JP2009278061A - Cmp用研磨液及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バリア層のバリア金属に対する良好な研磨速度を維持しつつ、キャップ層の二酸化珪素に対する高い研磨速度と、low−k膜に対する低い研磨速度を達成できる研磨液及び研磨方法を提供する。
【解決手段】砥粒、酸化金属溶解剤、酸化剤、水及び第4級アンモニウム塩を含有する、pHが4以下のCMP用研磨液において、前記砥粒は、前記CMP用研磨液中において正のゼータ電位を有し、且つ前記第4級アンモニウム塩は、下記一般式(1)で表されるCMP用研磨液とする。
Figure 2009278061

(式(1)中、Rは、置換基を有していても良い、炭素原子数4以上のアルキル基を表し、R〜Rは、各々独立に、水素原子又は置換基を有しても良いアルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスの配線形成工程等における研磨に使用されるCMP用研磨液及び研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下、LSIという)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、CMPという)法もその一つであり、LSI製造工程、特に、多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグの形成、埋め込み配線の形成において頻繁に利用される技術である。この技術は、例えば、特許文献1に開示されている。
また、最近は、LSIを高性能化するために、配線材料となる導電性物質として銅又は銅合金の利用が試みられている。しかし、銅又は銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。
そこで、あらかじめ溝を形成してある絶縁膜上に銅又は銅合金の薄膜を堆積して埋め込み、溝部以外の前記薄膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている。この技術は、例えば、特許文献2に開示されている。
一方、銅又は銅合金等の配線部用金属の下層には、層間絶縁膜中への金属の拡散防止や密着性向上のためのバリア導体層(以下、バリア層という)として、例えば、タンタル、タンタル合金、窒化タンタル等の導体からなる層が形成される。したがって、銅又は銅合金等の配線部用金属を埋め込む配線部以外では、露出したバリア層をCMPにより取り除く必要がある。
しかし、これらのバリア層の導体は、銅又は銅合金に比べ硬度が高いために、銅又は銅合金用の研磨材料を組み合わせても十分な研磨速度が得られず、かつ被研磨面の平坦性が悪くなる場合が多い。そこで、配線部用金属を研磨する第1の研磨工程と、バリア層を研磨する第2の研磨工程からなる2段階の研磨工程からなる研磨方法が検討されている。
図1に一般的なダマシンプロセスによる配線形成を断面模式図で示す。図1(a)は研磨前の状態を示し、表面に溝を形成した層間絶縁膜1、層間絶縁膜1の表面凹凸に追従するように形成されたバリア層2、凹凸を埋めるように堆積された銅又は銅合金の配線部用金属4を有する。
まず、図1(b)に示すように、配線部用金属を研磨するための研磨液で、バリア層2が露出するまで配線部用金属3を研磨する(第1の研磨工程)。次に、バリア層2用の研磨液で層間絶縁膜1の凸部が露出するまで研磨する(第2の研磨工程)。この第2の研磨工程においては、図1(c)に示すように、層間絶縁膜を余分に研磨するオーバー研磨が行われることが多い。図1の(c)において、記号4は、第2の研磨工程における、バリア層研磨前の図1(b)の状態を示す。このようなオーバー研磨により、研磨後の被研磨面の平坦性を高めることができる。
このようなバリア層用の研磨液として、酸化剤と、金属表面に対する保護膜形成剤と、酸と、水とを含み、pHが3以下であり、上記酸化剤の濃度が0.01〜3重量%である化学機械研磨用研磨剤が提案されている。(例えば特許文献3参照。)
ところで、近年、配線間隔がさらに微細化されていることに伴い、配線遅延の問題が生じてきている。この課題を克服するため、二酸化珪素を主体とする層間絶縁膜から、低誘電率材料の膜(以下、「low−k膜」という)への転換が図られている。low−k膜としては、オルガノシリケートグラスや全芳香環系low−k膜等を挙げることができる。これらのlow−k膜は、有機化合物を原料としたり、膜に空孔を形成させたりすることによって、誘電率を下げているため、二酸化珪素膜よりも、機械的強度が低い、吸湿性が高い、プラズマ及び薬品耐性が低いといった弱点を有する。このため、前記第2の研磨工程において、low−k膜が損傷したり、過剰に研磨されたりしやすい。
そこで、上記の課題を克服するため、low−k膜を二酸化珪素でキャップした構造とすることが提案されている。図2に、このような構造のデバイスの製造プロセスの一例を示す。図2の(a)の構造を得るためには、まず、Si基板5上にlow−k膜6と二酸化珪素からなるキャップ層7を積層構造で成膜した後、凹凸を形成する。その上に、表面の凹凸に追従するようにバリア層2が形成され、凹凸を埋めるように全体に堆積された配線部用金属3が形成されている。
層間絶縁膜部分にキャップ層の二酸化珪素が含まれると、二酸化珪素の誘電率の影響を受けてしまうため、層間絶縁膜全体として実効比誘電率がさほど低くならない。すなわち、low−k膜の有する低誘電率特性を充分活かせていないこととなる。従って、前記キャップ層としての二酸化珪素膜は、前記バリア膜研磨時に除去され、最終的にはlow−k膜のみからなる層間絶縁膜とすることが望ましい。
このような構造のデバイスを得るためには、図2の(a)に示す状態から、図2(b)に示すように、研磨を行う。具体的には、配線部用金属を研磨するための研磨液で、バリア層2が露出するまで配線部用金属3を研磨する(第1の研磨工程)。次に、バリア層2用の研磨液でバリア層を研磨し、図2(c)に示すように、少なくとも二酸化珪素のキャップ層7を全て除去し、low−k膜6が露出するまで研磨する(第2の研磨工程)。
従って、前記の第2の研磨工程では、バリア金属及び配線部用金属だけでなく、キャップ層である二酸化珪素膜及びlow−k膜も研磨する必要がある。また、半導体デバイスを設計通り構築するため、キャップ層を削りきった後に露出する下層のlow−k膜の削れ量を極力抑える必要もある。これらの理由より、キャップ層である二酸化珪素等の酸化膜に対しては高研磨速度を示し、low−k膜に対しては低研磨速度を示す必要がある。
米国特許第4944836号明細書 特開平02−278822号公報 再公表特許WO01/13417号パンフレット
従来のバリア層用研磨液は、バリア層であるバリア金属及びキャップ層である二酸化珪素は好適に研磨できるが、low−k膜に対する研磨速度が速すぎる、あるいは研磨中に傷や膜剥がれを起こしやすい課題を有している。また、エロージョン及びシームが発生し被研磨面の平坦性が悪化しやすく、半導体デバイスの配線抵抗が増加したり信頼性が低下したりする等の問題が生じる可能性がある。
本発明は、これらの課題を解決しようとするものであって、バリア層のバリア金属に対する良好な研磨速度を維持しつつ、キャップ層の二酸化珪素に対する高い研磨速度と、low−k膜に対する低い研磨速度を達成できる研磨液及び研磨方法を提供するものである。
より詳細には、本発明は、バリア層を研磨する第2の研磨工程におけるlow−k膜の研磨速度を抑制し、具体的には実用的な研磨条件での研磨速度が100Å/分未満であり、low−k膜の研磨速度に対して、キャップ層である二酸化珪素等の酸化膜の研磨速度が10倍以上となるCMP用研磨液及び研磨方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、前記の第2の研磨工程において、キャップ層としての二酸化珪素膜が研磨されるときには砥粒が被研磨膜表面に集まり、low−k膜が研磨されるときには砥粒が被研磨膜に集まりにくくするようにすることで、前記の課題を克服することができると着想し、鋭意検討を行った。
その結果、キャップ層としての二酸化珪素膜と、最終的に残存する層間絶縁膜としてのlow−k膜とに対する親和性が異なる物質を使用し、さらにその物質と相互作用しうる砥粒とを含ませることにより上記課題が解決できることを見出したものである。
すなわち本発明は、疎水性を発現するアルキル基と正電荷を発現するアンモニウムイオンを一つの分子内に持つ第四級アンモニウム塩と、正の電荷をもつ砥粒とをCMP用研磨液に加えることで、同一のCMP用研磨液においても、層間絶縁膜の研磨速度を膜種ごとに制御可能とするものである。そのメカニズムとしては、二酸化珪素に比べより疎水性の強いlow−k膜上には、疎水基を有する第四級アンモニウム塩が選択的に集まる。その結果、low−k膜上には同時に正の電荷をもつアンモニウムイオンが多数存在することとなり、正電荷の砥粒とは反発関係となる。
このlow−k膜と砥粒が反発することにより、砥粒がlow−k膜に接近しづらくなり、low−k膜の研磨速度が大幅に抑制されると推定される。一方、low−k膜と比べ疎水性の低い、キャップ層としての二酸化珪素の膜上には、第四級アンモニウムがさほど集まってこないために、研磨速度の低減は見られないと推定される。このように、膜種ごとの特性の違いと砥粒の電荷に着目し、第四級アンモニウム塩を添加することで研磨速度の制御が可能であることを見出した。
なお、バリア層及び導電物質層は砥粒による機械的な研磨だけではなく、化学成分によるエッチングとの組合せで研磨が進行する。つまり、バリア層及び導電物質層の研磨速度に対する砥粒の濃度(集まり)の影響は、層間絶縁膜層に対する影響よりも小さいと考えられる。このため、CMP用研磨液中の砥粒の濃度(集まり)を制御することで、バリア層に対する良好な研磨速度を維持しつつ、キャップ層に対しては高い研磨速度を有し、low−k膜に対しては低い研磨速度を有することを見出した。
本発明は、以下の通りである。
(1)砥粒、酸化金属溶解剤、酸化剤、水及び第4級アンモニウム塩を含有する、pHが4以下のCMP用研磨液であって、
前記砥粒は、前記CMP用研磨液中において正のゼータ電位を有し、且つ
前記第4級アンモニウム塩は、下記一般式(1)で表されるものであるCMP用研磨液。
Figure 2009278061
(式(1)中、Rは、置換基を有していても良い、炭素原子数4以上のアルキル基を表し、R〜Rは、各々各々独立に、水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。)
(2)前記第4級アンモニウム塩が、ヘキシルトリメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である上記(1)記載のCMP用研磨液。
(3)前記第4級アンモニウム塩の含有量が、CMP用研磨液100質量部に対して0.0001〜1質量部である上記(1)又は(2)記載のCMP用研磨液。
(4)前記砥粒が、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア又はこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のCMP用研磨液。
(5)前記酸化金属溶解剤が、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩、無機酸及び無機酸のアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のCMP用研磨液。
(6)前記金属の酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及びオゾン水から選ばれる少なくとも1種である上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のCMP用研磨液。
(7)金属防食剤を含有する上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のCMP用研磨液。
(8)前記金属防食剤が、イミダゾール骨格を有する化合物、トリアゾール骨格を有する化合物、テトラゾール骨格を有する化合物、ピラゾール骨格を有する化合物、ピリミジン骨格を有する化合物から選ばれる少なくとも1種である上記(7)に記載のCMP用研磨液。
(9)水溶性ポリマーを含有してなる上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のCMP用研磨液。
(10)前記水溶性ポリマーが、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、多糖類及びビニル系ポリマーから選ばれる少なくとも1種である上記(9)に記載のCMP用研磨液。
(11)有機溶媒を含有してなる上記(1)〜(10)のいずれか一つに記載のCMP用研磨液。
(12)前記有機溶媒が、グリコール類、エーテル類、アルコール類、エステル類、ケトン類、フェノール類、アミド類、スルホラン類から選ばれる少なくとも1種である上記(11)に記載のCMP用研磨液。
(13)前記CMP用研磨液は、第1の研磨工程及び第2の研磨工程を有する研磨方法における前記第2の研磨工程に用いられるものであり、
前記第1の研磨工程は、表面に凹部及び凸部を有する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、少なくとも前記凹部を充填してバリア層を被覆する導電性物質層と、を有する基板の前記導電性物質層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる工程であり、
前記第2の研磨工程は、前記第1の研磨工程で露出したバリア層を研磨して前記凸部の層間絶縁膜を露出させる工程であり、
前記層間絶縁膜が、low−k膜と、該low−k膜をキャップしたキャップ層とを有し、前記low−k膜が、誘電率2.9以下のシリコン系被膜又は有機ポリマー膜である上記(1)〜(12)のいずれか一つに記載のCMP用研磨液。
(14)第1の研磨工程及び第2の研磨工程を有することを特徴とする研磨方法であって、
前記第1の研磨工程は、表面に凹部及び凸部を有する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、少なくとも前記凹部を充填してバリア層を被覆する導電性物質層と、を有する基板の前記導電性物質層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる工程であり、
前記第2の研磨工程は、前記第1の研磨工程で露出したバリア層を、上記(1)〜(13)のいずれか一つに記載のCMP用研磨液を用いて研磨して、前記凸部の層間絶縁膜を露出させる工程である、
研磨方法。
(15)前記層間絶縁膜が、low−k膜と、該low−k膜をキャップしたキャップ層とを有し、前記low−k膜が、誘電率2.9以下のシリコン系被膜又は有機ポリマー膜である上記(14)に記載の研磨方法。
(16)前記low−k膜に対する前記キャップ層の研磨速度比が10倍以上である上記(15)に記載の研磨方法。
(17)前記導電性物質層が、銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種の導電性物質を含む上記(14)〜(16)のいずれか一つに記載の研磨方法。
(18)前記バリア層が、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、タングステン、タングステン化合物、ルテニウム及びルテニウム化合物から選ばれる少なくとも1種を含む上記(14)〜(17)のいずれか一つに記載の研磨方法。
本発明によれば、層間絶縁膜の研磨速度を膜種ごとに制御可能なCMP用研磨液を提供することができる。具体的には、バリア層のバリア金属に対する良好な研磨速度を維持しつつ、キャップ層の二酸化珪素に対する高い研磨速度と、low−k膜に対する低い研磨速度を有するCMP用研磨液を提供することができる。
さらには、バリア層を研磨する前記第2の研磨工程におけるlow−k膜の研磨速度を抑制し、具体的には実用的な研磨条件でのlow−k膜における研磨速度が100Å/分未満であり、且つlow−k膜の研磨速度に対してキャップ層としての二酸化珪素膜の研磨速度が10倍以上となるCMP用研磨液を提供することができる。
また、本発明によれば、上記のCMP用研磨液を用いて、微細化、薄膜化、寸法精度にも優れ、信頼性の高い、低コストの半導体デバイス等の製造における研磨方法を提供することができる。
なお、本発明において、「表面に凹部及び凸部を有する層間絶縁膜」とは、図1に示されるように層間絶縁膜自体に凹凸が形成された状態でもよく、図2に示すように、Si基板等の他の基板の上に部分的に層間絶縁膜を形成して凹部及び凸部を有するようにした状態も含むものとする。従って、本発明において「層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層」とは、図2に示すように、バリア層が、部分的に層間絶縁膜以外の部分を被覆している状態であってもよい。
本発明のCMP用研磨液は、砥粒、酸化金属溶解剤、酸化剤、水及び第4級アンモニウム塩を含有する、pHが4以下のCMP用研磨液であり、前記砥粒は、前記CMP用研磨液中において正のゼータ電位を有し、且つ前記第4級アンモニウム塩は、下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とするCMP用研磨液である。
Figure 2009278061
式(1)中のRは、置換基を有していても良い炭素原子数4以上のアルキル基を表し、R〜Rは、各々独立に、水素原子又は置換基を有していても良いアルキル基を表す。またXは陰イオンを表す。R〜Rのうちの隣り合った二つは互いに結合して環を形成してもよい。
式(1)中、Rは、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、ベンゼン環を有するアルキル基あるいは第4級アンモニウム塩を有するアルキル基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。より好ましくは、直鎖状アルキル基である。
また、上記式(1)中のRのアルキル基の鎖長は、好ましくは炭素原子数4個以上18個以下、より好ましくは炭素原子数6個以上16個以下、更に好ましくは炭素原子数6個以上8個以下である。前記アルキル基鎖長が炭素原子数4個以上であると、low−k膜の研磨速度抑制効果が低くならずに良好な研磨速度を得ることができる。一方、前記アルキル基鎖長が炭素原子数18個以下であると、CMP用研磨液の保管安定性に優れる傾向がある。
また、炭素原子数8個以下であると、CMP用研磨液の発泡性が低下するため、扱い易い良好な研磨液を得ることができる。
なお、上記Rが分岐状アルキル基の場合は、最も長い鎖長の部分をアルキル基の鎖長とする。
また、式(1)中のR〜Rは、各々独立に、水素原子又はアルキル基であり、該アルキル基は置換基を有していても良い。具体的に例えば、水素原子、アルキル基、ベンゼン環を有するアルキル基、第4級アンモニウム塩を有するアルキル基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。またこれら置換基は1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
また、上記式(1)中のR〜Rの置換基がアルキル基である場合、直鎖状であっても分岐状であってもよい。R〜Rの置換基としてのアルキル基の鎖長は、CMP用研磨液の保管安定性の点から炭素原子数が1個以上12個以下のアルキル基であることが好ましく、CMP用研磨液の発泡を抑制する点で炭素原子数1個以上8個以下であることがより好ましく、研磨特性の点で炭素原子数1個以上3個以下であることがさらに好ましく、エチル基又はメチル基であることが特に好ましく、入手容易性も含めるとメチル基であることが極めて好ましい。
また、式(1)中のXの陰イオンは、特に限定はないが、ハロゲンイオン(例えば、F、Cl、Br、I)、水酸化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、次亜塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、酢酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン、炭酸イオン等を挙げることができる。
上記のような点で本発明のCMP用研磨液に好適に使用される第4級アンモニウム塩の具体例としては、ヘキシルトリメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウム塩、ジデシルジメチルアンモニウム塩、ジラウリルジメチルアンモニウム塩、ジメチルジミリスチルアンモニウム塩、ジメチルジパルミチルアンモニウム塩、ジメチルジステアリルアンモニウム塩、ヘキサジメチルオクチルアンモニウム塩、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウム塩、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム塩、ベンジルセチルジメチルアンモニウム塩、ベンジルジメチルステアリルアンモニウム塩、メチルトリオクチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラアミルアンモニウム塩、テトラヘキシルアンモニウム塩、テトラヘプチルアンモニウム塩、テトラオクチルアンモニウム塩、テトラデシルアンモニウム塩、ヘキサメトニウム塩、デカメトニウム塩、1,1’−(デカン−1,10−ジイル)ビス[4−アザ−1−アゾニアビシクロ[2,2,2]オクタン]塩等を挙げることができる。
これらの中では、ヘキシルトリメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩がlow−k膜の研磨速度抑制効果が特に高いという点からより好ましい。
更にこれらの中では、ヘキシルトリメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩が、low−k膜の研磨速度抑制効果が高く、且つ研磨液の発泡性が低いという点から特に好ましい。
また、これらは1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
第4級アンモニウム塩の含有量は、CMP用研磨液全量を100質量部としたとき、好ましくは0.0001〜1質量部、より好ましくは0.001〜0.5質量部、特に好ましくは0.005〜0.2質量部である。前記砥粒の含有量が0.0001質量部以上であるとlow−k膜の研磨速度抑制効果が低くなる傾向もなく、また、1質量部以下であるとCMP用研磨液の保管安定性が著しく低下することもない。
本発明のCMP用研磨液は砥粒を含有してなる。またその砥粒は、pHが4以下のCMP用研磨液中で、表面の電位(ゼータ電位)が0mVより大きいことが好ましく、0〜20mVであることがより好ましい。ゼータ電位は、例えば、マルバーン社製の商品名:ゼータサイザー3000HSAで測定できる。
砥粒としては、pHが4以下のCMP用研磨液中で表面の電位(ゼータ電位)が正であれば特に制限はないが、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア又はこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。なお、pHが4以下のときに、これら砥粒のゼータ電位を正とするには、例えば、砥粒表面を改質することにより達成できる。
前記変性物は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、ゲルマニア等の砥粒粒子の表面をアルキル基で変性したものである。
砥粒粒子の表面をアルキル基で変性する方法は、特に制限はないが、例えば、砥粒粒子の表面に存在する水酸基とアルキル基を有するアルコキシシランとを反応させる方法が挙げられる。
アルキル基を有するアルコキシシランとしては、特に制限はないが、モノメチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、モノエチルトリメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルモノメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルモノエトキシシラン等が挙げられる。
反応方法としては、特に制限はなく、例えば砥粒粒子とアルコキシシランとを研磨液中で室温又は所望により加熱下に反応させる。
前記砥粒のなかでも、CMP用研磨液中での分散安定性が良く、CMPにより発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数の少ない、平均粒径が200nm以下のコロイダルシリカ又はコロイダルアルミナが好ましく、平均粒径が100nm以下のコロイダルシリカ又はコロイダルアルミナがより好ましい。平均粒径は、例えば、動的光散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の商品名:COULTER N4 SD)で測定できる。
また、導電性物質層、バリア層及び層間絶縁膜のlow−k膜、キャップ層の研磨速度の観点より、前記砥粒は、平均2粒子未満の一次粒子が凝集した凝集粒子であることが好ましく、平均1.5粒子未満の一次粒子が凝集した凝集粒子であることがより好ましい。
平均2粒子未満であることを確認するには、まず、動的光散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製の商品名:COULTER N4 SD)で測定し、平均粒径を求める。次に、測長走査型電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製の商品名:S−4800)で観察し、砥粒の一次粒径を求める。そして得られた砥粒の平均粒径を一次粒径で割り、算出する。
さらに、前記砥粒は、研磨中に被研磨面に発生する研磨傷および砥粒の凝集といった観点より、平均粒度分布の標準偏差が10nm以下であることが好ましく、5nm以下であることがより好ましい。
平均粒度分布の標準偏差の測定は、粒度分布計(例えば、堀場製作所製の商品名:LB−500)で測定して求めることができる。
これら砥粒は、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
砥粒の含有量は、CMP用研磨液全量を100質量部としたとき、好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.02〜30質量部、特に好ましくは0.05〜20質量部である。前記砥粒の含有量が0.01質量部以上で用いるとバリア層、キャップ層に対する研磨速度が低下することもなく、また50質量部以下で用いれば研磨キズが多く発生することもない。
本発明のCMP用研磨液は、酸化金属溶解剤を含有してなる。
酸化金属溶解剤としては、特に制限はないが、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩、無機酸、無機酸のアンモニウム塩等が挙げられる。具体的には例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;これらの有機酸エステル及びこれら有機酸のアンモニウム塩;塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;これら無機酸のアンモニウム塩類、例えば過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、クロム酸;等が挙げられる。
これらの中では、実用的な研磨速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で、ギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、アジピン酸等が好ましい。これら酸化金属溶解剤は、1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
酸化金属溶解剤の含有量は、CMP用研磨液全量を100質量部としたとき、好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.002〜10質量部、特に好ましくは0.005〜5質量部である。前記酸化金属溶解剤の含有量が0.001質量部以上で用いると、導電性物質層及びバリア層の研磨速度が低くなることもなく、また20質量部以下で用いればエッチングの抑制が容易で被研磨面に荒れが生じにくい傾向がある。
本発明のCMP用研磨液は、金属の酸化剤を含有してなる。
金属の酸化剤としては、特に制限はないが、例えば、過酸化水素、ペルオキソ硫酸塩、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。これら酸化剤は1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
適用対象の基板が集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属等による汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が望ましい。但し、オゾン水は組成の経時的変化が激しいので過酸化水素が最も適している。なお、適用対象の基板が半導体素子を含まないガラス基板等である場合は不揮発成分を含む酸化剤であっても差し支えない。
金属の酸化剤の含有量は、CMP用研磨液全量を100質量部としたとき、好ましくは0.01〜50質量部、より好ましくは0.02〜30質量部、特に好ましくは0.05〜15質量部である。前記金属の酸化剤の含有量が0.01質量部以上であると、導電性物質層およびバリア層の酸化が不十分で研磨速度が低くなることもなく、また50質量部以下であれば、被研磨面に荒れが生じにくい傾向がある。
本発明のCMP用研磨液は、配線部用金属(導電性物質層)のエッチングの抑制を目的として金属防食剤を含有することができる。
金属防食剤としては、特に制限はないが、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾ−ル等のチアゾール骨格を有する化合物;1,2,3−トリアゾ−ル、1,2,4−トリアゾ−ル、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾ−ル、ベンゾトリアゾ−ル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾ−ル、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾ−ル、4−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾ−ル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾ−ルメチルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾ−ルブチルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾ−ルオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾ−ル、(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)(2−エチルヘキシル)アミン、トリルトリアゾ−ル、ナフトトリアゾ−ル、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸等のトリアゾール骨格を有する化合物;が挙げられる。
また、ピリミジン骨格を有するピリミジン、1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、1,3,4,6,7,8−ヘキサハイドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン、1,3−ジフェニル−ピリミジン−2,4,6−トリオン、1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジンサルフェイト、2,4,5−トリハイドロキシピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4,6−トリクロロピリミジン、2,4,6−トリメトキシピリミジン、2,4,6−トリフェニルピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシルピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、2−アセトアミドピリミジン、2−アミノピリミジン、2−メチル−5,7−ジフェニル−(1,2,4)トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−(1,2,4)トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−4,7−ジヒドロ−(1,2,4)トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン等のピリミジン骨格を有する化合物が挙げられる。
また、テトラゾール骨格を有するテトラゾール、5−メチルテトラゾール、5−アミノテトラゾール、1−(2−ジメチルアミノエチル)−5−メルカプトテトラゾール等のテトラゾール骨格を有する化合物が挙げられる。これらは1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
イミダゾール骨格を有するイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−アミノイミダゾール等のイミダゾール骨格を有する化合物が挙げられる。
ピラゾール骨格を有するピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3―アミノ−5−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、3−アミノ−5−ヒドロキシピラゾール等のピラゾール骨格を有する化合物が挙げられる。
金属防食剤の含有量は、CMP用研磨液全量を100質量部としたとき、好ましくは0.001〜10質量部、より好ましくは0.005〜5質量部、特に好ましくは0.01〜2質量部である。前記金属防食剤の含有量が0.001質量部以上であると、配線部用金属(導電性物質層)のエッチングの抑制が容易で被研磨面に荒れが生じにくい傾向がある。また、10質量部以下であると配線部用金属及びバリア層用金属の研磨速度が低下しにくい傾向がある。
本発明のCMP用研磨液は、エロージョン及びシームの抑制や、平坦性向上等の効果を得るために水溶性ポリマーを含有することができる。
水溶性ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは1500以上、特に好ましくは5000以上である。前記水溶性ポリマーの重量平均分子量の上限は特に制限はないが、溶解度の観点から500万以下が好ましい。前記水溶性ポリマーの重量平均分子量が500以上であると高い研磨速度を発現する。前記水溶性ポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
前記水溶性ポリマーとしては、特に制限はなく、例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロ−ス、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー等が挙げられる。これら水溶性ポリマーは1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
但し、本発明のCMP用研磨液を適用する基板が半導体集積回路用シリコン基板等の場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくない。
このため、前記水溶性ポリマーは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物を含まないものが好ましく、例えば、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリルアミド、ペクチン酸、寒天、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、これらのエステル及びこれらのアンモニウム塩等が特に好ましい。但し、基板がガラス基板等である場合はその限りではない。
水溶性ポリマーの含有量は、CMP用研磨液全量を100質量部としたとき、好ましくは0.001〜15質量部、より好ましくは0.005〜10質量部、特に好ましくは0.01〜5質量部である。前記水溶性ポリマーの含有量が0.001質量部以上であると、水溶性ポリマーを添加した効果が得られやすく、15質量部以下であると、CMP用研磨液に含まれる砥粒の安定性の低下を防ぐことができる傾向がある。
本発明のCMP用研磨液は水に対して溶解しづらい成分を溶解させたり、また研磨液の被研磨面への濡れ性を向上させたりする目的で、有機溶媒を含有することができる。有機溶媒としては特に制限はないが、水と任意で混合できるものが好ましい。
有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル類;ブチロラクトン、プロピロラクトン等のラクトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類;グリコール類の誘導体として、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルやエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルやエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルやエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルやエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテルやエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテル類等;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;その他、フェノール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、n−メチルピロリドン、酢酸エチル、乳酸エチル、スルホラン類等が挙げられる。
これらのなかでも、グリコールモノエーテル類、アルコール類、炭酸エステル類が好ましい。
これら有機溶媒は、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
有機溶媒の含有量は、CMP用研磨液全量を100質量部としたとき、好ましくは0.1〜95質量部、より好ましくは0.2〜50質量部、特に好ましくは0.5〜10質量部である。前記有機溶媒の含有量が0.1質量部以上であると、研磨液の基板に対する濡れ性が充分得られる傾向がある。
なお、CMP用研磨液における水の配合量は残部でよく、含有されていれば特に制限はない。
本発明のCMP用研磨液は、半導体デバイスにおける配線層の形成に適用できる。
例えば導電性物質層と、バリア層と、キャップ層と、low−k膜とのCMPに使用することができる。同一条件下のCMPにおいて導電性物質層/バリア層/キャップ層/low−k膜の研磨速度比は、(0.1〜2)/1/(0.1〜5)/(0.01〜0.5)で研磨されるのが好ましい。なお、low−k膜に対するキャップ層の研磨速度比は10倍以上であることがより好ましい。
本発明のCMP用研磨液を用いれば、上記研磨速度比とすることができる。
研磨速度比の確認方法は、本発明においては下記の研磨条件により、対象となる被研磨面を上記研磨条件で60秒間化学機械研磨を行い、下記の洗浄条件で基板を洗浄した後、研磨前後での膜厚差を、例えば、大日本スクリーン製造株式会社製の膜厚測定装置(製品名:ラムダエース、VL−M8000LS)を用いて測定することで研磨速度比を算出する。
[研磨条件]
研磨装置:片面金属膜用研磨機(アプライドマテリアルズ社製、MIRRA)
研磨布:発泡ポリウレタン樹脂製研磨布
定盤回転数:93回/分
ヘッド回転数:87回/分
研磨圧力:10kPa
研磨液の供給量:200ml/分
[基板の洗浄条件]
研磨した基板の被研磨面にスポンジブラシ(ポリビニルアルコール系樹脂製)を押し付け、蒸留水を基板に供給しながら基板とスポンジブラシを回転させ、60秒間洗浄する。
次にスポンジブラシを取り除き、基板の被研磨面に蒸留水を60秒間供給する。最後に基板を高速で回転させて蒸留水を弾き飛ばして基板を乾燥する。
層間絶縁膜としては、キャップ層とlow−k膜がある。キャップ層としては、二酸化珪素等の酸化物が挙げられる。low−k膜としては、シリコン系被膜そして有機ポリマー膜が挙げられる。
low−k膜としてのシリコン系被膜は、シリコン酸化膜、フルオロシリケートグラス、トリメチルシランやジメトキシジメチルシランを出発原料として得られるオルガノシリケートグラス、ポーラスオルガノシリケートグラス等のシリカ系被膜が挙げられる。
また、low−k膜としての有機ポリマー膜としては、全芳香族系低誘電率層間絶縁膜が挙げられる。なおこれらは、配線遅延を解消する点より、誘電率が2.9以下であることが好ましい。
これらの中でも特に、フルオロシリケートグラス、オルガノシリケートグラス、ポーラスオルガノシリケートグラス等が、low−k膜として用いられる。これらの膜は、CVD法、スピンコート法、ディップコート法又はスプレー法によって成膜される。
層間絶縁膜の具体例としては、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁膜等が挙げられる。
導電性物質層の材料としては、銅、銅合金、銅の酸化物又は銅合金の酸化物、タングステン、タングステン合金、銀、金等の金属が主成分の物質が挙げられ、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物等の銅が主成分であるのが好ましい。導電性物質層として公知のスパッタ法、メッキ法により前記物質を成膜した膜を使用できる。
バリア層としては、層間絶縁膜中への導電性物質が拡散するのを防止するため及び層間絶縁膜と導電性物質層との密着性向上のために形成される。
バリア層の組成は、タングステン、窒化タングステン、タングステン合金等のタングステン化合物、チタン、窒化チタン、チタン合金等のチタン化合物、タンタル、窒化タンタル、タンタル合金等のタンタル化合物、ルテニウム、ルテニウム化合物から選ばれるのが好ましい。バリア層は、これらの1種からなる単層構造であっても、2種以上からなる積層構造であってもよい。
研磨する装置としては、例えば研磨布により研磨する場合、研磨される基板を保持できるホルダと、回転数が変更可能なモータ等と接続し、研磨布を貼り付けた研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用でき、特に制限はない。
研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200min−1以下の低回転が好ましい。被研磨面を有する半導体基板の研磨布への押し付け圧力は、1〜100kPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、5〜50kPaであることがより好ましい。
研磨している間、研磨布には本発明のCMP用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量には特に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
研磨布の表面状態を常に同一にして化学機械研磨を行うために、研磨の前に研磨布のコンディショニング工程を入れるのが好ましい。例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて少なくとも水を含む液で研磨布のコンディショニングを行う。続いて本発明の研磨方法を実施し、さらに、基板洗浄工程を加えるのが好ましい。
以下、本発明の研磨方法の実施態様を、半導体デバイスにおける配線層の形成に沿って説明する。
まず、シリコンの基板上にオルガノシリケートグラス等のlow−k膜を層間絶縁膜として成膜した後、その上部に二酸化ケイ素等のキャップ膜を積層し層間絶縁膜を形成する。
次いで、レジスト層形成、エッチング等の公知の手段によって、層間絶縁膜表面に所定パターンの凹部(基板露出部)を形成して、凸部と凹部とを有する層間絶縁膜とする。この層間絶縁膜上に、表面の凸凹に沿って層間絶縁膜を被覆するタンタル等のバリア層を蒸着又はCVD等により成膜する。
さらに、前記凹部を充填するようにバリア層を被覆する銅等の導電性物質層を蒸着、めっき又はCVD等により形成する。基板上に形成された層間絶縁膜の厚さは0.01〜2.0μm程度、バリア層の厚さは0.01〜2.5μm程度、導電性物質層の厚さは0.01〜2.5μm程度が好ましい。
次に、この基板の表面の導電性物質層を、例えば、前記導電性物質層/バリア層の研磨速度比が十分大きい前記導電性物質用の研磨液を用いて、CMPにより研磨する(第1の研磨工程)。これにより、基板上の凸部のバリア層が表面に露出し、凹部に前記導電性物質層が残された所望の導体パターンが得られる。前記導電性物質層/バリア層の研磨速度比が十分大きい前記導電性物質用の研磨液としては、例えば、特許第3337464号公報に記載の研磨液を用いることができる。
この研磨が進行する際に、導電性物質層と同時に凸部のバリア層の一部が研磨されてもよい。第1の研磨工程により得られたパターン面を、第2の研磨工程用の被研磨面として、本発明のCMP用研磨液を用いて研磨することができる。
第2の研磨工程では、前記基板を研磨布の上に押圧した状態で前記研磨布と基板の間に本発明のCMP用研磨液を供給しながら研磨定盤と前記基板とを相対的に動かすことにより、前記第1の研磨工程により露出したバリア層を研磨する。
本発明のCMP用研磨液は、導電性物質層、バリア層及びキャップ層並びにlow−k膜を研磨でき、第2の研磨工程では、少なくとも、前記露出しているバリア層を研磨する。
凸部バリア層の下のキャップ層が除去され、low−k膜が全て露出し、凹部に配線層となる前記導電性物質層が残され、凸部と凹部との境界にバリア層の断面が露出した所望のパターンが得られた時点で研磨を終了する。
研磨終了時のより優れた平坦性を確保するために、さらに、オーバー研磨(例えば、第2の研磨工程で所望のパターンを得られるまでの時間が100秒の場合、この100秒の研磨に加えて50秒追加して研磨することをオーバー研磨50%という。)して凸部のlow−k膜の一部を含む深さまで研磨しても良い。
このようにして形成された金属配線の上に、キャップ層を含む層間絶縁膜及び第2層目の金属配線を形成した後、研磨して半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の配線層数を有する半導体デバイスを製造することができる。
本発明のCMP用研磨液は、上記のような半導体基板に形成された金属膜の研磨だけでなく、磁気ヘッド等の基板を研磨するためにも使用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。例えば、研磨液の材料の種類やその配合比率は、本実施例記載の種類や比率以外でも差し支えなく、研磨対象の組成や構造も、本実施例記載以外の組成や構造でも差し支えない。
(実施例1)
[CMP用研磨液(I)の作製]
ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド0.1質量部、平均粒径60nmのコロイダルシリカ4.0質量部、マロン酸0.5質量部、30%過酸化水素水0.2質量部、5−アミノテトラゾール0.2質量部、ポリアクリル酸(重量平均分子量60000)0.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル3.0質量部及び水91.9質量部を攪拌・混合し、CMP用研磨液(I)を作製した。
(実施例2〜8)
[CMP用研磨液(II)〜(VIII)の作製]
表1に示す各成分を混合し、実施例1と同様に操作してCMP用研磨液(II)〜(VIII)を作製した。
(比較例1)
[CMP用研磨液(IX)の作製]
平均粒径60nmのコロイダルシリカ4.0質量部、マロン酸0.5質量部、30%過酸化水素水0.2質量部、5−アミノテトラゾール0.2質量部、ポリアクリル酸(重量平均分子量60000)0.1質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル3.0質量部及び水92.0質量部を攪拌・混合し、CMP用研磨液(IX)を作製した。
(比較例2〜6)
[CMP用研磨液(X)〜(XIV)の作製]
表2に示す各成分を混合し、比較例1と同様に操作してCMP用研磨液(X)〜(XIV)を作製した。
[CMP用研磨液(I)〜(XIV)の評価]
以下の項目により、CMP用研磨液(I)〜(XIV)の評価を行った。(ブランケットウエハの研磨評価および発泡性評価)
以下の基板を用意した。
ブランケット基板(a):CVD法でオルガノシリケートグラス(厚さ:1000nm)を形成したシリコン基板。
ブランケット基板(b):CVD法で二酸化珪素(厚さ:1000nm)を形成したシリコン基板。
ブランケット基板(c):スパッタ法で窒化タンタル(厚さ:200nm)を形成したシリコン基板。
[研磨条件]
研磨装置:片面金属膜用研磨機(アプライドマテリアルズ社製、MIRRA)
研磨布:発泡ポリウレタン樹脂製研磨布
定盤回転数:93回/分
ヘッド回転数:87回/分
研磨圧力:14kPa
研磨液の供給量:200ml/分
(基板の研磨工程)
上記パターン基板をCMP用研磨液(I)〜(XIV)で、上記研磨条件で60秒間化学機械研磨した。
(基板の洗浄工程)
上記で研磨した基板の被研磨面にスポンジブラシ(ポリビニルアルコール系樹脂製)を押し付け、蒸留水を基板に供給しながら基板とスポンジブラシを回転させ、60秒間洗浄した。
次にスポンジブラシを取り除き、基板の被研磨面に蒸留水を60秒間供給した。最後に基板を高速で回転させて蒸留水を弾き飛ばして基板を乾燥した。
(評価項目)
研磨速度と研磨液の発泡性について下記のように評価した。
研磨速度:上記条件で研磨及び洗浄した(a)及び(b)のブランケット基板の研磨速度を、研磨前後での膜厚差を大日本スクリーン製造株式会社製、膜厚測定装置(製品名:ラムダエース、VL−M8000LS)を用いて測定し求めた。また、研磨及び洗浄した(c)のブランケット基板の研磨速度を、研磨前後での膜厚差を日立国際電気株式会社製、金属膜厚測定装置(製品名:VR−120/08S)を用いて測定し求めた。その結果を表1及び表2に示す。
研磨液の発泡性:上記の作製方法で配合した各CMP用研磨液(I)〜(XIV)を、2000ml蓋付透明ポリ容器に500g取分け、本ポリ容器を2分間激しく振とうした。その後、定めた時間静置し、本ポリ容器内の発泡状態を確認した。発泡性については、振とう直後から、泡が消失して振とう前の状態に戻るまでの時間を調べた。その結果を表1及び表2に示す。
Figure 2009278061
Figure 2009278061
表1に示されるように、第四級アンモニウム塩が、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクチルアンモニウムブロミドを配合した実施例1〜8のCMP用研磨液では、オルガノシリケートグラスの研磨速度が100Å/分未満であり、且つ二酸化珪素研磨速度/オルガノシリケートグラス研磨速度として計算できる研磨速度比率が10倍以上であることがわかる。また、中でも第四級アンモニウム塩のアルキル基の炭素数が8以下であると、研磨液の発泡を抑制したまま研磨特性を向上させることができることがわかる。
これに対し、表2に示されるように、第四級アンモニウム塩を配合していない比較例1及び2のCMP用研磨液では、オルガノシリケートグラスの研磨速度が100Å/分以上であり、且つ上記研磨速度比率が10倍未満となりオルガノシリケートグラスの研磨速度の抑制が見られない。第四級アンモニウム塩の置換基が全てメチル基のテトラメチルアンモニウムクロリドである比較例3及び比較例4のCMP用研磨液では、オルガノシリケートグラスの研磨速度の抑制が見られず、且つ二酸化ケイ素の研磨速度が低いため研磨速度比率が10倍未満であった。同様の評価結果が、第四級アンモニウム塩の代わりに硫酸アンモニウムを添加した比較例5及び比較例6のCMP用研磨液でも見られた。
このように本発明のCMP用研磨液では、微細金属配線の形成が必要不可欠である高性能半導体デバイス製造において、短絡、断線、歩留まり、信頼性の低下等の不具合を抑制できることが明らかである。
より詳しくは、層間絶縁膜としてlow−k膜とキャップ層を有し、キャップ層の上にバリア層が形成される基板を研磨する研磨方法において、本発明のCMP用研磨液は、バリア金属に対する良好な研磨速度を維持しつつ、二酸化珪素に対する高い研磨速度と、low−k膜に対する低い研磨速度を達成できることが明らかである。
一般的なダマシンプロセスによる配線形成の断面模式図を示す。 層間絶縁膜にlow−k膜及びキャップ層を用いた配線形成の断面模式図を示す。
符号の説明
1 層間絶縁膜
2 バリア層
3 配線部用金属
5 Si基板
6 low−k膜
7 キャップ層

Claims (18)

  1. 砥粒、酸化金属溶解剤、酸化剤、水及び第4級アンモニウム塩を含有する、pHが4以下のCMP用研磨液であって、
    前記砥粒は、前記CMP用研磨液中において正のゼータ電位を有し、且つ
    前記第4級アンモニウム塩は、下記一般式(1)で表されるものであるCMP用研磨液。
    Figure 2009278061
    (式(1)中、Rは、置換基を有していても良い炭素原子数4以上のアルキル基を表し、R〜Rは、各々独立に、水素原子又は置換基を有しても良いアルキル基を表し、Xは陰イオンを表す。)
  2. 前記第4級アンモニウム塩が、ヘキシルトリメチルアンモニウム塩、オクチルトリメチルアンモニウム塩、デシルトリメチルアンモニウム塩、ドデシルトリメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載のCMP用研磨液。
  3. 前記第4級アンモニウム塩の含有量が、CMP用研磨液100質量部に対して0.0001〜1質量部である請求項1又は2記載のCMP用研磨液。
  4. 前記砥粒が、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア又はこれらの変性物から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  5. 前記酸化金属溶解剤が、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩、無機酸及び無機酸のアンモニウム塩から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  6. 前記金属の酸化剤が、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及びオゾン水から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  7. 金属防食剤を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  8. 前記金属防食剤が、イミダゾール骨格を有する化合物、トリアゾール骨格を有する化合物、テトラゾール骨格を有する化合物、ピラゾール骨格を有する化合物、ピリミジン骨格を有する化合物から選ばれる少なくとも1種である請求項7記載のCMP用研磨液。
  9. 水溶性ポリマーを含有してなる請求項1〜8のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  10. 前記水溶性ポリマーが、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、多糖類及びビニル系ポリマーから選ばれる少なくとも1種である請求項9記載のCMP用研磨液。
  11. 有機溶媒を含有してなる請求項1〜10のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  12. 前記有機溶媒が、グリコール類、エーテル類、アルコール類、エステル類、ケトン類、フェノール類、アミド類、スルホラン類から選ばれる少なくとも1種である請求項11記載のCMP用研磨液。
  13. 前記CMP用研磨液は、第1の研磨工程及び第2の研磨工程を有する研磨方法における前記第2の研磨工程に用いられるものであり、
    前記第1の研磨工程は、表面に凹部及び凸部を有する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、少なくとも前記凹部を充填してバリア層を被覆する導電性物質層と、を有する基板の前記導電性物質層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる工程であり、
    前記第2の研磨工程は、前記第1の研磨工程で露出したバリア層を研磨して前記凸部の層間絶縁膜を露出させる工程であり、
    前記層間絶縁膜が、low−k膜と、該low−k膜をキャップしたキャップ層とを有し、前記low−k膜が、誘電率2.9以下のシリコン系被膜又は有機ポリマー膜である請求項1〜12のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  14. 第1の研磨工程及び第2の研磨工程を有することを特徴とする研磨方法であって、
    前記第1の研磨工程は、表面に凹部及び凸部を有する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜を表面に沿って被覆するバリア層と、少なくとも前記凹部を充填してバリア層を被覆する導電性物質層と、を有する基板の前記導電性物質層を研磨して前記凸部のバリア層を露出させる工程であり、
    前記第2の研磨工程は、前記第1の研磨工程で露出したバリア層を、請求項1〜13のいずれか一項に記載のCMP用研磨液を用いて研磨して、前記凸部の層間絶縁膜を露出させる工程である、
    研磨方法。
  15. 前記層間絶縁膜が、low−k膜と、該low−k膜をキャップしたキャップ層とを有し、前記low−k膜が、誘電率2.9以下のシリコン系被膜又は有機ポリマー膜である請求項14に記載の研磨方法。
  16. 前記low−k膜に対する前記キャップ層の研磨速度比が10倍以上である請求項15に記載の研磨方法。
  17. 前記導電性物質層が、銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種の導電性物質を含む請求項14〜16のいずれか一項に記載の研磨方法。
  18. 前記バリア層が、タンタル、タンタル化合物、チタン、チタン化合物、タングステン、タングステン化合物、ルテニウム及びルテニウム化合物から選ばれる少なくとも1種を含む請求項14〜17のいずれか一項に記載の研磨方法。
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