JP2012182158A - 研磨液、及びこの研磨液を用いた基板の研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コバルト元素を含む層を研磨するための研磨液であり、前記研磨液は、金属防食剤、金属酸化剤及び水を含有し、pHが4以下であり、前記金属防食剤は、3−ニトロフタル酸、ヘキサメチレンテトラミン、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,4−トリアジン、3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール、5−アミノ−1H−テトラゾール、3−ヒドロキシピリジン、及びベンズイミダゾールから選択される少なくとも一種である。
【選択図】なし
Description
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明の研磨液は、金属防食剤、金属酸化剤及び水を含有し、pHが4以下であり、前記金属防食剤として特定の化合物を1種類又は数種類含む研磨液である。更に好適には、金属溶解剤、砥粒、溶剤、水溶性ポリマー、又はベンゾトリアゾール化合物を含有する。
本発明に係る金属防食剤としては、例えば3−ニトロフタル酸、ヘキサメチレンテトラミン、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,4−トリアジン、3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール、5−アミノ−1H−テトラゾール、3−ヒドロキシピリジン、及びベンズイミダゾールから選択される少なくとも一種(以下「特定の金属防食剤」という)を用いる。前記特定の金属防食剤を用いた研磨液では、コバルト層に対する良好な研磨速度を保ちながら、コバルト層のエッチング速度が効果的に抑制される。これらは1種類単独で、若しくは2種類以上混合して用いることができる。
本発明で用いられる金属酸化剤は、特に制限はないが、例えば、過酸化水素、ペルオキソ硫酸塩、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これら金属酸化剤は、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
本発明で用いられる金属溶解剤は、金属の溶解を促進し、金属防食剤と錯体形成する。水溶性のものであれば特に制限はなく、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の有機酸、これらの有機酸エステル及びこれら有機酸のアンモニウム塩などが挙げられる。
また、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、これら無機酸のアンモニウム塩類(例えば、過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム等、クロム酸アンモニウム等)などが挙げられる。
本発明の研磨液において溶剤は、コバルト層の近傍に設けられたコバルト層以外の層の濡れ性を向上させる。適用する溶剤としては、特に制限はないが、水と混合できるものが好ましく、水100gに対して0.1g以上溶解するものがより好ましい。
前記溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル類;ブチルラクトン、プロピルラクトン等のラクトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキリエタン、ポリエチレンオキサイト、エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート類のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、酢酸エチル、乳酸エチル、スルホラン等のその他の溶剤などが挙げられる。
また、グリコール類の誘導体であってもよく、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールエーテル類などが挙げられる。
中でも、グリコール類、グリコール類誘導体、アルコール類及び炭酸エステル類から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の研磨液において腐食効果の抑制、膜表面の保護、ディフェクト発生を低減する等の目的で、水溶性ポリマーを使用することができる。前記水溶性ポリマーとしては、カルボン酸又はカルボン酸塩基を有する水溶性ポリマーが挙げられる。このような水溶性ポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等のカルボン酸基を有するモノマーの単独重合体や、当該重合体のカルボン酸基の部分がアンモニウム塩等の単独重合体が挙げられる。また、カルボン酸基を有するモノマーと、カルボン酸塩基を有するモノマーとカルボン酸のアルキルエステル等の誘導体との共重合体も好ましい。更に具体的には、ポリアクリル酸、又はポリアクリル酸のカルボン酸基の一部が、カルボン酸アンモニウム塩基に置換されたポリマー(以下、「ポリアクリル酸アンモニウム塩」という)等が挙げられる。
また、その他の水溶性ポリマーとしては、例えば、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー等が挙げられる。
試料:10μL
標準ポリアクリル酸:日立化成テクノサービス株式会社製 商品名:PMAA−32
検出器:株式会社日立製作所社製、RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所社製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所社製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
本発明で用いられる砥粒は、コバルト層の近傍に設けられたコバルト層以外の層の研磨速度を向上させる。主な砥粒としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア、炭化ケイ素等の無機物研磨粒子、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル等の有機物研磨粒子が挙げられる。これらのなかでも、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、又はゲルマニアの粒子が好ましく、特に、シリカ又はアルミナの粒子が特に好ましい。
シリカ又はアルミナの粒子のなかでも、研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数の少ない、コロイダルシリカ又はコロイダルアルミナが好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。これら砥粒は、1種類を単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
砥粒の粒径は、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の商品名:COULTER N4SD)で測定した値である。Coulterの測定条件は、測定温度20℃、溶媒屈折率1.333(水)、粒子屈折率Unknown(設定)、溶媒粘度1.005cp(水)、Run Time200sec、レーザ入射角90°であり、Intensity(散乱強度、濁度に相当)が5E+04〜4E+05の範囲に入るように、4E+05よりも高い場合には水で希釈して測定する。
本発明で用いられる水は、特に制限されるものではないが、純水を好ましく用いることができる。水は残部として配合されていればよく、含有量は特に制限はない。
本発明の研磨液には、上述した材料の他に、界面活性剤、ビクトリアピュアブルー等の染料、フタロシアニングリーン等の顔料等の着色剤を含有させてもよい。
本発明の基板の研磨方法は、研磨定盤の研磨布上に、前述した研磨液を供給しながら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で、研磨定盤と基板とを、相対的に動かすことによって被研磨膜を研磨する研磨方法である。
本発明の研磨液は、前記のような半導体基板に形成された金属膜の研磨だけでなく、磁気ヘッド等の基板を研磨するためにも使用することができる。
[実施例1〜9、比較例1〜5]
(研磨液作製方法)
容器に、表1に示す種類と量の金属防食剤と、金属溶解剤としてリンゴ酸を0.4質量部と、水溶性ポリマーとしてポリアクリル酸アンモニウム塩(日立化成テクノサービス製、分子量8000)0.02質量部と、溶剤として3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール1.4質量部とを入れ、そこに超純水を注ぎ、攪拌・混合して、全成分を溶解させた。
シリコン基板に厚さ0.3μmのコバルト層を形成したブランケット基板(a)を用意した。上記ブランケット(a)基板を、20mm角のチップに切り出して評価用チップ(a)を用意した。
=コバルトの比抵抗値(14.84μΩcm)/評価用チップ(a)の抵抗値(mΩ)
=(エッチング前のコバルト層の膜厚―エッチング後のコバルト層の膜厚)/1分
[実施例1〜3及び比較例1]
実施例1〜3及び比較例1の研磨液について、銅に対するエッチング速度と、コバルトに対する研磨速度を求めた。
シリコン基板に厚さ0.5μmの銅層を形成したブランケット基板(b)を用意した。上記ブランケット基板(b)を、20mm角のチップに切り出して評価用チップ(b)を用意した。
=銅の比抵抗値(1.83μΩcm)/評価用チップ(b)の抵抗値(mΩ)
=(エッチング前の銅層の膜厚−エッチング後の銅層の膜厚)/10分
前記実験1における実施例1〜3及び比較例1の研磨液を用いて、下記条件で、前記評価用チップ(a)を研磨した。結果を表2に示す。
研磨布:IC1000(ロデ−ル社製)
研磨圧力:2psi(13.7MPa)
基体と研磨定盤との相対速度:36m/分
研磨液の供給量:200mL/分
2 絶縁膜層
3 バリア層
4 コバルト層
5 配線金属
Claims (9)
- コバルト元素を含む層を研磨するための研磨液であり、
前記研磨液は、金属防食剤、金属酸化剤及び水を含有し、pHが4以下であり、
前記金属防食剤は、3−ニトロフタル酸、ヘキサメチレンテトラミン、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,4−トリアジン、3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール、5−アミノ−1H−テトラゾール、3−ヒドロキシピリジン、及びベンズイミダゾールから選択される少なくとも一種である、研磨液。 - 更に溶剤を含む請求項1に記載の研磨液。
- 更に水溶性ポリマーを含む請求項1又は請求項2に記載の研磨液。
- 更に砥粒を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の研磨液。
- 前記砥粒がコロイダルシリカである請求項4に記載の研磨液。
- 更に金属溶解剤を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の研磨液。
- 前記金属酸化剤として過酸化水素を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の研磨液。
- 更にベンゾトリアゾール化合物を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の研磨液。
- 表面にコバルトまたは、コバルトを含む合金による被研磨膜を有する基板を、前記研磨膜と研磨定盤上の研磨布との間に、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の研磨液を供給しながら、基板と研磨定盤とを相対的に動かし、前記被研磨膜を研磨する基板の研磨方法。
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