JP2010114402A - Cmp用研磨液及びこのcmp用研磨液を用いた研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属配線部の腐食を低減することができるCMP用研磨液を提供することであり、特に、バリア層を研磨する第2の研磨工程後の基板上の孤立微細金属配線部分において、金属配線部の腐食及びスリット腐食を低減することができるCMP用研磨液を提供する。また、CMP用研磨液を用いて、微細化、薄膜化、寸法精度にも優れ、信頼性の高い、低コストの半導体デバイス等の製造における研磨方法を提供する。
【解決手段】 酸化金属溶解剤、砥粒、金属防食剤、金属酸化剤を含有し、前記酸化金属溶解剤が、フタル酸又はグルタル酸のいずれか一方を含有してなるCMP用研磨液とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体デバイスの配線形成工程等における研磨に用いられる、CMP用研磨液及び、このCMP用研磨液を用いた研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下、「LSI」と言う。)の高集積化、高性能化に伴って、新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、「CMP」と言う。)法もその一つであり、LSI製造工程、特に、多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグの形成、埋め込み配線の形成において、頻繁に利用される技術である。
この技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
また、最近は、LSIを高性能化するために、配線材料となる導電性物質として、銅又は銅合金の利用が試みられている。しかし、銅又は銅合金は、従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。
そこで、予め溝を形成してある絶縁膜上に、銅又は銅合金の薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の前記薄膜を、CMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。
この技術は、例えば、特許文献2に開示されている。
CMPに用いられる金属用研磨液は、一般には金属の酸化剤及び固体砥粒からなり、必要に応じてさらに酸化金属溶解剤、金属防食剤が添加される。まず酸化剤によって金属膜表面を酸化し、その酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基本メカニズムと考えられている。凹部の金属表面の酸化層は研磨パッドにあまり触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないので、CMPの進行とともに凸部の金属層が除去されて基体表面は平坦化される(例えば、非特許文献1参照)。
一方、銅又は銅合金等の配線部用金属の下層には、層間絶縁膜中への金属の拡散防止や、密着性向上のためのバリア導体層(以下、「バリア層」と言う。)として、例えば、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル等の導体からなる層が形成される。
しかしながら、銅又は銅合金等の配線部用金属を埋め込む配線部以外では、露出したバリア層を、CMPにより取り除く必要がある。これらのバリア層の導体は、銅又は銅合金に比べ硬度が高いために、銅又は銅合金用の研磨材料を組み合わせても十分な研磨速度が得られず、且つ被研磨面の平坦性が悪くなる場合が多い。
そこで、配線部用金属を研磨する第1の研磨工程と、バリア層を研磨する第2の研磨工程からなる2段階の研磨工程を用いた研磨方法が検討されている。
図3に一般的な、ダマシンプロセスによる配線形成を模式断面図で示す。図3(a)は研磨前の状態を示し、表面に溝を形成した層間絶縁膜3、層間絶縁膜3の表面凹凸に追従するように形成されたバリア層2、凹凸を埋めるように堆積された銅又は銅合金の配線部用金属1を有する。
まず、図3(b)に示すように、配線部用金属1を研磨するための研磨液で、バリア層2が露出するまで配線部用金属1を研磨する(第1の研磨工程)。次に、図3(c)に示すように、バリア層2用の研磨液で、層間絶縁膜3の凸部が露出するまで研磨する(第2の研磨工程)。
一方で、バリア層2を研磨する第2の研磨工程後の基板上において、金属配線が孤立して存在する部分、すなわち、金属配線部が密集していない部分において、金属配線部の表面が腐食する問題が顕在化している。具体的には、図4に示すように、バリア層2と配線部用金属1との境界部の腐食(以下、「スリット腐食」と言う。)又は、図5に示すような軽度の段差(リセス5)が発生するという問題がある。
これらの金属配線部の腐食に対しては、これまで金属防食剤を用いるのが一般的である。また、従来のように、金属配線部の配線幅が比較的広い場合は、多少スリット腐食が発生したとしても、配線そのものがある程度の幅を有しているため、それほど大きな問題にはならなかった。
米国特許第4944836号明細書 特開平02−278822号公報 特開平08−83780号公報 ジャーナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌、第138巻11号(1991年発行)、3460〜3464頁
しかしながら、近年の配線の微細化に伴い、上記のスリット腐食やリセスの影響が無視できなくなってきている。すなわち、微細な配線においてスリット腐食が発生すると、図6(a)に示すように、配線幅に対して大きな割合で配線部用金属1が損傷して、配線部の強度が不足してしまう。
更に、配線部の強度が低下した部位に研磨による負荷がかかることにより、図6(b)に示すように、その配線部用金属1自体が、大幅に損傷する場合もある。
これらの問題が発生することで、微細金属配線の形成が必要不可欠である高性能半導体デバイス製造において、短絡、断線、歩留まり、信頼性の低下等の不具合が発生する。
本発明は、上記のような金属配線部の腐食を低減することができるCMP用研磨液を提供することであり、特に、バリア層を研磨する第2の研磨工程後の基板上の微細金属配線部分において、金属配線部の腐食及びスリット腐食を低減することができるCMP用研磨液を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記のCMP用研磨液を用いて、微細化、薄膜化、寸法精度にも優れ、信頼性の高い、低コストの半導体デバイス等の製造における研磨方法を提供するものである。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸化金属溶解剤として特定のものを使用することにより上記問題を解決できることを見出し、本発明を達成するに至った。すなわち本発明は、以下のものに関する。
(1)酸化金属溶解剤、砥粒、金属防食剤、金属酸化剤を含有し、前記酸化金属溶解剤が、フタル酸及びグルタル酸の少なくとも一方を含有してなるCMP用研磨液。
(2)前記pHが2〜4である上記(1)に記載のCMP用研磨液。
(3)前記酸化金属溶解剤の含有量が、CMP用研磨液100質量部に対して0.001〜20質量部である上記(1)又は(2)に記載のCMP用研磨液。
(4)前記砥粒が、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア又は、これらの変性物から選ばれる少なくとも1種である上記(1)乃至(3)に記載のCMP用研磨液。
(5)前記金属防食剤が、トリアゾール類、ピラゾール類、ピリミジン類、イミダゾール類、グアニジン類、チアゾール類及び、テトラゾール類から選ばれる少なくとも1種類である上記(1)乃至(4)の何れか一つに記載のCMP用研磨液。
(6)前記金属酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及び、オゾン水から選ばれる少なくとも1種である上記(1)乃至(5)の何れか一つに記載のCMP用研磨液。
(7)更に水溶性ポリマーを含有する上記(1)乃至(6)の何れか一つに記載のCMP用研磨液。
(8)前記水溶性ポリマーが、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、多糖類及び、ビニル系ポリマーから選ばれる少なくとも1種である上記(7)に記載のCMP用研磨液。
(9)更に有機溶媒を含有する上記(1)乃至(8)の何れか一つに記載のCMP用研磨液。
(10)前記有機溶媒が、グリコール類、エーテル類、アルコール類、エステル類、ケトン類、フェノール類、アミド類及び、スルホラン類から選ばれる少なくとも1種である上記(9)に記載のCMP用研磨液。
(11)前記CMP研磨液が、基板上に金属配線部の配線幅が10μm以下、配線間隔が配線幅の5倍以上で形成された孤立微細金属配線を有する被研磨物用である上記(1)乃至(10)の何れか一つに記載のCMP用研磨液。
(12)第1の研磨工程及び第2の研磨工程を有する研磨方法であって、
前記第1の研磨工程は、表面が凹部及び凸部からなる層間絶縁膜と、この層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、前記凹部を充填してバリア層を被覆する導電性物質層とを有する基板の導電性物質層を研磨して、前記凸部のバリア層を露出させる研磨工程であり、
第2の研磨工程は、前記第1の研磨工程で露出したバリア層を、上記(1)乃至(11)の何れか一つに記載のCMP用研磨液を用いて研磨して、前記凸部の層間絶縁膜を露出させる工程である、研磨方法。
(13)前記導電性物質層の配線幅が10μm以下、配線間隔が配線幅の5倍以上である上記(12)に記載の研磨方法。
(14)層間絶縁膜が、シリコン系被膜又は有機ポリマー被膜である上記(12)又は(13)に記載の研磨方法。
(15)前記導電性物質が、銅、銅合金、銅の酸化物及び、銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種である上記(12)乃至(14)の何れか一つに記載の研磨方法。
(16)前記バリア層が、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、タングステン、タングステン化合物、ルテニウム及びルテニウム化合物から選ばれる少なくとも1種を含む上記(12)乃至(15)の何れか一つに記載の研磨方法。
本発明によれば、特定の酸化金属溶解剤を使用することで、金属配線部表面の腐食を低減しうるCMP用研磨液を提供することができる。
また、本発明によれば、特にバリア層を研磨する第2の研磨工程後の基板上の孤立微細金属配線部分において、金属配線部表面の腐食及びスリット腐食を、低減することができるCMP用研磨液を提供することができる。
更に、本発明によれば、前記のCMP用研磨液を用いて、微細化、薄膜化、寸法精度にも優れ、信頼性の高い、低コストの半導体デバイス等の製造における研磨方法を提供することができる。
本発明のCMP研磨液は、酸化金属溶解剤、砥粒、金属防食剤、金属酸化剤を含有し、前記酸化金属溶解剤は、フタル酸又はグルタル酸のいずれか一方を含有し、さらに好ましくはpHが2〜4である。
以下、それぞれの構成について詳細に説明する。
(酸化金属溶解剤)
本発明のCMP用研磨液に含まれる酸化金属溶解剤は、導電性物質に対するエッチング能を有しており、且つ、微細配線に対してスリット腐食や、リセスといった問題を抑制できるものを選択する。
これまで、酸化金属溶解剤としては、種々の有機酸、無機酸等が知られているが、微細配線に対する問題を抑制できないものが多い。本発明は、酸化金属溶解剤としてフタル酸又はグルタル酸のいずれか一方を用いることによって、スリット腐食やリセス等の、微細配線を有する基板を研磨するときに生じる特有の問題を解決することができる。
フタル酸を使用する場合、その含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.001〜20質量部とすることが好ましい。含有量は、導電性物質層及びバリア層に対して良好な研磨速度が得られる点で、0.002質量部以上がより好ましく、0.005質量部以上がさらに好ましい。また、上限としては、エッチングを抑制し被研磨面に荒れが生じるのを防ぐことが出来る点で、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましく、3質量部以下であることが特に好ましい。
フタル酸は酸性が強いが、研磨液のpHはあまり下げないことが、金属への腐食を減らすことができる点で好ましく、研磨液の扱いやすさ(運搬や研磨装置への影響)の観点でも好ましいため、上限としては1質量部以下であることが極めて好ましく、0.2質量部以下であることが最も好ましい。
グルタル酸を用いる場合、グルタル酸の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.001〜20質量部とすることが好ましい。含有量は、導電性物質層及びバリア層に対して良好な研磨速度が得られる点で0.002質量部以上がより好ましく、0.005質量部以上がさらに好ましい。また、上限としては、エッチングを抑制し荒れが生じるのを防ぐことが出来る点で、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。また、pHが最適な範囲になり金属への腐食を減らすことができ、また研磨液の扱いやすさに優れる点で、上限としては3質量部以下であることが極めて好ましい。
なお、フタル酸とグルタル酸を併用することもでき、その場合の含有量は、CMP研磨液100質量部に対して、フタル酸とグルタル酸の合計が0.001〜20質量部とすることが好ましい。
(砥粒)
本発明のCMP用研磨液に含まれる砥粒は、特に制限はないが、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア又はこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
前記変性物は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア等の砥粒粒子の表面を、アルキル基で変性したものである。
砥粒粒子の表面をアルキル基で変性する方法は、特に制限はないが、例えば、砥粒粒子の表面に存在する水酸基と、アルキル基を有するアルコキシシランとを、反応させる方法が挙げられる。アルキル基を有するアルコキシシランとしては、特に制限はないが、モノメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン等が挙げられる。反応方法としては、特に制限はなく、例えば砥粒粒子と、アルコキシシランとを、研磨液中で室温(25℃)又は所望により加熱下に反応させる。
砥粒の中でも、CMP用研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数の少ない点で、コロイダルシリカ又はコロイダルアルミナ等のコロイダル粒子が好ましい。
また、コロイダル粒子を使用する場合は、研磨傷(スクラッチ)の発生数が抑制できる点で、平均粒径が、200nm以下であることが好ましく、平均粒径が、100nm以下であることがさらに好ましい。
本発明において平均粒径は、「二次粒子の平均径」を示す。コロイダルシリカやコロイダルアルミナは、一般的に、水等の液体に分散した状態で販売されている。コロイダルシリカ等の二次粒子の平均径は、例えばこれを5質量%前後に希釈したものを、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics株式会社製、商品名:COULTER N4 SD)で測定して、平均値として表示される値から読み取ることができる。 また、導電性物質層、バリア層及び層間絶縁膜の研磨速度の観点より、砥粒は、一次粒子が、平均2粒子未満で凝集した凝集粒子であることが好ましく、一次粒子が、平均1.2粒子未満で凝集した凝集粒子であることがより好ましい。更に、砥粒は、平均粒度分布の標準偏差が、10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましい。これら砥粒は、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
砥粒の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.01〜50質量部とすることが好ましい。この含有量は、被研磨面の研磨速度の観点より、0.02質量部以上とすることが好ましく、0.05質量部以上とすることが更に好ましい。また、上限としては、研磨傷(スクラッチ)の発生数が抑制できる点で、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更に好ましい。
(金属防食剤)
本発明のCMP用研磨液に含まれる金属防食剤は、特に制限はないが、トリアゾール類、ピラゾール類、ピリミジン類、イミダゾール類、グアニジン類、チアゾール類及び、テトラゾール類等が挙げられる。
トリアゾール類としては、例えば、1,2,3−トリアゾ−ル、1,2,4−トリアゾ−ル、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾ−ル、ベンゾトリアゾ−ル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾ−ル、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾ−ル、4−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾ−ル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾ−ルメチルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾ−ルブチルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾ−ルオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾ−ル、[1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル][1,2,4−トリアゾリル−1−メチル][2−エチルヘキシル]アミン、トリルトリアゾ−ル、ナフトトリアゾ−ル、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸等が挙げられる。
ピラゾール類としては、例えば、ピラゾール、1−アリル−3,5−ジメチルピラゾール、3,5−ジ(2−ピリジル)ピラゾール、3,5−ジイソプロピルピラゾール、3,5−ジメチル−1−ヒドロキシメチルピラゾール、3,5−ジメチル−1−フェニルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−アミノ−5−ヒドロキシピラゾール、4−メチルピラゾール、N−メチルピラゾール、3−アミノピラゾール、3−アミノピラゾール等が挙げられる。
イミダゾール類としては、例えば、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール、1,1’−オキサリルジイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、1,2−ジメチル−5−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−(1−ヒドロキシエチル)ベンゾイミダゾール、2−(ヒドロキシメチル)ベンズイミダゾール等が挙げられる。
グアニジン類としては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,2,3−トリフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン等が挙げられる
チアゾール類としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2,4−ジメチルチアゾール等が挙げられる。
ピリミジン類としては、ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、1,3,4,6,7,8−ヘキサハイドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン、1,3−ジフェニル−ピリミジン−2,4,6−トリオン、1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジンサルフェイト、2,4,5−トリハイドロキシピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4,6−トリクロロピリミジン、2,4,6−トリメトキシピリミジン、2,4,6−トリフェニルピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシルピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、2−アセトアミドピリミジン、2−アミノピリミジン、2−メチル−5,7−ジフェニル−(1,2,4)トリアゾロ(1,5−a)ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−(1,2,4)トリアゾロ(1,5−a)ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−4,7−ジヒドロ−(1,2,4)トリアゾロ(1,5−a)ピリミジン、4−アミノピラゾロ[3,4,−d]ピリミジン等が挙げられる。
テトラゾール類としては、例えば、テトラゾール、5−メチルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、1−(2−ジメチルアミノエチル)−5−メルカプトテトラゾール等が挙げられる。
これらの中でも、金属配線部の実用的な研磨速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制でき、溶性の銅錯体の残渣発生を抑制できるという観点から、トリアゾール類が好ましく、5−メチルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等がより好ましい。これら金属防食剤は、1種類単独で、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。
金属防食剤の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.001〜10質量部とすることが好ましい。含有量は、配線部用金属のエッチングを抑制し被研磨面に荒れが生じるのを防ぐことができる点で、0.005質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上が更に好ましい、また、上限としては、配線部用金属及びバリア層用金属の研磨速度を、実用的な研磨速度に保つことができる点で、5質量部以下がより好ましく、2質量部以下が更に好ましい。
(金属酸化剤)
本発明のCMP用研磨液に含まれる金属酸化剤は、特に制限はないが、例えば、過酸化水素、ペルオキソ硫酸塩、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これら金属酸化剤は、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
適用対象の基板が、集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、オゾン水は、組成の経時的変化が激しいので、過酸化水素が最も適している。なお、適用対象の基板が、半導体素子を含まないガラス基板等である場合は、不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
金属酸化剤の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.01〜50質量部とすることが好ましい。含有量は、金属の酸化が不十分となり、研磨速度が低下することを防ぐ観点から、0.02質量部以上が好ましく、0.05質量部以上が更に好ましい。
また、上限としては、被研磨面に荒れが生じるのを防ぐことができる点で、30質量部以下がより好ましく、15質量部以下が更に好ましい。
(水溶性ポリマー)
本発明のCMP用研磨液は、水溶性ポリマーを含有することができる。CMP用研磨液は、水溶性ポリマーを含有させることで、被研磨面の平坦化能に優れ、また、微細配線部が密集している部位においても、エロージョンの発生を抑制することができる。
水溶性ポリマーの重量平均分子量は、高い研磨速度を発現させることができる点で、500以上が好ましく、1500以上がより好ましく、5000以上が更に好ましい。また、上限としては特に制限はないが、CMP用研磨液中への溶解度の観点から、500万以下が好ましい。水溶性ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
水溶性ポリマーとしては、特に制限されず、例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;
アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロ−ス、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー等;が挙げられる。これら水溶性ポリマーは1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
但し、本発明のCMP用研磨液を適用する基板が、半導体集積回路用シリコン基板等の場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくない。
このため、前記水溶性ポリマーは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物を含まないものが好ましく、例えば、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリルアミド、ペクチン酸、寒天、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩等が特に好ましい。但し、基板が、ガラス基板等である場合はその限りではない。
水溶性ポリマーの酸化剤の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.001〜15質量部であることが好ましい。エロージョン及びシームを効果的に抑制することができる点で、0.005質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上が更に好ましい。また、上限としては、CMP用研磨液に含まれる砥粒の安定性が、極端に低下することを防ぐために、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましい。
(有機溶媒)
本発明のCMP用研磨液は、有機溶媒を含有することができる。有機溶媒を含有させることで、CMP用研磨液による疎水性(低誘電率)の層間絶縁膜の研磨速度が向上する。有機溶媒としては、特に制限はないが、水と任意で混合できるものが好ましい。有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル類;
ブチロラクトン、プロピロラクトン等のラクトン類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類;
グリコール類の誘導体として、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルや、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルや、エチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルや、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルやエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテルやエチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテルや、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテル類等;
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;
メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール等のアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;
その他フェノール、ジメチルホルムアミド、n−メチルピロリドン、酢酸エチル、乳酸エチル、スルホラン等が挙げられる。
これらの中でも、グリコールモノエーテル類、アルコール類、炭酸エステル類が好ましい。これら有機溶媒は、1種類単独で、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。
有機溶媒の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.1〜95質量部であることが好ましい。含有量は、CMP用研磨液の基板に対する濡れ性が低くなるのを防ぐ点で、0.2質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が更に好ましい。また、上限としては、引火の可能性が発現して製造プロセス上困難が生じるのを防ぐ点で、50質量部以下がより好ましく、10質量部以下が更に好ましい。
本発明のCMP用研磨液は、金属防食剤、砥粒、酸化金属溶解剤、金属酸化剤及び水を含むことが好ましく、水溶性ポリマー、有機溶剤をさらに含むことがより好ましい。
なお、CMP用研磨液における水の配合量は残部でよく、含有されていれば、特に制限はない。
また、本発明のCMP用研磨液のpHは、2〜4であることが好ましい。pHが2以上の場合、徐々に配線部用金属が腐食する問題が抑制され、また、酸性が強いことによる取り扱い性の問題も解決できる。pHが4以下である場合、配線部金属、及び、バリア層の導体の研磨速度が良好である。
pHは、酸の添加量により調整することができる。また、アンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ成分の添加によっても調整可能である。
本発明のCMP研磨液のpHの測定は、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製のModel pH81)で測定できる。標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃)を用いて、2点構成した後、電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。
本発明のCMP用研磨液は、半導体デバイスにおける配線層の形成に適用できる。例えば導電性物質層と、バリア層と、層間絶縁膜とのCMPに使用することができる。同一条件下のCMPにおいて、導電性物質層/バリア層/層間絶縁膜の研磨速度比は、0.1〜2/1/0.1〜2で研磨されるのが好ましい。
層間絶縁膜としては、シリコン系被膜、有機ポリマー膜等が挙げられる。シリコン系被膜としては、二酸化ケイ素、フルオロシリケートグラス、トリメチルシランやジメトキシジメチルシランを出発原料として得られるオルガノシリケートグラス、シリコンオキシナイトライド、水素化シルセスキオキサン等のシリカ系被膜や、シリコンカーバイド及びシリコンナイトライド等が挙げられる。
また、有機ポリマー膜としては、全芳香族系低誘電率層間絶縁膜が挙げられる。これらの中でも特に、二酸化ケイ素膜が好ましい。これらの膜は、CVD(化学気相成長)法、スピンコート法、ディップコート法、又はスプレー法によって成膜される。層間絶縁膜の具体例としては、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜等が挙げられる。
導電性物質層としては、銅、銅合金、銅の酸化物又は銅合金の酸化物、タングステン、タングステン合金、銀、金等の金属が主成分の物質からなる層が挙げられ、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物等の銅が主成分であるものが好ましい。導電性物質層の形成は、公知のスパッタ法、メッキ法用いることができ、前記物質を成膜する。
バリア層は、層間絶縁膜中への導電性物質が拡散するのを防止するため、及び、層間絶縁膜と導電性物質層との密着性向上のために形成される。
バリア層の組成は、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金等のタンタル化合物、チタン、窒化チタン、チタン合金等のチタン化合物、タングステン、窒化タングステン、タングステン合金等のタングステン化合物、ルテニウム等のルテニウム化合物から選ばれるのが好ましい。バリア層は、これらの1種からなる単層構造であっても、2種以上からなる積層構造であってもよい。
研磨する装置としては、例えば研磨布により研磨する場合、研磨される基板を保持できるホルダと、回転数が変更可能なモータ等と接続し、研磨布を貼り付けた研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限はない。
研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は、基板が飛び出さないように200回転/分以下の低回転が好ましい。被研磨面を有する半導体基板の研磨布への押し付け圧力は、1〜100kPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、5〜50kPaであることがより好ましい。研磨している間、研磨布には、本発明のCMP用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が、常に研磨液で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから、乾燥させることが好ましい。
研磨布の表面状態を、常に同一にして化学機械研磨を行うために、研磨の前に研磨布のコンディショニング工程を入れるのが好ましい。例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて、少なくとも水を含む液で研磨布のコンディショニングを行う。続いて本発明の研磨方法を実施し、さらに、基板洗浄工程を加えるのが好ましい。
本発明のCMP研磨液は、基板上に金属配線部の配線幅が10μm以下、配線間隔が配線幅の5倍以上で形成された孤立微細金属配線を有する被研磨物に特に好適である。
具体的には、本発明のCMP用研磨液は、バリア層を研磨する第2の研磨工程において好適に用いることができ、被研磨物として、基板上に形成された金属配線部の配線幅が、10μm以下、配線間隔が配線幅の5倍以上である孤立微細金属配線を有する被研磨物の研磨に特に好適に用いることができる。基板上に金属配線部の配線幅が10μm以下、配線間隔が配線幅の5倍以上で形成された孤立微細金属配線を有する被研磨面の研磨は、上述したようにスリット腐食が発生しやすい。しかし、本発明のCMP用研磨液を用いた研磨方法により、孤立微細金属配線部分における金属配線部表面の腐食、スリット腐食及び軽度の段差(リセス)の発生を抑制することができる。
本発明の研磨方法は、表面が凹部及び凸部からなる層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、前記凹部を充填してバリア層を被覆する導電性物質層とを有する基板の導電性物質層を研磨して、前記凸部のバリア層を露出させる第1の研磨工程と、前記第1の研磨工程で露出したバリア層を、本発明のCMP用研磨液を用いて研磨して、前記凸部の層間絶縁膜を露出させる第2の研磨工程とを含むことを特徴とする。
本発明の研磨方法は、バリア層を研磨する第2の研磨工程において好適であり、基板上に形成された導電性物質層の配線幅が、10μm以下の基板を研磨するのに好適に使用することができ、更に配線間隔が配線幅の5倍以上である場合に特に好適である。
以下、本発明の研磨方法の実施態様を、半導体デバイスにおける配線層の形成に沿って説明する。
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板6の上に、二酸化ケイ素等の層間絶縁膜3を積層する。次いで、図1(b)に示すように、レジスト層形成、エッチング等の公知の手段によって、層間絶縁膜3の表面に所定パターンの凹部(基板露出部)を形成して、凸部と凹部とを有する層間絶縁膜3とする。この層間絶縁膜上に、図1(c)に示すように、表面の凸凹に沿って層間絶縁膜3を被覆するタンタル等のバリア層2を、蒸着又はCVD(化学気相成長)等により成膜する。更に、図1(d)に示すように、凹部を充填するように、バリア層を被覆する銅等の導電性物質層である配線部用金属1を蒸着、めっき又はCVD(化学気相成長)等により形成する。基板上に形成された層間絶縁膜の厚さは、0.01〜2.0μm程度、バリア層の厚さは、0.01〜2.5μm程度、導電性物質層の厚さは、0.01〜2.5μm程度が好ましい。
次に、この基板の表面の導電性物質層を、例えば、導電性物質層/バリア層の研磨速度比が十分大きい導電性物質用の研磨液を用いて、CMPにより研磨する(第1の研磨工程)。これにより、基板上の凸部のバリア層2が表面に露出し、凹部に前記導電性物質層が残された所望の導体パターンが得られる。前記導電性物質層/バリア層の研磨速度比が十分大きい前記導電性物質用の研磨液としては、例えば、特許第3337464号公報に記載の研磨液を用いることができる。
この研磨が進行する際に、導電性物質層と同時に凸部のバリア層の一部が研磨されてもよい。第1の研磨工程により得られたパターン面を、第2の研磨工程用の被研磨面として、本発明のCMP用研磨液を用いて研磨することができる。
第2の研磨工程では、基板を研磨布の上に押圧した状態で前記研磨布と基板との間に、本発明のCMP用研磨液を供給しながら、研磨定盤と基板とを相対的に動かすことにより、第1の研磨工程により露出したバリア層を研磨する。本発明のCMP用研磨液は、導電性物質層、バリア層及び層間絶縁膜を研磨でき、第2の研磨工程では、少なくとも、前記露出しているバリア層を研磨する。
凸部のバリア層の下の層間絶縁膜が全て露出し、凹部に配線層となる前記導電性物質層が残され、凸部と凹部との境界にバリア層の断面が露出した所望のパターンが得られた時点で研磨を終了する。
研磨終了時のより優れた平坦性を確保するために、さらに、図2に示すように、オーバー研磨(例えば、第2の研磨工程で所望のパターンを得られるまでの時間が100秒の場合、この100秒の研磨に加えて50秒追加して研磨することをオーバー研磨50%という。)して、図面に点線にて示されるバリア層研磨前の状態7の部分を削り取り、凸部の層間絶縁膜3の一部を含む深さまで研磨しても良い。
このようにして形成された金属配線の上に、更に、層間絶縁膜及び第2層目の金属配線を形成し、その配線間及び配線上に再度層間絶縁膜を形成後、研磨して半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の配線層数を有する半導体デバイスを製造することができる。
本発明のCMP用研磨液は、前記のような半導体基板に形成された金属膜の研磨だけでなく、磁気ヘッド等の基板を研磨するためにも使用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。例えば、研磨液の材料の種類やその配合比率は、本実施例記載の種類や比率以外でも差し支えなく、研磨対象の組成や構造も、本実施例記載以外の組成や構造でも差し支えない。
<実施例1>
[CMP用研磨液(1)の作製]
フタル酸:0.2質量部、平均粒径70nmのコロイダルシリカ:4.0質量部、5−メチルテトラゾール:0.1質量部、30%過酸化水素水:0.2質量部、ポリメタクリル酸(重量平均分子量8000):0.05質量部、イソプロピルアルコール:3.0質量部、水:92.45質量部を攪拌・混合し、CMP用研磨液(1)を作製した。
<実施例2〜6>
[CMP用研磨液(2)〜(6)の作製]
下記表1に示す各成分を混合し、実施例1と同様に操作して、CMP用研磨液(2)〜(6)を作製した。
<比較例1>
[CMP用研磨液(7)の作製]
p−アニリンスルホン酸:0.4質量部、平均粒径70nmのコロイダルシリカ:4.0質量部、5−メチルテトラゾール:0.1質量部、30%過酸化水素水:0.2質量部、ポリメタクリル酸(重量平均分子量8000):0.05質量部、イソプロピルアルコール:3.0質量部、水:92.25質量部を攪拌・混合し、CMP用研磨液(7)を作製した。
<比較例2〜12>
[CMP用研磨液(8)〜(18)の作製]
下記表2に示す各成分を混合し、比較例1と同様に操作してCMP用研磨液(8)〜(18)を作製した。
[パターン基板の作製]
銅配線付きパターン基板(ATDF株式会社製、854CMPパターン:二酸化ケイ素からなる厚さ500nmの層間絶縁膜)の溝部以外の銅膜を、日立化成工業株式会社製の銅膜用研磨液HS−C635(製品名)を用いて公知のCMP法により研磨して、凸部のバリア層を被研磨面に露出させた。このパターン基板を下記の研磨に使用した。なお、前記パターン基板のバリア層は厚さ250Åの窒化タンタル膜からなっていた。
[基板の研磨工程]
パターン基板をCMP用研磨液(1)〜(18)で、下記研磨条件で60秒間化学機械研磨した。これは、第2の研磨工程に相当し、20秒で凸部の層間絶縁膜は全て被研磨面に露出し、残りの40秒は、凸部部分の露出した層間絶縁膜を研磨した。
(研磨条件)
研磨装置:片面金属膜用研磨機(アプライドマテリアルズジャパン株式会社製、MIRRA)
研磨布:スウェード状発泡ポリウレタン樹脂製研磨布
定盤回転数:93回/分
ヘッド回転数:87回/分
研磨圧力:14kPa
研磨液の供給量:200ml/分
[基板の洗浄工程]
研磨したパターン基板の被研磨面に、スポンジブラシ(ポリビニルアルコール系樹脂製)を押し付け、蒸留水を基板に供給しながら、基板とスポンジブラシとを回転させ、60秒間洗浄した。次にスポンジブラシを取り除き、基板の被研磨面に、蒸留水を60秒間供給した。最後に、基板を高速で回転させることで蒸留水を弾き飛ばして、基板を乾燥した。
(評価項目)
洗浄したパターン基板について、下記(1)及び(2)に示す評価を行い、その結果を、表1及び表2に示す。
(1)銅配線部の腐食状態:測長走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S−4800)を用いて、配線幅が0.3〜0.6μm、配線間隔が配線幅の5倍以上の孤立微細銅配線部を観察して、その腐食状態を調べ、以下の評価基準で評価を行った。
実用できる評価は、A及びBである。
A:腐食がなく良好である。
B:銅配線部の表面にやや腐食が見られるものの、全般に良好である。
C:銅配線部とバリア層との境界部分にスリット腐食がやや見られる。
D:銅配線部の表面に腐食が見られ、及び銅配線部とバリア層との境界部分にスリット腐食がやや見られる。
E:銅配線部の表面に腐食が見られ、銅配線部とバリア層との境界部分にスリット腐食が見られる。
Figure 2010114402
Figure 2010114402
表2に示されるように、酸化金属溶解剤として、p−アニリンスルホン酸を用いた比較例1、2及び11、酒石酸を用いた比較例5、6及び9、メリット酸を用いた比較例7、ジグリコール酸を用いた比較例8のCMP用研磨液では、銅配線部とバリア層との境界部分にも、ややスリット腐食が見られた。
また、酸化金属溶解剤として、乳酸を用いた比較例12のCMP用研磨液では、銅配線部と銅配線部とバリア層との境界部分にも、ややスリット腐食が見られ、銅配線部の表面にも腐食が見られた。
更に、酸化金属溶解剤として、50%グルコン酸を用いた比較例3、4及び10のCMP用研磨液では、銅配線部の腐食も、銅配線部とバリア層との境界部分のスリット腐食も、全く抑制できなかった。
これに対し、表1に示されるように、酸化金属溶解剤としてフタル酸又はグルタル酸のいずれか一方を用いた、実施例1〜6のCMP用研磨液では、銅配線部の腐食や、銅配線部とバリア層との境界部分のスリット腐食の発生も、効果的に抑制可能である。
このように、本発明のCMP用研磨液では、微細金属配線の形成が必要不可欠である高性能半導体デバイス製造において、短絡、断線、歩留まり、信頼性の低下等の不具合を抑制できることが明らかである。
本発明の研磨対象基板の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施例である、研磨後の基板を示す断面図である。 ダマシンプロセスにおける配線形成を示す模式断面図である。 スリット腐食を示す基板の拡大断面図である。 リセスを示す基板の拡大断面図である。 スリット腐食の進行を示す基板の拡大断面図である。
符号の説明
1…配線部用金属
2…バリア層
3…層間絶縁膜
4…スリット腐食
5…リセス
6…シリコン基板
7…バリア層研磨前の状態

Claims (16)

  1. 酸化金属溶解剤、砥粒、金属防食剤、金属酸化剤を含有し、前記酸化金属溶解剤が、フタル酸及びグルタル酸の少なくとも一方を含有してなるCMP用研磨液。
  2. 前記pHが2〜4である請求項1に記載のCMP用研磨液。
  3. 酸化金属溶解剤の含有量が、CMP用研磨液100質量部に対して0.001〜20質量部である請求項1又は2に記載のCMP用研磨液。
  4. 前記砥粒が、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア又は、これらの変性物から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  5. 前記金属防食剤が、トリアゾール類、ピラゾール類、ピリミジン類、イミダゾール類、グアニジン類、チアゾール類及び、テトラゾール類から選ばれる少なくとも1種類である請求項1乃至4の何れか一項に記載のCMP用研磨液。
  6. 前記金属酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及び、オゾン水から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至5の何れか一項に記載のCMP用研磨液。
  7. 更に水溶性ポリマーを含有する請求項1乃至6の何れか一項に記載のCMP用研磨液。
  8. 前記水溶性ポリマーが、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、多糖類及び、ビニル系ポリマーから選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載のCMP用研磨液。
  9. 更に有機溶媒を含有する請求項1乃至8の何れか一項に記載のCMP用研磨液。
  10. 前記有機溶媒が、グリコール類、エーテル類、アルコール類、エステル類、ケトン類、フェノール類、アミド類及び、スルホラン類から選ばれる少なくとも1種である請求項9に記載のCMP用研磨液。
  11. 前記CMP研磨液が、基板上に金属配線部の配線幅が10μm以下、配線間隔が配線幅の5倍以上で形成された孤立微細金属配線を有する被研磨物用である請求項1乃至10の何れか一項に記載のCMP用研磨液。
  12. 第1の研磨工程及び第2の研磨工程を有する研磨方法であって、
    前記第1の研磨工程は、表面が凹部及び凸部からなる層間絶縁膜と、この層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、前記凹部を充填してバリア層を被覆する導電性物質層とを有する基板の導電性物質層を研磨して、前記凸部のバリア層を露出させる研磨工程であり、
    第2の研磨工程は、前記第1の研磨工程で露出したバリア層を、請求項1乃至11の何れか一項に記載のCMP用研磨液を用いて研磨して、前記凸部の層間絶縁膜を露出させる工程である、研磨方法。
  13. 前記導電性物質層の配線幅が10μm以下、配線間隔が配線幅の5倍以上である請求項12に記載の研磨方法。
  14. 前記層間絶縁膜が、シリコン系被膜又は有機ポリマー被膜である請求項12又は13に記載の研磨方法。
  15. 前記導電性物質が、銅、銅合金、銅の酸化物及び、銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種である請求項12乃至14の何れか一項に記載の研磨方法。
  16. 前記バリア層が、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、タングステン、タングステン化合物、ルテニウム及びルテニウム化合物から選ばれる少なくとも1種を含む請求項12乃至15の何れか一項に記載の研磨方法。
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