JP6973149B2 - フレキシブルプリント配線板用基板 - Google Patents

フレキシブルプリント配線板用基板 Download PDF

Info

Publication number
JP6973149B2
JP6973149B2 JP2018023230A JP2018023230A JP6973149B2 JP 6973149 B2 JP6973149 B2 JP 6973149B2 JP 2018023230 A JP2018023230 A JP 2018023230A JP 2018023230 A JP2018023230 A JP 2018023230A JP 6973149 B2 JP6973149 B2 JP 6973149B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base film
printed wiring
flexible printed
metal
wiring board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018023230A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019140280A5 (ja
JP2019140280A (ja
Inventor
佳世 橋爪
健一郎 相川
哲 土子
浩二 粕谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2018023230A priority Critical patent/JP6973149B2/ja
Priority to PCT/JP2018/043121 priority patent/WO2019159473A1/ja
Publication of JP2019140280A publication Critical patent/JP2019140280A/ja
Publication of JP2019140280A5 publication Critical patent/JP2019140280A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6973149B2 publication Critical patent/JP6973149B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B15/00Layered products comprising a layer of metal
    • B32B15/04Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B15/08Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • B32B15/088Layered products comprising a layer of metal comprising metal as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin comprising polyamides
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/10Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern
    • H05K3/12Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which conductive material is applied to the insulating support in such a manner as to form the desired conductive pattern using thick film techniques, e.g. printing techniques to apply the conductive material or similar techniques for applying conductive paste or ink patterns

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板用基板製造方法及びフレキシブルプリント配線板用基板に関する。
フレキシブルプリント配線板を製造するために、ポリイミドを主成分とするベースフィルムの少なくとも一方の面側に導体層を積層したフレキシブルプリント配線板用基板が使用される。
このようなフレキシブルプリント配線板用基板としては、銅の微粒子(銅ナノ粒子)を分散した金属粒子分散液(インク)をベースフィルムに塗布し、塗膜を焼成することによって銅ナノ粒子を焼結して導体層(銅ナノ粒子結合層)を形成したものが提案されている(特開2017−73415号公報参照)。この公報には、ベースフィルムをアルカリ処理することで、金属粒子分散液を均一に塗布するこができると記載されている。
また、銅の微粒子を分散した金属粒子分散液の塗工及び焼成により導体層を積層する場合、ベースフィルムの表面にアルカリ処理を施すことによって、ベースフィルムと導体層との密着力ことも知られている(特表2016−104420号公報参照)。
特開2017−73415号公報 特表2016−104420号公報
フレキシブルプリント配線板用基板を用いたフレキシブルプリント配線板の製造は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法等の公知の方法により、導体層を用いて所望の導電パターンを形成することにより行われる。
フレキシブルプリント配線板の製造では、例えばカバーレイの熱圧着等の寸法安定性が要求される処理工程を含むことが少なくない。具体的には、カバーレイを接着するためにロールにより加圧する際、ベースフィルムが伸びると、ローラーとの接触面が擦れてスクラッチ傷が付くおそれがある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、フレキシブルプリント配線板のスクラッチ傷を抑制できるフレキシブルプリント配線板用基板製造方法及びフレキシブルプリント配線板用基板を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るフレキシブルプリント配線板用基板製造方法は、ポリイミドを主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導体層とを備えるフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法であって、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面を改質する改質工程と、上記ベースフィルムの上記改質工程で改質した面に上記導体層を積層する積層工程とを備え、上記改質工程が、上記ベースフィルムをアルカリ性液に浸漬するアルカリ処理工程と、上記アルカリ処理工程後のベースフィルムを酸性液で洗浄する酸洗工程と、上記酸洗工程後のベースフィルムを2価の金属イオンを含有する水溶液に浸漬する金属導入工程とを有し、上記積層工程が、上記ベースフィルムの改質した面側に金属粒子を含有する金属粒子分散液を塗布する塗布工程と、上記金属粒子分散液塗膜を焼成する焼成工程とを有する。
また、本発明の一態様に係るフレキシブルプリント配線板用基板は、ポリイミドを主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導体層とを備えるフレキシブルプリント配線板用基板であって、上記ベースフィルムが上記導体層が積層される側の表面近傍に2価のイオンになる金属を含有し、上記導体層が金属粒子を主体とする焼結体層を含み、上記ベースフィルムの上記導体層が積層される側の最表面における弾性率が、厚さ方向中央における弾性率の1.1倍以上3.0倍以下である。
本発明の一態様に係るフレキシブルプリント配線板用基板製造方法によって得られるフレキシブルプリント配線板用基板及び本発明の別の態様に係るフレキシブルプリント配線板用基板は、フレキシブルプリント配線板の製造に用いることでフレキシブルプリント配線板のスクラッチ傷を抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態のフレキシブルプリント配線板用基板を示す模式的断面図である。 図2は、本発明の一実施形態のフレキシブルプリント配線板用基板製造方法の手順を示すフローチャートである。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係るフレキシブルプリント配線板用基板製造方法は、ポリイミドを主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導体層とを備えるフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法であって、上記ベースフィルムの少なくとも一方の面を改質する改質工程と、上記ベースフィルムの上記改質工程で改質した面に上記導体層を積層する積層工程とを備え、上記改質工程が、上記ベースフィルムをアルカリ性液に浸漬するアルカリ処理工程と、上記アルカリ処理工程後のベースフィルムを酸性液で洗浄する酸洗工程と、上記酸洗工程後のベースフィルムを2価の金属イオンを含有する水溶液に浸漬する金属導入工程とを有し、上記積層工程が、上記ベースフィルムの改質した面側に金属粒子を含有する金属粒子分散液を塗布する塗布工程と、上記金属粒子分散液塗膜を焼成する焼成工程とを有する。
当該フレキシブルプリント配線板用基板製造方法は、上記酸洗工程後のベースフィルムを2価の金属イオンを含有する水溶液に浸漬する金属導入工程を有することで、ベースフィルムの主成分であるポリイミドを金属原子によって架橋し、ベースフィルムの表面弾性率を向上することができると考えられる。これにより、当該フレキシブルプリント配線板用基板製造方法によって得られるフレキシブルプリント配線板用基板を用いてフレキシブルプリント配線板を製造することで、フレキシブルプリント配線板のスクラッチ傷を抑制することができる。また、当該フレキシブルプリント配線板用基板製造方法により製造されるフレキシブルプリント配線板用基板は、ベースフィルムの表面弾性率向上によりベースフィルムの寸法変化によってベースフィルムと導体層との界面に剪断力が生じにくく、ベースフィルムと導体層との密着性に優れる。
当該フレキシブルプリント配線板用基板製造方法において、上記水溶液の金属イオンの濃度としては、0.03mmol/L以上、20mmol/L以下が好ましい。このように、上記水溶液の金属イオンの濃度を上記範囲内とすることによって、ベースフィルムの表面弾性率をより確実に向上することができる。
当該フレキシブルプリント配線板用基板製造方法において、上記金属イオンが、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンの少なくとも一方であってもよい。このように、上記金属イオンがカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの少なくとも一方であることによって、比較的安価且つ容易にベースフィルムの表面弾性率を向上することができる。
本発明の別の態様に係るフレキシブルプリント配線板用基板は、ポリイミドを主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導体層とを備えるフレキシブルプリント配線板用基板であって、上記ベースフィルムが上記導体層が積層される側の表面近傍に2価のイオンになる金属を含有し、上記導体層が金属粒子を主体とする焼結体層を含み、上記ベースフィルムの上記導体層が積層される側の最表面における弾性率が、厚さ方向中央における弾性率の1.1倍以上3.0倍以下である。
当該フレキシブルプリント配線板用基板は、上記ベースフィルムの上記導体層が積層される側の最表面における弾性率が上記範囲内であることによって、当該フレキシブルプリント配線板用基板を用いてフレキシブルプリント配線板を製造する際に、フレキシブルプリント配線板にスクラッチ傷が付くことを抑制できる。また、フレキシブルプリント配線板用基板はベースフィルムと導体層との密着性に優れる。
当該フレキシブルプリント配線板用基板において、上記ベースフィルムの上記金属を含有する領域の平均厚さとしては、50nm以上650nm以が好ましい。このように、上記ベースフィルムの上記金属を含有する領域の平均厚さを上記範囲内とすることによって、ベースフィルムと導体層との密着性をより確実に向上することができる。
当該フレキシブルプリント配線板用基板において、上記ベースフィルムの上記金属を含有する表面近傍領域における上記金属の含有量としては、0.03μg/cm以上、2.0μg/cm以下が好ましい。このように、上記ベースフィルムの上記金属を含有する表面近傍領域における上記金属の含有量を上記範囲内とすることによって、ベースフィルムと導体層との密着性をさらに確実に向上することができる。
ここで、「表面近傍」とは、表面からの距離が平均厚さの1/3以下である領域を意味する。また、「金属を含有する領域」とは、金属含有率が0.01μg/cm以上である領域を意味する。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明に係るフレキシブルプリント配線板用基板及びフレキシブルプリント配線板用基板製造方法の実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
図1に、本発明の一実施形態に係るフレキシブルプリント配線板用基板の構成を示す。当該フレキシブルプリント配線板用基板は、ポリイミドを主成分とするベースフィルム1と、このベースフィルム1の少なくとも一方の面側に積層される導体層2とを備える。
以下、当該フレキシブルプリント配線板用基板の各構成要素について詳述する。
<ベースフィルム>
ベースフィルム1は、導体層2を支持する基材であり、可撓性を有するシート状に形成される。
ベースフィルム1の主成分とされるポリイミドとしては、熱硬化性ポリイミド(縮合型ポリイミドともいう)又は熱可塑性ポリイミドを用いることができる。この中でも、耐熱性、引張強度、引張弾性率等の観点から熱硬化性ポリイミドが好ましい。
上記ポリイミドは、1種の構造単位からなる単独重合体であっても2種以上の構造単位からなる共重合体であってもよいし、2種類以上の単独重合体をブレンドしたものであってもよいが、下記式(1)で表される構造単位を有するものが好ましい。
Figure 0006973149
上記式(1)で表される構造単位は、例えばピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを用いてポリイミド前駆体であるポリアミド酸を合成し、これを加熱等によりイミド化することで得られる。
上記構造単位の含有量の下限としては、10質量%が好ましく、15質量%がより好ましく、18質量%がさらに好ましい。一方、上記構造単位の含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、35質量%がさらに好ましい。上記構造単位の含有量が上記下限に満たない場合、ベースフィルム1の強度が不十分となるおそれがある。一方、上記構造単位の含有量が上記上限を超える場合、ベースフィルム1の可撓性が不十分となるおそれがある。
ベースフィルム1は、導体層2が積層される側の表面近傍に2価のイオンになる金属を含有する。この金属は、ベースフィルム1の主成分であるポリイミドを架橋して、ベースフィルム1の表面の弾性率を増大させると考えられる。
ベースフィルム1は、表面近傍に含有される金属としては、2価のイオンになる金属であればよいが、安価で製造時に取り扱いやすいことからカルシウム及びマグネシウムが特に好ましい。
ベースフィルム1の上記2価のイオンになる金属を含有する表面近傍領域における上記金属の含有量の下限としては、0.03μg/cmが好ましく、0.05μg/cmがより好ましく、0.07μg/cmがさらに好ましい。一方、上記金属の含有量の上限としては、2.0μg/cmが好ましく、1.5μg/cmがより好ましい。上記金属の含有量が上記下限に満たない場合、ベースフィルム1の表面の弾性率を十分に増大できないおそれがある。一方、上記金属の含有量が上記上限を超える場合、ベースフィルム1を劣化させて強度が不十分となるおそれがある。
ベースフィルム1の上記2価のイオンになる金属を含有する領域の平均厚さの下限としては、50nmが好ましく、100nmがより好ましい。一方、ベースフィルム1の上記2価のイオンになる金属を含有する領域の平均厚さの上限としては、650nmが好ましく、500nmがより好ましい。ベースフィルム1の上記2価のイオンになる金属を含有する領域の平均厚さが上記下限に満たない場合、ベースフィルム1の表面の弾性率を十分に増大できないおそれがある。一方、ベースフィルム1の上記2価のイオンになる金属を含有する領域の平均厚さが上記上限を超える場合、ベースフィルム1の強度が不十分となるおそれがある。
ベースフィルム1の導体層2が積層される側の最表面における弾性率の下限としては、厚さ方向中央における弾性率の1.1倍であり、1.5倍が好ましく、1.7倍がより好ましい。一方、ベースフィルム1の導体層2が積層される側の最表面における弾性率の上限としては、厚さ方向中央における弾性率の3.0倍であり、2.5倍が好ましく、2.0倍がより好ましい。ベースフィルム1の導体層2が積層される側の最表面における弾性率が上記下限に満たない場合、当該フレキシブルプリント配線板用基板の寸法安定性が不足してフレキシブルプリント配線板を製造する際にスクラッチ傷が付くことを十分に抑制できないおそれがある。一方、ベースフィルム1の導体層2が積層される側の最表面における弾性率が上記上限を超える場合、当該フレキシブルプリント配線板用基板のコストが不必要に増大するおそれや、ベースフィルム1と導体層2との密着性が不十分となるおそれがある。なお、ベースフィルム1の弾性率の厚さ方向の変化は、ナノインデンター(例えばOxford社の「MFP−3D Origin」)を用いて「AM−FM粘弾性マッピングモード」で測定することができる。
ベースフィルム1の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、12μmがより好ましい。一方、ベースフィルム1の平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1.6mmがより好ましい。ベースフィルム1の平均厚さが上記下限に満たない場合、ベースフィルム1の寸法安定性が不足してフレキシブルプリント配線板を製造する際にスクラッチ傷が付くことを十分に抑制できないおそれがある。一方、ベースフィルム1の平均厚さが上記上限を超える場合、当該フレキシブルプリント配線板用基板ひいては当該フレキシブルプリント配線板用基板を用いて製造されるフレキシブルプリント配線板の厚さが不必要に大きくなるおそれや可撓性が不十分となるおそれがある。
<導体層>
導体層2は、金属粒子を主体とする層を焼成して形成される焼結体層によって構成することができる。より具体的には、導体層2は、金属粒子を分散した金属粒子分散液の塗布及び焼成により形成することができる。導体層2をこのような焼結体層により形成することで、真空設備等の大がかりな装置を必要とせず、比較的容易かつ安価に形成することができるので、当該フレキシブルプリント配線板用基板の製造コストを抑制することができる。
導体層2は焼結体層に加えて、例えば無電解めっき層、電気めっき層等を含んでもよい。無電解めっき層や電気めっき層を形成することで、焼結体層内の空隙にめっき金属を充填することができる。
導体層2の主体となる金属粒子の材質としては、例えば銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)等を挙げることができ、中でも比較的安価で導電性に優れる銅が好適に用いられる。
導体層2を構成する焼結体層を形成する金属粒子の平均粒子径の下限としては、1nmが好ましく、30nmがより好ましい。一方、上記金属粒子の平均粒子径の上限としては、500nmが好ましく、130nmがより好ましい。上記金属粒子の平均粒子径が上記下限に満たない場合、例えば上記金属粒子分散液中での金属粒子の分散性及び安定性が低下することにより、ベースフィルム1の表面に均一に積層することが容易でなくなるおそれがある。一方、上記金属粒子の平均粒子径が上記上限を超える場合、金属粒子間の隙間が大きくなり、緻密な導体層2を形成できないおそれがある。なお、「平均粒子径」とは、レーザー回折法により測定される粒子径の分布において体積積算値が50%となる粒子径を意味する。
導体層2を構成する焼結体層の平均厚さの下限としては、50nmが好ましく、100nmがより好ましい。一方、上記焼結体層の平均厚さの上限としては、2μmが好ましく、1.5μmがより好ましい。上記焼結体層の平均厚さが上記下限に満たない場合、平面視で金属粒子が存在しない部分が多くなり導電性が不十分となるおそれがある。一方、焼結体層の平均厚さが上記上限を超える場合、焼結体層の空隙率を十分低下させることが困難となるおそれがある。
当該フレキシブルプリント配線板用基板は、例えばサブトラクティブ法、セミアディティブ法等の公知の方法によって、導体層2を用いて所望の平面形状を有する導電パターンを形成することで、ベースフィルム1とこのベースフィルム1の少なくとも一方の面側に積層される導電パターンとを備えるフレキシブルプリント配線板を製造するために用いられる。
典型的なサブトラクティブ法では、導体層2の上面に所望の導電パターンに対応する部分を覆うレジストパターンを形成して、このレジストパターンの開口部に露出する導体層2をエッチングにより除去することで導電パターンを形成する。
典型的なセミアディティブ法では、先ず、導体層2の表面に所望の導電パターンに対応する部分が開口するレジストパターンを形成し、レジストパターンの開口内に露出する導体層2を被着体とする電気めっきにより、導電パターンに対応する部分に選択的にめっき金属層を積層する。次いで、レジストパターンを剥離してから、エッチングにより導体層2のレジストパターンに被覆されていた部分を除去することで導電パターンを形成する。
<利点>
フレキシブルプリント配線板の製造方法が、例えば導電パターンを被覆するカバーレイを熱圧着する工程等のようにベースフィルム1に圧力が加わる工程を有する場合にも、当該フレキシブルプリント配線板用基板は、ベースフィルム1の最表面における弾性率が厚さ方向中央における弾性率よりも大きくなるようベースフィルム1が改質されているため、寸法安定性が向上している。このため、当該フレキシブルプリント配線板用基板を用いてフレキシブルプリント配線板を製造する際にスクラッチ傷が付くことを抑制できる。また、当該フレキシブルプリント配線板用基板は、ベースフィルムの1寸法安定せいが向上していることにより、ベースフィルム1の寸法変化によってベースフィルム1と導体層2との界面に剪断力が生じにくいので、ベースフィルムと導体層との密着性に優れる。
[フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法]
当該フレキシブルプリント配線板用基板は、図2に示すように、ベースフィルム1の少なくとも一方の面を改質する改質工程<ステップS1>と、ベースフィルム1の改質工程で改質した面に導体層2を積層する積層工程<ステップS2>とを備える。
<改質工程>
ステップS1の改質工程は、ベースフィルム1をアルカリ性液に浸漬するアルカリ処理工程(ステップS11)と、アルカリ処理工程後のベースフィルムを酸性液で洗浄する酸洗工程(ステップS12)と、酸洗工程後のベースフィルムを2価の金属イオンを含有する水溶液に浸漬する金属導入工程(ステップS13)とを有する。
<積層工程>
ステップS2の積層工程は、ベースフィルム1の改質した面側に金属粒子を含有する金属粒子分散液を塗布する塗布工程(ステップS21)と、金属粒子分散液の塗膜を乾燥する乾燥工程(ステップS22)と、乾燥した金属粒子分散液の塗膜を焼成する焼成工程(ステップS23)とを有する。
(アルカリ処理工程)
ステップS11のアルカリ処理工程では、ベースフィルム1の導体層2を積層する予定の面にアルカリ性液を接触させることによって、ベースフィルム1の主成分であるポリイミドのイミド環の一部を開環する。このアルカリ処理によって、ベースフィルム1と導体層2との密着性(剥離強度)を向上することができる。
このアルカリ処理工程で用いるアルカリ性液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水酸化カルシウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化リチウム、モノエタノールアミン等の水溶液やこれらと過酸化水素との水溶液などが挙げられ、中でも安価な水酸化ナトリウム水溶液が好適に用いられる。
アルカリ処理工程で用いるアルカリ性液のpHとしては、例えば12以上15以下とすることができる。また、ベースフィルム1のアルカリ性液との接触時間としては、例えば15秒以上10分以下とすることができる。アルカリ性液の温度としては、例えば10℃以上70℃以下とすることができる。
(酸洗工程)
ステップS12の酸洗工程では、ベースフィルム1を酸性液で洗浄することによって、ベースフィルム1に残留するアルカリ性液を中和する。
この酸洗工程で用いる酸性液としては、例えば酢酸、塩酸、硝酸、硫酸、クエン酸、シュウ酸、リン酸、スルファミン酸、乳酸等の水溶液を挙げることができ、中でも安全性が高く、排水処理が容易な酢酸水溶液が好適に用いられる。
酸洗工程で用いる酸性液のpHとしては、例えば2.0以上6.5以下とすることができる。また、ベースフィルム1の酸性液との接触時間としては、例えば3秒以上1分以下とすることができる。酸性液の温度としては、例えば10℃以上70℃以下とすることができる。
(金属導入工程)
ステップS13の金属導入工程では、酸洗工程後のベースフィルム1を2価の金属イオンを含有する水溶液に浸漬することによって、ベースフィルム1の表面近傍領域に金属元素を導入する。この金属元素は、ベースフィルム1のポリイミドを架橋する
この金属導入工程で用いる水溶液に含有する金属イオンとしては、安価で取り扱いが容易なカルシウムイオン及びマグネシウムイオンが好ましい。上記水溶液は、複数種類の金属イオンを含有してもよい。
上記水溶液は、例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の水溶性金属化合物を水に溶解することで調製することができる。
この金属導入工程で用いる水溶液の金属イオン濃度(含有量)の下限としては、0.03mmol/Lが好ましく、0.04mmol/Lがより好ましい。一方、上記水溶液の金属イオン濃度の上限としては、20mmol/Lが好ましく、15mmol/Lがより好ましく、12mmol/Lがさらに好ましい。上記水溶液の金属イオン濃度が上記下限に満たない場合、ベースフィルム1の寸法安定性を十分に向上できないおそれがある。一方、上記水溶液の金属イオン濃度が上記上限を超える場合、フレキシブルプリント配線板用基板の製造コストが不必要に増大するおそれがある。
ベースフィルム1の金属イオン含有水溶液との接触時間としては、例えば3秒以上10分以下とすることができる。金属イオン含有水溶液の温度としては、例えば10℃以上70℃以下とすることができる。
(塗布工程)
ステップS21の塗布工程では、上記改質工程で改質したベースフィルム1の改質面に金属粒子を含有する金属粒子分散液を塗工する。
上記金属粒子分散液としては、導電層を形成する金属の粒子と、この金属粒子の分散媒と、この分散媒中に金属粒子を均一に分散させる分散剤とを含むものが好適に使用される。このように均一に金属粒子が分散する金属粒子分散液を用いることで、ベースフィルム1の改質面に金属粒子を均一に付着させることができ、均一な導体層を形成することができる。
金属粒子分散液中の金属粒子の平均径の下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましい。一方、金属粒子分散液中の金属粒子の平均径の上限としては、200nmが好ましく、150nmが好ましい。上記金属粒子の平均粒子径が上記下限に満たない場合、金属粒子を溶媒に均等に分散させることが容易でなくなるおそれがある。一方、上記金属粒子の平均粒子径が上記上限を超える場合、形成される導体層2中の空隙が大きくなり、十分な導電性が得られないおそれがある。なお、「平均径」とは、走査型電子顕微鏡により撮影した画像において粒子100個以上をカウントして求められる体積中心径D50である。
金属粒子分散液の分散媒としては、水、高極性溶媒の1種又は2種以上を混合したものが使用され、中でも水及び水と相溶する高極性溶媒を混合したものが特に好適に利用される。上記高極性溶媒としては、乾燥時に短時間で蒸発し得る揮発性有機溶媒を用いることが好ましい。
金属粒子分散液における上記全分散媒の含有量の下限としては、金属粒子100質量部あたり100質量部が好ましく、400質量部がより好ましい。一方、金属粒子分散液における上記全分散媒の含有量の上限としては、金属粒子100質量部あたり3000質量部が好ましく、1000質量部がより好ましい。金属粒子分散液における上記全分散媒の含有量が上記下限に満たない場合、金属粒子分散液の粘度が高くなり、ベースフィルム1への塗工が困難となるおそれがある。また、金属粒子分散液における上記全分散媒の含有量が上記上限を超える場合、金属粒子分散液の粘度が小さくなり、十分な厚さの塗膜を形成できないおそれがある。
上記金属粒子分散液をベースフィルム1の改質面に塗工する方法としては、例えばスピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ダイコート法、スリットコート法、ロールコート法、ディップコート法等の従来公知の塗工方法を用いることができる。また、例えばスクリーン印刷、ディスペンサ等により部分的に金属粒子分散液を塗工するようにしてもよい。
(乾燥工程)
ステップS22の焼成工程では、上記金属粒子分散液の塗膜を乾燥する。この塗膜の乾燥は、短時間で行うほど、塗膜を焼結して得られる導体層2の空隙率を小さくすることができる。このため、加熱又は送風によって、金属粒子分散液の乾燥を促進することが好ましく、金属粒子分散液の塗膜に温風を吹き付けることによって塗膜を乾燥することがより好ましい。
温風の温度としては、金属粒子分散液の分散媒を沸騰させない程度とすることが好ましい。具体的な温風の温度としては、例えば30℃以上80℃以下とすることができる。また、温風の風速としては、塗膜を波立たせない程度とすることが好ましい。具体的な温風の塗膜表面での風速としては、例えば5m/s以上10m/s以下とすることができる。また、金属粒子分散液の乾燥時間を短くするために、分散媒の沸点が低い金属粒子分散液を用いてもよい。
(焼成工程)
ステップS23の焼成工程では、乾燥した金属粒子分散液の塗膜を加熱することによって、塗膜中の分散剤や各種添加剤を蒸発又は熱分解し、残る金属粒子を焼結して導体層2を形成する。
上記焼成は、一定量の酸素が含まれる雰囲気下で行うことが好ましい。焼成時の雰囲気の酸素濃度の下限としては、1体積ppmが好ましく、10体積ppmがより好ましい。一方、上記酸素濃度の上限としては、10,000体積ppmが好ましく、1,000体積ppmがより好ましい。上記酸素濃度が上記下限に満たない場合、不必要に製造コストが増大するおそれがある。一方、上記酸素濃度が上記上限を超える場合、金属粒子が酸化することで導体層2の導電性が低下するおそれがある。
上記焼成温度の下限としては、150℃が好ましく、200℃がより好ましい。一方、上記焼成温度の上限としては、500℃が好ましく、400℃がより好ましい。上記焼成温度が上記下限に満たない場合、金属粒子間を接続できず、導体層2の強度が不十分となるおそれがある。一方、上記焼成温度が上記上限を超える場合、焼成時にベースフィルム1が変形するおそれがある。
<利点>
当該フレキシブルプリント配線板用基板製造方法は、酸洗工程後のベースフィルム1を2価の金属イオンを含有する水溶液に浸漬する金属導入工程を有することで、ベースフィルム1の主成分であるポリイミドを金属原子によって架橋し、ベースフィルム1の表面弾性率を向上することができる。これにより、当該フレキシブルプリント配線板用基板製造方法によって得られるフレキシブルプリント配線板用基板を用いてフレキシブルプリント配線板を製造する際のスクラッチ傷を抑制することができる。また、当該フレキシブルプリント配線板用基板製造方法によって得られるフレキシブルプリント配線板用基板は、ベースフィルム1と導体層2との間の密着力に優れる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板用基板は、本発明に係るフレキシブルプリント配線板用基板製造方法によって製造されたものに限られない。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板用基板における導体層は、焼結体層以外の層をさらに有してもよく、焼結体層の空隙に例えば無電解めっき、電気めっき等により金属を充填したものであってもよい。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板用基板製造方法は、アルカリ処理工程後、酸洗工程後及び金属導入工程後に、例えば水洗工程、水切又は乾燥工程等のさらなる工程を備えていてもよい。
本発明に係るフレキシブルプリント配線板用基板製造方法において、乾燥工程と焼成工程とは単一の加熱プロセスとして行ってもよい。つまり加熱の初期段階で塗膜を乾燥し、そのまま連続して金属粒子を焼結してもよい。
<プリント配線板用基材試作>
本発明の効果を検証するために、製造条件の異なる試作品No.1〜8の8種類のプリント配線板用基材を製造した。
(試作品No.1)
絶縁性を有するベースフィルムとして平均厚さ25μmのポリイミドフィルム(カネカ社の「アピカルNPI」)を用い、以下に説明する条件で改質工程及び積層工程を行ってプリント配線板用基材の試作品No.1を複数試作した。上記ベースフィルムの表面弾性率をOxford社の「MFP−3D Origin」を用いて測定したところ、その値は3.30GPaであった。
改質工程としては、アルカリ処理工程として、ベースフィルムをpH12〜14、温度40±2℃の水酸化ナトリウム水溶液に90秒浸漬してから、酸洗工程として、pH2〜3、温度25±5℃の酢酸水溶液で120秒間洗浄し、金属導入工程として、濃度0.045mmol/L、温度25±5℃の塩化カルシウム(CaCl)水溶液に240秒浸漬してベースフィルムの表面にカルシウムを導入した。
このように改質したベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量をイオンクロマトグラフィーを用いて測定したところ、その値は0.05μg/cmであった。
積層工程として、上記ベースフィルムの改質面(一方の面)に金属粒子分散液を塗布し、金属粒子分散液の塗膜を乾燥してから焼成することによって金属粒子の焼結体層からなる導体層を形成した。
上記金属粒子分散液としては、平均粒子径が70〜130nmの銅粒子を溶媒となる水に分散させて、銅濃度が26質量%の金属粒子分散液を調整した。この金属粒子分散液の塗布は、バーコートによって行った。金属粒子分散液の塗膜の乾燥は、常温大気中で放置して行った。このようにして得られた乾燥塗膜は、平均厚さが0.15μm、表面粗さRaが0.032μmであった。上記乾燥塗膜の焼成は、上記乾燥塗膜を形成したベースフィルムを、酸素濃度が10体積ppm、温度が350℃の窒素雰囲気中で2時間加熱することで行った。
このようにして形成された焼結体層からなる導体層のベースフィルム表面(ベースフィルムと反対側の面)に、銅の無電解めっきを行い、焼結体層の外面からの平均厚さが0.25μmの無電解めっき層を形成し、さらに温度350℃、酸素濃度150体積ppmの窒素雰囲気中で2時間熱処理したものをプリント配線板用基材の試作品No.1とした。また、改質したベースフィルムの導体層を積層した側の表面弾性率は3.63GPaであった。
(試作品No.2)
プリント配線板用基材の試作品No.2は、金属導入工程でベースフィルムを、金属イオン濃度0.09mmol/L、温度25±5℃の塩化カルシウム(CaCl)水溶液に240秒浸漬してベースフィルムの表面にカルシウムを導入した以外は、上記試作品No.1と同じ条件で試作した。金属導入工程後のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量は0.22μg/cmで、また、このベースフィルムの表面弾性率は4.95GPaであった。
(試作品No.3)
プリント配線板用基材の試作品No.3は、金属導入工程でベースフィルムを、金属イオン濃度0.18mmol/L、温度25±5℃の塩化カルシウム(CaCl)水溶液に240秒浸漬してベースフィルムの表面にカルシウムを導入した以外は、上記試作品No.1と同じ条件で試作した。金属導入工程後のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量は0.54μg/cmで、また、このベースフィルムの表面弾性率は6.93GPaであった。
(試作品No.4)
プリント配線板用基材の試作品No.4は、金属導入工程でベースフィルムを、金属イオン濃度0.45mmol/L、温度25±5℃の塩化カルシウム(CaCl)水溶液に240秒浸漬してベースフィルムの表面にカルシウムを導入した以外は、上記試作品No.1と同じ条件で試作した。金属導入工程後のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量は0.79μg/cmで、また、このベースフィルムの表面弾性率は7.59GPaであった。
(試作品No.5)
プリント配線板用基材の試作品No.5は、金属導入工程でベースフィルムを、金属イオン濃度0.90mmol/L、温度25±5℃の塩化カルシウム(CaCl)水溶液に240秒浸漬してベースフィルムの表面にカルシウムを導入した以外は、上記試作品No.1と同じ条件で試作した。金属導入工程後のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量は1.00μg/cmで、また、このベースフィルムの表面弾性率は7.92GPaであった。
(試作品No.6)
プリント配線板用基材の試作品No.6は、金属導入工程でベースフィルムを、金属イオン濃度1.80mmol/L、温度25±5℃の塩化カルシウム(CaCl)水溶液に240秒浸漬してベースフィルムの表面にカルシウムを導入した以外は、上記試作品No.1と同じ条件で試作した。金属導入工程後のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量は1.19μg/cmで、また、このベースフィルムの表面弾性率は8.15GPaであった。
(試作品No.7)
プリント配線板用基材の試作品No.7は、金属導入工程でベースフィルムを、金属イオン濃度9mmol/L、温度25±5℃の塩化カルシウム(CaCl)水溶液に240秒浸漬してベースフィルムの表面にカルシウムを導入した以外は、上記試作品No.1と同じ条件で試作した。金属導入工程後のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量は1.2μg/cmで、また、このベースフィルムの表面弾性率は8.25GPaであった。
(試作品No.8)
プリント配線板用基材の試作品No.8は、金属導入工程でベースフィルムを、金属イオン濃度18mmol/L、温度25±5℃の塩化カルシウム(CaCl)水溶液に240秒浸漬してベースフィルムの表面にカルシウムを導入した以外は、上記試作品No.1と同じ条件で試作した。金属導入工程後のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量は1.42μg/cmで、また、このベースフィルムの表面弾性率は8.20GPaであった。
(試作品No.9)
プリント配線板用基材の試作品No.9は、金属導入工程でベースフィルムを金属イオンを含まない純水に浸漬した以外は、上記試作品No.1と同じ条件で試作した。金属導入工程後のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量は測定限界である0.01μg/cmに満たなかった、また、このベースフィルムの表面弾性率は3.30GPaであった。
(剥離強度)
プリント配線板用基材の試作品No.1〜8について、製造直後に導体層のベースフィルムからの剥離強度(初期密着力)を測定し、耐候性試験を実施してから再度導体層の剥離強度(耐候性密着力)を測定した。なお、導体層の剥離強度は、ベースフィルムをたわみ性被着材としてJIS−K6854−2(1999)「接着剤−はく離接着強さ試験方法−2部:180度はく離」に準じた方法により測定した。また、耐候性試験は、JIS−D0205(1987)に準拠して、温度63±3℃、湿度50±5%の環境下で、サンシャインカーボンアーク灯(255W/m)を1000時間照射した。
次の表1に、試作品No.1〜8のベースフィルムの表面近傍のカルシウム含有量及び表面弾性率、並びに導体層の初期密着力及び耐候性密着力をまとめて示す。
Figure 0006973149
このように、アルカリ処理及び酸洗後のベースフィルムを金属イオンを含有する水溶液に浸漬することによって、耐候性試験による導体層のベースフィルムに対する密着力を向上できることが確認された。
本発明の一態様に係るフレキシブルプリント配線板用基板製造方法によって製造されるフレキシブルプリント配線板用基板及び本発明の別の態様に係るフレキシブルプリント配線板用基板は、フレキシブルプリント配線板の製造に広く利用することができる。
1 ベースフィルム
2 導体層
S1 改質工程
S11 アルカリ処理工程
S12 酸洗工程
S13 金属導入工程
S2 積層工程
S21 塗布工程
S22 乾燥工程
S23 焼成工程

Claims (8)

  1. ポリイミドを主成分とするベースフィルムと、このベースフィルムの少なくとも一方の面側に積層される導体層とを備えるフレキシブルプリント配線板用基板であって、
    上記導体層が金属粒子を主体とする焼結体層を含み、
    上記ベースフィルムの上記導体層が積層される側の最表面における弾性率が、厚さ方向中央における弾性率よりも大きいフレキシブルプリント配線板用基板。
  2. 上記ベースフィルムの上記導体層が積層される側の最表面における弾性率が、上記厚さ方向中央における弾性率の1.1倍以上3.0倍以下である請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板用基板。
  3. 上記導体層は、無電解めっき層と電気めっき層をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板用基板。
  4. 上記ポリイミドが、熱硬化性ポリイミドである請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板用基板。
  5. 上記ベースフィルムの平均厚さが5μm以上2mm以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板用基板。
  6. 上記ベースフィルムの平均厚さが12μm以上1.6mm以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板用基板。
  7. 上記焼結体層を形成する金属粒子の平均粒子径が、1nm以上500nm以下である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板用基板。
  8. 上記焼結体層の平均厚さが、50nm以上2μm以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板用基板。
JP2018023230A 2018-02-13 2018-02-13 フレキシブルプリント配線板用基板 Active JP6973149B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018023230A JP6973149B2 (ja) 2018-02-13 2018-02-13 フレキシブルプリント配線板用基板
PCT/JP2018/043121 WO2019159473A1 (ja) 2018-02-13 2018-11-22 フレキシブルプリント配線板用基板製造方法及びフレキシブルプリント配線板用基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018023230A JP6973149B2 (ja) 2018-02-13 2018-02-13 フレキシブルプリント配線板用基板

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019140280A JP2019140280A (ja) 2019-08-22
JP2019140280A5 JP2019140280A5 (ja) 2021-02-04
JP6973149B2 true JP6973149B2 (ja) 2021-11-24

Family

ID=67618563

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018023230A Active JP6973149B2 (ja) 2018-02-13 2018-02-13 フレキシブルプリント配線板用基板

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6973149B2 (ja)
WO (1) WO2019159473A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001073159A (ja) * 1999-09-01 2001-03-21 Nippon Riironaaru Kk ポリイミド樹脂表面への導電性皮膜の形成方法
JP2009007613A (ja) * 2007-06-27 2009-01-15 Toyota Motor Corp ポリイミド樹脂基材への金属薄膜パターン形成方法、金属薄膜回路パターン形成方法、金属薄膜基板、及び金属薄膜回路基板
US10021789B2 (en) * 2007-07-02 2018-07-10 Ebara-Udylite Co., Ltd. Metal-laminated polyimide substrate, and method for production thereof
JP5581905B2 (ja) * 2010-08-31 2014-09-03 住友金属鉱山株式会社 固体物質試料の極表面弾性率の測定方法及びそれを用いた樹脂表面の対膜接着性評価方法
JP5835947B2 (ja) * 2011-05-30 2015-12-24 セーレン株式会社 金属膜パターンが形成された樹脂基材
WO2016104420A1 (ja) * 2014-12-25 2016-06-30 住友電気工業株式会社 プリント配線板用基板及びその製造方法、プリント配線板及びその製造方法、並びに、樹脂基材
WO2016194972A1 (ja) * 2015-06-04 2016-12-08 住友電気工業株式会社 プリント配線板用原板及びプリント配線板、並びにプリント配線板用原板の製造方法
JP6766057B2 (ja) * 2015-09-30 2020-10-07 住友電気工業株式会社 導電層形成用塗布液及び導電層の製造方法
JP6609153B2 (ja) * 2015-10-05 2019-11-20 住友電工プリントサーキット株式会社 プリント配線板用基材、プリント配線板及び電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019140280A (ja) 2019-08-22
WO2019159473A1 (ja) 2019-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101605449B1 (ko) 접착제층 부착 동박, 동박 적층판 및 프린트 배선판
JP4283882B2 (ja) 耐熱エージング特性に優れた金属被覆ポリイミド樹脂基板の製造方法
US10596782B2 (en) Substrate for printed circuit board and printed circuit board
JP2006346874A (ja) 銅張積層板及びその製造方法
US10292265B2 (en) Substrate for printed circuit board, printed circuit board, and method for producing substrate for printed circuit board
JP6484026B2 (ja) プリント配線板用基板及びプリント配線板並びにプリント配線板用基板の製造方法
JP5797883B2 (ja) プリント配線板用基板
WO2019077815A1 (ja) プリント配線板用基材及びプリント配線板
JP6787922B2 (ja) プリント配線板用ベースフィルム、プリント配線板用原板及びプリント配線板用原板の製造方法
JP6609153B2 (ja) プリント配線板用基材、プリント配線板及び電子部品
JP2011044522A (ja) 積層体及び積層体の製造方法
JP6973149B2 (ja) フレキシブルプリント配線板用基板
WO2001038086A1 (fr) Element a couche metallique, procede de fabrication et utilisation
JP2004244674A (ja) 孔内メッキ方法及び配線基板
JP2009173999A (ja) 耐熱エージング特性に優れた金属被覆ポリイミド樹脂基板の製造方法
CN111512709B (zh) 印刷线路板用基材以及印刷线路板
WO2019208077A1 (ja) プリント配線板用基材及びプリント配線板用基材の製造方法
JP6546084B2 (ja) プリント配線板用基板及びプリント配線板用基板の製造方法
JP2010157537A (ja) 積層体の製造方法及び回路配線基板の製造方法
JP7484938B2 (ja) プリント配線板用基板
KR20210053937A (ko) 적층체
JP6547748B2 (ja) 導電性塗膜の製造方法及び導電性塗膜
JP2007077439A (ja) ポリイミド樹脂材の表面金属化方法
JP2018029139A (ja) プリント配線板用基板及びプリント配線板用基板の製造方法
WO2019225269A1 (ja) プリント配線板用基材及びプリント配線板

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201217

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211005

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6973149

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150