JP2012218246A - 脆性材料基板の分断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 テーブル2と、脆性材料基板Wをテーブル2上で定位置に保持する保持手段11と、テーブル2上方に配置されるヘッド10と、ヘッド10を脆性材料基板Wに対して相対移動させる走査機構とを備え、ヘッド10には、スクライブラインSを形成するためのスクライブツール31と、上向きの吸引作用を生じさせる吸引パッド21とが直列に並べて配置され、ヘッド10を脆性材料基板Wに対してスクライブツール31を先導として相対的に移動させることにより、スクライブツール31で脆性材料基板WにスクライブラインSを形成し、これに追従して後続の吸引パッド21により、形成されたスクライブラインSに沿って脆性材料基板Wを分断する。
【選択図】図2
Description
まず、図10(a)に示すように、スクライブ装置のテーブル40上に脆性材料基板Wを載置し、その表面にカッターホイール41を用いてスクライブラインSを形成する。
次いで、図10(b)に示すように、弾性体のクッションシート43が敷かれたブレイク装置のテーブル42上に脆性材料基板Wを載置する。このとき、脆性材料基板WのスクライブラインSを形成した表面(表面側)をクッションシート43側に向け、反対側の表面(裏面側)が上面となるように反転させる。
そして下向きとなったスクライブラインSの裏面上方から、スクライブラインSに沿って長く延びる板状のブレイクバー44を下降させて脆性材料基板Wの反対面から押圧し、脆性材料基板Wをクッションシート43上で僅かにV字状に撓ませることにより、スクライブラインS(クラック)を深さ方向に浸透させる。これにより図10(c)に示すように脆性材料基板WはスクライブラインSに沿って分断される。
具体的には、図11(a)に示すように、スクライブラインSを上向きにした状態で脆性材料基板Wをテーブル45上に載置し、スクライブラインSの上方から吸引装置46の吸引部材47を下降させて脆性材料基板Wの上面に接触させる。吸引部材47はスクライブライン方向に細長く延びた直方体の形状を有し、下面に下向きの凹部48が形成されており、凹部の開口面に変形可能な弾性の吸引シート49が貼着されている。吸引シート49には吸引用のスリット50が設けられている。凹部48の上壁面にはエア吸引孔51が設けられ、この吸引孔51からエアを吸引することにより、図11(b)に示すように、凹部48内の閉空間を減圧して吸引シート49とともに脆性材料基板Wを逆V字形に湾曲し、スクライブラインSを形成するクラックが広がるようにしてブレイクするようにしている。
また、このブレイク装置では、減圧した閉空間を形成するために、吸引部材47を脆性材料基板Wの表面に接触させることが必要になる。そのため基板面への吸着部材47の接触の際に、脆性材料基板Wの表面を傷つけないように細心の注意を払う必要があるが、閉空間の減圧時に相応の圧力がかかることになり、また、接触時の衝撃により接触部分に傷が生じることがあった。特に、脆性材料基板Wの表面に微細な集積回路等が形成されている場合には、回路部分に傷がついてしまうと不良品となり、歩留まりが悪くなる問題点があった。
さらに本発明は、脆性材料基板に対して非接触で分断することができる分断装置を提供することを目的とする。
これにより、脆性材料基板をテーブル上の定位置で確実に吸着保持させながら、吸引パッドの動作時において、脆性材料基板の逆V字形湾曲の形成を阻害することなく、確実に分断することができる。
図1は本発明に係る分断装置の一例を示す斜視図であり、図2は装置の要部を拡大した斜視図であり、図3は図2のテーブル部分の断面図である。図4は吸引パッドによって脆性材料基板が分断される状態を示す拡大断面図であり、図5は吸引パッドの底面図であって、エア吸引孔並びに噴出孔の配列形態の例を示す図である。
なお、図5(b)に示すように、エア吸引孔22を噴出孔23と同じように長円状にしてもよく、或いは図5(c)に示すように、噴出孔23を円弧状の長孔にして中心のエア吸引孔22を囲むように配置してもよい。
テーブル2上に脆性材料基板Wを載置し、テーブル2に形成されたエア吸着孔11によって定位置で吸着保持させる。次いで、ヘッド10を下降させてカッターホイール31を脆性材料基板Wに押しつけながら、カッターホイール31を先導としてヘッド10を移動させることにより、カッターホイール31で脆性材料基板WにスクライブラインSを形成する。
この吸引パッド21bは、下面に凹部25が形成され、凹部25の外周側側面に複数の噴出孔23bが形成されている。噴出孔23bからはエアが半径方向内側に向けて吹き出される。凹部25の中央には、下方に至るほど細径となるように形成したテーパ状側面26を有する円柱状凸部27が形成してあり、噴出孔23bから吹き出されたエアがテーパ状側面26に衝突するようにしてある。このような構造にすることで、噴出孔23bから噴出したエアは、渦巻流となって旋回しながら下方に噴出するようになり、旋回下降流が形成される。この旋回下降流による「サイクロン効果」によって旋回流の中心部が減圧される結果、吸引力を有する減圧空間部Pが中央に形成されるとともに、その周囲に下降流が存在するようになる。
S スクライブライン
P 減圧空間部
1 分断装置
2 テーブル
10 ヘッド
11 テーブルの吸着孔(保持手段)
20 吸引機構
21 吸引パッド
22 エア吸引孔
23 噴出孔
31 スクライブツール(カッターホイール)
Claims (5)
- 加工対象の脆性材料基板が載置されるテーブルと、
前記脆性材料基板を前記テーブル上で定位置に保持する保持手段と、
前記テーブル上方に配置されるヘッドと、
前記ヘッドを前記脆性材料基板に対して相対移動させる走査機構とを備え、
前記ヘッドには、スクライブラインを形成するためのスクライブツールと、上向きの吸引作用を生じさせる吸引パッドとが直列に並べて配置され、
前記ヘッドを前記脆性材料基板に対して前記スクライブツールを先導として相対的に移動させることにより、前記スクライブツールで前記脆性材料基板にスクライブラインを形成し、これに追従して後続の吸引パッドにより、形成されたスクライブラインに沿って脆性材料基板を分断することを特徴とする脆性材料基板の分断装置。 - 前記吸引パッドは、その下面側で上向きの吸引作用を生じさせる減圧空間部と、この減圧空間部を挟んだ少なくとも左右部位で下向きのエアを噴出する噴出孔とを備え、スクライブライン上を前記吸引パッドの減圧空間部によって吸引すると同時に、前記噴出孔からの噴出エアによってスクライブラインの左右両脇部分を押圧することにより脆性材料基板を分断するようにした請求項1に記載の脆性材料基板の分断装置。
- 前記吸引パッドは、下向きに開口するエア吸引孔を備え、このエア吸引孔からの吸引エアによって前記減圧空間部が形成される請求項2に記載の脆性材料基板の分断装置。
- 前記吸引パッドは、下面に凹部が形成され、前記凹部の外周側側面に複数のエア噴出孔が形成され、前記凹部の中央には、下方に至るほど細径となるように形成したテーパ状側面を有する円柱状凸部が形成され、前記噴出孔から吹き出されたエアが前記テーパ状側面に衝突して下方に向かって旋回しながら下降する旋回下降流を形成するように構成され、
当該旋回下降流によるサイクロン効果によって前記凹部中央に減圧空間部を形成することにより吸引作用を与えるようにした請求項2に記載の脆性材料基板の分断装置。 - 前記保持手段は、前記テーブルに形成した多数の吸着孔または多孔質板を含み、この吸着孔または多孔質板からの吸引エアによって脆性材料基板を吸着保持するように形成されており、この吸着孔または多孔質板による脆性材料基板の吸着力は、少なくとも前記吸引パッドの動作時において、脆性材料基板の逆V字形の湾曲を許容する範囲内で形成されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載の分断装置。
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