JP2002368347A - フレキシブル配線基板 - Google Patents
フレキシブル配線基板Info
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Abstract
ースフィルムと金属配線との密着性に優れ、屈曲寿命等
の信頼性が高く、微細な配線が高密度に形成された薄型
のフレキシブル配線基板を提供する。 【解決手段】 可撓性のベースフィルム(2)、前記可
撓性のベースフィルム上に形成された金属配線層
(3)、および、前記金属配線層上に形成された可撓性
のカバーレイヤー(4)を具備するフレキシブル配線基
板である。前記金属配線層は、多孔質の絶縁体(5)に
金属を選択的に含浸して形成された貫通または非貫通の
金属配線(6)を有する複合部材からなることを特徴と
する。前記金属配線層の鉛直方向断面での前記金属配線
の領域長は、前記金属配線層における露出面で最小であ
り、前記金属配線層の厚み中央部で最大であることが好
ましい。
Description
などの分野で用いられる配線基板に係り、特に、ベース
フィルムと金属配線の密着性に優れ、屈曲寿命、薄い構
成等の信頼性に優れ、かつ配線の高密度化に対応したフ
レキシブル配線基板に関する。
の高集積化や小型化が進んでおり、今後もその傾向はな
お一層強まることは確実である。これに伴なって、プリ
ント配線基板においても、屈曲性を有するベースフィル
ム上に金属配線を施したフレキシブルタイプの配線基板
を民生用途へ展開することが積極的に図られている。フ
レキシブル配線基板は、特に省スペース性が要求される
ノート型パーソナルコンピューター、携帯電話などの電
気電子機器などに広く使用されるようになりつつある。
となく、今後もますます進むことから多種多様な機能が
求められて、フレキシブル配線基板の需要は拡大する。
その一方で、基板の信頼性や高密度化といった性能も、
より一層高いものが求められることは疑いない。
は、基本的にカプトンなどのポリイミドフィルム上に接
着剤を介して金属配線を配置し、カバーフィルムが設け
られている。しかしながら、上述したように電子機器の
軽薄短小化が進む中、フレキシブル基板に対する薄膜化
の要求はますます強まっているに関わらず、接着剤タイ
プ銅貼積層板は、接着剤層の厚みの制約により限界に達
している。接着剤層を薄くすると、配線上端部とカバー
レイヤー間が極端に薄くなり、繰り返し屈曲によって剥
離を生じやすくなるためである。そこで、接着剤を用い
ずにベースフィルム上に配線を形成する試みが以前から
なされており、近年になって、無接着タイプの銅貼積層
板が開発され商品化されてきた。
大きく2種類に分けられる。その1つはキャスティング
法と呼ばれる方法であり、銅箔上にポリイミドワニスを
塗布し、乾燥・イミド化してベースフィルムを形成させ
る。このとき、ベースフィルムとしてのポリイミドと銅
箔との密着性が悪いという問題があり、ワニスを塗布す
るに先立って接着性の良好なポリイミドを薄くコーティ
ングしてから、ワニスを上塗りするといった工夫もなさ
れている。この手法においては、ベースフィルムを薄く
することが容易という利点があるものの、銅箔に貼り合
わせた後にイミド化するというプロセスを踏む。このた
め、イミド化時の縮合によって生成される水が銅箔との
層間に残留するおそれがあり、剥離の促進や電気特性の
劣化を生じてしまう欠点がある。
フィルム上にメッキによって金属層が形成される。配線
となる金属の厚みは、電解メッキによって確保され、そ
のためのシードを無電解メッキ、真空蒸着やスパッタリ
ング等により形成している。これらのうち、無電解メッ
キや真空蒸着によるシードは、ポリイミドフィルムの表
面処理を施したところで、繰り返し屈曲を要求される環
境に耐え得るだけの密着性は確保できない。比較的密着
性の良好なシードを形成可能なスパッタリング法におい
ても、ピンホールを生じやすいという欠点を有してい
る。したがって、電解メッキにおけるレベリング性を考
慮に入れると、精度のよい銅箔を得ることが困難となっ
てしまう。
においても、繰り返し屈曲を伴うような環境においては
十分な信頼性が得られない。しかも、その基本構成が従
来型の接着剤タイプ銅貼積層板と変わりなく、配線の突
出によって凹凸を有する形状となっている。したがっ
て、屈曲に対する応力が配線に掛かりやすく、構造上密
着性に対して厳しいという本質的な問題も有している。
平坦性が良好であるとともに、ベースフィルムと金属配
線との密着性に優れ、屈曲寿命等の信頼性が高い薄型の
フレキシブル配線基板を提供することを目的とする。
されたフレキシブル配線基板を提供することを目的とす
る。
に、本発明は、可撓性のベースフィルムと、前記可撓性
のベースフィルム上に形成された金属配線層と、前記金
属配線層上に形成された可撓性のカバーレイヤーとを具
備し、前記金属配線層は、多孔質絶縁体に金属を選択的
に充填して形成された金属配線を有する複合部材からな
ることを特徴とするフレキシブル配線基板を提供する。
的に充填して形成された金属配線を有する複合部材から
なる金属配線層と、前記金属配線層の露出面を覆うカバ
ーレイヤーを具備し、前記カバーレイヤーは、互いに離
間して配置された複数の領域を備えることを特徴とする
フレキシブル配線基板を提供する。
例の構成を表わす断面図を、図1に示す。図1に示され
るように、本発明のフレキシブル配線基板1において
は、ベースフィルム2上に、金属配線層3およびカバー
レイヤー4がラミネートされている。金属配線層3は、
多孔質の絶縁体5中に選択的に金属を充填することによ
り形成された金属配線6を有する複合部材である。図1
においては、金属配線は多孔質絶縁体5の表裏に貫通し
て形成されているが、非貫通に形成することもできる。
このように金属配線層3として、多孔質絶縁体に選択的
に金属を含浸してなる複合部材を用いているので、金属
配線層3の表面には金属配線に起因した突出部は存在し
ない。その結果、配線基板の平坦性を高めて、屈曲寿命
を向上させることが可能となった。
領域長は、図2に示されるように、その横断面におい
て、ベースフイルム2もしくはカバーレイヤー4に接す
る領域の幅より、内側の領域の幅が大となる形状を有し
ていることが好ましい。また、該金属配線がベースフイ
ルム2もしくはカバーレイヤー4に接することなく、全
て多孔質絶縁体3内に内包されていても構わない。図2
のように厚み中央部の幅が最大となるよう、側面が滑ら
かに変化している形状を、本明細書においては楕円状と
称する。断面が楕円状の金属配線7を形成することによ
って、ベースフィルム2およびカバーレイヤー4と金属
配線層3における絶縁体5との接着面積が増大する。そ
の結果、各層の間の密着性を十分に確保して、各層間の
剥離の発生を抑えることができる。
には、樹脂を含浸することによって、複合部材の電気絶
縁性や機械的強度を向上させることができる。特に、硬
化速度の異なる樹脂を、厚み方向で少なくとも2種類含
浸させることが好ましい。具体的には、図3に示される
ように、金属配線層3を構成する多孔質絶縁体5の内部
には速硬化性の樹脂8aを含浸し、表層側には遅硬化性
の樹脂8bを含浸する。このように硬化速度の異なる樹
脂が充填されている場合には、基板製造時の圧着工程に
おいては内側の樹脂が迅速に硬化する。したがって、金
属配線の潰れは防止され、配線の高密度化に有効であ
る。
おけるカバーレイヤーは、金属配線の表面を覆い、金属
配線層上に離間して配置される複数の領域から構成され
る。このとき、パターン化された可撓性のカバーレイヤ
ーの間の領域の合計は、前記カバーレイヤーの複数の領
域の基板面方向の面積の合計をc、前記金属配線の基板
面方向の面積の合計をb、前記配線基板の面積をaとす
ると、(c−b)/(a−b)≦0.5の関係を満たす
ことが好ましい。すなわち、金属配線の露出面をカバー
レイヤーで保護し、さらにデバイスとの接合に関わる部
分を残して、カバーレイヤーを離間して配置する。ここ
で定義している金属配線とは、多孔質体表面から見て、
その内部を含めた最大面積を意味している。この最大領
域は、X線顕微検査装置等の投影画像から容易に得られ
る。さらに重要なのは、前記カバーレイヤーの複数の領
域の基板面方向の面積の合計をc、前記金属配線の基板
面方向の面積の合計をb、前記金属配線の基板面方向の
面積をaとすると、(c−b)/(a−b)≦0.5の
関係を満たす。すなわち、隣接する金属配線間の少なく
とも50%以上の領域においては、カバーレイヤーが除
去された構成とすることである。これによって、フレキ
シブル配線の耐屈曲性を著しく高めることができる。し
かも、高密度な配線を形成した薄型のフレキシブル配線
基板を低コストで提供できる。このような複数の領域を
有するカバーレイヤーは、感光性材料を用いることによ
り形成可能である。
る場合には、図4に示されるようにベースフィルムを兼
ねてもよい。すなわち、カバーレイヤーは、金属配線の
表面を覆ってパターン化されて離間して配置される。前
述と同様の理由から、金属配線層の一方の面におけるパ
ターン化された感光性カバーレイヤーの間の領域の合計
は、金属配線層の表面における絶縁体の領域の50%以
上であることが好ましい。この場合には、ベースフィル
ムが存在しないことに起因して、可撓性をより向上させ
るとともにフレキシブル配線基板全体の厚さを低減でき
るという利点もあり、製造プロセスも容易になる。
成する各層について、以下に詳細に説明する。
の材料は、特に限定されない。耐熱性や材料強度の観点
からは、ポリイミドが多用されているが、この他にもポ
リエステル系、ポリフッ化エチレン系、フッ化エチレン
−プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリスルフ
ォン系、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィン系、ポリアミド系、ポリメチルペンテンやポリフ
ェニレンオキサイド等のエンジニアリングプラスチック
系などが挙げられる。また、これらベースフィルムは、
金属配線層との接着性を高めるために、プラズマ処理、
コロナ処理、スパッタエッチング処理等の表面処理を行
なってもよい。
さは、基板の使用される環境や耐熱性、柔軟性等要求さ
れる特性等に応じて適宜決定することができるが、通常
5〜200μm程度である。
絶縁体に選択的に貫通あるいは非貫通の金属領域で形成
された複合部材が使用される。金属配線層の厚さは、ベ
ースフィルムと同様に基板の使用される環境や要求性能
等に応じて適宜決定することができるが、通常1〜10
0μm程度である。
述する。なお、以下に示すのは一例であって、本発明に
使用される金属配線層としての条件を満たしていれば、
いかなる方法で製造されても何等差し支えない。
を用いることができるが、具体的には樹脂やセラミック
スなどが挙げられる。
樹脂や、ビスマレイミド−トリアジン樹脂およびPPE
樹脂、また、ベースフィルムに多用されるポリイミド樹
脂や、その他ポリフッ化エチレン系、フッ化エチレン−
プロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル等のフッ素含有
ポリマー、ポリオレフィン、アクリル系ポリマー、ポリ
アリルエーテル系などのポリエーテル、ポリアリレート
系などのポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルスル
ホン等の一般にエンジニアリングプラスチックと呼ばれ
ている樹脂が挙げられる。
アルミナ、窒化アルミ等の不織布が挙げられる。
場合には、上述したように、特にポリイミド、ポリアミ
ド、ポリアリルエーテル、ポリアリレート、およびポリ
エーテルスルホンなどの耐熱性ポリマーであることが好
ましい。また、1、2−結合型あるいは1、4−結合型
のポリブタジエンなどの共役ジエンモノマーを重合した
側鎖中あるいは主鎖中に二重結合を有するポリマーを架
橋したものでもよい。
式法などの手法によって容易に作製できる。
作製する場合には、まず、孔形成剤である無機微粉末お
よび有機溶剤を樹脂に添加し、練り合わせて混合物を調
製する。次いで、これを成膜した後、溶剤で無機微粉末
および有機溶剤を抽出する。その後、必要に応じて延伸
する。
トを作製する際には、湿式法の場合と同様に調製した混
合物を、シート状に押出し成形する。次いで、必要に応
じて熱処理後、これを一軸もしくは二軸延伸する。
により多孔質樹脂シートを作製する場合も、必要であれ
ば寸法安定性のために、延伸後の樹脂シートに対して熱
処理を行なってもよい。また、前述の添加物等を加えず
に、樹脂シート成形後、この樹脂シートを延伸多孔質化
することによっても、所望の多孔質樹脂シートを容易に
作製できる。
において、表裏に貫通した金属配線を形成する場合に
は、多孔質体の金属形成領域は紫外・可視光の露光領域
によって反映される。そのため、光が多孔質絶縁体の裏
面まで到達する必要があり、多孔質体の空孔径は露光波
長に対して十分に小さいことが好ましい。しかしなが
ら、空孔径が余り小さすぎると、感光性組成物が含浸し
にくくなったり、露光光が透過しにくくなったりするお
それがある。特に配線を形成する場合には、充填された
金属は空孔内で良好に連続している必要があるが、空孔
径が小さすぎると、金属が空孔内で互いに分離した微粒
子状態になるおそれがある。こうした不都合を避けるた
め、多孔質体の空孔径は30〜2000nmであること
が好ましく、50〜1000nmであることがより好ま
しく、100〜500nmの範囲に設定されることが最
も好ましい。
よりもかなり大きな場合でも、多孔質体と近いか同じ屈
折率を有する液体、あるいは低融点のアモルファス固体
などを散乱防止用として空孔内に充填すれば、露光時の
散乱などを防止して光の透過性を高めることは可能であ
る。しかしながら、空孔径が余り大きくなると、やはり
めっきなどによって空孔内に十分に金属を充填すること
が難しくなるうえ、金属配線の幅を数十μm以下と十分
に小さくすることが困難になる。これらを考慮にいれる
と、露光時に散乱防止用の液体などを用いる場合にも、
多孔質体の空孔径は5μm以下に設定されるのが望まれ
る。
特に二次元方向に連続して導通したライン形の部位を形
成した複合部材を作製するために、三次元的に連続した
空孔を有する多孔質体であることが望ましい。
は、露光光の過度の散乱を防ぐために、規則的に均質に
形成されていることが好ましい。これは、前記導電ライ
ンの微細化のためにも有効である。
孔質体外部に開放されていることが必要であり、外部に
開放端のない独立気泡はできるだけ少ないことが望まれ
る。また、配線の誘電率などを向上させるために、空孔
率は、多孔質体の機械的強度が保たれる範囲において高
い方が望まれる。具体的には、空孔率は40%以上であ
ることが好ましく、60%以上であることがより好まし
い。
有する多孔質体は、種々の手法によって作製することが
できる。例えば、ビーズを積層したものや、グリーンシ
ート、ビーズの積層構造を鋳型として作製した多孔質
体、気泡や液泡の積層体を鋳型として形成した多孔質
体、シリカゾルを超臨界乾燥して得られるシリカエアロ
ゲル、ポリマーのミクロ相分離構造から形成した多孔質
体、ポリマーやシリカなどの混合物のスピノーダル分解
によって生じた共連続構造などの相分離構造から適切な
相を除去することによって作製した多孔質体、エマルジ
ョンテンプレーティング法などによって作製した多孔質
体、B.H.Cumpstonら(Nature,vo
l.398,51,1999)やM.Campbell
ら(Nature,vol.404,53,2000)
が報告しているような三次元光造形法を用いて作製した
多孔質体などを用いることができる。
配線の形成方法を、各工程毎に図5を用いて説明する。
るかあるいは消失する化合物を含有する感光性組成物層
12を、図5(a)に示すように多孔質絶縁体11に形
成する。感光性組成物層12の形成には多孔質絶縁体1
1に感光性組成物を含浸及び乾燥するなどの手段を用い
ればよい。なお、図5においては、露光によりイオン交
換性基を生成する化合物を含有する感光性組成物を使用
した例を示している。
用いられる感光性組成物は、光照射によりイオン交換性
基を生成する化合物、または光照射によりイオン交換性
基を消失する化合物を含有する。ただし、露光によりイ
オン交換性基を生成する化合物は、露光による化学反応
をきっかけにする多段階反応によりイオン交換性基を生
じるものであってもよい。こうした化合物は、まず、露
光により化学反応を生じて何らかのイオン交換性基の前
駆体を生じ、この前駆体がさらに化学反応を生じること
によりイオン交換性基を生成する。
物は、(i)露光によりイオン交換能を有する官能基を
発生する化合物が挙げられる。
る化合物としては、(ii)露光前には、イオン交換能
を有する官能基を有し、露光後に水に溶解あるいは膨潤
しにくい疎水的な性質を有する官能基を発生する化合物
が挙げられる。
換性を有する官能基としては、親水性の官能基が挙げら
れ、−COOX基、−SO3X基、−PO3X2基(Xは
水素原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属および周期
律表1、2族に属する典型金属、およびアンモニウム基
から選択される)および−NH2OH等が挙げられる。
換能を有する官能基としては、陽イオン交換性基である
ものが、金属イオンとイオン交換を行ないやすいため望
ましい。こうした陽イオン交換性基としては、−COO
X基、−SO3X基あるいは−PO3X2基等の酸性基
(ただし、Xは水素原子、アルカリ金属やアルカリ土類
金属及び周期律表I、II族に属する典型金属、アンモニ
ウム基)が特に好ましい。これらが含まれていると、後
工程である金属イオン交換後、還元生成した金属あるい
は金属微粒子との安定した吸着が得られる。
も、水中でのイオン解離特性から求めたpKa値が7.
2以下を呈するものがより好ましい。pKa値が7.2
を越えたイオン交換性基は、引き続いて行なわれる金属
イオンまたは金属を結合させる工程(工程(3))にお
いて、単位面積当たりの結合が少ない。したがって、そ
の後に形成させる金属配線に、所望される十分な導電性
が得られないおそれがある。
換性基を生成あるいは消失する化合物として、280n
m以上の波長の光照射によりイオン交換性基を生成ある
いは消失する化合物を使用することが好ましい。これ
は、有機高分子材料系を多孔質絶縁体として用いた場
合、その構造によっては、280nm以下の波長の光照
射で、強度の劣化を招くおそれが生ずるためである。
ン交換性基を生成する化合物の具体例としては、ナフト
キノンジアジド誘導体およびo−ニトロベンジルエステ
ル誘導体、p−ニトロベンジルエステルスルフォネート
誘導体およびナフチルもしくはフタルイミドトリフルオ
ロスルフォネート誘導体等が挙げられる。
場合、エネルギーの低い280nm以上の波長の光で、
しかも短時間に十分に微細なパターニングが可能であ
る。また、ナフトキノンジアジド誘導体は露光時に光ブ
リーチングを起こし、およそ300nm以上の波長域で
透明化する。そのため、膜厚方向に深くまで露光するこ
とが可能であり、多孔質シートの膜厚方向に貫通して露
光する際などに非常に適している。
金属イオン含有水溶液やアルカリまたは酸性水溶液中に
曝される。イオン交換反応によりイオン化した感光性組
成物は水溶液に溶解しやすいため、基材としての絶縁体
から剥離しやすくなる。そこで、基材からの剥離を防ぐ
ために、イオン交換性基生成反応を生じる基がポリマー
や高分子化合物等に担持、あるいは結合されているもの
が好ましい。そのような観点から、280nm以上の波
長の光照射によりイオン交換性基を生成する化合物とし
ては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホニル置換フ
ェノール樹脂誘導体、1,2−ナフトキノンジアジドス
ルホニル置換ポリスチレン誘導体等が好適である。
りイオン交換性基を生成する化合物の他の例としては、
ポリマーの構造中に含有されるカルボキシル基などのイ
オン交換性基に保護基を導入した化合物が挙げられる。
この化合物を用いる場合には、280nm以上の波長の
光を照射することによって酸を発生する光酸発生剤を感
光性組成物に添加する。後工程の露光によって光酸発生
剤から酸が発生し、その発生した酸で保護基が分解する
ことによりイオン交換性基が生成する。なお、前述のポ
リマーとしては、フェノールノボラック樹脂、キシレノ
ールノボラック樹脂、ビニルフェノール樹脂、クレゾー
ルノボラック樹脂等のフェノール系樹脂やポリアミド酸
やポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のカルボキシル
基含有ポリマー等が挙げられる。
rt−ブトキシカルボニルメチル基やtert−ブトキ
シカルボニルエチル基などのtert−ブチルエステル
誘導体置換基が挙げられる。
おいては、構造中のカルボキシル基の保護基としてメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
ベンジルアルコキシ基、2−アセトキシエチル基、2−
メトキシエチル基、メトキシメチル基、2−エトキシエ
チル基、3−メトキシ−1−プロピル基等のアルコキシ
基やトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基等のアルキルシリル基が挙げられる。
酸発生剤としては、CF3SO3 -、p−CH3PhS
O3 -、p−NO2PhSO3 -等を対アニオンとするオニ
ウム塩、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウ
ム塩等の塩、有機ハロゲン化合物、およびオルトキノン
−ジアジドスルホン酸エステルなどを用いることができ
る。
でカルボン酸などのイオン交換性基を生成する保護基と
しては、o−ニトロベンジルエステル基が挙げられる。
りイオン交換性基を消失する、すなわち露光前にはイオ
ン交換能を有し、露光後に水に溶解あるいは膨潤しにく
い疎水的な性質を有する官能基を発生する化合物として
は、次のような化合物を用いることができる。すなわ
ち、イオン交換性基である−COOX基、−SO3X基
あるいは−PO3X2基などの酸性基(ただし、Xは水素
原子、アルカリ金属やアルカリ土類金属及び周期律表
I、II族の属する典型金属、アンモニウム基)を、その
組成物骨格中に有し、光照射によりイオン交換能が消失
する化合物である。
水に溶解あるいは膨潤しにくい疎水的な性質を有する官
能基を発生する化合物としては、塩基性物質の存在下で
の光照射により脱炭酸反応を起こして分解することので
きるカルボキシル基含有化合物が挙げられる。この場合
には、前述のカルボキシル基含有化合物に加えて、光酸
発生剤と塩基性化合物とを感光性組成物中に添加する。
こうした組成物においては、露光により発生した酸が、
脱炭酸反応に関わる塩基性化合物を中和してしまう。こ
のため、露光部ではカルボキシル基がそのまま残り、未
露光部においては脱炭酸反応が進行するというメカニズ
ムによって、露光部のイオン交換能が消失する。
るカルボキシル基含有化合物としては、任意の化合物を
選択できるが、塩基性化合物により脱炭酸反応が進行し
やすい化合物が好ましい。そのような化合物としては、
カルボキシル基のα位またはβ位に電子吸引性基または
不飽和結合を有するものが挙げられる。ここで、電子吸
引性基は、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリ
ール基、カルボニル基、またはハロゲンであることが好
ましい。
体例としては、α−シアノカルボン酸誘導体、α−ニト
ロカルボン酸誘導体、α−フェニルカルボン酸誘導体、
β,γ−オレフィンカルボン酸などが挙げられる。
酸発生剤が挙げられ、280nm以上の波長で酸を発生
するものが特に好ましい。
剤から放出される酸によって中和され、カルボキシル基
含有化合物の脱炭酸反応の触媒として作用するものであ
れば任意のものを用いることができる。この塩基性化合
物は有機化合物、無機化合物いずれでも構わないが、好
ましいのは含窒素化合物である。具体的には、アンモニ
ア、1級アミン類、2級アミン類、および3級アミン類
等が挙げられる。これら塩基性化合物の含有量は、感光
性組成物中0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜1
5重量%である。0.1重量%未満の場合には、脱炭酸
反応が充分に進まなくなり、30重量%を越えると、未
露光部に残存するカルボキシル基含有化合物の劣化を促
すおそれがある。
多孔質絶縁体11に形成された感光性組成物層12に対
して、図5(b)に示すように所望の導電パターンにパ
ターン露光して、感光性組成物層12の露光部15にイ
オン交換性基を生成あるいは消失させる。
成されたマスク13を介して光14を照射することによ
りパターン露光しているが、これに限定されるものでは
ない。導電パターンのネガ像を形成したマスクを用い
て、導電パターン部以外の部分のイオン交換性基を生成
あるいは消失させてもよい。
必要はなく、例えば、レーザービームなどを用いて導電
パターンどおりに描画して露光してもよい。また、光の
干渉によって生じる干渉縞などの周期的な光強度パター
ンを用いて周期的なパターンを露光してもよい。
ために照射される露光光としては、波長が280nm以
上のものが用いられる。なお、露光による絶縁体の劣化
を低く抑えるためには、露光光の波長は300nm以上
であることが好ましく、350nm以上であることがよ
り好ましい。
体に対して、その厚み方向に内部に露光する場合には、
長波長の露光光を用いることが肝要である。多孔質体が
芳香族ポリイミドなどで構成される場合には、ポリイミ
ドの吸収の吸収端が450nm以上になるものも少なく
ない。こうした場合には、さらに長波長の500nm以
上の波長でパターン露光を行なうことが好ましい。
外光源、可視光源のほか、β線(電子線)、X線など光
源のなかから所定の波長の露光光を生じるものを選択し
て使用することができる。紫外光源、あるいは可視光源
は、具体的には水素放電管、希ガス放電管、タングステ
ンランプ、ハロゲンランプのような連続スペクトル光
源、各種レーザー、水銀灯のような不連続スペクトル光
源などのなかから選択して用いる。
イオン交換性基に対して、後工程の工程(3)で金属イ
オンの結合量を増量するために、イオン交換性基の中
和、あるいはそのイオン交換性基を形成した部分の膨潤
を行なってもよい。そのためには、絶縁体を酸またはア
ルカリ溶液に吹き付けや浸漬などの手法によって接触さ
せる。特に、アルカリ溶液として水酸化リチウム、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化物、炭酸リチ
ウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属
塩、ナトリウムメトキサイドやカリウムエトキサイド等
の金属アルコキサイドや水素化ホウ素ナトリウム等の水
溶液の少なくとも1種を用い、これらの溶液に浸漬する
のがよい。こうした溶液は、単独であるいは混合して用
いることができる。
形成されたイオン交換性基に、選択的に金属イオンまた
は金属微粒子を結合させて、図5(c)に示すように金
属配線を形成する。図5(c)においては、露光部15
が金属配線16となる。
を生じさせるには、例えば金属塩を含有する水溶液など
に、パターン露光後の絶縁体を浸漬させるだけで容易に
行なうことができる。
ては、銅、銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、錫、
チタン、鉛、白金、金、クロミウム、モリブデン、鉄、
イリジウム、タングステン、およびロジウム等が挙げら
れる。
酸塩、塩化物、および炭酸塩等のような金属塩として溶
液中に含有させる。特に、硫酸銅が好ましい。こうした
金属塩は、溶液における金属イオンの濃度が0.001
〜10M、好ましくは0.01〜1Mとなるよう配合す
るのが適切である。なお、金属塩を溶解させる溶媒は、
水あるいは有機溶媒系、例えばメタノールやイソプロパ
ノール等であってもよい。
溶液を用いることもできる。イオン交換性基とコロイド
状態の金属微粒子とは、静電的な相互作用などによって
選択的に結合を生じる。したがって、イオン交換性基と
金属微粒子との結合は、金属微粒子が分散した溶液に絶
縁体を浸漬させるだけで容易に生じさせることができ
る。
ムと塩化スズを混合して作製する無電解メッキの触媒と
して使用されるパラジウム−スズコロイド、またパラジ
ウムのハロゲン化物、酸化物、アセチル化錯体の分散溶
液中に絶縁体を浸漬させる。それによって、イオン交換
性基上に位置選択的に金属微粒子が容易に結合を生じ
る。
縁体に金属配線を形成して、複合部材を得ることができ
る。複合部材の金属配線の導電性をさらに向上させるた
めには、以下の工程(4)、工程(5)のいずれか、あ
るいはその両方を行なうことが望ましい。
た金属配線16の導電性を向上させるために、図5
(d)に示すように、イオン交換性基に結合した金属イ
オンを還元剤と接触させて金属化させてもよい。
ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、ヒド
ラジン、ホルマリン、水素化ホウ素ナトリウムや、次亜
リン酸ナトリウム等の次亜リン酸塩等が挙げられる。こ
うした還元剤を含有する溶液に、前述の工程(3)まで
を経た絶縁体を浸漬することによって、金属配線16を
金属化させることができる。
を向上させるために、図5(e)に示すように無電解め
っき17を施すことが望ましい。これにより、金属配線
16の空孔内を金属である程度充填することができる。
腐食しにくい銅が最も好ましい。具体的には、前工程で
得られた金属配線を触媒核として、無電解メッキ液と接
触させる。
銀、パラジウム、ニッケル、コバルト、白金、金、ロジ
ウム等の金属イオンを含有するものが挙げられる。
溶液の他にホルムアルデヒド、ヒドラジン、次亜リン酸
ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン
酸、グリオキシル酸等の還元剤、酢酸ナトリウム、ED
TA、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グリシン等の錯化
剤や析出制御剤等が含まれており、これらの多くは市販
されており簡単に入手することができる。そこで、前記
部材をこれらの無電解メッキ液の所望される導電膜厚、
若しくは多孔質内部への充填が完了するまで浸漬してお
けばよい。
製造するに当たっては、膜厚方向に貫通する露光光を多
孔質の絶縁体に照射することによって金属配線が決定さ
れる。媒体が多孔質であると、照射された光は空隙部分
と基材部分という2つの屈折率の異なる空間を何回も通
過しなければならない。この場合、空隙部分の屈折率と
基材部分の屈折率が異なることから、光はかなり散乱さ
れる。特に、多孔体の空隙や基材の大きさが光の波長に
近いと、大きく散乱を起こす。さらに、多孔体の場合、
散乱した光が再び散乱体にぶつかり何度も散乱するとい
う、多重散乱が発生する。
光量を厳密に調整することによって防止することができ
る。膜厚方向の表裏に貫通した金属配線を、より効率よ
く容易に形成するためには、すでに説明したように、多
孔質体と近いか同じ屈折率を有する液体を露光に先立っ
て空孔内に充填することが望ましい。あるいは、低融点
のアモルファス固体などを充填してもよい。パターン露
光を行なって潜像を形成した後には、充填されていた液
体や固体は除去される。
合には、複合部材に形成される金属配線の断面形状を楕
円状とすることができる。具体的には、金属配線の横断
面から観察される領域長が、層内部になるにしたがって
長くなる。この場合には、ベースフィルム上に金属配線
層およびカバーレイヤーを順次積層してなる本発明のフ
レキシブル配線基板において、ベースフィルムおよびカ
バーレイヤーに接する金属配線は、マスクに形成された
配線幅よりも小さくなる。
おいても、金属配線の表面は一般に使用されている金属
箔と同様の状態といえるため、ベースフィルムとの接着
性が十分でないという問題が従来から存在している。こ
れに対して本発明では、多孔質の絶縁体を用い、その内
部に金属を充填させることによって、複合部材中の金属
配線と絶縁体領域とが一体化されている。このため、各
層間の密着性を向上させて屈曲寿命を高めることが可能
となった。さらに、金属配線の断面を楕円状とすること
によって、多孔質体の空隙に充填された含浸樹脂の複合
部材表層への接着性が高められ、金属部とベースフィル
ムとの間の剥離を抑えることができる。また、ベースフ
ィルムと複合部材との密着性もさらに向上することか
ら、配線の高密度化にも非常に有効である。
表面近傍における金属配線の長さAよりも、部材の厚み
中央部における最大金属領域の長さBを長くすることに
よって、すなわち、複合部材の横断面における金属配線
の形状を楕円状とすることによって得られる。特に、B
/A≧1.1の場合には、より効果的である。表面近傍
の金属配線の長さAとは、複合部材表面に金属配線が露
出しておらず、全て内包されていることを意味し、ベー
スフィルムと複合部材との密着性は言うまでもなく最高
である。
の多重散乱の積極的利用について、以下に説明する。
体に照射された光は、媒体内部で散乱し、マスクのパタ
ーン径より広がりを有して媒体の膜厚方向に進行する。
このとき、媒体に吸収される光もまた、媒体内を進行す
るにしたがって増加する。媒体の中央部付近までは多重
散乱によって広がりが生じるが、媒体の膜厚中央部を過
ぎた辺りから媒体への吸収も無視できなくなる。すなわ
ち、パターン周辺部の感光剤から反応に要する露光量が
十分には得られなくなってくる。こうして、単位面積当
たりの露光率は膜内部付近が最も多重散乱によって広が
り、結果的に楕円状の潜像、ひいては金属パターンが形
成されやすくなる。
露光量が不充分な膜表層のパターン周辺分部において
も、露光後のイオン交換によるメッキ核が若干ながら吸
着している。よって、それらを核としてメッキが進行し
て金属が析出することもあり、同様の条件で作製した場
合でもサンプルによるムラを生じやすい。
程(3))の絶縁体を、感光剤が溶解する有機溶剤で洗
浄することによって回避することができる。有機溶媒と
しては、感光剤の反応前後の化合物双方を溶解するもの
が使用される。イオン交換によって金属イオンが配位し
た感光剤は、こうした有機溶剤に不溶化するので多孔質
基材表面にそのまま残存する。一方、単位面積当たりの
露光量が少ない領域においては、イオン交換性基が十分
に生成されていないので金属イオンが十分に配位されて
いない。このため、有機溶剤の作用により溶解しやすく
なり、膜表層のパターン周辺部分の感光剤は容易に除去
できる。したがって、安定して楕円状の配線を形成する
ためには、有機溶剤による洗浄が必須とされる。このと
き、さらに超音波をかけながら洗浄を行なうことによっ
て、楕円状の断面を有する金属配線を、絶縁体内により
安定して形成することができる。1分以内の洗浄時間
で、望みの楕円状の断面を有する金属配線が得られる。
さらにこれ以上洗浄を行なうと、表層部に付着した感光
剤も除去され、多孔質絶縁体に完全に内包した金属配線
を形成することができる。洗浄のための有機溶剤は、使
用する感光剤に応じて適宜選択すればよく、例えば、ナ
フトキノンジアジド含有フェノールノボラック樹脂の場
合には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセルソ
ルブ、エチルセルソルブ、およびTHF等を用いること
ができる。
の工程(4)および工程(5)が行なわれる。さらに、
複合部材の電気絶縁性や機械的強度を向上させるため
に、複合部材中の多孔質体の空孔を含浸樹脂で充填する
ことが好ましい。含浸樹脂としては、エポキシ樹脂やポ
リイミド、BT樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、架橋ポ
リブタジエン樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シ
リコーン樹脂等などの熱硬化性樹脂、あるいはポリスチ
レン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リスルフォン樹脂等のホットメルトタイプの熱可塑性樹
脂を用いることができる。これらの樹脂は、ベースフィ
ルムやカバーレイヤーの接着剤としても機能する。
孔内表面などが吸湿するなどして電気的絶縁性が損なわ
れるおそれがある。ただし、空孔が金属配線の寸法、す
なわちビアならビア径、配線なら配線幅および配線ピッ
チよりも充分に小さな独立気泡の場合は、絶縁性をある
程度保つことが可能である。
オーダーの無機フィラーなどを混合することができる。
などの金属酸化物や、窒化ケイ素や窒化アルミニウムな
どの金属窒化物などが用いられる。無機フィラーは、予
め含浸樹脂に混合して、その混合物を含浸させることが
できる。あるいは、無機フィラー前駆体と含浸樹脂との
混合物を含浸した後、無機フィラーを空孔内で生成させ
てもよい。こうした無機フィラー前駆体としては、シル
セスキオキサンやポリシラザンなどが良好に用いられ
る。
線を形成する目的の部位以外の感光性組成物層内にイオ
ン交換性基含有の有機化合物が生成することは、極力避
けなければならない。このため、めっきまでの操作は、
短波長の光を遮断したイエロールーム内で行なうことが
好ましい。
に当たっては、熱分解性などの容易に除去可能な絶縁体
を用いることもできる。この場合は、まず絶縁体の所定
の領域に金属領域からなる金属配線を形成する。次い
で、上述したような手法により含浸樹脂を含浸させて硬
化する前に、多孔質体を加熱などの手段によって除去す
る。このような手法によって、含浸樹脂の硬化物中にビ
アや配線が形成された配線基板を形成してもよい。この
場合には、金属配線の形成に用いた絶縁体とは異なる材
料中に、金属配線が最終的に形成されることになる。
材からなる金属配線層をベースフィルム上に配置し、さ
らにその上にカバーレイヤーをラミネートして加熱圧着
することにより、本発明のフレキシブル配線基板が製造
される。
限定されず、現在上市されているポリイミドベース、ポ
リエステルベース、エポキシベース、およびアクリルベ
ース等の任意のものを用いることできる。それらは、フ
ィルムベース、液状ベースの2種類があり、いずれのタ
イプを用いても構わない。
さは、フレキシブル配線基板の反りを防止するためにベ
ースフィルムと同等とすることが望まれ、通常は5〜2
00μm程度である。
当たっては、接着剤を用いることができる。この場合に
は、カバーレイヤーの片面に金属配線層と接着させるた
めの接着剤を予め塗布しておき、ドリルやカッターで窓
穴用に穴あけ加工を行なう。その後、回路上に位置を合
わせて熱圧着することにより容易に接着することができ
る。レイヤーの片面に塗布された接着剤は、そのまま複
合部材の含浸樹脂としての役割を兼ね備えることができ
る。また、予め樹脂を含浸した複合部材を使用する場合
には、カバーレイヤーのみを熱圧着させて接着してもよ
い。
ーレイヤーを使用する場合は、回路以外の領域も除去す
る。感光性カバーレイヤーの領域を低減することによっ
て、感光性カバーレイヤーの欠点である脆性に起因した
耐屈曲性の悪さを改善することができ、配線基板の信頼
性が向上される。液状ベースの感光性カバーレイヤー
は、複合部材に含浸される含浸樹脂の作用も有するた
め、耐屈曲性をより向上させることができる。感光性カ
バーレイヤー、すなわちこの場合においては、含浸樹脂
が除去された多孔質部分に、改めて樹脂を含浸してもよ
い。
て、図4に示したようにパターン化された感光性のカバ
ーレイヤー9を、金属配線層3の金属配線7の両面に配
置することもできる。このようなカバーレイヤーは、金
属配線が形成された多孔質絶縁体に感光性材料を含浸
し、両面からパターン露光を行なった後、現像処理を施
すことによって形成することができる。
レイヤーが配置されていない回路部以外の領域は、全未
回路部領域中、すなわち複合部材の絶縁体領域中の50
%〜80%、あるいは最大配線長の1.1倍以上にする
ことが望ましい。この領域が50%以下の場合、すなわ
ちカバーレイヤーの領域が多すぎる場合には耐屈曲性の
効果を十分に得ることができない。一方、80%を超え
る場合あるいは最大配線長の1.1倍未満の場合には、
複合部材との密着性が十分に確保するのが困難になる。
ル配線基板は、ベースフィルム、金属配線層、およびカ
バーレイヤーをラミネートして加熱圧縮することにより
製造される。各層をラミネートする際に加圧して圧縮す
ると、金属配線中の多孔質体が除去されて形成された空
隙がつぶれて、金属材料同士が密着し、金属配線の導電
率を向上させることができるため望ましい。しかしなが
ら、この場合には金属配線の横方向への潰れも考慮に入
れなければならない。回路が高密度化すると、隣接する
配線同士で短絡するおそれがある。複合部材の内部に充
填された樹脂が、表層部の樹脂よりも速く硬化すれば、
配線同士の短絡を避けることができ、このためには、複
合部材に充填される樹脂の硬化性に傾斜(グラデーショ
ン)を与えることが望ましい。具体的には、複合部材の
内部には速硬化性の樹脂を含浸し、表層部、すなわち接
着に関わる部分においては遅硬化性の樹脂を含浸する。
樹脂としては上述のような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂
のいずれを用いても構わず、ここでは、熱可塑性樹脂の
「固化」も敢えて「硬化」と表現する。
る方法は特に限定されず、少なくとも2種類以上の異な
る樹脂を使用することによって達成することができる。
熱硬化性樹脂の場合には、例えば硬化剤や触媒などを調
整して、硬化速度に差を生じさせる。また、熱可塑性樹
脂の場合には、融点の異なる少なくとも2種類の樹脂を
選択して用いればよい。本発明のフレキシブル配線基板
は、耐熱性が要求されることが多く、含浸樹脂としては
ハンドリングの点から熱硬化性樹脂を使用することが好
ましい。
た硬化速度の異なる2種類の樹脂組成物を使用する方法
や、硬化速度の異なる触媒を用いる方法等の任意の方法
を用いることができる。ただし、含浸後のボイドの問題
等を考慮すると、後者の方法を採用することが望まし
い。その場合の硬化速度は、潜在性触媒を配合すること
によって容易に調整することができる。ここで、潜在性
触媒とは、所定の条件下で触媒活性を示す硬化促進剤ま
たは硬化触媒と称されるものの範疇に属するものをさ
す。
ィン類、尿素誘導体等のルイス塩基、ルイス塩基塩、有
機金属、ルイス酸、およびその他の類型に属する潜在性
硬化触媒であれば、いずれの触媒を用いてもよい。ま
た、これらの潜在性触媒を2種以上混合して使用するこ
ともできる。潜在性を示す形としては、高融点分散型や
高温解離型の触媒自身で潜在性を有するもの、ポリマー
等のシェルに内包したマイクロカプセル型や、モレキュ
ラーシーブやゼオライトのような空孔を有する化合物に
吸着させた吸着型等様々なものが挙げられる。これら触
媒の種類、潜在性形成能等は使用する樹脂によって適宜
調整すればよい。
にグラデーションを設けるに当たっては、まず速硬化性
の樹脂(一次樹脂)を複合部材に含浸する。速硬化性の
樹脂は、アプリケーター法、バーコーター法、スプレー
法、およびディップ法など任意の方法で含浸することが
できる。
ら過分な一次樹脂を除去する。過分な一次樹脂は、樹脂
が含浸された複合部材表面の両方からエアブローにより
除去することができる。あるいは、不織布等の吸収材が
巻かれた2本ロールの間に複合部材を通すことによっ
て、過分な樹脂を機械的に吸い取っても良く、公知のい
かなる手段を用いても構わない。
前述と同様の方法により複合部材に含浸すればよい。
ィルムとカバーレイヤーとを貼り合わせ、熱圧着を行な
うことによって本発明のフレキシブル配線基板が得られ
る。複合部材の中心部に充填された樹脂は、圧着時に迅
速に硬化するので、金属配線の横方向への流れを防止で
きる。
機器の登場によりますます形態が多種多様化され、その
加工技術の進歩はめざましいものがある。ベースフィル
ム、金属配線およびカバーレイヤーという基本構成を例
に挙げて本発明のフレキシブル配線基板の各要素を説明
してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明のフレキシブル配線基板は、実用上必要とされる
両面露出構造(フライングリード構造)、TAB、およ
び多層リジットフレキ構造等にも好適に用いることがで
きる。
フィルムに銅箔を貼り付け、銅箔を所定構造にエッチン
グ後、その上からレジストを塗布し、プラズマエッチン
グや化学エッチング、レーザー等により銅表面を露出さ
せるという手法により作製される。しかしながら、エッ
チング後の構造は、外力に対し非常に弱い状態であり、
ハンドリングにはかなりの注意を要する。そこで、フラ
イングリード部の片側端末をベース層、あるいはカバー
レイヤーで保持しておくというような処置が採られてい
る。また、作製後においても、フライングリード部は脆
弱であることから、大部分の不良がこの部分から生じて
いる。こうしたフライングリード配線として、本発明で
金属配線層として用いた複合部材を使用することができ
る。本発明における複合部材は、多孔質絶縁体内に一体
化されて金属配線部が補強されているため、加工時のハ
ンドリング性に優れ、フライングリード部の脆弱性も解
消される。
部とLCD,PWB等との接合において、従来は、金属
配線上にはんだメッキを施して、熱圧着により接続して
いる。金属配線上にはんだを形成するためには、クリー
ムはんだをスクリーン印刷により配線上に塗布する方法
と、予め端子上にめっきしておく方法とがある。前者の
方法では、配線の高密度による狭ピッチでの接続や端子
数増加に対応することが難しい。後者においても、はん
だ融着前にフラックスを塗布しなければならないにも関
わらず、融着後の接合部における洗浄が困難であり問題
となっている。さらには、はんだを用いるための本質的
な問題として、融着のために高熱を要し、部材の耐熱性
への要求が厳しくなる。はんだの代替として異方性導電
ペーストや異方性導電フィルムが使用されている場合も
あるが、これらも配線が高密度するにしたがって、隣接
配線間での短絡のおそれをはらんでいる。
される複合部材においては、多孔質フィルムの含浸樹脂
をそのまま対抗部品との接着剤として適用することがで
きる。この場合、例えば、複合部材への含浸樹脂は、B
ステージ状態で留めておき、薄く接着剤層を設けたベー
スフィルムおよびカバーレイヤーと複合部材を接着し基
板を構成する。その後、金属部が剥き出しとなったフラ
イングリード部およびアウター部を対抗する端子に熱圧
着させれば良い。
の高速化に対応した回路設計を有するフレキシブル基板
も求められている。すなわち、信号ライン間の漏話やノ
イズを防止するために、何らかのシールドを設けるよう
な回路構成が必要となる。これらの対策として、裏面に
銅箔やスパッタ等によって形成したグランド層を設けた
ベースフィルム上に、信号ラインとグランドラインとを
交互に配置し、銅箔とグランドラインとをスルーホール
等により接続したマイクロストリップ構造を有するフレ
キシブル配線基板が開発されている。
このようなマイクロストリップ構造に好適に用いること
ができる。具体的には、まず複合部材として銅箔(グラ
ンド層)とグランドラインをと電気的に接続するビア構
造を有するビア層と信号ラインとグランドラインを構成
する金属配線層を用意する。このとき、ビアがグランド
ラインと接続するように配置しておく。その後、それぞ
れに含浸樹脂を含浸後、銅箔とカバーレイヤーフィルム
をそれら両面からラミネートすることで容易に作製され
る。これらにおいても、本発明の特徴である基板の平坦
性や薄型構造化により、耐屈曲性に優れたフレキシブル
配線基板を提供することができる。
ず、同様の方法で金属配線の多層化が可能である。この
時、層間接続にスルーホールでは無くビア接続を用いる
ため、ランドレス構造を実現し、パットオンビアでの部
品実装が可能となり、実装密度を大幅に向上させること
もできる。
ル配線基板は、多孔質の絶縁体中に金属を充填して形成
された金属配線層が、ベースフィルムとカバーレイヤー
との間に配置されているので、基板全体の平坦性が良好
であるとともにベースフィルムと金属配線との密着性に
優れる。しかも、屈曲寿命等の信頼性が高く、微細な配
線を高密度に形成し、薄型化が可能である。
を楕円状とした場合には、金属配線層とベースフィルム
およびカバーレイヤーとの密着性をよりいっそう高める
ことが可能となり、各層間の剥離の発生はほぼ完全に抑
えられる。
脂を、金属配線層の絶縁体の内部および表層側にそれぞ
れ含浸することによって、圧着工程における金属配線の
潰れを防止することができ、配線の高密度化を図ること
ができる。
には、パターン化された感光性材料でカバーレイヤーを
構成するのも有効である。感光性材料のカバーレイヤー
をパターン化することによって、その脆性に起因した耐
屈曲性の悪さも改善することができる。
らなるカバーレイヤーは、ベースフィルムを兼ねること
もできる。この場合には、可撓性がより向上するととも
にフレキシブル配線基板全体の厚さも低減でき、さらに
製造プロセスも容易になるという利点が得られる。
線、長時間屈曲性等、一般的にフレキシブル配線基板が
採用される条件において使用され得る配線基板に好適に
使用することができる。
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。
ルム(空孔径200nm,膜厚60μm)を用意した。
一方、ナフトキノンジアジド含有フェノール樹脂(ナフ
トキノンジアジド含有率;46当量mol%)をアセト
ンに溶解して、1wt%の感光性組成物溶液を調製し
た。得られた溶液を、前述の多孔質フィルムの全表面に
ディップ法にてコーティングした。この操作により、多
孔質の穴の中も含め内部空孔表面が感光性組成物で被覆
された。
湿させた後、CANON PLA501で、ライン幅3
0μm、スペース幅60μmのマスクを介して露光をパ
ターン露光を施した。露光条件は、露光量1000mJ
/cm2(波長436nm換算)とした。このパターン
露光によって、フィルムの露光部にイオン交換性基を生
成させた。
5Mに調整した硫酸銅水溶液に5分間浸漬後、蒸留水に
よる洗浄を3回繰り返した。続いて、水素化ホウ素ナト
リウム0.01M水溶液に30分間浸漬後、蒸留水で洗
浄してパターン形成シートを作製した。得られたパター
ン形成シートには、Cu微粒子が選択的に吸着されてい
た。
トを、さらに無電解銅メッキ液に30分間浸漬して、銅
メッキを施すことによりCu配線部を有する複合部材を
作製した。
ころ、図1に示したような貫通した金属領域6からなる
金属配線が形成されていた。
は前述の参考例1と同様の手法により、多孔質シートに
パターン潜像を形成した。
5Mに調整した硫酸銅水溶液に5分間浸漬後、蒸留水に
よる洗浄を3回繰り返した。続いて、アセトン溶液に2
分間浸漬し超音波洗浄を行なって、シートの表面から感
光性組成物を除去した。このシートを蒸留水で洗浄し、
水素化ホウ素ナトリウム0.01M水溶液に30分間浸
漬した。これ以降は、参考例1と同様の方法によりCu
配線部を有する複合部材を作製した。
ころ、図2に示したような楕円状の金属領域7からなる
金属配線が形成されていた。
0μmのポリイミド多孔質体シート(宇部興産社製)を
用意した。
ニルメチル基でキャップしたフェノールノボラック樹脂
誘導体10gと、酸発生剤として、DTBPI−TF
(ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム
トリフルオロメタンスルホネート)0.5gおよびアク
リジンオレンジ(C.I.46005)0.08gとを
メチルセロソルブ200gに溶解して、有機感光性組成
物溶液を調製した。
リイミド多孔質体シートを含浸した後、80℃で10分
間乾燥させて、有機感光性組成物被覆ポリイミド多孔質
体シートを作製した。
スペース幅60μmのマスクを介して、CANON P
LA501で、光量500mJ/cm2(波長546n
m)の条件で長波長露光した。その後、100℃で5分
間の条件で加熱処理を施すことにより、シートの露光部
にカルボキシル基含有フェノールノボラック樹脂からな
る潜像を形成させた。
同様の操作によりポリイミド製複合部材を作製した。こ
の複合部材の断面形状を観察したところ、参考例2と同
様に楕円状の金属領域からなる金属配線が形成されてい
た。
ンポリイミドフィルム(フィルム厚25μm)、カバー
レイヤーとしてフィルムベースのポリイミドシート(フ
ィルム厚25μm)を用意した。また、金属配線層とし
ては、参考例1で作製された複合部材1を用いた。
アジン樹脂組成物を含浸し、120℃、10分間熱風乾
燥を施した。
合部材およびカバーレイヤーをラミネートした後、温度
200℃、圧力10kg/cm2の条件下で1時間加熱
圧着させることにより、本実施例のフレキシブル配線基
板を作製した。
材2を用いた以外は、前述の実施例1と同様の方法でフ
レキシブル配線基板を得た。
材3を用いた以外は、前述の実施例1と同様の方法でフ
レキシブル配線基板を得た。
として、エポキシ樹脂組成物I(主剤:ビスフェノール
A型エポキシ樹脂エピコート828/硬化剤:メチルテ
トラヒドロ酸無水物/TPP系)を用意し、遅硬化性の
樹脂(二次樹脂)としては、エポキシ樹脂組成物II主
剤:ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート807
/硬化剤:メチルテトラヒドロ酸無水物/マイクロカプ
セル型イミダゾール系触媒)を用意した。
60℃に加熱した一次樹脂をディップ法により含浸し、
シートの表裏にエアブローを施すことにより過分な一次
樹脂を除去した。
らにディップコーティングした。
施例1と同様のベースフィルムおよびカバーレイヤーで
挟み、温度100℃、圧力1kg/cm2で15分間保
持した。その後、温度150℃、圧力10kg/cm2
の条件下で1時間加熱圧着させることにより、本実施例
のフレキシブル配線基板を作製した。
材3に対して、液状ポリイミドベースの感光性カバーレ
イヤーを含浸させた。その後、100℃で10分、15
0℃で10分、および200℃で10分と段階的に昇温
して熱風乾燥を施した。
たマスクを複合部材の上下に配置して、両面露光を行な
った。さらに、現像処理を施して、未回路部領域に残存
する感光性組成物残渣を除去した。その結果、図4に示
すようなフレキシブル配線基板が作製された。
((株)東研社製 TUX−3000W)により観察し
たところ、全未回路部領域中の感光性組成物が除去され
た領域は約70%であった。
複合部材を用い、ベースフィルムおよびカバーレイヤー
は実施例1と同様のポリイミドシートを用意した。この
時、リード部として金属配線層の先端を残すため、ベー
スフィルムおよびカバーレイヤーは、複合部材より金属
配線方向に対して5cm短いものを使用し、実施例1と
同様の操作でラミネートした。
ておいた金属配線部に対し1μmの厚みで金メッキを施
し、両面露出の端子部を備えたフライングリードを有す
るフレキシブル配線基板を得た。前記金属配線層をなす
複合部材と同様のラインアンドスペースを有するプリン
ト基板を用意し、両者の端子部が対向するように超音波
接合を行なった。この時の、配線部の接触抵抗は1.0
×10-3Ωであり、良好な接合状態を保持した。
ライングリードを有するフレキシブル配線基板を作製し
た。この後、フライングリード部の多孔質絶縁部に対し
て、実施例3で使用した速硬化性の含浸樹脂をスクリー
ン印刷法を用いて充填し、100℃、5分間の条件で熱
風乾燥しBステージ化を行なった。この基板を、実施例
6でも使用した対向基板とポリイミドシートで互いの金
属配線が接するように挟み、120℃、1時間の熱圧着
で両基板を接合した。
-3Ωであった。
ドベースフィルム上に、ビスマレイミド・トリアジン樹
脂組成物をアプリケーターを用いて乾燥後10μm厚に
なるよう塗布した。ここに表面粗化を施した圧延銅箔
(35μm厚)を粗化面から貼り合わせ、温度200
℃、圧力10kg/cm2の条件下で1時間加熱圧着さ
せた。その後、フォトレジストを用い、参考例で使用し
たマスクを用いて配線パターンを形成した。
アジン樹脂組成物をキャスト後、実施例1で使用したフ
ィルムベースのポリイミドシートを加熱圧着して、フレ
キシブル配線基板を作製した。
キシブル配線基板について、膜厚および屈曲耐性の評価
を行なった。それぞれの試験方法は以下の通りである。
厚計を用いて測定した。
た配線基板を、260℃の半田浴に20秒間浸漬した。
その後、配線方向と直角にR=1mmとなるようU字型
に屈曲させて一端を固定し、他端を縦方向に揺動する装
置に固定した。振れ幅10mm、2秒/cycleの条件で
5000回揺動させた後、屈曲部における配線の密着性
を観察した。この際、剥離を起こしているものをNGと
みなした。得られた結果を下記表1に示す。
ブル配線基板は、ベースフィルムと金属配線層との密着
性が非常に優れており、耐屈曲性が著しく改善されてい
ることがわかる。
さらに密着性が向上することが、実施例2の結果に示さ
れている。また、実施例4の膜厚は最も大きいことか
ら、複合部材の内部に充填する樹脂の硬化性に傾斜を設
けて、内側の樹脂を速硬化性とし表層側を遅硬化性とし
たことによって、熱圧着による複合部材の潰れが改善さ
れていることがわかる。
十分に確保されていることが認められる。このことか
ら、微細加工に有利な感光性カバーレイヤーの使用を容
易にし、かつ配線基板の薄膜化にも有効であることがわ
かる。
基板全体の平坦性が良好であるとともに、ベースフィル
ムと金属配線との密着性に優れ、屈曲寿命等の信頼性が
高い薄型のフレキシブル配線基板が提供される。また本
発明によれば、微細な配線が高密度に形成されたフレキ
シブル配線基板が提供される。
過酷な環境においても好適に使用でき、今後もますます
進む電子機器の軽薄短小化に対応した薄型のフレキシブ
ル基板として有効に用いられ、その工業的価値は絶大で
ある。
構成を表わす断面図。
の構成を表わす断面図。
の構成を表わす断面図。
の構成を表わす断面図。
材の製造方法を表わす断面概略図。
Claims (7)
- 【請求項1】 可撓性のベースフィルムと、 前記可撓性のベースフィルム上に形成された金属配線層
と、 前記金属配線層上に形成された可撓性のカバーレイヤー
とを具備し、 前記金属配線層は、多孔質絶縁体に金属を選択的に充填
して形成された金属配線を有する複合部材からなること
を特徴とするフレキシブル配線基板。 - 【請求項2】 前記金属配線層における金属配線は、そ
の横断面において、前記ベースフイルムもしくは前記カ
バーレイヤーに接する、もしくは近接する領域の幅よ
り、内側の領域の幅が大となる形状を有していることを
特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線基板。 - 【請求項3】 前記金属配線層の、多孔質絶縁体に硬化
速度の異なる少なくとも2種の樹脂成分が含浸されてお
り、 前記多孔質絶縁体の内部層に含浸される樹脂成分は、表
面層に含浸される樹脂成分より速硬化性であることを特
徴とする請求項1または2に記載のフレキシブル配線基
板。 - 【請求項4】 前記可撓性のカバーレイヤーは、前記金
属配線の表面を覆い且つ互いに離間して配置された複数
の領域を備えることを特徴とする請求項1ないし3のい
ずれか1項に記載のフレキシブル配線基板。 - 【請求項5】 前記フレキシブル配線基板は、 前記カバーレイヤーの複数の領域の基板面方向の面積の
合計をc、 前記金属配線の基板面方向の面積の合計をb前記配線基
板の基板面方向の面積をaとすると、 (c−b)/(a−b)≦0.5の関係を満たすことを
特徴とする請求項4に記載の記載のフレキシブル配線基
板。 - 【請求項6】 多孔質絶縁体に金属を選択的に充填して
形成された金属配線を有する複合部材からなる金属配線
層と、 前記金属配線層の露出面を覆うカバーレイヤーを具備
し、 前記カバーレイヤーは、互いに離間して配置された複数
の領域を備えることを特徴とするフレキシブル配線基
板。 - 【請求項7】 前記フレキシブル配線基板は、 前記カバーレイヤーの複数の領域の基板面方向の面積の
合計をc、 前記金属配線の基板面方向の面積の合計をb前記金属配
線の基板面方向の面積をaとすると、 (c−b)/(a−b)≦0.5の関係を満たすことを
特徴とする請求項6に記載のフレキシブル配線基板。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005191382A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Toshiba Corp | 複合部材の製造方法、および複合部材形成用基材 |
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CN110769667A (zh) * | 2018-07-27 | 2020-02-07 | 广州方邦电子股份有限公司 | 电磁屏蔽膜、线路板及电磁屏蔽膜的制备方法 |
-
2001
- 2001-06-05 JP JP2001169800A patent/JP3813839B2/ja not_active Expired - Fee Related
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