JP2012156564A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】RC−IGBT素子を備え、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することのできる半導体装置を提供する。
【解決手段】一方向に沿って並設された複数のベース領域11は、メイン領域30だけでなく、半導体基板10の第1主面側表層の外周領域50まで延びている。ベース領域11は、外周領域50に、複数のベース領域11の外周端24aから所定の領域であって最も近いチャネル22までの間に位置し、エミッタ電極と電気的に接続された第8領域としての端部領域24を含んでいる。半導体基板10における第1主面側表層において、外周端24aから最も近いチャネル22までの間の領域が第9領域としてのFWD領域19cとなっている。そして、FWD領域19cにおける一方向に沿う幅L3が、第4領域としてのFWD領域19aにおける一方向に沿う幅の1/2よりも長くなっている。
【選択図】図10

Description

本発明は、縦型のIGBT素子と、該IGBT素子に逆並列に接続された縦型の還流ダイオード素子とが、同一の半導体基板に構成された半導体装置に関する。
従来、例えば特許文献1,2に示されるように、縦型の還流ダイオード素子(以下、単にFWD素子と示す)と縦型のIGBT素子とが同一の半導体基板に構成された、すなわちFWD素子がIGBT素子に内蔵された逆導通型半導体素子(RC−IGBT素子)が提案されている。
このRC−IGBT素子は、FWD素子のアノード電極とIGBT素子のエミッタ電極が共通電極とされ、FWD素子のカソード電極とIGBT素子のコレクタ電極とが共通電極とされており、例えばインバータ回路に組み入れられ、負荷をPWM制御するものとして知られている。
特開2005−57235号公報 特開2008−53648号公報
ところで、RC−IGBT素子をインバータ回路に組み入れた場合、IGBT素子のゲート電極に入力される駆動信号は、原則上下アームに位相反転した信号となる。したがって、誘導性負荷の場合(負荷にインダクタンス成分がある場合)、FWD素子がフリーホイール動作するタイミングでも、IGBT素子のゲート電極に駆動信号が入力される。すなわち、同一の半導体基板に構成されたFWD素子とIGBT素子の動作が同時に起こる。また、IGBT素子を完全にオンさせるには、通常、ゲート電極に閾値電圧の2〜3倍で、定格ゲート・エミッタ間電圧以下の電圧、一般に15V程度、を印加する。すなわち、インバータ回路に組み入れたRC−IGBT素子では、ゲート電圧15V程度が印加された状態(IGBT素子の動作状態)で、FWD素子を動作させる必要がある。
一方、RC−IGBT素子では、特許文献1(例えば図28参照)及び特許文献2(例えば図16参照)に示されるように、コレクタ領域とカソード領域、換言すればIGBT素子の領域(以下、単にIGBT領域と示す)とFWD素子の領域(以下、単にFWD領域と示す)とを、半導体基板の厚さ方向に垂直な一方向(以下、単に一方向と示す)において交互に設けることで、IGBT素子及びFWD素子が動作するときに、それぞれ均一に動作させる(電流分布を均一として電流集中を抑制する)ことができる。また、上記一方向において、各FWD領域の幅を狭くするほど、順方向動作時の電流分布を均一化させ、FWD素子の性能を向上することができる。
そこで、本発明者は、一方向においてIGBT領域とFWD領域とを交互に設けた上記構成について、デバイスシミュレーションを用いてさらに精査した。その結果、ゲート電圧を15V程度とすると、FWD領域の幅によってはFWD素子が順方向動作しにくくなり、特に順方向電圧Vfが、順方向電流Ifの小電流域において局所的に大きくなる(スナップバックを生じる)ことを新たに見出した。このスナップバックは、低温側ほど顕著であった。このように、順方向電圧Vfとしてスパイク様のスナップバックを生じると、回路が誤動作する恐れが生じる。また、スナップバックの分、順方向電圧Vfが大きくなり、ひいてはDC損失が増加することとなる。
本発明は上記問題点に鑑み、IGBT素子とFWD素子とを同一の半導体基板に備える構成において、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することのできる半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1に記載の半導体装置は、第1主面及び第2主面を有する第1導電型の半導体基板に、ゲート電極を第1主面側に有する縦型のIGBT素子と、該IGBT素子に逆並列に接続された縦型の還流ダイオード素子(以下、FWD素子と示す)と、が構成されている。半導体基板は、IGBT素子及びFWD素子が構成されたメイン領域と、該半導体基板の厚さ方向に垂直な方向においてメイン領域を取り囲む環状の外周領域を有している。半導体基板の第1主面側表層におけるメイン領域全域には、第2導電型の複数のベース領域が一方向に沿って並設されており、並設されたベース領域の端部(一方向の端部又は一方向と厚さ方向に垂直な方向の端部)は、外周領域に位置している。また、複数のベース領域のうち、メイン領域内における少なくとも一部の表層には、IGBT素子を構成する、半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の複数の第1領域が選択的に設けられている。また、ベース領域の少なくとも一部及び第1領域と電気的に接続された第1電極が設けられている。一方、半導体基板の第2主面側表層には、IGBT素子を構成する第2導電型の第2領域、及び、FWD素子を構成する、半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の第3領域が、一方向において互いに隣接しつつ交互に設けられている。第1主面側表層に第1領域が設けられたベース領域には、IGBT素子のオン動作時に、第1領域に隣接して第1導電型のチャネルが選択的に設けられる。ベース領域は、外周領域に、ベース領域の端部から所定の領域であって最も近いチャネルまでの間に位置し、第1電極と電気的に接続された第8領域を含み、半導体基板の第2主面側表層における外周領域には、第8領域に対応して、第3領域が設けられている。そして、半導体基板における第1主面側表層において、1つのチャネルから一方向にて隣り合うチャネルまでの領域のうち、第3領域に対向するとともに、第1電極と電気的に接続されたベース領域を少なくとも1つ含む領域が第4領域とされるとともに、第8領域を含み、外周領域に位置するベース領域の端部から、一方向又は一方向と厚さ方向とに垂直な方向において最も近いチャネルまでの間の領域が第9領域とされ、第9領域におけるベース領域の端部から最も近いチャネルまでの幅が、第4領域における一方向に沿う幅の1/2よりも長いことを特徴とする。
特に、請求項2に記載のように、複数のベース領域の端部は、一方向において外周領域に位置しており、第8領域は、一方向において、並設された複数のベース領域の端部から所定の領域であって最も近いチャネルまでの間に位置しており、第9領域は、半導体基板における第1主面側表層において、並設された複数のベース領域の一方向における端部から最も近いチャネルまでの間の領域であり、第9領域における一方向に沿う幅が、第4領域における一方向に沿う幅の1/2よりも長い構成とすると良い。
これによれば、並設された複数のベース領域の端部を軸として、一方向にミラー反転すると、第9領域が、後述する幅広領域(幅の広いFWD領域19b)に相当する領域となる。したがって、本発明によれば、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。また、第4領域が、後述する幅狭領域(幅の狭いFWD領域19a)に相当するので、この第4領域により、半導体基板においてFWD素子の順方向動作時の電流分布を均一化させ、FWD素子の性能を向上することができる。
このように本発明によれば、IGBT素子とFWD素子とを同一の半導体基板に備える構成において、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。
なお、請求項1,2に係る発明は、ベース領域を外周領域まで延ばすとともに、外周領域に位置し、FWD素子として機能する第8領域に対応して第3領域を設けることで、外周領域の一部をスナップバック抑制のためのFWD素子として機能させるようにしたものである。したがって、請求項2とは異なり、複数のベース領域の端部が、一方向と厚さ方向とに垂直な方向において外周領域に位置する構成においても、請求項2に係る発明と同様の効果を期待することができる。
また、請求項2に記載の発明においては、請求項3に記載のように、複数のベース領域として、第1領域を有さず、第1電極に接続されない浮遊状態の第7領域をさらに含み、第9領域が、第7領域を、一方向におけるメイン領域との境界領域として、メイン領域と第8領域との間に含む構成とすると良い。第9領域が第7領域を含むので、第9領域から半導体基板へのホール注入量を低減することができる。これにより、FWD素子が非動作状態に切り替わる(オン状態からオフ状態に切り替わる)際の、動作時とは逆方向に瞬間的に流れるリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失(換言すればAC損失)を低減することができる。また、第9領域は、第7領域をメイン領域との境界領域として含んでいるため、順方向電圧Vfのスナップバックを効果的に抑制することができる。
また、請求項4に記載のように、第9領域の幅が85μm以上とされた構成とすると、後述する幅広領域(幅の広いFWD領域19b)を170μm以上とする構成同様、順方向電圧Vfのスナップバックを、より効果的に抑制する(例えば0.1V以下とする)ことができる。
請求項5に記載のように、ベース領域は、第1主面側から設けたトレンチ内に絶縁膜を介して導電材料を埋め込んでなる複数のトレンチゲートにより、一方向に沿って並設された複数の領域に区画され、トレンチゲートは、側面部位に隣接して第1領域が設けられた、IGBT素子を構成するトレンチ構造のゲート電極を含む構成を採用することができる。
また、請求項6に記載のように、第8領域には、第1電極とのコンタクトとして、第1主面側から設けたトレンチ内に導電材料を埋め込んでなるトレンチコンタクトが設けられた構成とすると良い。これによれば、トレンチコンタクト(トレンチ)により、第9領域が含む第8領域を構成する上記ベース領域において、表面側の一部(高濃度部分の一部)が取り除かれている。したがって、トレンチコンタクトの存在しない構成に比べて、半導体基板へのホール注入量を低減することができる。これにより、FWD素子が非動作状態に切り替わる(オン状態からオフ状態に切り替わる)際の、動作時とは逆方向に瞬間的に流れるリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失(換言すればAC損失)を低減することができる。
また、請求項7に記載のように、半導体基板は、IGBT素子及びFWD素子の構成された能動素子領域と、該能動素子領域よりも第1主面に沿う大きさが小さいセンス領域とを有し、センス領域には、FWD素子に流れる電流に比例した電流が流れるセンス素子が形成され、センス素子による検出結果に基づき、還流ダイオード素子が動作時か非動作時であるかを判定するとともに、還流ダイオード素子の動作時にはゲート電極への駆動信号の入力を遮断し、還流ダイオード素子の非動作時にはゲート電極への駆動信号の入力を許可するフィードバック手段を備える構成としても良い。
上記した各発明によれば、FWD素子の順方向電圧Vfのスナップバックを抑制することができる。換言すれば、FWD素子の線形性を向上することができる。センス素子にはFWD素子の流れる電流に比例した電流が流れるので、上記により、センス素子の出力(検出結果)の線形性も向上することができる。これにより、センス素子による検出結果に基づくゲート電極への駆動信号の入力状態制御を、精度良く行うことができる。すなわち、上記した各発明の構成は、センス素子によるフィードバック制御に好適である。
デバイスシミュレーションに用いた半導体装置のモデルの概略構成を示す断面図である。 スナップバックを説明するための順方向電圧Vfと順方向電流Ifとの関係を示す図である。 チャネル間距離L1を説明するための拡大断面図である。 チャネル間距離L1とスナップバック電圧との関係を示す図である。 第1実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す平面図である。 図5のVI−VI線に沿う断面図である。 IGBT領域とFWD領域の配置を示す模式的な平面図である。 変形例を示す断面図である。 変形例を示す断面図である。 第2実施形態に係る半導体装置において、メイン領域と外周領域との境界付近の概略構成を示す断面図である。 第3実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す平面図である。 図11に示す半導体装置を用いたフィードバック回路の一例を示す図である。 センス抵抗の両端の電位差Vs、ダイオード電流検知閾値Vth1、過電流検知閾値Vth2、及びフィードバック部の出力の関係を示す図である。 その他変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す断面図である。 その他変形例を示す平面図である。 図19のXX−XX線に沿う断面図である。 図19のXXI−XXI線に沿う断面図である。
先ず、本発明の実施形態について説明する前に、本発明者が本発明を創作するに至った経緯を説明する。図1は、デバイスシミュレーションに用いた半導体装置のモデルの概略構成を示す断面図である。図2は、スナップバックを説明するための順方向電圧Vfと順方向電流Ifとの関係を示す図である。図3は、チャネル間距離L1を説明するための拡大断面図である。図3では、IGBT素子のオン状態を示している。図4は、チャネル間距離L1とスナップバック電圧との関係を示す図である。図2,図4は、デバイスシミュレーションの結果を示している
なお、以下においては、半導体基板の厚さ方向を単に厚さ方向と示す。また、半導体基板の第1主面側において、複数のベース領域が並設された方向と、半導体基板の第2主面側において、IGBT素子を構成する第2領域とFWD素子を構成する第3領域とが互いに隣接して交互に設けられた並設方向が同方向であり、この方向、すなわち半導体基板の厚さ方向に垂直な一方向を、単に一方向と示すものとする。
先ず、デバイスシミュレーションに用いた半導体装置の構成について簡単に説明する。図1に示す半導体装置100は、半導体基板10として、厚さが135μm、不純物濃度が1×1014cm−3程度とされたn導電型(n−)の単結晶バルクシリコン基板を有している。半導体基板10の第1主面側表層には、深さが4μm、不純物濃度が2×1017cm−3程度とされたp導電型(p)のベース領域11が形成されている。このベース領域11には、該ベース領域11を貫通し、底部が半導体基板10に達するトレンチ(溝)が選択的に形成されるとともに、トレンチ内壁上に形成された絶縁膜(図示略)を介してトレンチ内に導電材料(例えば不純物濃度が1×1020cm−3程度のポリシリコン)が充填されて、トレンチ構造のゲート電極12が複数形成されている。各ゲート電極12は、厚さ方向と一方向に垂直な方向とに延び、且つ、一方向に沿って所定ピッチで繰り返し形成されている。このようにストライプ状に設けられたゲート電極12により、ベース領域11は、一方向に沿って並設され、互いに電気的に分離された複数のベース領域13〜15に区画されている。
第5領域としてのベース領域13の第1主面側表層には、半導体基板10よりも不純物濃度の高い第1領域として、ゲート電極12(トレンチ内の絶縁膜)の側面部位に隣接するn導電型(n+)のエミッタ領域16と、p導電型(p+)のベースコンタクト領域17とが、それぞれ選択的に形成されている。なお、エミッタ領域16は、深さ0.5μm程度、不純物濃度が1×1020cm−3程度であり、ベースコンタクト領域17は、深さ1.0μm程度、不純物濃度が3×1019cm−3程度である。
第6領域としてのベース領域14の第1主面側表層には、エミッタ領域16は形成されず、p導電型(p+)のベースコンタクト領域17が選択的に形成されている。また、第7領域としてのベース領域15は、第1主面側表層に、エミッタ領域16やベースコンタクト領域17などの高濃度領域が存在しておらず、ゲート電極12やエミッタ電極(図示略)とも電気的に接続されないフローティング領域(浮遊電位の領域)となっている。
なお、エミッタ領域16とベースコンタクト領域17は、ともにエミッタ電極(アノード電極を兼ねる)と電気的に接続されており、ベース領域13は主としてIGBT素子(チャネルが形成される領域)として機能する領域、ベース領域14はFWD素子(アノード)として機能する領域となっている。
そして、半導体基板10の第1主面側表層のうち、図1に示すように、一方向において、ベース領域13及びベース領域15が交互に形成されるとともに、両端にベース領域13を有する領域18が、主としてIGBT素子の動作をする1つの単位領域(セル領域)、すなわち上記したIGBT領域18となっている。
また、半導体基板10の第1主面側表層のうち、ベース領域13を含まず且つカソード領域21と対向するベース領域14を含み、一方向において、IGBT領域18と交互に並設された領域が、主としてFWD素子の動作をする1つの単位領域、すなわち上記したFWD領域19となっている。
一方、半導体基板10の第2主面側表層には、第2領域としてのp導電型(p+)のコレクタ領域20と、第3領域としてのn導電型(n+)のカソード領域21とが、それぞれ選択的に形成されており、コレクタ領域20とカソード領域21とは、一方向に沿って互いに隣接しつつ交互に形成されている。コレクタ領域20は、IGBT領域18のうち、少なくともベース領域13に対向して設けられ、図1に示す例では、ベース領域15とも対向することで、IGBT領域18全体に対向して設けられている。一方、カソード領域21は、ベース領域14に対向して設けられ、図1に示す例では、第4領域としてのFWD領域19全体に対向して設けられている。そして、コレクタ領域20及びカソード領域21は、ともにコレクタ電極(カソード電極を兼ねる)と電気的に接続されている。なお、コレクタ領域20とカソード領域21は、ともに深さ0.5μm程度、不純物濃度が7×1017cm−3程度である。
本発明者は、このようなモデルを用いてデバイスシミュレーションを行った。その結果、IGBT素子をオン状態とすべくゲート電圧(ゲート電極12に印加する電圧)を例えば15Vとすると、FWD領域19の一方向に沿う幅によっては、FWD素子が順方向動作しにくくなり、特に図2に実線で示すように、順方向電圧Vfが、順方向電流Ifの小電流域において局所的に大きくなる(スナップバックを生じる)ことを新たに見出した。これはインバータ回路に適用され、IGBT素子とFWD素子の動作が同時に起こるRC−IGBT素子に特有の課題である。このように、順方向電圧Vfとしてスパイク様のスナップバックを生じると、回路が誤動作する恐れが生じる。また、スナップバックの分、順方向電圧Vfが大きくなり、ひいてはDC損失が増加することとなる。なお、図2の破線は、ゲート電圧が0Vの場合を示している。図2に示すように、破線で示す0Vではスナップバックが確認されなかった。
また、本発明者は、デバイスシミュレーションにより、スナップバックを生じる主要因がチャネルの影響にあることを確認した。具体的には、IGBT素子をオン状態とすべくゲート電圧を15V程度と高くすると、第1主面側表層にエミッタ領域16が設けられたベース領域11(ベース領域13)において、一部の導電型がnに反転し、エミッタ領域16に隣接してチャネルが形成される。RC−IGBT素子では、このチャネルの影響(ゲート電極12の電界の影響)により、FWD素子のアノードとして機能すべきベース領域11の部位(図1に示すモデルではベース領域14)のうち、アノードとして機能する部分の幅が狭くなる。これにより、ベース領域11(ベース領域14)からのホールの注入が起こりにくくなってFWD素子が順方向動作しにくくなる。この結果、順方向電流Ifの小電流域(数A〜数十Aの領域)において、順方向電圧Vfにスナップバックが生じるものと考えられる。
そこで、本発明者は、デバイスシミュレーションにより、図3に示すFWD領域19の幅、換言すれば、間にFWD領域19を挟む2つのチャネル22の内―内間の距離L1(以下、単にチャネル間距離L1と示す)と、スナップバックとの関係について精査した。なお、図3に示す構成では、FWD領域19を構成する2つのベース領域14を間に挟む、トレンチ構造の2つのゲート電極12の外−外間の距離が、上記距離L1と等しくなっている。精査の結果、図4に示すように、半導体基板10の温度が低いほど、スナップバック電圧ΔV(図2参照)が大きくなることが明らかとなった。また、チャネル間距離L1を長くするほど、スナップバック電圧ΔVを低減できることを見出した。さらには、チャネル間距離L1を170μm以上とすると、温度に関係なく、スナップバック電圧ΔVを0.1V以下にできることを見出した。本発明は、この知見に基づくものであり、以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。なお、上記した図2では、チャネル間距離L1が約20μmの場合の結果を示している。また、温度が150℃の場合、チャネル間距離L1が40μm以上の測定ポイントにおいて、スナップバックは確認されなかったため、図4においては、40μm未満の2つの測定ポイントの結果のみを示している。また、図4において、実線は−40℃、破線は25℃、二点鎖線は150℃を示している。
(第1実施形態)
図5は、第1実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す平面図である。図6は、図5のVI−VI線に沿う断面図である。図7は、IGBT領域とFWD領域の配置を示す模式的な平面図である。
本実施形態に係る半導体装置は、第1主面及び第2主面を有する第1導電型の半導体基板に、ゲート電極を第1主面側に有する縦型のIGBT素子と、該IGBT素子に逆並列に接続された縦型のFWD素子と、が構成された半導体装置であり、例えばEHV用インバータモジュールに使われるパワースイッチング素子として用いられる。なお、以下においては、上記図1及び図3に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。また、上記同様、半導体基板の厚さ方向を単に厚さ方向と示し、該厚さ方向に垂直な方向を垂直方向、該垂直方向のうちのベース領域11の並設方向(第2領域と第3領域の並設方向)を単に一方向と示す。さらには、IGBT素子としてnチャネル型、すなわち第1導電型をn導電型、第2導電型をp導電型とする例を示す。
図5に示すように、半導体基板10には、IGBT素子と、FWD素子の少なくとも一部とがそれぞれ構成されたメイン領域30と、垂直方向においてメイン領域30を取り囲む環状の外周領域50が構成されており、外周領域50には、図示しないゲートパッドなどが形成された領域51(破線で囲まれた領域)と、メイン領域30及び領域51を取り囲む、耐圧を確保するための耐圧領域52が構成されている。本実施形態では、IGBT素子だけでなく、FWD素子も、メイン領域30内のみに構成されている。
メイン領域30における半導体基板10の構成は、上記した図1及び図3と基本的に同じ構成となっている。主に異なる点は、FWD領域19として、一方向における幅の異なる2種類のFWD領域19a,19bを有する点と、半導体基板10の第2主面側表層に形成されたコレクタ領域20及びカソード領域21に隣接して、第1主面側にフィールドストップ層23が形成されている点である。
本実施形態でも、図6に示す半導体基板10として、n導電型(n−)の単結晶バルクシリコン基板を採用しており、半導体基板10の第1主面側表層には、p導電型(p)のベース領域11(pウェル)が形成されている。このベース領域11は、厚さ方向と一方向に垂直な方向とに延び、一方向に沿って並設された複数のゲート電極12により、一方向に並設され、互いに電気的に分離された複数のベース領域13〜15に区画されている。
なお、各ゲート電極12は、共通の信号線(図示略)とそれぞれ接続されており、この信号線を介して、各ゲート電極12に駆動信号が入力(所定電圧が印加)されるようになっている。すなわち、各ゲート電極12は互いに同電位となっている。また、本実施形態では、ゲート電極12が、一方向に沿って所定ピッチ(同一ピッチ)で繰り返し形成されており、一方向における各ベース領域13〜15の幅が一定となっている。
第5領域としてのベース領域13は、第1主面側表層に、半導体基板10よりも不純物濃度の高い第1領域として、ゲート電極12(トレンチ内の絶縁膜)の側面部位に隣接するn導電型(n+)のエミッタ領域16が選択的に形成されるとともに、p導電型(p+)のベースコンタクト領域17も選択的に形成されている。
第6領域としてのベース領域14は、第1主面側表層に、エミッタ領域16は形成されておらず、p導電型(p+)のベースコンタクト領域17が選択的に形成されている。また、第7領域としてのベース領域15は、第1主面側表層に、エミッタ領域16やベースコンタクト領域17などの高濃度領域が形成されておらず、ゲート電極12や、第1電極としてのエミッタ電極(図示略)とも電気的に接続されないフローティング領域(浮遊電位の領域)となっている。
なお、各エミッタ領域16と各ベースコンタクト領域17は、ともに共通のエミッタ電極(アノード電極を兼ねる)と電気的に接続されており、ベース領域13は主としてIGBT素子(チャネルが形成される領域)として機能する領域、ベース領域14はFWD素子(アノード)として機能する領域となっている。
一方、半導体基板10の第2主面側表層には、IGBT素子を構成する第2領域としてのp導電型(p+)のコレクタ領域20と、半導体基板10よりも不純物濃度が高く、FWD素子を構成する第3領域としてのn導電型(n+)のカソード領域21とが、それぞれ選択的に形成されている。本実施形態でも、コレクタ領域20はベース領域13,15と対向しており、カソード領域21はベース領域14と対向している。コレクタ領域20とカソード領域21とは、少なくともメイン領域30において、一方向に沿って互いに隣接しつつ交互に形成されている。
そして、半導体基板10の第1主面側表層において、1つのチャネル22(図3参照)から一方向において隣り合うチャネル22までの領域のうち、第3領域としてのカソード領域21に対向するとともに、第1電極としてのエミッタ電極(図示略)と電気的に接続されたベース領域を少なくとも1つ含む領域が、主としてFWD素子の動作をする1つの単位領域、すなわち上記したFWD領域19となっている。本実施形態では、FWD領域19が、第1電極としてのエミッタ電極(図示略)と電気的に接続されたベース領域として、表層にエミッタ領域16を有するベース領域13を含まず、表層にベースコンタクト領域17を有するベース領域14を含んでいる。より詳しくは、ベース領域11として、ベース領域14のみを含んでいる。
また、半導体基板10の第1主面側表層において、1つのチャネル22(図3参照)から一方向において隣り合うチャネル22までの領域のうち、ベース領域14を含まず、表層にエミッタ領域16を有するベース領域13を、ベース領域11のうちのFWD領域19との境界領域として含む領域が、主としてIGBT素子の動作をする1つの単位領域(セル領域)、すなわち上記したIGBT領域18となっている。本実施形態では、IGBT領域18が、一方向において、ベース領域13及びベース領域15が交互に形成されるとともに、両端にベース領域13を有する領域となっている。
なお、実際には、IGBT素子として、FWD領域19において、一方向の両端にそれぞれ位置するゲート電極12(IGBT領域18において、一方向の両端に位置するベース領域13を区画するゲート電極12)も含まれる。しかしながら、本実施形態では、1つのチャネル22から一方向において隣り合うチャネル22までの領域のうち、カソード領域21に対向するとともに、図示しないエミッタ電極と電気的に接続されたベース領域(図6ではベース領域14)を少なくとも1つ含む領域の幅に特徴があるので、2つのチャネル間を単位領域とし、ベース領域13を含む側を主としてIGBT素子の動作をするIGBT領域18、ベース領域14を含む側を主としてFWD素子の動作をするFWD領域19としている。
そして、IGBT領域18とFWD領域19とは、一方向において、交互に設けられている。本実施形態では、一方向において、複数のIGBT領域18の各幅が均一となっており、一例として、両端のベース領域13と、該ベース領域13に挟まれた1つのベース領域15の計3つのベース領域13,15により、各IGBT領域18がそれぞれ構成されている。
一方、第4領域としてのFWD領域19は、ベース領域14のみにより構成されており、複数のFWD領域19のうち、一部のFWD領域19bが、FWD領域19bより数の多い他のFWD領域19aよりも、一方向に沿う幅の広い領域となっている。
幅狭領域としてのFWD領域19aは、FWD領域19の大部分を占めている。本実施形態では、各FWD領域19aが、ベース領域11として、1つのベース領域14のみを含んでおり、詳しくは、一方向において、ゲート電極12、ベース領域14、ゲート電極12が順に設けられて構成されている。
一方、幅広領域としてのFWD領域19bは、FWD領域19の第1主面側の面積のうち、数%程度(例えば3〜5%)を占めている。本実施形態では、各FWD領域19bが、ベース領域11として、隣り合う2つのベース領域14のみを含んでおり、詳しくは、一方向において、ゲート電極12、ベース領域14、ゲート電極12、ベース領域14、ゲート電極12が順に設けられて構成されている。
なお、ベース領域14に対向して設けられるカソード領域21も、一部のカソード領域21bが、該カソード領域21bより数の多い他のカソード領域21aよりも、一方向に沿う幅の広い領域となっている。図6に示すように、幅広領域としてのカソード領域21bがFWD領域19bと対向し、幅狭領域としてのカソード領域21aがFWD領域19aと対向している。
また、本実施形態においても、図6に示すように、幅広領域としてのFWD領域19bの幅、換言すれば、間にFWD領域19bを挟む2つのチャネル22(図6では図示略、図3参照)の内―内間のチャネル間距離L2に、上記したチャネル間距離L1の結果が反映されている。なお、本実施形態でも、FWD領域19bを構成する2つのベース領域14を間に挟む、トレンチ構造の2つのゲート電極12の外−外間の距離が、上記距離L2と等しくなっている。
具体的には、チャネル間距離L2(FWD領域19bの幅)が、FWD領域19aを挟む2つのチャネル22(図示略)のチャネル間距離(FWD領域19aの幅)よりも長くなっている。さらに、チャネル間距離L2は、170μm以上となっている。なお、本実施形態では、一方向において、各ベース領域13〜15の幅が一定であるので、FWD領域19aの幅がFWD領域19bの幅の約半分となっている。厳密には、1つのベース領域14と1つのゲート電極12の分、FWD領域19bが、FWD領域19aよりも幅広となっている。
そして、図7に示すように、IGBT領域18とFWD領域19(19a,19b)が一方向において交互に配置され、幅の広い側から、IGBT領域18、FWD領域19b、FWD領域19aの順となっている。また、幅狭領域としてのFWD領域19aの方が、幅広領域としてのFWD領域19bよりも多く、これにより、FWD領域19aが、FWD領域19の大部分を占めている。
また、本実施形態においては、図6に示すように、半導体基板10の第2主面側表層に形成されたコレクタ領域20及びカソード領域21に対し第1主面側に隣接して、半導体基板10よりも高濃度であってエミッタ領域16よりも低濃度のn導電型(n)のフィールドストップ層23が形成されている。上記したように、トレンチ構造のゲート電極12を有するIGBT素子を備えた半導体装置100において、空乏層を止めるフィールドストップ層23を設けると、他のトレンチ構造(パンチスルー型、ノンパンチスルー型)に比べて、半導体基板10(半導体装置100)の厚さを薄くすることができる。これにより、過剰キャリアが少なく、空乏層が伸びきった状態での中性領域の残り幅が少ないため、IGBT素子のSW損失(AC損失)を低減することができる。
このように構成される半導体装置100は、周知の半導体プロセスを用いて形成することができる。したがって、その説明は割愛する。
次に、半導体基板10に構成されたIGBT素子の動作について説明する。図示しないエミッタ電極とコレクタ電極との間に所定のコレクタ電圧を、エミッタ電極とゲート電極12との間に所定のゲート電圧を印加する(すなわち、ゲートをオンする)と、表層にエミッタ領域16を有するベース領域13にn導電型のチャネル(図3参照)が形成される。このチャネルを通じて、エミッタ電極より半導体基板10に電子が注入される。そして、注入された電子により、コレクタ領域20と半導体基板10が順バイアスされ、これによりコレクタ領域20からホールが注入されて半導体基板10の抵抗が大幅に下がり、IGBT素子の電流容量が増大する。このとき、上記したように、複数のベース領域11のうち、表層にエミッタ領域16を有するベース領域13のみがIGBT素子として動作し、ベース領域14,15はIGBT素子として動作しない。また、エミッタ電極とゲート電極12との間に印加されていたゲート電圧を0V又は逆バイアス(すなわち、ゲートをオフする)と、n導電型に反転していたチャネルがp導電型に戻り、エミッタ電極からの電子の注入が止まる。この注入停止により、コレクタ領域20からのホールの注入も止まる。その後、半導体基板10に蓄積されていたキャリア(電子とホール)が、それぞれエミッタ電極とコレクタ電極から排出されるか、又は、互いに再結合して消滅する。
次に、半導体基板10に構成されたFWD素子の動作について説明する。上記したように、エミッタ電極がアノード電極も兼ねており、エミッタ電極と電気的に接続されたベース領域11の一部領域、主としてベース領域14がFWD素子のアノード領域として機能する。そして、エミッタ電極と半導体基板10との間にアノード電圧(順バイアス)を印加し、アノード電圧が閾値を超えると、アノード領域と半導体基板10が順バイアスされ、FWD素子が導通する。具体的には、負荷Lに蓄積されたエネルギーにより、上記したIGBT素子にコレクタ電圧が印加されると、上記アノード領域とカソード領域21(半導体基板10も含む)との間に形成されるFWD素子が導通し、電流が流れる。なお、エミッタ電極と半導体基板10との間に逆バイアスを印加すると、アノード領域より空乏層が半導体基板10側へ伸びることで、逆方向耐圧を保持することができる。
次に、本実施形態に係る半導体装置100の特徴部分の効果について説明する。本実施形態では、第4領域としてのFWD領域19のうち、一部のみを、一方向に沿う幅の広いFWD領域19bとし、FWD領域19bより数の多いFWD領域19aを、FWD領域19bよりも幅の狭い領域としている。換言すれば、間にFWD領域19を挟むチャネル対のうち、一部のみを、一方向におけるチャネル間距離の長い対とし、距離の長い一部のチャネル対よりも数の多い残りのチャネル対を、距離の長いチャネル対よりも一方向におけるチャネル間距離の短い対としている。
これによれば、FWD領域19bに含まれるベース領域14と、該FWD領域19bを挟む2つのチャネル22との各距離の少なくとも一方が、FWD領域19aに含まれるベース領域14と2つのチャネル22との各距離よりも長くなる。また、順方向電圧Vfのスナップバックは順方向電流Ifの小電流域のみで生じる。したがって、上記のように、複数のFWD領域19の一部のみを幅の広いFWD領域19bとすることで、順方向電圧Vfのスナップバックを抑制することができる。
特に本実施形態では、幅広領域としてのFWD領域19bの幅、換言すれば、FWD領域19bを間に挟む2つのチャネル間距離L2、を170μm以上としている。したがって、上記したように(図2など参照)、順方向電圧Vfのスナップバックを、より効果的に抑制する(例えば0.1V以下とする)ことができる。
また、幅広領域としてのFWD領域19bよりも数の多い、換言すればFWD素子(アノード)のうちの大部分を占める各FWD領域19aを幅狭領域とする。したがって、大電流域では、FWD素子の大部分を占める幅の狭い各FWD領域19aが動作するので、半導体基板10においてFWD素子の順方向動作時の電流分布を均一化させ、FWD素子の性能を向上することができる。
以上から、本実施形態に係る半導体装置100によれば、RC−IGBT素子を備える構成において、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。
また、本実施形態では、ベース領域13〜15を振り分けることで、IGBT素子とFWD素子の比率を自由に設定することができる。特に本実施形態では、トレンチ構造のゲート電極12によりベース領域11(pウェル)を区画しているため、ベース領域13〜15を振り分けやすい。
なお、IGBT領域18は、表層にエミッタ領域16及びベースコンタクト領域17を有するベース領域13のみによって構成されても良い。しかしながら、本実施形態に示すように、ベース領域13とともにフローティング状態のベース領域15を含む構成とすると良い。これによれば、IGBT素子の動作時に、ベース領域15を介してキャリアが吸い出されないので、半導体基板10にキャリアを蓄積することができる。すなわち、IGBT領域18が、ベース領域11として、ベース領域13のみを含む構成に比べて、IGBT素子のオン電圧を低減することができる。
本実施形態では、FWD領域19のうち、幅の広いFWD領域19bが、ベース領域11として、同一幅の2つのベース領域14を含む例を示した。しかしながら、FWD領域19bを構成するベース領域14の個数は特に限定されるものはない。例えば3つ以上からなる構成としても良い。
また、FWD領域19bが、ベース領域11として、他のベース領域14よりも、一方向に沿う幅の広い1つのベース領域14のみを含む構成としても良い。図8に示す例では、全てのFWD領域19(19a,19b)が、ベース領域11として、1つのベース領域14のみを含んでおり、FWD領域19aを構成するベース領域14aよりも、FWD領域19bを構成するベース領域14bのほうが、一方向に沿う幅が広くなっている。そして、この幅広のベース領域14により、FWD領域19bが幅広領域となっている。このような構成とすると、FWD領域19bにおいて、両端のゲート電極12の間に他のゲート電極12が存在する構成に比べて、半導体基板10の第1主面側表層において、FWD素子(アノード)として機能するベース領域14の面積を、ゲート電極12が無い分、大きくすることができる。すなわち、FWD素子の順方向電圧(Vf)を低減することができる。図8は変形例を示す断面図であり、図6に対応している。
また、本実施形態では、FWD領域19(19a,19b)が、ベース領域11として、ベース領域14のみを含む例を示した。しかしながら、FWD領域19は、ベース領域13を含まず、少なくともベース領域14を含んでいれば良い。すなわち、ベース領域14とともに、ベース領域15により、FWD領域19が構成されても良い。
例えば図9に示す例では、幅の広いFWD領域19bが、ベース領域11として、1つのベース領域14と、該ベース領域14を挟む2つのベース領域15とを含んでいる。すなわち、各ベース領域15が、FWD領域19bに含まれるベース領域11のうち、IGBT領域18との境界領域となっている。図9は、変形例を示す拡大断面図である。図9では、詳しくは、FWD領域19bが、一方向において、ゲート電極12、ベース領域15、ゲート電極12、ベース領域14、ゲート電極12、ベース領域15、ゲート電極12が順に設けられて構成されている。
図6や図8に示したように、FWD領域19bが、ベース領域11として、ベース領域14のみを含む構成とすると、FWD素子の順方向動作時に、半導体基板10へのホール注入量が増加する。これに対し、図9に示す構成では、FWD領域19bが、ベース領域11として、ベース領域15も含むので、FWD領域19bから半導体基板10へのホール注入量を低減することができる。これにより、FWD素子が非動作状態に切り替わる(オン状態からオフ状態に切り替わる)際の、動作時とは逆方向に瞬間的に流れるリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失(換言すればAC損失)を低減することができる。
また、図9に示す構成では、FWD領域19bが、フローティング状態のベース領域15を、ベース領域11のうちの、IGBT領域18との境界領域として含んでおり、これにより、FWD素子のアノードとして機能するベース領域14が、両側のチャネル22(図示略)と遠ざけられた構成となっている。したがって、順方向電圧Vfのスナップバックを効果的に抑制することができる。
なお、図9では、IGBT領域18と隣接するベース領域11をベース領域15としているが、ベース領域14をIGBT領域18と隣接する領域としても良い。ただし、ベース領域11であって、エミッタ電極と接続された領域(表層にベースコンタクト領域17を有する領域)のうち、チャネルに近い部位は上記したチャネルの影響を受ける。したがって、図9に示すように、IGBT領域18と隣接するベース領域11をフローティング状態のベース領域15とし、IGBT領域18から離れた対置にアノードとして機能するベース領域14が位置する構成とすると良い。また、FWD素子(アノード)としての面積を稼ぐのであれば、上記したようにベース領域15を含まない構成とすることが好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図10に基づいて説明する。図10は、第2実施形態に係る半導体装置において、メイン領域と外周領域との境界付近の概略構成を示す断面図である。図10に示す断面図は、図5に示すX−X線の断面に相当する。
第2実施形態に係る半導体装置は、第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態では、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制するために、半導体基板10の第1主面側表層のメイン領域30において、1つのチャネル22から一方向において隣り合うチャネル22までの領域のうち、ベース領域14を少なくとも1つ含むFWD領域19のうち、一部のみを幅の広い幅広領域としてのFWD領域19bとし、残りを幅の狭い幅狭領域としてのFWD領域19aとする例を示した。さらには、FWD領域19bの幅(チャネル間距離L2)を、170μm以上とする例を示した。
これに対し、本実施形態では、一方向に並設された複数のベース領域11が、半導体基板10のメイン領域30だけでなく、外周領域50の一部まで延びており、ベース領域11のうち、外周領域50に位置する部位を利用してFWD素子のスナップバックを抑制するようにした点を特徴とする。
図10に示す半導体装置100において、メイン領域30の構成は、第1実施形態(図6)とほぼ同じである。すなわち、半導体基板10における第1主面側表層において、1つのチャネル22(図10では省略)から一方向にて隣り合うチャネル22までの領域のうち、第3領域としてのカソード領域21に対向するとともに、第1電極としてのエミッタ電極と電気的に接続されたベース領域11(例えばベース領域14)を少なくとも1つ含む領域がFWD領域19となっている。異なる点は、FWD領域19(第4領域)として、1つのベース領域14を含む幅の狭いFWD領域19aのみを有する点である。そして、メイン領域30では、半導体基板10の第1主面側表層において、IGBT領域18と、幅狭領域としてのFWD領域19aとが、一方向に沿って交互に設けられている。
一方向において、メイン領域30の端部はIGBT領域18(ベース領域13)となっており、このIGBT領域18よりも外側が外周領域50となっている。一方向に沿って並設された複数のベース領域11は、メイン領域30だけでなく、半導体基板10の第1主面側表層の外周領域50まで延びており、並設された複数のベース領域11の端部24a(以下、外周端24aと示す)が、外周領域50に位置している。図10に示す例では、ベース領域11(pウェル)が、一方向において、メイン領域30端部のIGBT領域18より外側まで延設されており、その外周端24aが外周領域50に位置している。
そして、ベース領域11が、外周領域50に、複数のベース領域11の外周端24aから所定の領域であって最も近いチャネル22(図10では省略、図3参照)までの間に位置し、エミッタ電極と電気的に接続された第8領域としての端部領域24を含んでいる。そして、半導体基板10における第1主面側表層において、複数のベース領域11の外周端24aから最も近いチャネル22までの間の領域が、第9領域としてのFWD領域19cとなっている。
図10に示す例では、ベース領域11における外周領域50の部位に、メイン領域30端部のIGBT領域18(ベース領域13)に隣り合ってフローティング状態のベース領域15(第7領域)が設けられている。このベース領域15を区画するゲート電極12のうち、一方向における外側(ベース領域13との間のゲート電極12とは反対側のゲート電極12)が、複数のゲート電極12のうち、一方向における端部のゲート電極12となっている。また、この端部のゲート電極12によりベース領域15と区画された外周端24aまでの端部領域24には、第1主面側表層にベースコンタクト領域17が形成されて、図示しないエミッタ電極と電気的に接続されている。
また、半導体基板10の第2主面側表層における外周領域50には、第8領域としての端部領域24に対応して、第3領域としてのカソード領域21cが設けられている。図10に示す構成では、カソード領域21cが、端部領域24の直下に形成されている。このように、FWD領域19cは、カソード領域21cに対応し、アノードとして機能する端部領域24を、フローティング状態のベース領域15とともに含んでいる。
そして、FWD領域19cにおける一方向に沿う幅、換言すれば、一方向において、間にアノードとして機能する端部領域24を含む、ベース領域11の外周端24aから最も近いチャネルまでの距離L3が、第4領域としてのFWD領域19aにおける一方向に沿う幅の1/2よりも長くなっている。より詳しくは、上記距離L3が、85μm以上となっている。
なお、図10に示す符号52aは、半導体基板10の第1主面側表層であってベース領域11の設けられていない外周領域50の部位に、メイン領域30や領域51(図5参照)を取り囲むように環状に設けられたp導電型のガードリングであり、このガードリング52aなどにより耐圧領域52が構成されている。
次に、本実施形態に係る半導体装置100の特徴部分の効果について説明する。上記したように、本実施形態では、半導体基板10の第1主面側表層のうち、ベース領域11の外周端24aから最も近いチャネル22までの領域であり、端部領域24を含むFWD領域19cの幅が、端部領域24以外にアノードとして機能するベース領域11(図10ではベース領域14)を含むFWD領域19(図10ではFWD領域19a)の幅の1/2よりも、長くなっている。
ここで、一方向において、ベース領域11の外周端24aを軸としてミラー反転すると、最外周のチャネルと該チャネルの鏡像との間には、ベース領域13は存在せず、ベースコンタクト領域17と接続された端部領域24、該端部領域24の鏡像、フローティング状態のベース領域15及びゲート電極12とこれらの鏡像、が存在することとなる。また、上記距離L3とミラー反転した構造側の距離L3との和(2×L3)が、第1実施形態で示したチャネル間距離L2と等しくなる。したがって、第1実施形態に示した効果と同様、FWD領域19c(端部領域24)により、順方向電圧Vfのスナップバックを抑制することができる。
特に本実施形態では、上記した距離L3を、85μm以上としている。上記のごとく、距離L3とミラー反転した構造側の距離L3との和が、チャネル間距離L2と等しくなるため、第1実施形態に示した効果と同様、順方向電圧Vfのスナップバックを、より効果的に抑制する(例えば0.1V以下とする)ことができる。
また、メイン領域30では、IGBT領域18とFWD領域19a、換言すればコレクタ領域20とカソード領域21、が交互に設けられているので、IGBT素子及びFWD素子をそれぞれ均一に動作させることができる。特に大電流域では、FWD素子(アノード)の大部分を占める幅の狭い各FWD領域19aが動作するので、半導体基板10においてFWD素子の順方向動作時の電流分布を均一化させ、FWD素子の性能を向上することができる。
以上から、本実施形態に係る半導体装置100においても、RC−IGBT素子を備える構成において、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。
また、本実施形態では、FWD領域19cが、ベース領域11として、端部領域24とともにベース領域15を含んでおり、ベース領域15が、FWD領域19cを構成するベース領域11のうち、IGBT領域18との境界領域となっている。したがって、第1実施形態の図9に示した構成同様の効果により、FWD領域19cから半導体基板10へのホール注入量を低減することができる。これにより、FWD素子が非動作状態に切り替わる(オン状態からオフ状態に切り替わる)際の、動作時とは逆方向に瞬間的に流れるリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失(換言すればAC損失)を低減することができる。
また、図10に示す構成では、FWD領域19cが、フローティング状態のベース領域15を、ベース領域11のうちの、IGBT領域18との境界領域として含んでおり、これにより、FWD素子のアノードとして機能する端部領域24が、チャネル22(図示略)と遠ざけられた構成となっている。したがって、順方向電圧Vfのスナップバックを効果的に抑制することができる。
なお、図10では、IGBT領域18と隣接するベース領域11をベース領域15としているが、端部領域24をIGBT領域18と隣接する領域としても良い。ただし、ベース領域11であって、エミッタ電極と接続された領域(表層にベースコンタクト領域17を有する領域)のうち、チャネルに近い部位は上記したチャネルの影響を受ける。したがって、図10に示すように、IGBT領域18と隣接するベース領域11をフローティング状態のベース領域15とし、IGBT領域18から離れた対置にアノードとして機能する端部領域24が位置する構成とすると良い。また、FWD素子(アノード)としての面積を稼ぐのであれば、ベース領域15を含まない構成とすることが好ましい。
また、半導体基板10の第1主面側表層において、IGBT領域18と交互に設けられるFWD領域19として、大部分を占める幅の狭いFWD領域19aとともに、FWD領域19bとFWD領域19cを備える構成としても良い。すなわち、メイン領域30の構成に、第1実施形態の図6に例示した構成を採用しても良い。この場合も、FWD領域19cの幅を、FWD領域19aの幅の1/2よりも長くすれば良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図11〜13に基づいて説明する。図11は、第3実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す平面図であり、図5に対応している。図12は、図11に示す半導体装置を用いたフィードバック回路の一例を示す図である。図13は、センス抵抗の両端の電位差Vs、ダイオード電流検知閾値Vth1、過電流検知閾値Vth2、及びフィードバック部の出力の関係を示す図である。
第3実施形態に係る半導体装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
本実施形態では、図11に示すように、メイン領域30を取り囲む外周領域50のうち、領域51に、メイン領域30よりも基板表面の大きさが小さいセンス領域51a(図11の破線で囲まれた領域)を有している。領域51を除く部分の構成としては、上記実施形態の構成を採用することができる。また、領域51のうちのセンス領域51aには、FWD素子に流れる電流に比例した電流が流れるセンス素子(図11ではFWD専用センス素子53)が形成されている。そして、このセンス素子による検出結果に基づき、FWD素子の動作時にはIGBT素子のゲート電極12への駆動信号の入力が停止され、FWD素子の非動作時にはゲート電極12へ駆動信号が入力されるようにフィードバック制御される点を特徴とする。
図11に示すように本実施形態では、FWD素子と同様に構成され、FWD素子に流れる電流に比例した電流が流れるFWD専用センス素子53と、IGBT素子と同様に構成され、IGBT素子に流れる電流に比例した電流が流れるIGBT専用センス素子54が、センス領域51aにそれぞれ個別に形成されている。具体的には、FWD専用センス素子53の面積が、FWD素子の面積の1/1000程度となっており、IGBT専用センス素子54の面積が、IGBT素子の面積の1/1000程度となっている。これらセンス素子53,54の構成については、例えば本出願人による特願2007−268328号などに記載されているので、詳細な説明は割愛する。
なお、図11に示す符号55はゲート電極12に駆動信号を入力するためのゲートパッド、符号56はエミッタセンス用のパッド、符号57はIGBT専用センス素子54のエミッタ領域と接続されたIGBTセンス用パッド、符号58はFWD専用センス素子53のアノード領域と接続されたFWDセンス用パッドである。
次に、このように構成される半導体装置100を用いたゲート駆動信号のフィードバック回路について説明する。このようなフィードバック回路は、インバータ回路の一部(上下アームの一方)として構成されており、本出願人による特願2007−229959号や特願2007−268328号などに記載されたものと同じであるので参照されたい。なお、図12においては、一例として、センス抵抗がIGBT専用センス素子54とFWD専用センス素子53とで兼用とされる例を示している。
図12に示すように、フィードバック回路は、図11に示した半導体装置100と、AND回路101と、センス抵抗102と、フィードバック部103とを有している。
AND回路101は、入力される全ての信号がHiレベルのとき、Hiレベルの信号を出力するロジック回路である。このAND回路101には、半導体装置100(IGBT素子25及びIGBT専用センス素子54)を駆動するための外部からのPWMゲート信号(駆動信号に相当)とフィードバック部103の出力とが入力されるようになっている。なお、PWMゲート信号は外部のPWM信号発生回路等で生成され、AND回路101の入力端子に入力されるようになっている。
このAND回路101は、ゲート抵抗104を介して半導体装置100におけるゲートパッド55と電気的に接続されている。そして、IGBT素子25とIGBT専用センス素子54におけるゲート電圧の制御は、ゲート抵抗104を介してAND回路101から供給されるPWMゲート信号によって行われるようになっている。例えば、AND回路101の通過を許可されたPWMゲート信号がHiレベルの信号であればIGBT素子25をオンして駆動することができ、PWMゲート信号がLowレベルの信号であればIGBT素子25をオフして駆動を停止させることができる。また、PWMゲート信号がAND回路101の通過を停止された場合には、IGBT素子25及びIGBT専用センス素子54は駆動されない。
また、IGBT素子25のコレクタには図示しない負荷や電源等が接続され、IGBT素子25のコレクタ−エミッタ間にメイン電流が流れるようになっている。また、IGBT専用センス素子54のコレクタ電極は、IGBT素子25のコレクタ電極と共通化されており、IGBT専用センス素子54のエミッタ領域は、パッド57を介してセンス抵抗102の一端に接続されている。センス抵抗102の他端は、パッド56を介してIGBT素子25のエミッタ領域16(例えば図6参照)に接続されている。これにより、IGBT専用センス素子54のエミッタ領域から流れる電流検出用のセンス電流、すなわちIGBT素子25に流れるメイン電流に比例する電流がセンス抵抗102を流れ、センス抵抗102の両端の電位差Vsがフィードバック部103にフィードバックされるようになっている。
フィードバック部103は、例えばオペアンプ等の回路が組み合わされて構成されるものであり、FWD素子26に電流が流れているか否か、IGBT素子25に過剰電流が流れているか否かを判定し、判定結果にしたがってAND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を許可又は停止させるものである。このため、フィードバック部103は、FWD素子26に電流が流れていることを判定するために用いるダイオード電流検知閾値Vth1と、IGBT素子25に過剰電流が流れていることを判定するためにも用いる過電流検知閾値Vth2とを有している。なお、本実施形態においては、Vth1,Vth2が電圧値となっている。
なお、IGBT素子25が正常に駆動される場合(FWD素子26に電流が流れない場合)、IGBT専用センス素子54からセンス抵抗102に電流が流れる。これにより、IGBT素子25のエミッタ領域16の電位を基準とすると、センス抵抗102の両端の電位差Vsは正の値となる。逆に、FWD素子26に電流が流れる場合、センス抵抗102からFWD専用センス素子53に電流が流れる。これにより、IGBT素子25のエミッタ領域16の電位を基準とすると、センス抵抗102の両端の電位差Vsは負の値となる。したがって、FWD素子26に電流が流れていることを検出するためのダイオード電流検知閾値Vth1を負の値とする。また、IGBT素子25に過剰電流が流れる場合、IGBT専用センス素子54からセンス抵抗102に流れるセンス電流の値はより大きくなる、すなわち、センス抵抗102の両端の電位差Vsが正の値でより大きくなるので、過電流検知閾値Vth2を正の値とする。
このようなフィードバック部103は、IGBT素子25を駆動する場合、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を許可する出力をする一方、センス抵抗102の両端の電位差Vsを入力し、図13に示すように、該電位差Vsがダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さい場合、若しくは、該電位差Vsが過電流検知閾値Vth2よりも大きい場合に、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を停止させる出力をする。
例えば通常時においては、PWM信号発生回路等の外部回路にてIGBT素子25(及びIGBT専用センス素子54)を駆動するための駆動信号としてPWMゲート信号が生成され、AND回路101に入力される。他方、FWD素子26はオフになっており、FWD専用センス素子53にも電流は流れない。このため、センス抵抗102のうち、IGBT専用センス素子54のエミッタ領域(パッド57)に接続される一端側の電位がIGBT素子25のエミッタ領域16(パッド56)に接続される他端側よりも高くなり、センス抵抗102の両端の電位差Vsは正の値となる。
したがって、図13に示すように、電位差Vsは負のダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きいため、フィードバック部103にてFWD素子26に電流が流れていないと判定される。これにより、フィードバック部103の出力は、図13に示されるようにHiレベルとされ、AND回路101に入力される。そして、AND回路101にHiレベルのPWMゲート信号及びフィードバック部103からの出力が入力されると、PWMゲート信号は、AND回路101の通過が許可され、ゲート抵抗104を介してIGBT素子25及びIGBT専用センス素子54のゲート電極に入力され、IGBT素子25及びIGBT専用センス素子54がオンする。こうして、IGBT素子25及びIGBT専用センス素子54が駆動され、IGBT素子25のコレクタ電極若しくはエミッタ電極に接続された図示しない負荷に電流が流れる。
FWD素子26に電流が流れる場合、センス抵抗102のうちFWD素子26のアノード領域(パッド56)に接続された一端側の電位が、FWD専用センス素子53のアノード領域(パッド58)に接続された他端側の電位よりも高くなる。すなわち、センス抵抗102の両端の電位差は負となる。
このため、図13に示すように、電位差Vsがダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さくなった場合、フィードバック部103にてFWD素子26に電流が流れていると判定される。これにより、フィードバック部103の出力は、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を停止する出力とされ、AND回路101に入力される。
したがって、AND回路101からIGBT素子25を駆動する信号が入力されないため、IGBT素子25の駆動が停止される(ゲート信号がゼロとなる)。すなわち、FWD素子26の順方向動作時にIGBT素子25が動作しない。
また、IGBT素子25に過剰電流が流れる場合、IGBT専用センス素子54からセンス抵抗102に流れるセンス電流も過剰電流に比例して大きくなる。これにより、センス抵抗102の両端の電位差Vsは、IGBT素子25が正常に動作する際の電位差Vsよりも高くなる。
したがって、図13に示すように、電位差Vsが過電流検知閾値Vth2よりも大きくなった場合、フィードバック部103にてIGBT素子25に過剰電流が流れていると判定される。これにより、フィードバック部103の出力は、AND回路101に入力されるPWMゲート信号の通過を停止する出力とされ、AND回路101に入力される。
したがって、AND回路101からIGBT素子25を駆動する信号が入力されないため、IGBT素子25の駆動が停止される。すなわち、IGBT素子25に流れる過剰電流によってIGBT素子25が破壊されるのを抑制することができる。
このように、本実施形態では、FWD素子26に流れる電流に比例した電流が流れるセンス素子(FWD専用センス素子53)を備え、センサ素子による検出結果に基づき、FWD素子26の動作時にはIGBT素子25のゲート電極12への駆動信号の入力が停止され、FWD素子26の非動作時にはゲート電極12へ駆動信号が入力されるようにフィードバック制御される回路に適用される半導体装置100において、IGBT素子25及びFWD素子26の構成を、上記第1実施形態又は第2実施形態に示した構成としている。すなわち、FWD素子26の順方向電圧Vfのスナップバックを抑制する構成としている。換言すれば、FWD素子26の線形性を向上する構成としている。
FWD専用センス素子53には、FWD素子26に流れる電流に比例した電流が流れるので、上記により、FWD専用センス素子53の出力の線形性も向上することができる。これにより、FWD専用センス素子53の検出結果に基づくゲート電極12へのPWMゲート信号(駆動信号)の入力状態制御を、精度良く行うことができる。このように、上記した各実施形態の構成は、センス素子(FWD専用センス素子53)によるフィードバック制御に適用される半導体装置100の構成として好適である。
なお、本実施形態では、半導体基板10のセンス領域51aにおいて、FWD専用センス素子53と、IGBT専用センス素子54が個別に形成される例を示した。しかしながら、IGBT素子25に流れる電流とFWD素子26に流れる電流の両方を、1つのセンス素子にて検出する構成としても良い。
また、本実施形態では、半導体装置100が、センス素子として、IGBT専用センス素子54とFWD専用センス素子53を有する例を示した。しかしながら、半導体装置100は、センス素子として少なくともFWD専用センス素子53を有していれば良い。
また、本実施形態では、フィードバック回路において、IGBT専用センス素子54とFWD専用センス素子53とで、一端側にそれぞれ接続されるセンス抵抗102が共通化される例を示した。しかしながら、IGBT専用センス素子54とFWD専用センス素子53とでセンス抵抗を分けた構成としても良い。
また、本実施形態では、本実施形態においては、センス抵抗102が、IGBT専用センス素子54のエミッタ側、及び、FWD専用センス素子53のアノード側に接続される例を示した。しかしながら、IGBT専用センス素子54のコレクタ側にセンス抵抗が接続され、FWD専用センス素子53のカソード側にセンス抵抗が接続された構成も可能である。
また、本実施形態では、IGBT専用センス素子54のエミッタ領域と接続されたIGBTセンス用のパッド57と、FWD専用センス素子53のアノード領域と接続されたFWDセンス用のパッド58が、それぞれ別個に設けられる例を示した。しかしながら、両パッド57,58が1つのセンス用パッドとして共通化された構成としても良い。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態では、ベースコンタクト領域17により、ベース領域11としての、ベース領域14や端部領域24がエミッタ電極と電気的に接続される例を示した。しかしながら、図14及び図15に示すように、エミッタ電極とのコンタクトとして、半導体基板10の第1主面側からトレンチコンタクト27が形成された構成としても良い。このトレンチコンタクト27は、半導体基板10の第1主面側からベース領域11よりも浅い深さをもってベース領域11内に形成したトレンチ内に、タングステン(W)などの導電材料を埋め込んでなるトレンチ構造のコンタクト領域である。このトレンチコンタクト27は、上記したp導電型(p+)を貫通して形成されている。それ以外の構成は、第1実施形態及び第2実施形態に示した構成(図6及び図10参照)と同じである。このようなトレンチコンタクト27は、周知の半導体プロセスにより形成することができる。
このようにトレンチコンタクト27(該トレンチコンタクト27を形成する際のトレンチ)を設けると、ベースコンタクト領域17(アノード領域として機能するベース領域14及び端部領域24)の第1主面側の一部、すなわちベース領域11の高濃度部分の一部が取り除かれる。これにより、トレンチコンタクト27の存在しない構成に比べて、FWD素子の動作時に、上記ベースコンタクト領域17(ベース領域14,端部領域24)から半導体基板10側へのホールの注入量が減少する。したがって、FWD素子が非動作状態に切り替わる(オン状態からオフ状態に切り替わる)際の、動作時とは逆方向に瞬間的に流れるリカバリー電流Irrの値を小さくし、ひいてはSW損失(換言すればAC損失)を低減することができる。
特に、図14及び図15に示す例では、スナップバックを抑制すべく、FWD領域19bを構成するベース領域14やFWD領域19cを構成する端部領域24にトレンチコンタクト27を設けている。これらFWD領域19b,19cを有すると、FWD領域19aのみの構成に比べて、FWD素子の順方向動作時に、半導体基板10へのホール注入量が増加することも考えられる。これに対し、上記したようにトレンチコンタクト27を設けると、ホール注入量を抑制することができる。なお、図14及び図15では、幅狭であるFWD領域19aのベース領域14にもトレンチコンタクト27を設けているが、少なくともFWD領域19bを構成するベース領域14やFWD領域19cを構成する端部領域24にトレンチコンタクト27が設けられれば良い。図14及び図15は、その他変形例を示す断面図であり、図14は図6に、図15は図10に対応している。
なお、図示しないが、電子線やヘリウム線などの放射線を照射することにより、例えば半導体基板10におけるベース領域11との境界近傍に、低ライフタイム層が形成された構成としても良い。これによれば、ベース領域11直下のキャリア密度を低下させることができる。したがって、FWD素子の動作時に、アノード領域として機能するベース領域11近傍のキャリア密度が小さくなり、ひいてはリカバリー電流Irrの値を小さくしてSW損失を低減することができる。
本実施形態では、半導体装置100がフィールドストップ層23を備える例を示した。しかしながら、フィールドストップ層23を有さない構成としても良い。
本実施形態では、特許請求の範囲に記載の第1導電型をn導電型、第2導電型をp導電型とする例を示した。しかしながら、第1導電型をp導電型、第2導電型をn導電型(pチャネルのIGBT素子を有する構成)としても良い。
本実施形態では、半導体基板10の主面側表層において、ベース領域11として、エミッタ領域16が形成されず、ベースコンタクト領域17が形成されたベース領域14を少なくとも含む領域を、第4領域としてのFWD領域19とする例を示した。しかしながら、図16に示すように、メイン領域30において、ベース領域13が一方向に沿って連続して設けられ、ベース領域13がFWD素子のアノードとしての役割も果たす構成についても、上記した特徴を適用することができる。
図16では、ベース領域13のうち、大部分が一方向に沿う幅の狭い幅狭領域13aとされ、幅狭領域13aよりも数の少ない一部の領域13bが、幅狭領域13aよりも幅の広い幅広領域となっている。そして、各ベース領域13において、チャネル22に挟まれる部分が、第4領域としてのFWD領域19となっており、幅広領域13bの該当部分がFWD領域19b、幅狭領域13aの該当部分がFWD領域19aとなっている。さらに、幅広領域13bの幅、すなわち、幅広領域13b(FWD領域19b)を挟む2つのチャネル22の内−内の距離L4が、170μm以上となっている。このような構成としても、RC−IGBT素子を備える構成において、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。図16は、その他変形例を示す断面図である。
本実施形態では、トレンチ構造のゲート電極12を有するIGBT素子の例を示した。しかしながら、プレーナ構造のゲート電極12を有する構成についても、上記した特徴を適用することができる。
例えば図17に示す例では、半導体基板10の第1主面側表層に、厚さ方向と一方向に垂直な方向とに延びたベース領域11としてのpウェルが、一方向において、互いに離間しつつ複数形成されている。一方向において並設された複数のベース領域11の各表層には、ベースコンタクト領域17と該領域17を一方向において挟む態様でエミッタ領域16が形成されている。また、一方向において、互いに隣り合うベース領域11の、対向するエミッタ領域16間を跨ぐように、第1主面上には図示しない絶縁膜を介してプレーナ構造のゲート電極12がそれぞれ形成されている。そして、複数のベース領域11のうち、大部分のベース領域11aが一方向に沿う幅が狭い領域とされ、残りのごく一部のベース領域11bがベース領域11aよりも幅の広い領域となっている。
これらベース領域11a,11bにおいて、チャネル22(図示略)に挟まれる部分が、第4領域としてのFWD領域19となっており、幅の広いベース領域11bの該当部分が幅広領域としてのFWD領域19b、幅の狭いベース領域11aの該当部分が幅狭領域としてのFWD領域19aとなっている。ベース領域11bでは、表層に形成されたエミッタ領域16にそれぞれ隣接して図示しないチャネルが形成されるが、このチャネル間の距離L5、換言すればFWD領域19bの一方向に沿う幅が、170μm以上となっている。このような構成としても、RC−IGBT素子を備える構成において、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。
図17に示す例では、エミッタ領域16も有するベース領域11の一部をアノードとして機能させる構成、すなわち図16に示す構成においてゲート電極12をプレーナ構造に置き換えた構成となっている。これに対し、図18に示すように、アノードとして機能する専用の領域を有する構成、すなわち図6に示す構成においてゲート電極12をプレーナ構造に置き換えた構成としても良い。
図18に示す例でも、半導体基板10の第1主面側表層に、厚さ方向及び一方向に垂直な方向に延びたベース領域11としてのpウェルが、一方向において、互いに離間しつつ複数形成されている。一方向に並設された複数のベース領域11は、表層にベースコンタクト領域17と該領域17を一方向において挟む態様でエミッタ領域16が形成されたベース領域11aと、ベースコンタクト領域17のみが形成されたベース領域11c,11dを含んでいる。半導体基板10の第1主面側表層において、2つのチャネル22(図示略)間に、ベース領域11として、ベース領域11aを含む領域がIGBT領域18、ベース領域11c,11dを含む領域が、FWD領域19となっている。これらIGBT領域18及びFWD領域19は、一方向に沿って交互に設けられている。
また、互いに隣り合うベース領域11を跨いでプレーナ構造のゲート電極12がそれぞれ形成されている。そして、ベースコンタクト領域17のみが形成されたベース領域11c,11dのうち、大部分を占めるベース領域11cが一方向に沿う幅が狭い領域とされ、残りのごく一部のベース領域11dがベース領域11cよりも幅の広い領域となっている。そして、ベース領域11cを含む領域が幅狭領域としてのFWD領域19a、ベース領域11dを含む領域が幅広領域としてのFWD領域19bとなっている。
FWD領域19bの一方向に沿う幅は、FWD領域19aの一方向に沿う幅よりも広くされてなっており、さらには、FWD領域19bの一方向に沿う幅、すなわち、ベース領域11dを間に挟む、隣り合うチャネル間の距離L6が、170μm以上となっている。このような構成としても、RC−IGBT素子を備える構成において、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。なお、図17及び図18では、フィールドストップ層23のない構成を示したが、フィールドストップ層23を有する構成としても良い。図17及び図18は、その他変形例を示す断面図である。
なお、図18では、幅広領域としてのFWD領域19bに含まれるベース領域11dの幅を、幅狭領域としてのFWD領域19aに含まれるベース領域11cやIGBT領域18に含まれるベース領域11aの幅よりも広くする例を示した。しかしながら、本実施形態で示したように、重要なのは、FWD素子として機能するベース領域11の部分を、該ベース領域11に近い位置のチャネル22からできるだけ遠ざける点にある。したがって、例えばベース領域11dの幅を、他のベース領域11a,11cと同じ幅とした場合でも、ベース領域11a,11d間の距離を調整することで、FWD領域19bを幅広領域とすることができる。
また、第2実施形態(図10参照)では、複数のベース領域11(13〜15)が並設された一方向において、ベース領域11(pウェル)が外周領域50まで延設され、一方向において、ベース領域11の端部(外周端24a)から最も近いチャネルまでの間に第8領域としての端部領域24が形成されている。また、半導体基板10の第2主面には、端部領域24に対応して、カソード領域21cが形成されている。そして、半導体基板10の第1主面側表層において、端部領域24を含み、一方向においてベース領域11の外周端24aから最も近いチャネルまでの間の領域である第9領域としてFWD領域19cの幅(一方向に沿う外周端24aからチャネルまでの距離)が、メイン領域30におけるFWD領域19aの一方向に沿う幅の1/2よりも長くされた例を示した。しかしながら、スナップバックを抑制すべく、外周領域50に構成されるFWD素子は、上記例に限定されるものではない。
図19は、その他変形例を示す平面図である。図19は、図5に破線で示すXIX領域に相当する。図20は、図19のXX−XX線に沿う断面図である。図21は、図19のXXI−XXI線に沿う断面図である。図19〜図21に示す例では、一方向に垂直な方向に長い矩形ループ状に形成された複数のゲート電極12が、一方向に並設されて、ベース領域11(pウェル)が一方向において区画されている。
メイン領域30では、図示しないコレクタ領域20に対向するベース領域11のうち、矩形ループのゲート電極12に囲まれたベース領域11が浮遊電位のベース領域15とされ、隣り合うゲート電極12間のベース領域11が第1主面側表層にエミッタ領域16とベースコンタクト領域17の形成されたベース領域13となっている。そして、ベース領域13を一方向における端部とし、ベース領域13とベース領域15とが一方向に交互に設けられてIGBT領域18が構成されている。
また、カソード領域21aに対向する全てのベース領域11(矩形ループのゲート電極12に囲まれたベース領域11及び隣り合うゲート電極12間のベース領域11の全て)が、第1主面側表層にベースコンタクト領域17の形成されたベース領域14となっている。そして、半導体基板10の第1主面側表層において、これらベース領域14を含み、一方向において隣り合うチャネル(図示略)間の領域が、FWD領域19aとなっている。
また、半導体基板10の第1主面側表層のうち、一方向に垂直な方向においてメイン領域30に隣り合う外周領域50の部分にも、ベース領域11(pウェル)が延設されて、p導電型の端部領域24が構成されている。この端部領域24は、隣り合うゲート電極12の間に位置するベース領域11(ベース領域13とベース領域14の一部)と電気的に接続(一体化)されている。また、上記した各ベースコンタクト領域17が、一方向に垂直な方向において、外周領域50まで延設され、隣り合うゲート電極12の間に位置するベース領域11(ベース領域13とベース領域14の一部)の第1主面側表層に設けられたベースコンタクト領域17が、端部領域24のベースコンタクト領域17も兼ねている。すなわち、図19〜21に示す例では、第9領域としてのFWD領域19cが、第8領域としての端部領域24のみを含んでいる。
そして、半導体基板10の第1主面側表層において、ベース領域11(端部領域24)の外周端24aから、最も近いチャネルまでの領域である第9領域としてのFWD領域19cの、一方向に垂直な方向に沿う幅L3(外周端24aから最も近いチャネルまでの、一方向に垂直な方向に沿う距離)が、FWD領域19aの一方向に沿う幅L7の1/2の長さよりも長くなっている。さらには、幅L3が85μm以上となっている。
このような構成においても、ベース領域11のうち、エミッタ電極と電気的に接続され、外周領域50に位置する端部領域24が、該端部領域24に対向するカソード領域21cとともに、第2実施形態(図10)に示した端部領域24及びカソード領域21c同様、FWD素子として機能する。したがって、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。また、FWD領域19aが幅狭領域に相当するので、このFWD領域19aにより、半導体基板10においてFWD素子の順方向動作時の電流分布を均一化させ、FWD素子の性能を向上することができる。すなわち、IGBT素子とFWD素子とを同一の半導体基板10に備える構成において、FWD素子を均一に動作させるとともに、FWD素子のスナップバックを抑制することができる。
なお、図19〜21では、FWD領域19aを構成するベース領域11として、第1主面側表層にベースコンタクト領域17を有するベース領域14のみを採用する例を示した。しかしながら、メイン領域30におけるIGBT領域18の構成や、FWD領域19aの構成は上記例に限定されるものではない。例えば、FWD領域19aがベース領域14とベース領域15を含む構成としても良い。また、IGBT領域18やFWD領域19aを構成するベース領域11の数も上記例に限定されるものではない。また、端部領域24専用のベースコンタクト領域17を設けても良い。
本実施形態では、ベース領域11(pウェル)を一方向に並設された複数のベース領域13〜15(及び端部領域24)とすべく、ゲート電極12を、一方向に沿って所定ピッチで繰り返し形成されたストライプパターンとする例を示した。しかしながら、ゲート電極12の配置は上記例に限定されるものではない。一方向に沿って所定ピッチで繰り返し形成されていれば良い。例えば、主面に沿う平面形状が、正方形や六角形などの多角形や、円形のゲート電極12を、一方向に沿って所定ピッチで繰り返し配置したものでも良い。
本実施形態では、メイン領域30において、FWD領域19a,19bに含まれるゲート電極12のうち、一方向における端部のゲート電極12の直下の位置に、コレクタ領域20とカソード領域21a,21bの境界が設定される例を示した。しかしながら、コレクタ領域20とカソード領域21a,21bの境界は、上記例に限定されるものではない。半導体基板10の第1主面側表層のメイン領域30において、1つのチャネルから一方向にて隣り合うチャネルまでの領域であって、カソード領域21a,21bと対向し、且つ、エミッタ電極と電気的に接続されたベース領域14を少なくとも1つ含む領域が、第4領域としてのFWD領域19a,19bである。したがって、例えば、IGBT領域18における一方向の端部のベース領域11の直下に、カソード領域21a,21bが位置する構成としても良い。また、一方向において隣り合う2つのチャネル間に、5つのベース領域11が形成され、そのうちの両端のベース領域11直下にコレクタ領域20が位置し、両端に挟まれた2つのベース領域11(ベース領域14)の直下にカソード領域19(19a,19b)が位置する構成としても良い。
10・・・半導体基板
11・・・ベース領域
12・・・ゲート電極(トレンチゲート)
13・・・ベース領域
14・・・ベース領域
15・・・ベース領域(第7領域)
16・・・エミッタ領域(第1領域)
18・・・IGBT領域(IGBT素子のセル領域)
19・・・FWD領域(第4領域)
19a・・・(幅の狭い)FWD領域
19b・・・(幅の広い)FWD領域
20・・・コレクタ領域(第2領域)
21・・・カソード領域(第3領域)

Claims (7)

  1. 第1主面及び第2主面を有する第1導電型の半導体基板に、ゲート電極を前記第1主面側に有する縦型のIGBT素子と、該IGBT素子に逆並列に接続された縦型の還流ダイオード素子と、が構成された半導体装置であって、
    前記半導体基板は、前記IGBT素子及び前記還流ダイオード素子が構成されたメイン領域と、該半導体基板の厚さ方向に垂直な方向において前記メイン領域を取り囲む環状の外周領域を有し、
    前記半導体基板の第1主面側表層に、前記半導体基板の厚さ方向に垂直な一方向において並設されて前記メイン領域全域に位置しつつ、端部が前記外周領域に位置する第2導電型の複数のベース領域と、
    複数の前記ベース領域のうち、前記メイン領域内における少なくとも一部の表層に選択的に設けられた、前記IGBT素子を構成する、前記半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の複数の第1領域と、
    前記ベース領域の少なくとも一部及び前記第1領域と電気的に接続された第1電極と、
    前記半導体基板の第2主面側表層に、前記一方向において互いに隣接しつつ交互に設けられた、前記IGBT素子を構成する第2導電型の第2領域、及び、前記還流ダイオード素子を構成する、前記半導体基板よりも不純物濃度の高い第1導電型の第3領域と、を備え、
    第1主面側表層に前記第1領域が設けられたベース領域には、前記IGBT素子のオン動作時に、前記第1領域に隣接して第1導電型のチャネルが選択的に設けられ、
    前記ベース領域は、前記外周領域に、前記ベース領域の端部から所定の領域であって最も近い前記チャネルまでの間に位置し、前記第1電極と電気的に接続された第8領域を含み、
    前記半導体基板の第2主面側表層における外周領域には、前記第8領域に対応して、前記第3領域が設けられ、
    前記半導体基板における第1主面側表層において、1つの前記チャネルから前記一方向にて隣り合う前記チャネルまでの領域のうち、前記第3領域に対向するとともに、前記第1電極と電気的に接続された前記ベース領域を少なくとも1つ含む領域が第4領域とされるとともに、前記第8領域を含み、前記外周領域に位置する前記ベース領域の端部から、前記一方向又は前記一方向と前記厚さ方向とに垂直な方向において最も近い前記チャネルまでの間の領域が第9領域とされ、
    前記第9領域における前記ベース領域の端部から最も近い前記チャネルまでの幅が、前記第4領域における前記一方向に沿う幅の1/2よりも長いことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記複数のベース領域の端部は、前記一方向において前記外周領域に位置しており、
    前記第8領域は、前記一方向において、並設された複数の前記ベース領域の端部から所定の領域であって最も近い前記チャネルまでの間に位置しており、
    前記第9領域は、前記半導体基板における第1主面側表層において、並設された複数の前記ベース領域の前記一方向における端部から最も近い前記チャネルまでの間の領域であり、
    前記第9領域における前記一方向に沿う幅が、前記第4領域における前記一方向に沿う幅の1/2よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 複数の前記ベース領域として、前記第1領域を有さず、前記第1電極に接続されない浮遊状態の第7領域をさらに含み、
    前記第9領域は、前記第7領域を、前記一方向における前記メイン領域との境界領域として、前記メイン領域と前記第8領域との間に含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第9領域の幅が85μm以上とされていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の半導体装置。
  5. 前記ベース領域は、前記第1主面側から設けたトレンチ内に絶縁膜を介して導電材料を埋め込んでなる複数のトレンチゲートにより、前記一方向に沿って並設された複数の領域に区画され、
    前記トレンチゲートは、側面部位に隣接して前記第1領域が設けられた、前記IGBT素子を構成するトレンチ構造の前記ゲート電極を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記第8領域には、前記第1電極とのコンタクトとして、第1主面側から設けたトレンチ内に導電材料を埋め込んでなるトレンチコンタクトが設けられていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記半導体基板は、前記IGBT素子及び前記還流ダイオード素子の構成された能動素子領域と、該能動素子領域よりも前記第1主面に沿う大きさが小さいセンス領域とを有し、
    前記センス領域には、前記還流ダイオード素子に流れる電流に比例した電流が流れるセンス素子が形成され、
    前記センス素子による検出結果に基づき、前記還流ダイオード素子が動作時か非動作時であるかを判定するとともに、前記還流ダイオード素子の動作時には前記ゲート電極への駆動信号の入力を遮断し、前記還流ダイオード素子の非動作時には前記ゲート電極への前記駆動信号の入力を許可するフィードバック手段を備えることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の半導体装置。
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