JP3945002B2 - 積層材料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層材料に関し、特に半導体装置を搭載し、その半導体装置を外部回路に接続するため等に用いるチップキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、黒化処理済み銅基板上に設けられたエポキシ樹脂からなる絶縁層上に、無電解銅メッキ層が形成され、更にその上に電解銅メッキ層が形成されている構造を有する積層材料がチップキャリアとして広く用いられている。ここで、チップキャリアとは、LSIなどの半導体装置を搭載して外部回路に接続するために用いられるプリント配線板、リードフレーム、BGA(ボール・グリッド・アレイ)等の総称である。
【0003】
このようなチップキャリアは、エポキシ樹脂と無電解銅メッキ層との間の密着性が良好であるという利点を有するが、エポキシ樹脂は誘電率が高く、高周波特性が不十分であるという欠点を有している。
【0004】
そこで、絶縁層のエポキシ樹脂に代えて、低い誘電率、低い吸水性、高耐熱性等の特性を有するベンゾシクロブテン樹脂(BCB樹脂)を使用することが試みられている。この場合、BCB樹脂からなる絶縁層とその上に形成される導体層との間の密着性が十分ではないために、絶縁層上に導体層を形成する前に、絶縁層の表面を予め粗面化処理することが試みられている。
【0005】
ところで、このような粗面化処理としては、過マンガン酸塩処理、次亜塩素酸塩処理、及びクロム酸塩処理が知られている。これらの中で、次亜塩素酸塩処理の場合には有毒な塩素ガスの発生を避けることができないという問題がある。また、クロム酸塩処理の場合には既に形成されている銅などの導体層が侵されてしまうという問題だけでなく、有害なクロムイオンを含有する排水の処理の負担が大きいという問題がある。従って、それらの問題を持たない過マンガン酸塩処理で粗面化することが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、BCB樹脂はエポキシ樹脂よりも耐薬品性に優れているために、過マンガン酸塩処理では十分に粗面化することができず、絶縁層と無電解メッキ法及び電解メッキ法により形成された導体層との間の密着性が不十分であるという問題がある。
【0007】
このように、BCB樹脂からなる絶縁層を有するチップキャリアの当該絶縁層の表面を、過マンガン酸塩処理により粗面化できるようにすることが、強く望まれているのが現状である。
【0008】
なお、そのような粗面化処理の際に、絶縁層の粗面化が過度に進行して下層の導体層が露出した場合には電解メッキ時にショートが生じることが予想される。従って、過マンガン酸塩処理によるBCB樹脂層の粗面化を有効に行うための研究開発においては、絶縁層の下層の導体層を露出させることなく、有効に粗面化できることが求められている。
【0009】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決しようとするものであり、下層導体層、その上の絶縁層及びその上に形成された上層導体層を含む積層材料、並びにそれからなるチップキャリアの当該絶縁層をBCB樹脂から形成した場合に、絶縁層と上層導体層との密着性を向上させるために、過マンガン酸塩処理により、下層導体層を露出させることなく絶縁層の表面を容易に粗面化できるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、SiO2フィラを分散させたBCB樹脂層の表面が過マンガン酸塩処理により容易に粗面化できることを見出した。また、それと同時に、SiO2フィラが比較的大きな塊に凝集した部分では、下層の導体層に至るまでBCB樹脂層が浸食されてしまう場合があることも見出した。これらの知見に基づき本発明者らは、更に、SiO2フィラを分散させたBCB樹脂層と下層導体層との間に、SiO2フィラを含まないBCB樹脂層を形成し、そのBCB樹脂層で過マンガン酸塩処理による過度の浸食を防止できることを見出した。そしてこれらの知見に基づき本発明が完成されるに至った。
【0011】
即ち、本発明は、下層導体層上に、ベンゾシクロブテン樹脂からなる第1の樹脂層とSiO 2 フィラがベンゾシクロブテン樹脂に分散されている第2の樹脂層とからなる絶縁層及び更にその上に上層導体層が積層された構造を有する積層材料の製造方法において、下層導体層上に第1の樹脂層を形成し、該第1の樹脂層上に第2の樹脂層を形成し、該第2の樹脂層の表面を過マンガン酸塩処理してその表面の粗面化を行い、その粗面化された第2の樹脂層上に上層導体層を形成することを特徴とする製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、チップキャリアに特に適した本発明の積層材料を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の積層材料の概略断面図である。この積層包装材料は、下層導体層1、その上に絶縁層2、更に上層導体層3が形成された構造を有する。ここで、絶縁層2は、下層導体層1側から、BCB樹脂からなる第1の樹脂層2aとSiO2フィラFがBCB樹脂Rに分散されている第2の樹脂層2bとから構成されており、その第2の樹脂層2bの上層導電層3側の表面は、過マンガン酸塩処理により粗面化されている。
【0014】
ここで、BCB樹脂は、チップキャリアの絶縁層材料として好ましい特性、即ち、低誘電率、低吸湿性、高耐熱性、高平坦化性、高接着性、高耐薬品性等を有する。従って、絶縁層材料としてBCB樹脂を使用することによりチップキャリアの信頼性を向上させることが可能となる。
【0015】
ところで、BCB樹脂自体は、耐薬品性が高いために過マンガン酸塩処置により粗面化することが非常に困難な樹脂である。そこで、本発明においては、過マンガン酸塩処理により粗面化できるようにするために、BCB樹脂中に無機フィラの中では比較的低誘電率のSiO2フィラを分散させることにより第2の樹脂層2bを構成している。
【0016】
BCB樹脂にSiO2フィラを分散させることにより過マンガン酸塩処理で粗面化できる理由は明確ではないが、以下のように考えられる。
【0017】
即ち、SiO2フィラを分散する際に、BCB樹脂がSiO2フィラに吸着され固定され、その結果、固定されたBCB樹脂の熱運動が抑制される。従って、熱硬化工程においてSiO2フィラ近傍のBCB樹脂の熱硬化が十分に進行せず、そのためSiO2フィラ近傍のBCB樹脂が過マンガン酸塩処理で浸食可能となり、粗面化が達成されるものと考えられる。
【0018】
従って、十分に粗面化された第2の樹脂層2bと上層導体層3との間の密着性は良好なものとなる。しかも、第2の樹脂層2bが過度に過マンガン酸塩処理により粗面化された場合でも、SiO2フィラを含有しない第1の樹脂層2aが過マンガン酸塩による浸食のストッパとなり得る。よって、絶縁層2上に電解メッキにより上層導体層3を形成する際に、上層導体層3と下層導体層1との間でショートが生じない。
【0019】
第2の樹脂層2bにおけるSiO2フィラの含有率は、SiO2フィラが少なすぎると十分に粗面化することができず、多すぎると絶縁層の誘電率が上昇して、高周波特性が低下するので、BCB樹脂100重量部に対して好ましくは1〜15重量部である。
【0020】
また、SiO2フィラの粒径は、大きすぎると第2の樹脂層2bの表面の凹凸が大きすぎてパターニングできなくなるので、5μm以下が好ましい。
【0021】
第2の樹脂層2bには、上述のBCB樹脂RとSiO2フィラFとの他に、BCB樹脂に相溶する樹脂を必要に応じて配合することができる。
【0022】
第2の樹脂層2bの厚みは、薄すぎると第1の樹脂層2aの露出面積が大きくなりすぎて上層導体層3の密着性が低下し、厚すぎると粗さが深さ方向に大きくなりすぎて上層導体層3のパターンの微細化が困難となるので、好ましくは3〜10μmである。
【0023】
また、第1の樹脂層2aにも、本発明の効果を損なわない限り、BCB樹脂以外の樹脂を配合することもできる。
【0024】
第1の樹脂層2aの厚みは、薄すぎると絶縁効果が小さくなり、厚すぎるとビアの微細化が困難となるので、好ましくは5〜20μmである。
【0025】
本発明において、第2の樹脂層2bの表面を粗面化する過マンガン酸塩処理としては、従来のチップキャリアにおいて、エポキシ樹脂からなる絶縁層の粗面化処理の際に利用されている過マンガン酸塩処理を使用することができる。例えば、過マンガン酸カリウム10〜200g/lと5規定未満のアルカリ(水酸化ナトリウムなど)とを含有する処理水溶液を、好ましくは40〜90℃に加熱し、その処理液に第2の樹脂層2bの表面を浸漬法あるいは噴霧法等により接触させる処理を挙げることができる。
【0026】
本発明の積層材料の上層導体層3としては、従来のチップキャリアのチップ搭載側の導体層と同じ構成とすることができ、好ましくは無電解銅メッキ層を挙げることができる。ここで、無電解銅メッキ層の形成の際に使用するメッキ浴等のメッキ条件に特に制限はなく、従来のチップキャリアの無電解銅メッキ層の場合と同様とすることができる。
【0027】
また、本発明の積層材料においては、上層導体層3の導通信頼性等を向上させるために、無電解銅メッキ層上に更に電解銅メッキ層を常法により形成することが好ましい。この場合の電解メッキ条件は、従来のチップキャリアの電解銅メッキ層の場合と同様とすることができる。
【0028】
本発明の積層材料の下層導体層1としては、従来のチップキャリアのチップ非搭載側の導体層と同じ構成とすることができ、黒色化銅板やアルミニウム板、ポリイミドシート上の銅箔等が挙げられる。
【0029】
以上説明したように、図1の態様の積層材料においては、下層導体層1側からBCB樹脂からなる第1の樹脂層2aとBCB樹脂RにSiO2フィラFが分散した第2の樹脂層2bとから絶縁層2が構成されているが、図2に示すように、絶縁層2が、第1の樹脂層2aと下層導体層1との間に更にBCB樹脂RにSiO2フィラFが分散した第3の樹脂層2cを有するようにしてもよい。このような構造とすることにより、絶縁層2にカールやねじれ等が生じ難くなり、結果的に積層材料の良好な形状安定性を確保できる。
【0030】
第3の樹脂層2cにおけるSiO2フィラFの含有率、使用するSiO2フィラFの粒径、また、第3の樹脂2cの厚み等は、第2の樹脂層2bと同様とすることができる。
【0031】
なお、図1及び図2においては、第2の樹脂層2bの一部の領域が第1の樹脂層2aにまで浸食されている例を示したが、これは第2の樹脂層2bが仮に第1の樹脂層2aにまで浸食されたとしても下層導体層1が露出しないことを示す例であり、従って、粗面化が第2の樹脂層2bの表面だけに止まっている場合も本発明の範囲である。
【0032】
以上説明した図1に示す態様の積層材料は、例えば、次のようにして作製することができる。
【0033】
即ち、下層導体層1となる銅シートなどの金属基板上に、BCB樹脂をメシチレン等の有機溶媒に溶解し、その溶液をスクリーンコート法やロールコート法等により塗布し、乾燥して加熱(例えば100℃程度)して硬化させることにより第1の樹脂層2aを形成する。
【0034】
次に、BCB樹脂とSiO2フィラとを、メシチレン等の有機溶剤中で三本ロールミルやビーズミル等の分散装置を用いて分散し、その分散物をスクリーンコート法やロールコート法等により第1の樹脂層2a上に成膜して乾燥させ加熱して第2の樹脂層2bを形成し、これにより絶縁層2が形成される。この絶縁層2に対しては、必要に応じて露光、現像、バフ研磨の各処理を施してもよい。
【0035】
次に、絶縁層2の表面に対して過マンガン酸塩処理を施し、表面の粗面化を行う。
【0036】
その後に絶縁層2の粗面化処理面上に、常法により無電解金属メッキ法、更に必要に応じて電解金属メッキ法により上層導体層3を形成する。これにより、図1の積層材料を作製することができる。
【0037】
また、図2の積層材料は、第1の樹脂層2aを設ける前に、金属基板上に第2の樹脂層2bを形成するために使用する分散液と同様の分散液を使用して第3の樹脂層2cを形成しておき、その後は図1の積層材料と同様な操作を繰り返すことにより作製することができる。
【0038】
その後に絶縁層2の粗面化処理面上に、常法により無電解金属メッキ法、更に必要に応じて電解金属メッキ法により上層導体層3を形成する。これにより、図2の積層材料を作製することができる。
【0039】
なお、図1及び図2の積層材料を作製するに際し、図3(a)又は図3(b)に示すように、絶縁層2の表面に対して過マンガン酸塩処理を施して表面が粗面化されていない状態の積層材料、並びに図4(a)及び図4(b)に示すように、絶縁層2の表面に対して過マンガン酸塩処理を施して表面が粗面化された状態の積層材料が使用される。これらの積層材料は、図1又は図2の積層材料の前駆材料として市場取引性があり有用なものである。従って、これらの積層材料も本発明の一部と見なすことができる。
【0040】
即ち、図3(a)の積層材料は、導体層1上に絶縁層2が形成された構造を有しており、その絶縁層2が、導体層1側からBCB樹脂からなる第1の樹脂層2aと、その上に形成された、SiO2フィラFがBCB樹脂Rに分散されている第2の樹脂層2bとから構成されている。この場合、図3(b)に示すように、第1の樹脂層2aの導体層1側の表面上に、更に、SiO2フィラFがBCB樹脂Rに分散されている第3の樹脂層2cが形成されていてもよい。
【0041】
また、図4(a)の積層材料は、導体層1上に絶縁層2が形成された構造を有しており、その絶縁層2が、導体層1側から、BCB樹脂からなる第1の樹脂層2aと、その上に形成された、SiO2フィラFがBCB樹脂Rに分散されている第2の樹脂層2bとから構成されており、且つ導体層1と反対側の第2の樹脂層2bを構成するSiO 2 フィラ近傍のBCB樹脂が過マンガン酸塩処理により浸食され粗面化されている構造を有する。この場合、図4(b)に示すように、第1の樹脂層2aの導体層1側の表面上に、更に、SiO2フィラFがBCB樹脂Rに分散されている第3の樹脂層2cが形成されていてもよい。
【0042】
以上説明した本発明の積層材料は、低誘電率、低吸湿性、高耐熱性、高平坦化性、高接着性、高耐薬品性等を有するBCB樹脂を絶縁層の材料として使用し、しかもその表面が過マンガン酸塩処理により容易に粗面化することができる。従って、その上に形成される導体層との密着性が向上する。よって、本発明の積層材料は、半導体装置を搭載するための信頼性の高いチップキャリアとなる。また、一度、半導体装置を搭載すれば、信頼性の高いチップモジュールとなる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0044】
実施例1
BCB樹脂(ダウケミカル社製)100重量部とメシチレン20重量部とを混合し、その混合物を黒化処理済みの銅基板の表面上にロールコート法により20μm厚で成膜し、100℃のオーブン中で約30分間キュアリングし、BCB樹脂層を形成した。
【0045】
次に、BCB樹脂(ダウケミカル社製)100重量部と平均粒径100オングストロームのシリカ粉末(AEROSILR MOX170、日本アエロジル社製)4重量部とを三本ロール法により分散させ、更にメシチレン70重量部を加えて分散させた。得られた分散液をロールコート法により、BCB樹脂層上に5μm厚で成膜し、窒素雰囲気下のオーブン中でキュアリング(75℃−20分,100℃−15分、150℃−15分、200℃−30分)し、第2の樹脂層を形成した。これにより銅基板上に、BCB樹脂層とシリカ粉末含有BCB樹脂層とからなる二重構造の絶縁層を形成した。
【0046】
得られた絶縁層を420nmの光(100〜200mJ/cm2)でパターニング露光し、アルカリ水溶液系現像液(炭酸ナトリウム:水酸化ナトリウム=73:27の1%水溶液)で現像し、水洗した後に、100℃で30分間ポストベークした。
【0047】
得られた絶縁層の表面を、バフロール(HD5S−SF、3M社製)を備えたバフ研磨装置(石井表記社製)で研磨した(バフロール回転数1500rpm、オシレーション5Hz(間隔5mm)、送り速度2m/分、2回通し、流水冷却、研磨量5〜6μm)。
【0048】
この研磨した絶縁層を、過マンガン酸カリウム3%と水酸化ナトリウム2%とを含有する過マンガン酸塩処理液に65℃で10分間接触させることにより粗面化した。
【0049】
この粗面化した絶縁層の表面に対し、奥野製薬製のOPCプロセスに従って、キャラクタライジングし、アクセラレーティングし、硫酸銅浴(CuSO4・5H2O 0.03M; EDTA・4H 0.24M; 2,2′−Bipyridine 10ppm; PEG−1000 100ppm; p−HCHO0.20M; pH=12.5; 温度 60℃; 大気雰囲気下)で無電解銅メッキを行い、更に硫酸銅浴で電解銅メッキすることによりチップキャリアを得た。この電解メッキの際、下層導体層である黒化処理済み銅基板と電解メッキ層との間にショートは生じなかった。
【0050】
得られたチップキャリアを一昼夜放置した後に、その絶縁層と無電解銅メッキ層との間の密着性を調べるために、JIS C5012に従って、テープ剥離試験を行った。その結果、剥離強度は600g/cm2であった。
【0051】
実施例2
BCB樹脂(ダウケミカル社製)100重量部と平均粒径100オングストロームのシリカ粉末(AEROSILR MOX170、日本アエロジル社製)4重量部とを三本ロール法により分散させ、更にメシチレン30重量部を加えて分散させた。得られた分散液をロールコート法により、黒化処理済み銅基板上に15μm厚で成膜し、100℃のオーブン中で約30分間キュアリングしてシリカ粉末含有BCB層を形成した。
【0052】
次に、BCB樹脂(ダウケミカル社製)100重量部とメシチレン50重量部とを混合し、その混合物をシリカ粉末含有BCB層の表面上にロールコート法により5μm厚で成膜し、100℃のオーブン中で約30分間キュアリングし、シリカ粉末を含有しないBCB樹脂層を形成した。
【0053】
次に、BCB樹脂(ダウケミカル社製)100重量部と平均粒径100オングストロームのシリカ粉末(AEROSILR MOX170、日本アエロジル社製)4重量部とを三本ロール法により分散させ、更にメシチレン70重量部を加えて分散させた。得られた分散液をロールコート法により、シリカ粉末を含有しないBCB樹脂層上に5μm厚で成膜し、窒素雰囲気下のオーブン中でキュアリング(75℃−20分,100℃−15分、150℃−15分、200℃−30分)し、第2の樹脂層を形成した。これにより下層導電層上に、BCB樹脂からなる樹脂層とBCB樹脂にシリカ粉末が分散した絶縁層とからなる三重構造の絶縁層を形成した。
【0054】
得られた絶縁層を、実施例1と同様の条件でパターニング露光し、アルカリ水溶液系現像液で現像し、水洗した後に、100℃で30分間ポストベークした。
【0055】
得られた絶縁層の表面を、実施例1と同様の条件でバフ研磨した。
【0056】
この研磨した絶縁層を、過マンガン酸カリウム3%と水酸化ナトリウム2%とを含有する過マンガン酸塩処理液に65℃で10分間接触させることにより粗面化した。
【0057】
この粗面化した絶縁層の表面に対し、実施例1と同様に奥野製薬製のOPCプロセスに従って、キャラクタライジングし、アクセラレーティングし、硫酸銅浴で無電解銅メッキを行い、更に硫酸銅浴で電解銅メッキすることによりチップキャリアを得た。この電解メッキの際、下層導体層である黒化処理済み銅基板と電解メッキ層との間にショートは生じなかった。しかも、得られたチップキャリアは、実施例1のチップキャリアに比べてカールやそりのなく、形状安定性に優れていた。
【0058】
得られたチップキャリアを一昼夜放置した後に、その絶縁層と無電解銅メッキ層との間の密着性を調べるために、JIS C5012に従って、テープ剥離試験を行った。その結果、剥離強度は600g/cm2であった。
【0059】
比較例1
過マンガン酸塩処理液による粗面化を行わない以外は、実施例1と同様にして比較のためのチップキャリアを得た。得られたチップキャリアについて、実施例1と同様にテープ剥離試験を行った。その結果、試験中に剥離してしまい、測定できなかった。
【0060】
比較例2
BCB樹脂(ダウケミカル社製)100重量部と平均粒径100オングストロームのシリカ粉末(AEROSILR MOX170、日本アエロジル社製)4重量部とを三本ロール法により分散させ、更にメシチレン70重量部を加えて分散させた。得られた分散液をロールコート法により、黒化処理済み銅基板上に20μm厚で成膜し、窒素雰囲気下のオーブン中でキュアリング(75℃−30分,100℃−15分、150℃−15分、200℃−30分)した。これにより、シリカ粉末入りのBCB樹脂層からなる単層構造の絶縁層を形成した。
【0061】
得られた絶縁層を、実施例1と同様の条件でパターニング露光し、アルカリ水溶液系現像液で現像し、水洗した後に、100℃で30分間ポストベークした。
【0062】
得られた絶縁層の表面を、実施例1と同様の条件でバフ研磨した。
【0063】
この研磨した絶縁層を、過マンガン酸カリウム3%と水酸化ナトリウム2%とを含有する過マンガン酸塩処理液に65℃で10分間接触させることにより粗面化した。
【0064】
この粗面化した絶縁層の表面に対し、実施例1と同様に奥野製薬製のOPCプロセスに従って、キャラクタライジングし、アクセラレーティングし、硫酸銅浴で無電解銅メッキを行い、更に硫酸銅浴で電解銅メッキしようとしたところ、銅基板と電解銅メッキ層との間でショートが生じた。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、下層導体層、その上の絶縁層及びその上に形成された上層導体層を含む積層材料、並びにそれからなるチップキャリアの当該絶縁層をBCB樹脂から形成した場合に、過マンガン酸塩処理により、下層導体層を露出させることなく絶縁層の表面を容易に粗面化できるようにすることができる。従って、絶縁層と上層導体層との密着性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層材料の概略断面図である。
【図2】本発明の積層材料の概略断面図である。
【図3】本発明の別の態様の積層材料の概略断面図(同図(a)及び(b))である。
【図4】本発明の別の態様の積層材料の概略断面図(同図(a)及び(b))である。
【符号の説明】
1 下層導体層(導体層)
2 絶縁層
2a 第1の樹脂層
2b 第2の樹脂層
2c 第3の樹脂層
3 上層導体層

Claims (11)

  1. 下層導体層上に、ベンゾシクロブテン樹脂からなる第1の樹脂層とSiO フィラがベンゾシクロブテン樹脂に分散されている第2の樹脂層とからなる絶縁層及び更にその上に上層導体層が積層された構造を有する積層材料の製造方法において、下層導体層上に第1の樹脂層を形成し、該第1の樹脂層上に第2の樹脂層を形成し、該第2の樹脂層の表面を過マンガン酸塩処理してその表面の粗面化を行い、その粗面化された第2の樹脂層上に上層導体層を形成することを特徴とする製造方法
  2. 第1の樹脂層の厚みが3〜10μmであり、第2の樹脂層の厚みが5〜20μmである請求項1記載の製造方法
  3. 第2の樹脂層におけるSiO2フィラの含有割合が、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して1〜15重量部である請求項1又は2記載の製造方法
  4. SiO2フィラの粒径が5μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法
  5. 1の樹脂層と下層導体層との間に、更に、SiO2フィラがベンゾシクロブテン樹脂に分散されている第3の樹脂層を形成する請求項1記載の製造方法
  6. 上層導体層が、無電解銅メッキ層である請求項1〜のいずれかに記載の製造方法
  7. 無電解銅メッキ層上に、更に電解銅メッキ層形成する請求項6記載の製造方法
  8. 導体層上に、ベンゾシクロブテン樹脂からなる第1の樹脂層と、SiO 2 フィラがベンゾシクロブテン樹脂に分散されている第2の樹脂層とから絶縁層が積層された構造を有する積層材料の製造方法において、導体層上に第1の樹脂層を形成し、該第1の樹脂層上にに第2の樹脂層を形成し、該第2の樹脂層の表面を過マンガン酸塩処理してその表面の粗面化を行うことを特徴とする製造方法
  9. 1の樹脂層と導体層との間に、更に、SiO2フィラがベンゾシクロブテン樹脂に分散されている第3の樹脂層を形成する請求項8記載の製造方法
  10. 積層材料がチップキャリアである請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法
  11. 請求項10の製造方法で得られたチップキャリアである積層材料上に更に半導体装置を搭載するチップモジュールの製造方法。
JP07159198A 1998-03-20 1998-03-20 積層材料の製造方法 Expired - Fee Related JP3945002B2 (ja)

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