JP6459275B2 - Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法 - Google Patents

Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、ルテニウム系金属を研磨するためのCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing。以下「CMP」という。)法はその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁材料の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成等において頻繁に利用される技術である。
近年、LSIを高集積化、高性能化するために、ダマシン配線を形成するダマシン法が主に採用されている。図1を用いてダマシン法の一例を説明する。まず、絶縁材料1の表面に溝部(凹部)2を形成する(図1(a)、(b))。次に、配線金属3を堆積して溝部2を埋め込む(図1(c))。このとき、図1(c)に示すように、絶縁材料1の凹凸の影響により、配線金属3の表面には凹凸が形成される。最後に、溝部2に埋め込まれた部分以外の配線金属3をCMPにより除去する(図1(d))。
前記配線金属(配線部用金属)としては、銅系金属(銅、銅合金等)が用いられることが多い。銅系金属は、絶縁材料中へ拡散することがある。これを防止するため、銅系金属と絶縁材料との間に層状のバリア金属が設けられる。前記バリア金属としては、タンタル系金属及びチタン系金属等が用いられる。しかしながら、これらバリア金属は、銅系金属との密着性が低い。そのため、バリア金属の上に配線部を直接形成するのではなく、銅系金属とバリア金属の密着性を保つため、シード層と呼ばれる銅系金属の薄膜(銅シード層)を設けた後に銅系金属を堆積することが一般的である。すなわち、図2に示すように、表面に凹部を有する絶縁材料1と、絶縁材料1の表面形状に追従するように絶縁材料1の上に設けられたバリア金属4と、バリア金属4の形状に追従するようにバリア金属4の上に設けられたシード層5と、凹部を埋込み且つ表面全体を被覆するようにシード層5の上に設けられた配線金属3と、を有する基板(基体)が用いられる。
バリア金属4及びシード層5の形成には、物理気相成長法(Physical Vapor Deposition。以下「PVD法」という。)が用いられる場合がある。しかしながら、PVD法では、図3(a)に示すように、絶縁材料1に形成された溝部(凹部)の開口部近傍において、PVD法によって溝部の内壁面に形成された金属(バリア金属又はシード層)6の厚みが部分的に厚くなる傾向がある。この場合、配線の微細化が進むにつれ、図3(b)に示すように、溝部の内壁面に設けられた金属同士が接触することにより空孔(ボイド)7の発生が顕著になる。
この問題の解決手段として、銅系金属との密着性に優れるルテニウム系金属を用いる手法が検討されている。すなわち、ルテニウム系金属を銅系金属に代わるシード層として用いる手法、又は、銅系金属を用いたシード層とバリア金属との間にルテニウム系金属を設ける手法が提案されている。ルテニウム系金属は、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition。以下「CVD法」という。)又は原子層堆積法(Atomic Layer Deposition。以下「ALD法」という。)により形成できる。CVD法又はALD法では、空孔の発生を抑制し易く、微細配線の形成に対応可能である。
ルテニウム系金属を用いる場合、ダマシン配線を形成する過程においてCMPによってルテニウム系金属の一部が除去される必要がある。これに対し、貴金属を研磨する方法がいくつか提案されている。例えば、研磨粒子と、ジケトン、複素環化合物、尿素化合物及び両イオン性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の添加剤と、を含む研磨液を用いて、プラチナ、イリジウム、ルテニウム、レニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、金等の貴金属を研磨する方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。また、研磨材と、液体キャリヤと、スルホン酸化合物又はその塩とを含む化学機械的研磨系を用いて貴金属を研磨する方法が提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。
米国特許第6527622号 特表2006−519490号公報 国際公開第2009/054370
しかしながら、従来の銅系金属用のCMP用研磨液及びバリア金属用のCMP用研磨液では、当該CMP用研磨液がルテニウム系金属の除去に特化したものでないため、ルテニウム系金属に対して充分な研磨速度は得られていない。また、前記特許文献3には、酸化剤と、研磨粒子と、水と、グアニジン構造を有する化合物とを含有してなる、ルテニウムを含有する層を有する基板を研磨するためのCMP用研磨液が記載されているが、CMP用研磨液に対しては、従来に比して、ルテニウム系金属の研磨速度を向上させることが望まれている。
本発明は、従来のCMP用研磨液を用いた場合と比較してルテニウム系金属の研磨速度を向上させることができるCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法を提供する。
本発明者は、鋭意検討した結果、過酸化水素である第一の金属酸化剤と、第二の金属酸化剤(但し、過酸化水素を除く)と、酸化金属溶解剤と、砥粒と、水と、を含有し、第二の金属酸化剤が、水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有し、酸化還元電位が標準水素電極に対して0.68〜3.10Vであり、CMP用研磨液のpHが2.5以上7.0未満であり、砥粒の含有量が、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して0.1質量部以上である、CMP用研磨液を用いることにより、従来のCMP用研磨液を用いた場合と比較してルテニウム系金属の研磨速度を向上させることができることを見出した。
すなわち、本発明に係るCMP用研磨液は、ルテニウム系金属を研磨するためのCMP用研磨液であって、過酸化水素と、金属酸化剤(但し、過酸化水素を除く)と、酸化金属溶解剤と、砥粒と、水と、を含有し、前記金属酸化剤が、水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有し、前記酸化還元電位が標準水素電極に対して0.68〜3.10Vであり、前記CMP用研磨液のpHが2.5以上7.0未満であり、前記砥粒の含有量が、前記砥粒の含有量及び前記水の含有量の合計100質量部に対して0.10質量部以上である。
本発明に係るCMP用研磨液によれば、従来のCMP用研磨液を用いた場合と比較してルテニウム系金属の研磨速度を向上させることができる。
本発明者は、本発明に係るCMP用研磨液によってルテニウム系金属を高研磨速度でCMP研磨除去できる理由について以下のように推測している。
すなわち、本発明者は、pH領域が酸性領域であるCMP用研磨液に着目した上で、砥粒の含有量が砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して0.10質量部以上である場合にルテニウム系金属を高研磨速度で研磨除去することに有効であることを見出した。
次いで、本発明者は、酸性領域にてルテニウム系金属を酸化させることができる金属酸化剤について探索した結果、少なくとも二種の金属酸化剤を用いることに着想した上で、第一の金属酸化剤として過酸化水素を用いると共に、第二の金属酸化剤が、2.5以上7.0未満のpH領域においてルテニウム系金属を酸化することができる、すなわち、このようなpH領域において、第二の金属酸化剤が、水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有し且つルテニウム系金属の酸化還元電位(標準水素電極に対して0.68V)より高い酸化還元電位を有することが有効であることを見出した。第一の金属酸化剤である過酸化水素と、水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有する第二の金属酸化剤が、CMP用研磨液中に共存することにより、ルテニウムが酸化される際の酸化触媒作用が発現するものと推測される。
更に、本発明者は、前記金属酸化剤で酸化されたルテニウム系金属との間で錯体を形成しうる酸化金属溶解剤をCMP用研磨液が含有することにより、ルテニウム系金属を高速に研磨除去できることを見出した。
以上のように、本発明に係るCMP用研磨液では、過酸化水素と、金属酸化剤(但し、過酸化水素を除く)と、酸化金属溶解剤と、砥粒と、水と、を含有し、金属酸化剤が、水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有し、酸化還元電位が標準水素電極に対して0.68〜3.10Vであり、CMP用研磨液のpHが2.5以上7.0未満であり、砥粒の含有量が、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して0.10質量部以上であることで、ルテニウム系金属を高研磨速度で研磨除去することができる。
ルテニウム系金属は、ルテニウム、ルテニウム合金及びルテニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
金属酸化剤は、硝酸、臭素酸、硫酸、ペルオキソ二硫酸、次亜塩素酸、過マンガン酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。これにより、ルテニウム系金属の研磨速度を更に向上させることができる。
金属酸化剤は、硝酸アンモニウム、臭素酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム及び過ヨウ素酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。これにより、ルテニウム系金属の研磨速度を更に向上させることができる。
前記過酸化水素の含有量及び前記金属酸化剤の含有量の合計は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して0.01〜25.00質量部であることが好ましい。これにより、ルテニウム系金属の研磨速度を更に向上させることができると共に、被研磨面に荒れが生じることを抑制することができる。
酸化金属溶解剤は、有機酸を含むことが好ましい。これにより、金属のエッチングを容易に抑制することができる。
本発明者は、金属防食剤が、前記金属酸化剤で酸化されたルテニウム系金属との間で錯体を形成しうる効果があり、金属防食剤を用いることによりルテニウム系金属を更に高速に研磨除去できることを見出した。本発明に係るCMP用研磨液は、金属防食剤を更に含有することができる。これにより、ルテニウム系金属の研磨速度を更に向上させることができる。また、CMP用研磨液が金属防食剤を含有することにより、研磨対象である基体が半導体基板である場合において、バリア金属と同時に研磨除去される導電性物質が腐食されてしまうことを抑制できる。
金属防食剤は、イミダゾール骨格を有する化合物、トリアゾール骨格を有する化合物、テトラゾール骨格を有する化合物、ピラゾール骨格を有する化合物、及び、ピリミジン骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、ルテニウム系金属の研磨速度を更に向上させることができる。
本発明に係るCMP用研磨液は、有機溶媒を更に含有することができる。これにより、ルテニウム系金属の研磨速度を更に向上させることができる。
本発明に係る研磨方法は、表面に隆起部及び溝部を有する層間絶縁膜と、当該層間絶縁膜の表面に追従して設けられたバリア層と、当該バリア層を被覆するように設けられた導電性物質層と、を有する基板における導電性物質層を研磨して層間絶縁膜の隆起部上に位置するバリア層を露出させる第1の研磨工程と、第1の研磨工程により露出したバリア層を上述したCMP用研磨液を用いて研磨して層間絶縁膜の隆起部を露出させる第2の研磨工程と、を備える。
層間絶縁膜は、シリコン系化合物及び有機ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
導電性物質層は、銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
バリア層は、ルテニウム、ルテニウム合金及びルテニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明によれば、従来のCMP用研磨液を用いた場合と比較して、少なくともルテニウム系金属の研磨速度を向上させることができる。また、本発明によれば、ルテニウム系金属を含むバリア層を有する基体の研磨への、前記CMP用研磨液の応用(使用)を提供できる。
図1は、ダマシン配線を形成するダマシン法を示す断面模式図である。 図2は、銅系金属及びバリア金属の間にシード層が設けられている基板を示す断面模式図である。 図3は、PVD法により形成された金属の状態を示す断面模式図である。 図4は、銅シード層に代えてルテニウム系金属が設けられている基板を示す断面模式図である。 図5は、銅シード層及びバリア金属の間にルテニウム系金属が設けられている基板を示す断面模式図である。 図6は、CMP用研磨液を用いて期待を研磨する工程を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<CMP用研磨液>
本実施形態に係るCMP用研磨液は、ルテニウム系金属を研磨するためのCMP用研磨液である。本実施形態に係るCMP用研磨液は、過酸化水素と、金属酸化剤(但し、過酸化水素を除く)と、酸化金属溶解剤と、砥粒と、水と、を少なくとも含有する。本実施形態に係るCMP用研磨液の前記金属酸化剤(但し、過酸化水素を除く)は、水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有し、その酸化還元電位は、標準水素電極に対して0.68〜3.10Vである。本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは2.5以上7.0未満である。本実施形態に係るCMP用研磨液において、砥粒の含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して0.10質量部以上である。
[CMP用研磨液のpH]
本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは、ルテニウム系金属の研磨速度が高速化する観点から、2.5以上7.0未満である。本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは、ルテニウム系金属の研磨速度が更に高速化する観点から、2.5〜6.0であることが好ましい。また、本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは、砥粒の分散性も考慮すると、2.5〜4.5であることがより好ましく、2.5〜4.0であることが更に好ましい。付加的効果として、バリア金属の研磨速度と比較して導電性物質(例えば銅及び銅合金等の金属)のエッチング速度を抑制するためには、pH2.5以上7.0未満の範囲では、pH2.5未満の領域よりも優れた特性が得られる。また、pHが7.0以上の領域では、エッチング作用の抑制には非常に有効であるが、実用的なルテニウム系金属の研磨速度が得られない。pHが7.0より大きいと、金属酸化剤の分解が促進され、一次酸化層よりも研磨されにくい二次酸化層がルテニウム系金属の表面に形成されるために研磨速度が低下し易い。pHは液温25℃におけるpHと定義する。
本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは、酸化金属溶解剤の含有量で調整することができる。詳しくは、後述する酸化金属溶解剤の説明において記述する。
本実施形態においてCMP用研磨液のpHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製の型番:PH81)で測定することができる。CMP用研磨液のpHとしては、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.01(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃)及びホウ酸塩pH緩衝液pH9.12(25℃))を用いて、3点校正した後、電極をCMP用研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を採用することができる。
以下、CMP用研磨液の構成成分等について説明する。
[酸化金属溶解剤]
本実施形態に係るCMP用研磨液は、酸化金属溶解剤を含有する。酸化金属溶解剤としては、有機酸、有機酸エステル、有機酸のアンモニウム塩、無機酸、無機酸のアンモニウム塩等の化合物(金属防食剤に該当する化合物、及び、金属酸化剤に該当する化合物を除く)が挙げられ、水溶性であれば特に制限はない。酸化金属溶解剤としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、乳酸、キナルジン酸等の有機酸;これらの有機酸エステル;前記有機酸のアンモニウム塩;塩酸、クロム酸等の無機酸;塩化アンモニウム、重クロム酸アンモニウム、二クロム酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩などが挙げられる。これらの中では、金属のエッチングが抑制され易い観点から、有機酸が好ましく、有機酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、リンゴ酸、マロン酸、マレイン酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、キナルジン酸、酪酸及び吉草酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの酸化金属溶解剤は、1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは2.5以上7.0未満である必要があり、酸化金属溶解剤の含有量を調整することで所望のpHとすることができる。また、本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは、水酸化カリウムを添加することによっても調整可能である。更に、アミノ酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ成分の添加でもpHを調整可能である。
酸化金属溶解剤の含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、好ましくは0.001〜20質量部、より好ましくは0.002〜10質量部、更に好ましくは0.002〜5質量部である。酸化金属溶解剤の含有量が0.001質量部以上であると、導電性物質及びバリア金属の研磨速度の低下が抑制され易い傾向があり、20質量部以下であると、エッチングの抑制が容易となり被研磨面に荒れが生じることが抑制される傾向がある。
[砥粒]
本実施形態に係るCMP用研磨液は砥粒を含有する。また、その砥粒表面は、バリア金属の研磨速度の更なる高速化の観点から、正のゼータ電位(正電荷)を有していることが好ましく、+5mV以上のゼータ電位を有していることがより好ましく、+10mV以上のゼータ電位を有していることが更に好ましく、+20mV以上のゼータ電位を有していることが特に好ましい。なお、砥粒のゼータ電位は、一般に市販されている正電荷を有する砥粒を使用することで容易に調整することができる。
なお、本実施形態に係るCMP用研磨液のようにpHが酸性領域である場合、このようなCMP用研磨液中においてコロイダルシリカ粒子は、+20mV以上のゼータ電位を有する傾向がある。このように砥粒が+20mV以上のゼータ電位を有する場合、研磨砥粒の凝集を抑制することが可能であり、CMP用研磨液中によく分散させることができる。
CMP用研磨液中での砥粒のゼータ電位の測定には、例えば、スペクトリス株式会社製、商品名:Zetasizer 3000 HSを使用できる。より具体的には、CMP用研磨液をZetasizer 3000 HSの推奨される散乱光量となるように水で希釈して、室温(25℃)にて測定する。
砥粒は、特に制限はないが、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア及びこれらの変性物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
上記変性物は、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア等の砥粒粒子の表面をアルキル基で変性したものである。
砥粒粒子の表面をアルキル基で変性する方法は、特に制限はないが、例えば、砥粒粒子の表面に存在する水酸基と、アルキル基を有するアルコキシシランとを反応させる方法が挙げられる。
本実施形態に係るCMP用研磨液は、平均粒子径が10〜100nmである砥粒を含有することが好ましく、平均粒子径が10〜100nmであり且つコロイダルシリカを含む砥粒を含有することがより好ましい。また、本実施形態に係るCMP用研磨液は、平均粒子径が25〜80nmである砥粒を含有することが好ましく、平均粒子径が25〜80nmであり且つコロイダルシリカを含む砥粒を含有することがより好ましい。平均粒子径が10nm以上であれば、バリア金属の研磨速度が低くなることを抑制可能であり、100nm以下であれば、CMP用研磨液中での砥粒の分散安定性が低下することが抑制できる。
ここで、前記平均粒子径とは、例えば、下記の方法により測定することができる。すなわち、適量のCMP用研磨液を量り取り、動的光散乱方式粒度分布計が必要とする散乱光強度の範囲に入るように必要に応じて水で希釈して測定サンプルを調製する。次に、この測定サンプルを動的光散乱方式粒度分布計に投入して測定を行い、D50として得られる値を平均粒子径とする。このような機能を有する動的光散乱方式の粒度分布計としては、例えば、BECKMAN COULTER社製、商品名:N5型が挙げられる。また、粒度分布測定結果のD50の値をCMP用研磨液中の砥粒の平均粒子径(以下、平均粒子径という。)とすることができる。
これら砥粒は、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。砥粒の含有量は、ルテニウム系金属の研磨速度の低下を抑制する観点から、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、0.10質量部以上である。砥粒の含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、0.20質量部以上がより好ましく、0.50質量部以上が更に好ましい。砥粒の含有量は、研磨キズの発生が抑制され易い傾向がある観点から、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、50.00質量部以下が好ましく、40.00質量部以下がより好ましく、25.00質量部以下が更に好ましい。
[金属防食剤]
本実施形態に係るCMP用研磨液は、金属防食剤を含有していてもよい。金属防食剤としては、金属表面に対して保護膜を形成する作用を有する物質であれば特に制限はないが、効果を発揮するために有効な量の水溶性を有していれば、従来公知の物質を特に制限なく使用することができる。これらは1種類単独で、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。具体的には、アントラニル酸、サリチルアルドキシム、イミダゾール骨格を有する化合物(以下「イミダゾール化合物」と表記する)、トリアゾール骨格を有する化合物(以下「トリアゾール化合物」と表記する)、テトラゾール骨格を有する化合物(以下「テトラゾール化合物」と表記する)、ピラゾール骨格を有する化合物(以下「ピラゾール化合物」と表記する)、ピリミジン骨格を有する化合物(以下「ピリミジン化合物」と表記する)等が挙げられ、中でも、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、ピラゾール化合物及びピリミジン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、トリアゾール化合物がより好ましい。
イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−アミノイミダゾール等が挙げられる。
トリアゾール化合物としては、1,2,3−トリアゾール;1,2,4−トリアゾール;3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、1−アセチル−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン、1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン−3(2H)−オン、3H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−オール等のトリアゾール誘導体;ベンゾトリアゾール;1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールメチルエステル、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、[1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル][1,2,4−トリアゾリル−1−メチル][2−エチルヘキシル]アミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、3−アミノトリアゾール等のベンゾトリアゾール誘導体などが挙げられ、中でも、ベンゾトリアゾール及びベンゾトリアゾール誘導体が好ましい。
テトラゾール化合物としては、1H−テトラゾール、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、1−(2−ジアミノエチル)−5−メルカプトテトラゾール等が挙げられる。
ピラゾール化合物としては、3,5−ジメチルピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、4−メチルピラゾール、3−アミノ−5−ヒドロキシピラゾール等が挙げられる。
ピリミジン化合物としては、ピリミジン、1,2,4−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、1,3,4,6,7,8−ヘキサハイドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン、1,3−ジフェニル−ピリミジン−2,4,6−トリオン、1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジンサルフェイト、2,4,5−トリハイドロキシピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4,6−トリクロロピリミジン、2,4,6−トリメトキシピリミジン、2,4,6−トリフェニルピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシルピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、2−アセトアミドピリミジン、2−アミノピリミジン、2−メチル−5,7−ジフェニル−(1,2,4)トリアゾロ(1,5−a)ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−(1,2,4)トリアゾロ(1,5−a)ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−4,7−ジヒドロ−(1,2,4)トリアゾロ(1,5−a)ピリミジン、4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン等が挙げられる。
金属防食剤の含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、好ましくは0.001〜10.00質量部、より好ましくは0.005〜5.00質量部、更に好ましくは0.01〜2.00質量部である。前記金属防食剤の含有量が0.001質量部以上であれば、導電性物質(例えば配線部用金属)のエッチング抑制が容易となり、被研磨面に荒れが生じることが抑制される傾向があり、10.00質量部以下であると、導電性物質(例えば配線部用金属)及びバリア金属の研磨速度の低下が抑制され易い傾向がある。
[金属酸化剤]
本実施形態に係るCMP用研磨液は、第一の金属酸化剤と、第二の金属酸化剤とを含有する。第一の金属酸化剤は、過酸化水素であり、第二の金属酸化剤は、過酸化水素と異なる金属酸化剤である。第二の金属酸化剤は、水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有している。前記酸化還元電位は、ルテニウム系金属の研磨速度を向上させる観点から、標準水素電極(NHE)に対して0.68〜3.10Vである。前記酸化還元電位は、ルテニウム系金属の研磨速度を更に向上させる観点から、0.80〜2.30Vが好ましく、0.84〜2.00Vがより好ましい。
第二の金属酸化剤としては、特に制限はないが、硝酸、臭素酸、硫酸、ペルオキソ二硫酸、次亜塩素酸、過マンガン酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、過塩素酸及びこれらの塩;オゾン水等が挙げられる。前記塩としては、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられる。具体的には例えば、硝酸アンモニウム、臭素酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過ヨウ素酸カリウム等が挙げられる。第二の金属酸化剤としては、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
なお、CMP用研磨液を調製する際の材料として、研磨液中で分解等により、第一の金属酸化剤である過酸化水素と、第二の金属酸化剤に分かれるものを用いることができる。このような金属酸化剤としては、例えば、ペルオキソ二硫酸が挙げられる。ペルオキソ二硫酸と水とが共存すると、ペルオキソ二硫酸は、第一の金属酸化剤である過酸化水素と、第二の金属酸化剤としての硫酸に加水分解する。したがって、CMP用研磨液の材料としてペルオキソ二硫酸を用いることにより、調製し作製したCMP用研磨液は、第一の金属酸化剤である過酸化水素と、第二の金属酸化剤とを含有することになる。
第一の金属酸化剤の含有量は下記の範囲が好ましい。第一の金属酸化剤の含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、好ましくは0.005〜5.00質量部、より好ましくは0.01〜4.00質量部、更に好ましくは0.015〜2.00質量部である。第一の金属酸化剤の含有量が0.005質量部以上であると、金属の酸化が充分でありルテニウム系金属の研磨速度が更に向上する傾向があり、5.00質量部以下であると、被研磨面に荒れが生じることが抑制される傾向がある。また、CMP用研磨液を調製する際の第一の金属酸化剤の配合量が前記範囲であることが好ましい。
第二の金属酸化剤の含有量は下記の範囲が好ましい。第二の金属酸化剤の含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜25.00質量部、より好ましくは0.02〜20.00質量部、更に好ましくは0.05〜15.00質量部である。第二の金属酸化剤の含有量が0.01質量部以上であると、金属の酸化が充分でありルテニウム系金属の研磨速度が更に向上する傾向があり、25.00質量部以下であると、被研磨面に荒れが生じることが抑制される傾向がある。また、CMP用研磨液を調製する際の第二の金属酸化剤の配合量が前記範囲であることが好ましい。
金属酸化剤の含有量(第一の金属酸化剤の含有量、及び、第二の金属酸化剤の含有量の合計)は下記の範囲が好ましい。金属酸化剤の含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜25.00質量部、より好ましくは0.02〜20.00質量部、更に好ましくは0.05〜15.00質量部である。金属酸化剤の含有量が0.01質量部以上であると、金属の酸化が充分でありルテニウム系金属の研磨速度が更に向上する傾向があり、25.00質量部以下であると、被研磨面に荒れが生じることが抑制される傾向がある。また、CMP用研磨液を調製する際の金属酸化剤の配合量が前記範囲であることが好ましい。
[水溶性ポリマー]
本実施形態に係るCMP用研磨液は、水溶性ポリマーを更に含有することができる。水溶性ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500以上、より好ましくは1500以上、更に好ましくは5000以上である。水溶性ポリマーの重量平均分子量の上限は特に制限はないが、溶解度に優れる観点から、500万以下が好ましい。水溶性ポリマーの重量平均分子量が500以上であると、ルテニウム系金属の更に高い研磨速度が得られる傾向がある。水溶性ポリマーの重量平均分子量は、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができる。
(GPC条件)
試料:10μl
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(分子量:190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所製、RI−モニター、商品名:L−3000
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名:D−2200
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名:L−6000
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名:Shodex DEGAS
カラム:日立化成株式会社製、商品名:GL−R440、GL−R430、GL−R420をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75ml/min
測定時間:45min
水溶性ポリマーとしては、特に制限されず、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸の塩、ポリカルボン酸エステル、多糖類及びビニル系ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。水溶性ポリマーとしては、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸;ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩等のポリカルボン酸の塩;ポリアスパラギン酸エステル、ポリグルタミン酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアミド酸エステル、ポリマレイン酸エステル、ポリフマル酸エステル、ポリアクリル酸エステル等のポリカルボン酸エステル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロ−ス、寒天、カ−ドラン及びプルラン等の多糖類;ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマーなどが挙げられる。これら水溶性ポリマーは、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
水溶性ポリマーの含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、好ましくは0.001〜15.00質量部、より好ましくは0.002〜10.00質量部、更に好ましくは0.005〜5.00質量部である。水溶性ポリマーの含有量が0.001質量部以上であると、被研磨面に荒れが生じることが抑制される傾向があり、15.00質量部以下であると、CMP用研磨液に含まれる砥粒の安定性が向上する傾向がある。
[有機溶媒]
本実施形態に係るCMP用研磨液は、有機溶媒を更に含有することができる。有機溶媒としては特に制限はないが、水と任意に混合できるものが好ましい。
有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の炭酸エステル類;ブチロラクトン、プロピロラクトン等のラクトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルやエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルやエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテルやエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルやエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテルやエチレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジプロピルエーテルやエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のグリコールジエーテル類等のグリコール類の誘導体;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレンオキサイド、エチレングリコールモノメチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコール)、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;フェノール等のフェノール類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;スルホラン等のスルホラン類;n−メチルピロリドン;乳酸エチルなどが挙げられる。これらの中でも、炭酸エステル類、ラクトン類、グリコール類及びその誘導体、エーテル類、アルコール類、ケトン類、フェノール類、アミド類並びにスルホラン類からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、グリコールモノエーテル類、アルコール類、炭酸エステル類がより好ましい。これら有機溶媒は、1種類単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。
有機溶媒の含有量は、砥粒の含有量及び水の含有量の合計100質量部に対して、好ましくは0.10〜50.00質量部、より好ましくは0.20〜30.00質量部、更に好ましくは0.50〜10.00質量部である。有機溶媒の含有量が0.10質量部以上であると、研磨液の基板に対する濡れ性が低くなることが抑制される傾向があり、50.00質量部以下であると、分散性が低下することが抑制される傾向がある。
本実施形態に係る研磨液は、砥粒と、第一の金属酸化剤と、第二の金属酸化剤と、酸化金属溶解剤と、水とを少なくとも含む一液式研磨液として保存してもよく、スラリ(第一の液)と添加液(第二の液)とを混合して前記研磨液となるように前記研磨液の構成成分をスラリと添加液とに分けた複数液式(例えば二液式)の研磨液セットとして保存してもよい。スラリは、例えば、砥粒及び水を少なくとも含む。添加液は、例えば、第二の金属酸化剤及び水を少なくとも含む。第一の金属酸化剤、第二の金属酸化剤、その他の添加剤は、スラリ及び添加液のうち添加液に含まれることが好ましい。なお、前記研磨液の構成成分は、三液以上に分けた研磨液セットとして保存してもよい。例えば、砥粒及び水を少なくとも含むスラリと、前記第一の金属酸化剤を含む第一の添加液と、前記第二の金属酸化剤を含む第二の添加液と、を含む三液の研磨液セットとして保存してもよい。また、前記第二の金属酸化剤は、水に溶解させず固体として混合して研磨液としてもよい。例えば、前記ペルオキソ二硫酸アンモニウムのように、水中で過酸化水素と第二の金属酸化剤に分離する化合物の場合は、固体として添加することが好ましい。
前記研磨液セットにおいては、研磨直前又は研磨時に、スラリ及び添加液が混合されて研磨液が作製される。また、一液式研磨液は、水の含有量を減じた研磨液用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に水で希釈して用いられてもよい。複数液式の研磨液セットは、水の含有量を減じたスラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に水で希釈して用いられてもよい。
<研磨方法>
本実施形態に係るCMP用研磨液は、半導体デバイスにおける配線層の形成に適用できる。本実施形態に係るCMP用研磨液は、例えば導電性物質と、バリア金属と、層間絶縁材料とを有する基体(例えば基板)のCMPに使用することができる。導電性物質、バリア金属及び層間絶縁材料の形状は、例えば、層状又は膜状(例えば導電性物質層、バリア層及び層間絶縁膜)である。同一条件下のCMPにおいて導電性物質/バリア金属/層間絶縁材料の研磨速度比は、0.1〜1/1/0.1〜1が好ましい。
層間絶縁材料の構成材料としては、例えば、シリコン系化合物及び有機ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。シリコン系化合物としては、二酸化ケイ素、フルオロシリケートグラス、トリメチルシランやジメトキシジメチルシランを出発原料として得られるオルガノシリケートグラス、シリコンオキシナイトライド、水素化シルセスキオキサン等のシリカ系化合物や、シリコンカーバイド、シリコンナイトライドなどが挙げられる。また、有機ポリマーとしては、全芳香族系低誘電率層間絶縁材料等が挙げられる。これらの中でも特に、二酸化ケイ素が好ましい。これらの材料(例えば膜)は、CVD法、スピンコート法、ディップコート法又はスプレー法によって形成(例えば成膜)することができる。層間絶縁材料の具体例としては、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁材料等が挙げられる。
導電性物質の構成材料としては、銅、銅合金、銅の酸化物又は銅合金の酸化物、タングステン、タングステン合金、銀、金等の金属が主成分の物質が挙げられ、銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物等の銅が主成分である物質が好ましい。導電性物質としては、公知のスパッタ法、メッキ法により形成した前記物質(例えば膜)を使用できる。
バリア金属は、層間絶縁材料中へ導電性物質の構成材料が拡散することを防止するため、及び、層間絶縁材料と導電性物質との密着性向上のために形成される。バリア金属としては、タングステン、タングステン合金、タングステン化合物(例えば窒化タングステン)等のタングステン系金属;チタン、チタン合金、チタン化合物(例えば窒化チタン)等のチタン系金属;タンタル、タンタル合金、タンタル化合物(例えば窒化タンタル)等のタンタル系金属;ルテニウム、ルテニウム合金、ルテニウム化合物(例えば窒化ルテニウム)等のルテニウム系金属;コバルト、コバルト合金、コバルト化合物(例えば窒化コバルト)等のコバルト系金属;マンガン、マンガン合金、マンガン化合物(例えば窒化マンガン)等のマンガン系金属などが好ましく、タンタル系金属、コバルト系金属及びルテニウム系金属がより好ましく、ルテニウム系金属が更に好ましい。バリア金属は、これらの1種からなる単層構造であってもよく、2種以上の層からなる積層構造であってもよい。なお、「合金」との記載は、例えばその金属含量が50質量%を超えるものをいう。
研磨装置としては、例えば、研磨布により研磨する場合、研磨される基板を保持できるホルダと、回転数が変更可能なモータ等と接続され且つ研磨布を貼り付け可能な研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、特に制限はなく、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用できる。
研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は、基板が飛び出さないように200min−1以下の低回転が好ましい。被研磨面を有する半導体基板の研磨布への押し付け圧力は、1〜100kPaであることが好ましく、研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、2〜50kPaであることがより好ましい。研磨している間、研磨布には本実施形態に係るCMP用研磨液をポンプ等で連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。また、市販の洗浄液を基板表面に流しつつ、ポリウレタンでできたブラシを回転させながら、一定の圧力で押し付け基板上の付着物を除去する、公知の洗浄方法を用いた後に乾燥させることがより好ましい。
研磨布の表面状態を常に同一にして化学機械研磨を行うために、研磨の前に研磨布のコンディショニング工程を入れることが好ましい。例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて、少なくとも水を含む液で研磨布のコンディショニングを行う。続いて、本実施形態に係る研磨方法を実施し、更に、基板洗浄工程を加えることが好ましい。
本実施形態に係る研磨方法は、例えば、表面に凸部(隆起部)及び凹部(溝部)を有する層間絶縁材料(例えば層間絶縁膜)と、当該層間絶縁材料の表面に追従して設けられたバリア金属(例えばバリア層)と、当該バリア金属を被覆するように設けられた導電性物質(例えば導電性物質層)とを有する基板における導電性物質を研磨して層間絶縁材料の凸部上に位置するバリア金属を露出させる第1の研磨工程と、第1の研磨工程により露出したバリア金属を本実施形態に係るCMP用研磨液を用いて研磨して層間絶縁材料の凸部を露出させる第2の研磨工程とを備える。導電性物質は、層間絶縁材料の凹部に充填されるようにしてバリア金属を被覆していてもよい。
本実施形態に係る研磨方法は、上記バリア金属を研磨する第2の研磨工程において好適に用いることが可能であり、金属配線部におけるシームの発生を抑制することができる。
次に、基体が半導体基板である場合を例示して、本実施形態に係る研磨方法を場合により図面を参照しながら更に詳細に説明する。基体が半導体基板である場合においてルテニウム系金属が用いられる例としては、ダマシン配線の形成工程等が挙げられる。
例えば、図4に示すように、銅シード層に代わるシード層としてルテニウム系金属を含むバリア層を用いる手法が挙げられる。図4において、符号11は層間絶縁膜、符号12は第1のバリア層、符号13は第2のバリア層、符号14は導電性物質層である。バリア層13は、ルテニウム系金属を含む。図4に示される半導体基板は、例えば、層間絶縁膜11の表面に溝部(凹部)を形成し、層間絶縁膜11の表面の形状に追従するようにバリア層12を層間絶縁膜11上に形成し、次いで、バリア層12の形状に追従するようにバリア層13をバリア層12上に形成し、最後に、凹部を埋め込み且つ表面全体を被覆するように導電性物質層14をバリア層13上に形成することで得られる。バリア層を形成する方法としては、PVD法以外の方法が好ましく、CVD法及びALD法からなる群より選択される少なくとも1種の方法がより好ましく、CVD法が更に好ましい。これにより、微細配線(例えば配線幅15nm以下)を形成する場合に、配線部分に空孔が生じることを更に抑制できると共に、本実施形態に係るCMP用研磨液を用いて研磨したときに良好な研磨速度でバリア層を除去し易くなる。
また、図5に示すように、配線金属を用いたシード層15と、バリア層12との間にバリア層13を設ける手法が挙げられる。すなわち、図4におけるバリア層13の形成後に、配線金属を用いてシード層15を形成する工程を加えることで、図5に示す構造の半導体基板が得られる。
本実施形態に係るCMP用研磨液を用いて基体を研磨する工程を、図6を用いて説明する。図6において、符号11は層間絶縁膜、符号12は第1のバリア層、符号13は第2のバリア層、符号14は導電性物質層である。バリア層13は、ルテニウム系金属を含む。図6(a)は、基板の研磨前の状態を示す断面図であり、図6(b)は、第1の研磨工程後における基板の状態を示す断面図であり、図6(c)は、第2の研磨工程後における基板の状態を示す断面図である。
まず、導電性物質層14を、導電性物質用のCMP用研磨液を用いて研磨して、層間絶縁膜11の凸部上に存在するバリア層13を露出させ、図6(b)に示す構造の基板を得る(第1の研磨工程)。次いで、層間絶縁膜11の凸部上に存在するバリア層13及びバリア層12、並びに、層間絶縁膜11の凹部内に存在する導電性物質層14の一部を研磨して、層間絶縁膜11の凸部を露出させ、図6(c)に示す基板を得る(第2の研磨工程)。この2つの研磨工程のうち、少なくとも第2の研磨工程で本実施形態に係るCMP用研磨液が用いられることが好ましい。また、平坦性を向上させるため、第2の研磨工程において、層間絶縁膜11が露出した後、所定時間研磨を続行(オーバー研磨)してもよい。
以下、半導体デバイスにおける配線層の形成を一例として本実施形態に係る研磨方法を更に説明する。
まず、シリコン基板上に二酸化ケイ素等の層間絶縁膜を積層する。次いで、レジスト層形成、エッチング等の公知の手段によって、層間絶縁膜の表面に所定パターンの凹部(基板露出部)を形成して、凸部と凹部とを有する層間絶縁膜とする。タンタル等を含むバリア層を蒸着又はCVD等により層間絶縁膜上に成膜し、表面の凸凹に沿って層間絶縁膜を被覆するバリア層を得る。更に、前記凹部を充填してバリア層を被覆するように、銅等を含む導電性物質層を蒸着、めっき又はCVD等により形成する。このようにして得られた基板において、層間絶縁膜の厚さは0.01〜2.0μm程度が好ましく、バリア層の厚さは0.001〜0.1μm程度が好ましく、導電性物質層の厚さは0.01〜3.0μm程度が好ましい。
次に、例えば、導電性物質層/バリア層の研磨速度比が充分大きい導電性物質用の研磨液を用いて、この基板の表面の導電性物質層をCMPにより研磨する(第1の研磨工程)。これにより、層間絶縁膜の凸部上に位置するバリア層が表面に露出し、凹部に導電性物質層が残された所望の導体パターンが得られる。この研磨が進行する際に、層間絶縁膜の凸部上に位置するバリア層の一部が導電性物質層と同時に研磨されてもよい。第1の研磨工程により得られたパターン面は、第2の研磨工程の被研磨面として、本実施形態に係るCMP用研磨液を用いて研磨することができる。
第2の研磨工程では、得られた基板の被研磨面を研磨布に押圧した状態で研磨布と被研磨面の間に本実施形態に係るCMP用研磨液を供給しながら研磨定盤と基板とを相対的に動かすことにより、第1の研磨工程により露出したバリア層を研磨する。本実施形態に係るCMP用研磨液は、導電性物質層、バリア層及び層間絶縁膜を研磨可能であるが、第2の研磨工程では、露出しているバリア層を少なくとも研磨する。
バリア層に被覆されていた層間絶縁膜の凸部が全て露出し、配線層(金属配線部)となる導電性物質層が凹部に残され、凸部と凹部との境界にバリア層の断面が露出した所望のパターンが得られた時点で研磨を終了する。
研磨終了時に更に優れた平坦性を確保するために、更に、オーバー研磨して、層間絶縁膜の凸部の一部を含む深さまで研磨してもよい。例えば、第2の研磨工程で所望のパターンを得られるまでの時間が100秒の場合、この100秒の研磨に加えて50秒追加して研磨することをオーバー研磨50%という。
このようにして形成された金属配線の上に、更に、層間絶縁膜及び第2層目の金属配線を形成し、その配線間及び配線上に再度層間絶縁膜を形成後、研磨して半導体基板全面に亘って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の配線層数を有する半導体デバイスを製造することができる。
本実施形態に係るCMP用研磨液は、上記のような半導体基板に形成された金属膜の研磨だけでなく、磁気ヘッド等の基板を研磨するためにも使用することができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。例えば、研磨液の材料の種類やその配合比率は、本実施例記載の種類や比率以外でも差し支えなく、研磨対象の組成や構造も、本実施例記載の組成や構造以外でも差し支えない。
[CMP用研磨液の作製]
(実施例1)
臭素酸カリウム0.10質量部、30質量%過酸化水素水0.20質量部(過酸化水素として0.06質量部)、グリコール酸0.40質量部、平均粒子径が60nmであり且つ約+20mVのゼータ電位を有する市販のコロイダルシリカ5.00質量部、ベンゾトリアゾール0.20質量部、3−メチル−3−メトキシブタノール0.80質量部、及び、水95.00質量部を秤量、混合、撹拌し、CMP用研磨液1を作製した。
(実施例2〜12)
表1に示す各成分を秤量、混合、攪拌し、実施例1と同様に操作してCMP用研磨液2〜12を作製した。
(実施例13〜21)
表2に示す各成分を秤量、混合、攪拌し、実施例1と同様に操作してCMP用研磨液13〜21を作製した。
(比較例1)
硝酸0.10質量部、30質量%過酸化水素水0.20質量部(過酸化水素として0.06質量部)、グリコール酸0.40質量部、平均粒子径が60nmであり且つ約+20mVのゼータ電位を有する市販のコロイダルシリカ5.00質量部、ベンゾトリアゾール0.20質量部、3−メチル−3−メトキシブタノール0.80質量部、及び、水95.00質量部を秤量、混合、撹拌し、CMP用研磨液22を作製した。
(比較例2〜7)
表3に示す各成分を秤量、混合、攪拌し、比較例1と同様に操作してCMP用研磨液23〜28を作製した。
(比較例8及び9)
表4に示す各成分を秤量、混合、撹拌し、比較例1と同様に操作してCMP用研磨液29及び30を作製した。
(実施例22〜30)
表5に示す各成分を秤量、混合、攪拌し、実施例1と同様に操作してCMP用研磨液31〜39を作製した。
(比較例10及び11)
表6に示す各成分を秤量、混合、攪拌し、比較例1と同様に操作してCMP用研磨液40及び41を作製した。
(実施例31〜38)
表6及び表7に示す各成分を秤量、混合、攪拌し、実施例1と同様に操作してCMP用研磨液42〜49を作製した。
(比較例12)
表7に示す各成分を秤量、混合、攪拌し、比較例1と同様に操作してCMP用研磨液50を作製した。
[CMP用研磨液の評価]
(pHの評価)
横河電機株式会社製、商品名:PH81を用いてCMP用研磨液1〜50におけるpHを測定した。標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.01(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃)及びホウ酸塩pH緩衝液pH9.12(25℃))を用いて、3点校正した後、電極をCMP用研磨液に入れ、2分以上経過して安定した後の値(25℃)をCMP用研磨液のpHとした。
(ゼータ電位の評価)
スペクトリス株式会社製、商品名:Zetasizer 3000 HSを用いてCMP用研磨液1〜50における砥粒のゼータ電位を測定した。その結果、CMP用研磨液23、24、26及び28におけるゼータ電位が+10mV未満を示したのに対して、CMP用研磨液1〜22、25、27及び29〜50におけるゼータ電位は+20mV以上を示した。
(平均粒子径の評価)
前記CMP用研磨液を0.2g量り取り、99.8gの水で希釈(500倍希釈)して測定サンプルを調製した。次に、この測定サンプルを動的光散乱方式粒度分布計(BECKMAN COULTER社製、商品名:COULTER N5型)に投入して測定を行い、D50として得られる値を平均粒子径として得た。その結果、CMP用研磨液23、24、26及び28における平均粒子径が100nmを超えていたのに対して、CMP用研磨液1〜22、25、27及び29〜50における平均粒子径は10〜100nmであった。
[研磨特性の評価]
(ブランケット基板の作製)
以下の基板を20mm×20mmの小片に劈開し、下記の研磨に使用した。
ルテニウムブランケット基板:CVD法でルテニウム膜(厚さ:約90Å)を形成したシリコン基板。
(基板の研磨工程)
前記CMP用研磨液を用いて前記ブランケット基板を下記研磨条件で60秒間化学機械研磨した。
{研磨条件}
研磨装置:株式会社ナノファクター製、商品名:FACT−200
研磨パッド:ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズCMP社製、商品名:VP−3200
定盤回転数:80min−1
研磨圧力:10kPa
研磨液の供給量:8ml/min
(ルテニウム研磨速度の評価)
上記条件で研磨したルテニウムブランケット基板の研磨速度を、研磨前後のルテニウム膜の膜厚の差から求めた。ルテニウム膜の膜厚は、4探針式抵抗測定器を使用して求めたシート抵抗の値から換算して求めた。結果を表1〜7に示す。
CMP用研磨液の配合組成及び各測定結果を表1〜7に示す。なお、表1、2、5、6において、「*」を付した実施例及び比較例のCMP用研磨液は、ペルオキソ二硫酸が分解して生成した過酸化水素及び硫酸を別途含有している。
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表1、2、5〜7に示すように、CMP用研磨液が第一の金属酸化剤(過酸化水素)と第二の金属酸化剤とを含有し、第二の金属酸化剤が水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有し、当該酸化還元電位の標準水素電極に対する酸化還元電位が0.68〜3.10Vであり、砥粒の含有量が、前記砥粒の含有量及び前記水の含有量の合計100質量部に対して0.1質量部以上であり、更に、pHが2.50以上7.00未満であると、ルテニウム研磨速度は5Å/min以上と高研磨速度になっていることがわかる。
これに対し、表3、4、6、7に示すように、比較例では、ルテニウム研磨速度が5Å/min未満であり、ルテニウム系金属を研磨するためのCMP用研磨液としては適さないことがわかる。また、表3の比較例2、3、5及び7では、CMP用研磨液のpHが2.0未満であることによりCMP用研磨液のゼータ電位が+10mV以下となり、このことにより研磨砥粒が凝集し易く、実用上の保管安定性に適さないことが確認されている。
本発明によれば、半導体デバイスの配線形成工程において、バリア層に用いられるバリア金属の高い研磨速度を実現することができる。
1…絶縁材料、2…溝部(凹部)、3…配線金属、4…バリア金属、5,15…シード層、6…金属(バリア金属又はシード層)、7…空孔(ボイド)、11…層間絶縁膜、12…第1のバリア層、13…第2のバリア層、14…導電性物質層。

Claims (11)

  1. ルテニウム系金属を研磨するためのCMP用研磨液であって、
    過酸化水素と、金属酸化剤(但し、過酸化水素を除く)と、酸化金属溶解剤と、砥粒と、水と、を含有し、
    前記金属酸化剤が、硝酸アンモニウム、臭素酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム及び過ヨウ素酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記金属酸化剤が、水素イオンの授受を伴う酸化還元電位を有し、
    前記酸化還元電位が標準水素電極に対して0.68〜3.10Vであり、
    前記CMP用研磨液のpHが2.5以上7.0未満であり、
    前記砥粒の含有量が、前記砥粒の含有量及び前記水の含有量の合計100質量部に対して0.10質量部以上であり、
    前記砥粒の平均粒子径が10〜100nmである、CMP用研磨液。
  2. 前記ルテニウム系金属が、ルテニウム、ルテニウム合金及びルテニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載のCMP用研磨液。
  3. 前記過酸化水素の含有量及び前記金属酸化剤の含有量の合計が、前記砥粒の含有量及び前記水の含有量の合計100質量部に対して0.01〜25.00質量部である、請求項1又は2に記載のCMP用研磨液。
  4. 前記酸化金属溶解剤が、有機酸を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  5. 金属防食剤を更に含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  6. 前記金属防食剤が、イミダゾール骨格を有する化合物、トリアゾール骨格を有する化合物、テトラゾール骨格を有する化合物、ピラゾール骨格を有する化合物、及び、ピリミジン骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項に記載のCMP用研磨液。
  7. 有機溶媒を更に含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  8. 表面に隆起部及び溝部を有する層間絶縁膜と、当該層間絶縁膜の前記表面に追従して設けられたバリア層と、当該バリア層を被覆するように設けられた導電性物質層と、を有する基板における前記導電性物質層を研磨して前記層間絶縁膜の前記隆起部上に位置する前記バリア層を露出させる第1の研磨工程と、
    前記第1の研磨工程により露出した前記バリア層を請求項1〜のいずれか一項に記載のCMP用研磨液を用いて研磨して前記層間絶縁膜の前記隆起部を露出させる第2の研磨工程と、を備える、研磨方法。
  9. 前記層間絶縁膜が、シリコン系化合物及び有機ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項に記載の研磨方法。
  10. 前記導電性物質層が、銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項又はに記載の研磨方法。
  11. 前記バリア層が、ルテニウム、ルテニウム合金及びルテニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項10のいずれか一項に記載の研磨方法。
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