JP2009021932A - 電子機器及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】良好なアンテナ特性を保ちつつ小型化が可能な電子機器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】凹型断面を有し樹脂からなる第１の成型体と、前記第１の成型体の内側に嵌合され、凹型断面を有し樹脂からなる第２の成型体と、前記第１及び第２の成型体の間に挟持されたアンテナパターンと、を備え、前記第１の成型体の表面のうち、前記アンテナパターンと隣接しない側が外表面となることを特徴とする電子機器が提供される。並びに、その電子機器の製造方法が提供される。
【選択図】図１

Description

本発明は、電子機器及びその製造方法に関する。

携帯電話機、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）を含む電子機器において、小型化の要求が強い。アンテナから放射される電磁波が回路部品に与える影響や、集積回路や高周波回路からのノイズがアンテナに与える影響を低減しつつ、小型化するには筐体構造の改善が必要である。

この場合、アンテナを集積回路や高周波回路を配置する基板から離して、筐体側に配置する構造を考えることができる。アンテナを筐体の外表面側に配置する場合、意匠的な制約を生じる。また、人体が近接する際のアンテナ特性の変化を生じる可能性もある。従って、筐体の内表面側にアンテナを配置する方がより好ましい。

しかし、筐体の内表面側は剛性を確保するためリブ構造とする場合が多く、部品配置のためのボスを設ける場合も多い。リブやボスを設けた筐体の内表面側にアンテナパターンを配置する場合、形状に対する制約を生じる。

携帯無線機の液晶表示窓の周囲にループ状に線状アンテナを配置し、アンテナ取付けの省スペース化を行う技術開示例がある（特許文献１）。
特開平１１−１８７０９６号公報

本発明は、良好なアンテナ特性を保ちつつ小型化が可能な電子機器及びその製造方法を提供する。

本発明の一態様によれば、凹型断面を有し樹脂からなる第１の成型体と、前記第１の成型体の内側に嵌合され、凹型断面を有し樹脂からなる第２の成型体と、前記第１及び第２の成型体の間に挟持されたアンテナパターンと、を備え、前記第１の成型体の表面のうち、前記アンテナパターンと隣接しない側が外表面となることを特徴とする電子機器が提供される。

また、本発明の他の一態様によれば、上記の電子機器の製造方法であって、
前記第１の成型体を形成する工程と、前記アンテナパターンを前記第１の成型体の内側に挿入する工程と、前記アンテナパターンを挟持するように、前記第２の成型体を前記第１の成型体の内側に形成または嵌合する工程と、を含むことを特徴とする電子機器の製造方法が提供される。

また、本発明のさらに他の一態様によれば、上記の電子機器の製造方法であって、前記第２の成型体の表面に、印刷、メッキ、導電材塗布のうちのいずれかにより前記アンテナパターンを形成する工程と、前記アンテナパターンを挟持するように前記第２成型体の外側に前記第１の成型体を形成する工程と、を含むことを特徴とする電子機器の製造方法が提供される。

また、本発明のさらに他の一態様によれば、上記の電子機器の製造方法であって、前記第２の成型体をシート状に形成する工程と、前記第２の成型体上に前記アンテナパターンを形成し、前記第２の成型体及び前記アンテナパターンの端部を内部へ折り曲げる工程と、前記アンテナパターンを挟持するように前記第１の成型体を前記第２の成型体の外側に形成する工程と、を含むことを特徴とする電子機器の製造方法が提供される。

本発明により、良好なアンテナ特性を保ちつつ小型化が可能な電子機器及びその製造方法が提供される。

以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態につき説明する。図１は、本発明の実施の形態にかかる電子機器を表す模式図であり、図１（ａ）は模式斜視図、図１（ｂ）は筐体の構成を表す模式図である。

本図は、折りたたみ式携帯電話機である電子機器を表す。勿論、スライド式電子機器であっても良い。上側筐体５０は、外筐体５２及び内筐体５４を含む。外筐体５２は、折りたたみ式携帯電話機を折りたたんだ状態において、外側に位置する。つまり、折りたたんだ状態において、携帯電話機の外側の意匠面の一部を構成する。一方、内筐体５４は、折りたたみ式携帯電話機を折りたたんだ状態において、内側に位置する。つまり、携帯電話機を折りたたんだ状態において、外側の意匠面を実質的に構成しない。
または、外筐体５２は、通常の使用状態において使用者からみて外側に設けられる。一方、内筐体５４は、通常の使用状態において使用者からみて内側、すなわち使用者の側に設けられる。内筐体５４には、例えば液晶表示装置５５などの画像表示部と操作部の少なくともいずれかが配置される。

また、下側筐体６０は、外筐体６２及び内筐体６４を含む。外筐体６２には、給電部を含む高周波回路、信号処理回路、制御回路、電源回路などが配置される基板、二次電池などが固定される。また、内筐体６４には、キーボードなどが配置される。

図１（ｂ）は、上側筐体５０を構成する外筐体５２の構成を表す模式図である。外筐体５２の外表面５６は意匠面であり、電子機器を閉じた状態において外観が重要である。第１の成型体１０の内側に、アンテナパターン層２６が配置される。アンテナパターン層２６は、例えば２つのアンテナパターン２０ａ、２０ｂ、アンテナパターンの保護膜，絶縁膜などを含む。

アンテナパターン層２６は、第１の成型体１０及び第２の成型体３０の間に挟持され、筐体一体型の３層構造となっている。第１及び第２の成型体１０，３０は、例えば樹脂材料を用いた成型により形成する。このようにして、外筐体５２が形成できる。

本実施形態によれば、外筐体５２の内表面の広い面積にアンテナパターンを配置することができる。図１（ｂ）では、２つのアンテナパターン２０ａ、２０ｂが配置されているがより多くのアンテナパターン２０を配置することも可能である。また、筐体内部のリブ、ボスの位置に左右されず、アンテナ形状をより自由に設計できるので、良好なアンテナの特性を得ることができる。

図２（ａ）は、本実施形態にかかる電子機器の筐体一体型アンテナの第１の実施の形態を表す模式断面図であり、図１（ａ）の鎖線ＡＡに沿った断面を表す。図２（ｂ）は図２（ａ）におけるＡ部の拡大図である。また、図３は、第１の実施の形態の製造工程を表すフロー図である。図２及び図３を参照しつつ本第１の実施形態の構成及び製造工程について説明する。まず、樹脂からなる第１の成型体１０を成型する（Ｓ１００）。続いてフィルム上にメッキ、蒸着、印刷などの工程により導電層を形成し、アンテナパターン層２６とする（Ｓ１０２）。

アンテナパターン層２６を、凹型断面を有し樹脂からなる第１の成型体１０に挿入する（Ｓ１０４）。この場合、アンテナパターン保護膜２１は、上記のフィルムでも良いし、別に設けても良い。同様に、絶縁膜２２は上記フィルムでも良いし、厚みが数マイクロメータの樹脂シートであっても良い。アンテナパターン層２６が挿入された後、樹脂からなり凹型断面を有する第２の成形体３０が形成され（Ｓ１０６）、筐体一体型アンテナとなる。この場合、第２の成型体３０を予め形成しておき、嵌合した後、第１の成型体１０と接着または溶着してもよい。

図２において、第２の成型体３０を導電性樹脂から構成し電磁シールド層とすると、液晶表示部または基板など電源供給ユニット４０からのノイズを遮断し、アンテナ特性を改善できる。この場合、給電点４２が導電性である第２の成型体３０と接触することを防止するために、給電点４２を取り囲む第２の成型体３０の開口部３１の側壁には絶縁層２４が設けられる（Ｓ１０８）。なお、第２の成形体３０が絶縁材料であれば絶縁膜２２及び絶縁層２４を省略することができる。

基板または液晶表示部などからなる電源供給ユニット４０から、給電点４２を介してアンテナパターンへの接続がなされる（Ｓ１１０）。

アンテナパターン層２６は、薄い金属を打ち抜いた板金であっても良い。図４は、第１の実施形態の変形例であり、アンテナパターン２０が板金からなる筐体一体型アンテナの模式断面図である。なお、以下の図面において、図２と同様の構成要素には同一番号を付して詳細な説明を省略する。この場合、保護膜２１は無くとも良い。本構造は製造工程を簡素にできる。

図５（ａ）は、筐体一体型アンテナの第２の実施形態を表す模式断面図であり、図５（ｂ）は図５（ａ）におけるＢ部の拡大図である。また、図６は製造工程を表すフロー図である。この場合、樹脂から成る第２の成形体３０をまず成型しておく（Ｓ２００）。第２の成型体３０の上にメッキ、蒸着、印刷などによりアンテナパターン２０を形成し、さらにその上にアンテナパターン保護膜２１を形成し、アンテナパターン層２６とする（Ｓ２０２）。

給電点４２と接続される開口部３１に樹脂などからなる導電性ペースト４３を塗布する（Ｓ２０４）。続いて第１の成型体１０を形成し（Ｓ２０６）、アンテナパターン２０及び給電点４２を接続する（Ｓ２０８）

図７は、筐体一体型アンテナの第３の実施形態を表す模式断面図である。また、図８は製造工程のフロー図である。第２の成型体３０は絶縁物からなるシート状とする（Ｓ３００）。アンテナパターン２０をシート上に、メッキ、蒸着、印刷、板金貼り付けなどにより形成する（Ｓ３０２）。

続いて、アンテナパターン２０が第１の成形体１０と接着されるように折り曲げＳ３０４）、これを覆うように第１の成型体１０を形成する（Ｓ３０６）。基板または液晶表示部などからなる電源供給ユニット４０は、この折り曲げ部分において給電点４２と接続される（Ｓ３０８）。

図９（ａ）は、筐体一体型アンテナの第４の実施形態を表す模式断面図であり、図９（ｂ）、は図９（ａ）のＣ部の拡大図である。樹脂からなる第１及び第２の成形体１０，３０を予め形成しておく。アンテナパターン層２６を第１の成型体１０に挿入し、さらに第２の成形体３０を嵌合した後、第１及び第２の成型体１０，３０の端部を接着または超音波溶着などにより固定し外筐体５２とする。

以上の第１〜第４の実施形態の筐体一体型アンテナを用いた電子機器において、筐体の内表面の広い面積をアンテナパターン領域とすることができる。このため、他種類の特性の異なるアンテナを備えつつ、電子機器の小型化が可能となる。

また、筐体と一体化することにより、基板と離すことができ、基板上に電子部品からのノイズの影響を低減できる。また、基板側の成型体にシールド効果を持たせるとノイズを一層低減することができる。また、手によりアンテナパターンを遮蔽することを防止でき、指向特性などのアンテナ特性が変化することを抑制できる。

ここで、アンテナパターン２０について説明を行う。図１０は、本実施形態において使用できるアンテナの例を表す模式図である。図１０（ａ）はダイポールアンテナを表し、アンテナパターン２０は略２分の１波長の長さを有し、その中間部において給電部７０により励振される。

図１０（ｂ）は、モノポールアンテナを表し、アンテナパターン２０は略４分の１波長の長さを有し、地板７２を考えると、２分の１波長アンテナと同様に考えることができる。

図１０（ｃ）は、折り返しダイポールポールアンテナであり、高インピーダンスによる高放射効率が可能となる。

図１０（ｄ）は、板状素子２０ａを有する逆Ｆアンテナであり、板状素子２０ａは略２分の１波長の周囲長を有する。この場合、アンテナが筐体を励振し筐体に電流を流すので、アンテナの実効的な寸法を大きくできる。

図１０に例示されたアンテナパターン２０を含むグループの中から選択されたアンテナを、図１（ｂ）のように外筐体５２に配置することによりマルチバンド化が可能となる。すなわち、ＧＳＭ（Global System for Mobile Communication）、ＤＣＳ（Digital Cellular System）／ＰＣＳ（Personal Communications Service）などの携帯電話トリプルバンドのみならず、無線ＬＡＮ、ＦＭ及びＡＭ放送、ＧＰＳ（Global Positioning System）、地上ディジタル放送を受信するワンセグ、Ｆｅｌｉｃａ（商標）・ＳＵＩＣＡ（商標）など電子決済用途を含めて送受信機能を拡大できる。しかし、筐体の外に露出したロッドアンテナではこのような多種類のアンテナを備えることが困難である。

以上、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらに限定されない。電子機器を構成するアンテナパターン、成型体、基板、絶縁膜、筐体などの材質、形状、サイズ、配置などに関して当業者が各種設計変更を行ったものであっても、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明に包含される。

本発明の実施形態にかかる電子機器を表す模式図である。 本実施形態の電子機器の筐体一体型アンテナの第１の実施形態を表す模式断面図である。 第１の実施の形態の製造工程のフロー図である。 第１の実施の形態の変形例を表す模式断面図である。 筐体一体型アンテナの第２の実施の形態を表す模式断面図である。 第２の実施の形態の製造工程のフロー図である。 筐体一体型アンテナの第３の実施の形態を表す模式断面図である。 第３の実施の形態の製造工程のフロー図である。 筐体一体型アンテナの第４の実施の形態を表す模式断面図である。 アンテナの構成を表す模式図である。

符号の説明

１０ 第１の成型体、２０ アンテナパターン、２１ 保護膜、２２ 絶縁膜、３０ 第２の成形体、５６ 外表面

Claims (8)

1. 凹型断面を有し樹脂からなる第１の成型体と、前記第１の成型体の内側に嵌合され、凹型断面を有し樹脂からなる第２の成型体と、前記第１の成型体と前記第２の成型体との間に挟持されたアンテナパターンと、を有する外筐体と、
   前記外筐体と対向して組み合わせられ、画像表示部及び操作部の少なくともいずれかが設けられた内筐体と、
   を備えたことを特徴とする電子機器。
2. 前記第２の成型体は導電性であり、前記アンテナパターンとの間に絶縁膜が設けられたことを特徴とする請求項１に記載の電子機器。
3. 前記アンテナパターン及び前記第１の成型体の間には保護膜が設けられたことを特徴とする請求項１または２に記載の電子機器。
4. 前記アンテナパターンは、フィルム状の前記絶縁膜または前記保護膜の上に形成された導電層からなることを特徴とする請求項２または３に記載の電子機器。
5. 前記アンテナパターンは板金からなることを特徴とする請求項１または２に記載の電子機器。
6. 請求項１〜５のいずれか１つに記載の電子機器の製造方法であって、
   前記第１の成型体を形成する工程と、
   前記アンテナパターンを前記第１の成型体の内側に挿入する工程と、
   前記アンテナパターンを挟持するように、前記第２の成型体を前記第１の成型体の内側に形成または嵌合する工程と、
   を含むことを特徴とする電子機器の製造方法。
7. 請求項１に記載の電子機器の製造方法であって、
   前記第２の成型体の表面に、印刷、メッキ、導電材塗布のうちのいずれかにより前記アンテナパターンを形成する工程と、
   前記アンテナパターンを挟持するように前記第２成型体の外側に前記第１の成型体を形成する工程と、
   を含むことを特徴とする電子機器の製造方法。
8. 請求項１に記載の電子機器の製造方法であって、
   前記第２の成型体をシート状に形成する工程と、
   前記第２の成型体上に前記アンテナパターンを形成し、前記第２の成型体及び前記アンテナパターンの端部を内部へ折り曲げる工程と、
   前記アンテナパターンを挟持するように前記第１の成型体を前記第２の成型体の外側に形成する工程と、
   を含むことを特徴とする電子機器の製造方法。

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