JP3858522B2 - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多層プリント配線板及びその製造方法に関するものであり、特に、無電解めっき及び電解めっきからなる導体パターンと耐熱性樹脂からなる樹脂絶縁層とが交互に積層された多層プリント配線板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化・高速化・高機能化が促進されてきており、それに使用される多層プリント配線板においてファインパターンの形成等による高密度化・高信頼性が要求されている。
【0003】
従来、多層プリント配線板としては、内装回路を接続し導通せしめた多層プリント配線板が代表的なもので、このようなスルーホール構造ではビア形成に多くのスペースを必要とし、パターンのファイン化に対しビア数、配置が制限され、配線の自由度が小さく、高密度化あるいは高速化を実現することが困難であった。
【0004】
このような問題点を克服することのできる多層プリント配線板として、導体パターンと有機絶縁膜とを交互にビルトアップした多層プリント配線板が開発されている。この多層プリント配線板は、超高密度化と高速化に適合したものであるが、欠点は有機絶縁膜上に無電解めっき膜を信頼性よく形成させることが困難なことにあった。このために、かかる多層プリント配線板においては、導体パターンを、蒸着やスパッタリングなどのPVD法もしくは前記PVD法と無電解めっきとの併用法で形成していたが、このようなPVD法による導体パターン形成方法は生産性が劣り、コストが高い点にあった。
【0005】
このような有機絶縁膜上に無電解めっき膜を信頼性よく形成する方法として、樹脂絶縁層中に酸や酸化剤(クロム酸、クロム酸塩、過マンガン酸塩等)などに可溶な成分を混合し溶解除去することによって、無電解めっき膜に接する樹脂表面を粗す表面粗化方法が提案されている。
【0006】
例えば、特開昭64−47095号公報に記載されているように耐熱性の樹脂絶縁層をマトリックスとして、樹脂相中に酸化剤に可溶のエポキシ樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂と、酸化剤に不溶の樹脂や無機フィラーの混合により、樹脂絶縁層の表面を酸化剤で粗化して無電解めっき膜形成のアンカー効果を高めたものが提案されている。
【0007】
すなわち樹脂絶縁層に密着性の良いめっき膜を形成させるためは表面の凹凸が大きく、深いほどめっき膜の密着強度が優れる。
【0008】
近年、このような樹脂基板は軽量かつ安価であることから半導体ベアチップ実装用基板としても使われるようになってきており、要求される導体パターンの微細化はますます進む傾向にある。このため密着強度を得るための表面のアンカーの凹凸を大きくすると、細線の導体回路の均一性、信頼性が損なわれ、細線化と密着強度を両立できないことが問題となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のごとき従来の多層プリント配線板の有する問題点を解消し、耐熱性樹脂を樹脂絶縁層と樹脂密着強化層の2層で構成することによって、密着強度の優れた無電解めっき膜及び電解めっき膜からなる導体パターンを形成し、信頼性に優れた高密度多層プリント配線板を容易にかつ安価に提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記課題を達成するために、まず請求項1においては、少なくとも無電解めっき及び電解めっきからなる導体パターンと耐熱樹脂からなる樹脂絶縁層とが交互に積層された多層プリント配線板において、前記樹脂絶縁層の無電解めっきされる表面に少なくとも多官能エポキシ化合物と硬化剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルコキシシランからなる組成物を加熱硬化して設けた密着強化層を有し、前記樹脂絶縁層が重量当たりの水酸基含量2.0%以下の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでなり、かつ前記密着強化層が重量当たりの水酸基含量2.0〜8.0%の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでなることを特徴とする多層プリント配線板である。
請求項2は少なくとも下記(a)〜(e)の工程を必要回数繰り返すことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
(a)導体パターン基板上に、少なくとも熱硬化性エポキシを主成分とし、重量当たりの水酸基含量2.0%以下の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでいる樹脂絶縁層混合溶液(A液)を塗布し、加熱乾燥して樹脂絶縁層を形成する工程。
(b)前記樹脂絶縁層表面に多官能エポキシ化合物と硬化剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルコキシシラン、重量当たりの水酸基含量2.0〜8.0%の水酸基を有しているシリカ微粒子を成分とする樹脂密着強化混合溶液(B液)を塗布して、加熱乾燥して密着強化層を形成し、2層の樹脂層を形成する工程。
(c)前記樹脂絶縁層と密着強化層にフォトリソグラフィーもしくはレーザー照射によりビアホールを形成する工程。
(d)前記樹脂絶縁層と密着強化層表面をアルカリ性溶液にて処理することにより前記樹脂絶縁層と密着強化層表面を多孔性とする工程。
(e)前記樹脂絶縁層と前記密着強化層に、無電解めっき及び電解めっきを行って導体層を形成し、パターニング処理して導体パターンを形成する工程。
請求項3は少なくとも下記(a)〜(e)の工程を必要回数繰り返すことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
(a)導体パターン基板上に、少なくとも熱硬化性エポキシを主成分とし、重量当たりの水酸基含量2.0%以下の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでいる樹脂絶縁層混合溶液(A液)を塗布し、加熱乾燥して樹脂絶縁層を形成する工程。
(b)前記樹脂絶縁層表面をアルカリ性溶液にて処理することにより前記樹脂絶縁層表面を多孔性とする工程。
(c)前記樹脂絶縁層表面に多官能エポキシ化合物と硬化剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルコキシシラン、重量当たりの水酸基含量2.0〜8.0%の水酸基を有しているシリカ微粒子を成分とする樹脂密着強化混合溶液(B液)を塗布して、加熱乾燥して密着強化層を形成し、2層の樹脂層を形成する工程。
(d)前記樹脂絶縁層と密着強化層にフォトリソグラフィーもしくはレーザー照射によりビアホールを形成する工程。
(e)前記樹脂絶縁層と密着強化層上に、無電解めっき及び電解めっきを行って導体層を形成し、パターニング処理して導体パターンを形成する工程。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
本発明の多層プリント配線板は、樹脂溶液と熱または光硬化性、あるいはそれらの混合したエポキシ化合物とを主成分とし、重量当たりの水酸基含量2.0%以下の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでいる樹脂絶縁層混合溶液を塗布後、その上に前記樹脂絶縁層に少なくとも多官能エポキシ化合物と硬化剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルコキシシラン、重量当たりの水酸基含量2.0〜8.0%の水酸基を有しているシリカ微粒子を成分とする組成物を塗布して密着強化層を設けて樹脂絶縁層とともに加熱硬化し、無電解めっき及び電解めっきして導体層を形成し、密着強度の優れた導体パターンを作製するものである。
【0012】
本発明で述べる樹脂混合溶液は塗布後の加熱形成によって、積層された導体回路を絶縁できる材料であれば何でもよく、安価でかつ絶縁性が高いことから一般的にエポキシ系樹脂材料が広く用いられる。この絶縁層には上下の導体回路との導通を取るためのビアホールと呼ばれる微細な穴孔を設ける必要があり、一般的にはフォトリソグラフィーによる露光、現像によりビアを形成するタイプとレーザーによって直接ビアを形成するタイプに分けられる。各タイプの代表的な組成としては次のようなものが一般的である。フォトリソグラフィーで形成するタイプでは通常現像可能な感光性樹脂成分と硬化剤、光開始剤、溶剤、添加剤などからなる。レーザーによってビアを形成するタイプでは熱硬化性樹脂、硬化剤、溶剤、添加剤などからなる。それぞれ、必要に応じて各種フィラーが添加される。
【0013】
本発明の樹脂絶縁層のフィラーとしてはシリカ系微粒子は特性的に特に優れる。シリカ微粒子を添加することにより、樹脂層の強度アップおよび熱膨張率の低下などの膜物性面での改良だけでなく、表面粗化工程で樹脂がアルカリ溶液、酸化剤などによって粗らされることに伴って、樹脂表面から脱離し効率の良いアンカーを形成するためにも非常に有用である。このようなシリカ微粒子としては溶融シリカ、合成シリカ、結晶性シリカ、非晶性シリカなどの様々な粒径のものが用いられる。これらのフィラーは通常樹脂固形分に対して50%以下の割合で添加される。また樹脂表面を荒らしすぎないために通常平均粒径10μm以下、好ましくは3μm以下のものが使われる。樹脂表面を特に平滑にする必要があるときには極端にシリカフィラーの添加量を少なくしたり、添加しないこともある。
【0014】
樹脂表面の粗化はアルカリ性の酸化剤によって行われるため、シリカ微粒子の種類によっても粗化状態に影響する。一般的に表面にシラノール基を多く含む合成シリカは親水性であるため表面粗化工程で荒れやすく、一方、合成シリカでも850℃以上の強熱乾燥させたものや、溶融シリカなど表面にシラノール残基の少ないものは樹脂絶縁層が粗化されにくい傾向にある。一方、シラノール残基が多いと粗化はされやすいが、フィラーの誘電率が高くなることと吸水率が高くなるためあまり好ましくない。本発明ではめっき密着強度と諸特性を両立させるため、樹脂絶縁層にフィラーを添加する場合は水酸基含量2.0 %以下のシリカを用いることで誘電率および吸水率をさげ、樹脂絶縁層上に密着強化層を設けることによりめっき密着力を向上させた。
【0015】
本発明で述べる前記密着強化層を形成する密着強化層混合溶液は少なくとも多官能エポキシ化合物と硬化剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルコキシシランおよびシリカフィラーからなる組成物から構成されている。すなわち、加熱によりアルコキシシランとカップリング剤がゾルゲル形成し、さらにエポキシ基を有するカップリング剤とエポキシ化合物と同時に硬化することによって、シリカとエポキシ樹脂が密着力良く硬化する。
【0016】
本発明の樹脂密着強化混合液で用いるシリカは水酸基含量を2.0〜8.0%のシリカ微粒子であり、塗料固形分に対して50%以下の割合で加えられる。このような水酸基含量のシリカはシリカ表面のシラノール基が新たにアルコキシシランとゾルゲルを形成する際により効率よく硬化させることが出来るため特に好ましい。
【0017】
本発明で用いるアルコキシシランとしては、アミノシラン、メルカプトシラン、ビニルシランなど種々のシラン化合物があげられるが、本発明では、分子中にエポキシを有するエポキシシラン類が好ましく、たとえばγ- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ- グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ- グリシドキシプロピルビストリメチルシランなどが好適である。
【0018】
本発明で述べる樹脂絶縁層と樹脂密着強化層を同時にポストベーク硬化した後、ビアホールを形成し、表面粗化を行って用いることができる。また樹脂絶縁層を先のポストベーク硬化させて粗化後、ビアホールを形成した後、薄く樹脂密着強化層を塗布して使用してもよい。通常これら樹脂絶縁層と樹脂密着強化層の厚みは合わせて20μm〜100μmの範囲で使用されることが多いが、必要に応じてより薄くもしくは厚くして使用しても良い。
【0019】
前記絶縁樹脂混合溶液および樹脂密着強化混合溶液で用いる溶媒としては、通常の溶剤、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルセルロース、テトラリン、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートなどを用いることができる。
【0020】
以下、本発明の多層プリント配線板の製造法について図1を用いて詳細に説明する。
【0021】
両面に第1導体層(銅箔)を形成した基板(図1(a)参照)の第1導体層を常法によりパターニングを行い、第1導体パターン2を形成する(図1(b)参照)。第1導体パターン2が形成された基板上に前記樹脂混合溶液(A液)を塗布し、皮膜乾燥して樹脂絶縁層3を形成する(図1(c)参照)。前記樹脂絶縁層3を形成する方法としては、前記樹脂混合溶液(A液)を塗布する方法、あるいは前記樹脂絶縁層混合液(A液)をフィルム状に加工した感光性樹脂フィルムを貼付する方法が適用できる。前記塗布方法としては、例えば、ダイコート法、ローラーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スピンナーコート法、カーテンコート法、スクリーン印刷法などの各種手段を適用することができる。
【0022】
前記樹脂絶縁層3の厚さは通常20〜100μmが好適であるが、特に高い絶縁性が要求される場合にはそれ以上に厚くすることもできる。
【0023】
次に、前記樹脂絶縁層表面に前記樹脂密着強化混合溶液(B液)を塗布して、加熱乾燥後、加熱硬化して密着強化層4を形成し、樹脂絶縁層5とする(図1(d)参照)。
【0024】
次に、前記樹脂絶縁層5に上下の回路の導通を取るためのビアホールを、紫外線等をフォトマスク6を介して露光、現像を伴うフォトリソグラフィー法(図1(e)参照)、または炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーなどの各種レーザーを用いた直接ビア形成法などにより形成する。フォトリソ法の場合、プリベークの状態で露光現像によりビア形成し、150℃以上のポストベーク温度で加熱硬化してビアホール形成孔7を有する樹脂絶縁層5を形成する(図1(f)参照)。レーザービア形成法の場合、ポストベーク後にビア形成しても良い。
【0025】
次に、前記樹脂絶縁層5の表面及びビアホール形成孔7の側壁に銅めっきを密着性良く形成するために、通常、表面粗化工程と呼ばれるアルカリ性溶液を用いた表面処理することにより、樹脂絶縁層A上の密着強化層Bの表面を0.1〜8μm程度の多孔性樹脂絶縁層11とする(図2参照)。この範囲が適している理由として、その厚さが0.1μmより薄いと接着性が極端に弱くなり、8μm以上の厚さになると導体回路の微細化の際にパターン形状の信頼性を損なうだけでなく、樹脂絶縁層の絶縁性が劣化し、耐熱性が低くなる。表面処理の方法としては、前記樹脂絶縁層5が形成された基板をアルカリ性溶液の中に浸漬するか、あるいは樹脂絶縁層の表面にアルカリ性溶液をスプレーするなどの方法を適用することができる。
【0026】
さらに、本工程で使用するアルカリ性溶液としては1〜10%程度の水酸化ナトリウム水溶液または炭酸ナトリウム水溶液または炭酸水素ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液と樹脂絶縁層との親和性を高めるために界面活性剤を混合したものが挙げられる。
【0027】
表面に多孔性となった樹脂絶縁層上に無電解めっき及び電解めっきを行うことによりビアホール8及び第2導体層9を形成する(図1(g)参照)。この無電解めっき及び電解めっきの種類としては、例えば、銅めっき、ニッケルめっき、金めっき、銀めっき、錫めっき等があるが、一般的には銅めっきが使用される。
【0028】
第2導体層9上にフォトレジストを塗布し、フォトパターニングプロセスにより第2導体パターン10を形成する(図1(h)参照)。なお、導体パターンの形成法としては、上記導体層を形成してからフォトパターニングプロセスにより導体パターンを形成する方法の他に、あらかじめ、導体パターンをめっきレジストにて形成しておいて、無電解めっき及び電解めっきを行い直接導体パターンを形成する方法なども適用できる。
【0029】
以上の工程により、2層の導体パターンを有する本発明の多層プリント配線板が得られる。さらに、2層以上の多層配線板を作製する場合には上記樹脂絶縁層及び導体パターン形成工程を順次繰り返すことにより、所望の多層プリント配線板が得られる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の多層プリント配線板を製造する実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
【0031】
<実施例1>
基板として、ガラスエポキシ銅張積層板(FR−4;日立化成工業社製)を用い(図1(a)参照)、その第1導体層(銅箔)上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って、紫外線露光、焼き付けを行った。次いで、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成した。
【0032】
塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第1導体パターン2を形成した(図1(b)参照)。
【0033】
次に、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(リポキシVR−90;昭和高分子社製)52重量部と無水フタル酸15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶媒中で110℃、30分撹拌してアルカリ現像型感光性樹脂溶液を調製した。
【0034】
前記アルカリ現像型感光性樹脂溶液40重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)12.5重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)20重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3 .0重量部、平均粒径約3μm以下で水酸基含量0.1%以下のシリカフィラー(シリカ微粒子FS−3DC;電気化学工業社製)13. 0重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.6重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂絶縁層混合液(A液)を作製した。
【0035】
前記アルカリ現像型感光性樹脂溶液33.5重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)5.5重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)8.5 重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3 .0重量部、平均粒径が3μm以下で水酸基含量を6.5%のシリカフィラー(サイリシア730;富士シリシア化学社製)13. 0重量部、アルコキシシラン(γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;信越化学工業社製)20重量部、(テトラメトキシシラン;東京化成工業社製)12.5重量部、重合触媒(ラウリン酸ジブチル錫;東京化成工業社製)1.5重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.6 重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂密着強化混合溶液(B液)を作製した。
【0036】
第1導体パターン2が形成された絶縁基板1上に、前記樹脂絶縁層混合液(A液)をスピンコートにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約50μm厚の樹脂絶縁層3を形成した(図1(c)参照)。
樹脂絶縁層表面に、前記樹脂密着強化混合溶液(B液)をスピンコートにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約10μm厚の樹脂密着強化層4を形成した(図1(d)参照)。
【0037】
樹脂密着強化層が設けられた樹脂絶縁層にフォトマスクを使って超高圧水銀灯により約500mJ/cm2 の露光を行って、光硬化させた後、約5%有機アミン系アルカリ水溶液にて現像し、180℃、1時間の熱硬化工程を経て、約70μmのビアホール形成孔7を有する樹脂絶縁層5を形成した(図1(f)参照)。
【0038】
次に、熱硬化させた樹脂絶縁層5を50℃の約3%水酸化ナトリウム水溶液と10%MLB溶液(界面活性剤;シプレイ社製)の混合液よりなるアルカリ性溶液で20分間処理した。ここで、樹脂絶縁層5を電子顕微鏡にて観察したところ、樹脂絶縁層5表面が約5μmの多孔性となっていることが確認された。
【0039】
樹脂絶縁層5の表面が多孔性となった基板をパラジウム触媒(シプレイ社製)に浸漬した後、触媒を活性化させ、無電解めっき浴に約30分浸漬して、約0.5μm厚の無電解めっき膜を形成した。その後、約1時間の電解銅めっきを行って、ビアホール8を有する約15μm厚の第2導体層9を形成した(図1(g)参照)。
【0040】
第2導体層9上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って紫外線露光、焼き付けを行い、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成し、塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第2導体パターン10を形成した(図1(h)参照)。
【0041】
以上の工程で、2層の導体パターンからなる本発明の多層プリント配線板が得られた。
【0042】
上記多層プリント配線板を半田浴(260℃)中に約20秒間浸漬したが、変化は認められなかった。また、導体パターンのめっきピール強度をJIS−C6481に基づき1cm幅パターンを90度剥離試験によって測定したところ約1.2Kg/cmであった。絶縁耐性試験(PCBT)はプレッシャークッカー(PCT)にてJIS−C6481の対向電極パターンを用い層間のパターンについて行い、印加電圧25V、120℃、85%、100時間経過の絶縁抵抗値の変化が10%以内であり問題ないことが確認された。
【0043】
<実施例2>
実施例1と同様にしてアルカリ現像型感光性樹脂溶液を調製した。
基板として、ガラスエポキシ銅張積層板(FR−4;日立化成工業社製)を用い(図3(a)参照)、その第1導体層1(銅箔)上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って、紫外線露光、焼き付けを行った。次いで、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成した。
【0044】
塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第1導体パターン2を形成した(図3(b)参照)。
【0045】
前記アルカリ現像型感光性樹脂溶液40重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)12.5重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)20重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3.0重量部、平均粒径約3μm以下の水酸基含量0.1%以下のシリカフィラー(シリカ微粒子FS−3DC;電気化学工業社製)13. 0重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.6重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂絶縁層混合液(A液)を作製した。
【0046】
前記アルカリ現像型感光性樹脂溶液重量部33.5重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)5.5重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)8.5 重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3.0重量部、平均粒径が3μm以下で水酸基含量が6.5%のシリカフィラー(サイリシア730;富士シリシア化学社製)13. 0重量部、アルコキシシラン(γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;信越化学工業社製)20重量部、(テトラメトキシシラン;東京化成工業社製)12.5重量部、重合触媒(ラウリン酸ジブチル錫;東京化成工業社製)1.5重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.6重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂密着強化混合溶液(B液)を作製した。
【0047】
第1導体パターン2が形成された基板上に、前記樹脂絶縁層混合液(A液)をスピンコートにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約50μm厚の樹脂絶縁層3を形成した(図3(c)参照)。
【0048】
熱硬化させた樹脂絶縁層を50℃の約3%水酸化ナトリウム水溶液と10%MLB溶液(界面活性剤;シプレイ社製)の混合液よりなるアルカリ性溶液で20分間処理した。ここで、樹脂絶縁層3を電子顕微鏡にて観察したところ、樹脂絶縁層3表面に約3μmの多孔性となっていることが確認された。
樹脂絶縁層表面に、前記樹脂密着強化混合溶液(B液)をスピンコートにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約3 μm厚の樹脂密着強化層4を形成した(図3(e)参照)。
【0049】
樹脂密着強化層が設けられた樹脂絶縁層にフォトマスクを使って超高圧水銀灯により約500mJ/cm2 の露光を行って、光硬化させた後(図3(f)参照)、約5%の有機アミン系アルカリ水溶液にて現像し、180℃、1時間の熱硬化工程を経て、約70μmのビアホール形成孔7を有する樹脂絶縁層を形成した(図3(g)参照)。
【0050】
樹脂密着強化層が設けられた樹脂絶縁層11の基板をパラジウム触媒(シプレイ社製)に浸漬した後、触媒を活性化させ、無電解めっき浴に約30分浸漬して、約0.5μm厚の無電解めっき膜を形成した。その後、約1時間の電解銅めっきを行って、ビアホール8を有する約15μm厚の第2導体層9を形成した(図3(h)参照)。
【0051】
第2導体層9上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って紫外線露光、焼き付けを行い、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成し、塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第2導体パターン10を形成した(図3(i)参照)。
【0052】
以上の工程で、2層の導体パターンからなる本発明の多層プリント配線板が得られた。
【0053】
上記多層プリント配線板を半田浴(260℃)中に約20秒間浸漬したが、変化は認められなかった。また、導体パターンのめっきピール強度をJIS−C6481に基づき1cm幅パターンの90度剥離試験によって測定したところ約1.0 Kg/cmであった。絶縁耐性試験(PCBT)はプレッシャークッカー(PCT)にてJIS−C6481の対向電極パターンを用い層間のパターンについて行い、印加電圧25V、120℃、85%、100時間経過の絶縁抵抗値の変化が10%以内であり問題ないことが確認された。
【0054】
<実施例3>
実施例1と同様にアルカリ現像型感光性樹脂溶液を調製した。
基板として、ガラスエポキシ銅張積層板(FR−4;日立化成工業社製)を用い(図1(a)参照)、その第1導体層(銅箔)1上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って、紫外線露光、焼き付けを行った。次いで、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成した。
【0055】
塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第1導体パターン2を形成した(図1(b)参照)。
【0056】
前記アルカリ現像型感光性樹脂溶液40重量部(固形分)、脂環式エポキシ樹脂(HP―7200;大日本インキ化学工業社製)18重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)20重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3.0重量部、平均粒径約1 μm以下で水酸基含量0.13 %以下のシリカフィラー(シリカ微粒子FB−1S;電気化学工業社製)8.0重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.65重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂絶縁層混合液(A 液)を作製した。前記アルカリ現像型感光性樹脂溶液32.5重量部(固形分)、脂環式エポキシ樹脂(HP―7200;大日本インキ化学工業社製)7.5 重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)8 重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3 .0重量部、平均粒径が3μm以下で水酸基含量を6.5%のシリカフィラー(サイリシア730;富士シリシア化学社製)12.5重量部、アルコキシシラン(γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;信越化学工業社製)20重量部、(テトラメトキシシラン;東京化成工業社製)12.5重量部、重合触媒(ラウリン酸ジブチル錫;東京化成工業社製)1.5重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.65重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂密着強化混合溶液(B液)を作製した。
【0057】
第1導体パターン2が形成された絶縁基板1上に、前記樹脂絶縁層混合液(A液)をスピンコートにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約50μm厚の樹脂絶縁層3を形成した(図1(c)参照)。
【0058】
樹脂絶縁層表面(図1(c)参照)に、前記樹脂密着強化混合溶液(B液)をスピンコートにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約10μm厚の樹脂密着強化層4を形成した(図1(d)参照)。
【0059】
樹脂密着強化層が設けられた樹脂絶縁層にフォトマスク6を使って超高圧水銀灯により約500mJ/cm2 の露光を行って、光硬化させた後、約5%有機アミン系アルカリ水溶液にて現像し、180℃、1時間の熱硬化工程を経て、約70μmのビアホール形成孔7を有する樹脂絶縁層5を形成した(図1(f)参照)。
【0060】
熱硬化させた樹脂絶縁層5を50℃の約3%水酸化ナトリウム水溶液と10%MLB溶液(界面活性剤;シプレイ社製)の混合液よりなるアルカリ性溶液で20分間処理した。ここで、樹脂絶縁層5を電子顕微鏡にて観察したところ、約5μmの多孔性樹脂絶縁層11となっていることが確認された(図2参照)。
【0061】
多孔性樹脂絶縁層11が形成された基板をパラジウム触媒(シプレイ社製)に浸漬した後、触媒を活性化させ、無電解めっき浴に約30分浸漬して、約0.5μm厚の無電解めっき膜を形成した。その後、約1時間の電解銅めっきを行って、ビアホール8を有する約15μm厚の第2導体層9を形成した(図1(g)参照)。
【0062】
第2導体層9上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って紫外線露光、焼き付けを行い、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成し、塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第2導体パターン10を形成した(図1(h)参照)。
【0063】
以上の工程で、2層の導体パターンからなる本発明の多層プリント配線板が得られた。
【0064】
上記多層プリント配線板を半田浴(260℃)中に約20秒間浸漬したが、変化は認められなかった。また、導体パターンのめっきピール強度をJIS−C6481に基づき1cm幅パターンの90度剥離試験によって測定したところ約1.3Kg/cmであった。絶縁耐性試験(PCBT)はプレッシャークッカー(PCT)にてJIS−C6481の対向電極パターンを用い層間のパターンについて行い、印加電圧25V、120℃、85%、100時間経過の絶縁抵抗値の変化が10%以内であり問題ないことが確認された。
【0065】
<実施例4>
基板として、ガラスエポキシ銅張積層板(FR−4;日立化成工業社製)を用い(図1(a)参照)、その第1導体層(銅箔)1上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って、紫外線露光、焼き付けを行った。次いで、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成した。
【0066】
塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第1導体パターン2を形成した(図1(b)参照)。
【0067】
前記樹脂溶液15重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)11.5重量部、脂環式エポキシ樹脂(HP―7200;大日本インキ化学工業社製)40重量部、平均粒径約1μm以下で水酸基含量0.13%以下のシリカフィラー(シリカ微粒子FB−1S;電気化学工業社製)8. 5重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.7重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂絶縁層混合液(A液)を作製した。
【0068】
前記樹脂溶液11.7重量部(固形分)、脂環式エポキシ類化合物(EHPE3150;ダイセル化学社製)3.5 重量部、脂環式エポキシ樹脂(HP―7200;大日本インキ化学工業社製)12重量部、平均粒径が3μm以下で水酸基含量を7 %のシリカフィラー(サンスフェアーH-31;旭硝子社製)13.0重量部、アルコキシシラン(γ- グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;信越化学工業社製)31.2重量部、(テトラメトキシシラン;東京化成工業社製)13重量部、重合触媒(ラウリン酸ジブチル錫;東京化成工業社製)2.3 重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.65重量部をメチルイソブチルケトン溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂密着強化混合溶液(B液)を作製した。
【0069】
第1導体パターン2が形成された絶縁基板上に、前記樹脂絶縁層混合液(A液)をスピンコートにて塗布し、9 0℃、20分乾燥して、約50μm厚の樹脂絶縁層3を形成した(図1(c)参照)。
【0070】
樹脂絶縁層表面に、前記樹脂密着強化混合溶液(B液)をスピンコートにて塗布し、9 0℃、20分乾燥して、約10μm厚の樹脂密着強化層4を形成した(図1(d)参照)。
【0071】
180℃、1時間の熱硬化工程を経て、UV-YAGレーザーを用いて約70μmのビアホール形成孔7を有する樹脂絶縁層5を形成した(図1(f)参照)。
【0072】
熱硬化させた樹脂絶縁層5を50℃の約3%水酸化ナトリウム水溶液と10%MLB溶液(界面活性剤;シプレイ社製)の混合液よりなるアルカリ性溶液で20分間処理した。ここで、樹脂絶縁層5を電子顕微鏡にて観察したところ、約4μmの多孔性樹脂絶縁層11が形成されていることが確認された(図2参照)。
【0073】
多孔性樹脂絶縁層11が形成された基板をパラジウム触媒(シプレイ社製)に浸漬した後、触媒を活性化させ、無電解めっき浴に約30分浸漬して、約0.5μm厚の無電解めっき膜を形成した。その後、約1時間の電解銅めっきを行って、ビアホール8を有する約15μm厚の第2導体層9を形成した(図1(g)参照)。
【0074】
第2導体層9上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って紫外線露光、焼き付けを行い、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成し、塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第2導体パターン10を形成した(図1(h)参照)。
【0075】
以上の工程で、2層の導体パターンからなる本発明の多層プリント配線板が得られた。
【0076】
上記多層プリント配線板を半田浴(260℃)中に約20秒間浸漬したが、変化は認められなかった。また、導体パターンのめっきピール強度をJIS−C6481に基づき1cm幅パターンの90度剥離試験によって測定したところ約1. 0Kg/cmであった。絶縁耐性試験(PCBT)はプレッシャークッカー(PCT)にてJIS−C6481の対向電極パターンを用い層間のパターンについて行い、印加電圧25V、120℃、85%、100時間経過の絶縁抵抗値の変化が10%以内であり問題ないことが確認された。
【0077】
<比較例1>
実施例1と同様にアルカリ現像型感光性樹脂溶液を調製した。
基板として、ガラスエポキシ銅張積層板(FR−4;日立化成工業社製)を用い(図4(a)参照)、その第1導体層(銅箔)1上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って、紫外線露光、焼き付けを行った。次いで、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成した。
【0078】
塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第1導体パターン2を形成した(図4(b)参照)。
【0079】
前記アルカリ現像型感光性樹脂溶液38重量部(固形分)、脂環式エポキシ樹脂(HP―7200;大日本インキ化学工業社製)17重量部、光硬化型エポキシ樹脂(サイクロマーM100;ダイセル化学社製)19重量部、光開始剤(LucirinTPO;BASF社製)3 .0重量部、平均粒径が3μm以下で水酸基含量を6.5%のシリカフィラー(サイリシア730;富士シリシア化学社製)12.5重量部、分散剤(DISPERBYK;ビックケミー社製)0.65重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤を加えて連続式横型サンドミルにて約3時間分散させて、樹脂絶縁層混合液(A液)を作製した。
【0080】
第1導体パターン2が形成された絶縁基板上に、前記樹脂絶縁層混合液(A液)をスピンコートにて塗布し、70℃、20分乾燥して、約50μm厚の樹脂絶縁層3を形成した(図4(c)参照)。
【0081】
樹脂絶縁層にフォトマスク6を使って超高圧水銀灯により約500mJ/cm2 の露光を行って、光硬化させた後(図4(d)参照)、約5%有機アミン系アルカリ水溶液にて現像し、180℃、1時間の熱硬化工程を経て、約70μmのビアホール形成孔7を有する樹脂絶縁層3を形成した(図4(e)参照)。
【0082】
熱硬化させた樹脂絶縁層3を50℃の約3%水酸化ナトリウム水溶液と10%MLB溶液(界面活性剤;シプレイ社製)の混合液よりなるアルカリ性溶液で20分間処理した。
【0083】
樹脂絶縁層3の表面をパラジウム触媒(シプレイ社製)に浸漬した後、触媒を活性化させ、無電解めっき浴に約30分浸漬して、約0.5μm厚の無電解めっき膜を形成した。その後、約1時間の電解銅めっきを行って、ビアホール8を有する約15μm厚の第2導体層9を形成した(図4(f)参照)。
【0084】
第2導体層9上に感光性ドライフィルム(デュポン社製)をラミネートし感光層を形成した後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを使って紫外線露光、焼き付けを行い、1, 1ー トリクロロエタンで現像を行い、レジストパターンを形成し、塩化第2銅エッチング液を用いて非導体部の銅を除去した後、メチレンクロリドでレジストパターンを剥離し、第2導体パターン10を形成した(図4(g)参照)。
【0085】
以上の工程で、2層の導体パターンからなる本発明の多層プリント配線板が得られた。
【0086】
以上のように作成した多層プリント配線板を半田浴(260℃)中に約20秒間浸漬した結果、導体パターンが部分的に基板から剥離していることが分かった。また、導体パターンのめっきピール強度を測定したところ約0.5Kg/cmであった。
【0087】
【発明の効果】
本発明に係る多層プリント配線板及びその製造方法によれば、耐熱性樹脂からなる樹脂絶縁層と無電解めっき膜が接する表面に密着強化層を形成することによって、密着強度の優れた無電解めっき膜及び電解めっき膜からなる導体パターンを形成し、信頼性に優れた高密度多層プリント配線板を容易にかつ安価に提供することができる。
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板の構成及び製造工程の模式断面図である。
【図2】本発明の多層プリント配線板の構成の模式断面図である。
【図3】本発明の多層プリント配線板の構成及び製造工程の模式断面図である。
【図4】比較例の多層プリント配線板の構成及び製造工程の模式断面図である。
【符号の説明】
1 第1導体層
2 第1導体パターン
3 感光性樹脂絶縁層
4 樹脂密着強化層
5 樹脂絶縁層
6 フォトマスク
7 ビアホール形成孔
8 ビアホール
9 第2導体層
10 第2導体パターン
11 多孔質樹脂絶縁層
Claims (3)
- 少なくとも無電解めっき及び電解めっきからなる導体パターンと樹脂絶縁層とが交互に積層された多層プリント配線板において、樹脂絶縁層の無電解めっきされる表面に少なくとも多官能エポキシ化合物と硬化剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルコキシシランからなる組成物を加熱硬化して設けた密着強化層を有し、前記樹脂絶縁層が重量当たりの水酸基含量2.0%以下の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでなり、かつ前記密着強化層が重量当たりの水酸基含量2.0〜8.0%の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでなることを特徴とする多層プリント配線板。
- 少なくとも下記(a)〜(e)の工程を必要回数繰り返すことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(a)導体パターン基板上に、少なくとも熱硬化性エポキシを主成分とし、重量当たりの水酸基含量2.0%以下の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでいる樹脂絶縁層混合溶液(A液)を塗布し、加熱乾燥して樹脂絶縁層を形成する工程。
(b)前記樹脂絶縁層表面に多官能エポキシ化合物と硬化剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルコキシシラン、重量当たりの水酸基含量2.0〜8.0%の水酸基を有しているシリカ微粒子を成分とする樹脂密着強化混合溶液(B液)を塗布して、加熱乾燥して密着強化層を形成し、2層の樹脂層を形成する工程。
(c)前記樹脂絶縁層と密着強化層にフォトリソグラフィーもしくはレーザー照射によりビアホールを形成する工程。
(d)前記樹脂絶縁層と密着強化層表面をアルカリ性溶液にて処理することにより前記樹脂絶縁層と密着強化層表面を多孔性とする工程。
(e)前記樹脂絶縁層と前記密着強化層に、無電解めっき及び電解めっきを行って導体層を形成し、パターニング処理して導体パターンを形成する工程。 - 少なくとも下記(a)〜(e)の工程を必要回数繰り返すことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
(a)導体パターン基板上に、少なくとも熱硬化性エポキシを主成分とし、重量当たりの水酸基含量2.0%以下の水酸基を有しているシリカ微粒子を含んでいる樹脂絶縁層混合溶液(A液)を塗布し、加熱乾燥して樹脂絶縁層を形成する工程。
(b)前記樹脂絶縁層表面をアルカリ性溶液にて処理することにより前記樹脂絶縁層表面を多孔性とする工程。
(c)前記樹脂絶縁層表面に多官能エポキシ化合物と硬化剤、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アルコキシシラン、重量当たりの水酸基含量2.0〜8.0%の水酸基を有しているシリカ微粒子を成分とする樹脂密着強化混合溶液(B液)を塗布して、加熱乾燥して密着強化層を形成し、2層の樹脂層を形成する工程。
(d)前記樹脂絶縁層と密着強化層にフォトリソグラフィーもしくはレーザー照射によりビアホールを形成する工程。
(e)前記樹脂絶縁層と密着強化層上に、無電解めっき及び電解めっきを行って導体層を形成し、パターニング処理して導体パターンを形成する工程。
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