
オーバー成形420’は、希望する任意のプラスチックを使用でき、クラスAサーフェスを実現できる。さらに、任意の好きな色にすることができ、希望する不透明度または透過度にすることができる。オーバー成形320’は、キャリア320の厚みと同様に、かなりの厚みを持つように図示されているが、一実施形態では、オーバー成形320’は他の厚さ、たとえばフィルム370の厚さと同様にすることもできる。キャリア320が筐体の構造的特性を実現するために使用される場合、オーバー成形320’は特に強度がなくても良いが、さらに希望する美的外観を実現するよう構成することもできる。ただし、オーバー成形340は希望するどのような厚さにでもできることは理解されよう。このように、3Dフレックスフィルムは、2層間に配置できる。オーバー成形320’はキャリアとして使用でき(および、主な構造的支持を提供する)、キャリア320は強化層(留め具または同様のものを受けるための、図示されている突起を含む)とすることができることに留意されたい。
図4〜4Bは、キャリア320、320’とそれぞれ一体化している2つのフレックスフィルム370、370’を有する実施形態を示した図である。フレックスフィルム370は、アンテナアレイ350を支持し、フレックスフィルム370’はクラスAサーフェスを実現できる。フレックスフィルム370’を使用してクラスAサーフェスを実現することで、クラスAサーフェスを実現するために使用することが他では難しい素材を使用できるという利点を得られる。さらに、ラベルにより、キャリア320’に耐久度の許容測定値を実現するような方法で含めることが他では極めて難しい、グラフィックを提供し得る。このように、筐体構造における幅広く可能なバリエーションが、単独あるいは組み合わせて示したさまざまな構造を使用して可能となる。さらに、必要なら、異なる薄フィルムを異なるアンテナに提供し、薄フィルムの片側にアンテナを取り付け、もう片方にラベルを付けてもよいことに留意されたい。このように、フレックスフィルム370はアンテナを含むように図示されているが、ある実施形態ではフレックスフィルム370’は1つ以上のアンテナ(フレックスフィルム370の任意のアンテナの代わりあるいはそれに追加するものとして)を含め得る。こうして、図示した構造により、筐体構造の設計において高い柔軟性が実現される。
筐体は携帯デバイスでの使用に適しているように図示されているが、筐体は任意の希望する形を取ることができる。さらに、全体的に述べているように、本明細書で開示されている特徴は幅広い用途に適している。
前述のように、幅広い筐体構造が可能である。この柔軟性は、3Dフレックスフィルムを形成する方法を用いて促進されることは理解されよう。図6を見ると、3Dフレックスフィルムを形成するためのプロセスを説明している。
最初にステップ600で、アンテナのレイアウトを決定する。これは一般に、筐体の目的の3D形状を作り、アンテナアレイを筐体上でどのように配置すべきかを決定する。このプロセスに対応するための観点には、接触部への電気的接触がどのように実現されるかや、アンテナアレイの目的の動作周波数、アンテナアレイの希望の形状やサイズを決定することが含まれる。モデリングソフトウェアを使用して、許容アンテナ性能を実現するレイアウトを決定し得る。
3次元表面形状がステップ610で決定されると、形成プロセスで局所的にフィルムが伸長することを考慮して3次元形状が2次元形状にマッピングされる。この逆変換プロセスは、シミュレーションや有限要素法などの、定義された精度を達成するいくつかの既存の技術を使用して達成できる。これは、グリッドプリントまたはアンテナプリントフィルムを使用した、既存の2D/3D測定および検証方法を組み合わせた経験的反復法により精密に調整される必要がある。
次にステップ620では、薄フィルムを用意する。薄フィルムのサイズは、目的のアンテナサイズを覆えるような大きさでなければならない。薄フィルムは、合成物を含め、テレフタル酸ポリエチレン(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリイミド(PI)などのプラスチックの任意の希望する素材にすることができる。フィルムは1つまたは2つのクラスAサーフェスを持つか、あるいは持たなくても良い。フィルムは、既に、磨耗や擦り切れ、あるいは特定の触覚的感覚に対して保護する側に、形成可能なコーティングが塗布されていても良い。フィルムは、透過でも非透過/色付きでも良い。色付きとは、フィルムにそれ自身色が付いていても、少なくとも1つの色付き層がフィルム上に付着していても良い。
次にステップ630で、2Dアンテナパターンがフィルム上にプリントされる。可能なプリント技術には、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、彫刻印刷、パッド印刷、輪転印刷、インクジェット印刷、およびその他の既知の印刷方法を含み、スクリーン印刷が好ましい方法である。パターンは、電気的に伝導性の、金属ベース(銀、銅、金、アルミニウム、合金および/またはこれらの要素の混合物、これらの要素のナノ粒子、合金そのもの)の印刷可能なペーストおよび/またはインク素材または、本質的に導電性のポリマー(たとえば、Poly(3,4−ethylenedioxythiophene)poly(styrenesulfonate)(PEDOT:PSS)など)をベースにした印刷可能なペーストおよび/またはインク、または透明導電性酸化物(たとえば、インジウム錫酸化物(ITO)またはアルミニウムドープ酸化亜鉛など)ベースの印刷可能なペーストおよび/またはインク、または単層カーボンナノチューブまたは複層カーボンナノチューブまたはグラフェンベースの印刷可能なペーストおよび/またはインク素材とすることができる。電気的に伝導性の素材は、104 Siemens/meter(S/m)〜6.3×107 S/mの間で、105 S/m〜6.3×107 S/mが好ましく、106 S/m〜6.3×107 S/mの間の導電性が最も好ましい。1つの好ましい電気的伝導性素材はDUPONT 5064銀導体である。次に、インク印刷、分離および変形可能な2Dアンテナパターンのカバーコート腐食保護を使用できる。カバーコートを使用する場合、アンテナを電子機器に電気的に接続するための筐体内の領域は保護しないままにできる。カバーコードのレイアウトは、保護を重ねあわせるため、アンテナパターン自身よりも大きくすることができることに留意されたい。分離カバーコートは、また、DUPONT 5018やPROLL HTRなどの、ただしこれに限定されない、印刷可能なペーストおよび/またはインクを使用することができる。
アンテナ形状(および必要に応じて、カバーコート)が薄フィルムの上に塗布されると、薄フィルムはステップ640で目的の3D形状に形成できる。これは、熱および/または圧力効果を使って薄フィルムを目的の3D形状にセットする従来の3D形成技術を使用して達成できる。たとえば、アンテナ構造が筐体やアンテナ構造の目的の3D形状の、目的の3D形状に印刷される、米国特許第5,108,539号で知られる、高圧成形法(HPF)あるいは熱成形または2Dプラスチックフィルムの2つの方法の組み合わせなどである。もちろん、HPFと熱成形、またはその他の既知の3D形成技術の組み合わせを使用してもよい。
たとえば、PC−BayfolのようなPCフィルムを使用する場合に形成プロセス向けの設定値の組み合わせとして考えられる1つは次のようなものである。
フィルムの温度:110〜230℃、好ましくは110〜180℃。
成形工具の温度:60〜170℃、好ましくは60〜140℃。
加圧:80バール〜200バール。
これらのパラメータを使用すると、5〜20秒のサイクルタイムを達成できる。当業者は既に理解されようが、フィルムの温度と成形工具の温度は、PC以外の素材を使用している場合、フィルムの軟化温度およびガラス転移点に従い調整しても良いことに留意されたい。加圧およびサイクルタイムは、前述の制限値を保持しても良い。この方法により、図7で図示した3Dフレックスフィルムの幾何学形状を有する3D形状が達成できる。
エッジでの半径(R):0.2〜40mm、好ましくは0.3〜10mm、より好ましくは0.5〜5mm、最も好ましくは1〜3mm。
成形高さ(h):0〜20mm、好ましくは0.5〜5mm、最も好ましくは1〜3mm。
抜き勾配(a):0〜90度、好ましくは1〜5度、最も好ましくは2〜3度。
形成プロセスが3D形成プロセスであるということから、前述の設定値は角に対し有効で、二重曲げエッジとも呼ばれる。
ペーストおよびインクは、カバーコートと同様、熱(たとえば、オーブンなど)、赤外線またはマイクロ波ベースの方法を使用することで硬化できる。熱で硬化できる場合、ポリマー接着剤と溶剤または水を含むことができる。インクがUV硬化の場合、インクは連続またはパルスUV放射により硬化しても良い。3D形状の形成プロセスは、ペーストおよび/またはインクを硬化するためにも使用できることに留意されたい。一実施形態では、アンテナに塗布されると一部が最初に硬化でき、次に残りが硬化する前に目的の3D形状に形成できる。
使用するインクまたはペーストによって、好ましくは20℃〜250℃、より好ましいのは100℃〜180℃、最も好ましくは120℃〜150℃に温度を高くし、好ましくは1バール〜1000バール、より好ましくは20バール〜200バール、最も好ましくは50〜100バールに圧力を高めた中で印刷されたプラスチックフィルムを圧縮することにより、2Dアンテナパターンの電気的伝導性を高めることが可能である。
印刷されたアンテナパターンは接触部を含み、通常トランスミッタ/レシーバと電気的に通信するよう構成される。アンテナ接触部に接触するための従来の方法には、ポゴピンおよび/またはクリップを含むことができる。アンテナ接触部と対応する接続接触部との間の電気的接触を改善するため、表面層は、接触領域の表面の粗さが低く良好な導電性を実現するよう、アンテナ接触領域を覆うように実現しても良い。導電性表面層は、カーボン、カーボンナノチューブ、グラフェン、銅、銀、金、合金またはこれらの要素の混合物、これらの要素または合金そのもののナノ粒子をベースにした印刷可能なペーストおよび/またはインクを使用することができる。これらのペーストおよびインクは、熱オーブンベース、赤外線ベース、マイクロ波ベースまたはUVベースの方法を使用して硬化できる。可能なプリント技術には、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、彫刻印刷、パッド印刷、輪転印刷、インクジェット印刷、およびその他の既知の印刷方法を含む。
3Dフレックスフィルムを形成したら、それをキャリアと一体化しても良い。一実施形態では、3Dフレックスフィルムは、単一の一体化パーツとなるように、インモールドラベリング(IML)を使用してキャリアの一部として成形しても良い。3Dフレックスフィルムはまた、インサート成形によりキャリアに一体化することもできる。3DフレックスフィルムがクラスAサーフェスを含む場合、キャリアの外面になるよう一体化することができることは理解されよう。または、3DフレックスフィルムにクラスAサーフェスを含まない場合、キャリア層と別の層の間またはキャリアの内部表面に配置できる。
3Dフレックスフィルムは、特定の部分のラベルを含み、他の部分のラベルを除外して、さらに複数の層を含むことができる。このように、3Dフレックスフィルムは、特定の表面で単一の外観を持つ必要はなく、事実上積層板にすることができる。たとえば電子発光層または画像は、必要ならば、3Dフレックスフィルムの一部に実現できる。このように、1つ以上のラベルを、1つ以上のラベルが3Dフレックスフィルムの全体または一部のみに広がるように配置できる。さらに、特定の領域に、導電接着剤の使用により塗布されたパッドを含むことができる。
IMLが3Dフレックスフィルムとキャリアを一体化する1つの方法として期待されるが、一実施形態では、他の従来の組み立て方法(接着剤、超音波溶接、スナップ式、熱によるかしめ、またはその他の結合方法)の使用により3Dフレックスフィルムを一体化することができることにさらに留意されたい。従来の組み立て方法は、3Dフレックスフィルムに複数層がある場合(たとえば、3Dフレックスフィルムに2つの層がある場合で、1つがクラスAサーフェスを実現するために外側に位置し、もう1つはアンテナパターンを有するために内部に配置されるような場合)により望ましいであろう。
多様な製造プロセスが可能であることは理解されよう。たとえば、2ショット成形プロセスおよび金型を使用する場合などの、1つはオーバー成形ステップ、もう1つはインサート成形ステップの2つの成形プロセスを使用することができる。3Dフレックスフィルムは、第1のステップでキャリアと一体化されるインサート成形することができ、次に第2のステップで別の層とオーバー成形することができる。接触領域などの特定の領域が、第1のプロセスステップ中にプラスチックで覆われないようにできる。フィルムは、外側からの、特に接触領域での第2のプラスチック素材の射出により支持されても良い。これにより、ポゴピンからの力に抵抗する必要がある状況で有用な強化を行う一助となり得る。
前述のように、キャリアは、共に結合したプラスチックおよび金属構造を含む合成素材でも良い。代わりに、キャリアは全体がプラスチックでできていても良い。このように、開示された特徴は、希望するどのような筐体にも使用し得る。
本発明は、その好ましい、典型的な実施形態の観点から説明してきた。添付の特許請求の範囲および趣旨内の、その他の数多くの実施形態、変更、およびバリエーションが、この開示の検討により当業者から想到されるであろう。

Claims (24)

  1. 筐体であって、
    内部表面および外部表面を持つキャリアと、
    前記内部表面および前記外部表面のいずれかに対応して形成された薄フィルムと、
    該薄フィルムに塗布したアンテナアレイであって、前記薄フィルムとアンテナアレイが、対応する表面の前記キャリアと一体化される3次元(3D)フレックスフィルムを形成する、アンテナアレイと、
    を備えた筐体。
  2. 前記3Dフレックスフィルムが前記キャリアの前記内部表面および前記外部表面のいずれかに成形または接着されている、請求項1に記載の筐体。
  3. 前記3Dフレックスフィルムが前記キャリアの前記外部表面に配置され、前記筐体がさらに前記3Dフレックスフィルムを覆うオーバー成形を備える、請求項1に記載の筐体。
  4. アンテナが接触部を含み、前記キャリアが前記内部表面と前記外部表面間に広がる開口部を含み、前記接触部が前記開口部に配置されている、請求項3に記載の筐体。
  5. 前記3Dフレックスフィルムが二重曲げを含み、前記キャリアの角の周囲に広がっている、請求項1に記載の筐体。
  6. 前記3Dフレックスフィルムが少なくとも1つの、該3Dフレックスフィルム全体を覆うように広がっていないラベルを含む、請求項1に記載の筐体。
  7. 前記3Dフレックスフィルムが少なくとも2つの層を含む、請求項1に記載の筐体。
  8. 前記3Dフレックスフィルムが次の幾何学的形状、
    エッジでの半径(R):0.2〜40mm、好ましくは0.3〜10mm、より好ましくは0.5〜5mm、最も好ましくは1〜3mm、
    成形高さ(h):0〜20mm、好ましくは0.5〜5mm、最も好ましくは1〜3mm、
    抜き勾配(a):0〜90度、好ましくは1〜5度、最も好ましくは2〜3度、
    を有する、請求項1に記載の筐体。
  9. 前記3Dフレックスフィルムが次の幾何学的形状、
    角の半径(R):0.2〜40mm、好ましくは0.3〜10mm、より好ましくは0.5〜5mm、最も好ましくは1〜3mm、
    成形高さ(h):0〜20mm、好ましくは0.5〜5mm、最も好ましくは1〜3mm、
    抜き勾配(a):0〜90度、好ましくは1〜5度、最も好ましくは2〜3度、
    を有する、請求項1に記載の筐体。
  10. アンテナの周波数範囲が、13MHzから14MHzの間である、請求項1に記載の筐体。
  11. アンテナの周波数範囲が、76MHzから239.2MHzの間である、請求項1に記載の筐体。
  12. アンテナの周波数範囲が、470MHzから796MHzの間である、請求項1に記載の筐体。
  13. アンテナの周波数範囲が、698MHzから2690MHzの間、より好ましくは880MHzから2690MHzの間である、請求項1に記載の筐体。
  14. アンテナの周波数範囲が、3.1GHzから10.6GHzの間である、請求項1に記載の筐体。
  15. 方法であって、
    2次元アンテナパターンを薄フィルムに印刷することと、
    該薄フィルムを3次元(3D)フレックスフィルムに形成することと、
    該3Dフレックスフィルムをキャリアの内部表面および外部表面のいずれかに一体化することと、
    を備える方法。
  16. 形成がHPFまたは熱成形またはHPFと熱成形の組み合わせにより行われる、請求項15に記載の方法。
  17. 形成の設定値が、
    フィルムの温度:110〜230℃、好ましくは110〜180℃、
    成形工具の温度:60〜170℃、好ましくは60〜140℃である、請求項16に記載の方法。
  18. 形成中の加圧が80〜200バールである、請求項16に記載の方法。
  19. 形成のサイクルタイムが5〜20秒である、請求項16に記載の方法。
  20. 2Dアンテナパターンの電気的伝導性が、好ましくは20℃〜250℃、より好ましくは100℃〜180℃、最も好ましくは120℃〜150℃に温度を高くし、好ましくは1バール〜1000バール、より好ましくは20バール〜200バール、最も好ましくは50〜100バールに圧力を高めた中で印刷されたプラスチックフィルムを圧縮することにより、高められる、請求項15に記載の方法。
  21. 一体化が、前記3Dフレックスフィルムを前記内部表面および前記外部表面のいずれかに成形することを備える、請求項15に記載の方法。
  22. 2次元パターンの配置が目的の3次元パターンに基づいて前記2次元パターンを決定するステップを備える、請求項15に記載の方法。
  23. 印刷にスクリーン印刷を備える、請求項15に記載の方法。
  24. 一般的な非携帯電子デバイスまたは一般的な電子携帯デバイスのための筐体、特に携帯電話、PDA、携帯ゲームシステム、ゲーム機、ノートブック、ラップトップ、ネットブック、リモートコントロールシステムまたはBluetoothデバイスや無線ネットワークなどのその他の通信システムの筐体として、請求項13に記載の方法により得られる、請求項1に記載の筐体の使用。
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